telのCD購入紀行 2000-2005


2005年12月

2005/12/29   ネット注文CDが到着。

   8ビット・サウンド・ポップスなYMCKの2ndアルバムがリリースされた。
   仮想ファミコン・ゲームをテーマにしたコンセプト・アルバムかな。
324・YMCK:Family Racing:☆☆☆
   8bitっぽい素朴な響きはそのままに、アレンジが凝って
   複雑なポップスに進化した。トータル・アルバムのような
   構成をとってるが、それぞれの曲は独立してる。
   アイディア一発の音選びだから、さらなる展開は難しいかと
   思ってたら、いい意味で裏切られた。音の厚みを増やし、歌声も
   入り組みながら、素朴な響きを依然として生かすセンスがさすが。
   高橋名人のゲストなど、マニアックな志向を生かしつつ
   曲そのものはキュートなテクノ・ポップに仕上げた。
   ボーカルのロリータぶりは相変わらず。歌声も一つの要素として
   全体像で味わうべき音楽だろう。
   しかしファミコンで遊んだ頃の、ノスタルジーをくすぐるねぇ。
   実際には当時のスペックで不可能な音楽なのに。

   プリンスの新作シングルは1曲入り。ネットではいろいろ
   発表してるらしいし、もっとCDでも出して欲しいぞ。
   演奏はホーン隊やストリングスまで入った豪華なものみたい。
323・Prince;Te Amo Corazon;☆☆
   ラテン・タッチの甘いミドル・テンポ。ひねったセクシャルさは
   プリンス節ばっちりだ。パーカッション類とベース、ホーンにストリングス。
   それ以外をプリンスが録音してる。ギター・ソロにスキャットを
   かぶせたり、官能的な味付けは試みるも、小品のイメージが強い。
   大人になった印象ある。アルバムはどんな仕上がりになるんだろう。

   先日のライブで彼らのカバーを聴く機会あり。原曲でも聴きたくて買ってみた。
   2003年リリースの米リマスター盤を入手。オリジナルは1970年に発表された。
   ボートラで73年のモータウン・クリスマス盤に収録された"Little Christmas Tree"。
322・Jackson 5:The Christmas Collection:
   曲はありふれたクリスマス・スタンダード。演奏はまあまあ。
   ときおりファンキーなベースが聴こえるが。あえて聴くべき盤とは思えない。
   しかし。オリジナルの"Give love on Christmas day"のおかげで
   この盤は無視できない。素晴らしい曲だ。ロマンティックな
   メロディとアレンジが、華やかに降り注ぐ。
   クリスマスのBGMに困った時、かけてもいいかも。
   マイケル・ジャクソンのハイトーンが気にならなければ。

2005/12/26   ネットとレコ屋とで購入。

   元GBV、ロバート・ポラードのシングルは1000枚限定。
   来年発売のアルバム'From A Compound Eye'の先行が1曲、
   本盤収録のみと思われる曲が2曲入った。
   馴染みのトッド・トビアスがプロデュース。やけに音が良さそうだ。
321・Robert Pollard:I'm A Stong Lion (single):☆☆★
   タイトル曲はキャッチーだが1分程度の短い曲。これをシングル切りするか。
   併収2曲はアルバム未発表。双方とも3分くらい、タイトル曲より長いという。
   (2)はアコギの爪弾きでインストと思わせ、中盤からようやく歌。とはいえ呟くような
   調子っぱずれのメロディでデモテープ以前、作曲を模索中のさまを切り取ったかのよう。
   後半になって漸く歌っぽく鳴る。
   いっぽうの(3)もアコギ弾き語りだが、ビートルズっぽい甘酸っぱい
   メロディが印象的な佳曲。ラフな歌い回しで
   デモの域は出ないが、ロバートらしい投げっぱなしメロディを味わえる。

   "渦"は加藤祟之(g)、金井英人(b)、馬場たかもち(ds)のユニットか。
   1991年に新宿ピットインで行われたライブで、アケタからのリリース。
   発売年度がクレジットないけど、同時期のリリース?
320・渦:渦:☆☆
   加藤の2面性を味わえるライブ盤。セッションのほうは
   ノービート、ノーメロディ。混沌がじわじわと膨らむアヴァンギャルドな
   展開が延々と続く。灰野敬二に通じる空気の酩酊を感じた。
   加藤と灰野の共演ってあるのかな。聴いてみたくなった。
   馬場たかもちのドラムはランダムにチリチリと鳴る。
   いまひとつ金井英人(b)の存在感が弱いかな。
   2曲はアコギのソロ。温かくメロディと戯れる。
   部屋で聴くにはこちらのほうが耳へ馴染んだ。

   大友良英がインプロヴァイザー二人とフランスのフェスで行った
   模様を収録した。1994年の録音らしい。フランス語でなにを書いてるのか不明・・・。
319・John King/David Moss/大友良英:All at once at any time:☆☆☆★
   聴き応えある即興が多い。基本はノイジーだが、どこか
   ユーモアを常に持つ。短い即興を数珠繋ぎにして、聴いてて
   集中力が続く。手癖で即興を垂れ流すのでなく、アイディアを
   提示しあう刺激が面白い。どうやら編集もしてるようだ。
   ぴりっと張り詰めた即興と、ターンテーブルから流れるさまざまな
   音楽の断片が、懐深く一致した快盤。これは良いなあ。

   ランディ・ウェストン(p)が1966年のモンタレー・ジャズ祭に出演時の
   ライブ発掘音源。70年に他界するブッカー・アーヴィン(ts)が
   参加の意味でも、貴重な音源らしい。1993年発売の邦盤を入手した。
318・Randy Weston sextet:Monterey '66:☆☆
   野太いブッカー・アーヴィンのサックスは心地よいが、ぜんたいは
   ちょっと冗長な感じする。パーカッションを強調したシーンもあるが
   ここで強烈なビートがないからかもしれない。
   アフリカの雄大なビートに身を任せたら味わい高まるとは思うが・・・
   逆に寛いだときには、はまるジャズ。大編成ながら分厚さ一辺倒で進まず
   時には小編成でしっとり聴かす。

   今までドルフィーってほとんど聴いたことない。改めて聴いてみます。
   本盤はブッカー・リトル(tp)をくわえた5人編成。
   パーカーへのトリビュートやマルの"Left alone"を取り上げた。
   CDは"Serene"のボートラ入り。ONJQのレパートリー曲かな?
   録音は1960年。97年再発の邦盤を入手。
317・Eric Dolphy:Far Cry:☆☆☆☆★
   冷徹なグルーヴが溢れ、2管の交錯がスリリング。例えば(1)で、
   ドルフィーが切り込むフレーズや瞬間の鮮烈さが堪らなく素敵。
   叙情性もクリアに引き締まった風景で、すっきりヌケの良い音質と
   涼やかな耳ざわりがとても良い一枚。どのアドリブも溌剌としている。
   アグレッシブさでなく、凛とした雰囲気に惹かれるジャズ。

05/12/24   レコ屋の棚を何の気なしに見てたら、探してた盤を見つけた。ラッキー。

   フォー・シーズンズが1985年にリリースした作品。
   最初に聴いた、彼らの盤がこれ。タイトル曲はドゥ・ワップの
   モノトーンズのカバー。
   シンセドラムがびしばしで、彼らの代表作とはいえないけれど。
   3曲目の"Moonlight Memories"がめちゃくちゃ好きなんです。
   プロデュースはSandy Linzer。でも数曲でボブ・クリューや
   ボブ・ゴーディオの名前もあり。
   いったんCD化されたが廃盤に。ずっとCDを探してたんだ。
316・Frankie Valli & the Four Seasons:Street Fighter:☆☆
   今聴くと茫洋なリズムとトロいシンセの音色に辟易する。
   時代だから仕方ないけれど・・・。ヴァリの喉は渋みを増したが
   色合いは褪せない。バラード系がやはり良い。想い出の思い入れが
   あるとはいえ。ユーロ・ビートっぽいアップは、今聴くと
   あまりにもプラスティックっぽい。生でじっくり聴きたいね。
   セッション・ミュージシャンをどっさり呼んで、豪華なつくりなんだが。
   今回、日本語解説を読んで、そうとう力を入れたアルバムだって知った。
   厚化粧ではあるが、フォー・シーズンズの色合いはギリギリ残ってる。

   一枚だけ買うのは寂しいので・・・ジャズのコーナーから
   引っ張り出した一枚。オルガン奏者のロニー・スミスが1968年に
   ブルーノートへ吹き込んだ一枚。聴きそびれてました。
   まあ、ブルーノートのオルガン関係盤ってごっそりあるけれど。
   リー・モーガンらが加わった、8人編成。
   コンガが二人にティンバレスが1人いる。ラテン系のジャズかな?
   収録曲の"Slouchin'"は、たぶんコンピで聴いたことあるはず。
315・Lonnie Smith:Think!:☆☆★
   とにかくテーマのアレンジが魅力的だ。熱狂的に黒く盛り上がらず、
    ドラムにパーカッション三人と大編成ながら、どこか一歩引いた静けさを持つ。
   クールなオルガン・ジャズが欲しいとき、ぴったり。
   ボリューム上げて聴くと、迫力増すよ。

2005/12/16   ライブの物販やネット購入やら。

   30周年記念で再発された。またか、と思ったが・・・前回にボートラ
   どっさりで再発されたの94年。もう11年前なんだ。
   ボートラを9曲入れ、前回再発盤とはちょっと内容が違う。
314・Sugar Babe:Songs:☆☆☆☆★
   ガレージ・ポップの名盤。今回聴いてて、ブラスもホーンも
   入った、贅沢な仕上がりだったと実感した。
   アンサンブルによるグルーヴが堪らない。
   ほんのりつたない歌声や演奏もコミで、全てがいとおしい。
   学生の頃、ほんとうに何度も何度も聴いたなあ。
   ボートラも楽しめた。貴重なライブ音源やデモも
   嬉しいが、"Sugar"の別テイクが何よりワクワクした。
   ごつっとしたミックスは、荒っぽい彼らの魅力をがっちり掴んでる。

   ティポグラフィカ解散後に今堀が立ち上げたバンドがウンベルティポ。
   これは99年にリリースされてたミニアルバム。出てたの、ちっとも知らなかった。
   菊地成孔や大儀見元らがサポートしてる。打ち込みをベースにギターを弾く格好か。
313・ウンベルティポ:Unbeltipo:☆☆★
   ゲスト・ミュージシャンもいるが、基本は打ち込みとエレキギター。
   特有の捩じったリズムとメロディを展開する。単独録音ゆえに
   楽曲に情け容赦なく、馴染むまでに時間かかった。
   だからゲスト演奏始まるとほっとする。ギターのスピーディさはさすが。
   ティポグラフィカからソロへ向かう今堀の、好き放題やった小品。

   大友良英ニュージャズ・オーケストラは、エリック・ドルフィーの
   "Out To lunch"をそのままカバーする企画。何年も前からアイディアを
   暖めていたそう。ライブの物販で買ったため、おまけとして
   "Hat and beard"の長尺(14分)バージョンCD-R付き。
   CDテイクが6分だから倍以上。となると、他の曲ももっと
   もともとは長いんだろうか。新譜なのに、そっちへも興味が行ってしまう。
   まずはこのCDをきちんと聴かないとね。
312・Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra:Out to lunch:☆☆☆☆
   ドルフィーの和音感を上手く取り入れ、なおかつ大友らしい不安感溢れる
   音の響きをたんまり取り入れた。"Out to lunch"を知らずとも楽しめるし、
   たぶん"Out to lunch"を聴きこんだら、もっと楽しめるんだろう。
   惜しむらくはダイナミクスがフラットなこと。
   極小音も聞きとれるようミックスしたことで、音像が平板になってしまった。
   逆に言うと、でかい音もサイン波やノイズの小さな音も平等に聞き取れる。
   現実演奏では不可能な音像は単純に、響きが快感だ。
   ライブ体験後では奏法理解が深まりより楽しめた。サイン波や、カタカタ言うノイズの出し方が。
   ボートラは編集前の音源だろう。あえてぼくが選ぶなら編集後のコンパクト版。
   したがってボートラでは手を加える前、生々しい個々の演奏が聴ける。
   ストイックさ漂う大友ジャズの結晶な一枚。時間をかけて味わいたい。

   オリジナルの盤をきちんと聴いたことなかった。
   いままでドルフィーって苦手だったので。録音は1964年。
   5人編成で、ドルフィーのやりたい音楽をのびのび演奏した盤らしい。
   1998年のリマスター米盤を購入した。
311・Eric Dolphy:Out to lunch!:☆☆☆☆
   青白く頼りなげな響きを基調に、深くジャズが揺れた。
   ONJOの後に聴いたが故の、親しみやすさとわかりやすさが
   まず先に立つ。先入観無しで、本盤を体験したかった。
   ダンス・ビートを拒否し、聴くジャズを突き詰めた一枚。
   五人編成なのに、アンサンブルの響きは奥が深い。
   だれもが過不足無くサウンド構成要素になっている。
   アドリブを楽しむよりアンサンブル全体のほうが、まず優先な気がする。
   すっきり駆け抜ける風の耳ざわりが心地よい。
   映像残ってないかな。ライブをどんな風に行ってたか興味出てきた。
   しかしこれがたった一日で録音されたとは。すごい集中力だ。
   録音前、どのくらいドルフィーはこの音楽を煮詰めていたんだろう。
   ボビー・ハッチャーソンのヴァイブが奇妙な味を加速する。
   どこかで「ピアノの置き換えでヴァイブを採用」と読んで、なるほどと膝を打った。

05/12/3   ネットとCD屋と。時間は有限だけど、好奇心は果てしない。

   珍しいCDを見つけた。しかも未開封盤で。だれが手放したんだろう。
   1990年にファンハウスからリリース。帯には「90年代日本ジャズシーンの
   若手ミュージシャン5バンドの熱演」とある。今の目で見ると、
   そうそうたるメンバーだ。黒田京子、大友良英、南博、水谷浩章、
   青木タイセイ・・・etc,。当時の彼らの音源、もっと残ってないかな。聴きたいよ。
310・V.A.:Now's the time Workshop:
☆☆☆
   今となっては貴重な記録。00年代に一線で活躍するミュージシャンらの
   初期の活動が伺える。普遍的に楽しめるのは、やはりORT。次いで南博トリオか。
   大友良英の活動元祖ともいえそうな、ロマンティシズムを感じるORT。
   Go there!へ結実する南博の軽快なピアノと、水谷のベース。聴き応えあり。
   爽快なバップを聴かす岡まこと、ストレート・アヘッドな五十嵐一生は
   古びないが新鮮味の点でつらい。フュージョン・タッチのAoo-Nashiは
   演奏のうまさとは別次元で、時代を感じてしまった。

   明田川荘之(p)のライブが2枚組で出た。斉藤徹(b)とのデュオで2005/1/25に
   アケタの店で行われた。1~2曲カットした以外は、ライブほとんどを
   収録してそう。この日はいきそびれたんだよなー。
309・明田川荘之、斉藤徹:Life Time:
☆☆☆★
   最近の明田川ライブの様子を上手く切取った一枚。ボリュームたっぷりな
   ところも嬉しい。アルバムとしてみるなら、一枚に刈り込んだ方が
   集中力を増したかもしれないが。
   パーカッシブなベースのアプローチがそこかしこに見え、ベースとの
   デュオと忘れることすらも。明田川のピアノは奔放に揺れる。
   ベストテイクは・・・"アフリカン・ドリーム"かなあ。圧倒的な
   熱気を持って、音がうごめく。
   "オーヨー百沢"のおごそかで清清しいさまも、聴き応えあり。

   エレクトリック・マサダの新譜は2枚組。
   スロベニアとロシアでのライブを収録した。さりげなくツアー
   やってるんだなあ。ゾーンのライブスケジュールって、どのサイトを
   見たら分かるんだろう。ジャケットは微妙にアジア風味だ。
308・Electric Masada:At the mountains of Madness:
☆☆☆★
   トレバー・ダンのベースが肝。個々のアドリブよりもアンサンブル
   構築が耳を掴む。MASADAの曲がこんなにチェンバー・ジャズ・ロックに
   馴染むなんて。どのソロもジョン・ゾーン流の勢い一発な
   フレーズになってる。二人のドラマーを両チャンネルにかっちり分け、
   一丸となって怒涛の行進を見せた。このメンバーで
   来日公演もして欲しい。

   ついに買えた~。別に初CD化じゃないと思うが、クリスマスアルバムは
   タイミング逃すと、手に入りづらくって。発売は1983年。
   細野晴臣と高橋幸宏が運営していたYenレーベルのクリスマス盤。
   ムーンライダーズや大貫妙子、伊藤銀次といったYenに関係ない顔ぶれも
   加わってる。本盤収録の立花ハジメ"White and white"が好きでね~。
   当時、何度聴き返したろう。ミュージック・テープで買ったんだ。
307・V.A.:We wish you a merry Christmas:
☆☆☆★
   思春期にさんざん聴いた分、懐かしさのバイアスがかかる。
   しかし未発表の書き下ろし音源を集め、バラエティに富んだ選曲と、
   一癖あるメンバーを集めたセンスは素晴らしいと思う。
   今聴いても新鮮だし、聴き応えあり。アコースティックから完全テクノまで。
   ばらばらな選曲だけど、不思議に統一感あり。
   再発盤としては、物足りなさが残る。マスタリングが甘くて、音の
   ピントがボケてるし・・・解説も付加価値もなく、当時の歌詞カードを
   投げ込んだのみ。せっかくの再発なら、愛を込めようよ。

   買いそびれてました。佳村萌がpere-furuと2004年にリリースしたアルバム。
   長尺曲は一曲だけ、歌が中心のアルバムかな。
306・佳村萌 with 勝井祐二/鬼怒無月:うさぎのくらし:☆☆★
   きちんとした曲もあるが、むしろポエトリー・リーディング漂う雰囲気の
   方が印象強い。Pere-Furuによる演奏もサイケ感覚がばっちり。
   ダビングも施し、厚みある音像を展開した。
   惜しむらくは声の発音があまりにオンマイク過ぎること。
   破裂音のリップ・ノイズがかなり気になる。なんとかならんものか。
   寛げそうで、かなり緊張感もって聴く盤。リラックスさせない強い意志を感じた。   

   トランプスは70年代のフィリー・ソウルグループ。今まできちんと
   聴いておらず買ってみた。これは1975年のアルバムに数曲のボーナスを 
   収録した、2002年にリイシューされた盤。
305・The Tramps:tramps:
☆☆☆
   ディスコ調の軽いイメージが基本になるが、メロディは軽快で
   ハーモニーもきれい。楽しめた。ソウルを過剰に求めなければ良いのか。
   (6)の"Tramps Disco Theme"はなにかのBGMで聞いたことあり。彼らの曲だったのね。
   やはりバラードが聴きものか。
   1stアルバムでこの完成度はすごいな。
   ボートラは全てディスコ・ソウル。まあ、おまけかな。

   ソニーからグローリアス・ソウル・ジェムズ・シリーズと題し、
   紙ジャケ廉価版のシリーズが行われた。その中の一枚。
   シカゴ出身のコーラス・グループが1967年にリリースしたデビュー盤。
   世界初CD化とある。このバンド、今まで聴いたことないや。
304・The Artistics:Get my hands on some lovin':
☆★
   R&B寄りのシカゴ・コーラス・グループ。タイトな感じはまあまあだが、
   根本的な個性に欠ける。アップ~ミドルばかりが収録されてるのもいまいち。
   一曲くらい、しみじみしたバラードも聴きたかった。ハイトーンの歌声は
   爽やかだが、粘っこさが物足りない。一番惹かれたのは(6)。イントロでぐわっと
   声を伸ばす清清しさにやられた。バンドとして時代を引っ張るまでは
   行き着かなくても、実力はきちんとありそう。あと10年、活動が早かったら
   違う道もあったかも。メイジャー・ランスのデビュー後では、路線がいかにも二番煎じっぽい。

   お洒落ソウルの文脈でテリー・キャリアーの名前は良く見るが、
   今まで聴いたことなし。これは1972年のアルバム。
303・Terry Callier:Occasional rain:
☆☆★
   落ち着いて洗練されており、ソウルのイメージは薄い。むしろソウルに影響を受けた
   ブリティッシュ・ミュージックのような感触すらも。
   歌声はまだしも、もうちょい演奏がファンキーでもおかしくない。
   これはテリーの意向かな。メロディもきれいだし、アレンジも
   きれいにまとまっている。もうちょいじっくり聞いてみたら
   メロディが頭へしみこむのかもしれない。

2005年11月

05/11/25   ネットやライブハウスにて購入。

   "ソノリテ"からのシングルカット。ホンダのCMソングのタイアップで
   発売された。カップリングは"ラッキーガールに花束を"。これも同じ車のタイアップ?
   ファンへの目玉は"風の回廊"のライブテイク。1999年ツアーより。

302・山下達郎:白いアンブレラ(single):
☆☆☆
   なるたけでかい音で聴くべき盤。ボリュームを上げるほどに
   色彩感がぶわっと増す。テイクはアルバムと一緒かな?
   表題曲はコーラスがまったく入ってない。
   しかしカラオケが実にうまく作られており、歌なしでも
   極上のソフトなポップスとして成立する。気持ちいいよ。
   ライブ・テイクはあっさりめ。もっと長尺で盛り上がるのが聴きたいな。
   そのうち出るであろう"JOY2"に期待だね。

   ポールの最新盤"Chaos and creation in the backyard"からの2ndシングル。
   今回もアルバム未収録曲が2曲、カップリングされた。えらい創作意欲だなあ。

301・Paul McCartney:Jenny Wren (Single):
☆☆
   おっとりした印象のシングル。枯れた様子を感じさせないのがさすが。
   カップリングの曲もまずまず。サイケな色合いをまぶした(2)は
   凝ってて面白いが、それよりも(3)のポールらしい
   鼻先をひねるメロディが好み。こっちはテンポを上げたほうが
   躍動感は増すのでは。デモっぽいアレンジで、淡々と歌う。

   プリンスが久々にシングルを出した。新曲が2曲入ってる。
   ネットのNPGではすでにダウンロード発表してたらしいが。
   ニューオーリンズの台風に対する寄付として発売した。
   カップリングはそれに引っ掛けてか、"Brand New Orleans"という
   ジャムらしい。まだ聞いてないのですが。
300・Prince:S.S.T.(Single):
☆☆☆
   表題曲は軽やかでビートを兼ね備えた、軽快なファンク。
   粘っこさをあえて押さえた。次第にハーモニーが厚くなり
   盛り上がってく。明るく駆け抜ける曲。あんがいプリンスの新境地では。
   ベースがもうちょい強いほうが好みだけど、いい曲だよ。
   相変わらずプリンスは、オブリのリフが上手い。
   エンディングでぐっとファンキーになる。
   カップリングは、表題曲コーダのファンク部分をエクステンドしたもの。
   全ての演奏をプリンスがやってるので、ジャムというにはあたらない。
   いくつかのキーボードが手癖っぽくソロを取る。
   うーん物足りなし。あくまでおまけって発想で聴くべき。

   スウェーデンのストックホルムで活動するというバンドの3rdの日本盤。
   ミニマルでエレクトロとアコースティックの混交。
   月光茶房でこのバンド知って、聴いてみたくなり購入した。
   エレクトロ、トランペット、ベーシストのトリオ編成ながら、
   オーバーダブを多数して厚みある音楽にした。
   音響派でいいんだろうか。ビート感でなくサウンドの響きを志向してるようだ。
299・Tape:Redeau:
☆☆☆
   リズムを明確にせず、滔滔と漂う。心地よさは抜群。
   エレクトロと生ギター、トランペットが自然に同居するアレンジのセンスがすごい。
   変化はあるが、しごくゆっくりと表情を変える。
   ライブならまだしも、CDではBGMの側面が強い。
   寛ぎながら音に浸って寛ぐ。あんがい隙間無くミッシリと音が
   詰まった構造だが、圧迫感無く聴けた。

   大島輝之/大谷能生/植村昌弘のバンド、simのライブ会場限定盤。
   (一部、ネット通販でも買えるが)
   ライブテイクが4曲入りのCD-R。 
   タイトルは2005年の2/16と3/15のテイクを収録した、の意味だろう。
298・sim:live02160315:
☆☆☆
   音質はまずまず。くっきりと音が聞きわけられる。変拍子と計算づくの
   メカニカルな音楽だが、繰り返し聴いてたらジワッとグルーヴがにじみ出る。
   鎧の隙間から素肌がにじみ出るかのように。
   メロディではなく、音の組合せ。まさにアンサンブルを志向する。
   繰り返しも多いが、ゆっくりと展開へ。ノイジーなシンセと
   タイトなドラムの影へダンサブルさを隠す。とにかくシャープで
   複雑なパターンを軽々叩く、植村のドラミングが聴き応えあり。

   P-ファンクの新作スタジオ盤はオール・スターズ名義。
   2枚組のボリュームで届けられた。まずは問答無用で、
   どっぷりファンクを聴きます。ジャケットのおしゃれ感がいまいち。
   んで、2BB4URってなんだろう。
297・The P-Funk all stars:How late do you have 2BB4UR Absent?:
☆☆★
   2枚組のボリュームだが、大味さが先に立つ。個々の曲では
   いい曲もあるんだが。いっそ1枚にまとめたほうが凝縮した
   快盤になる。オムニバス形式で、散漫な印象だ。
   音が全体的に硬い。グルーヴは一応P印なんだけどね。

   こっちもP-ファンク。ライブ盤で、同じく今年の発売。
   ファンカとパーラの総合名義。総力戦ですな、もはや。
   2004年にモントルー・ジャズ・フェスに出演時のライブとある。
   ほんとは数時間に渡ってライブやるらしいが、今回は1枚もの。
   フェスのライブなら、もしかしたら完全収録かな。
   ジャケットのセンスがブートっぽいです。
   選曲はヒット曲の連発ながら、ファンカ色は薄めに見える。
296・George Clinton & Parliament /Funkadelic:Live at Montreux 2004:
☆☆☆★
   粘っこいファンクを中心に、ヒット曲や代表曲を次々決める。
   フェスの限られた時間の中で、P-Funkの魅力を上手く抽出した、
   さすがのアレンジだ。スリルはないので全盛期並みとは言わない。
   しかしP-Funkにはじめて触れる人なら、いい入門盤かもね。全尺でなく、若干編集してるかも。
   同音源のDVDもあるようだ。こっちのほうが楽しめるかな?
   マニアックな視点では不満が残る。メンバーのクレジットが無いので。
   録音はちとコモり気味。ドンシャリでいまひとつふくらみが無い。
   上質ブートと考えるべきか、これは。

   ブライアン・ウィルソンの新譜はクリスマス・アルバム。
   やたらきらびやかなジャケがまぶしい。トラディッショナルを主軸に
   無難な選曲。ビーチ・ボーイズのカバーを織り込んだのが売りか。
   のどの調子もまずまず。ライブでだいぶ鍛えられたのかもね。
295・Brian Wilson:What I really want for Christmas:
☆☆☆
   かっちりしたクリスマス・アルバム。破綻なく、するする
   音楽が流れるあたり、かなりブライアンは復活してるんだな。
   ファルセットもきれいに響き始め、コーラスは聞いてて心地よい。
   伝統的なクリスマス・ソングが多い分、ちと飽きてしまう。
   ミニアルバムでもいいから、オリジナル中心にして欲しかった。
   たまに聴けるひねった和音が楽しいんだけど。
   要するに。ブライアンの復活を実感できる
   丁寧なつくりのアルバムだと思う。次のオリジナル作の出来が楽しみ。
   しかしこのジャケット、まぶしいなー。

   川下直弘がライブでよく吹く"ヨーロピアンズ"はカークのカバーだと
   最近知った。んで、早速買った次第。基本はカルテットかな。クレジットが読みづらい。
   2005年のリイシューだが、コレクタブルズからってのが気が進まぬ。
   盤起こしってイメージ強いんだよ。これはさほど音が悪くない。
   オリジナルは1975年にリリースされた。
   選曲はあんがい面白い。ミニー・リパートン"Loving you"、
   ミンガスの"Goodby pork pie hat"、コルトレーンの"Giant steps"などを
   取り上げている。
294・Rahssan Roland Kirk:The return of the 5000 lb.man:
☆☆☆☆
   ひとひねりしたジャズを詰め込んだ傑作。
   歌声で洗練された風を装い、演劇的な
   アプローチを取るが、それがどこか薄っぺらく胡散臭い。
   お洒落なジャズを茶化すような感触だ。
   演奏は滑らかなサックスがたっぷり。あえて黒っぽさを消し
   アンサンブルの味わいに軸足を置いた。
   ディキシーやヴォードビルへのオマージュか。アレンジが凝ってるよ。

   たまたま見つけた一枚。弦楽四重奏でポピュラー音楽を弾くのが
   コンセプトらしい。これもカークの"ヨーロピアンズ"を取り上げたので、
   話の種に買ってみました。1997年のリリース。
293・Quartette Indigo:Afrika! Africa!:
☆★
   聴き手というか、ターゲットはどういう音楽なんだろう。
   即興部分もありそうだが、基本はきっちりしたチェンバー・カルテット。
   あえてグルーヴィな曲を狙っても、どうしても端整さが先に立つ。
   BGMにはあくが強いし。ちょっと寛ぎ、ひねった選曲を楽しむにはいいかも。
   あまりピッチをカチカチにあわせてないので、ほんのりダルげな
   響き具合もまた良し。

05/11/19   ぱっとCD屋へ。なんか今日は目がかすむ。じっくりCDを選べやしない。

   先回買ったけど、ぶち割ったCDがこれ。買いなおしました。くう。
   フランスのレーベルから出た、メルツバウとズビニュー・コワルスキーの
   コラボ、MAZKの新譜。けっこう継続活動してるな。
   ウイーンとフランクフルトで録音とある。何年の作品だろう。
   発売クレジットは2004年。日本に入ってきたのは、つい最近のはず。
292・MAZK:In real time:

   コワルスキーの主導権らしき前半と、秋田らしいハードな展開の後半。
   一枚1曲の構成ながら、明らかに音のコンセプトが違う作品を
   強引に一枚へまとめたかっこう。
   全般的にはおとなしく、音要素も整理されている。
   ちょっとハード目の電子ノイズ作品、といったところ。

   ソウル・シンガーの新譜を2枚ほど買ってみた。最近はどんな歌手がいるんだろ。
  
   ニュー・メキシコ出身。盲目らしい。スティーヴィ・ワンダーが一曲、
   ハーモニカで参加してる。ソウルにフラメンコやジャズを融合って
   店のキャッチコピーに興味持った。
291・Raul Midon:State of mind:
☆☆
   アコギをうまくアレンジの芯に使った。ニュー・ソウルを
   系譜に持ったソウルか。粘っこさは無く、爽やかに歌声が流れる。
   軽快な節回しは楽しいので、今後の活動に期待だ。
   体裁整えが先に立ち、薄味な感じがする。
   若いから仕方ないか。(9)のバラードがしみた。

   "コーチ・カーター"なる映画のサントラに参加してるそう。
   これがデビュー盤かな。
290・Tray Songz:I gotta make it:
☆☆
   お洒落なソウル。今ひとつ食い足りない。悪くは無いんだが、
   どうも印象が軽いんだ。しかし"Gotta go"は名曲。これ一曲のために
   買って損はない。CD屋で本盤が流れてて、耳をそばだてたのは
   この曲だったかなあ。ううむ、覚えてない。
   バックは各プロデューサーが多重録音で仕上げた。
   そのため世界観が凝縮されて、密室っぽいソウルが楽しめる。
   強く迫らないのは、歌の線が細いのかな・・・?

05/11/13   GbVがらみでネット注文したCDが到着。まとめて来たなあ。

   Guided by Voices(というより、ロバート・ポラード)が過去に
   録り溜めた未発表作品の蔵出し4枚組100曲いりシリーズの
   第二弾が出た。今度は既発音源(?)も含んでる様子。
   ジャケットやらプロモ・キットやらがブックレットに載ってる。
   ローカルで活動してたときのほんとの話なのか、まったくの
   ジョークなのか。その辺は不明です。
   1980年から2005年の新録まで、ばらばらな年代をぐしゃっと
   盛り込んだ。時系列で把握したら、すさまじい録音の歴史になりそうだ。
   今回もすべて、突拍子も無いバンド名がどの曲もばらばらについている。
   なんでGbV名義にしないのか・・・ロバートの趣味なんでしょうな。
289・Guided by Voices:Suitcase 2:

   ロバートがトビアス兄弟とやってるユニットの新作。
   今回はトッド・トビアスとデュオでやってるみたい。
288・Circus Devils:Five:
☆☆★
   好き勝手に奔放な曲をずらり並べた。ロバートのとっちらかりっぷりを
   うまくトビアスが統一感もたせてまとめた。録音は荒っぽげ。
   ロック・ビートを全く意識しない。
   つるべ打ちの一筆書きアイディアの連打を楽しむ一枚。

   ロバート・ポラードが映画のサウンド・トラックとして
   リリースしたミニ・アルバム。バックはトッド・トビアスがつとめた。
   Circus Devilsとどう違うんだ、と思うが・・・違うんだろうな、たぶん。
287・Robert Pollard:Music for bubble:

   全体的にリズムがトロい。もっと押したら良いロックになったのでは。
   ファン向けかな。きれいなギター・ストロークを強調した
   インストもあるが、あっというまに終ってしまう。
   ロバートのソロアルバムで捕らえるには、いまひとつ燃焼不足か。
   創作意欲をさらりと噴出させた小品。煮詰めて欲しいぞ。

   アルバート・アイラーの盤では有名なジャケットだと思う。
   ぼくは川下直弘バンドが"New Generation"のカバーをやってるのが   
   興味を持った切っ掛け。さて、どんなジャズを聞かせるんだろう。
   ちなみにこの盤、ドラムはバーナード・パーディだ。R&B寄りなの?
286・Albert Ayler:New Grass:
☆☆☆
   フリーキーな音色でサックスを吹き倒すが、根本にクラブあたりで
   演奏し続けた、ジャズのしぶとい香りが漂う。
   ソウルなりロックンロールなりを自分流に取り入れ、聴きやすい
   ファンキーさに仕上げた。サックスを全面に出しているが
   ボーカル入りもあり、ソウル盤を聴いてる気になる。
   "Everybody's movin"なんて、そのままソウルでも通用しそう。
   惜しむらくはボーカルが弱いこと。アイラーが主役を明確にするため
   わざとなのかもしれないが。
   泥臭いファンキーさが楽しい傑作。

05/11/11   届いたCDを記入しましょう。

   2002年、江古田バディでの演奏を録音した一枚が1500枚限定でリリースされた。
   メールス向に独発売盤を、日本でライセンス販売したようだ。
   もろに逆輸入ですな。すでに脱退したメンバーも含んだ顔ぶれで、
   すさまじく豪華なアンサンブルになった。11人と中規模編成の渋さによる
   リリースも、"シブサガクサイ"以来では?
   "火男"の2や3、"エージャナイカ"など、CD化が嬉しい曲も多数あり。
285・渋さ知らズ:Lost direction:
☆☆☆☆★
   中編成気味の渋さの良さをぎゅっと凝縮した傑作。
   "行方知れズ"の約30分ぶっ通しなソロとアンサンブルの応酬が堪らない。
   やっぱり渋さは長尺で聴きたい。今はかなわぬ植村のタイトな
   ドラミングと、不破のベースががっしり支え、自在に演奏が展開する。
   この時期のベスト・メンバーを揃え、さらに内橋や渋谷といった
   珍しい顔ぶれもそろえた。隅々まで味わい深く楽しめた。
   なるたけでかい音で聴きたい。ちょっと音がこもり気味なので。

   94年にアケタの店で行われた演奏を収録。00年ごろにアケタのサブ・レーベル、
   "メタ花巻アケタ"レーベルが再発した一枚。
   ベースは是安則克、ドラムが楠本卓司。このメンバーでのライブは
   未聴だ。アケタからの高橋のリーダー作として1stにあたるはず。
284・高橋知己:パハプス:
☆☆★
   テンポはゆとりあり。じっくりジャズに向かい合った。
   地味な印象あるが、ほのぼのと温かくアドリブを展開する
   テナーの魅力が伝わる。僅かにドタバタ気味なリズム隊の演奏もよし。
   甘いバラードのほうが、彼の素朴なダンディズムを上手く表現してるようだ。
   1stアルバムにありがちな背伸びした焦りや気取りは無い。
   リラックスしてジャズを楽しむ一枚。

05/11/6   あれこれレコ屋を回って購入してきました。

   メルツバウの新譜"群"を入手した。これ以外にもまだまだ新譜が出てます。
   これは04年の11月に録音された。動物シリーズでも企画モノでもない。
   ポルトガルのレーベルからリリース。珍しいな。
283・Merzbow:Dust of Dreams:
☆☆☆★
   漂いと内省。一つの音像を丁寧に表現した。
   時には素材をあっけらかんと提示し、波形編集前の素直な
   響きすら伺わせる。波形操作とミックス・バランスで変化をつけ
   長丁場を持たせるセンスがさすが。
   音響的なアプローチ、トランスへの興味。ノイズの形態を取りつつも、ここでは
   別の地平を目指すメルツバウがいる。

   本盤もシンプルなメルツバウの新譜かな。2005年5月の録音。
   コミカルでブラックなイラストがジャケットに使用された。
   曲名はそっけなく"Tract"と題されたノイズを3曲収録した。
   タイトルは「千米田」の日本語らしい。
282・Merzbow:Senmaida:☆☆☆★
   シビアなコンセプトをコミカルなテクノ要素で躍らせた傑作。
   ポップな踊りやすさはメルツバウ作品でも随一では。
   BPMはほぼ統一しているようだ。が、次々に音色が変わり飽きさせない。
   変わり続けるメルツバウの素養がビートへ結実した一枚。 
   
   菊地成孔が音楽を担当した、映画のサウンド・トラック。
   作曲に軸足を置いた作品で、彼の演奏はごくわずかみたい。
   ロマンティックな世界観を主軸に、シンセの打ち込みと南博の
   静かなジャズが同居する。芳垣や津上、水谷といった菊地の音楽に
   欠かせないメンバーも、もちろん参加。
   レノンの"Happy X'mas"のカバーをボートラで収録。
   タイトル曲はBenny Moreに捧げられた。この人、どんな経歴の人だろう。
281・O.S.T.:Wait until dark~大停電の夜に:
☆☆☆
   あくまでサウンド・トラックとしてのアプローチ。
   変奏曲が続き、映像無しではいまいちか。本来あるべきな
   王道路線で作られた。映画館で見たら、とても良さそう。
   シンセの響きはYMOからの影響を感じた。
   エレガントな菊地成孔の世界を、きゅっと絞った一枚。
   それにつけても、彼のサックスを聴きたい。

   藤井郷子4の4thが出た。全曲藤井のオリジナル。
   今回はレコーディング・テクニシャンは吉田達也でなく、
   外部に任せてる。録音されたのは去年の11月。一年前か。
   今ライブに行けば、さらにここから進化した藤井4が聴けるのかな。
   そう考えると、スピードの速さにめまいがする。
280・藤井郷子 quartet:Angelona:
☆☆☆★
   アンサンブルがキッチリ成立した。変拍子も違和感なく、
   ごくごく滑らかに展開する。ミックスはガラス細工のように丁寧な
   仕上がりとなり、生真面目さを前面に出す。
   ドラムもベースの尖りも控えめに、バンドとして
   まとまったジャズを聴かせる一枚。ひねった構造のはずなのに
   素直に耳へはいってくる。

   泉邦宏の3rdソロが自主レーベルからリリースされた。
   今回もほぼ、彼の多重録音だ。数人のゲストが参加してる。
   曲名を見てると、ほのぼの日本路線に沖縄要素を織り込んで見える。
279・泉邦宏:おとのさち:
☆☆★
   ぴいんと張った高音が耳に残る前半、沖縄風味でレイドバックする
   後半と、場面ごとにカラーをがらりと変えた。
   多重録音が産む、ビートの詰まった感じが穏やかなノリとなる。
   ワイルドさは影を潜め、優しげなムードが伝わる。
   裏ジャケのにっこり笑ったイラストがこの盤の
   雰囲気を良く表してる。聴き終わったとき、穏やかな気分になる一枚。

   内橋、芳垣、ナスノによるアルタード・ステイツの新譜は2枚組。
   結成16周年記念だそう。オーバーダブや編集無しの
   即興演奏をこれでもか、と突っ込んだ。録音やミックスはZAKが担当。
   これは7月の録音。さらに来春、Vol.2が予定されてるそう。
   このバンドも、一度ライブを聴きたいなあ。
   Disc 1の一曲は、なんと53分間ぶっ続けの長尺だ。
278・Altered States:Bluffs:
☆☆☆★
   全即興ながらスムーズで滑らか、からっとしたアンサンブル。
   強靭な一体感でぐいぐい進む。長尺のセットもダレず、ミニマル感で押し切った。
   ループを使って膨らみを出し、どこまでがアイディアでどこまでが場に合わせた
   リピートかもあやふやにした。即興でありながら統一感を持たす稀有な作品。
   アコースティックでの即興トリオの最高峰が黒田京子トリオならば、エレクトロニクスでの極北がアルタードだ。

   不勉強にして加藤英樹(b,vln)の演奏は、本盤ではじめて聴く。
   ギターが大友良英、ドラムが植村昌弘。これだけでも買いでしょう。
   ハード・エッジな即興をやってるといいなあ。
   04年9月30日にピットインでの演奏が元になっている。
   そうかこれ、聴きに行きそびれたヤツだ。
277・加藤英樹:Green Zone:
☆★
   ライブテイクなのは、音の感触で分かる。しかし構成を
   きっちり編集して、ライブ特有の勢いが無い。いまいちコンセプト主導で
   頭でっかちな雰囲気が漂う。演奏も理詰めな印象が強い。
   実際のライブへ行ってたら、また違う楽しみがあったのかも。
   ライブをあくまで素材と捉え、きっちり再構築した点では立派。
   音はかなり高音強調か。でかい音で聞けば、別なのかも。

   フリージャズらしい。コラを抱えたジャケット写真が気になって
   買ってみる。アフリカ要素を取りいれたジャズだろうなあ。
   アフリカのトラッドとおぼしき曲名に並び、マイルスの"All Blues"や
   ガーシュウィンの"Summertime"なんてのもやってるが。
   ドラム、ベースにコラ。さらにsax,tp,p,keyの編成。タブラの音が
   聴こえるのは、ドラマーの持ち替えだろう。
   録音は1999年のフランスだが、独レーベルから2001年の発売。
276・Soriba Kouyate:Bamana:
☆☆☆
   洗練されたアレンジと音使いだが、アフリカ音楽の要素を
   巧みにジャズ(というよりフュージョンか)に併せた。
   きらきらするエコーとキーボードの音色がキャッチー過ぎるが
   それも好みか。ずうんと響く低音なんかは心地よいもの。
   ダンサブルに押さず、あくまで漂うように。
   穏やかにアドリブが展開する。
   交錯するアンサンブルの巧みさも味わえる。いい盤だよ。
   毒はないが、BGMにぴったり。

   CD-Rでのリリース。管とピアノ、ギターによる完全即興のようだ。
   2004年にNYで録音された。メンバーは不勉強にして誰も知らない。
   Daniel Carter(sax),Christopher Forbes(p),Jeffery Shurdut(g)。
275・Carter,Forbes,Shurdut:Into the mystery:

   かなり手癖で弾いてる即興。リズム楽器無しが裏目に出て、
   スピード感に欠ける。フレーズよりも揺らぎに軸足を置いてるようだ。
   変な言い方だが、彼らミュージシャンの情報をもっと知ったら、
   この盤の魅力は増すと思う。ライブハウスへ足を運ぶようになって
   わかった。即興音楽をパーソナリティや比較論で聴くとしたら、
   単に一枚の盤だけでは理解が難しい。よっぽど音楽に力があれば
   別だけど。その点で、本盤の即興はするすると耳を通り過ぎてしまった。
   たまたまかもしれないが、デジノイズが頻繁に入る。ちょっと聴きづらい。
   これは彼らのせいじゃないけどさ。
   歌心感じる(3)がベスト。

   予備知識何もなし。リーダーはトロンボーン奏者だ。たぶんフリージャズ。
   e-vlnとegが入った五人編成が面白そうだな、と思って。2002年に
   カリフォルニアで録音されたのを、2003年にリリース。
274・Scot Ray quintet:Active vapor recovery:
☆☆☆
   ポップな変拍子を軽やかに決める。ジャズともフュージョンとも違う
   リズム感覚だ。プログレ系かな。あえてカテゴライズするならば。
   即興要素あっても、かなりの部分は譜面っぽい。リフがきれいにユニゾンで決まる。
   リズムの軽さが気になるけれど、クリーンでテクニカルな演奏はかっこいい。
   ザッパのように思い切りリーダーシップとるメンバーが一人いると
   この手のサウンドは求心力を増すんだが・・・
   ここでは全員がフラットな状態でアンサンブルを構築する。

   初めて聴くミュージシャンです。ソプラノ・サックスの完全即興
   らしく、すごく興味を引かれた。2004年に発売。
   写真を見ると、中堅どころの白人奏者。2003年にイスラエルのスタジオで
   ライブ録音されたとある。
273・Ariel Shibolet:Metal tube & consciousenss:

   循環呼吸でハイトーンをひたすら行き来する演奏が
   手を変え品を変ええんえん続く。単調にならぬようアイディアを
   絞ってるのは分かるが、ライブならまだしもCDでは辛い。

05/11/02    先週末にCD屋へ行った。またジャズをあれこれ購入。

   ロックバンドとしてRCが復活を遂げたライブ録音の名盤、
   "ラプソディー"が完全版でリリースされた。
   元盤の差し替え前、ライブそのままの発表らしい。
   金子マリもこのライブに参加とは知らなかった。
   曲目を見てると、当時のライブですでにほとんどの名曲が
   演奏されてたんだ、って分かる。LPの後追いのみで聞いてたため、新鮮だった。
   さらにおまけで、同じライブのDVD付き。断片も含め5曲入り。
   映像まであったのか。こっちも完全版が見たいなあ。
272・RC Succession:Rhapsody~Naked:
☆☆☆☆★
   当時のパワフルなRCを味わえる一枚。画面処理が古臭いけれど、
   動くRCを見れるDVDも楽しい。さらに特筆すべきは、
   "ラプソディー"の秀逸さを再確認できるってこと。
   これはこれで楽しい。しかし1枚に凝縮、再構築された"ラプソディー"の
   すばらしさを、改めて実感した。2枚組の大ボリュームは時に
   冗長に感じてしまう。歳を取ったせいか。もし今からRCを体験
   する幸運な人がいるならば。迷わず"ラプソディー"を手に取り、100回聴いてから
   本盤へたどり着いてほしい。
   が、誤解しないで。本盤の貴重さ、リリースした英断は素直に褒め称える。
   後のRC代表曲を片端から包含し、右肩上がりの力を込めた演奏は
   シンプルに楽しいよ。チャボがこんなに客をあおってたとは。
   金子マリは今聴くと、トゥーマッチなところも。

   月光茶房で以前に、聴かせて頂いた盤を見つけて購入。
   トリスターノ門下な白人ギタリストのリーダー作。
   スタンダード中心の演奏を聴かせる。1956年にNYにて録音。
271・Billy Bauer:Plectrist:
☆☆☆★
   あくまでクールなギターが前面に出た快作。
   最初は取っつき悪いが、繰り返し聴いてたら
   じわじわと熱気が底に隠されてるのに気づく。
   特にオリジナル曲(3)(11)などに力がこもってた。
   特に(11)、ソロで削るように絞り込む演奏のスリルが堪らない。
   トリスターノとの関連を語れるほど、ぼくはクール・ジャズに知識が無い。
   しかし本盤はクールさを常に意識したジャズだ、とは感じる。
   バッキングのミュージシャンもさりげなくカッチリと支えた。

   ローランド・カークがエルヴィン・ジョーンズ(ds)、ジャッキー・バイアード(p)、
   リチャード・デイヴィス(b)と組んだ盤。1965年吹き込み。
   ダウンビート誌で好評を得たらしい。聴いたこと無く、購入。
   同名のロック・バンドが昔いたけど、その元ネタかな?
270・The Roland Kirk Quartet:Rip,Rig & Panic:
☆☆☆★
   熱く4人が駆け抜ける傑作。前衛要素をふんだんに
   取り入れつつ、グルーヴィも忘れない。全員が過不足なく
   暴れたおすジャズだ。カークのオリジナルを中心に、
   2曲のスタンダードを採用。
   しかしどれもひねった出来なのが愉快。
   カークの代表作なのかな、これ。

   オスカー・ピーターソンがマーキュリーに残したトリオ編成。
   ブラウン(b)と、アーヴィン・アシュヴィー(g)なる人との
   セッションになる。ピーターソンは吹き込み多すぎて、どれがどれやら
   さっぱりになってきた・・・。1952年の録音。
269・Oscar Peterson:plays pretty:
☆☆★
   アンサンブルというより、オスカーのピアノを前面に出した。
   ギターもベースも、さりげなくガッシリとオスカーをささえる。
   小品とは思うが、どの曲もピアノが活き活きと安らかに歌う。
   時代を代表する一枚とは言わない。しかし聴いてて寛げ、楽しめる一枚。

   ジョニー・ホッジズがエリントン人脈と、エリントンの曲を録音した。
   面白そうなので購入。1956年の盤。9人ものクレジットあるが、
   小さなビッグバンド(形容矛盾だな)形式だろうか。
268・Johnny Hodges:Duke's in bed:
☆☆★
   歌ものあり、スイングあり、ムード・ジャズあり。
   バラエティに富んだ構成だ。たった一日の録音なのに
   よくここまで練ったなあ。芸達者さが良く分かる。
   アドリブもアレンジもばっちり。
   時代を牽引するパワーに欠けるため星印を減らしてしまったが、
   音楽は充実してる。ラストでの"A列車"がにくいね。寛いだ演奏で小粋にきめた。

   ジャン・ポール・ブレリーのライブ盤。
   ボートラでスタジオ・テイクが2曲ついたCDを買った。
   1995年の盤。激しいギターだといいなあ。
267・Jean-Paul Bourelly & The Bluwave Bandits:Live!:
☆★
   硬質なファンクネス。ビートは横ではなく直下に揺れる。
   ヒップホップ寄りなのが意外だった。
   ばりばりと弾かれるギターは、テクニックより
   テンションを掘り起こすかのよう。
   巨体を震わせ、ギターを持って凄む姿が脳裏に浮かぶ。

   プレスティッジのサブ・レーベル、ムーズヴィルのNO.6。
   紙ジャケの日本盤を手に入れた。録音は1958年。レッド・ガーランドの
   ピアノ・トリオです。のんびり聴くかな。
266・The Red Garland trio:Moodsville no.6:
☆☆☆★
   前半はスロー、後半はミドル中心かな。
   穏やかなピアノがやはり主役。おっとりと奏でる右手と
   さりげなく突っ込む左手のバランスが心地よい。
   前面に出る機会は少ないが、ポール・チェンバーズの
   ベースも聴きもの。つかず離れず、自由なフレーズを一杯弾いた。
   むしろ無造作に叩くドラムがいまいち。でも(4)でのエコーが
   効いたドラムの響きはきれいだったな。

   日本のジャズも。坂田明(as)、吉野弘志(b)、藤井信雄(ds)の坂田トリオが、
   欧州でライブをやったときの音源。エンヤからリリースされた。
   ぼくは92年にCD化された盤を購入。
   「ラジオのように」をやってる。どういう解釈かなー。
265・坂田明:ダンス:
☆☆★
   藤井のシャープなドラミングが光る。確実にビートを揺らすリズム隊に
   支えられ、勢い良くサックスが駆け抜ける一枚。
   小細工はほとんどない。フリーキーなトーンが多いが、根本の歌心が
   スピードとなって、爽快な風を産んだ。
   "ラジオのように"は和風のキメを感じたよ。立ち止まらずに吹きまくる。

   現在進行形なフリーも聴きたい。と、情報無しでとりあえず一枚選ぶ。
   若手を聴きたいが、この盤はかなりのベテランみたい。
   ウッドベースとバイオリンのデュオ。2004年カナダでのライブかな?
264・Joelle Leandre/India Cooke:Firedance:
☆☆
   パーカッシブなフリーもあるが、現代音楽的なアプローチが
   目立つ即興音楽。と思ったら、インディア・クッケはカリフォルニアで、
   クラシックも演奏するミュージシャンだったみたい。
   雰囲気は堅いが、メロディはすうっと身体へ馴染む。
   熱いインタープレイを期待したら、拍子抜け。でも、いい演奏だよ。

2005年10月

05/10/25   ネット注文のCDが到着。

   borisとメルツバウのコラボがまた出た。並行して色々録音してるらしいから、
   これからもでるかな?2001~2004年の素材をまとめたみたい。
263・Boris with Merzbow:Sun baked snow cave:
☆☆☆
   ボリスのロマンティシズムとサイケ風味を前面に出した作品。
   轟音ハーシュは中盤のみ。むしろ前後の静謐なサイケ・ノイズが
   印象に残る。1時間1曲勝負の大作だが、時間あるときに
   じわっと味わいたくなる佳作。

   元GbVのロバート・ポラードがらみの別ユニット。最近、彼関係の音源が
   すごく手に入れづらい・・・アマゾンがきっちり供給してくれないかなあ。
262・The Moping Swans:Lightninghead to coffeepot:

   最後のリフ大会を無邪気に楽しめるなら、そこそこ凝ったサイケ・ロック盤。
   メロディとアレンジが噛合っておらず、積極的に薦めるには躊躇う。
   ロバートのファン向けの盤かな。

   フォーシーズンズがモータウンからカーブへ移籍後、第一作。
   "Who loves you","December 1963"といったヒット曲収録。
   AOR路線のちと甘くなったフォーシーズンズが始まる。1975年リリース。
261・The Four Seasons:Who loves you:
☆☆★
   大味だけど切れはいい。メロディも悪くないし、
   作りこんだらいいアルバムになったろうに。惜しいよ。
   やはりシングル曲の出来がいい。
   バラードの印象が、どこかつるっとしてる。
   もっとしっとり感が欲しかった。
   シンセの浮いた音色に、時代を感じます。

05/10/22   ここんとこ買ったCDをまとめます。
       どうも最近、ネット通販が鬼門です。今も一社、トラブルあり。

   メルツバウの新譜が何枚か出てる。そのうちの一枚。"メルツ動物"シリーズが
   またリリースされた。EMIシンセをどっさり使った盤らしい。
260・Merzbow:Merzbuta:
☆★
   曲ごとにリズムのアプローチは変えるが、根本的には
   あっさりしたつくり。リズムに飲み込まれた感ある。
   ベストは(4)か。メルツバウにしては、ずいぶんおとなしい。

   出たよ出たよ。さんざん販売延期になってたが。10年ぶりのスタジオ盤だとか。
   才能あるひとは、もっとガンガンリリースして欲しいなぁ。
   スティーヴィー・ワンダーのスタジオ盤は打ち込みと生演奏が混在した
   盤のようだ。すごく良くて、ひんぱんに聴いている。
259・Stevie Wonder:A time to love:
☆☆☆☆★
   とびきりの音楽が詰まった。アレンジも演奏もそしてボーカルも。
   なにもかもがスティーヴィー印。ばっちり。曲も悪くない。
   最高傑作とまでは言わないが、とんでもない充実した盤だ。
   ここまでの音楽が作れるなら、なぜ10年も寝かせたんだろう。
   ゲスト・ボーカルをアクセントに、のびのびとスティーヴィーは歌う。
   「スティーヴィー・ワンダー」ってジャンルの中で、のびのびと
   製作した一枚。自信を持ってファンへ薦める。

   スタジオ・バンド(先日、初ライブやったが)のジュリエッタ・マシーンが
   ついに2ndをリリース。コンパクトでキュートで、ひとひねりした
   サウンドがとても好き。トリオ編成は変わらず。ベースが加入するかと思ったが。
258・Giulietta Machine:Hula Pool:
☆☆☆
   浮遊感を足元に置いたまま、ミニマルな感触が増えた気がする。
   抽象度を磨き上げ、暖かい雰囲気に包まれた。
   前作より濃密になっており、聴くにはより集中力がいる。
   バンドとしての一体感が増したためか。

   吉田達也の"JNMF"欧州ツアー用の名刺CDが今回もリリースされた。第4弾だそう。
   吉田達也/津山篤/河端一の三人で7バンド分の音源が詰まったCDで、未発表音源かは不明。
   収録バンドはZUBIZUVA X/赤天/ZOFFY/RUINS ALONE/ACID MOTHERS TEMPLE SWR/聖家族/SHRINP WARK
   の顔ぶれ。RUINS ALONEは今回、高円寺百景や是巨人も演奏するらしい。くおー、聴きてえ。
   映像は初公開ばかりかな?RUINS ALONEはちょっと加工がうるさいが、
   あとは少ないカメラをうまく使ってる。凄みある赤天が面白かった。
257・V.A.:日本の新音楽 Ver.4:
☆☆☆★
   1バンド一曲、まさに名刺代わりのコンピレーション。毎回お得感ある。
   赤天は"ジッパー"や"ペットボトル"、"歯ブラシ"をベースのサイケな即興。途中で編集もあるかな?
   Zoffyは複数の音源をミックスしてるようだ。ライブ音源。
   ルインズ・アローンはさすがの迫力。音質が丸い。ベースパートの打ち込みも、音程が高めで聴きやすい。
   "パラシュトム"等は高速アレンジの一方、クラシック・メドレーはゆったりめ。構成のわかりやすさ狙い?
   ズビズバXはリバーブたっぷりのハイトーンな展開。
   聖家族のきらめき具合も気持ちいい。最期はAMT SWRが突っ走って終了。
   全体的に、凄みの中で親しみやすさが漂う即興が詰まった。

   是巨人の2ndアルバムの2ndプレスが、磨崖仏からリリースされた。
   なんとシークレット・トラックでライブテイクが4曲も入ってる。
  ("you know what you like","careless heart","out of head","on reflection")
   聴きたいから、買いなおしましたよ。うう。ジャケにもクレジットにも
   ボートラなんて一言も書いてない。見分け方はキャップに貼られた
   "23b"のシールのみ。本体にも盤にも、2ndプレスを見分ける方法無し。
256・是巨人:ARABESQUE:
☆☆☆☆
   スタジオ・テイクは1stプレスと変更なさそうなので、ライブ・テイクについて。
   拍手は特に無い。編集してるのかな。
   音質はあんがいラフ。しかし演奏はくきくき捻るシャープさを持った
   アレンジで楽しい。1st収録テイクとアレンジが微妙に違う。
   クレジットがないけれど、いつ頃のライブだろ。
   この4曲のために買いなおすかは微妙だが、良いボートラだと思う。

   ナゴムの再発がまた開始された。今度はミュージシャン別にオリジナル盤を
   詰め込んだコンピ形式。これは主宰のケラの盤。ナゴム時代の、ほぼ
   全ての音源がはいった。ボートラは85年6月12日のソロライブ@ラママ。
   この日の音源、聴いたことあるけど・・・他にもいい曲あるのにな。
   しかし後にシンセサイザーズでやる、"ブロックベイ"をこの時期に
   演奏してたとは。スタジオ録音は、予想以上に音質が良くなった。
255・ケラ:ナゴムコレクション:
☆☆☆
   ふにゃふにゃテクノ・ソング。演劇の匂いが漂うケラの表現力が
   有頂天よりもさらにモロに出た。語るように歌う箇所もしばしば。
   ボートラの音質はいまいちだが、出ただけで良しとしたい。
   鋭い脱力な魅力をまとめた。
   クレジット無いが、Disc1 (13)で朗読は、劇団第三舞台「宇宙で眠るための方法について」から引用。

   人生やばちかぶり、筋小と並んでナゴムを代表するバンド、ってイメージある。
   実際にはナゴムと一番遠い場所にいたようだが。独自世界を築くことで。
   代表曲しか聴いてなかったよ。予想以上にバラエティある曲調を
   やってたと、今回はじめて知った。
   「でんご」と「しおしお」の音源を入れたのかな?率直に言って、
   すごくそっけないコンピに仕上がった。ボートラやライナーも無い。
   音楽の魅力とは、何の関係もない話だが。ひさびさに「さよなら人類」を聴いた。
254・たま:ナゴムコレクション:
☆☆☆☆★
   代表曲が詰まった、初期のベスト盤としても聴ける。
   とにかく音が予想以上に良くて驚き。かなりマスタリングでいじってそう。
   ぼくのたまへのイメージって、知久のシュールな世界観に
   固定されてたと気づいた。実際はそれだけじゃない。
   キャッチーなメロディをふりまく柳原、ザッパの影響を匂わすノリな石川、と
   多彩な曲調を平然と同居させた、稀有なバンドだったんだ。
   全員がSSWだった強みだな。ちなみに滝本作は一曲のみ。サイケな佳曲を歌う。
   当時のライブを見たかった。時代に駈ける音楽は、それなりの
   パワーを持ってるんだ、と実感した後追いです。
   ほんとならリアルタイムで聴いてたのに。

   ポールの最新シングル。アルバム未収録曲が2曲あり。気に入らないのは
   全世界対応で、CCCDなこと。サーの称号持ちな人は、そんなことしちゃだめ~。
   いっそタダで配るとかさ。ノーブリーズ・オブリッジの一環としてさ・・・だめ?
253・Paul McCartney:Fine Line (single):
☆☆★
   タイトル曲より(2)のほうがいいよ。なんでアルバムに
   入れなかったんだ・・・ドラマティックで素敵なロックンロール。
   シャウトまで行かぬボーカルがもどかしいが。
   これこそポールの新曲にふさわしい。ライブで映えそう。
   (3)は一転、沈んだイメージの曲。隠居爺さんの呟きは言い過ぎか。
   メロディはふくよかで味わい深い曲だよ。相変わらずカップリング曲も捨てがたい。

   アメリカのサイケ・フォーク歌手らしい。40枚以上の膨大な
   作品を出してるようだ。吉祥寺ユニオンにどっさりあって、
   ためしに一枚買ってみた。この盤はザッパを意識した、ってあったもんで。
   1986年の盤。さて、どんな音楽かな。
252・Jandek:Follow your footsteps:

   なんだかもう、ひたすら脱力。気分次第でへなへなサイケ・ポップを
   かき鳴らす。どの曲も似たり寄ったり。メロディラインがへなちょこなのが、
   聴く気力をどんどん削いでいく。ヘタウマで調子っぱずれな
   サウンドは、嫌いじゃないんだけどね。うーむ、もう一枚
   彼のCDを買うかって言うと・・・迷うな。
   奔放で怠惰な音楽が聴きたいときにはいいかも。
   それなりに多重録音してるので、まったく飽きはしない。
   薦めはしない。しかしこれ、はまると中毒になるだろうな。

05/10/9   聴きたい音楽がいっぱい。昼寝してる場合じゃない。

   ポールの新作。ほとんどの楽器をポールが多重録音したという。
   初期のソロとの類似を指摘するレビューを見た記憶もあるが、
   単にシャウトがつらくなったため、それに合わせた曲調に
   したんじゃないかな、とも思う。静かなムードが素敵な予感。
   CCCDは嫌なので、通常盤の米盤を買いました。
251・Paul McCartney:Chaos and creation in the backyard:
☆☆☆
   老成した雰囲気が漂う。ハイトーンのシャウト、
   アップでのスピード感や朗々としたバラードは、もう飽きたんだろうか。
   かなり声をいたわったアレンジ、って印象ある。
   曲によっては声が出てるから、喉の衰えを踏まえたわけじゃなさそうだが・・・。
   しかし(5)や(9)は往年なら、もっとシャープなロックンロールに
   仕上げてたのでは、と思いがつのる。(7)を筆頭にいい曲も
   一杯あるんだけどね。ブリティッシュ・ポップの端整な
   響きが心地よい。ベストなアルバムとは言わない。
   しかし、キュートなアルバムだと思う。

   元は1986年にリリース。早川岳晴率いるパワー・トリオの
   1stがStudio Weeから再発された。当時のライブ・テイクも
   まとめた2枚組。再発の鏡みたいな企画だ。
   レーベル得意のボートラは、「跳ねてもよい」のライブテイクかな。
   こっちは今日、ライブで早川直筆のCD-Rを入手した。
250・SALT:86,90,91:
☆☆★
   ジャズメンがロックを演奏、がコンセプトか。もともとロックに親和性強いミュージシャンだけに
   ドロドロと鳴るドラミングを筆頭に違和感ないジャズ・ロックが聴ける。
   ただ、コンセプトの新味でなくミュージシャン自身の才能を聴く感があり。
   つまり斬新さよりもミュージシャンの演奏っぷりに惹かれる一方で、特段の鋭さを感じづらいのが難点。

05/10/2   レコ屋をぶらぶら。ポールの新譜、通常盤がなかなか見つかんないな。

   松本治(tb)の2ndソロ。ちょっと買いそびれてました。
   前作よりも編成を増やし、勝井祐二(vln)、石渡明広(g)などをゲストで招いた。
   逆にドラムレスのトリッキーなアンサンブル。もっと室内楽な
   アプローチなんだろうか。曲の題は全て日本語。
249・松本治:蒼き空に身悶えて:
☆☆★
   ドラムレスでコンパクトなイメージを作った。アレンジが
   隅々まで目配り効いた、小粋なアンサンブルだ。
   (6)の涼しげな雰囲気、(7)の爽やかさが好き。
   アドリブももちろんあるが、むしろアンサンブルを楽しむべき。
   トロンボーンですら音楽の一つとして、遠慮がちにミックスされている。

   限定版なので、つい買っちゃう。ジョン・ゾーンのバースディ・ライブ
   シリーズの第12弾。ペインキラーの登場だ。
   ドラムは吉田達也やミック・ハリスではなく、ハミッド・ドレイクなる
   ミュージシャン。初耳だ。ゲストでマイク・パットンも参加。
   3曲入りで45分を駆け抜けるステージ・・・はず。
248・John Zorn:vol.12, Painkiller:
☆☆
   ペインキラーってこんなポップだったっけ?リズム隊の
   グルーヴが出ると、ぐいぐい聴かせる。マイク・パットンが操作してると
   おぼしき、ヒップホップめいたシンセの音がちょっと邪魔。
   いっそ三人で斬り合いのほうが面白いよ。
   NYフリージャズを代表するドラマー、と紹介頂いたハミッド・ドレイクの
   ドラミングは、パルスのように切り落とすビートを多用。
   押さえ気味なのかな。ビル・ラズウェルのノリしだいで質が変わる。
   ゾーンは逆に、どこまで行ってもゾーンです。
   サウンドをぶち壊しはしないが、まったくイメージ変わらない。
   ノイジーにアルトを吹き倒すだけ。
   音処理も凝ってる。でかい音がいい。尖がったサウンドでもない。激しいわりに聴きやすい。
   ペインキラーを下敷きにしたセッション、って印象だ。

   富樫雅彦が1974年にスタジオ録音した4曲入りアルバム。サイド・メンは
   渡辺貞夫(fl:on #1)、佐藤允彦(p: on #2)、菊地雅章(p: on #4 )。
   すなわちパーカッションとの対話に着目した盤みたい。#3はパーカッション・ソロだ。
247・富樫雅彦:Song for myself:
☆☆☆
   凛とした美しさに満ちた盤。全編フリーだが、ストイックなまでに
   穏やかな世界が紡がれてゆく。富樫はリズムをほとんど刻まず、
   メロディ楽器のようにパーカッションを扱い、相手と対話した。
   佐藤允彦との"Fairly-tail"で聴ける疾走感、菊地雅章との
   "Song for my friends"の溢れんばかりの優しさが心地よい。

   クール・ジャズの極致、と帯にある。これがプレスティッジの初レコーディングだったんだ。
   リー・コニッツを聴いてみたくてね。早速買った。
   サイド・メンはビリー・バウアー(g)やトリスターノ(p)など。
246・Lee Konitz:Subconscous-Lee:☆☆☆★
   グルーヴとは別ベクトルのジャズなんだね。何度も聴いて、
   なんとなく分かった。涼やかに音がすべる。この快感は棄てがたい。
   (5)のフレーズがひときわ耳に残った。ドラムよりもベースがサウンドの肝かな。
   アーノルド・フィシュキンのベースが、ぐぐっと牽引した。
   しかしこれ、スクラッチノイズがそこここで聴こえる。盤起こし?

2005年9月

05/9/19   新譜とバーゲン品と。やっぱり買う。聴かなくちゃ。うん。

   オリジナル盤では7年ぶりだが、"Rarities"を挟んだため
   さほど間があいた印象無い。インタビューによればプロ・トゥールスを
   駆使して録音したという。内省的な音世界は、今まででベストかもしれない。
   「オマタツ!」というコピーは・・・うーむ。
245・山下達郎:Sonorite:
☆☆☆☆★
   録音との戦いは続いてるようだが、どこか堅く響く音色は
   ばっちり楽しめた。歌のみが妙に生生しいのはエコーを控えたせいか。
   コーラスさえもそぎ落とした、音数を減らすアレンジが
   曲調に似合ってる。極上のポップスに仕上げるセンスはさすが。
   作りこみすぎての濃密さに溺れるのはここ数作同様だ。
   しかし孤独さを漂わす曲調で、圧迫感は控えめになった。
   シングル既聴曲が多く、ファンなほど新鮮味が薄れるのは
   皮肉な限り。この辺はおおらかに受け止めるべきだが。
   初出曲は5拍子の"Lightning Boy"、シンプルに進む"白いアンブレラ"など、
   ライブでの展開が楽しみな曲ばかり。ツアーでぜひ聴きたい。
   飛び切りは(10)の"白いアンブレラ"。極上のアレンジと歌に酔った。
   ラップ入れ"Kiss~"も違和感ない。ラップの声質が達郎と良く似てるよ。
   開放感をあえて控え、個人性を強めた作品集。今まででベスト。

   さて、バーゲン品の戦果です。ほぼ全てがジャケ買い。詳細は何も知りません。
   ご存知の方、ぜひご教示のほど・・・。

   リアルワールドってレーベルだけを頼りに買う。ワールド・ミュージック系かなって。
   女性のボーカル物みたい。2002年発売。
244・Pina:Pina:
☆☆
   しゃがれ気味の声でじわっと歌うSSW。土の香りがする一方で
   洗練されたところも。いまひとつつかみ所ない音楽性だ。
   アレンジはすっきり整理され、叩きつけるような凄みが痛快に響く。
   メロディラインはちょっと野暮ったいが、それも味。
   地道に聴ける一枚。

   今日買った中で、唯一バンド名を知ってるぜー。当時、ラジオで流れる
   音楽は好きでした。ボードヴィルに影響を受けたバンド、でいいのかな。
   本盤は1983年のアルバムをボートラ付で2002年に再発したもの。
243・Kid Creole and the Coconuts:Doppelgenger:
☆☆
   ラテン風味にシンセ・ドラム。同時代的には古臭いが不思議な魅力ある。
   リアルタイムを思春期で過ごしたせいもあると思うが。
   胡散臭さと気取りがキュートな魅力。一番メロディに聴き覚えあるのは
   ボートラで入ってる"Don't take my coconuts"だった。
   いいなー、このB級っぽさが。

   黒人女性シンガー。アフリカっぽさとコンピュータの匂いを感じるジャケに
   惹かれて買った。1999年にカリフォルニアのインディ、Vanguardから発売。
242・Camille Yarbrough:The iron pot cooker:
☆☆
   1975年にリリースされたアルバムに、2曲のリミックスを
   足した復刻盤らしい。ラップの始祖の一人として語られる女性のようだ。
   たしかに手弾きで静かなファンクネスを聴かせる凄みはある。
   でも、今ひとつ単調かな・・・一番気に入ったのは"Ain't it a lonely feeling"
   静かに切々とメロディを歌う。じわじわ燃える熱さが素晴らしいバラードだ。

   女性シンガー・ソロかな?ビル街の片隅に佇むジャケと、レイアウトは
   いかにもデトロイト・テクノ風。さて、サウンドはいかに。2001年の盤。
241・The Angel:No Gravity:

   クールなテクノ嗜好のヒップホップ。リズムやパターンは
   悪くないけど、圧倒的な訴求力に欠ける。数回聴けばいいや。
   BGMのためにとっておく気にもならない。残念ながら。

   ジャケに見覚えあり。前に買ってたかなあ?60年代前半のドゥ・ワップ・グループらしい。
   この手の盤は問答無用で買おうと思ってたが・・・やっぱり見当たらないな。
   2002年のリイシュー。このバンドのヒット曲、聴いたことあるかなあ。
240・Connie McGill and the Visions:He Created you for Me.:
☆★
   この時代、作曲などのみならず出版権まで確保するって
   発想はなかなか無い。しかし肝心の音楽への詰めが甘くなった。
   皮肉なことに。音質も悪い。盤起こしじゃないかな?
   曲調はドゥワップを貴重にしたノーザンソウル。
   シカゴ系かと思ったが、NYを拠点にしたようだ。
   曲のレベルで言うなら(17)だが、(4)の素朴なソウルもいとおしい。

   白人女性シンガー。きりっとした目と唇に、白っぽいジャケ。ジョニ・ミッチェルみたいな
   サウンドかな?と推測する。ポーランドの盤らしい。たぶん、2001年発売。
238・Sarah Doughter:The Walts Ablaze:
☆★
   ドラム以外は、インナーに載ってる二人での録音かな。
   およそは予想通りのサウンドだった。
   ギターのストロークを生かした、気の強く誠実さの伝わるポップス。
   欧州の深みが滲んでくる。メロディはそこそこいいが、
   突き抜ける新鮮さまで到達しない。今ひとつもどかしい。

   思い切りふくよかな黒人女性二人。買うっきゃないでしょう。ゴスペルかな?と
   考えたが、ジャケを良く見ると1982年の盤らしい。打ち込みびしばしポップスだろか?
237・The Weather Girls:Success:
☆★
   クワイア系の要素を盛り込んだゴスペル。打ち込みの音が
   邪魔臭いこともあるが、根本は人力なのが嬉しい。
   (4)のスピード感がいいな。確かなテクニックに裏打ちされた
   存在感あるため安心して聴ける。根本的には小粒なんだが。
   女性ボーカルのハイトーンがすうっと伸び上がるとこは、単純に清清しい。
   CD化初期のしゃかしゃかしたマスタリングは、今聴くと違和感ある。

   裏街の店前に気取って立つ黒人男一人。歌えそうな雰囲気だから、とりあえず買う。
   レッドマンがゲスト参加してるが、もしかしたらラップなの?1999年盤。
236・Dave Hollister:Ghetto Hymns:

   歌ものソウルだった。元ブラック・ストリートのメンバーで、本作が1stになる。
   が・・・いまいちメロディに魅力無し。歌声も線が細い。
   ぼくの好みのソウルとは違う。都会派ソウルは好きなのに。
   なんだか薄味。アレンジも、ボーカルも中途半端に聴こえた。
   強烈な個性なり、毒なりが欲しい。あと、色気も。
   一番ましなのが(15)かな。彼の評価は高いのなぜだろう。

   やたらケバい黒人ねーちゃんが三人。クリスマス・ソング集で
   ライノから発売ってのが面白そうで、とりあえず買う。
   おもいっきり外れの予感もするが・・・1997年の発売。
235・Rupaul:Ho ho ho:

   トーク番組の関連盤だろうか。おそろしくつまらない・・・。
   シンセで厚塗りしたバック音楽は、安っぽくケバケバしく落ち着かない。
   適当にBGMで流すのもつらいな。
   おそらく盤の背景を理解しなきゃ楽しぬ盤だろう。ぼくには不要。

   ジャケでの気取りっぷりは、一人打ち込みソウルの予感。
   とりあえずそう期待して買う。ロスのインディ・レーベルから
   リリースしてるようだ。2004年の発売。
234・Joel Virgel:Amour Amer:

   ドラムを叩くシンガーらしい。そのせいか、ほんのりブラジル風味の
   リズムは軽快。ただ、メロディが少々弱い。
   聴いててするすると曲が耳を通り抜けてしまう。
   もう少し、毒があるほうが好み。

   セピア色で気取った黒人男三人と女一人。こういう中途半端な
   B級盤は歌ってないケースが多い固定観念あり。
   インディからの発売だし、バーゲンだからいいや、ととりあえず
   籠へ放り込んだ。1999年の発売。
233・Nodis:Nodis:

   デンバー出身の男3女1の白人グループだった。歌ものとヒップホップをランダムに
   詰め込んだサウンド。ときどきバック・トラックのセンスの
   よさに耳を惹かれるが、根本は今ひとつゆるい。
   ヒップホップもJラップで聴ける、力の抜けた揺らぎだ。
   統一感がいまいち無い。ハーモニーを生かし、爽やかなポップスに
   昇華したら、かなり良くなりそう。一番足りないのはダンサブルさ。
   あまりにもリズムが平坦で、身体がまったく動かない。

   モノクロ写真の中央で、気取ってる男一人。これも打ち込みソウルな
   ジャケっぽい。ジャケ・デザインはハウスの色合いも入ってそう。
   思いっきりこじつけですが。2000年の発売。
232・Me One:As far as I'm concerned:

   スカスカのクールなソウル。耳ざわりあっさりと、あっというまに過ぎ去ってしまう。
   アルバム自体も唐突な終わり。隠しトラックへ繋がるが。この隠しトラックが
   低音の効いたグルーヴなのが惜しい。この音楽性でこってりまとめたら好みなのに。
   ビーチ・ボーイズ"In my room"のカバー(オリジナルのラップやメロディを
   インサート)も、空虚でいまいち。引っ掛かりをつかみづらい。

   情けなさそーに立つ白人男性一人。ふにゃふにゃSSWだ!と期待して買った。
   ちょっとサイケっぽさがあるといいな。2000年の発売。
231・P.J.Olsson:Words for living:
☆☆★
   あからさまな打ち込みリズムをSSWタッチの曲へ織り込んだ
   異色なアレンジを採用した。最初は違和感に襲われたけど、
   ユニークでいいな、と思えてきた。安っぽいリズムとのアンバランスの
   面白さと、みごとに打ち込みがはまった佳曲が同居する。
   味のあるメロディを書く。いい盤だ。惜しむらくは隠しトラックが
   むやみに長いこと。もっとシンプルに作ればいいのに。

   茶色のコラージュっぽいジャケは、いかにも落ち着いた白人SSWみたいじゃ
   ないですか。こういう盤はいい曲が入ってそうな予感するんです。
   じっくりジャケ見たら、こいつらバンドみたいだ・・・。2000年発売。
230・the Catherine Wheel:Wishiville:

   打ち込みの感触がちょっと個性あるか・・・とも思ったが。
   ギターの轟音で押すロックは食傷気味。こういう音は、今のぼくに
   必要じゃない。テクニックじゃなく、ギターの勢いだけで
   聴かせるロックに感じてしまう。

   手書きの白人女性ポートレート。トラッドあたりの切々した歌声を
   期待するじゃないですか。期待しましょうよ。期待するって言え。
   いちおう、イギリスの人らしい。2004年の発売。
229・Polly Paulusma:Scissors in my Pocket:
☆☆☆★
   将来が楽しみなミュージシャンだ。メロディが軽やか。
   歌声もキュートでいいな。声の奥にハスキーさを秘めつつも、
   涼しげな喉をしてる。詳しい経歴は不明だが、英国トラッドの素養がありそう。
   多重録音だが、リズム隊を他のミュージシャンへ任せることで、
   リズムが密室性に陥ることも無い。シングル曲"Over the hill"の
   可愛いスピード感にやられた。全曲を作曲。才能ありそう。

   三人バンド。一人はバイオリンを構え、もう一人は陽だまりのマットレスに
   寝っころがる白人女性。横で爽やかそうに笑う、草臥れかけた男。
   なんとなく、ジャムバンドっぽいかなと期待した。全て期待です。
   カリフォルニアのバンドらしい。1997年のリリースとある。
228・The original Harmony Rdge Creek Dippers:same:
☆★
   ディランの影響を感じる。あとはカントリーかな?
   即興の要素は特にない。ほのぼの系。メロディはまあまあかな。
   アコースティックで素朴なアンサンブル。新しいことをなにか
   構築しようとはしてなさそう。耳ざわりはいいフォーク調のポップス
   だから、BGMでのんびり聴くにはいいかも。

   皮ジャンの下は黒ビキニな白人女性。セクシーな歌を歌うB級歌手かなあと
   ためしに買ってみた。2003年の発売。
227・Poizon:Holding on:

   あまりにも単調なラップ。後半では何曲か、そこそこ揺れる
   パーティ・ラップもあるが・・・一回聴けば充分だ。
   メンフィスの出身らしい。分厚いシンセが野暮ったい。
   ラップもリズム感悪い。色気すらないぞ。ううむ。

05/9/11    いまさらながらだが、ヘッズをまとめて買った。
           実はそんなに聴いてない。バーンの歌声がちょっと苦手でさ。
  
   1980年リリースの3rd。イーノがプロデュースで、エイドリアン・ブリューが
   ゲスト参加した。アフリカン要素を取り入れたってのが一般的な評価なの?
   ぼくはYMOと比較し"テクノの先駆者"的なレコード・レビューを
   80年代半ばに見てね。ニューウエーブじゃなく、テクノの一種と理解してた。
   カセットで何度も聴いたよ。20年くらい前の話。
   聴きかえすのも15年ぶりくらい。うっすら聴き覚えある曲がけっこうあって驚いた。
226・Talking Heads:Remain in light:
☆☆☆★
   良く出来たオモチャ箱みたいなアルバム。多層リズムと
   ぶっといベースにもかかわらず、ファンクネスはびっくりするほど希薄だ。
   あくまでも知性が優先。きっちり計算して音像を組み立ててる。
   むしろテクノからの影響を強く感じた。ジャストなリズムにへにゃっと
   あいまいなメロディを乗せるセンスに、ね。たとえば(4)とか。
   今聴いても尖がった刺激の意欲を味わえる。
   当時はこれ、とんでもなく前衛に感じたのかも。
   今の耳だと、ひとひねりしたポップ・アルバムで成立する。

   これは聴くの初めて・・・だと思う。1985年発の6枚目くらい?
   シンプルになったアルバムらしい。ゲスト無しで録音された。
   ボートラで"The lady~"のExtended ver.入り。
225・Talking Heads:Little creatures:
☆☆★
   思ったより寛いだ感触のアンサンブル。こじんまりしたアレンジが
   基本だが、きっちりバックのミュージシャンも呼び、締めるところは
   締めている。あ、サックス吹いてるのは元TOPのレニー・ピケットじゃない。
   おまけの12インチは・・・今の耳で聴くと、まさにおまけ。
   当時、フロアで聴いてたらかっこよかったろうな。
   (3)、(7)、(9)、(10)あたりの、ほのぼのな曲が好み。
   ニュー・ウェーブに思い入れ薄いもので。

   本盤が一番聴いたヘッズの盤。リリースは1986年。当時、ピーター・バラカンが
   PVを絶賛して、ポッパーズでここから何曲もビデオを流してた記憶ある。
   好きな曲がいくつもある。これも十数年ぶりに聴くなあ。
   ボートラは"Wild Wild life"の長尺ミックス。
   同題映画の曲をヘッズがカバーする趣向で、ほのぼのヘッズだね。
224・Talking Heads:True Stories:
☆★
   レイドバック志向なアルバムだ、と改めて思った。
   ニューウェーブ色が強いから、完全リラックスはしないけど。
   メロディを意識し、ゆったりしたムードで整えようとする。
   根本でリズムの堅さと音色に制限されてしまうが。
   好みはB面かなあ。今聴くと、ちょっとプラスティックな味わいが強い。
   歳を取ったということか、おれも。
   田舎のほのぼのさでなく、あくまで都会。
   ごみごみした昼下がりの、ちょっとリラックスな風景をイメージした。

   傑作音楽映画、とタイトルは今まで何度も見てた。
   でも、映画は見てない・・・聴くのも初めて。さあて、どんなだろ。
   99年リリースの"New Edition"盤を買った。全16曲入り。
223・Talking Heads:Stop making sense:
☆★
   良く出来てると思う。点数が辛めなのは、単純にのめりこめなかったから。
   ボリュームいっぱいだし、ヘッズのまとめには良さそう。
   ただし最初はスタジオ盤から入りたいな。
   演奏は上手いし、かっちりしたアレンジも良し。音もいい。
   しかし熱狂無き演奏と大騒ぎする観客の歓声に、どうも馴染めない。
   映像で見たら印象は違うと思うが・・・。スタジオ盤へ
   擬似歓声をかぶせたように聴こえてしまうんだ。

05/9/3   今週、ネットやレコ屋で買ったCDをまとめて報告です。
      
   ある人に薦められたアルバムを買う。邦題は"シェルブールの雨傘"。
   といっても、竹内直らによるサックス四重奏・バンドのセカンド。
   スティーヴィ・ワンダーの"I wish"をサックスのみで演奏する荒業がすごい。
222・Saxophobia:Les Parapluies de Cherbourg:
☆☆☆
   即興で切りあわず、アンサンブル志向。サックスのみなので
   どこか物悲しい雰囲気が漂う。それが魅力か。スティーヴィーの
   カバーで、サックスのみなのにグルーヴをばっちり聴かせて驚いた。
   滑らかな響きだが、僅かに揺らぐ。BGMにとどまらぬ個性を感じた。

   先日聴いたライブにボーカルの一人が飛び入りしてた。
   歌声が気になって、早速ネットで買う。
   女性三人によるコーラス・グループで、伴奏はメンバーが弾くピアノ。
   これが1stかな?6曲入りミニ・アルバム。
221・トランスパランス:トランスパランス:
☆☆★
   ピアノだけのシンプルなバックで、器楽的なコーラスの
   アプローチで軽やかに歌う。高音中心の音作りが、不安定さを匂わす。
   ともすれば上品すぎに陥りそうなスタンスだが、
   肉体感覚を確かに感じる。ピアノがきっちりドライブするせいか。
   ライブを聴いてみたい。凝ったハーモニーを、どう再現するんだろう。

   月光茶房で聴かせて頂き、いいなと思った。早速買う。
   田村夏樹(tp)が主体のカルテット。穏やかでぬくもりあるジャズ。
220・Gato Libre:Strange Village:
☆☆☆★
   切なくほわほわと漂う。藤井のピアノで感じる冷徹なほどの鋭さは
   控えめで、むしろロマンティックな田村の要素が前面に出たか。
   ソロの美しさも聴きものながら、むしろサウンド全体の
   アレンジの心地よさが耳に残る。
   録音もエッジが柔らかく、聴いてて寛げた。
   (3)で聴ける、早朝に草花が花開くような爽やかさが、特に好き。

   アメリカ50州をそれぞれテーマにアルバムを作る企画。CD50枚が
   必要になる計算だ。こういう壮大なの、好き。今までに2枚発売済。
   まずは最初の1枚を買ってみた。場所はミシガン州。出身地らしい。
   基本はスフィアンの多重録音だ。音響要素も盛り込んだ、ほんのり
   陰のあるポップスを聴かせる。スフィアンとして、本作は3rdとなる。
219・Sufian Stevens:Greeting from Michigan~the great lake state:
☆☆☆★
   多重録音にありがちなリズムの偏りが、なんだかいとおしい。
   全体的に明るくアレンジされ、ぱっと華やかな密室気分で聴いた。
   ボーカルがちょっと弱いけれど、それも味。饒舌にメロディを
   まくし立てる。テイストは違う曲を混ぜてるようだが、
   印象は長い音絵巻のよう。バンジョーのような響きがミシガン流
   なのかな。ネイティブの感想を聞いてみたいね。

   2002年に封切りされた映画"チキン・ハート"のサントラ。
   担当したのは鈴木慶一だ。映画は見てないんだけどね。
218・OST(鈴木慶一):チキン*ハート:
☆☆
   それぞれの音が太い。アコーディオンがメロディの中心かな。
   サントラらしい盤だと思う。BGMっぽいインストがメインで、
   映像が欲しくなる。ほのぼののんびりなサウンドで、小技のアレンジは控えめ。
   のどかな空気へ浸るにはいい音楽。

   これはサントラだったかな。マイルスが1970年に録音。
   ジャム・セッションをテオ・マセロがずたずたに再編集して
   クールな長尺2曲に仕上げた盤らしい。聴くの初めて。
217・Miles Davis:A tribute to Jack Johnson:
☆☆☆★
   アップでぐいぐい押す(1)と、不穏に静かな伺いを見せる(2)。
   長尺2曲なので、集中力が切れるが・・・それでも刺激たっぷり。
   ドラムが妙に軽い音だったり、全体的に痩せてたり。音質は
   物足りなさが残る場所も。マイルスの存在抜きでは
   成立しないのかもしれない。しかしここでは、一つの集合体として
   あやふやにうねる。マイルスはロック宣言したかもしれない。
   しかしぼくの耳には、したたかな渋さがまず届いた。

   脈絡は無いです。トリオ編成のキース・ジャレットを聴いてみたいと
   なんとなく買った。マイルスへのオマージュ盤だろうか?
   リズムはゲイリー・ピーコック(b)とジャック・デジョネット(ds)。
   キースをぜんぜん聴いてないが、なぜかトリオならばこの二人って
   固定観念がある。1993年にECMへ吹き込まれた。
216・Keith Jarrett Trio:Bye bye blackbird:
☆☆
   ピアノはどこまでも静謐に動き、過激な要素を出さない。
   マイルスのロマンティシズムへのオマージュか。
   ベースやドラムの音にときおり、ぞくっとする生々しさを感じるけれど。
   マイルスへの憧憬を感じた。偶像崇拝のような。
   ジャズとしてはクールな味わいにはまるには
   良さそうだ。グルーヴをぐっと抑えてる。だからファンキーな曲よりは
   とことん静かなバラードのほうが耳へ馴染んだ。

   個人的なジャズのルーツはブレイキー。それも"モーニン"です。
   てなわけで、曲目見たらワクワクしちゃって。とりあえず買う。
   1958年にパリで録音。モーガン、ゴルソンの二管編成だ。
215・Art Blakey's Jazz Messengers:1958 - Paris Olympia:
☆☆
   演奏は悪くないけど、いまいち営業臭い。流れるままに
   音を出してる感じあり。A面の方がましか。
   ハッピーにバップへ触れるには良いと思うが、
   まだブレイキーを聴いたことない人には、薦めない。ファン向けでしょう。

   TZADIKのごりっとしたジャズを聴きたくて、適当に買ってみた。
   リーダーはルー・リードやマイケル・ジャクソンの作品でも吹いてるらしい。
   "Radical~"シリーズなのでユダヤ人かな。6人編成で、
   ジャケ写真によればリズム隊のみ黒人。
214・Paul Shapiro:Midnight Minyan:

   しぶとく弾むリズム隊と、ファットに伸びるホーン隊の対比がユニークな
   ジャズ。バップへ行きそうなリズムの首根っこを、ホーン隊がむりやり
   抑えてる。そのポリリズムっぽい志向を楽しむ盤か。思ったより
   クレツマーっぽくはない。二つの要素を混ぜ合わせた盤かな。
   だから(7)みたいな曲が印象に残る。

   TZADIKも色々出してるな。これは3人組女性アカペラ・ユニットの1枚。
   メキシコ出身のようだ。2003年のリリース。
213・Muna Zul:Muna Zul:

   張った声がきれいに絡み、テクニックは上手いと思う。
   しかし根本のグルーヴが弱い。聴いてて疲れてしまう。
   ハイトーンの耳ざわりが、ちとキツいか。
   多様な文化のミクスチャーにはなっている。ただ、単調。
   (14)、(15)の非アカペラのみが、ぐっと耳をひきつけた。皮肉な話だ。

2005年8月

05/8/21  ライブの物販とレコード屋で今日買った分をまとめて紹介します。

   鬼怒無月のプロデュースで昨年発売されたYaeのアルバム。買いそびれてました。
   ボンフルが全面参加。さらに太田恵資や福岡ユタカも曲によって演奏してる。
   2003年の「みんなのうた」関連曲も収録してるが、テレビ見ないからなあ。
   ぴんとこないのが残念。
212・Yae:Flowing to the sky:
☆★
   大陸的な広がりある歌声。鬼怒無月のプロデュースはアレンジから
   バラエティを持たせる。彼のシャープなギターが全面で聴ける。
   プログレっぽさはボンフルがフル参加の(4)のみ。あとは隙間を活かした。
   強烈にアピール1曲を探すよりも、ゆったり揺られながら寛いで全体を聴きたい。

   梅津和時(似)のグレート金時が率いる、新大久保ジェントルメンの
   1stアルバム。発売は1998年かな?メンバーの正体がCDクレジット見ても
   わかんないなあ。なお、"オタのトルコ"で歌うアブドゥール・ワハハの
   歌声が、えっらく若く聞こえたよ。そんな前じゃないのに。
211・新大久保ジェントルメン:イゴールの嘆き:
☆☆☆
   曲はコミカルな要素を織り交ぜつつ、根本はテクニカル。
   アブドゥール・ワハハが大活躍してる。ファンにはお薦め。
   マスタリングがかなり違和感ある。全体に一枚、厚い幕をかぶせたイメージ。
   そのため、よそよそしさが漂ってしまう。思い切りでかい音で聴くべき。
   ただし(12)は別。なぜかこの曲だけ、えらく立体的なミックスで迫る。
   きっちりリミックス&リマスターで、だいぶ評価が変わりそう。
   イゴールを狂言回しに、オモチャ箱をひっくり返したかのよう。
   混沌を主眼においている。ソロもあるが控えめ。
   あくまで新ジェンの世界観を追求した。

   このアルバムも繰り返し聴いた。凄く思い入れある。
   単身NYで吸収し、がらりとイメージを変えた佐野元春の重要盤。
   ここから全てが変わった。佐野の音楽だけじゃなく、音楽ビジネスも
   シーンもなにもかも。最初はリズム中心に聴こえたが、そのうち
   とてもメロディアスなアルバム、に印象が変わってる。
   発売20周年の記念盤で、当時の12インチ・テイクがボートラ。
   さらに映像特典で当時のライブやPVがついたみたい。
210・佐野元春:Visitors - 20th anniversary edition:
☆☆☆☆
   今聴いてもアレンジや声のスピード感に古臭さがない。
   確かにリアルタイムで体験した欲目はあるだろう。しかし、いまのラップとは
   明らかに違う言葉のビート感は認めて欲しい。
   音程をずらす声の多重録音を意図的に使い、グルーヴを強調する手法も、
   本作から本格的に始まったと思う。
   無邪気にヒップホップとがっちり組合ったアルバム。
   今聴くと、メロディがいっぱいある。当時はメロディなんて
   ぜんぜん感じられなかったのに。
   DVDも見応えある。さすがにこっちは、時代を感じる・・・
   アジア人さをモロだしメイクな"New Age"が、今でももっとも鑑賞に耐える。
   思い切り気取った佐野のポートレートも微笑ましい。
   「NY,すごい」って憧憬でなく、咀嚼しようと足掻いた努力が実った労作。

   オスカー・ピーターソン4とソニー・スティット(ts)との共演盤。
   オリジナル盤は1959年のパリ録音だが、ボートラで1957年のロス録音が
   3曲追加された。ちなみにこっちは、ドラムがスタン・リーヴィ。
   1991年の邦盤を購入。ルビジウム・クロック・カッティングだそうな。
209・Sonny Stitt: Sits in with the Oscar Peterson Trio:
☆☆★
   スリルには欠けるが、スムーズな流れが心地よい。
   (4)の華やかさがベスト・テイクかな。
   滑らかで軽いサックスが、ピアノトリオの上で涼しげに駆け抜ける。
   エド・シグペンのシンバルがかっこいいよ。
   スイングの色合いをモダンの世界へさりげなく注いだジャズに聴こえた。
   奏者は多分、意識してないと思うが。
   ボートラの3曲はいくぶん堅いか。
   全般的に録音は分離が良い。ちょっと低音が軽いかな?

   早坂紗知がたぶん1999年にリリースしたアルバム。日本とNY録音を
   1枚にカップリングした。マスタリングはセイゲン・オノが担当。
   Stir up!名義だが、基本はトリオかな?
208・早坂紗知 & Stir up!:Double Rainbow:
☆☆☆
   東京から三人、ニューヨークから三人。合計6人の音が絡み合う
   編成のジャズ。初手から弾む音にまず、心が浮き立つ。
   思いのほか録音も迫力あり。ボリューム上げると、音の粒が立つ。
   トリッキーなフレーズも、熱いファンクも志向しない。
   真正面からふくよかな音で、広いスケールとセンスの良さを見せた。
   早坂のサックスは、時にフレーズではなく音の塊をうねらせて押す。
   曲によってフェイド・アウトなのがなんとも惜しい。
   曲数減らしても、フルバージョンで聴きたかった。

   ジャケ買い。オーストラリアのジャズ・コンボかな?
   1997年発売で、その1年前に結成された。前から顔馴染みな
   ベテラン(といっても、当時40歳~20歳後半あたり)らしい。
   ドラムのNico Schauble(ds)(英語表記ご容赦)がリーダーみたい。
   ピアノトリオにギターとペットが入った編成。"On the other hand"が
   バンド名でもあるようだ。
207・Nico Schauble:On the other hand:
☆★
   クールなジャズ。なんだか別録りのようにばらばらな印象が浮かぶ。
   もっと絡んでほしいな。ベストは(11)。ぐぐぐっとそれぞれがからみ、
   螺旋で上へ舞い上がる。凄みにやられた。

   ジャケ買い。気取った4人の男の写真で、骨太ジャズをやるかと思ってさ。
   2002年のNY録音で、全員が20~30代の白人カルテット。
   ピアノレスのサックス2管体制だ。
206・Guaranteed Swahili:Three more years:

   凝ってるように聴こえて、あんがいワンパターン。
   耳ざわり悪くないから、BGMには良いが・・・
   それぞれの曲調が似通ってるので、一枚聴きとおすと
   ボーっとしてくる。アドリブの感触はストレート・アヘッド。
   真面目でロジカルにジャズをやって聴こえる。

   ジャケ買い。フリーかと思ったが、クレツマー・アンサンブルみたい。
   「タイトルに書いてあるじゃん」と仰らないでね。・・・気づかなかったんです。
   ピアノトリオ+ペット。2000年の発売で、ドイツのミュージシャンかな?
205・Paul Brody's Tango Toy:Klezmer Stories:

   耳馴染みのいいクレツマーだが、それだけ?といいたくなる。
   より突き抜けた激しさを求めてしまうから。
   BGMとして聴くにはいい。

   ジャケ見てもどこにも曲目やミュージシャンのクレジットがない・・・。
   セコハンだからなぁ。Verve時代のベスト盤みたい。
   彼はムーズヴィルのカタログを眺めてて知った。なんとなく奇妙な
   雰囲気の音楽世界を作るのが気になってた。   
204・Yosef Lateef:Before Dawn:
☆☆☆
   混沌としたバリエーション豊かなジャズが楽しい。
   どうやらちゃんとしたアルバムらしい。いい加減なセコハンを
   買っちゃったなあ。そのうち、買いなおすかな。詳細は不明ながら
   ちょっと煙ったサックスが、鈍く鳴る。そこはかとなくファンキーで良い。

2005/8/14   ユニオンでアケタの特集やっており、早速買いに行く。

   今回の目玉であり、貴重な発掘音源。故・武田和命(ts)が当時の
   渋谷毅(p)トリオに加わったライブを収録。録音は1985年12月23日に
   アケタの店で行われた。
   録音は関係者の観客がWラジカセでステレオ録音が元になっている。
   メンバーが凄まじく貴重。ベースが故・川端民夫、ドラムが藤井信雄。
   とんでもなくグルーヴィな演奏が聴けそう。
   なおケース中には当時のアケタのスケジュールをのせ、当時の雰囲気を伺わせた。
   ユニオンで買ったため、同日のライブから別音源を収録したCDのおまけ付き。
   こういうアーカイブはどんどんリリースして欲しいな。
203・渋谷毅・武田和命4:Old folks:
☆☆☆★
   録音はさすがにこもり気味。高音が痩せて、輪郭もぼやけてる。
   でも、演奏はばっちり。リリースされたことが素直に嬉しい。
   ピアノとベースの粘っこいグルーヴを、シャープなドラムが
   きりりと引き締める。サックスはどこか気弱げに、しかし
   がっしりと歌う。気負わずにジャズと向かい合う、さりげない心地よさが
   溢れる快演奏だ。数曲で演奏中、観客が喋るノイズが幾度か入る。
   聴こうよ、演奏を。せっかくこんな、瑞々しく音が躍ってるんだから。

   まだ聴いてないアケタのカタログから一枚買った。
   これは1976年にリリースされた盤を、アケタから1997年にリイシューしたもの。
   再発にあたってボートラで、サックスの短いソロが2曲新録された。
   メンバーはサックスが松風鉱一、ドラムが古澤良治郎、ベースが山崎浩一。
202・松風鉱一トリオ:At the room 427:
☆☆☆
   厳しく、鋭く。リズムもサックスも鳴る。しかし押し付ける
   息苦しさはない。真剣にジャズと対峙した一枚。
   若さゆえのスリルをまず感じた。だからこそ、前後に入った
   無伴奏ソロのほのぼのさが染みる。
   畳み込みむジャズが好きな人は、ぜひ聴いてほしい一枚。

   これもアケタ盤。2002年に逝去した山元恭介の自己バンドによる、
   おそらく唯一のCDがこれ。新宿ピットインで、死の寸前に行われた
   ライブを収録している。サイドメンは千光士実(ds)、藤沢由二(p)、斉藤良一(g)。
201・山元恭介:Kyosuke Memorial:
☆☆
   思ったよりハードさが控えめ。漂うようなベースのビートを
   軸に、淡々とジャズが紡がれる。
   派手さはない。じっくり味わうべき作品か。
   社長のギターも実におとなしい。

   1999年にリリースされたCD。自主制作だろうか。
   音源は1998年に浜松で行われたライブ。富樫雅彦&J.J.Spiritsの
   メンバーを軸に、山下洋輔、日野皓正がゲストで加わった格好。
   富樫の曲を中心に、ほとんどがオリジナルで構成された。
200・Masahiko Togashi & Friends:Golden circle "6":
☆☆☆★
   録音のエッジが少々甘いため、おっとりした雰囲気が漂う。
   スーパー・セッションの優雅な空気が漂い、せめぎあいは控えたか。
   選曲はすさまじい。今の知識ではDisc-2に惹かれる。
   山下と富樫のデュオ曲なはずの"Action"までやってるよ。
   富樫の曲が主体。彼の音楽に詳しくなると、選曲の妙味が楽しめそう。
   富樫を軸に、曲によって編成を変えている。
   山下と佐藤のツイン・ピアノというとんでもない贅沢さが鍵。

   ファミコンを思い出す、8bit音源にこだわったオケがユニークな
   テクノ・ポップユニットの1stフルアルバム。リリースは2004年。
   発売当初はタワレコでおまけCD-Rをつけてたようす。
   ああ、当時この音楽に気づいていれば・・・。
199・YMCK:Familiy music:
☆☆☆★
   面白いっ。ぶっとい電子音が気持ちいいな。人工的な
   音色なのにノスタルジーを刺激されるのが、我ながら奇妙で可笑しい。
   アレンジもさりげなく、かなり凝ってる。聴いてて飽きない。
   ロリータ要素を取り込んだボーカルも、音世界にあってる。
   いただけないのは一部の曲で、ボーカルとユニゾンする主旋律を
   シンセでなぞったこと。ガイド・ボーカルのつもりでもなさそうだし。
   コミカルにシンセの音世界を深める意図だと思うが・・・
   ボーカルが映えないので、シンセのメロディは省いて欲しかった。
   ライブではどう演奏するか興味深いバンドだ。

   店内のBGMで流れてるとき、バップな雰囲気が気に入って買った。
   1999年にリリースされたスタジオ盤で、日野元彦が若手奏者を集めて
   eweに吹き込んだ一枚。
198・日野元彦クインテット:Double chant:
☆☆☆☆★
   フュージョンを通過して整えられた、ストレート・アヘッドなジャズ。
   99年にあえて録音する必然性は見出せない。似たような盤、
   過去にいっぱいあるんだから。・・・と、最初は思ってた。
   だけど。音を聴いた瞬間、印象が変わる。もののみごとに。
   鋭いスピード感と充実したアドリブにグルーヴ。もんのすごく濃密な音世界が
   骨太のリズムを元に提示された。すごい。生でぜひ、ドラムを聴きたかった・・・。
   目新しさを志向しなとも、演奏力だけで充分。ほかになにがいる?
   アップテンポのほうがアンサンブルの妙味が味わえて好き。
   全8曲の1枚ものだが、聴きとおすとくたびれるほど。あまりの高密度に。
   2曲除いてLPサイズでも充分な、こってりした味わい。
   どの2曲を除けるかって?そういう難しい質問は、もう一度この盤を
   頭からじっくり聴いたあとで、考えさせてくれ。

   ダラー・ブランドは70年代に南アフリカで数度のセッションを行い、
   8枚程のLPにまとめた。1989年1月号のレココレ誌で、中村とうようが
   簡単にこの音源について整理している。
   この音源は今までに幾度も再発されてるが、まとまった形で入手しそびれてる。
   日本盤も1989年に4タイトル出たけど買って無い・・・。
   数年前にもイギリスの再発版を見かけたが、これはその前の再発盤。
   1988年に英カズーがリリースした4タイトルのうちの一枚。ピアノ・トリオ中心のようだ。
197・Dollar Brand:Tintinyana:
☆☆☆☆
   ちょいと音がこもり気味ながら、演奏は楽しい。
   コンボ演奏なぶん、ブランドのグルーヴがじんわりくるよ。
   (4)での華やかさが好き。ドラマーのネルソン・マグワザは、
   とびきりタイトなリズムを刻み、ベースのビクター・ントニ
   (で、いいかな?名前は英語読みです)がさりげなくノリを昇華する。
   温かさと力強さに浴びせ倒される、傑作な演奏だ。
   こういう演奏こそ、気軽に手に入るようになって欲しい。

08/8/11  先週買ったCDをまとめて報告しまっす。最近このパターン多いな。
     「更新をマメにやれないんだろ」とご推察のあなた、正解です。

   吉田達也率いる高円寺百景の4th。メンバーをがらりと変え、ぐっと
   華やかでワイルドな編成になった。本盤は小森慶子(ss,cl)を加え、
   よりアンサンブルを重視したアレンジになっているようだ。
   録音は今年の春。凄いスピードのリリースだな。
196・高円寺百景:ANGHERR SHISSPA:
☆☆★
   アドリブ要素は控えめで、構築されたプログレをきっちり聞かせる。
   どんどん雰囲気が軽くなっていくな。個人的には、今の路線が好み。
   あとは小森がどんどん存在感を増し、インプロ要素を強めて欲しい。
   ミックスも丁寧な仕上がり。吉田のドラムがシャープに響き渡る。
   特にハイハットをくっきり出した。むしろ携帯プレイヤーのほうが
   ドラムはエッジが立って聴こえた。大陸男のコミカルさを
   ほんのり百景に織り込んだイメージだ。

   ルインズのアローン化に伴い、灰野敬二とのユニットKNEADも消滅。
   ナスノミツルを加えた灰野と吉田達也の新ユニット、サンヘドリンの
   1stが出た。録音クレジットも曲目も無い・・・スタジオ盤かライブ盤
   なのかすらわからず。PSFからのリリース。
195・サンヘドリン:Sanhedolinー満場一致は無効:
☆☆☆★
   ライブ盤だと思うが、すっきり風通し良い音で録音され、
   サウンドをたんまり楽しめる。これが何よりポイント高い。
   録音は吉田達也かな。クレジット関係皆無なのが悔しい。
   どこまでも奔放な灰野、独自のリズムを連ねる吉田。その二人を
   着実なフレーズで繋ぐベース。ナスノこそが、バンドの肝になっている。
   灰野の歌声は単独で響き、吉田とのボイスのバトルが少ない。
   即興要素が相当強いが、ベースのおかげで構築度が増した。
   スリリングなテンションにぐいぐい惹かれた。

   マイルスが1968年に出した盤。今まで聴きそびれてた。
   菊地成孔ファンなら必聴のはず。"Fall","Pinocchio"が収録されてるから。
   ・・・わけわかんないでしょうね。すまぬ。
   これはコロンビアが1998年にリリースしたCDで4曲のアウトテイク付。
   20ビットのリミックス&リマスタリングされている。
194・Miles Davis:Nefertiti:
☆☆☆☆★
   クールなアンサンブルと流れるアドリブの構築するスリルが堪らない。
   テンポがゆったりでも、刃渡りがギラリと光る凄みを感じた。
   ボートラのアウトテイクはマニア向け。音楽は、OKテイクだけで充分。
   研ぎ澄まされたマイルスの美学が高まった傑作だ。
   寂しげに響くアンサンブルのストイックさがいいなあ。
   派手なジャズではないが、ぜひ聴いてほしいジャズ。
   ぶいぶいグルーヴィに揺れるロン・カーターのベースと、奔放にリズムを跳ねる
   トニー・ウイリアムズのドラム。どっちも格別。

   ユニオンで試聴してすぐさま気に入った一枚。ソフト・ロックです。
   ポーランドのバンドらしい。発売は1993年とあるが、その他の
   クレジットはさっぱり読めず。
   ジャケットを見ると、女性1人含む7人編成だ。
193・Nasza Basia Kochana:Nasza Basia Kochana:
☆☆☆☆
   ボサノヴァやサンバの影響を受けた、ハーモニー豊かな
   ソフトなポップスが楽しめる快盤。とにかくメロディが美しい。
   アレンジも上品で、昼下がりの穏やかな空気にぴったり。
   全てメンバーの自作曲。すごいバンドがいるな。ちょっとボーカルが
   弱いのが玉に瑕。コーラスのはもりはばっちりなのに。
   うっとりさせるバラードより、いくぶんアップテンポの曲が多い。
   どこかいなたいところを残し、軽やかに一枚が流れる。

   これはジャケ買い。1971年にリリースされた。
   ソフト・ロックだっけな?何で買ったか忘れてしまった・・・。
   ボーナス・トラックも入れ、2004年に英Rev-Oraから発売された。
192・Joe & Bing:Daybreak:
☆☆☆
   アップだとギターが古臭いが、根本はフレッシュなソフト・ポップ。
   デュオの高音ハーモニーが爽やかで心地よい。
   ボサノヴァ風味なギターの響きが素敵だ。あまりヒットは
   しなかったのが不思議。小粋な軽さがある。(4)がベストかなあ。
   (9)の目配り効いたアレンジもいい。

2005年7月

05/7/28   新譜を中心に購入。日曜日にだけどね。ああ、じっくり聴きたい。気ばかりせくなあ。

   ふちがみとふなとの新譜が出た。2年ぶり。ライブへたまに行く程度だと、知らない曲もあるが・・・。
   ライブで聴けたあれこれをCDで聴けるのが嬉しい。
   馴染みのバートン・クレインのカバーもあり。ブライアン・ウィルスンの
   ブートからとった"Awake"のカバーがすごいな。この曲、知らないや。  
   コンピ"Japanese girls 2003 West"(2003)に提供した"耳国国家"も本作へ改めて収録。
191・ふちがみとふなと:「ヒーのワルツ」:
☆☆☆☆★
   メロウな曲が多く、聴いててふわっと暖かくなる。
   リズムやコーラスをわずかかぶせる、シンプルなアレンジは健在。
   ほんのりハスキーなふちがみのボーカルの魅力が炸裂した一枚。
   ライブではしばらく前から披露してたバートン・クレーンの
   歌も楽しい。ふちふなを代表する傑作だ。
   最後の静かな"Awake"も渋いな。最近、ライブに行きそびれてるが
   こういうレパートリーもあったんだ。

   鬼怒無月の新譜。ソロ名義だが、実際はCoilにゲストが加わった録音
   サイケなジャケットセンスがすごいな。
   Coilのライブはご無沙汰だからなあ・・・自作曲が多いが、Coilでの
   最近のレパートリーが吹き込まれたのかな。
190・鬼怒無月:Wild Life:
☆☆☆
   エレキギターのテイクは、あまりにカッチリまとまりすぎて
   スリルに欠ける気がした。贅沢な話だが。様々に展開する演奏は
   ばっちりです。むしろ"Grass Harp"のようなアコースティック系の
   ほうが、聴いててわくわくしてくる。鬼怒の最高傑作というには
   抵抗あるが、初めて聴く人には彼の魅力が分かりやすい一枚かもしれない。
   (ちなみに最高傑作盤を推薦するなら、ボンフルを提案します)

   ヴィンセントの新譜。録音はしばらく前に済んでたみたい。
   ライナーで芳垣は本作までを"連作"と位置づけた。
   まだ聴いてません。どんなリズムとメロディが聴けるんだろう。
189・Vincent Atomics:Vincent III:
☆☆☆☆
   前作と同時期の音源もあるようなので、進歩って進歩では
   語るべきじゃないかな。ライナーにもある異国の民俗音楽が
   どっぷり楽しめる。ポリリズムや複合リズムを主軸におき、
   めくるめくビートの万華鏡に溺れた。メロディもさることながら
   リズムの切れと噛合うのが、とにかくかっこいいのよ。

   ジョン・ゾーンの50歳生誕イベントの、CD化プロジェクトが復活した。
   これは2003年の9/12(1st)と9/13(1st & 2nd)を丸ごと収録した3枚組の
   ボリューム。いっそ9/12(2st)も加えた4枚組の完全版にしたらいいのに。
   演奏か録音、どっちかに難有りなのか。Masadaの派生プロジェクトで、
   ジョン・ゾーンは指揮に専念。Masadaからはジョーイとグレッグが参加し、
   マーク・リボー(g)、マーク・フェルドマン(vln)らが脇を固めた6人編成。
188・John Zorn:Bar Kokhba sextet:
☆☆☆★
   個々の演奏は素晴らしい。ライブとは思えぬきっちりした
   アンサンブルを提示し、さらにソロもばっちり。
   テクニシャン同士の整然たる斬り合いをを見てるようだ。
   MASADAのレパートリーに共通する、さみしさや情念がアンサンブルだと
   よけい強調された。弦楽器が多いせいかな。
   リリース形態は、きっぱりマニア向け。テイクを厳選し一枚に収斂したほうが、
   とびきりのアルバムになったはず。
   3枚組のボリュームだと、聴き通したらすっかりお腹いっぱい。
   がつがつせず、のんびり向かい合ったら、芳醇な音楽を楽しめる。

   先日来日して圧倒的な好評をもぎ取った(行けなかった・・・)ノルウェーの
   前衛ジャズ・コンボ、Atomicのライブ盤。3枚組のボリュームだ。
   04年3月の国内(?)ツアー音源が中心みたい。
   英語の解説書はあるが、読んでません・・・タイトルはどういう意味だろう。
187・Atomic:The Bikini tapes:☆★
   熱い演奏だと思うが、なぜか胸にぐっと来ない。まだぼくが
   彼らの魅力をキッチリわかってないせいだろうな。
   ぐいぐい早いパッセージで押すが、黒っぽさが皆無なせいか。
   Disc1の曲がもっとも親しみやすかった。
   
   松風鉱一のトリオ(水谷浩明:b、小山彰太:ds)に、ゲストで三好功郎(g)が加わった。
   録音は1997年の春。横浜ジャズプロムナードがらみの共同制作盤らしい。
   リリースはOff Noteより。(p)のクレジットが無いけど、1997~8年の発売かな?
186・松風鉱一トリオ:万華鏡:
☆☆☆★
   ジャズなんだけど、一筋縄ではいかない。シンプルなフォービート
   だけではなく、不思議な浮遊感がある。水谷浩章のベースに
   よるところが大きい。これが後に外山/加藤を入れて、とことん
   自由なカルテットへ繋がるんだろう。その布石ともいえる
   貴重な記録だ。甘く、優しく、どこか不可思議に。松風のサックスは
   メロディを奏で、バックはゆらゆらとスイングする。
   シンプルなジャズに堕せず、きっちり松風の音楽性にのっとったサウンドを
   構築した小山や三好のテクニックもさすが。

   アラビンディアの三人に佐藤允彦が加わった中近東系アンサンブルの1st。
   1997年のリリースとなる。アラブやトルコの古典が中心だが、佐藤の自作が1曲、
   佐藤と太田恵資の共作も1曲収録された。
185・STOY:STOY:
☆☆☆
   端整なアンサンブルが聴ける、整理されたアルバム。もちろん
   アドリブもあるが、それよりもおっとりした雰囲気で
   合奏としてのよさを志向する。ライブへ行くと印象変わるのは
   間違いない。すごく上品で丁寧なアカデミックな香りすら
   するから。ライブでの温かみある雰囲気を、わざと
   廃したのでは。しかし吉見の多重録音な口タブラが、ほんと凄い。

   渋谷毅と広木光一が1998年に小ホールで吹き込んだアルバム。お互いのオリジナルも
   あるが、メインはさまざまなジャズの演奏か。発売も1998年。
   広木のギターを聴くのは初めて。ロマンティックな音楽なのかなあ?
184・広木光一/渋谷毅:So quiet:
☆☆☆☆
   柔らかくも温かい音楽が広がる。アコギの音が
   ぴいんと張って、ピアノはどこまでも深く包む。
   どの曲も穏やかな気分になれる。さりげない傑作。
   夜のひとときを過ごすのにぴったりの、優しさに満ちた音楽。
   とびっきりのジャズだ。

   大友良英が担当のサントラ盤。リリースは2003年。単なる録音プロジェクトじゃなく、
   栗原正巳、江藤直子、芳垣安洋らが演奏に参加し、この顔ぶれで
   発売当時にライブも行われた。行きそびれたけどさ。
183・大友良英:Blue (OST):
☆☆☆☆
   素朴なメロディが切々と編成を変えて奏でられる。
   アレンジの妙が楽しい盤。演奏がしっかりしてるし。
   大友の主張が込められたのは後半2曲。特に最後の曲。
   延々と続き、音楽がこぼれる。
   あのテイクが映画でどう使われたのかは知らない。
   しかし一筋縄ではいかぬ音楽へのアプローチとして
   果てしない効果音の連続は、骨太な力強さで迫る。
   多重録音のデモテイクも、親しみやすい肌触りで良いなあ。傑作。

   60年代のブルーノートを一枚。帯の"孤高のピアニスト"って
   表現に惹かれた。録音は1964年1月で、カルテット編成。
182・Andrew Hill:Judgment":
☆☆
   ときおり見せるリリカルにサイケな香りやチェンバーぶりがユニークだな。
   トリッキーな響きやアレンジは、今の時代でも充分に成立する。
   エルヴィンのドラムが激しく鳴るが、むしろおとなしめの
   ドラマーのほうが、アンドリューのジャズに合いそうだ。

05/7/20   ネットで買ったり店で買ったり。買うの控えてるんですよ、これでも。
      ・・・誰に言い訳してるんだろう、おれは。

   渋谷毅が森山威男とがっぷり組んでスタジオ吹込みした一枚。2001年の発売。
   これがソニー信濃町スタジオでの最後のレコーディングだ、とクレジットあり。
   「見上げてごらん夜の星を」「サマータイム」などの選曲。
   あえて歌モノをインスト・デュオで録音した趣旨だろうか。
181・渋谷毅&森山威男:しーそー:
☆★
   親しみやすい曲、特に日本のメロディだとメロウさが
   強調されすぎてしまう。その咀嚼具合は素晴らしいんだけど。
   ごっつい果し合いでなく、あくまで二人でそっと昇華させる。
   BGMには似合わない。かといってスリルを求める盤でもない。
   どういうシチュエーションにはまる盤だろう。ぼくはまだ、それを見つけられてない。

   ノーザン・ソウルのコンピを買って、J.J. Barnesって人の歌声が
   気になった。アマゾンで検索したら、コンピが出てるじゃない。
   さっそく買った一枚。これはStaxのコンピで、Voltからリリースされた
   コンピを2on1した一枚かな?いまいち内容がつかめない。
   J.J. Barnesのほか、スティーヴ・マンチャ、ダレル・バンクスの
    曲も入った編集盤。リイシュー元は93年のStaxより。
180・J.J. Barnes/Steve Mancha/Darrell Banks:The sound of Detroit:
☆☆★
   Voltから出たスティーヴ・マンチャとJJ・バーンズのスプリットLP盤
   "Rare stamps"にJJ・バーンズのシングル両面を1枚、さらに
   ダーレル・バンクスの"Here to stay"のカップリングが本盤。
   好みで言うと、圧倒的にJJ・バーンズ。歌声が滑らかで
   ノーザンっぽい演奏もばっちり合っている。いなたいところは
   あるものの、味の濃さでは3人中一番。スティーヴ・マンチャや
   ダーレル・バンクスはちょっとサザン寄りで、好みではない。
   薄味なのもいまいち・・・もちろん曲によって良さはわかれる。
   しかしどれもモータウンの出し殻みたいに聞こえるのはなぜだろう。
   微妙にルーツや音楽スタイルは違うはずだが。
   JJ・バーンズはほぼ全てが聴きもの。
   ダーレル・バンクスは"Only the strong survive"や"No one blinder(than a man who won't see)"あたり、
   スティーヴ・マンチャで気に入った曲は・・・うーん、"Keep the faith"かなあ。

   ある人に薦められて買ってみた。R&Bの始祖として語られるが、
   恥ずかしながら聴いたことなかったんです。
   英ケントの1993年再発盤で、61年と63年のオリジナル・アルバムを2on1したCDだ。
179・Chuck Jackson:I don't want to cry / Any day now:
☆★
   ソウルというよりポップ・シンガー的な位置づけか。洗練されてるのは
   かまわないが、ストリングスを強調したアレンジは今聴くと
   時代性を感じるのは否めない。おとなしいバラードでもあれば
   今でも聴けるんだが。リーバー&ストーラーの曲を歌う一方で、
   デイヴィッド&バカラックやゴフィン&キングの曲も歌うあたり、
   彼の位置づけが良く分かる。良く伸びる声は心地よいのに。

   同じくこれもお薦めで聴いてみる。彼女のことはまったく知りませぬ。ごめん。
   これは94年に米Sonyがリイシューした26曲入りのベスト盤。
   1952年から55年までOKehに吹き込んだ音源を集めた。
178・Big Maybelle:The Complete OKeh Sessions 1952-55:
☆☆☆
   すさまじくどすの利いたパワフルなボーカル。すげえな。
   がらがら声に戸惑ったけど、ブルージーな歌声は、聴いてて
   元気出すのにいいかも。演奏はさすがに年代を感じるが、ボーカルの
   存在感が何よりも前へ出る。R&Bよりもジャズ寄りかな?

   これも実は、今まで聴いたことありませんでした。
   キース・ジャレットって言うと、本盤が代表作ってイメージがある。
   1975年にECMからリリースされた、あまりにも有名なピアノ・ソロアルバム。
177・Keith Jarrett:The Koln concert:
☆☆☆★
   予想以上にポップなので驚いた。波打つようにフレーズが
   積み重なり、グルーヴを作る。明るい響きが基調となり、
   まれな鈍い響きがアクセントとなる。雄大な光景が常に広がった。
   もうちょいファンキーなほうが好みだけれど、爽快に膨らむ
   音世界の魅力は良く分かる。

   これが初共演になるらしい。1973年に仏のカフェ・モンマルトルで
   行われた二日間のライブから選曲された盤。CD化にあたり一曲の
   アウトテイクを収録した。
   サイドメンはケニー・ドリュー(p)と、北欧のリズム隊かな?
176・Jackie Mclean featuring Dexter Gordon:The meeting:
☆★
   ピアノとサックス二人だけを聴いたら、そこそこのジャズ。
   リズム隊の二人が、なんとも噛合わない・・・。最後の
   曲では、あんがいきれいにまとまってたが。
   営業っぽさがにじみ出る演奏なのが、正直な印象。

2005年6月

05/06/30  週末から今日までにレコ屋で買ったりライブの物販で買ったり。

  日本が世界に誇るインプロ・トリオの初CDがリリースされた。
  メンバーのオリジナルと、富樫雅彦の曲を中心に選曲された。
  これ以外にもまだライブでのレパートリーがあるんだよ。
  それも聴きたい。しかしこれも聴きたい。ああ、聴きたい。
175・黒田京子トリオ:Do you like B?:
☆☆☆☆☆
   豊潤で美しく自由な即興が堪能できる。素晴らしい。
   ステージでのコミカルなゆとりをあえて削り、真摯に音楽へ
   向かう姿を強調した構成になった。
   初期黒田京子トリオの代表曲を集め、富樫雅彦へも焦点を当てた一枚。
   ライブとはちょっと志向をずらし、コンパクトにまとめた印象ある。
   そのぶん濃密さが増して、濃い演奏がつまった。即興好きなら一度は聴いて欲しい名盤。

  松風鉱一カルテットのCDがついに出た。
  渋オケや明田川でのセッションで何度か演奏を聴いて、ロマンティックな
  サックスを吹く人なのかなって印象があった。
  恥ずかしながら、この松風4の音楽は本CDで初めて聴く。
  メンバーは加藤崇之(g),水谷浩章(b),外山 明(ds)と、信じられない豪華メンバー。
  浮遊感あるジャズをやってる様子。国立のジャズ・ダイニングバーNo Trunksで
  今年の3/26にライブ録音された。
  Studio Weeから発売のため、ボートラとして「M. D. Lady」演奏のCDつき。
  詳細クレジットが見当たらないが、CDのアウトテイクかな。
174・松風鉱一カルテット:Private Notes:
☆☆☆☆
   ああ、ライブを聴きたい。つかみ所が見つけづらくって。
   たぶんこれ、ライブ見たらばっちり焦点あうと思う。
   メロディアスな要素ももちろんあるが、フリーな風合いが強い。
   水谷ががっちりベースで支え、リズムもリードもふわふわと漂う。
   テンション高く切りあうでもなく、クールにまとまるでもない。
   ただ、滑らかに穏やかに涼しげに不可思議に、ソロが浮かんでは消えてゆく。
   外山のドラムが上手くポイントをずらし、ユニークな揺らぎを生んだ。

  こんなの出てたとは。知らなかった。大文字の2nd。
  昨年にO-westとFABで行ったライブからの抜粋を収録してるようだ。
  ホッピーのレーベルから発売された。ミックスは吉田達也自身が行った。
173・大文字:Into a blind alley:
☆☆
   ライブで見てたら、印象変わったと思う。くっきりときれいな
   音で録音され、演奏もキーボード主体の落ち着いたプログレ。
   インプロだけあってテーマが繰り返されることは無いんだが。
   そのためプログレ素養の無いぼくは、今ひとつ取っつきづらい。
   怒涛なリズムの応酬を期待してしまう。
   後半2曲のほうが好みかな。穏やかな印象が残る盤。

  800枚限定。1985年に増上寺でのライブを収録した。
  ライナーはかなり緻密そうだが、全て英語・・・読めてません。
  彼の晩年、究極の演奏を聴いてみたかった。本音を言えば、ライブで。
172・高柳"JoJo"昌行:Action Direct:
☆☆☆☆
   ライブで聴きたかった・・・どんなに轟音で聴いても、
   そのとき、場に溢れていた音の全てを収録できているのか
   好奇心がうずく。3曲入りで、それぞれ微妙にコンセプトの
   違いを感じた。機械仕掛けのループが主軸の(1)、より肉体的な(2)、
   そして融合された(3)。メロディは皆無で展開は様々なノイズが
   切り替えられて音のイメージが変わる。
   前へ進む、強い意思を常に感じた。どんなに轟音が鳴り響いても
   音そのものへこだわっているように聴こえない。
   あくまで関心はベクトル。キラキラと微妙なリズムを
   漂わせつつ、前へ進む信念を強く感じた。

  もうこれ、2ndシングルなのかな?アルバムはいつになったら出るんだろ。
  ミドルテンポの曲が、アルバムに先立ってシングル・カットされた。
  これは米盤。ラジオ・エディットとアルバム・テイクが入ってる。
  ドラムが打ち込みで、あとはコーラスを除き、スティーヴィの多重録音。
171・Stevie Wonder:From the bottom of my heart (single):
☆☆☆
   昔馴染みのスティーヴィー節。ミディアムの佳曲だ。
   これだけ聴くと、先鋭さは特に無い。しかし、和めるよさは間違いなくある。
   これ、いい曲だよ。ラジオ・エディットの方がシンプルでいい。
   打ち込みで揺らがせるバランス感覚はきっちりあるし、
   歌声にも衰えは無い。こういう曲もあってほっとした。
   サビでばらつくハーモニーは故意なんだろうなあ。
   伸びやかなメロディは繰り返し聴いて、飽きない。

  99年のアルバム。聞きそびれてました。
  渋谷毅がエリントンの曲と真っ向から向き合ったアルバム。
  サポートも峰厚介(ts)、松風鉱一(Reeds)、関島岳郎(tuba)と豪華だ。
170・渋谷毅:Essential Ellington:
☆☆☆☆
   とびっきりのジャズ・アルバム。ピアノが、コンボが、デュオが、
   どれもが渋谷の暖かいピアノを基調に、しこたまロマンティックにきめた。
   曲をすっかり自分の物とし、呟くようにメロディを歌わせる。
   いつまでも聴き続けていたい。ひとつの曲を短くまとめ、
   弛緩させずに余韻をひっぱる。松風、峰、関島といったサイドメンも
   抜群の仕事をした。胸に染み入るバラードがいっぱい。
   惜しむらくは全般をもやっとしたマスタリングにしたこと。
   ピアノ・ソロやデュオならともかく、コンボ編成だと輪郭が
   ボケてしまう。音楽の素晴らしさの前では、枝葉末節ですが。

  買っちゃいました。個人的にとても思い入れあるアルバム。
  "Visitors"でファンから賛否両論を浴びたあと。シングル3ヶ月連続リリースや、
  "ヤングブラッズ"のタイアップ、"クリスマス・タイム・イン・ブルー"の事前展開など、
  皮肉な意味でもなんでもなく、ビジネス面での進歩もさまざまに拡大して、
  満を持して発売したアルバム。スタイル・カウンシルあたりと比較した毀誉褒貶もあったが、
  ぼくはすごく聞き込んだアルバム。1986年のリリース。
  タイトルは当時、FM横浜でやってたラジオ番組と同名じゃなかったかな。
169・佐野元春:Cafe Bohemia:
☆☆☆☆★
   佐野元春のポップスがかっちりまとまった傑作。シングル曲を5曲収録し、
   ある意味"サムデイ"よりも商業性を見据えたアルバムかもしれない。
   これ以降、佐野はよりパーソナルな世界を深めてく。もっともチャートへ親しみを見せた盤。
   しかし個々の曲の完成度は高い。アレンジも良く練られてるよ。
   リマスターされないかな。アナログもそうだったが、ちょっと奥まったミックスなんだ。

  ニコラス・アシュフォードと組み、数々の名曲をモータウンに残した
  ヴァレリー・シンプスン。彼女の1stと2ndソロをコンパイルした
  アルバムらしい。モータウンから廉価盤で2004年に発売。粋なことするな。
168・Valerie Simpson:The collection:
☆★
   1stのほうは、モータウンの影を引きずった、なんだかピントの
   ボケたアルバム。むしろ2ndのほうが活き活きした曲が多い。
   演奏も音数多く弾むベースを筆頭に、クールなシティ・ポップスを
   下敷きに、滑らかな雰囲気を見せる。
   全体的に小粒なのは、より洗練された路線を狙ったためか。
   アシュフォード&シンプスンの上品なパワフルさを期待すると、外れる。

  メインはジャック・ジョンソンなのかな。G.ラブの名前に惹かれて買った。
  6曲入りEPで、ラジオ局でのライブを中心に収録した突発盤みたい。
  こういうの、見かけたときに買わないとなくなるんだよなあ。ぶつぶつ。
167・Donovan Frankenreiter/Jack Johnson/G.Love:Some live songs (EP):
☆☆
   Gラブ以外に思い入れないから、さっと聴いてしまった。
   演奏は悪くないし、隠しトラックあり。
   貴重なEPだと思うよ。もう少しじっくり
   聴かなきゃダメだろうな。参加ミュージシャンの
   ファンならば、手に入れて損はない盤だろう。

  ベニー・グッドマン楽団へ参加したピアニストによる、トリオ編成の
  アルバム。1955年の録音。スイング時代の人だと思うが、
  "リリシズム溢れるタッチ"って帯の文句に惹かれました。
  この奏者の顔ぶれで、ジャケットに白人カップル写真を使うあたり、
  いろいろな意味で時代を感じた。
166・Teddy Wilson:For quiet lovers:
☆☆☆
   おそろしく端整なピアノ。耽美方向でなく、純粋な
   スイングの美しさを志向する。いわゆるファンキーさは皆無。オスカー・ピーターソンより
   汗臭さをそぎ落とした美学のジャズ。しかし根本でスイングを
   きっちりしてるから、聴いてて心は躍る。
   サイドメンも上手いね。シンバルの連打はタップを踏んでるようだった。
   熱狂とは別の、飾りとは別の、一つの美学を昇華したジャズの到達に近い一枚。

05/6/12   レコ屋とネットとライブ物販と。性懲りもなく買ってしまう。
        好奇心は果てしない。・・・言い訳はいっつもこれだなあ。

   GbVのサイド・プロジェクトと捉えていいものか。2005年のリリース。
   トビアス兄弟のバンドみたい。地元でさっくりと録音された。
165・Clouds forming crowns:Clouds forming crowns:
☆☆☆
   全体ムードはおっとりと。さまざまな要素を曲ごとに織り込む。引き出しの
   広さはたいしたもの。アグレッシブさや破天荒ぶりに期待するが、どこか上品な
   風景が残る。ロバートの突き抜けぶりとは違うな。
   ちょっと分離が悪いサウンドも良い味。気分乗ってる時に聴いたら楽しめる。

   渋さの初DVDだそう。03年7月の天渋からピックアップしたライブ映像が
   楽しめる。残念ながら最大編成とは言えないが、渋さのよさをたっぷり
   味わえるソフトじゃないかな。CDもついており、こちらは今年のピットイン
   でのライブを収録。めちゃめちゃ最近の演奏だな。
164・渋さ知らズ:天幕~宙を駆ける(DVD+CD):
☆☆☆★
   細切れなシーンもあるビデオはもどかしくなりもするが、
   テントでの魅力てんこ盛りなステージ振りをよく現してる。
   これでフルメンバーだったらな、ってのは贅沢か。
   今となっては聴けぬ、植村や泉、佐々木彩子の参加は純粋に嬉しい。
   むしろCDのほうが興味深い。メドレー形式で流れるが、
   どうやらマルチをミックスしてるの?クロスフェイドや
   複数のメロディが融けるように曲が変わる。
   今までライブをすっぱんと提示してた渋さには、
   なかなか珍しく今後の展開が楽しみなアプローチでは。

   吉田達也と内橋和久が04年に行った、ポーランド・ツアーの
   音源から寄りぬいたライブ盤。構築したインプロが聞ける。
   先日の2枚組と姉妹的な位置づけか。
163・内橋和久&吉田達也:ヘラクレスの氷棍棒:
☆☆☆☆★
   恐るべき集中力とアイディア。吉田のドラムは埋め尽くすように
   駆け抜けて、内橋のギターはスケール大きく吼える。
   1枚組にまとまってるから、気軽に聴ける。
   常にスピード感を意識した即興で、スローなときも遅滞しない。
   デュオだからこそ、二人の即興作曲嗜好が一致したが故の快演がつまった。
   灰野敬二と吉田達也のデュオとは違う、硬質に磨き上げた即興がいっぱい。
   インプロが好きな人はぜひとも聴くべき、強烈にお薦めの一枚。

   アルバムはいつになったら出るんだー・・・。
   待ちきれないのでシングル買っちゃった。プリンスがギターで参加。
   これは英盤かな。ビデオクリップも収録のようなクレジットだが、実際は未収録。
   ちなみにケースに張られたシールにある"CD2 of A 2CD set"って
   どういう意味だろう。イギリス流のシングルってことで、もう一枚の
   セット・シングルが存在するのかな?
162・Stevie Wonder:So what the fuss (single):
☆☆★
   ちょっと取っつきにくいかな。ヒップホップに擦り寄った曲調だ。
   特にアルバム・バージョンではテンポを落とし、じわっとせまる。
   時代感覚のズレを感じてしまう。現役でいたいスティーヴィーの
   気持ちはわかるが、メロディ・メイカーとしての自分に自信持って欲しい。
   むしろシングル・バージョンのほうが、テンポをあげることで
   魅力がストレートに伝わった。こっちのほうがかっこいいよ。
   だけど今、この時代に、スティーヴィーが、プリンスと共演して・・・
   って疑問はずっと残る。もし70年代後半から80年代前半に
   この曲を出していたら、評価はがらっと変わったろう。
   Q-TIPのリミックスは低音を生かした、クラブ仕様。ちょうど中間にあたる。
   一曲選ぶならシングル・バージョンか。
   じわっと聴きたい、アルバム・バージョンの魅力も分かるが。

   ライブの物販で購入。「だるだるスペース★ロック」がキーワードな
   1stフルCD。これまでのシングル音源に新曲を足した格好らしい。
161・トマトヘッド:マイクロコズム:
☆★
   ライブのほうが魅力ある。きっちりした録音だから、
   逆に破天荒さが薄まったかもしれない。スペーシーな世界へ
   唐突に青春なメロディが挟まる。冷徹なビートを刻むベクトルに
   徹底しきれない甘さが若い。・・・こう書くと年寄り臭いなあ。

   ライブの物販で購入。レコーディング時には3人組のテクノ風味な
   ロックを演奏するユニット。これが1stかな。2004年リリース。
160・キラーコンドルズ:Azurazur:
☆☆
   かっちり硬い音できれいに録音され、聴きやすい
   テクノ・ポップに仕上がった。バックのリズムに比べて
   ボーカル部分に弱さが目立つ。ミックスを工夫するか、ボーカルに
   力を注いだら魅力は増すと思う。
   思ったより低音が軽め。ふわふわした印象だった。   

   B.J.トーマスの裏ベスト盤。どうやら未発表曲なども入ってるらしい。
   副題は"Love song collection"。うーむ、ちょっと気恥ずかしいのう。
159・B.J. Thomas:Have a heart:
☆☆
   公式発表曲は当然ながら水準を越えているが、全般的には
   小粒でぼんやりとした印象を受ける。マニア向けかな。
   未発表曲も練ったら面白いかもしれないが、アレンジがどうにも
   やっつけ気分。熱心なファン向けのアルバムだろう。
   トーマスの声そのものは、伸びやかに広がって心地よい。

   1957年に発表された、鳥の声を素材にテープ・コラージュで作った
   交響曲。エム・レコードらしい豪華で分厚いブックレットつき。
   なんだか面白そうなので買ってみた。
158・Jim Fassett:Symphony of the birds:
☆☆
   テープ操作だけでここまで作った気力がすごい。若干テンポが
   揺れるため、今の耳だととろく感じる部分もあるが・・・。
   特異なものとして、一聴の価値はあるだろう。
   カラフルなジャケットも丁寧なつくり。英語が聴きやすいし
   原文および対訳も載ってるから、英語のヒアリング勉強にいいかもね。

05/6/4   のんびりレコ屋を散策。今まで聴いたことないもの、を意識して買ってみた。

   ネットで購入。やっと手に入れた。1993年にGbVがリリースした
   EP盤。ぼくが買ったのは2ndプレスです。この中から一曲、GbVが
   ラストライブで演奏しててね。i-Podのプレイリストで疑似体験するためにも
   ぜひ欲しかったのさ。しかしあのライブ、疑似体験でも3時間くらいかかるんだよな。
157・Guided by Voices:Fast Japanese Spin Cycle:
☆☆☆
   全部で10分程度、1分前後の小品を8曲詰め込んだ。エンジニアはトビンだ。
   1"Marchers In Orange"や"Dusted"は"Vampire On Titus"と別バージョン。
   キーボード弾き語りの(1)で始まるラフな録音だが、デモやメモを超えた作品っぽさがロバートらしい。
      シンプルなメロディを曲にまとめた。
   アコギの弾き語りだがノイズやギターをダビングし、奇妙な味わいだした(3)や
   甘酸っぱい旋律の(4)などが、特に聴きもの。

   メルツバウが参加してるため購入。アメリカのレーベルより出た
   日本のアヴァンギャルド・コンピらしい。なぜこのタイトルなのか
   よくわからない。実際は2枚組なので。
   大友良英、マゾンナ、などの音源も入ってるみたい。
156・V.A.:Ju-Jikan(10時間):
☆☆☆
   01年にサンフランシスコの近代美術美術館で行われた、日本音楽の歴史を紹介する
   "Ju-Jikan"イベントのCD化。現代音楽、アヴァンギャルドをメインに、さまざまな切り口で
   丁寧に紹介したのがライナーの記述からよくわかる。
   本盤はあえて全貌でなく、00年前後の作品を18曲集め、音楽として
   楽しめる構成にした。この編集は評価する。日本の前衛音楽の奥行きを
   感じさせるイベントであり、CD。好奇心をくすぐる。
   アグレッシブさは控えめで、静謐なりストイックなりの前衛音楽をまとめたようだ。

   日本のジャズも買った。これは富樫雅彦が当時の自分のバンド・メンバーを
   中心に集めた、拡大編成のアンサンブルみたい。1976年録音。
155・富樫雅彦 & Guild for human music:Essence:
☆☆★
   フリージャズながら、日本情緒や雅楽の要素がぷんぷん漂う一枚。
   メロディはむしろ抑えめで、フリーキーなフレーズが
   シャープに弾むリズムの上で転がる。
   すきっと爽やかな空気が突き抜けるのは
   富樫のリズムゆえか。美しさに背筋が伸びる。

   1980年の盤。1978年からパリでおこなったデュオ・ライブを切っ掛けに
   吹き込まれたスタジオ録音されたようだ。タイトル曲をぜひ効いてみたかった。
   ライナーにある二人の対談では、加古に捧げた曲だとか。
154・富樫雅彦+加古隆:ヴァレンシア:
☆☆☆★
   お互いが浄化しあうかのごとく、乱れずにきっちりと
   音を重ねる。冷徹な鋭さを常に残した。A面の富樫作品でロマンティックさを
   強調し、B面では加古の佇む静けさを前面に置く。
   加古の音楽は富樫よりもストイックな前衛性を見ているようだ。
   BGMではするっと音が流れて終わってしまう。集中力をもって
   聴きたい。音を意識するために。聴衆に緊張を求めるあたり、
   この時代の日本ジャズらしいなあ、とつい思ってしまう。
   バトルではなく、互いを尊重しあうアレンジだ。

   コールマン・ホーキンスをあれこれかってみた。
   本盤は62年にインパルスからリリース。ワン・ホーンのカルテット編成。
153・Coleman Hawkins Quartet:Today and now:
☆☆☆★
   美しいバラードにスイングするアップ。1962年という
   録音年代を考えると、同時代性の希薄さも考えてしまう。
   しかし今聴くなら、全ては同じこと。たんまりとサックスのふくよかさに
   浸れる。サイドメンも遠慮がちながら、しっかりホーキンスを支えた。
   良きジャズの一こまを、きっちり凝縮した快盤。

   これもワン・ホーン編成だが、五人編成。ピアノがオスカー・ピーターソンってのに
   惹かれて買った。録音は1957年でヴァーブより発売された。
152・Coleman Hawkins:The Genius of Coleman Hawkins:
☆☆
   アンサンブルでなく、徹頭徹尾にホーキンスのテナーへ
   こだわった一枚。バッキングはアドリブすらとらない。
   そうそうたる顔ぶれだけにもったいない気がするけれど。
   だからこそスイング時代の雰囲気が前面に出た。
   バトルでなくワンホーンを生かしたアンサンブルから一歩も出ないので。
   サウンドとしては気持ちいい。時代の流れや位置づけをしっかり
   意識すれば、楽しめる。時代を超えた一枚ではない。
   ホーキンスのサックスをコンボ編成で純粋培養で楽しむには最適だろう。

   キャリアの初期にあたる時期かな。1930年代に渡仏しての録音を
   集めた盤のようだ。共演者はグラッペリやジャンゴなど。
   1993年に出たコンピレーションを購入。SP起こし、だろうなあ。
151・Coleman Hawkins:Coleman Hawkins in Europ:
☆★
   元は盤起こしかな?スイング風味でちょっと詰まった音質だ。
    ビッグ・バンドを従えて、ゆったりホーキンスが吹く。
   バック・バンドのリズムが、いまいち単調なため
   ほのぼのした空気が常に漂う。BGMにいいね。
   激しいテイクは無く、穏やかなジャズが楽しめる。

   サン・ラ&アーケストラのメンバーらしい。14人編成で前衛ジャズを
   やってるのかなあ。ピート・コージー(g)の名前を見つけた。
   アーケストラがらみも参加してるかもしれないが、知識不足で
   よくわからず。1967年の音源みたい。
150・Philip Cohran and the Artistic heritage ensemble:On the beach:
☆☆☆
   サン・ラーの影響はふんぷんするジャズ。電化親指ピアノを使った
   ミニマル要素を盛り込んだグルーヴが新鮮だった。
   ベストはハッピーなアフリカン・ビートをどぶどぶに注いだ(1)だな。
   ラストに収められたライブ・テイクもなかなか。
   ほかは常にクールな視線を感じた。頭でっかちではないが、
   感情よりも理性の優先が印象的だ。
   リズムはラフさが残るが、アレンジを練ったためか。

   詳細不明。店のポップで「サイケ・ファンにお薦め」に惹かれて買った。
   1973年発売の再発盤みたい。男4人組グループだ。解説もなんもないなあ。
149・Water into wine band:Hill climbing for beginners:
☆☆☆★
   カントリー・サイケが基調ながら、歌モノが圧倒的に良い。
   インプロモノはソロを盛り立てるというより、手癖のみで進んでる感あり。
   (3)や(4)の美しさが好き。
   レイド・バックしながら怠惰さは無く、ましてドラッグ臭さもない。
   なんとも寛いだ存在感が異様だった。

   詳細不明。やはりサイケ音楽らしい。LPの再発だが発表時期のクレジットが
   見当たらないなあ。女性コーラスを前面に出してるらしい。
   これが1stみたいね。
148・The Growing Concern:The Growing Concern:
☆☆
   ギターやキーボードの音色に圧倒的な時代の古さを
   感じたのが否めない。だけど分厚く押し寄せる、ラテン風味の
   ソフト・ポップは聴きもの。特に(6)での迫力が好き。
   時代を超える普遍性のぎりぎりに立っている。耳ざわりはいいし、
   決して聴いて損はない。

   南米のグループ・・・だっけな?ビートルズに影響受けたバンドって
   店のポップを見て、なんとなく惹かれて購入。これが1st。
   1997年の録音でいいのかなあ。いまいちクレジットが読めない。
   これってスペイン語かな?
147・We all together:We all together:
☆☆☆
   クレジットがさっぱり読めない。97年録音なの?
   そうとは思えぬ音の悪さに驚いた。60年代サイケ・ポップ・バンドのアウトテイクを
   聴いてるかのよう。やたらにドンシャリで薄っぺらい。まいった。
   音楽は悪くない。ひたむきだし、メロディを作るセンスもあり。
   アレンジの世界観が一致しないので、とっちらかってるが・・・
   サイケ・ポップのラジオ番組を聴いてると思えばいいか。
   ポールの影響をどばっと受けた、滑らかなメロディがいいなあ。たとえば(5)ね。
   演奏もなんだかたどたどしい。現地のポップス環境は
   不明だが、きっちりした演奏と録音を施したら、もっと良くなったはず。
   つたなさゆえの良さも、もちろんあるけどさ。どっちだい。迷うよ。

   まったく経歴不明。安かったもので、なんとなく惹かれて買った。
   ギター・ソロだが、一体どんな音楽だろう。アメリカ文化の包括を
   したいみたいだが、サティってフランスじゃなかったっけ?
   サティ"グノシエンヌ#1"のほか、ドルフィーやミンガス、パーカーの
   曲をカバーしてる。おいおい、A-HA"Take on me"まで取り上げてる。
   ヴェルヴェッツ"Femme Fatal"まで。どういう選曲なんだ。
146・Eric Hofbauer:American vanity:

   何かを表現したい志は分かる。しかし音楽として自分の世界に
   こもりすぎな気も。自宅録音であまりにリラックスした弊害か。
   ギター・ソロはほんのりアヴァンギャルドより。いまいち音楽へのめりこめなかった。

2005年5月

05/05/29     ひさびさにレコ屋をぱらぱらとまわった。

   メルツバウによる今年の新譜の一枚。TZADIKからは2枚目のリリースにあたる。
   昨年末の自宅録音をあつめた。"Sphere"と名付けられた長尺3曲+1曲の構成だ。
   なぜ3曲構成にしたか、なぜ1曲加えたか・・・が興味のあるところ。
   同名で60分一本勝負の長尺って手もあったんだからさ。
145・Merzbow:Sphere:
☆☆
   ビートと戯れるノイズと、じわじわと変貌する音世界がテーマか。
   低音が聴いてはいるが、今ひとつピントが絞りきれていない。
   TZADIKから満を持してリリースしたわりに物足りなさが残る・・・。
   メルツバウがそこまでTZADIKへ思いいれなく、ある瞬間の作品を
   提供しただけなのかもしれないが。
   "1930"に比べたら、メルツバウの代表作として薦めづらい。
   内省的な空気が漂う。

   ヴァンの新譜が出た。何だか暖かくのどかなサウンドだ。
   またとんでもなくすごいミュージシャンが参加してるんかな。
   ぱっと聴いた限りでは、肩の力を抜いたヴァン節を堪能できる好盤。
144・Van Morrison:Magic time:
☆☆☆☆
   ジャズ寄り・・・かな。永遠のワンパターンだが、楽しく聴けた。
   けっこう声が出てるから、安心して聴ける。じわじわ聴くほどに
   味が出てきた。するめのような美味しさの一枚。
   代表作、まで持ち上げるつもりは無い。
   しかし充実した傑作であることは違いない。
   キャリアを重ねてきてるのに、いまだにこれだけ
   聴き応えある盤を作ったことで、素直に賞賛したい。

   富樫雅彦率いるJ.J.スピリッツの5thアルバム。1994/12/22に新宿ピットインでの
   ライブを収録した。2daysの二日目、二セット目の録音らしい。
   曲目の基本はスタンダードだが、富樫名義の曲"Monk's hat blues"を
   テーマ的に織り込んでいる。原盤発売はおそらく1995年。
143・富樫雅彦 & J.J.Spirits:So What - live at Pit Inn Shinjuku:
☆☆☆☆★
   素晴らしい。したたるようなジャズの魅力を堪能できた。
   テクニシャン通しの信頼感で、単なる4ビートに収まらない
   柔軟なグルーヴを見せ、なおかつ親しみやすい。
   特に(2)がよかったなあ。ちょっとサックスのリードが薄いか。
   前後をテーマソングで挟み、往年のジャズ・クラブを演出したか。
   ぼくがこの構成を意識した、マイルスの曲で前後を締めた構成もにくい。
   ビバップを完全に咀嚼し、なおかつフリージャズの奔放を踏まえた。傑作。

   「未発表録音集!」と銘打ってTZADIKからリリースされた2枚組CD。
   録音日時も全て一緒。豪華な本つきCDだから、それを目当てに買ったほうが
   いいのかも。ほんとに同じテイクかは、聴いて確かめます。
   いくつか聴くと、明らかにテイク違いあり。もしかして全部別テイク?
   分数でいうと、30秒くらい違う曲がごろごろある。
   ざっとチェックしたが、日本盤と録音日や曲も一緒。
   首をひねったのは(2)-11(1996/4/16)、(2)-13(1997/4/21)がそれぞれ、
   1997/9/15録音とクレジットされてること。日本盤では上記カッコ内の
   録音とされていた。日を変えて録音を試してたんだな。
   あとは曲の出来次第。もうちょい聴いてみます。
   10枚買いそろえるほどではないファンには、いい入門編かも。
142・Masada:Sanhedrin:
☆☆☆
   ボリュームにめまいがする・・・マニア向別テイク集でも
   簡易ベスト盤としても通用するだろう。
   "Piram"はDIW盤のほうが好き。真っ先にこれ聴いて力の抜け具合に
   困ったが、他の曲ではボツにした理由が分からないほど
   力のこもったテイクもある。
   一気に聴きとおすと、凄まじく消耗する。濃密な音世界に圧倒されるから。
   MASADA好きなら聴いて損はない一枚だろう。

   今はドラマーを吉田達也に変えて復活した、ジョン・ゾーン率いるペインキラーの
   スタジオ盤を集めた4枚組のボックス。TZADIKより。
   巻上公一や灰野敬二も加わったレアトラックや、初期のEPも収録とある。
   うち1枚は大阪でのライブ。
141・Painkiller:Complete works:
☆★
   4枚組のボリュームにおなかいっぱい。こういうのはライブで
   凝縮して聴くのがいいのかもしれない。エコー満載のアンビエントな
   3枚目がむしろ落ち着いて聴けた。とりとめなく音がフリーに進んでく。
   ほぼアイディア一発。ペインキラーの活動記録としては
   貴重な盤だろう。つまり、かなりのマニア向け。
   サウンドそのものはかなり聴きやすい。

   北海道が活動の拠点・・・だっけな?宝示戸亮二の1stアルバム。
   今まで聴きそびれてた。1993年のソビエトでのライブを収録した。
   CD再発にあたり未発表のボーナス・シングルがついている。
   リイシューは2000年。ライナーは大友良英ほか。一筋縄ではいかないピアノらしい。
140・宝示戸亮二:A man from the east - Solo piano in Russia 1993:
☆★
   ゆったりスケール大きなピアノ・ソロ。メロディの奥に微妙な即興性を持つ。

   ジャズ・ヴァイオリニストとして欠かせない一人、グラッペリが
   1995年にNYのブルーノートで行ったらライブを収録。
   サイドメンはギターとベースのみ。3曲でさらにもう一人、ギターが
   加わる。歌うバイオリンが聴けるといいな。
139・Stefan Grappelli:Live at the Blue Note:
☆☆
   達者なものだと思う。メロディはまだ弾んでる。
   これをベストという気はさらさらない。95年に
   録音されたとは思えぬアナクロニズムだが、音楽の魅力はきっちりある。
   ノスタルジーでも妄信でもなく、単にバイオリン・ジャズを
   気楽に楽しむにはいい盤。必聴とは言わない。
   が、聴いて損はしない。スイングするジャズをいながらにして
   きれいな音で聴けるのは良いことだもの。

   フォー・トップスのモータウンでの7thアルバム。モータウンはアルバム名義で
   聴いてもあんまり意味がない(スティーヴィーやマーヴィンなど例外もいるが)。
   シングル・カットされない曲を聴いてみたくて買った。オリジナルはたぶん1997年発売。
138・The Four tops:Reach out:
☆★
   アルバムとしてはなんとも・・・とほほな内容。カバーの趣旨が分からないんだ。
   "Reach out I'll be there","Bernadette","Standing in the shadow of love"
   "I'll turn to stone"といった代表曲がつまってるのに。
   ぼくは"I'll turn to stone"って、好みじゃないけれど。
   その他のカバーが白人ばっか。レフト・バンク"Walk Away Renee",ティム・ハーディン"If I Were A Carpenter",
   モンキーズ"Last Train To Clarksville"や"I'm a believer"、アソシエイションズ"Cherish"など。
   ライブ・レビュー用のレパートリーなのか、白人マーケット受けを狙ったか。
   いずれにせよ、痛々しさが漂う。バックがモータウンの音で、
   プロデューサーがホランド・ドジャーだけになおさら。
   スティーヴィー・ワンダーが作家で加わった曲も一曲あり。まあまあかな。
   フォー・トップスのファンじゃないと、買っても物足りないと思う。
   あ、そうそう。白人カバーをぼろくそに言ってるけど、"Walk Away Renee"は別。
   みごとなノーザン・モータウン・サウンドに仕上げてる。
   メロウさがいかにもフォー・トップスらしいんだ。

   ジョージィ・フェイムを聴きたくて、探してた。
   これは1991年リリースのソロ盤。まだ聴いてません。
   ヴァン・モリスンがゲストで1曲参加。曲によってはスティーヴ・ガッドが叩いてる。
137・Georgie Fame:Cool Cat Blues:
☆☆
   タイトなNYリズムで、趣がなくなった気も。
   おしゃれさと洗練がごっちゃになってるような。
   ヴァンが参加してるのに、泥臭さ皆無なのに焦った。
   いい曲もあるんだけどね・・・気取った殻をぶち抜いたほうが好み。

   "アプレ・ミディ"盤を買うのは初めてだなー。すべてジョージィ・フェイムが
   つまってる。2003年の発売。ライナーは資料性に主眼を置いておらず、
   どういう観点の選曲かは不明。シンプルに快感原則での選曲かな。
136・Georgie Fame:For Cafe Apres-midi:
☆☆☆★
   1964年から1976年頃までの作品を、ほぼ経年順に並べたコンピ。
   資料性は低いが、オリジナルアルバム名も一応載せてるし、
   手軽にジョージー・フェイムの音楽に触れるには良い盤だとろう。
   黒人音楽に憧れる青年が、青白いソウルっぽいサウンドを演奏し・・・
   "Sitting in the park"で助走、ぱあっと"Sunny"で独自の
   世界を広げるスリリングを味わえた。
   後半はアフリカやカリブへも興味を示したような
   感触を楽しめる。28曲入りとボリュームもたんまり。

05/05/04   新譜を中心にあれこれ買う。

   まずはメルツバウの旧譜。たまたま見つけた。
   MERZBOXでもリイシューされた、1990年の作品。ZSFからの初CDらしい。
   プラケースに化粧カバーがかかってる。500枚限定。
   自主リリースとして極後期の作品に当るのでは。音楽の位置づけは実質ソロらしいが。
135・Merzbow:Cloud cock oo grand:
☆☆☆☆
   メルツバウ流のハーシュ・ノイズが味わえる傑作。
   これはやはり、ボリュームをぐんと上げて聴きたい。
   複数のノイズが同時進行で、みっちりと動く。秋田昌美の
   アイディアを片端から披露して、パワフルに展開した。

   アルケミーが二十周年でリリースした2枚組コンピ。
   メルツバウは1曲を収録。ただし新録でなく、"Tentacle"(1999)からの再録。
   大阪で日本ノイズの礎を築いただけあり、参加メンバーは恐ろしく豪華。
   ほぶらきんからオシリペンペンズまで。2004年の発売。
134・V.A.:アルケミズム:☆☆☆★
   こりゃ面白い。大阪インディーズを中心に概観できるいいコンピだ。
   いま、どのくらい個別のCDが入手できるんだろ。
   もし入手困難音源ばかりなら、素晴らしいコンピだよ、これ。
   日本のオルタナとしてがっちり成立した各ミュージシャンの叫びがつまってる。
   パンクは得意じゃない、ぼくの音の好みで言うと楽しめたのは・・・
   JOJO広重、SS、ほぶらきん、原爆オナニーズ、スペルマ、アウシュヴィッツ、北島建也、
   マゾンナ、インキャパシタンツ、突然段ボール、Christine 23 Onna、手水など。
   Doodlesとオシリペンペンズは、未発表のスタジオテイクを収録した。
   ちなみに非常階段は「ジャジーな」録音を収録、だそう。これ、ジャズなのか。
   
   山下達郎の新シングルは、「めざましテレビ」のテーマソング。
   カップリングはカラオケのみの2曲入り500円の廉価シングル。
   完全生産限定盤とある。シングルはあからさまに売り切りなんだなあ。
133・山下達郎:太陽のえくぼ (single):
☆☆☆★
   60年代のポップスを下敷きにしたアレンジなのかなあ。かなり豪華な編成。
   なにかのオマージュなのかもしれないが、アレンジのルーツは分からず。
   ミドルテンポで大人のロックンロール。リズムが変わる展開が
   達郎にとって新たなアプローチだったらしい。が、エンディングの唐突さも新鮮だった。
   シュールなのがカラオケ。1番の平歌はクリックだけで進む。
   2番はギターも入って、構成がより成立するんだけど。
   カラオケにはコーラスが一切入っていないバージョンだ。
   テレビでのBGMを意識したミックスなのかな?
   ひさしぶりに"達郎サウンド"な新曲で嬉しい。

   派生アルバムを除けば、菊地成孔の2ndフル・アルバムにあたる。
   初回盤は「京マチ子の夜」オリジナルビデオ(18禁)などが収録されたDVD付き。
   よりジャズの猥雑さとエレガントさを狙った盤だろうか。
   なおDVDは最初に"Sub Audio"で再生したほうが楽しめると思います。なんであっちが"Main Audio"なんだろう。
132・菊地成孔:南米のエリザベス・テイラー:☆☆☆☆
   ジャストのタイミングでぐいぐい押す、おっかないアルバム。
   キャバレーのような猥雑さとフェイクな退廃さがテーマだろうか。
   アンサンブルのグルーヴを成立させつつも、あまりにタイトなリズムが凄みを感じさせる。
   恐るべき完成度だ。サックスをもっと聴きたくなる、
   罪作りなアルバム。サックスソロをフィーチュアしたルーズな
   単なるジャズを決して志向しない。ラテンをベースにエレガントな世界を紡ぐ。
   オマケのDVDはさほどエロティックじゃないが、
   作り物のロマンティックさの匂いをぷんぷん漂わせた。
   菊地の上手いサックスは、無論楽しめる。
   さらに一歩進んだ、構築されたサウンドを聴かせる不思議なアルバムだ。
   中盤に挿入したフランス語の語りは、情け容赦なく延々と続く。
   ずたずたに編集したジャズをバックに。
   菊地の美学が隅々まで行き届き、ルーズな世界観を根底において
   隙の無いセクシーさを見せた快盤。
   まさにソロ・アルバムの名がふさわしい。
   一奏者ではなく、トータル・コーディネイトされた音楽で迫る。
   リラックスして聴くことも、無論可能。
   しかしぼくはこれを聴いていて、なんとも冷徹な菊地の視線を
   常に感じる。決して満足しない、ストイックに美を求める視線を。
   サディズムの香りを感じたのは読みすぎだろうか。
 
   大島輝之率いるsimの1stが出た。ライブは残念ながら未体験。
   フリーな轟音系と誤解してたが、エレクトロ・ミニマルっぽいんだろうか。
131・sim:sim:
☆☆☆★
   メカニカルな音楽だからこそ、タイトなドラムが映える。
   人力ミニマルな傑作。スリリングな音が耳に引っかかって、和める。
   かなり複雑なことをやってるようなのに・・・どうしてリラックスできるんだろう。
   音響系が好きな人はぜひ聴いてみてほしい。

   吉田達也率いる是巨人の3rdはTzadikから。
   2ndのアウトテイク一曲と、吉祥寺のマン2およびスタパでのライブを
   収録した一枚。写真はもちろん吉田達也の撮影による。
130・是巨人:Isotope:
☆☆☆★
   ライブ録音がほとんどだが、僅かにラフさが伺える以外は
   スタジオ作同様の緻密さに満ちたサウンド。ずれるポリリズムを平然と
   暗譜で弾きこなす3人のテクニックに呆然とする。
   過去作品の選りすぐりになってるため、是巨人の入門にいいかもね。
   ただし"Poet and peasant"はスタジオ版のほうが、アレンジに膨らみあって好き。

   元有頂天のケラが率いるバンド、シンセサイザーズの新譜。2ndになるはず。
   プロデュースはメンバーの三浦がつとめてる。6曲入りのミニアルバム。
   ナゴムからでなく、Bluemarleからのリリースとなった。
129・ケラ&シンセサイザーズ:ナイト・サーフ:
☆☆
   サーフ&ホット・ロッドがアメリカンなパンクの根源と
   意識してのアレンジだろうか。有頂天サウンドをいくぶん
   軽くしたミニアルバム。破天荒さは控えめだが、悪くない。
   こもった音質が残念だな。それともわざとだろうか?
   "夜のスポーツ"がベスト。ケラがさらに音楽をやってくれると嬉しい。

   大友良英の新たなユニットの1st。さらにONJQからさらに人数が増え、
   18人が参加してる。ONJQの発展形として欧邦のメンバーが参加した。
128・大友良英's new jazz orchestra:ONJO:
☆☆☆★
   即興性を保ちつつ、構築された音楽へ軸足を置いていそう。
   大人数だから、作曲を意識しないとめちゃめちゃになるのかも。
   ONJQ時代の爛れるようなダークさが、いくぶん薄れて
   風通しが良くなった。独特のゆったりしたロマンティズムは今作も健在だ。
   大友良英のメロディメイカーぶりが、尖ったサウンドを
   織り交ぜて味わえる。

   岡村靖幸が"Me-imi"ツアーの副産物として、リミックス集を出した。
   ただし録音は全てやり直してるという。
127・岡村靖幸:ビジネス:
☆☆
   新曲はない・・・たぶん。卓球との盤を聞いてなく、2曲を本盤で初めて聴いたので。
   ファン向け盤だろう。アッパーなテクノにアレンジされて
   きらびやかに楽しめるが、"バイブル"での喉の調子など、切なくなってしまう。
   根本的な構造まで踏み込んだリテイクではないので、リミックス集と
   位置づけながら聴いてしまった。フロアで聴くにはいいと思う。

   坂本龍一の名前を冠した初CDとか。主導権は土取利行(per)だったらしく、
   ライナーに収録された坂本のインタビューのそっけなさに笑った。
   オリジナル盤のリリースは1976年。
126・土取利行+坂本龍一:ディスアポイントメント・ハテルマ:

   記録としては貴重なものだと思う。その点ではリリースを喜びたい。
   しかし音楽としてはかなり頭でっかち。もうちょい聞き込めば
   印象は変わるかな?しかしこの盤は関係者でもそうとう
   印象が薄そうだ。三人三様ながら、ライナーではだれもが積極的に
   本盤を作ったと語らない。文字通り即興で作り上げた一枚なのかも。

   中村としまるが音頭をとり、Soh-Bandの清水や竹内(元、だが)に広瀬淳二(sax)や
   加藤陵(ds:不勉強で、この人は初めて聴く)にくわえ、トルステン・ラッシュや
   キキ、マーティン・ビシをゲストに迎えた盤。
   オフサイト系の静かなノイズと思ったら、かなり迫力あるオケをやってそう。
   1995年に日本のレーベルからリリースされた。
125・中村としまる:A paragon of beauty:
☆☆☆☆★
   豪腕チェンバー・ロックのアンサンブルと即興が
   絶妙のバランスで合わさった傑作。この顔ぶれで継続活動を
   したのかは、寡聞にして知らない。
   しかしぜひ活動して欲しい。今でも充分にスリリングな演奏だ。
   張り詰めたテンションが背中を貫き、耳に残る
   スマートなメロディで駆け抜ける。
   今、このアルバムは語られることが無い。それが本当に惜しい、
   素晴らしい音楽だ。

   富樫雅彦が91年にリリースしたカルテット編成のスタンダード・ジャズを
   演奏するバンド。これが2ndかな。
124・富樫雅彦 & J.J.spirits:plays vol.2:
☆☆☆☆
   耳慣れたバップには絶対ならない。全員がどこかひねって、とびきり刺激的な
   ジャズに仕上げた。音が瑞々しく、胸がわくわくする。
   すごいバンドだな、これ。耳なじみがいい上に、聞き込むほどに奥の深さに驚く。
   富樫の跳ねるリズムを筆頭に、上品なスイングしつつ、鋭さも兼ね備えた。

   フランスの国営オーケストラ(だったと思う)の彼らが、2003年に
   リリースした盤。数年で音楽監督が変わるという。このときのリーダーは
   Claude Barthelemy(英語スペルご容赦を)。
123・ONJ:Admirabelamour:☆☆
   ぬるいザッパを思わせる、編拍子ミニマルなサウンドは健在。
   ただし本盤ではラテンやスイング・ジャズまで目配りを聴かせ、
   幅広いアプローチを見せる。ぼくの好みだと、1曲目みたいに
   胡散臭く地を這う曲調が味わい深いんだけど。
   タイトながらユーモアも持ち合わせた好盤。
   

2005年4月

05/4/17   ライブでCD買って、レコ屋で買って。さらに家へついたら、
         アマゾンへ頼んでたやつが、どどっと届いてたよ。さあ、聴くぞう。

   黒田京子がOMBAから1991年にリリースした、CDとしては初ソロ作。
   ライナーの記述に従い1986年がデビューならば、キャリア初期の音源となる。
   完全なピアノ・ソロ。いくつかでボイスも入る。
   オリジナルのほかにはモンク、パーカー、カーラ・ブレイなどをカバー。
   黒田京子トリオで今も演奏する"バカな私"も収録。前からずっと
   やってたレパートリーだったんだ。凛と張ったピアノが楽しめる。
122・黒田京子:Something keeps me alive:
☆☆☆☆
   凛とした黒田のピアノが堪能できる一枚。オリジナル曲を中心に、
   現在まで通じる彼女の世界は構築されている。
   ロマンティックさと真摯さが音楽に溢れてる。
   涼やかに駆けるオリジナル。がっぷりジャズに組み合った
   タイトな印象のパーカーやモンクの曲。即興を追求した情熱のカーラ・ブレイの曲。
   ジャズの枠に収まりきらぬ、黒田の音楽をストレートに詰め込んだ。

   メルツバウの今年の新譜群から何枚かを、やっと入手。

   大仏の上に載った鳩をジャケットに使った盤。04年9-10月にかけての
   自宅録音にて。"Mantra"と題された3曲を収録。中ジャケには
   畳に正座する秋田昌美の写真。縁を踏んでるのに違和感あるが。
   日本風味のノイズなのかな。
121・Merzbow:Merzbuddha:
☆☆☆
   そぎ落とした凄みが全面に漂う。寺院の寂しさを空想すると
   ぴんと来るが・・・日本人によるノイズのストイックさを
   考えながら聞いてしまった。ハーシュを求める人には
   物足りなかろう。しかし内面をじっくり覗く考え事をするとき。
   これをBGMにして、研ぎ澄まされた気持ちを心がけたい。
   ループの怖さを垣間見た。繰り返しとは不安の一種なんだ。
   座禅には・・・ちょっと賑やかかな。メルツバウの新境地がまた増えた。

   エリオット・シャープとの共演盤。ライブは知らないが、CDでは
   ぼくが知る限り初めての競演となる。
   エリオットとメルツバウ、それぞれが主導権を持った音源を二曲づつ
   準備し、互いにリミックスしあった格好。
120・Elliott Sharp/Merzbow:Tranz:☆★
   ラップ・トップ・ノイズが中心。しかしメルツバウも控えめで、
   両者の緊張したバトルを期待したため拍子抜け。
   エレクトロ・ノイズとしては楽しめるが、二人による化学変化を
   想定せず、素直に楽しむべき盤。

   1999年の音源を2005年に再生させた音源らしい。20005/3/15に北米で発売された。
   ジャケットのイラストも秋田昌美自身かな?裏ジャケには
   飾りの感じで"マツダ"と"東京電気会社"の文字が。どういう意味だろ。
   単に昔の電飾をデザインしたんだろうか。
119・Merzbow:Rattus Rattus:
☆☆☆★
   クマネズミ(Rattus rattus)にスポットをあてた動物シリーズ。
   リズミカルな電子ビートの上を、涼やかなコンベア・ハーシュが流れては飛び散る。
   離散するパワーを整然と収斂に向かう力強さあり。コラージュ気味に
   スピーディな場面展開が本盤の特徴か。

   これは同じ店でひょこっと見かけた。ノルウェー出身、ジャズカマーの
   3インチ盤。Ohmよりリリース。このレーベル、このサイズのパッケージ
   好きだな。メルツバウのライブ盤でも、この大きさあったっけ。
   2001/11/2に恵比寿のみるくでやったライブを収録。この日は
   メルツバウとも共演したが、本音源はその前に単独で演奏したライブから。
   この日は40分ほど演奏したから、編集されてる。
   せっかくだから、全尺盤をリリースすればいいのに。
118・Jazzkammer:Sound of music:
☆☆★
   実際にこんな短時間でころころと音像が
   変わったかは覚えていない・・・ハーシュとエレクトロ・ノイズを
   基調に、みるみる音像が変化する。
   コンパクトなCDながら充分に楽しめる一枚。

   プレスティッジの傍系レーベル、ムーズヴィルとスウィングヴィル。バップ全盛時代にムーディな
   ジャズを吹き込み用に準備したレーベルと位置づければいいのかな。
   カクテル・ジャズに堕さない、ロマンティックなジャズがいっぱい。月光茶房さんで教えて頂き、
   CDで探してみた。けっこういっぱい、CDで手に入るんだな。

   ムーズヴィルの11番。レム・ウィンチェスター(vib)は本盤で
   初めて名前を聴く。ヴィブラフォンとピアノトリオという編成。
   比較的に短尺の曲が多い。
117・Lem Winchester:With Feeling:
☆☆☆
   ロマンティックなバイブが楽しめる。弾むメロディが上手いな。
   完全ステレオミックスで、中央にバイブを配置。フレーズに伴い、
   左右にバイブの音が飛び交う。すごいミックスだな。
   ときおりピアノとバイブがハモるときの響きが凄まじく官能的だ。
   ドラムが愚直なほどまっとうに刻む。もうちょい突っ込んでほしかった。
   ベースはときどき、美味しい動きするのに。

   ムーズヴィル13番。上記11番のメンバー編成に、オリバー・ネルソンの
   サックスを加えた企画。ただし録音は本盤のほうが11番より2ヶ月早い。
   本盤に手ごたえを感じて、11番を吹き込んだのかなあ。
116・Oliver Nelson with Lem Winchester:Nocturne:
☆☆☆★
   ピアノとバイブとサックスがしこたまクールでジェントル。
   穏やかなムードを保ちつつ、ダンディなジャズをたんまり注ぎ込む。
   したたるようなサックスの甘いメロディがたまらない。
   極端に左右へ分けたミックスが気色悪いなあ。モノラルで聴きたいよ。
   オリバー・ネルソンの背筋を伸ばして洒落た側面がみごとに当った傑作。

   ムーズヴィルの22番。このサックス奏者もよく知らない。
   バックはバリー・ハリスのピアノ・トリオ。参加メンバー、全員知らないや。
   まだまだ勉強不足だなあ。
115・Yusef Lateef:Eastern sounds:
☆☆☆
   オリジナル中心の構成だ。とっぴなアレンジではないが、根本に漂う
   浮遊感がさりげない個性を醸し出す。味のあるジャズだな。
   たとえば(1)。とぼけた雰囲気が素敵。全般的に、アフリカ風味を微かに匂わす。

   スウィングヴィルのカタログナンバー1番。すなわち2001。
   コールマン・ホーキンスがピアノ・トリオをバックにテナーを吹く趣向。
114・Coleman Hawkins with the Red Garland trio:sWingville 2001:
☆☆
   個々の盤で特筆しづらいね、こういうのは。オールド・タイムで
   ころころ弾むガーランドのピアノが印象に残るジャズ。
   こういうのの個性を掴むには、もっともっと聞き込むべきだろな。
   しかしそういう聴き方が、果たしてこの手の盤に似合ってるのか。
   なんだか妙に悩みます。

   スウィングヴィル2005番。
   オール・スター名義だが、実際はトミフラのピアノトリオに、トランペットとトロンボーンが
   加わった編成となる。
113・Coleman Hawkins all stars:sWingvill 2005:
☆☆
   古めかしいイメージが漂う。(3)みたいなスイングが一番
   しっくりくるね。穏やかなナイト・クラブのイメージだ。
   薄暗さと強い酒と、ざわめき。個々のソロで聴き所も
   あるけれど、全体のイメージのほうが先に立つ。
   エリントンを2曲、オリジナル2曲。Jerry Valentine(だれだろう)
   の曲を1曲。どれもが同じ空気で満たされた。
   三管編成ながら、あまり分厚さはない。ソロがじっくりと回される。

   スウィングヴィル2007番。
   アル・ケイシーのギターをメインに置いたクインテット編成。
112・Al Casey:Back Jumpin':
☆☆
   なんだか聴いてて疑問が多数浮かぶアルバムだ。本当にこれ、一日で
   録音をすませたの?曲によってサックスが入ったり入らなかったり。
   そこまでアレンジに凝る必然性も薄い。正直なところ。
   また"Rosetta"のようなトロピカルな演奏の後ろで、幻聴が聴こえる
   ストリングスのようなサウンドはなんだろう。リバーブで
   たまたま生まれた幻だろうか。
   サックスが入らない、たとえば"Buck Jumpin'"はえらくドライに録音されてる。
   そこまで録音に凝ったのかなあ。シンプルに2日間の録音を一枚にまとめたような気がする。
   なお、本盤にはボートラが2曲あり。"Gut Soul"は熱い演奏だが、
   演奏途中でテープが終わる、ほんとうのアウト・テイク。
   "I'm gonna sit right down and write myself"はトロピカル調でバックに
   ストリングスの幻聴が聴こえるアレンジだ。
   ぼそぼそ言う声は、演奏に乗ったアル・ケイシーの呟きか。
   ラテンの香りがぷんぷん漂うギターは、単独では線が細い。
   ぼくの好みだと、サックスが入ったアレンジのほうがいいな。

   スウィングヴィル2011番。トランペットをフィーチュアしたクインテット。
   トミフラ・トリオにフランク・ウェスのtsが加わった。
   ナット・ヘンホフによるしっかりしたライナーつき。
   Joe Newman(tp)はカウント・ベイシーのバンドにいたようだ。
   Tommy Flanagan(p)やOliver Jackson(ds)とは初共演で、ヘッドアレンジのみにて
   さっと録音を済ませたらしい。
111・Joe Newman:Jive at five:
☆★
   テーマを絞り損ねたか。散漫な印象が強い。
    シャープに刻みつつも、さりげなくおかずのビートを入れるドラムが印象に残った。
   名曲は(3)。ロマンティックなジャズを聴かせる。あっというまに終わってもったいない。
   リバーブが不自然に聴く場所も。モノラル・テイクで聴きたいね。

   スウィングヴィル2016番。ホーキンスがトミフラのピアノトリオをバックに、
   さらにエディ"ロックジョウ"デイヴィスを加えて、双頭テナーで吹く。
110・Coleman Hawikns:Night Hawk:
☆☆★
   ツイン・サックスでも当然、バトルはなし。おっとりとジャズを奏でる。
   ピアノが前面に出た(2)がぱっと耳に残る。
   サックスのやり取りを聴くなら(3)かな?
   さりげなくジャズが沁みる、好盤だろう。

   これはプレスティッジの7156番。本レーベルのホーキンスも聴きたくてね。
   バックはピアノ・トリオにtpとgを加えた、計6人編成。
109・Coleman Hawkins:Hawk eyes!:
☆☆
   スイングとモダンと中間点。なんだか立ち位置が定まってない
   不安定さを感じた。全般的に小粒かな・・・レイ・ブライアントのピアノが
   力強く鳴る。(4)のアグレッシブさや(5)のロマンティックさが聴き所か。

   ドイツのテクノ仙人ピート・ナムルックの2000年の作品。DJ Dogとの共演盤。
   faxからのリリースで、3千枚限定。
108・Pete Namlook / DJ Dog:Adlernebel:
☆☆
   シンセ・ストリングスとギターの掛け合いで、暖かく広がる音像から始まる。
   中盤からリズミカルになるが、聴きやすさは変わらない。
   次第にリズムの比率は増すが、前衛度は希薄。音も薄く、シンプルな
   フロア対応テクノだろう。過激さがないので初心者向けかも。

   本盤も月光茶房さんで教えて頂いた。R&Bやジャズのベテラン・トランペッター4人
    (Donald Jennings,Martin Banks,Ephraim Owens,Pat Patterson)
   を一堂に集め、R&B大会をぶちかます。メンバーは不勉強にしてだれも
   知らないが、音楽はがっちり爽快だ。
107・The Texas trumpets:he Texas trumpets:
☆☆★
   テキサスはオースティンの地元で活躍するベテラン・ミュージシャンらが
   気楽に作った一枚。ヤマっけは消し、単純に
   音楽を楽しんでるようだ。したがって根本のスリルには欠ける。
   ただし深く構えずに向かい合ったら、こんないかしたグルーヴは無い。
   ブルーズをあえて控え、R&Bをベースに各人のトランペット・ソロを
   たんまりぶちこんだ。余生を楽しむ・・・とは言いすぎか。
   地元のクラブでこのCDを名刺代わりに、ライブやってるんだろうなあ。

   安かったので、久々に海賊盤を買う。
   
   プリファブ・スプラウトの2005/4/5のライブを収録。CD一枚ものだし、全尺じゃなさそう。
106・Prefab Sprout:Paddy;The come back (boot):
☆☆☆
   2000年の英国ツアーより。BBCのラジオ番組音源だから、痩せてるけど
   音質は悪くない。たまにノイズが入るものの、Aクラスだろう。
   ライブ後半の流れを軸に、頭から美味しいとこだけつまんでるようだ。
   リラックスした演奏ながらキーボードが厚みを出して、シンプルなアレンジなのに
   雰囲気をよく出している。各アルバムから満遍なく
   選ばれた選曲で、楽しめるライブ盤。ファンなら買っても損はないでしょう。
   全曲収録じゃないってのを、理解したうえならば。
   ところどころ声がヨレるけど、"Life of surprise"のシャウトはきれいだよ。

   JBがパワフルな頃を切り取った作品。1973年、スイスでのライブ音源。
   2枚組で、うち1枚はメイシオによるJBsの前座を収録した。
   これまた両方とも、全尺じゃなさそう。
105・James Brown & the JB's:An avalanche of Funk (boot):
☆☆
   ラジオ音源なのかな?PAアウトのようなクリアな演奏。
   しかし途中でブツ切れるし、揺らぐ場面もあり。音質は歪んでるし
   ヒスノイズも入る。B+といったところか。
   歴史的な価値はあると思う。が、ファン向け。
   前半のJBsの演奏がいまいちトロくておかしかった。
   JBが出ると、締まるんだもん。JBsがカバーで"Me & Mr. Jones"をやってて
   おっ、と思ったが・・・単にさらっと演奏してるだけ。
   JBの音楽が好きな人は、聴いて楽しめると思う。

   Pファンクの全盛期・・・でいいのかな。1978年12月8日、オランダでの
   ライブ音源を収録。CD一枚という短いボリュームが残念。
104・Parliament Funkadelic:Afrolicious & the Electric Pussy (Boot):
☆☆
   なんとも中途半端なアルバム。完全収録でもないし、強烈に盛り上がる
   シーンの抜粋でもない。たんたんとファンクするさまを切り取った。
   全盛期のはずだが、うすぺらいミックスで、大勢での迫力が
   今ひとつ伝わりづらい。ノリはいいんだけど。
   雰囲気は伝わるが、喋りのシーンがかなり多い。クライマックスだけ
   どばどば注ぎこんだほうが、追体験として面白い盤になったのでは。

05/4/3   レコード屋で買ったり、ネットで買ったり。

   うわー、聴きたかったんだ、これ!見つけた瞬間、手が震えました。
   すでに廃盤。フェダインの3rdはナツメグから1992年にリリースされた。
   どうやらライブ・レコーディングらしい。"足穂"って場所はどこだろう。
103・Fedayien:III:
☆☆☆☆
   いくぶん手馴れて貫禄が漂う怒涛っぷり。5分、10分、約30分と
   次第に時間を長くして曲を積み重ねる。フェダインの勢いを
   味わうには長いほうが好き。これだけ集中力を切らせず
   続けるテンションもたいしたものだが。
   残念なのは録音がかなりローファイなこと。
   権利をどこが持ってるか知らないが、リマスター盤で聴いてみたい。
   フリージャズの良心を切り取った一枚。

   第二期DCPRGのライブ集がCDとDVDのセットで登場。
   この時期はライブを全て行きそびれてる。凄く楽しみ。
   CDは"構造と力"のI-Ⅵのライブ・テイクをそれぞれ収録。
   DVDは"構造と力"抜粋に"アイアンマウンテン定食"を加えた格好か。
   "ステイン・アライブ"もあり。さらに映像は3曲のPVもつめこんだ。
   すごいボリュームだな。じっくり聴きます。
102・Date course pentagon royal garden:Musical from chaos 2 CDVD:

   東京ザヴィヌルバッハの"Vouge Africa"は編集が行われてる。
   本盤は実際のセッションを編集無しでそのまま収録した派生版。
   ネットのみの発売らしい。聴き比べが楽しみ。
101・東京ザヴィヌルバッハ:Vouge africa "Naked":
☆☆☆★
   問答無用に強烈なドラミングが続けて聴けるのが嬉しい。
   シンセの音色からの印象か、響きが軽めのセッション。
   垂れ流し感は皆無だ。特に二曲目、リズムの嵐にもってかれる。
   菊地がCD-Jを多用する演奏なのが残念。もっとサックスを聴きたい。
   TZBのセッションではあるが、より肉体感溢れる。
   ずいぶん編集を"ヴォーグ・アフリカ"では施してるんだ。
   改めてじっくり聴き比べてみたくなった。
   完成度で言えば"ヴォーグ・アフリカ"を取る。しかし本盤の生々しさも貴重だ。

   ベックの新譜は2年ぶり。ロック系へまた戻ったのかな?
   ボートラにDVDまでついたデラックス盤を買った。
100・Beck:Guero:

   早坂紗知(as)のユニット、Stir Up!の、たぶんセカンド。
   メンバーとして加藤祟之(g)やヤヒロトモヒロ(Per)、つの犬(ds)らが。
   ゲストでLeo Wadada Smith(ds)が3曲で加わった。1989年録音。
   しかし彼女、以前の藤川イースタシアに参加してたとは。知らなかった。
99・早坂紗知&Stir Up!:Straight to the core:
☆☆
   堅苦しさとひたむきさとユーモアが同居する、力づくなジャズ。
   しかししなやかなスピード感もある。つまり、ごっちゃな
   勢いをぐしゃっと一つのCDに詰め込んだ。
   サックスのフレーズそのものより、全体のサウンド作りに
   個性を感じた。ロマンティックな視点を保ちつつ、
   ブロウもしっかりつめてしまう。欲張りな視点なゆえに、
   聴いてて集中しづらい点もある。
   (6)のメロディがすっごく気に入った。ファンキーさがキュートだ。


   Nullが97年末に吹き込んだ、gとNullsonicでの作品。きらびやかな
   CGのジャケットから、スペイシーなノイズを期待する。
98・Null:OOOO:☆☆
   短めの曲が多い。複数の電子パルスが性急に絡み合い、ポリリズミックな
   流れをばらまく。エレキギターのクレジットあるが、それとわかる
   ギターらしき音はない。発音楽器としてギターを使っているのかも。
   もっと長く聴きたい曲がいくつもある。ノイズっぽさは希薄で
   むしろハードコアなテクノのイメージか。

   あまり見かけない灰野敬二のCD。フランスでのリリースかな。
   中身はJean-Francois Pauvros(英語表記でごめん):gと、Francois Causse:perとの
   トリオ演奏らしい。録音は1999年5月。たぶん。フランス語のMaiって5月だよね?
97・灰野敬二 - Jean-Francois Pauvros,Francois Causse:Y:☆☆
   エレキギターが唸るところもあるが、基本的にドローン調の
   たゆたう音世界。灰野のシャウトがところどころで前面に出る。
   冒頭こそ単なる声だったのが、後半で日本語に変化するストーリー性が
   印象に残った。曲は8トラックに別れているが、一貫性を
   感じたサウンドだ。根底にどこか、エレガントな空気が漂う。
   クレジットには7曲までなのに、なぜかトラックは(8)まである。
   ボーナスかな?と思ったが、最後まで無音が続くのみ。なんなんだ。

   こないだ聴いたGo-Goがよかった~!てなわけで、トラブル・ファンクのスタジオ盤を
   一枚買ってみた。もしかしたらベスト盤かも。2000年リリース。
96・Trouble Funk:E Flat Boogie:☆☆
   初期音源とそのカラオケをまとめたコンピ・・・かな?英語のライナーをきちんと読んでません。
   リズムが基本的に一緒なので、フロアで聴いたほうが楽しめる。
   テクノっぽい(3)が愉快だった。妙に重心軽いのが、安っぽく聞こえて残念。
   骨太なグルーヴはかっこいいよ。
   あれこれややこしく考えず、でかい音で身体を揺らしたい。

   "La Kid 'R"なるアメリカのインディから出た、ソウル・コーラス・グループの
   シングル盤。珍しくリミックスじゃなく、ぜんぜん違う曲が3曲入った
   構成なので、ためしに買ってみた。詳細経歴は不明。オクラホマ出身?
95・Meant2B:Back-up plan:☆★
   冒頭の太いベース使いに耳が惹かれるけれど、根本は
   小粒なローカル・グループだ。何度も聴いたが、がっと食いつく
   個性にかけるのが否めない。打ち込み中心のトラックも
   悪くないんだが・・・なんだろう。メロディかな?
   しいて選ぶなら、(2)のスローな曲か。

   新譜。アコギ一本のバックによるトリオ・コーラスって宣伝文句に惹かれた。
   初めて見るバンド名だが、デビュー盤かなあ。2004年の発売。
94・Unison:All things considered...:☆☆☆
   フロリダのグループらしい。シンプルなリズムは打ち込みと
   生演奏と半々に聴こえた。アコギが全編に渡ってアレンジの
   芯を努める。曲はこっており、アレンジも練られてる。
   80年代後半に流行ったような、隙のないハーモニーで
   歌われるため、心底リラックスできないのが難か。
   あのまま演奏するなら、面白いグループだと思う。ライブ聴いてみたいな。

   1977年発売のイギリス吹き込み。レア盤として好事家の間では有名な
   盤だったそう。3人組のコーラス・グループ。CD再発されて買ってみた。
93・Chain Reaction:Indebted to you:☆☆☆★
   さまざまな楽器を混ぜた凝ったアレンジながら、ミックスがこもってて
   それと聴き分けられないのがもったいない。マルチから再mixしてほしい。
   ボーカルは危なっかしいとこもあるものの、跳ねるビートのミドルテンポに
   いい曲が多い。一番気に入ったのは(2)。
   "I'm indebted to you"とあるが、歌詞のイメージから言って
   3曲目にクレジットされた"Why can't we be lovers"が(2)じゃないのかな?
   1977年の時代よりちょっと前のスイート・ソウルをイメージした快盤だ。

   ソウルをほんとに聴きこむならシングル盤、ってのが業界の常識だろう。
   でもアナログを聴く習慣ないので・・・コンピを買ってみた。
   これはデトロイトのマイナー・レーベル、"Groovesvill"のシングルを
   集めた盤・・・のはず。だが、手持ち資料とまったく曲順が一致しない。
   一体どうなっとるんや。パーラメンツの初期シングル(これも手持ちの
   ディスコグラフィには載ってないな)、"Don't be sore at me"の収録が
   売りかな。しかし何で1曲なんだ。B面はどうした~!
   1967-69年に 活動したレーベルみたい。発売はイギリスのGoldmineより。
   何年リイシューかは、クレジットが見当たらない。
92・V.A.:The Groovesville Collection:☆☆★
   盤起こしかなあ。えらく音が悪いのが難点。
   マイナーレーベルの重箱の隅をつつき、レアシングルだけでなく
   インストまで引っ張り出した努力がさすが。
   パーラメントのレア盤もよかったが、J J Barnesって歌手に惹かれた。
   この人の歌を、もう一寸色々聴いてみたいな。
   ノーザン・ソウルの奥深さを覗かせ、好奇心をくすぐる一枚。
   スティーヴ・マンチャもなんだか聴く名前だしね。
   音こそ悪いが、佳曲が多かった。聴いて損のない一枚。

   上記と同じレーベルより。発売年度くらいクレジットして欲しいなあ。
   LAのノーザンのシングルを集めたコンピ。
91・V.A.:L.A. A collection rare west coast 60's soul vol.2:☆☆☆
   MinitからSoul City,Vended,Ocampoといったマイナーレーベルまで、
   LAのマイナー・ソウル・シングルを集めた盤らしい。解説がしょぼくて、
   詳細が不明。せめて発売年度がほしかった。作曲者クレジット
   あるのがせめてもの救いか。ミュージシャン・クレジットも見たかったな。
   クレジットや解説が詳しかったって、音楽の価値には何の影響もない。
   山のようなクレジットがあったって、読まないかもしれないのにさ。贅沢ですね。
   ノーザンのアップばかりだが、どこかゆるい大らかさあり。
   そのへんがLA風ってわけか。
   穏やかなノリが気持ちいいよ。バラエティに富んだ曲調で
   聴いてて飽きなかった。盤起こしもあるが、音楽には問題なし。
   ノーザンというとアップばかりが発掘されるが、バラード系を
   掘り下げたコンピって出ないかな。

   ここ数ヶ月、発売停滞してるが・・・月刊ジョン・ゾーンの生誕記念
   ライブ・シリーズの第10弾。2003年9月15日、2セット目をたぶんフル収録。
   ボアのヤマンタカ・アイとのデュオを基本。ゲストでフレッド・フリスが
   1曲だけ参加。"Sawai Taeji"なる人がTechnicianとしてクレジットされてる。
90・John Zorn:+ Yamataka Eye:☆☆☆
   バリバリに即興やってるんだけど、重心が軽くて聴きやすい。
   音に深刻さが無い、といおうか。場面も頻繁に変わって飽きなかった。
   フレッド・フリスはゲストでちょっと弾いてるだけ。
   あまり強い印象には残らない。
   全員が共演は慣れてるんだろうな。予想範囲内の
   なかで技を出し合う、調和した即興世界だ。
   でも、聴いてて楽しめたよ。BGMにいいな。
   映像はたぶん、(2)と(3)のハイライト・シーン。
   ワンカメだしピントは甘いので、正直聴きづらい。
   でも、ライブの雰囲気がよくわかるよ。
   むしろ最初に映像を見て、それからCDを聴いたほうが、音楽に親しめるはず。

   "Moodsville"というタイトルに惹かれて買った。
   Mulgrew Miller(p)らをバックのカルテットで、メインストリームの
   ムーディなジャズをやってるみたい。
89・Bennie Wallace:Moodsville:
   スタンダードをムーディに演奏する。タイトルを意識したサウンドだが・・・
   ときおりファンキーさに色気を出してしまい、五目味の仕上がりに。
   でも、それが仇。せっかく甘くするなら、とことんのめりこまなきゃ。
   サックスの山っ気が出てしまった。BGMで聴くには悪くないが。

   トゥーツ・シールマンス(Harm)を聴いてみたいなーと思いながら
   棚を見てたら、ピアノとのデュオCDを見つけた。ジャコの
   "Three views of a secret"の演奏が売りらしい。他はスタンダードかな?
   辛島文雄(p)は初めて聴くな。1999年の録音。
88・辛島文雄&Toos Thielemans:Rencontre:
☆☆★
   クールなトゥーツのハーモニカに食われ気味なところもあるが、
   なんともリラックスした気持ちになれる快盤だろう。
   トゥーツがセッションとして絡まないので、今ひとつ冷たく
   感じてしまう部分もいくつか。(8)かな、もっとも積極的な
   ハーモニカが聴けたのは。BGMを踏み出すには、ピアノがさらに
   個性を出して、ガンガン弾いてほしかった。

2005年3月

04/3/26   日本のジャズを色々買い込んできた。

   これ、聴きたかったんだー!1992年に山下洋輔が吹き込んだスタジオ盤。
   サイドメンは小松康(b)と堀越彰(ds)の日本人。ニュー・トリオと
   名付けられた。当時の新譜で宣伝を見かけたことがある。が、とっくに廃盤。
   ゲストが今の目で見ると・・・一人は林栄一(As)。
   さらに、若かりしころの菊池成孔(ts)が参加してる。
   入院前の菊地によるジャズを聴ける、今となっては貴重な盤。
87・山下洋輔ニュー・トリオ:Playground:
☆☆★
   全て後追いなくせに、山下洋輔っていうと丁々発止の切りあい、すなわち初期トリオを
   期待してしまう。すでに本人は次のステップへ頭を切り替えてるのに。
   本盤では若手へ自由に遊ばせた盤、と感じた。めっぽうばら撒くピアノの
   音はもはや手法へ昇華し、過激さの発露を思わせる瞬間は希薄だ。
   リズム隊はジャズよりもフュージョンよりの音楽性なのか。
   いわゆるジャズを弾かせると、正直物足りなさが残る。
   むしろ(2)のようなプログレっぽい音楽のほうが、すんなり良さが伝わった。
   したがってジャズをぷんぷん匂わせるのは、サックス陣が入ったとき。
   菊地も林もサックスを思うさま軋ませ、リスキーなジャズをたんまり炸裂させた。
   サックス二本がカチ合う(8)のスリルがいいなあ。
   トリオでは(4)や(10)が良い。ピアノとリズム隊が上手く溶け合って聴こえた。

   こういうのまでCD化されてたんだね。CD化クレジットは見当たらない。
   1975年に富樫雅彦によるライブ・レコーディング盤。
   10人編成で、渡辺貞夫(sax)、佐藤允彦(p)、翠川敬基(vc,b)、
   豊住芳三郎といった顔ぶれが参加してる。
86・富樫雅彦:スピリチュアル・ネイチャー:
☆☆★
   ベースのオスティナートをキーに、ゆったり雄大に
   ストーリーを踏まえた音楽が進む。ジャズではあるが、音絵巻を
   強烈に意識した。パーカッションは複数いるのが、なんだかもどかしい。
   富樫のパーカッションをじっくり聴きたかった。
   どこかおっとりした印象なのは、ホール・ライブだからか。
   むあっと熱気に満ちた世界を期待して、拍子抜けだった。

   ぐっと年代が進み、富樫の1993年のスタジオ盤。
   サイドメンは佐藤允彦(p)、峰厚介(ts)、井野信義(b)と
   ベテラン凄腕が固めてる。
85・富樫雅彦&J.J.スピリッツ:ステップ・トゥ・ネクスト:
☆☆☆★
   根本にフリーの味わいを残した、4ビート盤。むしろかなりフリー要素強し。
   サックス以外はフリーにどっぷり浸かった面子だし。
   聴きやすい火花の散らしあいがみごと。曲は全て富樫のオリジナルだ。
   互いのテンションが下がらない。変にリーダーシップにこだわらずに
   渡り合うさまが刺激的なジャズを生み出した。
   録音もしゃっきり。こりゃかっこいい。

   1995年に林栄一が吹き込んだ、トリオ編成盤。
   渋谷毅(p)をゲストに向かえ、モンクの曲やオリジナルを演奏した。
84・林栄一:Monk's Mood:
☆☆
   オリジナルも視野に入れたいい企画だと思う。
   しかし全体的にマスタリングがおっとりしすぎ。林のパワーがオブラートに
   包まれたもどかしさを感じた。無心に音を聴けば楽しめるが・・・。

   梅津和時(as)が、トム・コラ(vc)とNYでやったライブを
   収めた1987年の盤。こんなのまであるとはなあ。日本人ジャズの
   ディスコグラフィーって、誰か作ってくれないものか。
   (あえて、自分でやるつもりないあたり・・・)
83・梅津和時/トム・コラ:アバンダン:
☆☆☆★
   全てが即興演奏。実際のステージの様子はともあれ、
   音楽からはどこか肩の力が抜けたゆとりを感じた。
   惜しむらくはフリーキーなトーンが中心で、メロディ要素が
   希薄なこと。だから曲っぽい(6)やブルージーな(8)に惹かれた。
   1987/10/13に行われたライブの、たぶん完全収録だ。映像が残ってないかなあ。

   聴きそびれてました。惜しくも解散した、片山広明のバンド。
   メンバーがめちゃ豪華で、片山広明/林栄一/加藤崇之/早川岳晴/芳垣安洋。
   本作が1stにあたる。1988年のアルバム。
82・CO2:zero:
☆☆☆★
   スタジオで丁寧に追求した混沌さが前面に出た。アンサンブルの爽快さは
   二の次で、個性派ミュージシャンをそろえた尖がりぶりが痛快。
   骨太に思い切りよく、全員の創造が炸裂した。1998年盤だが
   マスタリングはちと大人しめ。でかい音で聴きたい。思い切り。

   こんな盤、あったんだ。古澤良治郎のソロだが、いわゆる
   ジャズではない。ライナーには"ソング・ブック"とある。
   参加メンバーはそうそうたる顔ぶれ。お、植村昌広が参加してる。
   たぶん、1991年の盤。
81・古澤良治郎:良治郎さんの不思議な散歩。:
☆☆☆
   おっとりしたほのぼの盤。アドリブもむろんあるが、むしろ
   古澤の音楽をもとに築いたソング・ブック。こういうジャズもあるんだな。
   古澤名義の作品だが、8曲中3曲しか本人は演奏に参加していない。
   アレンジも仙波清彦や廣木公一らに任せた曲すらも。
   ストリングス・アレンジは渋谷毅がつとめた。
   8曲中の1曲は、作曲すら山岸潤史に任せてる。
   そんなおおらかな振る舞いが、リラックスした音楽をくみ上げた。
   ポップスめいた曲が続いたあとで、(6)以降ではおもむろに登場するジャズ。
   ハーモニカでリー・オスカーまで参加してる。さすが。
   ここでジャズメンの自分を思うさま表現した。そのわりにドラムはやたら
   エコーの深い80年代風な音色だが・・・。
   最後の(8)こそ、古澤が加わったジャズ。
   ベースが川端民夫、ピアノが大口純一郎。ギターが廣木公一に大出元信。
   さらにテナーで峰厚介。古澤のの馴染み深いメンバーが加わった。
   エッジの甘いマスタリングもわざとかな。聴くときには自分も寛いで、耳を傾けたい。

   山下洋輔がベニー・ウォレスらと吹き込んだ盤。
   日本のレーベルより1998年に製作された。この盤も、出てるの知らなかった。
80・山下洋輔 with Bennie Wallace:Brilliant corners:
☆★
   フリーな切り会いを期待したら拍子抜け。スクエアな
   白人リズム隊のビートで、しごくオーソドックスなジャズをやる。
   手数の多さは山下流だけど、スリルは控えめだ。
   マウント富士ジャズ・フェスのために来日したべニーを押さえ、
   おそらく彼のつれてきたリズム隊を加え、ささっとスタジオで録音したのが本盤。
   日本製作なゆえんか、2曲のべニーのオリジナル以外は、モンクの曲を
   中心にスタンダードが並ぶ。これがいまいち。
   なぜ山下のオリジナルで勝負させないんだ。なんともヌルい。
   村松友視の懐古的なエッセイとあいまって、今聴くとするする音が抜けてしまう。
   むしろリズム隊がいないほうが面白い音かも。
   デュオでは(3)、コンボ演奏では(8)がまあまあ楽しめた。
   山下洋輔って名前を気にしなければ、楽しめたかも。
   ライナーに寄れば、当時はピットインでライブをやったらしい。
   むしろそのライブ盤のほうが価値あるのでは。

   これも聴きそびれてた一枚。1989年に他界した武田和命(ts)の
   追悼盤として、アケタからリリースされた。
   1989年1月26日に、吉野弘志(b)と古澤良治郎(ds)のトリオで
   アケタの店で行われたライブから収録。
79・武田和命・ミーツ・古澤良治郎:インフィニティ:☆☆☆★
   ムードを作っているのは古澤のドラムだ。ビートを素直に叩けばジャズに
   そうでなければフリーに。前半がジャズ、後半が自由度高い音世界へ動く。
   武田は訥々としたサックスで、どれも素直に前へ音楽を引っ張る。
   吉野のベースも、安易に二人へ寄りかからない。背筋を伸ばして
   独自の音を作る。3人のプライドが重なり、なあなあですまさない
   緊張がたまらなくいかしたジャズだ。

05/3/22   ネットやらライブの物販やらCD屋やら。色々買ったのをまとめて紹介。

   ナイアガラ30周年の記念盤。しばらくはナイアガラのリイシューが楽しみだ。
   リマスターで、ぐっと生き生きした音に生まれ変わった。
   ボートラは未発表のセッション音源みたい。ナイアガラの代表作の一枚。
78・大滝詠一:Niagara Moon:
☆☆☆☆★
   大傑作の思いを新たにした。リマスターの成果か、音がぶっとくなり
   これまでと印象が変わった曲もいくつか。
   聴き覚えないフレーズもいくつか飛び出し、いままで何を
   聴いてたかと反省しきりだった。
   サイダーなんかは逆に、次第に「サイダー」って言葉が聞こえづらく
   なるあたり、意図的なものかなあ?一番最初の
   しこたま凝ったアレンジもすごいね。
   インタビューもあわせて読むと、このアルバムが
   アイディアを詰め込み、計算しつくした盤だとよくわかる。
   しかしその計算が「売れる」方向を志向しなかったため、とてもストイックで
   乾いた盤にしあがってるところが、なんとも大滝らしい。
   ボートラはインストを前提に収録された。
   リズムの複雑なとこ、とびっきりの細野のベース、アンサンブルのグルーヴと
   聴き所はてんこ盛り。ほんとうにこのときの林+細野のリズムは
   めちゃめちゃキレている。収録時間は短いのに
   密度はぎっしりこもってる。

   活動は2000年かららしいが、これが初CD。2004年のリリース。
   坂田明をリーダーに、黒田京子とバカボン鈴木が織りなす、切ないジャズ。
   miiってどういう意味なんだろう、そういえば。
77・坂田明mii:赤とんぼ:
☆☆☆☆
   フリージャズの要素を漂わせつつも、さらに強烈に日本の郷愁が漂う。
   しかしベースとピアノがあまり情緒に迎合せず、クールに
   対応するため、べたつかずに響いた。
   ほとばしるようなサックスをがっしり支え、それでもサックスは
   前へ力強く進む。そのパワフルさがたまらない。
   夕暮れ時の真っ赤に染まった空が目に浮かぶ。
   日本ジャズの極北かもしれない。ある意味で。
   アドリブ要素はもちろんあるが、バンドの一体感イメージが強い、不思議なアルバム。

   岡村ちゃんの究極ベストが登場。1stから「禁じられた生きがい」までの5枚に、
   シングルなどの未LP音源が2枚。さらにライブでの弾き語りが一枚。
   その上、PVやライブ音源を収録したDVDが2枚。
   とんでもないボリュームを百科事典っぽいパッケージに詰め込んだ、
   EPIC時代の集大成ベスト。丁寧なつくりが好ましい。
76・岡村靖幸:Great Encyclopedia of Yasuyuki Okamura:

   吉田達也と内橋和久による「非垂れ流し即興」をテーマにした
   2枚組即興の新譜。ライブ音源を集めた。紙ジャケの中央をフェルトの台で
   CDを固定する、デザインもユニーク。ジャケの石写真が嬉しい。
   一時期ぼくはこれを磨崖仏から落として、壁紙にしてたんだ。
75・吉田達也&内橋和久:インプロヴィゼーションズ:
☆☆☆☆★
   構築された即興がたんまり楽しめる2枚組。音もとてもクリアだ。
   ループやエコーを効果的に使い、みっちりとリズムとフレーズの
   怒涛が押し寄せる。メロディで圧倒するより、音像の構築に軸足を置いた。
   とにかく聴くたびに新たな発見あり。ボリュームたんまりなので
   腰をすえて楽しむべきアルバム。ライブを聴きたいよ。

   7年ぶりのリリースかな。発表当時「2ndは録音済み」と言われてた。
   これはそのときの音源だろうか。新録音かなあ。
   吉田達也、津山篤、河端一による即興プログレ・トリオ。
74・聖家族:ワルシャワ条約:
☆☆
   冒頭2曲でパーカッションがくっきり聞こえる他は、こもった音質で熱っぽく突き進む。
  前半でがつがつ転がるギターにしびれた。メドレー形式で進む。
   ひとつの長い曲をトラックわけしたと思しき箇所も。
   後半ではクロスフェイドする曲もあるが。
   (2)での異様にクリアなハイハットは、マルチを聴きながらオーバーダブかなあ。
   以降の曲ではなぜか、同様の処理はされていない。
   サイケな即興がばら撒かれるが、垂れ流しさは希薄。バラエティに富んでいる。
   濃密なパワーがいっぱいで、通して聴いたら頭がパンパンになった。
   曲タイトルは磨崖仏語なため、個々の曲イメージを掴みづらい。全18曲入り、60分ぶっ続けだから。
   ジャケットのコラージュの影響か、アジア・エスニックな光景が幾度も頭へ浮かんだ。
   中ジャケでサグラダ・ファミリアをバックにいきる3人の写真が微笑ましい。
   めくるめくリズムにギターの熱気を、べースのうごめきが支える。

   ボンデージ・フルーツの第六弾は、これまでのライブで演奏してきた
   曲を磨き上げたかっこう。最近、ライブ行きそびれてるけど・・・
   ライブのたびに違ったアレンジで演奏されてた曲群が、どう完成形として
   レコーディングしたか、聴くのが楽しみ。しかしライブ音源と聴き比べも
   してみたいな。ライブ盤、でないもんだろうか。
73・Bondage Fruits:ボンデージフルーツVI:
☆☆☆☆★
   初めて共作曲クレジットに「ボンフル」と書かれたのでは。
   これまでアレンジはまだしも、作曲は鬼怒の単独クレジットだったのに。
   ライブを積極的に追っかけた人こそ、本盤の味わいは増す。
   残念ながら厳然な事実だ。これら収録曲を、ボンフルはライブで
   毎回アレンジを変えながら煮詰めてきた。その集大成が本盤になる。
   すべてのアレンジを楽しめるように、本当なら当時のライブテイクも
   同時リリースしてほしいよ。
   カントリー風味、アラブ風味。ここでのボンフルはさまざまな要素を
   自らのサウンドへ取り込んだ。ミニマルなパーカッションが
   ソロの緊張を増し、呪術的な訴求効果で耳をスピーカーへ誘う。
   エッジの立ったがっちりした音も聴き応えあり。なるべく、でかい音で聴きたいな。

   タワー・オブ・パワーのオルガニスト、チェスター・トンプスンが
   ジャズとして吹き込んだ一枚。P-vineからリイシューされた。1971年作。
72・Chester Thompson:Powerhouse:
☆★
   TOPにチェスターが参加する前、若かりしころの録音なんだ。
   収録時間がえらく短い。全てで25分。フェイドアウトするならば、
   完全テイクを入れて欲しかったぞ。
   全体的にちぐはぐな感じ。グルーヴがあと一歩、噛み合ってない。
   A面がジャズ、B面がファンクに軸足を置いた録音だが、チェスターはジャズだと遠慮し、
   ファンクだと他のメンバーがピンときてないように聴こえた。
   けして悪くはないが、習作みたいだ。TOPのグルーヴを求めるなら、
   TOPを聴いたほうがいい。

   黒田京子トリオがよく富樫雅彦の曲を演奏してるのを聴いて、彼の曲に
   興味を持った。本盤は佐藤允彦のピアノソロによる、富樫の曲集第一弾。2003年発売。
71・佐藤允彦:plays Togashi Masahiko:☆☆☆★
   ストイックなほど美しい世界を追求した。グルーヴよりも
   突き詰めた響きが先に立つ。もちろんリラックスしても聴けるだろう。
   しかしどこか、ぴんと緊張した聴取態度を求めるかのよう。
   ピアノの整った響きが、ロマンティックさを強調する。
   基本はバラードだけど、アップテンポすらも穏やかな気持ちにさせた。
   全12曲入り。変にアドリブで伸ばすよりも、曲としての完成度を追求したか。
   構成としては正解だと思う。ピアノ一台。さほど響きは変わらないのに。
   万華鏡のごとく音世界は、からから姿を変える。
   

05/3/8   解散したGuided by Voices関係の盤を入手。

   年明け早々、いきなりリリースされたボブの新譜はミニ・アルバム。
   ほんとはこの盤のほかにMC集がアナログで限定発売された。
   でも、そっちはアナログなので買うのを見送ってます。
   本盤は基本的にロバートのギター弾き語りみたい。
   曲によってダグ・ギラード(g)やケヴィン・マーチ(ds)などGbVゆかりの
   メンバーが参加してる。   
70・Robert Pollard:Zoom:
☆☆☆
   一曲目は鮮烈さを滲ますイントロ。あとはロバートの弾き語りっぽいデモ集の趣きか。
   メロディそのものは軽やかだし、聴いてて単純に楽しい。
   思いつき一発の作品集な、ロバートらしい一枚。

   こちらはトビン・スプラウトの最新作のはず。出たのは昨年。
   2枚組で、基本は04/4/19のカナダはトロントでのライブ盤。
   ほかにトビンのデモが3曲、収録されている。
69・Tobin Sprout:Live at the Horseshoe tavern:
☆☆☆★
   肩の力は抜けて、すっきり楽しいライブ。トビンの甘酸っぱいメロディを堪能できる。
   アレンジは奇をてらわず、シンプルなバンドサウンド。あまりパンキッシュに疾走はしない。
   デモの音質はまずまず。キーボードの弾き語りアレンジが基本。(12)の美しさは格別だ。

05/3/5   メルツバウの新譜を買う。これ以外にもどばどばリリースされている。 いったいどこで買えるんだ。
        なんで日本のミュージシャンの新譜が手に入りにくいのやら。

   今年発売の新譜。たしかアメリカでは1月1日発売じゃなかったかな。
   台湾アヒルのバリケンがテーマ。
68・Merzbow:Bariken:
☆☆☆☆
   デジタル・ハーシュが折り重なり、めくるめくノイズの奔流を
   味わえる傑作。ループと混沌が絶妙なバランスで成立した。
   特に最終曲でのドラマティックな進行が白眉。
   シリアスなテーマをノイズの表現へ詰め込んだ。

   邦題は"抜刀隊"。オリジナルは1988年にアメリカのRRRから出たLP二枚組だ。
   比較的初期の音源にあたる。CDとしては3回目のリリース。
   アメリカのレーベルから再発された。特にボートラはなさそう。
   クレジットには300枚限定とあるが、メルツバウのオフィシャルHPでは
   250枚限定とある。真実はどっちだ?"Japanese Edition"と銘打って
   日本語のチラシ入り。毛皮製品に対する反対声明が書かれてる。
67・Merzbow:Batztoutai With Material Gadgets:
☆☆☆
   ハーシュがあっても、一要素。テープ・コラージュを軸に隙間多くまとめ、
   素材の響きを生かしたノイズ。途中で軍歌が出るのは抜刀隊へ、まさにひっかけてか。
   ユーモラスな響きで滑稽さの皮肉を混ぜてるようにも感じた。
   Disc2はむしろ後のメルツバウに通じる、多層的なハーシュ・ノイズ。いくぶん音数は薄いが
   重厚な構築性あり。ドローンのように一つの音像を長く押し進める。

2005/3/3   てなわけで出張先のレコ屋で買ったCD。別にレア盤じゃなく
         普通に売ってるCDをわざわざ出先で買うあたり、病んでる気も。

   Go-Goといえば、トラブル・ファンクでしょう。といいつつ、本盤で
   聴くのが初めて。ワシントンが根城の音楽だが、これはカリフォルニアでの
   ライブ盤かな?オリジナルは1981年の盤を、96年にリマスターで再発。
   エンジニアにライノのビル・イングロットの名前もある。
   4曲入りだが、"part A"~"Part D"としかタイトルついてない
   おおらかさが、メドレーで延々と押しまくるGo-Goらしくてかっこいいな。
66・Trouble Funk:Live-Straight up Funk Go-Go style:
☆☆☆☆
   すっげえかっこいい。骨太で柔軟なビートが延々とメドレーで
   演奏される。ファンクは好きなのに、何で今まできちんと
   聴かなかったんだろ。後悔した。
   演奏はばっちり。ホーン隊の切れのいいリフを織り込み、
   コール&レスポンスも多数入れながらの、ばっちりなGoGoパーティ。
   あまり低音を聴かせないミックスなので、ボリュームをぐんと上げても
    へんな圧迫感はない。とにかく楽しいよ。ただしアルバム一枚を
   通して聴くには集中力がいる。同じビートの音だけだし。飽きるの。

   しばらく前に出た再発盤。買いそびれてました。
   鳶職人ピアニスト原田と梅津(as)との共演が、レコード出てたと知らず驚いた記憶あり。
   こういう日本ジャズの蓄積を、きっちり書き残した記録ってないものか。
   ジャズが流行りそうな今日この頃、過去まで踏まえた概説が欲しいです。
   身近な財産なんだからさ。大切にしようよ。
   1980年にドイツのフェスに出演したライブ音源と、その1月後に東京で
   吹きこんだスタジオ録音を収録したLPを2004年にCD化。
65・梅津和時+原田依幸:ダンケ:
☆☆☆
   フリージャズの記録として、熱狂したコンサートの記録として。双方の観点から味わえる一枚。
   煌めくピアノに疾走するアルト・サックス。二人の男がぶつけ合う音の奔流が燃え立つ。
   勢いとユーモア。二人の音楽をアルバムへ封じ込めた作品。

   コールマン・ホーキンスがプレスティッジに吹き込んだアルバム。
   ムーズヴィルではなく、7000番台。ちょっとその分、アグレッシブになってるんだろか?
   バックはケニー・バレル(g)に、レイ・ブライアントのピアノ・トリオ。1958年録音。
64・Coleman Hawkins:Soul:
☆☆☆★
   マスターはモノラル・・・かな?中央にのっしとテナーが立ち、
   ときにサブトーンを加えつつ、朗々とメロディを吹く。
   夜中に聴いてると、寛げるよ。リラックスした雰囲気のジャズがたまらない。
   バラードだけでなく、アップもあり。
   サイドメンはあまり全面に出ず、寄り添うようにコールマンを支える。
   アップは(7)、バラードは(6)がいいなあ。穏やかな(4)もしみた。

   セシル・テイラーも聴いてみたいと思いつつ、聴きそびれてたミュージシャンの一人。
   とりあえず買ってみた。予備知識ゼロです。
   ブルーノートへ1959年に吹き込んだ盤。1998年のリマスター盤を買った。
   ボートラが1曲つき。管入りもあるが、基本はピアノ・トリオかな。
63・Cecil Taylor:Love for sale:
☆☆
   ピアノはときおりフリーキーに叩くが、根本のサイドメンが
   ジャズの文脈を意識し続けるため、ファンキーな要素は抜けない。
   中途半端とも聴こえるし、折衷ジャズが面白くもある。
   但し今のぼくには、まだ突き抜ける特異性までは聞き取れていない。

   モーズ・アリソンって名前だけ聴いたことあるんだけど・・・ピアニストで
   いいのかな?原盤はプレスティッジ。ピアノ・トリオの自作組曲を中心に演奏してる。1957年録音。
62・Mose Allison:Back country suite:
☆☆☆☆
   ピアノ・トリオなのに、奥深い味わいあり。小粋な歌もいいな。
   洗練されていながら、どこかいなたいとこも。
   渋光りする魅力がある。わずか36分。あっというまに終わる。
   だからこそ、繰り返し聴きたくなる。地味なファンキーさが美味しくって。

   録音は1970年。デトロイトのクラブでのライブ演奏。
   7人編成のオルガン・コンボ・ジャズを聴かせる。スキャットもはいってるが、
   これはロニー自身が歌ってるのかな。まだじっくり聞いてないが、
   ちょいと軽めの演奏だ。ずぶずぶのファンクを期待したのに。
61・Lonnie Smith:Live at te mozambique:
☆☆★
   オリジナル曲のリフがいかしてる。耳を掴む分かりやすさと
   ファンキーさのブレンドが絶妙だ。演奏はちょっとあっさりしてるかな。
   もうちょいはじけたほうがぼくの好み。もっとも録音のせいもありそう。
   1970年の録音だが、一つながりのライブを収録したわけではない。
   拍手が切れたり微妙にフェイドアウトするので、
   たぶん当日の二セットか三セットあったライブから、寄りぬいたと思う。
   7人編成の大勢メンバーながら、暑苦しさはない。
   これがいい点でも、物足りない点でもある。手馴れさが出すぎたか。
   演奏は最後の曲が、もっとも跳ねている。

2005年2月

05/02/19   レコ堀とアマゾンと。一気にどばっと手に入った。さあ、聴くぞう。

   大友良英によるギター・ソロ。といっても、ノイズだけじゃない。ジャズも。
   昨年、10/12に新宿ピットインでのライブから抜粋。"+1"とジャケットに記された。
   意味は、デジパックの中。大友のコメントがある。
   デジパックの一部に穴が開き、赤地に黒の水玉が見える。意味はやはり、
   ジャケットを開けば分かります。収録曲は大友のオリジナルとカバーが半々かな。
60・大友良英:Guitar Solo:
☆☆☆☆
   ジャズよりも「音」にこだわったサウンドって気がした。
   グルーヴでもスイングでもなく。ここではスピードに重きを置いてない。
   アコギでもエレキでも、じんわり音を歪ませる。
   むしろエレキのノイジーなほうが馴染めるな。
   (1)、(2)と続く静謐と轟音の流れにしびれた。
   ピュアに大友はギターを鳴らす。なるたけそぎ落とすかのように。
   そうそう、隠しトラックまで聞き逃すな。

   芳垣安洋(ds)がフェルナンド・ソーンダース(b)との共演をリリースした。
   このベーシスト、ルー・リードがらみなの?すみません、よくわかってません。
   バックを固めたのは全て日本人。凄まじく豪華メンバーだ。
   鬼怒無月、勝井祐二、酒井泰三、斉藤良一、青木タイセイ、高良久美子、
   山北健一、佐藤研二、茶谷雅之、龍大、益山泰一が参加。
59・芳垣安洋/Fernand Saunders:Devotion:
☆☆☆★
   多彩なゲストがいい方向に働き、アルバム一枚をバラエティに富ませた。
   基調はヴィンセントに近そう。ゆったりたゆたうリズムが心地よい。
   フェルナンドはロック寄りって固定観念で、最初は聴いていた。
   だけど本盤では実にのびのびとセッションを楽しんでる。
   リフを根底に置き、ときおりベースはメロディアスに動いた。
   積極的にアドリブ回しをしないがゆえに、全体の統一感が保たれた。

   プレスティッジに"Moodsville"というサブ・レーベルがあった。
   全部で39枚リリースされたのかな?当時のハード・バップとは別に、
   スイング感を生かしたジャズを演奏するため、ベテラン・ミュージシャン用に
   準備されたレーベルらしい。今では聴けないと思ってた。でも検索したら
   何枚かはCD化されている。すげ。とりあえず何枚か注文した。
   バップやフリーだけじゃない。これも、ジャズ。これぞ、ジャズ。

   ムーズヴィル7番。バックにトミー・フラナガンのピアノ・トリオを従えた。
   ワン・ホーンでテナーを存分に聴ける編成だ。
   ジャケットはMVロゴでなく、写真に変わってる。
58・Coleman Hawkins:At Ease with:
☆☆☆☆
   ワン・ホーン・ジャズの美味しさをたっぷり味わえる盤。
   リラックスしているからこその一体感が素晴らしい。
   気心知れた中なのかな。ぱらぱらと音を積むピアノが、いいアクセントに
   なっている。いっそピアノ無しのトリオで聴いてみたかった。
   ステレオ・マスターだが分離が派手で無く、あまり気にならない。
   抜群の出来。(2)の響きがかっこいいな。

   ムーズヴィル8番。これもジャケはロゴから写真に変更された。
   2004年のリマスター盤。これもバックはトミー・フラナガンのピアノ・トリオ
   (メンバーはMV7番とは異なる)。フランク・ワイエスは聴くの始めて。
   彼はフルートとテナー・サックスを操る。
57・The Frank Wess quartet:The Frank Wess quartet:
☆☆★
   リラックスした演奏が続くが、フルートの音色がきれいなアンサンブルを
   産むアレンジがところどころであり、新鮮だった。
   小粋なフラナガンのピアノと、ウエスの世界観が上手く溶けた一枚。

   ムーズヴィル15番。テナーサックスを前面に立てたクインテット編成。
   もうケニー・バレルのギターが、ソロを補う。
   サックスからこぼれる太いメロディが、素晴らしくかっこいい。
56・Coleman Hawkins:The Hawk relaxes:
☆☆★
   悪くはない。でも、どっかよそよそしい。もしくはクール、といえばいいか。
   左右にくっきり分かれたステレオ・マスターも違和感あるなあ。
   ケニー・バレルのギターと、ロン・カーターのベースが、なぜか冷たく聴こえてしまう。
   コールマンのサックスは悪くないのに。左でよそよそしく吹く。
   どうせなら中央にサックスをミックスしてほしかった。

   オルガニストの彼女は、ムーズヴィルに何枚か録音を残してる。
   これは5番と19番を2in1にした再発CD。
   基本はオルガン・トリオだが、数曲でシャーリーはピアノも披露した。
55・The Sirley Scott Trio:Like Cozy:
☆☆
   オルガンとピアノが半々の落ち着いたブルージーなジャズ。
   じっくり聴くより、BGMで流したほうが楽しめる。
   前半はキーボードを前面に出し、つかず離れずバッキング。
   後半でアンサンブルが次第に締まる。

   Guided by Voices関連盤。ロバート・ポラードが1988年に吹き込んだアルバムに、
   あらたに詩とメロディを変えて録音しなおした。なぜすんなり、リイシューしないのだ。
   2003年に発売された。バックの顔ぶれはDave Rick(g),Gerard Smith(b)
   Jon Coats(ds)と、見覚えない名前。GbVはすでにデビューしてたが、
   最初期の頃。ロバートの遊びでやったバンド?本盤以外の活動は知らない。
54・Phantom Tollbooth:Beard of lightning:☆☆☆
   タイトなパンク的演奏へ、ロバートの歌が乗る。サウンドのスタイルが
   GbV系とは異なるスマートさで、新鮮な感じだ。その分、メロディの切れが無いともいうが。
   かっこいいロックと思うが、きれいにまとまりすぎかな。

   エリントンのピアノ・トリオ盤。オリジナルは1961年に吹きこまれた。
   再発のボートラとして、これまでさまざまなアルバムに追加されてきた
   発掘音源を7曲収録。ぼくは"Lotus Blossom"が入って、とても嬉しい。
   但し再録のほう。オリジナルはたしか、ピアノ・ソロ。レコーディング・セッションが
   終わったあと、唐突にエリントンが弾き始めたんじゃなかったっけ?
53・Duke Elington:Piano in the foreground:
☆☆☆
   優雅で色気のあるピアノ・トリオが聴ける一枚。メロディに慈愛がこもってる。
   しかしえらく極端なステレオ・ミックスだ。ピアノがすこーんと
   左チャンネルに飛ぶ。ボートラではセンターにピアノが定位するので
   ぼくのステレオの不具合でもなさそうだ。
   いっそモノラルで聴きたかった。すごく違和感ある。
   今は"Fontainebleau forest","A hundread dreams ago","So"などバラード気味の曲に惹かれる。

   この道は果てしない。次々登場するナムルックだが、買わないとなくなる。
   とはいえこれはAW盤。つまり再発です。1999年4/23にハンブルグでのライブが中身。
52・Pete Namlook & Klaus Schulze:The dark side of the moog 8:
☆☆★
   ダンサブルなビートももちろんあるが、むしろセッションの装い。
   ドラマティックに曲が展開し、生演奏を思わせる瞬間もある。
   じっくり聴き応えあるいい演奏だ。

   最新リリース盤が面白かったので、過去へ遡ることに。
   といってもどんな音かの整理が出来てません。音響系・・でいいのかな?
   これはコンピらしい。過去、さまざまなレーベルに発表した音源と、
   ライブ音源をあわせたものみたい。2004年発売。
51・BarK Psychosis:Replay:
☆☆★
   シングル集だがテイストは似てる。全員が一丸となって絶叫しているようなサウンド。
   ノイズやパンク的意味でなく、音響派アプローチによってまっすぐ前へ向かう。
   これがポスト・ロックというやつなのか。
   一個一個の曲では面白いんだけど、アルバム一枚聴くにはつらい。
   途中で飽きちゃうんだ。なんか異様に長く感じた。

   ネットでジャケ買い。上の盤を買ったとき「同時購入盤の紹介」を見て
   惹かれたんだと思う。注文してからしばらくして到着したため、
   詳しいこと覚えてないや。予備知識まったくなし。どんな音だろう。
50・Mount Analog:New Skin:
☆☆☆
   シアトルを拠点にしたTucker MartineのプロジェクトがMount Analog。
   本盤は2ndにあたる。前作(1997年)は日本舞踏がテーマだったそう。
   今回はシアトルの自分のスタジオでさまざまなミュージシャンを呼び、音を積み重ねた。
   音響系テクノが基調だが、アナログ要素も取り込み、ほのぼのした
   リラックスが持ち味。(4)が好き。(9)の酩酊したチルぶりもいいなあ。
   ビートにこだわらず、揺らぎを念頭に置いてる。

   ソウルも今年は色々聴きたいな。本盤は初めて見た。
   1980年頃の録音で、けっこうなレア盤だった、とある。
   ディスク・ユニオンが自主レーベルで、世界初CD化。出身はデトロイト。
   スイート・ソウルを期待して買った。
49・Perfect Touch:Touching you...:
☆☆★
   アップのディスコ臭さにめげる。でもベースのアオリは単純にすごい。
   きらびやかな"Merry go round"は楽しめた。
   スローもアレンジ凝ってるし、楽しいね。どれもベースが跳ね回る。
   バラードは選ぶなら・・・(4)かなあ。
   アフリカン・ジャズのようなジャケとは裏腹のスイート・ソウルだ。
   ライナーのシングル・リスト見ると、B面曲は本盤に未収録のようす。
   せっかくならそれもボートラ収録してほしかった。ちなみに、これって盤起こし?

   シカゴ・ソウルではレア盤らしい。今まで聴いてなかった。
   これ、世界初CD化なんだ。1971年発売。
   女性ソロシンガーだが、本盤のみでキャリアを終わらせたようだ。
48・Ginji James:Love is a Merry go round:
☆☆★
   ボーカルの線が細く、B級イメージを拭えないが・・・。
   演奏もアレンジもシカゴ・ソウルのクールな空気が良い。
   ライナーを読むと本盤はバーバラ・アクリンのカバー盤のイメージが強いらしい。
   するとディープ寄りな歌手が本質か。確かに(8)では熱っぽく歌い上げるもんな。
   ならばぼくの趣味と違うのかも。
   むしろ冒頭のシカゴ・ソウルのほうが馴染めたもの。

   上と同じく、ブランズウィック・レーベルの再発で初CDされた。
   ファンク系のバンドかな?1976年の発売。
47・Step by Step:I always wanted to be in the band!:
☆☆
   シカゴらしい涼やかさはあるが、B級バンドぶりが目立つ。
   ひりひりしたスリルが欲しいな。ドラムが弱いのか。曲によっては
   リズム感悪いよ。うねうねしたベースと、ギターはイキがいいのに。
   どファンクよりもメロディアスな曲のほうが、今は楽しめる。
   ボーカルはファルセットを使うと弱い。バリトンが力強くていいな。
   なお、この盤は音がこもり気味。オリジナル音源がどうなのかは
   知らないが。きっちりリマスターしたら、魅力が増えそう。

   アメリカのBlack Jazzの再発をP-Vineが行うにあたり、ベスト盤を出した。
   サンプラーのつもりで買う。こってりしたジャズが聴けるといいな。
46・V.A.:Return of Jazz Funk:Killer jazz funk from black jazz vault:
☆☆
   オリジナル盤を聴きたくなる、良質のコンピ盤。サウンドはファンクに
   うねる部分もありながら、洗練要素が強いかな。
   バンド毎に個性はあるが、通低するムードの統一感あるあたり、
   個人レーベルの要素が強いと感じた。

   ファンには説明不要なんでしょうね。すみません、初めて聴きます。
   初期ピアノ・トリオの名盤として、よく紹介されてる。
   初めてジャズ聴く人にはこれ、と言うひともいらっしゃるようです。
   聴くのが楽しみ。ベースがスコット・ラファロ、ドラムがポール・モチアン。
45・Bill Evans Trio:Waltz for Debby:
☆☆☆☆☆
   いまさらぼくが褒めなくたって、山ほどいろんな人が評価してきたアルバム。
   しかし、とにかく美しさにしびれた。このベースはなんなんだ。
   やっかましいオーディエンス・ノイズをかいくぐり、トリオは
   美しくジャズを語る。ピアノとベースの絡みが溜まらん。
   観客が無関心だからこそ、ピアノトリオの音を逃すまいと
   耳をそばだて、味わい尽くそうとしてしまう。
   20bitリマスターで、音がやったら太い。不満は別テイクを並べてるとこだなあ。
   アルバムとしてオリジナル・シーケンスで楽しませろよ、まったく。

   これもメンバーは上と同じ。上の盤の4ヶ月前にレコーディングされた。
44・Bill Evans Trio:Explorations:
☆☆☆☆☆
   これをなぜ「良い」と感じるのか、考えながら聴いていた。
   一言で言えば、ベースなんだろうな。ピアノに寄り添い、反発し、自由に弾く。
   本盤ではエヴァンスの曲はない。誰の曲でも俺たちの音に出来る、と
   自信を見せ付けた盤と考えるのはうがちすぎか。
   実際、ジャズの匂いを曲によって違った漂わせ方をする。
   "Elza"のクールさ、"Israel"のハードさにしびれる。
   となるとぼくは、エヴァンス・トリオに黒っぽさを求めてないのか。
   いびつな黒っぽさを聴き取ることも、可能だし面白いとは思うが。

2005/2/5   映画が始まる迄の時間調整にレコ屋へ。もちろん「調整」だけで済みませんでした。

   GbV関連盤。ダグ・ギラードがトビアス兄弟らと組んだバンドで
   本作が2ndにあたるのかな?今までここまで手が回ってなかった。
   2001年発売。ロバートは絡んでないが、トビアス兄弟の活躍が気になる。
43・gem:Sunglare Serenades:

   バンドのふりして、宅録路線か。とにかく肉体的一体感が希薄。
   ロックよりもサイケポップなアプローチにいい曲が多かった。
   でも彼らはロックをやりたいんだろうなあ。
   本人らはたぶん意識してない。気軽にロックやろうとして、ばらばら。
   もしドラムがもうちょい上手かったら、違う地平に立ってたかも。
   GbVの派生として聴けるが、このバンド単独ではたぶん聴かなかった。
   いい曲もあるんだけどね。詳しくはGbVのページに乗せた感想にて。

   メーザーハウスで定期的に行われたというライブの集大成。
   灰野敬二(ハーディガーディ、他)、今井和雄(g)、大口純一郎(b)、
   佐藤道弘(津軽三味線)、大友良英(ターンテーブル)、浦邊雅祥(as)の
   即興演奏を収録した。録音は03年から04年までアルバムは04年にPSFから出た。
42・V.A.:undecided:
☆★
   この手の即興演奏は生で見たい。一旦、生で体験してしまうと
   録音物では雰囲気や現場感に物足りなさを感じてしまうから。
   しかし。一期一会となりがちな音楽を追体験できる、
   貴重な資料としての価値は十二分にある。
   音楽として楽しめたのは、大口純一郎のピアノ。透明で雄大なジャズにしびれた。
   フィードバックが鳴り渡る、大友良英のテイクも良い。

   田村夏樹が98年に英LEOレーベルからリリースした、トランペットの
   ソロを収録した盤。録音は97年7月22日。イギリス録音かな?
   ジャケットのポートレートは藤井郷子の撮影とクレジットある。
41・田村夏樹:a song for jyaki:
☆☆
   いわば、曲を演奏でなく、楽器を鳴らすことが主眼なサウンド。
   トランペット一本をさまざまに扱った、尖がった音が聴ける。
   ノイジーな特殊奏法ばかりってわけでもない。メロディだって
   もちろんあるさ。取っつきは悪いが、聴きこむと面白さが増す。
   リバーブをたんまり聞かせた(7)が好き。

2005年1月

04/1/30   レコ屋の棚をつぶさに見るもんじゃない。当然、面白そうなのを色々発見してしまう。

   この2枚は、昨夜アケタで買った。買いそびれてたんです。

   林栄一(as)とのデュオで1996年11月19日にアケタの店で行われた
   ライブの前半を完全収録した一枚。1997年にリリースされた。
40・明田川荘之・林栄一:カリファ:
☆☆☆★
   流れるように演奏が進む。粘っこいところはもちろんあるが
   ふっと気がつくと曲が終わってしまう自然さあり。
   寛いで揺らぐグルーヴが心地よい。
   "カリファ"のノリが好き。3曲の濃密な演奏に満足しつつももっと聴きたい。
   矛盾した気持ちに襲われる一枚。続きは下のCDで聞けるんだけどね。

   上の盤の第二弾。同日のライブの後半を完全収録した上に、
   ボーナスとして97年11月1日のソロピアノのライブから2曲を収録。
   1997年の12月にリリースされた。
39・明田川荘之・林栄一デュオ・パート2:長者の山:
☆☆☆☆
   がんがん突き刺す林のアルト・サックスをどっしり明田川が受け止める。
   正直、こんな相性いいとおもわなかった。
   (3)でのお遊び的なピアノも含め、等身大の明田川の様子が素直に伝わる。
   ラストのピアノ・ソロも含め、味わい深い一枚だ。
   聴き所は(1)での林のブロウにがっぷり組み付く瞬間かな。
   ピアノ・ソロのほうは(4)のひたむきなロマンティックさが好き。

   Studio Weeの今年第一弾は、渡辺隆雄(tp)が率いるMissing Linkの1st。
   これだけ通販で購入した。ネット通販ボートラは"For cuba"のライブ・テイク。
   今までライブを聴きそびれてる。
      渡辺隆雄(tp) 中根信博(tb) 吉田隆一(bs) 中山努(key) 早川岳晴(b)
   北澤篤(ds) 関根真理(per)・・・改めてメンバー見たが、すごい面子だな。
   7人編成の3管体制。全員、他のライブでは生演奏を聴いたことあり。
   この顔ぶれで、どんなジャズをやるのか楽しみだ。
   ヴィクトル・ハラ"平和に生きる権利"をカバーしてる。
38・Missing Link:The spell was cast:
☆☆☆★
   ラテンやアフリカンのファンクネスが詰まったアルバム。
   ちょっと音のヌケが悪いので、どかんとでかい音で聴くべき。
   様々な要素をギッシリ押し込めてるのに、とっちらかっていない。
   ライブはかっこいいだろうなあ、このバンド。
   ジャズの幅に収まらない一枚。

   買いそびれてました。元ボンデージ・フルーツの東京ナミイが
   今結成してるバンドの、1stCDで2004年の盤。
   バックは鬼怒+早川+田中のCoil組に、Lovejoyの近藤達郎が加わったユニット。
   2003年3月7日のスタパでのライブ盤。この日は見逃したので、当日の
   曲目をどうアレンジしてるかは、残念ながらよくわからない。
   鬼怒の主催する"まぼろしの世界"からリリースされた。
   ビートルズの"Come togher" "Help" をカバーしてる。後者は以前のライブだと、
   オリジナルとめちゃめちゃ違うアレンジで演奏してた。
37・Tokyo Nammy:Gandharva Veda:
☆☆☆
   根底に流れるハードロック魂へのシンパシーないため、本当に
   この盤を味わったとは言えないだろう。
   さまざまに変化する東京ナミイの歌声をたくみに支える
   演奏との一体感はすごいと思う。スタジオ盤で凝りに凝った
   アレンジでも聴きたくなった。
   一番の好みは(3)。オリエンタルな雄大さがたまらなく良い。
   ちなみになぜか空トラックが1つあり。単なるミスと思うが・・・。

   月光茶房で聴かせて頂き、興味持った。フランスの国営ジャズ・オケで、
   2年毎に音楽監督が変わるそう。略称は"ONJ"。
   聴いたのは別の盤だったが、ユニオンのジャズ館には
   これしか見つからなかった。音楽監督はClaude Barthelemyでいいのかな?
   ザッパに通ずる大編成のチェンバー・ジャズって印象だったが、
   さて、この盤はどんなジャズだろう。まだ聴いてません。
36・I'orchestre national de jazz Claude Barthelemy:La fete de l'eau:
☆☆★
   アドリブよりもひねったチェンバー・アンサンブルに軸足を置いてるようす。
   この構築振りが国立ジャズのゆえんか・・・と勝手に想像を巡らせて見たり。
   どうしてもザッパを連想するなあ。どこまで彼らが意識してるか分からないが。
   えらく早いフレーズまで、手弾きみたい。テクニックはたいしたもの。
   疾走感あるが、オリジナルのほうが面白いな。
   カバーはオリジナルのスピードをまったく別ベクトルで処理したため、
   正直なところ驚いた。黒っぽいところが皆無だが、
   このバンドに求めるべきじゃないのかも。
   たとえば(3)での怒涛さを、もっと推し進めてほしいと思いもした。
   ノルウェー・ジャズは今年、すごい盛り上がりを見せそう。あれこれ聴いてみることにする。
   詳しくはM.I.Z.さんのサイトをご参照ください。スペルは英語アルファベットです。ご容赦を。

   来日の予習盤として買った。2枚組のボリュームで2004年に発売。
   8人編成で勢いあるジャズを聴かせるみたい。
   インナーは折りたたまれてるが、中身に何も書かれていない。
   何か印刷されたバージョンもあるのかな?
35・Atomic/School days:Nuclear Assembly Hall:

   かなりきっちりと、コントロールされたジャズ。噴出はせず、
   あくまで上品なところを残す。どこかおっとりとして、冷めた空気を感じてしまった。
   くだけたグルーヴを求めるぼくには、好みが正反対・・・。正直なところ。
   ラストの"Bulletin"では豪放に吼えるが、ちょっとニュアンスが違う。
   この曲でのスピード感は、構成を意識したリフの繰り返しに
   聴いていて冷静になってしまう。
   しかしじわじわとはじけ、花開く"Light complusion"は気に入った。
   この要素を推し進めたらぼくはもっとのめりこんで聴けただろう。

   ひょんなことから興味を持ったユニットで、管二本体制のクインテット・ジャズ。
   ちょっと聴いた段階の印象は、モダンジャズの文脈にクラブ音楽の
   サンプリング要素を叩き込んだアグレッシブなジャズ。2004年に発売された。
34・Motif:Motif:
☆☆☆★
   からっと明るく、独特のグルーヴあり。このノリのルーツはなんだろう。
   全員20代という若手とか。若さゆえ?・・・ってまとめたら、
   おれがオヤジじゃないか。いわゆる4ビートのノリじゃない。クラブ・ジャズ・・・かなあ?
   アドリブよりもむしろ、アンサンブルに惹かれた。
   ドラムとベースがうねって、前へ前へひっぱる。
   アップもバラードも、独自のカラーがあり。ライブが面白そう。
   破天荒さがないのは、わざと?純粋培養されず、さらに自由になって欲しい

   ジャズ・ボーカルを聴きたいなあ、と棚を見てたらこれが面出しされていた。
   エレクトロ風味をバックにした、ボーカルものらしい。2004年リリース。
33・Eldbjorg Raknes:Manga roster talar:
☆☆
   ポップスよりか、ジャズ寄りか。はたまたダーク・サイケ寄りか。
   どの視点で聴くか迷う作品。いっそ曲調を統一したほうが
   良かれ悪しかれすっきりしたと思う。
   ポップス路線の(4)が心地よい。

   予備知識は何もなし。パーカッショニストの長尺一曲勝負ってのが
   面白そうで買ってみた。2004年の録音でSofaレーベルからの発売。
   どんなミュージシャンなのか、まったく知らない。
32・Ingar Zach:Percussion Music:

   パフォーマンス系のミュージシャンかな。パーカッション乱打を
   期待したが、ほぼ無し。ドローンのような電子音(?)へ、たまに打音が載る程度。
   ぼおっと聴いてると、かなり退屈。ライブで見るべき音楽だろう。
   音色そのものにこだわりあれば、音響系として聴けたろうが・・・。
   何をやりたいのか掴もうと聴いてるうちに、終わってしまう。
   43分一本勝負の1トラック仕様だが、逆効果だと思う。
   「馬鹿でかい音で、ボリュームつまみをいじらずに聴いて」と薦めるが、
   その効果のほども不明。確かに小音から大きめの音まで入ってるが、
   さほどのダイナミクスも無い。残念ながら。

   アメリカには"Instant Live"ってサービスがあるそう。
   ライブをリアルタイムにPA outさせてCD-Rに焼き、
   帰る時にお土産として当日のライブ音源を持って帰らせる、という。
   これはその一環らしい。"Toothface com"がディストリビュートしてるから、
   もう一歩踏み込んだ、CD販売なのかも。
   中身は04/3/19にポートランドで行われたPファンクのライブを、たぶん完全
   収録した。CD-R3枚組で、クリントンの公認盤。
   中身は代表曲がごっそり。音質は低音強調の、中域こもり気味ってとこ。
31・Geroge Clinton & Parliament Funkadelic:Portland Me 3/19/04:

   オルガン・ジャズが買いたくて、2枚を選ぶ。
   二人のオルガニスト対決盤らしい。はじめて見た。
   去年にPヴァインからのリイシューを購入。元は1973年の録音だ。
   バーナード・パーディ(ds)、ジョージ・フリーマン(g)らがリズム隊を努める。
30・Jimmy McGriff & Richard Groove Holmes:Giants of the organ come together:
☆☆☆
   この盤だけはステレオの真ん中に座って聴きたいね。
   (ふだん部屋では、スピーカーと並行に寝っころがって聴いてるの)
   くっきり両チャンネルにわけて、オルガンとギターを振り分けた。
   中央に陣取ったパーディのシャープなリズムをまたぐ、バトルを
   存分に味わうには、聴く配置も重要だ。
   常にクールさを意識してるようだが、根本はグルーヴ。うねり。
   お互いを尊重しあったアンサンブルなので、へんな暑苦しさはない。
   あー、でも一曲くらいはほんとにケンカ腰の熱い演奏も聴いてみたくなる。
   分厚い音を出せるオルガン二挺演奏なので、情報量がしこたま多い。

   オリジナルはプレスティッジから発売された。初めて聴くオルガン奏者。
   1969年/1971年の盤を2 on 1した93年のFantacy盤を購入した。UK製。
   西海岸の録音なのかな。前者ではベースをキャロル・ケイが弾いてる。
   ドラムは前者がポール・ハンフリーで、後者がバーナード・パーディ。
29・Charles Kynard:Reelin' with the Feelin'/Wa-Tu-Wa-Zui:

   録音年代のわりに、乾いた音がする。ファンク臭も希薄。特に"Reelin'"のほう。
   ドラムのポール・ハンフリーがクールに叩いてるせいかな。
   "Wa-tu-wa-zui"がいくぶん泥臭くて、ぼくはこっちのほうが好き。
   しかし気に入らないのがミックス。えらい極端なステレオに分離してて
   中央の音がすかすか。勘弁してよー。オリジナルはモノラル・・・って
   ことはないよね。年代から言って。なんでこんな極端なんだろ。
   ちなみに"Wa-tu-wa-zui"はゲルダーの録音。前半はクレジットないな。
   中央に音を集めて、がつっと迫力出して欲しい。
   それだけでだいぶ印象違ったはず。

   スイート・ソウルらしい。レコ屋のポップに惹かれて買った。
   ニュージャージーのインディ・レーベル"Lase"からの発売で、
   過去の経歴はよくわからない。男性ソロ・シンガーです。
28・Samson:Atomosphere:
☆☆
   9曲でわずか34分。こじんまりしてていいな。
   都会的なソウルだ。ちょっと歌の線が細い。
   徹底的にメカニカルなアレンジのほうが映えたかも。
   実際はギターのたゆたいが印象に残る、こじんまりした出来。
   Jimmi Jamesとのデュオ(3)のかもす空気が浮遊感あって良い。これがベストかな。

   MUMUでカバーしてた、スクエア・プッシャーを聴いてみたかった。
   これは初期の盤になるのかな。ドリルン・ベースってどんなだろう。
   1999年にWarpから発売された。
27・Squarepusher:presents Selection Sixteen:

   ドリルン・ベースってなんだろう。結局、よくわかってない。
   ミニマルな要素の強いテクノだが、ビートを強調せずに
   スピード軽やかに電子音が漂う。ちょっと取っ掛かりにくいなあ。

   この歌手は去年気に入って、アルバムを幾度も聴き返した。
   1stからのシングルカットで、カップリングにアコギバージョンを収録してる。
26・Toby Lightman:Devils and angels(Single):
☆☆☆
   表題曲はラジオ・エディット。アルバム版との違いはまだピンときてません。
   こっちのほうが、ごちゃっと盛り上がって情報量多そう。
   残りの2曲はデモのアコギ弾き語りテイクと期待したが、
   もっときっちり録音されてる。マイクテストでもなさそうだし・・・。
   ハナからレアテイク目当てで、弾き語り録音したのかも。
   このアコギテイクが気持ちいい。コードをジャカ弾きながら、ときおり混じる
   カッティングが痛快だ。トビーがフォークよりの歌手だってのがわかるね。
   表題曲を初めて聴いたとき、ファンクネスにしびれたけれど。

05/1/22   新譜などを購入。バーゲンしてると、つい見ちゃうな。

   達郎のニュー・シングル。映画とラジオのタイアップ曲を入れた、
   両A面扱いの曲。無論、双方のカラオケ入り。
   切々と歌い上げる"Forever mine"とソウルっぽい"Midas Touch"。
25・山下達郎:Forever mine/Midas Touch (single):☆☆☆☆★
   タイトル曲は素晴らしいバラード。恥ずかしながらこの純粋さと孤独さを
   ファンクラブの会報を見るまで気づかなかった。息が白く曇る寒さの中、
   まっすぐにラブ・ソングを歌い上げる美しさに気づくと、とんでもなくいとおしくなる。
   ストリングスも加わったゴージャスなアレンジながら、イノセンス性が消えない。
   カップリングの"Midas Touch"はカーティスあたりのシカゴ・ソウルが
   下敷きだろうか。"Paper doll"を今の達郎が演奏すると、こんな感じかなって
   思いながら聴いていた。シャープなギターにファルセットへしょっちゅう飛ぶ
   テクニカルな歌い方がハマった難しい曲。
   繰り返し聴いて飽きぬ2曲の好シングルだ。
   カラオケはハーモニーも入った、文字通りのボーカル・マイナス・ワンテイクを収録した。

   デーモン&ナオミの新譜が出た。スタジオ盤は何年ぶりだろう。
   Ghostの栗原ミチオは正式メンバーとクレジットされてる。
   プロデュースはデーモン&ナオミ、エンジニアとミックスは
   デーモン自身と、家内制手工業で作り上げた。ジャケットのデザインは、
   もちろんナオミ自身です。
   前回の来日ライブで披露した新曲群も収録してる。奇曲"Ueno Station"も。
   意外なカバーとしてジョージの"While my guitar gently weeps"を取り上げた。
   
   なおユニオン特典でボートラあり。前回の来日ライブから5曲を収録。
   変則的な編集で、まずはライブ後半の"Araza Azul"、"Second life"から。
   一気に2ndアンコールの"Song to the Siren"へ飛ぶ。
   そしてライブ本編のクライマックスへ戻り、"私の花"を。
   ライブ最後の"Tanka"はなぜか(新譜のオマケだから?)飛ばして、
   1stアンコールの"遠い海へ旅に出た私の恋人"へ行く。
   録音はクリアで臨場感ばっちり。いいオマケだ。
24・Demon & Naomi:The Earth is Blue:
☆☆☆★
   サイケデリックがセンチメンタルに変化する。素朴に、コンパクトに仕上げた。
   丁寧な出来で、噛み締めるとじわり味わいが染み出す。
   さっくりセッションの感触ながら、細部までアレンジ施されている。
   特にナオミの涼やかな歌声が聴きもの。

   愛しのGbV解散が決まって、ソロを出したのは以外にもダグが先。
   といっても、去年のリリースだから解散に何の関係もないかな。
   コブラ・ヴェルデからGbVへ移り、たぶん初のソロ。
   全て自作曲で、演奏もほぼ自分で多重録音した。
   地元のオハイオで録音してるが、ロバートは参加してないや。
   プロデュースも、ダグ自身がつとめた。
23・Doug Gillard:Salamander:
☆☆☆★
   ダグの甘酸っぱいポップ・センスが多重録音ではじけた。ハードさは試行せず、かといって
   メロウに崩れない。ロックを踏まえつつ、ほんわかしたムードを
   うまく練り上げた気持ち良い一枚。

   以下はジャケ買い。詳細は知りませぬ。すまん。

   ノルウェーのバンドらしいが、クレジットもろくにない。
   Arue Hansonがリーダーかな。96年から97年に録音された
   クリスマス曲集。コンピじゃなさそうだが。
   たぶん曲は、オリジナルだと思う。有名曲のカバーは見当たらない。
   ちょっとチープなエレクトロ・ポップ集。トット・テイラーや
   一時期のモーマスを連想した。
22・Arue Hausen & the guitarspellers:Reindeer can fly!:

   メロディはそこそこポップ。曲によってはかなり楽しい。
   だけどとことん安っぽいバックのサウンドが何だかなあ・・・。
   宅録を集めた盤らしいが、それならバンドで取り直して欲しい。
   なんたってクリスマス・ソングなんだからさ。しょぼいのは勘弁。
   この感覚は日本だけなのかもしれないが。アレンジで面白かったのは
   スレイ・ベルがまったく聴こえないこと。日本なら、これでもかって
   かぶせるもんね。文化の違いも色々あるもんだ。
   デモ・テープ集としては楽しめる一枚。もしかして、これらの曲の
   スタジオ・テイクって存在するのかな。

   2002年にTNTレーベルからリリース。ドイツのバンドなのかな?
   手書きのジャケットからアコースティックでこじんまりした
   ロックを期待して購入。
21・The Funerals:Palhelic me:

   耳ざわりは悪くない。地味なアコースティック・ロックという印象。
   存在感が薄いためつい、聴き流してしまう。
   じっくり聴いたら、味が染み出そうだけど。

   夕焼けを雄大に映したジャケに、サイケっぽさを期待した。
   2003年の発売。アメリカのバンドで、録音はナッシュヴィル。
   かといってカントリーぽさは希薄。ほぼ、予想通りの音。
20・The autumn defense:Circles:
☆☆☆★
   耳ざわりいいソフト・ポップス。ハーモニーがもうちょい
   派手なほうが好みとはいえ、悪くない。スムーズに音楽が
   耳へ滑り込む。これはいい盤だと思う。しかし、なぜか
   強烈な訴求効果がない。
   ボーカルの歌声が弱いのかな?音は好みなのに。
   もっと繰り返し聴いたら印象変わるかも。
   60年代ポップスを下敷きに、ギター・ポップ世代のスウィートさも
   併せ持つ。センスがいいバンドだよ。掘り出し物。

05/1/19  アマゾンからCDが到着。

   やっと手に入れたぜ。GbVの派生バンド、Circus Devilsの3rdで
   2003年の発売。バック・トラックをToddとTimのTobias兄弟が作り、ロバートが
   メロディと歌を乗っける。歌詞カードはト書き仕立て。トータル・アルバムかな?
19・Circus Devils:Pinball mars:
☆☆
   パンク要素をほんの少し残して、かなり荒っぽく作り上げた。
   アレンジは目配りされてるが、手早く録音作業した印象。
   歌は奔放に暴れて、ロバートらしいメロディの断片のみが残る。
   場面を切り取ると興味深いが、全体ではアイディアを煮詰めきれていない気も。
   ストーリー仕立てのトータル・アルバムらしく仕上げたわりには。

   達郎の新春放談でかかって、聴きたくなった。
   フォー・フレッシュメンの2in1盤で2002年にEMIよりリイシュー。
   "More 4 Freshmen and 5 trombones"(1964)と"The Four Freshmen in person vol.2"(1963)が
   入ってる。前者は当時のヒット曲のカバー集らしい。
   後者は1962年9月19日に加州でのライブ盤。88年4月号レココレ誌によれば、
   オリジナル・メンバーに入れ替わりあり、これら録音当時は
   ボブ・フラニガンとロス・バーバーのオリジナル組に、
   ケン・アルバースとビル・カムストックの加入組の編成のはず。
   資料丸写しで書いてますが、実はどの声が誰かの区別すらついてませぬ。
18・The Four Freshmen:Two Classic albums from The Four Freshmen:
☆☆☆★
   前半のスタジオ作はスタンダードを丁寧かつグルーヴィに歌う。上品なのに前のめり。
   この揺れる気分がたまらない。肩の力が抜けてる感じ。後半はライブ。
   むしろ本盤のほうが歌声に一体感あり。ムードはさらにリラックス。
   ときどきミックスが、かなり極端に左右へ振られた。擬似ステじゃなさそうだが。
   ライブの(17)ではチップマンクスみたいな喉声で笑いを誘う。こういうのもやってたんだ。

05/1/16   アマゾンから到着したCDについて。

   詳しい経歴は知らないが、10年ぶりの新譜らしい。
   音響系のロック寄り・・・かなあ。月光茶房で聴かせて頂き、
   なんだかすごく気に入った。ひとひねりした音楽を聴かせる。
17・Bark Psychosis:///Codename:dustsucker:
☆☆★
   テクノ・・・に取り込んでいいんだろうか。ばらばらな
   アイディアがつまった盤だが、不思議な統一感あり。

   シャーリー・コリンズの旧譜を2枚購入。彼女を聴き込んでみたくて。
   これは姉のドリーとの名義でトラッドを歌う盤で、1969年リリース。
   1999年のBGO盤を買ったが、ボートラで彼女の"Armaranth"(1976)から
   6曲を追加収録。なぜこの盤が選ばれんだのかはよくわからない。・・・勉強が足りんのぉ。
16・Shirley Colins and Dolly Collins:Anthems in Edem:☆☆☆★
   丁寧に練られた演奏。堅苦しさも感じるが
   それも持ち味なんだろう。アカデミックな興味を前提に
   聴いてしまう。続けて聴くと、少々単調なもので。しかしきっちり
   アレンジされて存分にのめりこめる。
   ボートラはよりトラッドを内部消化した感じ。
   音楽作品としては、後者のほうが素人なぼくには楽しめそう。
 
   当時のパートナー、アシュリー・ハッチングス率いるアルビオン・バンド
   との共演盤。というより、これがアルビオンのデビュー盤かな?
   1971年発売でトラッドを演奏。ルーツ帰りの一枚かな。
15・Shirly Collins and The Albion country band:No Roses:
☆☆☆
   トラッドを再評価したアルバム、になるんだろうか。
   大勢の凄腕ミュージシャンがきっちりした演奏を聴かせる。
   ただしエレクトリック・ギターだけはどこか鈍重な印象なのは時代だろうか。
   どの曲も似たようなタッチに聴こえるあたり、まだまだ
   聞き込みが足りないんだろうな。ぶわっと厚くかますアレンジは迫力あり。
   トラッド風味のロックが意味を持った時代ゆえの重要盤か。

2005/1/4   新春初のレコ堀り。成果は色々あったけど、バーゲンやってて
         つい他のもんまで買い込んじゃった。7枚買うと7割引なんだもん。

   これ、聴きたかったんだー。89年にリイシューされた、フォー・ラヴァーズのベスト盤。
   リード・ボーカルはフランキー・ヴァリ。つまりフォー・シーズンズの前に
   彼がいたバンドです。"You're the apple of my pye"の小ヒットがある。
   全31曲いり。あらかたの録音を集めたのかな。BF盤だし。
14・The Four Lovers:The Four Lovers:
☆☆
   ホワイト・ドゥ・ワップあり、R&Bあり。ロックンロールも。
   多彩なとこが一流に成れなかったゆえんか。
   フランキーのボーカルは力強いんだけどね。
   思い切りアップな"ホワイト・クリスマス"のアレンジが新鮮だった。
   演奏はいまいち。何よりも耳をつんざく、フランキーの歌い上げが気持ちいいな。

   プレスティッジの傍系レーベル、ムーズヴィル。タイトルどおり
   ムーディなジャズがテーマだろうか。このレーベルの盤、聴いてみたかったんだ。
   たまたまCDで一枚発見。99年にビクターより紙ジャケ再発された。
   オリジナルはムーズヴィルの9枚目。60年の5月18日に録音された。
13・The Tommy Franagan trio:The Tommy Franagan trio:
☆☆★
   こじゃれたスイング盤を期待したが、実際にはクールな要素もあり。
   特に顕著なのはピアノ・ソロ。選曲はスタンダードで
   アヴァン性皆無なのに。フレーズの音使いへ、凛と伸びた背筋を感じた。
   テナー・サックスのソロが欲しくなるが、あえてピアノ・トリオを選んだんだろうな。
   好みは"In the bule of the evning"。ロイ・ヘインズの
   モタリ気味なブラシの連打がかっこよくって。
   ピアノ・ソロからおもむろにリズムが入る、洒落た"In a sentimental mood"もなかなか。

   試聴してしびれた。発売は85年かな?けっこうなレア盤だったらしい
   女性ソウル・シンガー。詳細は不明。01年に再発されたらしい。
   とにかく弾む演奏と歌声のアンサンブルが気持ちよくって。
   いまはここでアフリカ系の音楽をやってるらしい。
12・Linda Tillery:Secrets:
☆☆☆★
   一番気持ちいいのは(1)かな。まず、ドラムがいい。スティーヴ・ガッド直系の響きで、
   軽やかにタムを廻す。リンダはパーカッショニストでもあるそうだが、
   この盤では叩いていない。
   80年代っぽいべたっとしたシンセに戸惑うこともあるが、根本のメロディが
   よく出来てるよ。もうちょい予算かけてストリングス入れたら、
   ゴージャスなスウィート・ソウルになってたかも。

   94年にビクターが紙ジャケ再発。ビル・エヴァンスの傑作とされる盤らしい。
   オリジナルはリバーサイドより。録音は61年の6/25にNYのヴィレッジ・
   盤ガードでライブ録音・・・とあるが、同じ曲の複数テイクが
   存在するようだ。もしかして同じ曲を立て続けに演奏して録音したの?
   観客にとっては辛そう。公開録音みたいな感じかな。
11・Bill Evans Trio:Sunday at the Village Vanguard:
☆☆☆☆★
   ストイックな美しさで張り詰めたピアノ・トリオだ。
   ベースとピアノがてんでにソロを取り、ドラムが絡むようすがよくわかる。
   ボートラが聴けるのは嬉しいが、作品としてはオリジナルの
   6曲で完結させたほうがよかった気がする。珍しいな。たいがいは
   贅沢にボートラを喜ぶほうなんだけど。集中力がそがれる気がするんだろうか。
   ベースのソロなど、音が静まるとたんにオーディエンス・ノイズが
   盛大に入る。相当客席はリラックスして聴いてたらしい。
   贅沢な話だ。こんなピアノ・トリオを聴きながらお喋りできるんだから。
   スイング感は希薄で、シャープな演奏による波がたゆたう。

   スティーライ・スパンのマディ・プライアが当時は無名のジューン・テイバーと
   組んだのがシリー・シスターズ。76年の1stを聴いてみたかったが
   レコード屋に見つからず。88年にでたセカンドを買ってきた。
   ジャケに2種類あるのかな。えらくそっけないデザインのほうを買う。
10・Silly sisters:No more to the dance:☆☆☆★
   トラッド要素を取り入れつつも、変にロックへ擦り寄らず、
   厳かなムードを優先したつくりが好ましい。
   アルトのテイバーと、ソプラノのプライアの対比を上手く生かしてる。
   曲によってはさらに多重録音までして、声の妙味を聴かせた。
   それぞれのソロをキーボッドだけをバックに聞かせる趣向も。
   好みで言えば、テイバーの落ち着いた声が好きみたい、ぼくは。
   プライアがつまらないって意味じゃありませんよ。念のため。
 
   マディ・プライアの1stソロ。1978年のリリースで、
   プロデュースはタルのイアン・アンダーソンらがつとめた。
   94年にBGOがリイシューしたリマスター盤を購入。
9・Maddy Prior:Woman in the wings:
☆☆☆☆★
   こじんまりさとでっかく構築されたブリティッシュ風味が平然と同居する。
   多重録音によるマディのボーカルが、心地よく耳をくすぐった。
   曲は全てマディのオリジナル。トラッドとジャズの蓄積をさらりと昇華させ、
   プログレにも通じるかっちりしたアレンジが、嫌味なく成立した。
   隅々まで練られた快盤だ。上品な色気がたまりません。
   リマスターされたせいか、音もとても柔らかく聴こえた。

   ジューン・テイパーのソロ。76年にソロ・デビューして、
   十数枚リリースしてるらしい。これは2003年にリリース。
   アコースティックをバックに、トラッドを歌う。16枚目のソロでいいのかな。
8・June Tabor:An echo of hooves:
☆☆
   ジャケットはきっちりクレジットを入れ、学術的な堅さあり。
   全てトラッド。しかし音の感触は優しい。低い歌声の
   迫力に最初は戸惑った。でも、ウエットさは必要最小限に抑え、
   丁寧に音楽を紡ぐスタンスに好感持てた。
   いぶし銀って言葉がふと頭に浮かぶ音楽だ。
   アレンジも簡素なもの。どうせならきちんと背を伸ばして聴きたい。

   上のジューン・テイバーとも共演経験ある、エレクトリック・トラッドの
   バンド、オイスター・バンドが92年にリリースした11枚目のアルバム。
   曲は全てオリジナルだし、こうなるとあえてトラッドの枠で縛る必要なさそう。
7・Oyster Band:Deserters:
☆☆★
   よく言えば雄大、平たく言うと大味な太いメロディの曲が続く。
   かなり売れ線路線なロックだ。ぼく、大味ロックは苦手なのに。
   素直に楽しめたのは、トラッド風味が違和感をほんのり
   与えてたせいだろう。逆にこれが無かったら、バカ売れしてそう。
   どの曲もキャッチーで、威勢いい。
   プロデューサはJohn Ravenhallでエンジニアもつとめてる様子。
   ミックスはTrevor HallesyとRavenhall自身。いや、というのも。
   録音がかなりエコー強調の音像でね。当時の売れ線なのかもしれないが。
   なんだか今聴くと新鮮なんだよ。当時のCDはマスタリングがしょぼくて、
   かなりボリューム上げないとピンとこないが。
   おおらかなロックの魅力を、上手く膨らませてる。

   1987年にデビューし、本作が5thにあたる。アイリッシュの両親を持ち、
   カナダで生まれた。在住もカナダらしい。あくまでアイリッシュの
   影響を受けたポップス歌手、という位置づけか。
   トラッドだけじゃなく、オリジナルも歌ってる。
   演奏はアイリッシュ系のアコースティック。たぶん2001年録音。
6・Eileen Mcgann:Beyound the storm:
☆☆☆★
   繊細で柔らかなメロディ、高音の伸びる歌声、素朴ながらきっちり
   弾む演奏・・・地味ながら、良質のアイリッシュ・ポップスだ。
   カナダでアイリッシュの位置づけはよくわからない。
   少なくとも今のぼくの耳では、けれんみや違和感なく素直に
   彼女の歌声を楽しめた。商売っ気のポピュラー音楽へトラッドを引きずり込まず、
   真摯に自らのルーツ音楽と見つめあって自作を紡いだ。
   折り目正しい姿勢に好感持てる。毒がないよ。

   アイルランド出身だが、ワールド・ワイドで有名でしょうね、彼女は。
   本盤は91年の発表。といいつつ、詳しくないので説明を上手く書けないなあ。
5・Mary Black:Babes in the wood:
☆★
   地味なアルバム。曲は丁寧に演奏され、歌も多彩に伸びやかに響く。
   でも曲そのものが小粒な気がする。
   さまざまなミュージシャンの曲を選んでバラエティに富ませてるが。
   歌声にパワーがあるからBGMには向かないが、リラックスするにはいい盤か。

   詳細不明。バイオリンとメロディオンのデュオだが、互いにボーカルも取る。
   なんだかコミカルそうで、買ってみた。2003年の盤。
   オリジナル曲が主。音の感じはアイリッシュ系かな?
4・John Spiers & Jon Boden:Bellow:

   アイルランド系の音楽をまっとうにやってるだけ。
   コミカルな要素はよくわからない。歌詞がユニークなの?
   あまりにストレートな展開なので、今ひとつ取っ掛かり無し。
   よく出来たトラッド系音楽だろう。呑みながら聴くにはいいかも。
   もうちょい毒があるほうが好みだなぁ。

   詳細不明。日本盤だけど歌詞しかついてないよお。
   かなりのベテラン女性歌手。サイドメンでマーティン・カーシーだの
   リチャード・トンプスンだのの名前もある。英フォーク歌手かな。
   デッドの曲だの、ビリー・ブラッグだの、リチャード・トンプスンだの、
   ベン・ハーパーだのと、幅広い選曲だ。
3・Norma Waterson:Norma Waterson:
☆☆☆☆
   無敵な家庭だなあ。温かい信頼関係に包まれ、ほのぼのした
   気持ちを味わえる音楽だ。むろん、馴れ合いの弛緩は皆無。
   コステロの歌も、ごく自然にほかの曲と馴染む。
   円熟って言葉をしみじみ実感した。軽やかなロジャー・スワロウのドラムの響きが好き。
   
   ジャケットは垢抜けないが、音楽は噛み締めるほど味が出る。

   詳細不明。トラッドの棚にあったけどジャズの要素もありそう。
   ギター二人とベースのHenk De Laatによるトリオへ、アコーディオンの
   Rony Verbiestがゲストで加わった。2001年の録音だ。
   このトリオがユニットかセッションなのかは不明です。
   裏ジャケにもあるけど、ジプシー・ミュージックをインストで
   やってるようだ。オリジナルのほかにジャンゴの曲を多数演奏してる。
2・Jokke Schreurs Trio:Jokke Schreurs Trio:

   ほんのり切なく転がるフレーズが満載。ハワイアンのような優雅さもあり。
   耳ざわりは良いけど、革新性の観点からはいかがなんでしょう。
   BGMでふわりと聴くにはいいと思う。

   イギリスの女性シンガー。たぶん80年代後半から活動してる。
   92年に"Only a woman's heart"という大ヒットを作曲したらしいが・・・
   ごめんなさい、知りません。本作は99年のアルバム。
   打ち込みリズムなども使ってる。フランスとロンドンで録音された。
1・Eleanor McEvoy:Snapshots:
☆★
   ほんのり影がある歌い方を気に入るかで、評価が変わる。
   あんがいドスが効いてるな。
   単調だけど、BGMにはいいかなあ。
  昔なつかしテクノ風アレンジな(9)が面白かった。
   打ち込み要素が前面に出て、寛ぎづらい。
   アコギが爽快な(4)がいい曲。


2004年12月

2004/12/29   今年最後のCD購入かな。

   東芝EMIからCCCDでオールディーズのシングル集が出た。
   日本独自企画じゃなく、昨年くらいにイギリスで出たコンピの邦盤化らしい。
   1300円で24曲入りとえらく安かったよ。5種類中2種を購入。
   シングルのA/B面を収録、がコンセプトらしい。
   解説は中途半端な英訳ライナーのコピーのみ。日本語解説で、発表年と
   どのシングルのB面なのか、EPがオリジナルなのかはわかる。
   歌詞カードなんていらないから、もっと解説に力を入れて欲しいな。

   で、アニマルズ。64年~66年の音源を集めた。完璧版なのかすらライナーでは不明。
   こうして聴くと、選者の個性が分からない分、ベスト盤として不利だね。
   音楽はカッコいい。今まで代表曲しか聴いたことなかったが、いきがった
   大人っぽさを醸し出してる。
299・The Animals:シングル・EP・コレクション:

   色々考えたが、あえてこの評価を記す。誤解しないで欲しい。音楽への評価じゃない。
   ブルースを解釈しようと背伸びし、性急に駆け抜ける音楽はいかしてる。
   デビュー初期のとっちらかりもすぐに影を潜め、バンド・サウンドもすぐに固まった。
   ましてやエリック・バードンのシャウトのかっこよさったら。
   ブルーズの演奏も、オリジナルを越えたと言えない。白人っぽさが常につきまとう。
   開き直ってブルーズの再解釈を行ったストーンズと、方法論は似てる。しかし、アンサンブルが弱い。リズムが少々とろいのかな?
   だがこの盤で聴くとき、各曲の録音のばらつきが凄まじく気になる。
   ドラムがすごく遠く、ベースばかりが目立つ。それでいてミックス全体が痩せて、迫力ない。
   マスターテープ劣化のせいか。典型は"悲しき願い"。A面とB面で
   驚くほど録音のパンチ力が違う。オリジナル盤から起こした方がが、むしろ統一感とれたのでは。へたしたら魅力すらも。
   リイシュー・スタッフのクレジットは皆無。資料性はまるでない。
   安いのと曲が多いのがとりえ。ってことは、駅売りワゴン盤と一緒じゃないか。

   マンフレッド・マンです。収録されたのは64年~66年の
   デビュー時期にあたる。EMI傘下なHMVレーベルに所属のころ。
   今までフォンタナ時期のベストしか聴いたことないので、嬉しい復刻だ。ただし、完璧版じゃない。
   レココレ誌号のシングル・リストを見ながら比べると、
   "Why should we not","Cook-A-Hoop"の初期2枚シングルは無視。
   4thシングル"Hubble Bubble"のB面"I'm your kippin'"も未収録。
   さらに2ndEP"Groovin'"のB面2曲も入ってない。
   細かいとこは、この辺にしますが。こういうコンピって、重箱の隅こそが
   楽しさではないの?あらゆる音源が全て潤沢に手に入る環境なら
   別にいいけどさ。不勉強で、マンフレッズのリイシュー状況はよく知りません。
   CDへの不満は言うが、彼らの音楽はいいよ。ほんのりジャジーさが持ち味かな。
   じっくり聴いてみます。CCCDだけどさ。
298・Manfred Mann:シングル・EP・コレクション:
☆☆★
   えらくシャキシャキしてる音なのは、録音なのかCCCDなのか。
   ちょっぴり不安定で、ほんの少し唇をひん曲げて歌う斜めのスタンスが
   クールな魅力になってる。演奏がドタバタしてるが、妙なドライブ感あり。
   かっこいいよ。なんだか温かい目で聴いちゃうのは、おれが歳を取ったためだろう。
   きっちりしたスタジオ・ミュージシャンにバック任せてたら、もっと魅力増したろうな。

04/12/26   ライブの物販で買ったりネットで買ったり。あれこれ。

   明田川荘之の最新作。今年、3枚目かな?
   シューリヒト・オカリーナ・アンサンブル名義で、オカリナを入れた
   編成での音源。アケタの店30周年で04/5/1に行われたライブを収録した。
   数年前からライブでは演奏していた"侍日本ブルーズ"、最近の新曲(って表現も変だが)
   "クルエルデイズ・オブ・ライフ"は初CD化のはず。 
297・明田川荘之:Samurai Nippon Blues:
☆☆★
   基調はのんきなムードが漂う。中盤のオカリナ・アンサンブルや
   最後の歌などでね。初CD化曲などもあるが、
   肩の力を抜いて聴きたい。そうすれば、ソロの味わいも
   じっくり出来るはず。センチメンタルをユーモアに塗り替えた一枚。
   (4)のようにオカリナのやわらかなアンサンブルを生かした
   アレンジが心地よい。

   リーダーは常見なのかな。アラブ、トルコ系の音楽をピアノを入れた
   カルテット編成で演奏するのがSTOY。これは2003年発売の2ndで
   今のところ、最新作にあたる。
   メンバーは佐藤允彦、常見裕司、太田恵資、吉見征樹。
296・STOY:STOY II:
☆☆☆
   おっとりした中近東のイメージが膨らむ。一癖あるミュージシャンばかりだから
   オリジナルの音楽にひきずられたりはしない。
   でも、個性は押さえ気味かな。ストレートに美しさを表現し、変にこねくらない。
   この盤だけ聴くと、かなり上品な雰囲気が漂う。
   (3)のグルーヴが好き。

   STOYから佐藤允彦が抜けると、名義はアラビンディアになる。
   音楽コンセプトは比較的近い・・・のかなあ。
   もっとも本盤、佐藤がゲスト参加してる。99年発売。
295・Arabindia:Arabindia:
☆☆☆★
   柔軟でしたたかな音楽。中近東の伝統音楽の要素を
   がっぷりと咀嚼し、オリジナル曲やアドリブを多数混ぜ込んでいる。
   太田恵資のライブで今も演奏されるオリジナル"Mozqus"も収録。
   (10)や(11)ではピアノが参加し、STOYとして演奏を聴かせる。
   いや、この頃すでにSTOYが存在してたんだろうか。
   本盤ではアドリブよりアンサンブルを目立たせた構成になっている。
   ぐいっとアドリブに軸足置いた盤も作って欲しいな。
   セカンド・アルバムのリリースが待ち遠しい。
   隠しトラックもあり。これがまた聴きもの。

   太田恵資、吉見征樹に高木潤一の顔ぶれだと、名義はMASARAとなる。
   このバンド、いまだにライブ未体験。STOYとアラビンディアはあるんだけど。
   見てみたいなあ。キャリアはすでに10年を越えるらしい。
   2003年の1stで、オリジナルの他にグラッペリ、ピアソラを弾いている。
294・MASARA:MASARASCOPE:☆☆☆☆
   名刺代わりに適切な一枚。美しさもコミカルさもきっちり詰まってる。
   喋りは何度か聴き込むと飽きかねないが、いかにも
   彼ららしい。って、ぼくまだMASARAのライブを見たことないが。
   リーダーは高木だが、太田の名曲"Masarascope"、"オータのトルコ"も収録。
   ソフトなギターによってエスニック要素が薄められつつ、
   繊細で奥深い音楽世界が生まれた。
 
   今の東京アンダーグラウンド・即興シーンを背負って立つ、油の乗った
   メンバーたちが勢ぞろいしたコンピ。全て新録音というのが凄い。
   この次の世代、若手のコンピも聴いてみたいぞ。
   収録されたのは渋さ知らズ、外山+大儀見デュオ(初CD化のはず。嬉しいな)
   DCPRG(大友も参加!)、大友良英NJオケ、Vincent Atomics、
   水谷+菊地ベースデュオ(この活動は初耳。ライブもやってるのかな?)
   ROVO,南博トリオと、そうそうたるメンバー。
293・V.A.:Boycott Rhythm Machine:
☆☆☆☆
   マニアにも初心者にもお勧めの快コンピ。今の東京で
   もっとも刺激的な流れの一つ(あくまで、一つ)を、容易に掴み取れる。
   録音もきっちりされていて、細かなところまで聴ける。それでいて、
   録音の冷たさは感じない。
   しかし全8曲中で、水谷が4曲、芳垣が6曲に参加。
   二人がこの流れでは、とても重要なリズム隊だと
   実感できる。もっとも、顔ぶれ見ると渋さがちょっと違和感ある
   流れだ。微妙に違う音楽性では。音楽は素晴らしいよ。念のため。
   コンピの統一性を狙うなら、いっそ渋さでなくEmergency!でも良かったのでは。
   詳細なライナーがあったら、もっと良かった。後世で後追いする人が、
   全貌を掴みやすくするために。それぞれの録音エピソードを、
   今この瞬間に、共有もしたい。
   これを聴いて興味を持った人は、ライブハウスへ。
   素晴らしい音楽が、待っている。

   今堀恒雄の新プロジェクト、ウンベルティポの初CDが出た。
   発売済の12インチを指くわえて見てただけに、凄く嬉しい。
   CD化に辺り、ナスノ(b)佐野(ds)によるトリオ演奏も4曲収録。
292・Unbeltipo:Joujoushka:
☆☆☆★
   打ち込みギターソロではもろにザッパなフレーズも飛び出して微笑んだ。
   三人トリオの演奏も迫力あり。キーボードはmidiでギターと連動させてるのか。
   がらがら変わるリズムと展開は、ティポとは別物。
   もっとストイックだな。打ち込みなぶん、容赦ないのかも。
   (5)のミニマルでめまいしそうな演奏が気持ちよかった。
   打ち込みと演奏と、どちらも面白い。ライブ、見たいなあ。

   ROVOの最新作は2年ぶり。もうそんな立つんだ。
   最近のライブで演奏された曲を集めた・・・というが、いまだにライブを
   未体験。ああ、聞いてみたい。
   ベーシック録りに1週間、ダビングに1日。そのくらいで
   あっさり録音されたとインタビューで益子が語ってた。
291・ROVO:MON:
☆☆☆☆
   ゆったり成熟したイメージがある。グルーヴ一辺倒でなく
   より多彩に音を積み上げ、紡いでゆく。今までが鮮烈な単色だとしたら、
   もっとさまざまな色が混ざり合ってるかのよう。
   録音はくっきりしてて、細かな一つ一つまで聞き分けられるのが嬉しい。
   ポリリズムの要素が強まっているようだ。

   ジョン・ゾーンの月間"誕生日ライブシリーズ"の第9弾。
   2003/9/8の第二部を丸ごと収録した、ゾーンのサックス・ソロ。
   この名義でスタジオ作もあるが、ぼくは未聴。今回初体験になる。
290・John Zorn:The classic guide to strategy:
☆☆
   サックスだけがひたすら軋むひととき。もし緊張感を求めるならば
   安部薫を聴けばいい。逆に安部に比べると、ゾーンのサックスは
   どこか中途半端に聴こえる。ノイズとしても、緊迫さにしても。
   テクニカルなサックス・ノイズを楽しむ一枚か。
   闇雲にアルト・サックスが吼えて、消えてゆく。

04/12/18   レコード屋をじっくり探索。成果はいっぱい。
          嬉しいんだけど、どうやって聴く時間を作ろう。

   とっても嬉しいザッパの発掘盤が2種類出た。1500枚限定らしい。
   ザッパ家が公認したエンジニア、ジョー・トラヴァースが編集した
   未発表音源集の第一弾。"Vaulter native"レーベルで出るらしい。
   出し惜しみせず、がんがんリリースして欲しいな。月一枚でもいいや。
   中身ははっきり言ってマニア向け。
   これはデビュー前のライブやデモ音源をあつめてる。
   告白します。"Plastic People"が"ルイ、ルイ"のパロディだって初めて知りました。
   対訳もついた邦盤を買った。いいんだけどさ。高いよ。3360円かあ。
289・Frank Zappa:Joe's Corsage:
☆☆★
   再聴に耐える仕上がり。しかし一部でテープがヘタる箇所も。うーん、ブートみたい。
   若かりしザッパがいかなるデモテープを作り、いかなるライブをやってたか伺える
   貴重な音源だ。カバーもなんとも王道ですね。
   この頃は個性は控えめ。ちょっとキツいクラブ・バンド然としてる。
   しかし"Plastic People"や"Take your clothes off when you dance"の原型が
   効けて嬉しい。やはりザッパは最初からザッパだったんだ。
   曲が溜まったらアルバムにするんじゃなく、最初から曲はあって
   コンセプトによって使い分けてたんだな。
   初期マザーズに思い入れなくても楽しめた。しかし。本盤はマニア向です。お忘れなく。

   "Vaulter native"よりザッパの発掘盤、ジョー・シリーズの第二弾。
   要するに今回、二作品同時リリースされた。
   こっちのほうがぼくは嬉しい。"Original brown clouds rehearsal"と題された。
   なんとリハ集。すげえ。"グランド・ワズー"、"ワカ/ジャワカ"へ至る曲の
   リハがザッパの指示入りで聴ける。
   時期はオーケストラ・ピットから突き落とされたザッパが、復活を
   はかってる頃。ジャケットは車椅子に座ってギターをもった写真。
   指示をギターで飛ばす瞬間もあるようだ。  
   はっきり言ってブートのノリです。しかしマニアにはこたえられません。
288・Frank Zappa:Joe's Domage:
☆☆★
   予想以上にマニア向けの出来だった。音は割れるし、ザッパの声は聴こえづらい。
   ちょこちょこテープをつまんでるようだが、そのわりにメンバーが音を探る
   部分も多く残し、冗長さもある。いっそ徹底的に編集し、練習風景を
   切り取ったコラージュまで練ったら、作品として成立したのに。
   本盤はあくまで練習風景の流出テープなレベル。
   繰り返し聴けるのは熱烈なファンだけじゃ。
   ザッパ研究の一級資料なのは間違いない。さくさくリハは進むが
   さしもの腕利きミュージシャンも、演奏にてこずってる。
   特にホーン隊が苦労してるみたい。ドラムは飄々と叩いてる(たぶん、エインズリー・ダンバー)
   ザッパがギターでフレーズを示すが、いともたやすくどれも弾いて見せるのが凄い。
   ザッパの曲って、本人にとって充分再現可能な曲なんだ。
   てっきり譜面のみで成立させ、奏者のテクニックに依存してたと誤解してた。

   こんなの出てたとは。J・マスシスのジョン・ピール・セッション盤。
   鬼籍に入ったピールだが、未発表音源ってまだこれから出るのかな。
   本盤のリリースは2003年にお膝元のStrange Fruitより。
   余談だが、アナログ時代の文字がいっぱいなジャケットデザインを
   復活させて欲しいなあ。
   中身は、00/12/13にFogとのバンド編成で5曲。あとは弾き語り。
   02/11/20のセッションから4曲、02/9/13より1曲(これのみBBC 6向録音)。
287・J Mascis:The John Peel Sessions:
☆☆☆
   録音の関係か、バンドよりもソロ演奏のほうがぐっとくる。
   延々とギターソロが続く轟音がかっこいいな。
   Jのボーカルは時にヘナチョコだけど、ギターの説得力は文句なし。
   特にアコギでの曲がいい。誰のカバーか知らないが"I feel I like going home"がしみた。
   "If That's how it's gotta be"もばっちり。

   ゲイリー・アッシャーが1970年の1月に、ビーチ・ボーイズの
   楽曲をインストで録音していた。Smileの楽曲も含まれている。
   けっこう力がこもった演奏っぽい。
   2004年にひょこっとリイシュー(というか、初リリース)された一枚。
   邦盤も出てるが、買ったのは米Sonic Past盤のほう。
286・Gary Usher:Smile for me - A symphonic tribute to Brian Wilson:☆★
   アレンジがやっぱ違う。コードを変えてるのか、響きに違和感あり。
   ゲイリー・アッシャーですら、ブライアンのテイストを出せないのか。
   たんなるムード・ミュージックにはなってない。
   しかし・・・まあ、物足りなさが残る。
  
   フィラデルフィアを代表するソウル・グループ、といいたい。
   実際にはデルフォニックスやスタイリスティックスに代表されるが。
   (スタイリスティックスはニュージャージーだっけ?)
   今までベスト盤でしか、彼らを聴いたことないんです。
   本盤のプロデュースはギャンブル&ハフの黄金コンビ。
   1974年にATCOからリリースされたデビュー盤。
   90年頃に日本で再発された盤を買った。
   彼らのオリジナル盤も、今CDで聴けないはず。再発されないかな。
285・The Blue Magic:The Blue Magic:
☆☆☆☆
   アレンジがばっちり。歌や演奏は素朴なとこがあるものの
   心地よく胸へ入ってくる。(4)がとても好き。
   どの曲もハイハットが大きめにミックスされている。モータウンの影響?
   本盤は当時のシングルを集めて、2曲を新録したもの。
   だから潜在的にベスト盤のポテンシャルを持ってると言える。強引かな。
   いいアルバムなんだよ。ヒットしてないシングルが入ってたとしても。
   フィラデルフィア・ソウルのファンに、自信持って薦めたい。
   ・・・って、とっくに聴いてるかな。

   ビートルズのあおりを食って失速してしまったディオンは、
   1968年に「Abraham,Martin and John」のヒットで復活した。
   その勢いのままに、ワーナーへ移籍。フォーク・ロック調で作った
   70年と71年のアルバム2枚を1枚にまとめたCDが、英ACEから
   2001年にリイシューされた。
284・Dion:Sit down old friend / You're not alone:☆☆☆
   "sit"~はギターの弾き語り。シンガーの盤ながら、フォークのような
   センチメンタリズムに流れない。そのぶん、ストイックさが漂って
   聴いててつらくなることすらも。"You're~"のほうが馴染みやすいかな。
   ビートルズのカバーなど、ベタに甘いところが難点だが。
   しかし。基本はディオン。伸びやかに張り上げる声が、とても心地よい。
   地味ながら、噛み締めると味が出る好盤。

   ルナが新譜を出しました。もうすぐデーモン&ナオミも出ます。
   ギャラクシー500の分派としては、D&N派なぼくだけど。
   やっぱりルナも聴きたいです。スタジオ録音として7thにあたる。2年ぶりのリリースか。
283・Luna:Rendezvous:
☆☆★
   ルー・リードからの影響をそこかしこに感じた。もちろん
   ルナらしく漂う空気も健在。(6)が好き。
   落ち着いたイメージが強いアルバムだ。
   枯れたわけではなく、穏やかに視線を下に立ち尽くす。

   ジャズの名盤として名高い一枚。「買いました」って報告するのが
   「サキコロ」や「モーニン」と並んで、あたりをはばかる一枚じゃないでしょうか。
   ジャズを知らないならまだしも、えらそうに「ジャズが好き」って言ってるわけだしさぁ。
   高校の頃、父親のLPで聴いてた。でも、それ以来。かれこれ20年ぶりに聴き返す。
   ご存じない方のために、簡単に解説を。
   ビル・エヴァンスの最高傑作と評価された、ピアノ・トリオです。
   リリースは1960年で、サイドメンはスコット・ラファロ(b)とポール・モチアン(ds)。
   とにかく「枯葉」のイメージが強い。当時は西海岸の上品なジャズって思い込んでた。
   でも改めて見たら、NY録音なんだ。1959年12月28年に製作。リバーサイドからのリリース。
   今回は1987年に米Fantacyでのりマスター盤を購入。ボートラで枯葉の別テイクほか2曲を収録してる。
282・Bill Evance Trio:Portrait in Jazz:
☆☆☆☆
   端整なスリルと緊迫が味わえる。スイングよりも
   とうとうと流れる広い川をイメージした。
   穏やかな響きながら、そこかしこのインタープレイに惹かれる。
   聴くたびにわずかなベースのフレーズやピアノとの絡みに耳がいく。
   いつも、違うポイントで。もっと聴かなくちゃ。

   ジャッキー・マクリーン(as)のキャリアでは初期にあたる一枚か。
   タイトルは四重、五重、六重奏の意味を指す。プレスティッジよりリリース。
   ハンク・モブレー(ts)やドナルド・バード(tp)らを集めて
   小粋なジャズをやったって一枚かな?
   マル・ウオルドロン(p)の参加がどう働いてるか、だ。まだ聴いてませんので。
   録音は1956年。1991年にFantacyでリマスターされたCDを買った。
281・Jackie McLean:4, 5 and 6:
☆☆
   なんだか軽やかなモダン・ジャズ。切迫した雰囲気無しに
   おしゃれな空気が漂う。アーサー・テイラーのドラムが
   のんきにビートを刻んでるよ。
   ロマンティックなサックスは、最後の"Abstraction"で聴ける。
   ふっと煙るムードが素晴らしい。

   「ドロレス・ケーンの後継者」のオビにつられ、とりあえず買った一枚。
   これが3作目にあたるそう。リリースは99年。
   ちなみにこのスペルで。ニーヴ・パーソンズと読むらしい。
   日本盤も同時期のリリースかな?当時はトラッドやケルトに力を入れてた、MSI盤を購入。
280・Niamh Parsons:Blackbirds & Thrushes:
☆☆☆★
   バンド・アレンジの曲で全体をサンドイッチしてるが、基本は素朴な
   伴奏のみ。完全アカペラもしばしばある。だけど孤独に聴こえないのが
   本人の実力だろう。凛と背筋が伸びてるのに、優しさがある。
   かなり取っつき悪いトラッド盤になりかねないのに、聴いてて楽しい。
   清清しさが素晴らしいボーカル・アルバムだ。

   「70年代サイケフォーク」のオビにつられ、とりあえず買った一枚。
   つられっぱなしだな、おれ。日本盤ライナーを読むと、現役バンドでした。
   トラッドでなくオリジナルを演奏するかれらが、99年にリリースした
   2ndがこれ。ケルトの影響を受けてるらしい。日本盤はヴィヴィッドから2001年にリリース。
279・Mary Jane:The Gates of Silent Memory:☆★
   トラッド風味のアコースティック・サイケ。爽やかな
   女性ボーカルで和めるが、ボトム部分の演奏があまりにするっと流れてしまう。
   ぼくは泥臭さをもっと求めてるのかな。トラッドを聞き込まないと
   うまく魅力をつかめないのかも。耳ざわりは快適です。
 
   フィル・コリンズがとことんヒット曲志向になったのはこの盤から。
   1985年のリリース。当時はむちゃくちゃ聴いたよ、これ。
   ジェネシス出身、って言うのが虚しくなるのがこの頃だった。
   そのうちジェネシスも堂々のシンフォ・ポップスになったけれど。
   いつのCD化かな。書いてないや。85年にCDってもうあったっけ?
   ピーガブが1曲で参加、ホーン隊はAW&F、さらに"One more night"で
   フィルがデモで使ったリズム・ボックスRoland 808をそのまま使った、ってのが
   当時の話題だったと記憶してる。
   CD版は"He said Hellow Goodbye"が一曲多い。これも15年ぶりくらいで聴きかえすな。
278・Phil Colins:No Jacket Required:
☆☆☆
   ぼくにとって懐メロ。だから冷静に評価はしづらいや。
   どの曲もキャッチーなフックがあり、良く出来たポップスだと思う。
   ドラムや分厚いシンセは古臭いが、当時はこれがかっこよかったっけ。
   しかしアルバム全部聴きとおすのは辛いな。たまに一曲、味わうくらいが
   ちょうどよさそう。(11)は初めて聴いたが、仰々しいクラシカルな
   アレンジながら、まあまあ聴かせる。
   A面の出来がとにかく良いね。フィルのバタバタしたドラミングも聴けるし。

04/12/11   ここ最近買ったCDをまとめます。忙しくて聴けやしない。がんばろ。

   メルツバウの新譜。Nordvargrとの共演かな。
   スウェーデンと東京の両方で録音されている。
277・Merzbow vs Nordvargr:Partikel:
☆★
   派手なハーシュノイズを期待すると、あて外れ。むしろメルツバウの
   ことは忘れ、純粋なエレクトロニカとして聴いたほうが楽しめる。
   しかしこれ、ほんとうに秋田昌美が参加してるのか。音素材提供のみでは?
   リズムの残骸を配置した上で、スペイシーな電子音が控えめに舞う。

   これもメルツバウの新譜。軍鶏がテーマのCDみたい。
   2003年に自宅で録音された音源で、メルツバウはマックのほかに
   ギターとEMSシンセを使用してる。
   コーラスでチャボのヨシノ&ヨノスケのクレジットあり。
   この二匹が彼の飼ってるチャボの名前じゃないかな。
   限定盤で豪華付録付のバージョンもあるが、通常盤を購入した。
   というより豪華版は日本に一体何セット入ったんだろう。
276・Merzbow:Sha mo 3000:
☆☆☆★
   ハーシュノイズ一辺倒でなく、日本情緒を漂わすノイズがユニーク。
   最後の曲でのひねったギター・ソロも痛快だ。
   メルツバウとしては異色な音世界だろう。そのぶん、主義主張が
   前面に出たというべきか。すみずみまで秋田の目が行き届いた傑作。
   今後の動向へも影響を及ぼしかねない、重要作の予感がする。
   プレスの調子がCDプレイヤーと合わず、ラスト1分が聴けない。悔しいなあ。

   91年にアルケミーからリリースされたメルツバウの盤。
   買いそびれてました、これ。
   ZSFスタジオでの録音に89年、90年のライブ音源をミックスした。
275・Merzbow:Rainbow Electronics:
☆☆☆
   70分以上一本勝負なので、気軽に聴けないのが辛い。
   適当でいいからいくつか区切ってくれたら、断片をランダムに聞けるのに。
   メルツバウとしてはノイズへ没入して聴くことを期待してるんだろう。
   さまざまな断片を一気に繋ぎ、メドレー形式の音絵巻を作った。
   いろんな要素が顔を覗かすので、ここまでのメルツバウのベスト盤としても聴けそう。
   どこか気だるげなムードなのが不思議。

   たぶん92年に大阪のレーベルからリリースされた、日本ノイズの
   コンピ盤。メルツバウが参加してたので購入した。
   今見るとC.C.C.C、インキャパ、マゾンナ、暴力温泉芸者など
   初期ノイズ界のそうそうたるメンバーによる壮烈な盤になっている。
274・V.A.:Noise forest:
☆☆
   メルツバウのバラエティに富んだノイズへまず耳が行く。
   それぞれが力のこもったノイズだと思うが、なぜかテイストが似ている。
   なんだかのっぺり淡々としたイメージ。しかし顔ぶれに惹かれて
   買っても、けして損はしない。ジャパノイズに興味を持った人にも
   格好の入門盤だろう。暴力温泉芸者の脱力感がめだって面白かった。

   メルツバウ関係で購入。ひょっこり見つけたコンピ盤だ。
   コンピ盤にメルツバウは、いったいどのくらい参加してるのか。
   リリースへ至る詳しい情報はよくわからない。
   オーストラリアのレーベルから、97年にリリースされた様子。
   たぶんメルツバウは本盤のために新たな曲を提供してる。
   他のミュージシャンは知らない人ばかり。現地のミュージシャンかな?
273・V.A.:The Rebirth Of Fool CD:

   トラックが40にも区切られ、どこから誰の曲が始まるのかさっぱりわからない。
   だって、ミュージシャンらしきクレジットは20人分しかないんだもの。
   ノイズからへなちょこポップ、テクノ崩れ。音響系ぽいものまで
   玉石混交で詰め込まれる。埃だらけのオモチャ箱みたい。
   特に目当てのミュージシャンがない限り、手を出す必要はない盤でしょう。
   たまーに面白いトラックもあるんだけどね。

   日本のノイズ奏者Aubeのループをもとに、さまざまなノイジシャンが
   リミックスを行った2枚組。メルツバウが参加してるのを知って購入する。
   2001年にイギリスのレーベルから発売された。
272・V.A.:Rewriting the book:
☆☆☆★
   コンセプトはかなり凝ったものなんだろう。けれどそんなことを
   何も意識しなくたって、極上のエレクトロ・ノイズとして
   楽しめる作品。様々なミュージシャンのアプローチが一つのコンセプトに
   収斂したことで、バラエティと奔放さが上手い具合に統一されて
   飽きずに楽しめる。2枚組のみっちりなボリュームなので、気軽に
   ほいほい聴きづらい。しかし対峙すると、酩酊するごとく揺らぐ
   刺激的な音楽にしびれる。

   大阪で活動してるってイメージのある、Hemlenの1stCDが出た。
   ライブ聴いてみたいんだよねー。
   メンバーは恵良真理(vib)、植村昌広(ds)、古太郎(g b)。
   オビのアオリには"爆走メタル・ジャズ・ロック"とある。
   11曲収録で、メンバーそれぞれが平等に曲を提供した。
   音源は2004/3/20と/21のネガポジで録音。どちらかの日はライブ
   だったらしく、ライブ音源も5曲収録されている。
271・Hemlen:Iron man:
☆☆☆
   めちゃめちゃ複雑なことをさらっと演奏してる。メロディを控えめに
   リズムの交錯に重きを置いた。
   前へ前へぐいぐい押す。きっちりタイトなビートに慣れると
   ずぶずぶハマる。取っつきは悪い。聞くほどに、練られた音の味わいが増す。

   ホーン二管のインストをやる日本のバンド。これがデビュー盤。
   収録されてるのはたった二曲。長尺で音が積み重なる。2001年リリース。
   バンド名もタイトルもシンプルだから、アマゾンで探すの手こずった。
270・Group:Record:
☆☆☆☆
   シンプルなフレーズが積み重なって、柔らかで心地よいうねりを作る。
   ソロを前面に出さず、あくまでアンサンブル志向。テクニックは
   ところどころ危なっかしく、揺らぎもするけれど。
   それが親しみやすさとなる穏やかな響き。
   ジャズではなく、あくまでロックのイディオムを使い、
   かといってプログレでもない。
   寛ぎたいときにぴったりの長尺が二曲。すごいデビュー盤だ。ライブ聴きたいな。

   イギリスのレーベル"K-tel"から2003年にリリースされた、
   ヘンテコな廉価クリスマス盤。
   スペクターのオマージュとして、クリスマス・ソングを16曲
   演奏してる。スペクターの"Christmas Baby"もカバー。
   ミュージシャンのクレジットがないので、どういう人たちかは不明。
   ざっと聴いた限りだと、大編成じゃなくてエコーで厚みを出してるみたい。
269・K-tel prisents:Christmas The Phil Spector way:
☆☆★
   BGMとして最適の一枚でしょう。スレイベルの単調な連打に、飽きるかな。
   スペクターのクリスマス・アルバムそのものをパロっている。
   "Silent night"にはしっかり語り入りです。
   でも全体的に愛情が感じられて悪くない盤。
   じっくり聴き比べたら、ほかにも小技があるかもね。
   ストリングスがシンセで悲しい。安っぽくって。まあ、廉価盤だし、しかたないか。
   スペクターのクリスマスアルバムをまず聴くべき。なんといっても。
   代用品としてでも、本盤を使うべきじゃない。
   しかしあくまでジョーク盤として、BGMとして使うなら面白いアルバム。

   プリンスの最新シングルの英盤。カップリングがこのシングルで
   しか聴けない曲で"Dear Mr.Man"のNYでのライブに、同曲のビデオを収録。
   さらにスタジオ録音"United States of Division"まで詰め込んだお徳盤だ。
268・Prince:Chinnamon girl(Single):
☆☆☆★
   タイトル曲はシンプルな小品だと思ってたが、シングルで改めて聴くといい曲。
   ミドルテンポでざくざく押す低音がいかしてる。アレンジもさりげなく凝ってるしね。
   このシングルはカップリング曲のビデオ付が売り。
   音だけだと単調なファンクなのに、映像で見るとぐっと迫力が増す。
   ステージギリギリに客が押し寄せてるが、当て振りでも
   なさそう・・・何か特別なイベントの映像なんだろうか。
   もう一曲の"United States of Division"に惹かれる。
   さらにシンプルなファンクだけど、なんとも味がある。
   ほとんどコード展開せずに、風景を微妙に変える"サイン・オブ・ザ・タイムズ"の
   進化形といえる曲。絶賛するにはちょいとパンチ力が足りないが・・・。

   ブラジルのミルトン・ナシメントをじっくり聴きたくて、
   あれこれ旧譜を買ってみた。これは82年に出た一枚。
   資料本によると彼の全盛期の時期らしい。
267・Milton Nascimento:Anima:
☆☆☆★
   コンセプト・アルバムなの?プログレまで行きそうな
   大仰なアレンジもある。ブラジルの風味はもちろん残ってるが。
   演奏も良く練られてる充実盤。全編を通しての緊張感が、ときに
   辛くなってしまうほど。ベストはカエターノ・ヴェローゾがゲストで
   参加した(6)かな。軽やかにリズムが膨らむ(3)や小粋な(9)も良い。

   70年に発表された作品へ、ボートラを4曲追加。
   日本盤を買ったので、解説もあり。知識不足なのでありがたい。
266・Milton Nascimento:Milton:
☆☆
   よく練られたアルバムだと思う。馴染みづらいのは、たぶんぼくが
   ミルトンの音楽に慣れてないからだろう。(4)、(6)あたりが気に入った。
   しかしミックスが極端だな。センターに音がないもの。擬似ステだろうか。
   ほのぼのした音世界ながら、妙な緊張感あり。
   ボートラは同年のEPで発売された"Tostao a fera de ouro"を前曲収録。
   サッカーをテーマにした映画のサントラだそう。
   勇ましいかと思いきや、なんとも気が抜けたほのぼのムードが面白かった。

   ジャケにはアコギを弾くミルトンの写真が。ライブ盤だと思ったら、
   歓声はかけらもなし。どうやらベスト盤みたい。
   1992年にZillionなるレーベルから発売された。
   作曲者以外にクレジットも何もない。いいかげんだなー、もー。
265・Milton Nascimento:Tres Pontas:
☆★
   曲それぞれのクオリティは高く、ミルトンの音楽を楽しめる。さすがベスト盤。
   しかしクレジットもろくにないジャケはまったくダメ。
   売らんかなのベスト盤ではなく、ミュージシャンへの興味を深める
   愛情あるコンピを出して欲しいな。

   着ぐるみで足踏みオルガンの弾き語りをするJon(犬)の新作は
   2枚セット。Jon(犬)による各種ミュージシャンのカバー集と、
   そのミュージシャンによるJon(犬)のカバー集。
   これはカバー集のほう。高円寺の円盤からリリースされた。
   参加ミュージシャンは吉田達也や三上寛、栗コーダー・カルテット、
   高橋敏行、サエキけんぞう、あがた森魚、割礼、Harpyなど多種多彩だ。
264・V.A.:ジョン(犬)へ、たっこむdisc:
☆☆★
   各種ミュージシャンが参加することで、アレンジに幅が出た。
   どの曲もJonのイメージを念頭に置いてるため、統一感ありつつ
   バラエティに富んだ曲想が楽しめる好盤。
   しあし"二つのつぶ"を並べた曲順はいただけない。
   曲がかぶってもかまわない。だけど、もっと離して配置してほしかった。
   珍しいテイクもあり、Jonを語るに欠かせない一枚になるだろう。
   記念盤としてだけで語るには奥が濃い。

   月間リリースなジョン・ゾーンの誕生日シリーズ第8弾。
   CD一枚に2003/9/22のライブ二セットを丸ごと詰め込んだ。
   ずいぶん短いライブだったんだな、その日は。
   1stセットがIbarraと、2ndがSmithとのデュオだった。
263・John Zorn:Smith/Ibarra/Zorn:
☆☆
   たぶんその場にいたほうが、即興の醍醐味を味わえる。そんな音だ。
   ノイジー一辺倒ではないが、それぞれが手癖の音を
   噛み合せた印象ある。前半がドラムとのデュオ。後半にペットとデュオ。
   そして(7)からドラムも加わったトリオになる。
  この(7)での8~10分あたりはスリリングだった。

   レコ屋でポップ買い。サイケ・トラッドかな。
   メインは女性ボーカルだと思う。詳しい経歴は不明。2002年の録音。
262・The Iditarod and Sharron Kraus:Yuletide:
☆☆
   ここまでサイケな個性を築くなら、もはやトラッドと括る必要性も希薄だな。
   一本線のトラッドのメロディが、逆に浮遊感をあおって新鮮。
   明確なビートをあえて排除し、霧の中を漂う空気が心地よい。

   ジャズのバリトン奏者、サヒブ・シハブがデンマークの
   Oktavレーベルへ吹き込んだ盤。
   オリジナルはかなりのレア盤らしい。1965年の録音になる。
   これは澤野工房が2001年にリイシューしたCDです。
   現地のミュージシャンを集め、17人編成のビッグバンドで演奏してる。
261・Sahib Shihab:The Danish radio jazz group:
☆☆☆★
   大編成なのにどこかまとまって、こじんまりした風景がある。
   破綻はないが、整いが統一感を産み、心地よいジャズになっている。
   おっとりしてるのは、ヨーロッパ特有なのかな。
   スポンジのようなジャズ。さわり心地は柔らかく、興味を注ぐほどに味が染み出る。

   のちにシカラムータへ展開する大熊亘、坂本弘道などが参加したバンド。
   パンゴの向島ゆりこもメンバーだったようだ。
   ゲストには関島岳郎の名前もある。
   曲は全て木村真哉のペンによる。90年代前半に吉祥寺のライブハウスの
   スケジュールで、彼らの名前を見かけた記憶ある。間違ってなければ。
   当時、ライブを聴いておけば良かったな。
   これは1994年にオフノートから発売されたCD。
260・へぼ詩人の蜂蜜酒:RELIABLE FICTIONS:
☆☆
   もっとSSWっぽいと予想してたが、サウンドはドラムがタイトで
   NWっぽいアプローチも強く感じた。Mr.クリスマスと通じる点もあり。
   爽やかなメロディの歌モノもいいが、なんだか雪崩れるような切ない
   勢いのインストにも惹かれた。
   毒気は薄められ、すっきり整ったアルバムに仕上げてる。

   Pファンクはここから始まった。パーラの1stは1971年のリリース。
   本盤は2001年のリイシューでCastle系列のSanctuaryレーベルからの
   発売。ボートラが7曲もあり、当時のシングル曲などを収録。
   副題で"Invictus時代の完全版"って謳ってる。
259・Parliament:Osmium:
☆☆☆☆
   こりゃー、かっこいいわ。パーラとしては1stだが、この年にファンカで2枚リリース。
   さらに翌年は"マゴット・ブレイン"を出そうとした年。すでにクリントンの視線はブレてない。
   パーラでやりたかったのは、よりポップ路線なのか。ザッパの影響を
   ひしひしと感じる。ころころテンポが変わり、曲途中で編集され・・・
   大編成の強みをぐっと生かし、サイケ風味を存分にまぶした奇妙な香りの
   音楽は魅力が山盛りだ。ファンクの太さはあるものの、R&Bのイメージがまだ強いな。
   CDとしてはマスタリングも音が太いし、ボートラも充実。お買い得でしょう。

   オージェイズの全盛期といえば70年代前半。ギャンブル=ハフや
   ジョージ・カーらとスウィート・ソウルを組上げたころだろうか。
   このコンピはその前史。ベル・レーベル時代の音源を集めており、
   5曲の未発表曲も発掘した。プロデュースは、ほぼすべて
   ジョージ・カーがつとめてる。
   2002年にサンデイズドがリイシューした盤を、邦Solidがオビと解説
   をつけて輸入した盤を手に入れた。
258・The O'Jays:I'll be sweeter tomorrow:
☆☆☆★
   濃密で荒削りなソウルだ。ゴージャスなアレンジなのに、ノーザンぽさが
   ぷんぷん染み出てくる。ボーナス曲も凄い。
   ストリングスたんまりなのに、こんな熱くなるなんて。
   オージェイズのパワフルさを実感した一枚。
   ニュージャージーのイナタさを跳ね返してる。ただしオリジナリティって点では中途半端か。

   詳しい経歴は分からない。ディスコ・ソウルかなあ?
   1979年にリリースされたものを、1990年に米Fantacyがリイシューした。
   元はLP2枚組かな?9人編成の大所帯なので、ファンクっぽくて
   面白いかなと期待して購入。
257・Sylvester:Living Proof:

   単なるディスコ・ソウル。申し訳ないけど、魅力や個性に欠ける。
   かといってBGMって感じでもない。なまじライブ盤で、パワーが
   あるせいかな。曲はオリジナルとカバーが半々。
   積極的に薦めたくなる盤じゃないです。弦も管も入った演奏はそこそこ悪くない。
   録音は1979年3月11日、サンフランシスコで行われたライブ。

   レコ屋のポップに惹かれて買ってみる。女性3人の西海岸アイドル・ラップ。
   プロデューサーがドクター・ドレです。1988年発売。当時ヒットしたのかは
   よくわかってません。
256・J.J.Fad:Supersonic:
   今聴くと単調で古臭いラップ。特に前半が辛い。
   まあまあ楽しかったのは(6)かな。メロディアスにライムする
   センスがあるメンバーと、無いメンバーがいる様だ。
   (10)あたりもふっと耳を引くけど・・・あえて買うべき
   盤でもなさそう。残念ながら。

   ミックスCDが無性に聴きたくてね~。ユニオンで目に付いたのを
   買ってみました。ソウルかと期待したら、ダンスホール・レゲエの
   ミックスCDみたい。ミキサーの名前はクレジットないなあ。
255・V.A.(Mix-CD):Bubble & wine Volume 4:

   なんかバカっぽい音楽が続いて疲れる・・・
   ジャンルで言えばレゲエかハウスなの?ひさしぶりに脱力してしまった。

2004年11月

04/11/23   あちこちから入手したCDをまとめて書きます。

   ファンクラブ向でリリース(一般購入も可能)された、"Wild Honey"盤。
   山下達郎が他の歌手へ提供した作品から「なるべくCD化されてないやつ」を
   中心に選曲された。Vol.1と銘打ってるが、契約交渉が難しいらしく第二弾あるか不明。
   フランク永井"Woman"、アン・ルイス"恋のブギ・ウギ・トレイン"他を収録した。
254・山下達郎:The works of Taturo Yamashita Vol.1:☆★
   前半は録音も含めて達郎が関与。つまり、達郎のアルバムとまったく
   変わらない音のはず。ミュージシャンも達郎バンドだもの。
   だけど、どこか違う。音のパンチ力というか・・・フランク永井ですら
   達郎の歌を歌いこなせてない。むしろCDの後半、達郎が作品提供のみで
   何も絡んでないほうが、レベルの差が標準化されて聴きやすいという
   皮肉な結果になっている。
   椎名和夫が変則的な達郎バンドで演奏した桜田純子"センチメンタル・ボーイ"などが面白かった。
   これを聴いたあと、達郎の作品を聞きたくなる。

   今年リリースのこれ盤が2ndにあたる。二管編成のクインテットによる
   インスト・バンド。ジャズというよりクラブ・ジャム系だろうか?
   経歴をよく知らない。サンプラーで"And"を聴き、とにかくもっと聞きたくなった。
   バンド名が"Group"だから、アマゾンで検索するのに一苦労でした。
253・Group:Before Turning Off the Light:
☆☆☆★
   本質的なダンス・ミュージックではない。そこまでビートがきつくない。
   前衛な淡々とした音楽を狙ってるわけでもなさそうだ。
   あくまで耳なじみよく、フレーズを積み重ねたロック。
   かといってプログレみたいな教条主義もなさそう。
   あらゆる意味でルーツ臭が希薄。音が重なり、世界の輪郭がくっきりする。
   孤立したような独自感が心地よい。ライブではもっと派手かな。
   CDでは耳を思いっきり支配するBGMのような音楽で楽しめた。

   元ゾンビーズのコリン・ブランストーンとロッド・アージェントが
   ゾンビーズ名義で新譜を出した。リズム隊は2002年の来日公演時と
   同じメンバーのようだ。
   前作の邦盤ボートラだった"I want to fly"やコリンのセルフ・カバーな
   "I don't believe in miracles"なども収録。
   ワーナー(ライノ)が配給する米盤を買った。
252・The Zombies:As far as I can see...:
☆☆☆☆
   すばらしい。上質の大人なブリティッシュ・ポップに仕上がってる。
   ここに先駆者としての音楽はない。しかし自分のキャリアを背負った
   プライドをもって、着実に音を積み上げるポップスがある。
   バンドと銘打つだけあって、アンサンブルもしっかりしてるな。
   ライナーにあるロッド・アージェントの前書きが自分らの位置づけを
   誠実に、率直に語ってる。往年の喉は若干衰えてるかもしれない。
   だけど来日公演で感じた不安定さは払拭されてる。
   休日の昼下がり、寛いで聴くにはぴったりのポップスだ。

   先日鬼籍に入ったODBが在籍してた、NYのラップ・グループ、ウー・タン・クランの
   初ライブ作。9人のメンバーが総力戦でラップするステージは、
   ぜひ聴いてみたかった。2004年7月17日にカリフォルニアの
   サン・バーディノで行われたライブを収録。
   Chapter 1ってことは、まだ続くのかな。
   基本はトラックをカラオケで流し、その上でラップするスタイルみたい。
251・Wu-tang Clan:Disciples of the 36 chambers;Chapter 1:
☆☆☆
   ライブでの熱気が伝わってきて、むちゃくちゃ楽しめた。
   ただ、英語分からないから、たぶん半分以下しか楽しめてないと思う。
   ウーのメンバーが入れ替わりたちかわり、総力戦でラップする
   押しの迫力がすごい。惜しむらくはバックトラックが
   妙にオフなこと。(27)くらいのヌケが全編通じて聴けたなら
   もっといい盤になってたはず。ウーだけでなく、無論ソロからも選曲されてる。
   つまり格好のベスト盤、入門盤になってたはずだ。

   アルバム"Musicolozy"からの第二弾シングル。
   これは米NPG盤。アルバム・バージョンにPVとPVのメイキングが
   入ってる。監督と主演女優(ってほどでもないが)のインタビューだ。
   英版シングルは、アルバム未収録曲2曲(内1曲はライブテイク)らしい。
   そっちも買わなくては。あああ。
250・Prince:Cinnamon girl(single):

   黒人女性ソウルシンガーで、ゴスペルやジャズの影響をふんだんに取り込んだ
   歌を聴かせる。ベツヘレム・レーベルへ吹き込んだデビュー盤へ、
   同時期のセッション曲4曲をボーナス収録したCDを購入した。
   オリジナル盤は1958年の発表。このCDは2002年に発売された。
249・Nina Simone:Jazz as played in an exclusive side street club:
☆☆☆☆
   代表曲は"My baby Just cares for me"や"I love you Porgy"だそう。
   しかしその曲以外の魅力に惹かれた。どろっとした
   滴るボーカルが、そっけないシンプルなピアノに導かれて漂う。
   夜闇と酒とタバコが欲しくなる、素敵な歌声だ。
   もとはクラシック・ピアノを目指してたという、バッハ風のピアノも
   何曲かで聴ける。しかしこれは素直に評価しづらい。ニーナには
   申し訳ないが、歌声の凄みのほうが、ずっと魅力的だから・・・。
   じっくり味わいたい一枚。

   ポーティス・ヘッドって今まで聴いたことなかった。
   トリップ・ホップって言うんですか?こういうの。
   1997年にGo!beatレーベルからリリースされた2nd。
   モノクロを多用し、サントラ風のデザインを採用した。
248・Portishead:Portishead:

   なんとも沈鬱なムードがそこかしこで漂う。徹底して密室さを追及したら
   ぼくの好みだと思う。だけど大ホールでのライブを意識したかのような、
   音圧高いバックの演奏が、立ち尽くす女性の声、すなわちベス・ギボンズの
   歌となんともアンマッチに聴こえてならない。
   むしろ徹底的にヒップホップ寄りの(9)のほうが素直に聴けたな。
   不安定な奥行きの凄みが滲む(11)もスリルがあった。

   ディック・ガーハンはトラッド系では有名な名ボーカリストだそう。
   ジャケにぴんときて買った。これは1996年のソロ13作目。
   自作とカバーと半々くらいか。ストーンズの"Ruby Thesday"をカバーしてる。
247・Dick Gaughan:+ sail on:
☆★
   散漫な印象を受ける。しかし、それぞれの曲は味わい深いから
   たちが悪い。なんでぼくは本盤を素直に楽しめないんだろう。
   一曲一曲は、かなり気持ちいいんだよ。
   伸びやかな喉も気持ちいいし、トラッドとロックを行き来する
   アレンジでの演奏も気持ちいい。買って損はない。
   しかし・・・のめりこめない。まだぼくの耳が、充分に成長してないってことか。

   なんだか気になって購入。レゲエは詳しくないもので。
   ローリング・ストーンズ・レーベルからの3作目で、ソロの5作目かな?
   この盤を最後にスライ&ロビーがバンドから去ったという。1981年発売。
246・Peter Tosh:Wanted Dread & Alive:
☆☆
   レゲエをさほど聴いてこないぼくには、比較対照がない。
   ダンス向けの軟弱さも、世界に異を唱える先鋭さもない
   中庸のレゲエだな、って印象。アンサンブルはそれなりにタイトだ。
   しかし。一番気に入った曲が(9)のレゲエじゃないバラード
   なんだから。ぼくにこのアルバムを語る資格はなさそうだ。
   でも(9)はいい曲だよ。オルガンとフルートのアンサンブルにぐっときました。

04/11/7   なんだかレコード屋に行くのはひさしぶり。

   メルツバウの新譜や旧譜をあれこれ見つけた。

   The new blockadersの音源を使用し、メルツバウが構築した作品。
   同音源を使用した盤に10インチの"Oumagatoki"もある。
   オフィシャルHPによれば菜食主義とアニマル・ライツがテーマだそう。
   2004年リリースで、500枚限定盤。特殊プラケース入り。
245・Merzbow+The New Blockaders:The ten foot square hut:
☆☆☆☆
   轟音と呼ぶにはすがすがしいノイズが二曲。
   ストイックな雰囲気が漂う。ボリュームを上げるほどに魅力が増す。
   じっくり耳にして、寛ぎたい。音圧あるから、リラックスには工夫いるはずだが。
   いさぎよさが心地よい、メルツバウの傑作。

   ドイツ(たぶん)のレーベルから出たコンピ。スイスのハードコア・バンド、
   "FEAR OF GOD"のトリビュート盤らしい。一曲を短くして、69曲入り。
   世界からさまざまなノイズ・ミュージシャンが参加してる。2004年発売。
   メルツバウも小品を一曲、提供した。
244・V.A.:THE END OF THE FEAR OF GOD BY VARIOUS ARTISTS:

   Fear of Godを知らないと、面白さ半減だろう、こういう盤は。
   ぼくは残念ながら未聴なため、電子ノイズのサンプラーみたいな気分で聴いていた。
   根本的に前衛で鋭い作品がないため、聴いてて飽きる。
   だけどノイズ・ミュージシャンが大挙して参加してるので、各人の手管を
   聴き比べするにはいいかも。

   ベルギーのSub Rosaから出たノイズ系のコンピの新譜。
   啓蒙的な観点から作ってるのか、やけに丁寧な解説(英文)が
   ついている。コンピそのものは1952年から2004年までの概括だが、
   メルツバウは新曲を一曲提供した。
243・V.A.:An anthology of noise & Electronic music/Third a-chronelogy 1952-2004:

   静か目のエレクトロ・ノイズが続く。BGMにはいいが、通して聴くには
   集中力が続かず、なかなか辛い。しかし詳細な英文ライナーは
   知識を深めるに良さそうだ。まだぜんぜん読めていないが・・・。
   メルツバウは1曲の新録を提供した。詳細は本サイト"Merzbow"のコーナーに記したとおり。
   アカデミックに聴くべきではないと思うが、ついそういった
   真剣な視点を必要とされるアンソロジーだ。
   音響系のノイズが好きな人にお薦め。

   91年に発売。今まで持ってなかったんです。
   「緊美研」という集まり(SM関係の集まりかな?)の
   縛り撮影用のライブ音源と、ビデオのサントラを再構築した盤だそう。
   96年に同シリーズの2作目が発表されている。豪州からの発売。
242・Merzbow:Music for Bondage performance:
☆☆☆★
   轟音ではない。静かなテープ・コラージュ中心。
   しかし猛烈なスリルがじわじわと押し寄せる快演。
   比較的短めの曲が多いが、最後の30分近くにわたって
   繰り広げる、エコーまみれのメタル・パーカッションの凄みが素晴らしい。

   何年も前にアメリカでリリースされた、MERZBOWへのトリビュート盤。
   今まで買いそびれてました。メルツバウは参加してないが、
   いったいどうカバーしてるのか聴き比べも一興だろう。
241・V.A.:America Salutes Merzbow:
☆☆
   ノイズのコンピ盤として聴けば、いろんなタイプのノイズが詰まってて楽しめる。
   メルツバウの曲を覚えてるわけじゃないから、どのくらいオマージュで
   カバーをしてるのかが、よくわからない。恥ずかしながら。
   一ついえるのは、たとえハーシュ・ノイズを使ってたとしても、メルツバウの凄みは再現できてない。
   あくまで、ハーシュがうごめくのみ。プラスアルファの音の厚みももっと欲しいな。
   メルツバウを愛したミュージシャンによる、コンピ集としてのんびり聴きましょう。
   ま、音はそれなりにハードです。でかい音で聴けば。

   Guided by Voicesのからみで買った。
   米Matadorレーベルの15周年記念でリリースされた新譜。
   CDが2枚にDVDが2枚。このレーベルの常として、1枚は丸ごと
   レアトラック集になってる。
   GbVの観点で見ると、"Earthquake Glue"から"My kind of soldier"を、
   レア音源で英盤シングル所収の"Free of the world"をセレクト。
   GbV目当てで買う盤じゃない。そもそもこのレーベルは、面白い音がいっぱいだけどね。
240・V.A.:Matrdor at Fifteen:   

   米ユニバーサルよりリイシュー。96年の発売だろうか。
   70年代初~中期にシカゴで活動した、黒人系アングラ・ジャズ・レーベルの
   Tribeのベスト盤みたい。AACMとはつかず離れずの関係・・・・かな?
239・V.A.:Message from the tribe:
☆☆☆☆★
   アルバムとしてはごった煮。しかし個々の曲が凄まじくファンキーで
   いかしてる。とびっきりのファンク・ジャズが詰まってる。
   Tribeは1972-76年にかけてデトロイトで活動したインディ・レーベル。
   そうとう趣味性が強くて、黒っぽいジャズをやってる。
   今の時代でも充分に成立する音楽だと思うよ。
   ぜひ、もっと聴きたいな。再発されないもんだろうか。

   アメリカでアフロ・ビート基調のバンドがいくつか出てきたらしい。
   ためしに買ったが、ジャケを見る限り、全て白人のようだ。
   NYのバンドかな?管を含め、7人編成のバンド。
   試聴したイメージは、リズムはジャストながらアフリカ風のビートだった。
   2004年のリリースで、Full Cutなるレーベルからのリリース。
   「ライブだともっと楽しいよ」ってコメントあり。そうだろなあ。
238・Kokolo:More consideration:

   アフリカのリズムを取り入れた音楽。アフリカのどろっとした
   グルーヴには欠ける。フェラ・クティあたりに影響を受けていそう。
   彼らの個性まではつかめませんでした。ライブ見たら、印象変わるかも。
   CDだと今ひとつ単調で物足りない。

04/11/1   アマゾンからCD到着。あとは聴く暇がほしいぞぅ。

   盤の存在すら知らなかった。10/6時点ではオフィシャルHPにも
   この盤のことは記載されてない。アメリカのimportantレーベルからの
   発売で、"Merzbeat"(2002)に次ぐ、ビート強調のノイズらしい。
   新譜だが、録音は2003年の春。「動物シリーズ」の一環かな。
237・Merzbow:Merzbird
☆☆☆☆
   文字通りリズムに踊らされず、リズムを自在に操った傑作。
   そのぶん取っ掛かりやアプローチが多彩になったため、間口は広くも狭くもなった。
   なんだか禅問答な感想でごめんよ。聴いてみるとわかる。
   リズムを求めたらノイズに辟易するし、ノイズのアプローチでは
   明確ながらがたがた揺れるリズムに戸惑う。
   しかし音楽はめちゃめちゃ刺激的なんだ。
   メルツバウには珍しく、からっと明るい印象を残す。
   リズムと思いきり遊んだ楽しさが漂う傑作。

   じりじり買い進めようと決めた、リューネ・グラモフォン。
   これは女性シンガーの作品らしい。詳細は不明です。1998年発売。
   や、調べれば分かるんだけど、孫引きになるから、割愛。
   詳しくはM.I.Z.さんのHPをご参照ください。
236・Tove Nilsen:Flash Caravan
☆☆☆
   コンセプト・アルバムなんだろうか。アコースティックな
   アレンジと、べたっとシンセがまとわりつくアレンジが同居する。
   アコースティックなアレンジのほうが好き。柔らかい歌声を
   しっかり受け止めるから。惜しいのはシンセのほう。
   たとえば(4)。ずぶずぶ言うシンセ・ドラムを何とかしたら、
   もっと素直に曲の魅力が出てくるはず。
   ゆらりと舞うメロディが上手い歌手だ。(11)みたいに打ち込みと
   生演奏の要素を足しこんで玉製させたアルバムが聴きたいぞ。
   この曲自体は、まだシンセのどたばたが鬱陶しいものの。

   これもやっぱりリューネ・グラモフォン。
   2004年に出た盤で、トリオ編成。さらに電子音を足したスタイルかな。
235・Skyphone:Fabula
☆☆☆☆
   心地よい人力アンビエント・テクノ。作曲クレジットは三人の連名な表記で、
   ほぼ即興だった様子が伺われる。
   ミニマルなクリック・ノイズが浮遊する音楽だが、不思議と打ち込みより
   生演奏の要素が耳に残る。目立ったアドリブがあるわけでもないのに。
   緊張感より無造作な空気が漂う。起承転結を気にせずに
   寛いだ音楽がつまった傑作。
   テープ編集するか、もうちょい構築されたら、とんでもない
   名作になったと思うが・・・そしたらコンセプトが変わっちゃうかな。

   菊地成孔の新譜は、1stソロから曲数を減らしたバージョン。
   これが最終形態になるのか。詳しく曲目をチェックしてないが、
   スパンク・ハッピーがらみを抜いたってイメージだ。
234・菊地成孔:DEGUSTATION A JAZZ authentique
☆☆☆☆★
   曲を減らし初版と曲順もいじった。本盤を出さねばならぬ必然性と事情は定かでない。
   無邪気に楽しむべきだろう。一つのアルバムを二通り("Chamsons Extraites(de Degustation a Jazz)"も
   入れれば三種類か)に楽しめる、実験と解釈して。
   実際、本作のほうがシンプルかつ一気通貫な統一性が強い。
   拡散と混交、編集の同一性と多様性を炸裂させた初版に比べ、多様性を保ちつつも背骨一本通った
   ダンディズムがわかりやすく滲む。
   前衛要素も短い曲で飽きさせず、枯れないスタイリッシュさが漂わせた。
   自らの美学を受け止めるセンスを、聴き手へ追求し続けるパワーがくっきり出た。
   最初は本盤を聴いても、何がなんだかわからず。本音はとにかく長尺で、
   菊地のサックスを聴きたかった。
   しかし繰り返し聴くと、ソロ名義1stへの想いに寄るものか、とも思い始めた。
   溢れるアイディアをさまざまな編成で、力技にて一枚へまとめたかったのかな、と。
   菊地のキャリアは本盤発売前にじっくりたっぷりある。しかしいかにジャズを
   ぎっしり詰め込むか。"1stアルバムこそ、全ての要素がつまってる"。その観点ではどうか。
   数年が経過して菊地の活動を聴いてゆくと、さかのぼって本盤を聴いたとき
   既に萌芽が含まれていたと実感するだろう。ダブ要素も、ぺぺのロマンティシズムも。

   菊地成孔プロデュースによる、南博の新譜。withストリングスです。
   TZBにもゲスト参加したオラシオらのリズム隊と、水谷浩章が
   サイドを固めている。
233・南博:Touches & Velvets
☆☆☆☆
   エレガントでロマンティック。陳腐な表現かもしれないが、
   この二つの言葉がスッと頭に浮かぶ。トリオ演奏を譜面に起こして
   編曲したのかな。ストリングスがぴたりとコンボに吸い付き、
   スリリングなウィズ・ストリングスになっている。
   この歳になって変な話だけどさ。聴いてて「大人のジャズだな」って
   しみじみあこがれてしまう。そんな、ジャズ。すごいな。
   コンパクトなアルバムだけに、すっと世界観が耳へ馴染んだ。

   実はこの盤、アルバム通して聴いたことなかった。
   オリジナルは1984年。ティナの完全復活となった盤。
   山下達郎が当時、ラジオで「今、一番好きな曲」ってかけてた
   記憶がある。針音がぷちぷちして、「おー、聞き込んでるな」って
   しみじみしたなあ。アナログ盤だからこその感慨です。
   これは1997年にリイシューされたボートラつき17曲のCDです。
232・Tina Turner:Private Dancer:
☆☆
   いやー。若いころを思い出す。ラジオで(2)や(6)をよく聴いたね。
   伴奏からソウル要素をあえて消し、タイトにしてる。
   好みの問題だろうが、それがいまいち馴染めない。
   それにドラムの大仰な響きも、80年代をリアルタイムで過ごした身として
   なんともなあ、と。やはり(2)や(5)、(6)に耳が行く。
   ベストは"Priveate dancer"。名曲です。
   しかし"うちょいテンポを落とし、ドラムの音を軽くしたほうが良いと思うよ。
   これってダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが書いた曲
   だったんですね。ちいとも知らなかった。
   ジョン・アイズレーのベースと、アラン・クラークのピアノが
   すっばらしくかっこいいです。シンセの響きちと古くさいなぁ。
   ジェフ・ベックのソロは、いまいち固い。ソウルじゃない。
   それよりメル・コリンズのサックスが、物悲しくセクシーに響いてる。
   そしてティナの歌声。サビで音程をあげて喉を震わせる瞬間の
   説得力に耳を揺さぶられました。

    モータウン時代の盤から11曲だけ選んだベスト盤。
   彼らのオリジナル盤って今、CDで手に入るんだろうか。
   いまいちしょぼいベスト盤ですが、入門編ということで。
231・The Dazz band:20th Century Masters - The Millennium collection
☆☆★
   ダメダメなベスト盤かと思ったら、悪くない。曲がいいせいだろうな。
   発表クレジットすらないのは大マイナスです。アルバム買おうと思っても
   どれに収録されてるか、すぐわかんないじゃん。チャート・ポジションも書いてないな。
   打ち込みディスコ・サウンドは古びてるかと思ったら・・・
   曲によっては今でもぐっと来たので驚いた。"Let it whip"は名曲。
   "Joystick"もあんがい楽しめた。
   しかし彼らの本領はオーソドックスなソウルでこそ発揮しそう。
   ハッピーで切ない"I might as well forget about loving you"を筆頭に、
   後半の"Invitation to love",""Knock!Knock!"など、聴かせます。
   軽めのファンク"Swoop(I'm yours"や、細野のFOEを連想した"To the roof"など。
   さすがベスト盤、いい曲が集まってるや。

2004年10月

2004/10/23   出張の飛行機で暇つぶしするための本を買いに行く。
            CDの棚見てたら、まとめて大貫妙子を発見。今までじっくり
            聴いたことなかったんだ。とりあえず3枚買った。

   1981年リリースのソロ5作目。RCA移籍2作目で"ヨーロッパ・シリーズ"の
   一環なアルバム。プロデュースは坂本龍一、加藤和彦、清水信之らを
   起用した。一流のスタジオ・ミュージシャンを多彩に使っており、
   たとえば(10)はYMO+鈴木茂だ。
230・大貫妙子:Aventure:
☆★
   アレンジャーを分けたことで散漫さが目立つ。テクニシャンを
   集めた演奏で不安要素はないのに。坂本龍一の欧州路線な
   アレンジが聴きものか。ベストは(5)。YMOによる(10)もいい曲だ。
   繊細な空気の(8)(アレンジは前田憲男)にも惹かれた。
   若干ボーカルのピッチが危なっかしいところも。
   彼女はハイトーンを多用したほうが、透明感が強調されて素敵だと思う。

   MIDIからのソロ15作目で、1990年に発表。プロデュースは小林武史。
   打ち込み中心のアルバムらしい。彼とは三枚のアルバムを残したが、
   コンビの1作目にあたる。大貫の自宅にて作曲および小林との
   プリプロを行い、ほぼアレンジを煮詰めたそう。
   参加ミュージシャンは佐橋佳幸(g)や小倉博和(g)、青山純(ds)ら。
   大村憲司(g)や細野晴臣(b)も一曲、それぞれ参加してる。
229・大貫妙子:New Moon:
☆☆★
   シンセがふんだんに使われたアレンジだが、ぎりぎりのところで
   生音の要素を残し、暖かく包む。生演奏とのダビングもあるので、
   別に機械仕掛けの生演奏を意識したわけじゃなさそうだ。
   アレンジャーと大貫との立ち位置を確認した一枚だろうか。
   おっとりと音を載せていく大貫の声が心地よい。
   あと一歩、破綻や突き抜ける箇所がほしい気もしたが。
   もともとその路線は狙わないだろう。ないものねだりかな。

   上記に続く1992年のアルバム。プロデューサーは小林武史ながら、
   音楽の主導権は大貫妙子だそう。10曲中8曲はNY録音のようだ。
   うち一曲は、日本での録音へ、ベースをNYでダビングかな。
   イースト・ワールドに移籍した一作目にあたる。
228・大貫妙子:Drawing:
☆☆☆
   からっと突き抜けた曲が多く、聴いてて素直に耳をそばだてた。
   ドラムの音がちょっとドタバタでかくミックスされたのはご愛嬌か。
   たまにリバーブたんまりで挿入される、多重コーラスが心地いい。
   地に足をつけた上で、瞬間的に派手さを挿入する、メリハリ聴いたアレンジだ。
   曲のメロディは穏やかに音を紡ぐ。縦の線を強調する
   メロディラインを書く人、ってイメージあったが、ここでは
   軽やかに音符が踊ってる。

2004/10/13   ネット注文で取り寄せだったぶんが、やっと到着。

   最近、静かにハマりつつあるノルウェーのレーベル、リューネ・グラモフォン盤。
   レーベル所属のバンド、スーパーサイレントのトランペッターのソロだ。
   静かな迫力のある、美しい音楽。
   サイドメンの二人は、以前から交流あるミュージシャンらしい。
227・Arve Henriksen:chiaroscuro:
☆☆☆☆
   まだまだぼくはこのアルバムを理解できていない。
   ふあふあと音が漂う。てんでに違うテンポで音が進むが
   ポリリズムのグルーヴはすこぶる希薄。
   ガムランみたいなストイックさを感じた。
   曲の構成はかなり緻密に構成され、演奏そのものを
   即興で録音したのでは。テンポの頭が奔放にずらされ、
   ビートが腑に落ちる前に曲が進んでしまう。
   アンビエント気分で音に身を任せるのが、今は一番楽しい。
   滑らかな空気に泳げる(2)や、
   掠れ気味に響くトランペットとビートがぐっと絡む(6)がかっこいい。

2004/10/9   レコード屋をぶらぶら。新譜をチェックする。

   数ヶ月前のFMでヘビー・プレイされたらしい。
   ぼくは飛行機の機内放送で聴いて、なんとなく気になった。
   ファンキー要素の軽い黒人ソウルかと思ったら大間違い。
   白人女性のハード・カントリーな音楽みたい。NY録音。
   アコギをかき鳴らし歌うSSW。ジョニ・ミッチェルみたいになるだろうか。
   じっくり聴いてみたい。エンハンスドでPVを1曲、見られる。
226・Toby Lightman:Little things:
☆☆☆★
   しゃきっと歯切れの良い、ソウルとヒップホップの要素を取り入れたポップス。
   消化の仕方が上手いし、メロディも悪くない。
   ひょっとしたら化けるかな?将来が楽しみなミュージシャンだ。
   芯の強い歌い方に癖あるけど、ぼくは好き。すがすがしい音楽だ。
   したたかなファンクネスを感じた。

   エディ・リーダーの新作(とはちょっと違うか)を入手。
   何作かリリースされているオフィシャル・ブートレッグのシリーズから
   2003/6/5のロンドン公演が、ディストリビューターを変えたらしい。
   タワレコで普通に手に入った。このシリーズ、他のも聴きたいな。
   ちなみに発売元の"Kufula"レーベルのサンプラーつき。
   このレーベルは、ライブ音源をフル収録でリリースが売りのようだ。
   ほかにも面白そうな音源がいっぱい。じっくりラインナップ調べてみよう。
225・Eddi Reader:Live:London,UK 06.05.2003:
☆☆☆
   小細工なし、正真正銘のライブ盤。MCもあまりカットしていなさそう。
   それでいて録音はしっかりしており、入退場の空白はカットしてるみたい。
   客に歌わせ、ジョークを飛ばし。リラックスしたエディのライブが
   伝わってくる佳盤。"...limelight"の響きにしびれた。

04/10/3   新譜ばかり。聴きたい音楽は際限ないな。

   出ましたよ。ついに。買いましたよ。日本盤を待たず。
   詳しい情報は今月号のレココレに載るだろ。
   決してこれが「最終バージョン」とも「決定版」とも思わない。
   あくまで現在のブライアンが、当時を思いながら再現した「スマイル」。
   それ以上の思い入れをこめちゃあ、この盤をまともに聴けないはず。
   だって、30年前と同じ気持ちで音楽を作りあげたかなんて、
   ブライアン自身にしかわからないんだから。

   1967年頃。冴えに冴えてドラッグに溺れてたブライアンが録音へ没入し、
   ついに完成を断念した「スマイル」が、21世紀になってリリースされた。
   まさかこの日が来るとはね。しかしジャケット・デザインがなんだかなー、です。
   せっかくなら前のジャケットを使えばいいのに。
   伝説ばかりが先行するのは間違いない。なんにせよ音に向かい合おう。
   しかし、妙にピッチの低さがところどころ気になるな。
   なんにせよ。ビーチボーイズは忘れて聴きましょう。
   だってこれは「ブライアン・プレゼンツ・"スマイル"」だぜ。とにかく。やっほー。
224・Braian Wilson:presents Smile:
☆☆☆☆☆
   問答無用。思い入れをこめたら、客観的に聞けません。
   文句なしの傑作です。☆5つ。マニア寄りの編曲へ偏ったのに、説得力を
   持たせた底力に舌を巻いた。ブライアンの喉の復活振りにもびっくり。
   歌声はほとんど気にならない。演奏もばっちりだし、これで
   ブライアンは「録音」の意味でも、「スマイル」の一里塚へたどりつけたね。
   "SMiLE"とスペルを変えたのが、ブライアンが数十年引っかかり続けた
   "Smile"との違いを強調するためだろう。自我である"I"を"i"にすることで
   自らの意思が全てでないって、暗に主張・・・と読むのは穿ちすぎか。
   いずれにせよ、ブライアンの一里塚を提示した。
   "Pet Sounds"とタイマンはれるよ。時間の要素を抜きにすれば。
   これで胸を張って"次の一枚"を心待ちにできる。
   さらに立ち返って、この盤に。有無を言わせぬ傑作だもの。文句はない。

   明田川荘之の新譜が、2枚一挙にリリース。どちらも自分のレーベル
   「アケタズ・ディスク」より。市販は今月末。これはライブの物販で購入した。

   本盤は2004/3/2にアケタの店でのライブから抜粋。馴染みのレパートリーだが、
   "テイク・パスタン"を2バージョン入れたとこが珍しいか。
   何でもこのライブ中、パーカッションの翁長巳茜が感極まり、
   演奏が中断するハプニングがあったらしい。
   AKETA(p)と斉藤徹(b)、翁長巳茜(per)のライブ。
   この日は聴きそびれたのでCD化が嬉しいな。
223・AKETA+斉藤徹+翁長巳茜:パーカッシブ・ロマン:
☆☆☆★
   リラックスしたある日のライブ風景を切り取った一枚。
   重厚な演奏ぞろいで充実した盤だ。のびのびと風景が広がる。
   コミカルさとシリアスさが同居する明田川らしいライブの様子が伝わる。
   ベースもパーカッションもさりげなく味わい深い演奏を聴かせる。
   当日の演奏そのものを切り取ったそうだが、あっけない終わり方に
   呆然とした。ベストは・・・(4)かな。
   感極まって中断したという(1)や再開の(2)も快演だと思うけれど。

   こちらは今年の4月、明田川のオランダ・ツアーから4/18のライブ音源より
   マスタリングはされてるが、DATの1マイク録音ぽいなあ。
   独、蘭、加、韓、日、オーストリア、スウェーデン、デンマークと
   各国人の11人編成オーケストラ。しかも全員が20~30代の若手らしい。
   レパートリーは明田川のオリジナル中心。クレイグ・ハリスの
   "ラブ・ジョイ"をやってるのが珍しい。
   上の盤とは"エアジン・ラプソディー"がだぶる。聴き比べも一興でしょう。
222・Aketa with Ikki orchestra:Live in Netherands:
☆☆☆
   かなり音が遠い。ボリュームをかなり上げて、音につやが出た。
   ステレオだが、DATのワンマイク録音じゃないかな?ひしゃげ気味の音。
   演奏は文化の違いが如実に出た。「いかるが桜」なんて、クラシックの
   のりで演奏されてておかしかった。
   オリジナルだと"スモール・パピヨン"がベストかな。迫力あり。
   そして最後のクレイグ・ハリス"ラブ・ジョイ"で演奏の一体感が最高になる。
   さまざまな人種混交メンバーの演奏だが、やはり西洋ベースのジャズが
   共通言語になるのか。マイペースのアケタにひきずられ、ソロの
   出来は聴きものが多い。悪くはないか、違和感がちょっぴり残るアルバム。

   ジョン・ゾーンの生誕50周年"一ヶ月公演"ライブを丸ごとリリースする、
   月刊CDの第7弾。これって限定版なんだってね。
   ついにMASADAの登場だ。2003年の9月中、MASADAは6セット行われた。
   本盤はその最初、9/18の1stセットだ。
221・John Zorn 50,7:MASADA:
☆☆★
   演奏は安定してる。横綱相撲っぽくて、スリルに欠けるなあ。
   だからこそ、混沌とした曲のほうが面白い。たとえば(5)とか。
   MASADAとして悪いアルバムじゃない。真っ先に聴くなら、初期の盤を薦めるが。
   なんか贅沢な感想だね。繰り返しですが、悪い盤じゃありませんよ。
   たぶんリラックスや安定ってMASADAを、自分でまだ納得できてないんだろう。

   コステロは今回、2種類同時に新譜をリリースした。
   これはそのロック版。ぱっと聴いたらハード・フォークな感触あり。
   日本盤はボートラがあるんだっけ。すっかり忘れて、輸入盤を買っちゃった。
   バックはインポスターズが努める。
220・Elvis Costello & The Imposters:The delivery man:
☆☆☆★
   アップとスローが上手い具合に調和した、快盤。上手い具合に
   歳を取ったロックに仕上げてる。コステロのボーカルは円熟してるし、演奏もばっちり。
   悲しいのはカチカチに硬いマスタリング。何でこんな音にしたんだろ。
   もっとアナログっぽい音にしたら、リラックスさが増したと思う。
   むしろラジオのエアプレイを意識して、音圧を思いっきり突っ込んだのかな。
   ロックな曲より、しみじみしたバラードを気に入って聴いている。

   告白します。実はこの盤、今まで通して聴いたことありませんでした・・・。
   ルーツ帰りを狙って、ジョンは製作に入った。ところがスペクターが
   どんどん常軌を逸し、マスターテープを持って逃亡。やむなく別セッションを
   行い、完成させた曰くつきの一枚だ。
   今年になってオノ・ヨーコ監修で4曲のボートラを含めたリマスター盤が
   登場した。いやにくっきり分離良くなってる。むしろぐしゃっとしたほうが
   本盤の雰囲気でると思うが・・・ロクに聴いてない人間は何も言えないか。
219・John Lennon:Rock'n'Roll:
☆☆☆★
   リハビリ、なんだろうか。それともゴージャスな60年代の幻想を
   つくりたかったのか。ここにロックンロールの疾走はない。
   ポールとはまったく逆のベクトルだな。あ、"Slippin' and slidin'"は別。
   むろん"Stand by me","Do you wanna dance"の説得力は格別だ。
   しかしこれは演奏力じゃなく、ジョンの歌声に力があるからだろう。
   基本コンセプトにジョンの迷いを感じ、ただただゴージャスにしたからこそ、
   このアルバムは不思議な浮遊感がある。
   前のミックスを聴いてないから、リマスターでの聴き比べは出来ない。
   本盤だけ聴いた印象だが・・・えらくエコーがもこもこなミックスだね。
   低音がきついけど、もっと・・・中域なのかな?野太く、ガッツが欲しかった。
   音の好みは、圧倒的にスペクター版。これでもかって厚みをぶち込んだ
   音像がいかれてて気持ちいいよ。
   "Just Because"がベストかな。やっぱバラードがよく似合う。

2004年9月

04/9/23   下でぼやいといてナンですが。アマゾン注文盤が到着した。
        ひそかなブームを呼ぶ(のかな?)リューネ・グラモフォン関係。
        ほんとはもう一枚頼んでたが、取り寄せになるとか。

   10月には来日も控えたノルウェーの歌姫による今年発売のアルバム。
   シンセのようなもやもやとした浮遊感あるバックで静かに歌う。
   詳細経歴は単なる孫引きになるので、書くのは控えときます。
   スティーナ・ノルデンシュタム(で、呼び方正しかったっけ?)が
   好きな人は、一聴して損ないのでは。
   バンド名義だが、実際はキーボードとギターの二人が多重録音してるみたい。
218・Susanna and the magical orchestra:List of lights and buoys:
☆☆☆☆
   静謐な歌声とゆったりしたシンセのバッキングが作る世界が美しい。
   ガラス細工のようなもろさをCDでは感じていたが、ライブを見て印象変わった。
   むしろピュアな方向性みたいだ。CDで聴くときは、バックで流れる
   ミニマルなフレーズも心地よい。
   ふらりふらり揺れる歌声は趣味が分かれるだろう。だけどハマるととびっきりだ。

   その筋では有名なジャズ奏者(だそう)3人によるセッション・アルバム。
   エレキギターとベース、ドラムによるトリオ。NYあたりの乾いた
   インプロをぶつけ合う感じ。NY特有の青白さはないが。
   グルーヴさを狙うと見せかけ、寸止めみたいなギリギリさあり。
   詳細経歴は、これまた単なる孫引きになりそうなので割愛。
217・Raoul Bjorkenheim,Ingerbrigt haker flaten,Paal Nisssen Love:Scorch trio:
☆☆☆
   弾きまくりとしてのギター・トリオではなく、混沌とした勢いを
   主眼にやってるようだ。ランダムなビートなのに、グルーヴは常に感じる。
   フリー要素もあるが、けっこうきっちり決まっていそう。
   電子音楽の色合いを入れたとこが個性だろう。個人的には、
   肉体感覚で弾きまくったほうが好みだが。

04/9/20   新譜を中心に何枚か。聴けもしないのに買ってるなあ。
         どうやら仕事のストレス解消の代償行為になっちゃってる。うーん、まずい。

   DCPRGの新譜はミニアルバム。カバー2曲("Stayin' Alive" Fame )に
   "ビフテキ連盟"の2と、変則的な構成だ。どういう意図だろう。
   ステップ3へ進む前哨戦ってことか?
   なお、ボーナスにDCPRG「構造1」のライブ映像あり。しかしこれは
   しばらく前にリリースされたDVDマガジン"L'Ange et le Demon"と
   同じ、リキッドルームの音源みたい。残念。
216・Date Course Pentagon Royal Garden:Stayin' Alive/Fame/Pan American Beef Stage Art Federation 2:
☆☆☆
   上品な熱狂、といったファンクが並ぶ。うねりはあるが洗練も。
   「ビーフステーキ」の第二弾は、ぐっと分かりやすくなった。
   基本は各種楽器の演奏をメドレー形式で流し、両チャンネルに
   別音源を配置してポリリズムを提示する。
   大人数のアンサンブルから、いくつかを抜き出した形のため、
   むしろ風通しが良くなって耳へ馴染む。
   基本はファンクのはずなのに、ミニマルな肌触りがユニーク。

   芳垣安洋率いる、大編成アンサンブルの2ndアルバム。
   近作のライナーはおふざけモードが控えめで、芳垣による曲解説つき。  
   曰く、"偉大な音楽の先達へのオマージュ集"だそう。
   次作もまもなくリリースされる含みある発言が嬉しい。
   "Re-Buptizum"は芳垣のもう一つのバンドEmergency!のレパートリーだ。
   大編成で聴くのも面白いな。
215・Vincent Atomics:Vincent Ⅱ:
☆☆☆☆
   たゆたうリズムが粘っこく迫る。曲としてのカタルシスや構築性よりも、
   最後に残るイメージは、リズムの継続。瞬間でなく続くからこそ、
   ビートなんだ。そんな印象。
   前作よりもトランス感が強い。要するに漂う雰囲気が気持ちいい。
   ボリューム上げてじっくり聴くと、リズムの重なりが複雑で面白いよ。
   多重的な魅力を内包した音楽だ。

   富樫雅彦(per)の引退前、最後のライブ音源になるとか(最後のライブ、ではない)。
   相棒は山下洋輔(p)。1980年のデュオ「兆」が基調のレパートリーで、
   2002年3月30日、静岡の"ケルン"で行われた。
   ベースは水谷浩章が登場してて嬉しい。フリー・ジャズ第一世代同士の
   対話を、現代の凄腕ベーシストががっちり支える格好か。 
214・富樫雅彦トリオ:ライブ・アット・ケルン:
☆☆☆★
   スタジオ盤と違い、ぐっとロマンティックさと静謐さを前面に出した。
   音の基調はどこまでも美しい。録音の加減で、ころっとまとまり
   気味なため、いっそボリュームを力いっぱい上げて聴くべき。
   ピアノとパーカッションの二つを、ベースが実に力強く結びつけた。
   快演ばかりだが、ひたすら美しい"Memories"にしびれた。

   大友良英/ビル・ラズウェル/芳垣安洋によるバンドSoupの
   ライブ盤。新ピで2003年の12月14/15日に行われた。
   片方がトリオで、片方がゲスト参加じゃなかったかな?
   ゲストは菊地成孔、勝井祐二、坂田明といった面々。
   ミックスはビル・ラズウェルが行ってる。
213・Soup:Live:
☆☆☆
   ノイズでなくがっつりセッションを堪能できるアルバム。ベースがちょろっとモッタリだが
   歯切れのよいドラミングとメロディ寄りのギターを軸に、ゲストがスリリングに絡んでいく。
   この時期のアンサンブル路線を堪能できる一枚である。

   フリージャズの第一世代か、第二世代だろうな。前にライブで
   ソロピアノを聴いて、美しさにぶっ飛んだ。
   本番は2002年にリリースされたソロ・ピアノアルバム。
   本人のライナーに寄れば、フリー・フォームと曲のバランスがちょうど
   いい塩梅で混ぜ込まれた演奏集だという。
   オリジナルのほかに、モンク、ポーター、マイルスらの曲を演奏してる。
212・佐藤允彦:Nagi:
☆☆★
   凛とした迫力のあるピアノ。上品でくだけず、音を丁寧に
   重ねてく。だけどどこかスピード感があるんだ。
   透明に響く録音とあいまって、きれいなジャズに仕上がってる。
   もっと毒がありそうだけど、オブラートに包まれちゃった。
   たぶんライブハウスで聴いたら、もっと良さが伝わるよ。
   ストイックな輝きを感じた。

   戸川純の新作。ゲルニカもろくに聞いたことがないぼくが、なぜ
   本盤を買ったかというと・・・バックメンバーへの興味です。
   吉田達也他、インプログレのメンバーを中心に、凄腕たちが演奏を
   固めてる。今回は吉田やホッピー神山らが曲まで提供した新譜。
211・戸川純バンド:Togawa Fiction:
☆☆
   曲の質感まで全部ばらばらにして、オムニバスの感触だ。
   癖のある戸川の歌声って、たしかにプログレ的なんだ。
   ひねりまくったアレンジと演奏力に支えられ、フリークスさをぐっと
   前面に出した一枚。しかし根本にポップさがあるため、聴きやすい。
   (6)の胸を締め付ける切実な雰囲気が、好み。歌が映えるよ。

   MPB時代を代表する一枚・・・だそう。いままでミルトン・ナシメントを
   聞いたことないので、75年作の本盤を買ってみた。
   まだろくに聞いてないが、大傑作の予感・・・。
210・Milton Nascimento:Minas:
☆☆☆☆★
   素晴らしいコンセプト・アルバムだ。演奏の隅々まで
   目配り届き、ミルトンのファルセットも含めた声が伸びやかに
   雄大に優しく広がる。テーマとしてたびたび挿入される子供のコーラスや、
   一部のボーカルのピッチがどうにも気になるんだけど。
   これは趣味の問題ですな。
   後半がわずかに間延びするのが惜しい。でも、聞き込んだらこの
   ゆったりしたペースにこそハマるんだろうな。
   アコースティックなオーケストラやアンサンブルは、柔らかく耳を包み込む。
   ブラジル要素を取り込みつつ、独自の音世界が構築された。
   多感な時期に聴きたかったな。一生を支える一枚になってた気がする。
   本CDはボートラを2曲収録。さほど音に違和感はない。
   一曲はビートルズの"ノルウェーの森"のカバー。7分弱かけてじっくり演奏される。

04/9/5   新譜を中心にレコード屋を見てみる。

   神戸で活動する25m.floaterが2ndフル・アルバムをリリースした。
   音が分厚くなり、曲のバリエーションも増加。じっくり作りこんだ印象ある。
   メンバーが主催する、インディ・レーベル"Shining april"からのリリース。
209・25m floater:Too sweet for rock and roll:

   その"Shining april"がリリースした2曲入りシングル。
   インディからシングル盤って珍しいのでは。
208・スクイズメン:ゴルゴダ(single):
☆★
   シューゲイザー風のサウンドに上ずるボーカル、ひたひたと迫る世界観。きらっと鳴るシンセが特徴か。
   "Electroeye"の作りこんだテクノっぽい風景の方が、どっちかと言えば好み。

   灰野敬二の新作が、2枚同時に出た。
   一枚の写真を正常と裏焼きに使い分け、ほとんど区別がつかない
   ジャケット。レコード番号は明確に違い、同じ曲をエレクトリック&
   アコースティックで演奏し分ける、という趣向。

   Electric版。灰野は右を向いている。たんなるヤマカンだが、
   この写真が裏焼きじゃないかな?
   レコード番号はDSA54088。クレジットがまったくない。いつの録音だろう。
207・灰野敬二:Black Blues:
☆☆★
   家で聴くには、より集中しやすい。喉の奥から灰野が
   声を振り絞る。エレキギターが倍音を山のように響かせた。
   音の奥で聴こえる唸りは、教会の大コーラスが歌うレクイエムのよう。
   曲同士のメリハリは無く、闇雲に突き進む。(2)がいいな。
   情け容赦ない鋭さで、通して聴くのはパワーがいる。

   収録曲もまったく一緒のAcoustic版。灰野が左向きで、レコード
   番号はDSA56087。紛らわしいから、えらく買いにくい趣向だ。
   どうやらフランスのレーベルらしい。
206・灰野敬二:Black Blues:

   エレキギターをつかい、つぶやくように歌う。かなり隙間の多い音楽。
   ライブで聴くならまだしも、CDでは聴きとおすのに、かなりの集中力がいる。
   ただし最後の曲は別。なんだかスッと惹かれた。

   G・ラヴの6thアルバムが出た。ソロ名義ながら、ドラムとベースはスペシャル・ソースのメンバーなまま。
   2001年の"Electric Mile"ぶり。レーベルもOkehから移籍した。
   彼が作る音はなんだか気になり、アルバムを全て聴いてきた。ボートラ3曲入りに惹かれ、邦盤を入手。
205・G.Love:The Hustle:
☆☆☆
   基本はSpecial Sauceのリズム隊とトリオ編成。ゲストでジャック・ジョンソンらが加わる編成だ。
   地に足の着いたホワイト・ヒップホップ風味で、妙に歌声にひしゃげた効果を加えた。
   独特のプラスティックなブルーズ感は、本作でレゲエやカントリーの要素も加わった。
   生々しさをあえて廃し、作りものっぽさを全面に出した印象あり。

   9年ぶりだっけな?岡村靖幸が新譜をリリース。
   初回限定盤はビデオクリップのDVDつき。パッケージも凝ってるなあ。
   過去のシングルも収録してるから、全8曲中で初公開は3曲。
   それがちょっと残念。ミュージシャンのクレジットないが、
   岡村靖幸の多重録音かな?
204・岡村靖幸:Me-Imi:
☆☆☆☆★
   大傑作。『家庭教師』をしのぐ。メロディがくっきりしないから
   取っつきにくくはあるものの。乾いたビートのファンクが
   突き進む音像は岡村独自の世界にまで凝縮された。
   「ファミリーチャイム」だけ昔の香りがする。以前の未発表曲だろうか。
   この曲や「未完成」をはさみ、執拗に岡村はドライなビートをまくし立てる。
   たしかに全盛期より声は衰えてるかも。しかし本盤での
   歌声は、手持ちの音域を全て効果的に配置した。
   ボーカルがあっというまに終わり、エンディングを拡大する岡村独自のアレンジも健在。
   ライブで映えるんだろうな。おっそろしくかっこいいです。
   同梱のDVDも面白い。無関心な世界で岡村が冷静に歌う。
   イントロでアコギのリズムに合わせ、腕を動かすポーズが目に焼きついた。

   吉田美奈子が81年にリリースした傑作ファンク盤が、紙ジャケで
   リイシューされた。ほとんどの収録曲をベスト盤で持ってるんだけど。
   オリジナルシークエンスで聴いてみたくて買う。
203・吉田美奈子;Monsters in town;
☆☆☆☆☆
   素晴らしいファンク・アルバム。ボーカルのよさは言うまでもない。
   グルーヴィな演奏、豪華なアレンジ。どの曲もぐいぐい首根っこを引っつかむ。
   あまりに純粋なため、ぱっと聴いて取っつきにくい曲もあった。
   しかし聴くほどに耳へじわり足跡を残してく。
   粘っこく涼しげに駆け抜ける。(1)、(7)がとても好き。

   ジョン・ゾーンの五十歳生誕ライブ・月刊シリーズの第6弾は
   イクエ・モリ(electronics)、マイク・パットン(vo)との即興ソロ。
   一ヶ月に渡って行われた本ライブシリーズの初日、第一セットで
   行われた演奏を、たぶん完全収録。
202・John Zorn:Hemophiliac:
☆☆★
   マイク・パットンがあまり目立たないおかげで、凶悪さが薄れた。
   イクエのPCが繰り出す電子ノイズを中心に、ミニマルな
   面白さが広がる。
   全て即興だと思う。まとまりはないが、なんか愉快な音楽だ。
   変に精神性を前面に出さず、ひたすら奔放なのが功を奏した。
   日本だったら即興を長く続けると思う。たとえば30分くらい。
   だけどゾーンはそれを良しとせず、10分にも至らぬ時点で演奏を
   終わりへ導く。このバランス感覚が、ゲーム音楽を続けてきた発想だろう。

   ダラー・ブランド(アブドゥール・イブラヒム)が1977年に
   NYでのライブを収録した。編成はドン・チェリー他9人編成。
   当時出たLPの再発かな。2003年にCD化された。
201・Abdullah Ibrahim:The Journey:
☆☆
   アフリカ音楽要素のテーマにウキウキしたが、
   ソロ回しになったとたん、グルーヴは消え去る。単なるフリージャズへ。
   ポリリズムなテーマの(2)といい、本盤でのアフリカ風味は
   ジャズの先鋭化を表す、たんなる記号らしい。ちぇ。
   ソロ回しに耳をそばだてる箇所もあるけどさ。
   南アフリカでの充実した録音群が好きなだけに、どうも素直に本盤を評価できない。

2004年8月
 

2004/8/28    今年でたメルツバウの新譜群をまとめて3枚見つけた。
           毎回不思議だが、なんで新譜なのになかなか手に入らないんだろう。

   こんなの出てたんだ。知らなかった。ノルウェーのOHMから
   リリースされた3inchシングル。2003年3月28日にオスロで行われた
   ライブ音源を収録してるらしい。飾り文字のアルファベットで
   いまいちクレジットが読みづらい。
200・Merzbow:Mini Cycle / Yoshino Tamago / Yonos Bigfoot:☆☆
   ちょっと単調かな?コンパクトにまとめられたメルツバウの
   ライブが楽しめる。重厚な音世界に鶏がけなげに立ち向かうさまを描いたのか。

   源義経がテーマで、収録曲の「牛若鞍馬入り」は昨年の
   「メタモルフォーゼ」で初演とオフィシャルHPで説明あり。
   珍しくアコギを演奏に盛り込んでるようす。全て自宅録音。
   アメリカのレーベルからリリースされた。
199・Merzbow:Yoshinotsune:
☆☆☆★
   日本情緒のノイズを、ループを多用しつつ上手くまとめた。
   ぎっちりつまった多彩な低音と、雑踏を表す混沌に酔ってしまう。
   味わい深いノイズの一枚だ。

   しばらく前からHPで発売が発表されてたが、見かけなかった。
   横長の変則ジャケットで発売。505枚限定とある。
   秋田昌美の自宅録音。ロシアのレーベルから発売された。
   このレーベルからは初発売かな?
198・Merzbow:Offering:
☆☆☆
   くっきりしたビートをループさせ、ごくあっさりと飾りをつけた。
   インダストリアル・ノイズ的なアプローチ。闇と輝きをテーマだろうか。
   他作品に比べても、ひときわモノトーンですっきりした仕上がり。
   本作ではハーシュの凄みよりも、輪郭鋭い潔さに惹かれた。

04/8/12   めぼしい新譜だけをぱっと買う。中古の棚は見ない。・・・買いたくなるから。

   解散宣言しちゃったGbVのスタジオ最終盤。
   普通のバンドなら今やってるツアー音源のリリースも期待できるが、
   彼らはどうバンドの歴史を〆るのか。
   いっそ「解散記念。未発表音源大放出10枚組」なんて出ないかな。
   プロデュースはおなじみトッド・トビアス。
   嬉しいことにトビン・スプラウトやジム・ポラードもゲスト参加あり。
   邦盤を買った。ボートラで"The mind refuser"入り。
197・Guided by Voices:Half smiles of the decomposed:
☆☆☆☆★
   終幕を飾るにふさわしい充実した出来。凝ったアレンジも折りはさみつつ、
   ライブを意識してると思う。だからこそ、GbVは解散へ至ったのかもしれない。
   もっと自由で突拍子も無い音楽を作るために。
   メロディはどれも瑞々しい。さらに、じわっと味わい深い。

   灰野+吉田がらみの新プロジェクトが発動した。
   Kneadは解散なんだろうな。メンバーはベースにナスノミツルが加わった。
   2004/1/23に京都のカフェ・アンデパンダンでのライブ音源を
   吉田達也がミックスしてCDに仕上げた。
196・Keiji Haino Mitsuru Nasno Tatsuya Yoshida + Bus Ratch:Live at Cafe Independants:
☆☆☆★
   即興のようにも、作曲されてるようにも聴こえる。それくらい
   すっきりと自由度高い音楽。ひとつながりの演奏を、区切りごとに
   トラック分けしてくれたのは、追体験しやすくて嬉しい。
   若干音がこもり気味だが、それぞれの演奏は充分に聞き分けられる。
   ナスノのベースがフレーズをきっちり紡ぎ、グルーヴさせてるようだ。
   奔放な吉田と灰野を、がっちり繋ぎとめる役割を果たしてる。
   これはぜひ継続的な活動をして欲しい。
   最後のトラックに入ってると思しきBus Ratchのぶちぶち云う
   ノイズも、ライブで聴いてたら凄みあったろうな。
   いっそ全編に彼らが絡んで欲しかった。
   しかしなぜクレジットがバスラッチのクレジットが「M-tr.9/10」なんだろ。
   (いや、単なる誤植と思うが)このCD、トラック数は8迄なのに。

   5thにあたる東ザヴィの最新作。じっくり作りこんだ作品・・・かな?
   サンプリングはあるものの、前作とは違ってメンバー二人だけで作られた。
195・東京ザヴィヌルバッハ:a8v:
☆☆☆★
   ミニマル要素が強まり、ぐいぐい音世界をスペイシーに
   ひきずりあげる。一聴しただけでは、生演奏の要素がよくわからなかった。
   繰り返し聴くほどに、じわりじわりとよさがしみこんでくる。
   初期のジャズ要素はきれいになくなったな。
   メロディとリズムを等価に混ぜ合わせた。
   今の東ザヴィを上手くまとめた傑作だと思う。

04/08/08   ネット注文のCD届く。封もあけず、別の新譜を買いに行く。
          いったい何をやってるんだ、おれ。まじでCDの置き場がない。処分しなくちゃ。

   NHKアニメ「アガサ・クリスティーの名探偵ポアロとマープル」の
   OP/ED曲を達郎が書き下ろした。裏ジャケはタイアップしたアニメの
   ジャケットでのけぞる。が、この絵はオビと一体で取れてしまう趣向。
   アニメ・ジャケットを保存させたくない人への、ぎりぎりの妥協点ということか。
   OPはアップテンポのシンプルな達郎節、EDはマイナーのカンツォーネ。
   ミュージシャンの意地としては、カンツォーネへの挑戦を「シングル」にしたかったみたい。
   しかし子供向けのアニメなのに「口ずさめる」って概念を、ハナから
   ほったらかすあたり、いかにも達郎っぽい。OPはいっしょに歌えるかな?
   カラオケ付。これ歌った子供が10年後、ポスト達郎としてデビューしたら面白いのに。
194・山下達郎:忘れないで(single):
☆☆☆★
   耳ざわりいい音源だが、達郎としてはかなり冒険の曲調。
   "忘れないで"はカンツォーネ調で50年代歌謡曲といったとこか。
   ストリングスとホーンをたっぷり、声にリバーブもうっすらかけて
   ゴージャスにせまる。もともとイタリアン風の歌が似合うので、
   曲としてつまらないとは思わない。
   あえてコーラスを全て排除、自分のメインボーカル一本で
   勝負した点も特筆すべき。
   個人的には裏寂れたカラオケ屋のBGMでこの曲が流れたとき、
   あまりに貧乏臭い歌謡曲の世界が表出して、ぞっとしたことも記しておきたい。
   しかしこれを子供向けアニメのエンディング・テーマへ持っていくかね。
   発想自体がもっとも冒険的だろう。
   C/Wは"Big Wave"みたいなアップ・テンポの達郎サウンド。
   正直、物足りない。声にまったくリバーブをかけないのは、前曲との
   対比を狙ったか、テレビのしょぼいスピーカーで流れたときに、子供へ
   訴求しやすい音を狙ったか、どっちだろ。たぶんリバーブないほうが
   生々しく聴こえるはず。
   いずれにせよ、C/Wはもっとゴージャス仕立てで聴きたかった。

   クレイマー関連です。プロデュースのみを担当してるらしい。
   ニッティング・シミーより2000年にリリースされた。
   まだ聴いてないけど、サイケ・ポップのデュオかな?
193・The Du-Tels:No knowledge of music required:

   カントリータッチの、なんてことないヘナチョコ・ポップス。
   歌詞が分かれば良さが分かるのかな。
   「鉄腕アトム」のカバーが、日本人としては面白かった。
   微妙にメロディが違うんだもん。
   "Ring of fire"もジョニー・キャッシュのカバーだな、これ。
   作曲者クレジットないけど、あらかたカバーなんだろうか。
   クレイマーはさほど音楽にタッチしてなさそう。
   もっとシミー風にサイケだったらなあ。

   GbVは解散しちゃう。原因はロバートの音楽性の変化かの確認には
   最適のソロアルバムじゃないか・・・と思いきや。1曲を除き、
   トッド・トビアスにバックトラックを任せた。ロバートは主旋律を作曲。
   あとはボーカルを乗っけただけの、おなじみソロ体制だ。2004年発売。
192・Robert Pollard:Fiction man:
☆☆☆☆
   GbV本体のロックンロール一辺倒のストレス解消か。
   トッドに密室的なアイディアのバック・トラックをまかせ、
   存分にさまざまなパターンの曲を押し込んだ。
   初期GbVのとっちらかりぶりを思わせる、好盤。
   メロディ・メイカーぶりも健在で、バラエティに富む構成を味わえる。

   数ヶ月の短いスパンで早くも発売された新シングル。
   ジャケットのルーズ・ソックスはいた女子高生は、よく見ると
   毛脛の男・・・というコンセプトのジャケットだ。・・・いよいよ完全復活かな。
191・岡村靖幸:ミラクルジャンプ(single):
☆☆★
   今の岡村ちゃんの喉で歌える範囲を精一杯、使った感じ。
   ポップでまずまず。ジャン・ジャン♪って、アコギの刻みが気に入った。
   カップリングはどろどろのファンク。情け容赦ないな。

   個人レーベルを設立した第一弾。4年半ぶりのアルバムだそう。
   バックメンバーはホーボー・キング・バンドだ。
   初回限定盤のDVD付(ライブセッション映像が付いてるらしい)を買う。
190・佐野元春:The sun:
☆☆☆★
   大人になったんだな、と実感。歳を取った、とはあえて言わない。
   ここにはむやみなロックンロールがない。ガキ向に
   視線とビートをむりやり搾り出さない。
   もはや大人の、等身大の落ち着いたロックをやっている。
   持ち味である言葉のスピード感は、リラックスした空気に
   塗りつぶされ、温かい多重ハーモニーで角は丸まった。
   曲そのものは質が高い。佐野元春って思い込みのブランドを期待しなければ。
    一人の創作者として、こういう円熟はありだろう。
   ただ、まだ聞いてる僕自身の頭の中を整理できていない。
   繰り返そう。この盤の質は高い。何も考えずに聴けば楽しめる。
   やけに柔らかいミックスだ。全てがふんわり包まれてるかのよう。

   毎月きちんとリリースされる、ジョン・ゾーン誕生日セッション・シリーズ。
   しかしこのシリーズ、旧譜をちっとも店頭で見かけない。限定盤なの?
   2003/9/15にNYのTonicで、"ゾーン生誕ライブ月間"の一環による音源。
   9月の15日、1stセットを収録。1978年に初共演し、節目ごとに
   セッションを行ってきたという二人の、即興演奏だ。
189・John Zorn:Fred Frith & John Zorn:
☆★
   断続的なフレーズが渡り合う。メロディや構築性とは逆ベクトルか。
   音だけだとイメージを掴むまで、けっこう辛い。ゾーンの高速フラジオは
   ひたすら単調に耳へ残り、フリスのギターが頼り。
   けっこうスリリングな演奏なんだけどね。
   (4)~(6)あたりの緩急を決めた、流れが聴きものかな。
   リズムがない分自由度は増したが、抽象度も増えてしまった。

   月光茶房で薦められた1枚。やっと届いたよ。ナルシスティックなジャケットが印象的。
   音楽的には多才な人で、ほぼ全ての楽器を自演して録音も自分でやった。
   トラッドをアレンジしたのがおもな収録曲だ。これが2ndだっけ?2003年の発売。
188・Jim Moray:Sweet England:
☆☆☆☆
   ちょっとナルシスティックなトーンが気になるものの、見事に
   練られたアレンジ。一人多重録音にありがちなリズムの硬直感や密室性は低い。
   ホーンやストリングスをうまく使ってるせいか。
   ぱっと聴いたらブリティッシュ・ポップ。トラッドらしきトーンは
   ぜんぜん気にならない。今の時代にガチンコで張り合えるだけの
   生き生きしたパワーを持たせた実力がすごい。
   だからこそ、ナルシスティックさを前面に出し、孤高の音世界にしたのかも。
   今後の活躍が楽しみ。オリジナル曲で組み上げた盤も聴いてみたい。

   吉田達也が正式メンバーになったシカラムータの新譜。
   ライブは行けてないが、ステージで馴染みのレパートリーなんだろうか。
   ヴィクトル・ハラ"平和に生きる権利"のカバーあり。
   非業の死を遂げたシカラムータ・ファンに捧げる"ゴースト・レクイエム"も
   CD化がこのたび達成された。2004年の発売。吉田は2曲を提供した。
187・シカラムータ:Ghost Circus:
☆☆☆
   じっくり聴くのは本盤が初めてなので、比較論では感想言えない。
   ほんのりクレツマー要素をベースに、無国籍で暖かい音楽だと思う。
   アレンジも凝ってるし。吉田と桜井のミックス感はかなり違うようだが、
   うまくマスタリングされ、柔らかい音像にまとめられた。
   力づくじゃない。そっと、行き先を示されて、ひっぱって行かれるような、
   不思議な求心力ある音楽だ。
   過激さは控えめ。ゆったりと音が膨らむ。

   1996年1月1日に発売された2000枚限定の"fax盤"を新譜で買う。
   何で今、手に入るんだろう。
   大阪の"Digital Narcis LTD"によるディストリビュートらしい。
   ナムルックのソロとして発表された。
186・Pete Namlook:Atom;
☆☆☆★
   BGMにも最適な、キラキラするミニマム・テクノ。
   かなりポップな仕上がりなので、初めてナムルックを聴く人へもお薦め。
   フロア対応としてはビートが弱く、不向きだろう。
   部屋でゆったりと電子音とクリックへ浸りたい時に似合う。

   これはナムルックの新譜にあたる。発売は2004/3/15。1000枚限定。
   Jochem Paapなる人と全ての曲を共作してる。
185・Pete Namlook:pp・nmlk:☆☆
   メロディがあるわけじゃないし、ビートが利いてるわけでもない。
   かといって抽象的でもない。ミニマルな電子音がたゆたう
   心地よいアンビエント・テクノだ。ソロだとすさまじく取っつきにくい
   作品もあるが、これはそっと耳をくすぐる音楽だ。

   まだまだ枯れずにロックをやってるグラハム・パーカーの新譜を見つけた。
   あちこちのレーベルを転々としつつ、しぶとく活動してるようだ。
   これはシカゴの"Bloodshot"レーベルより2004年リリース。
   4人編成でカントリータッチのロックをやってる。
   グレイトフル・デッドのコピー"Sugaree"以外は、自作曲。
184・Graham Parker:Your country:
☆☆
   派手さはないが、ベテランの貫禄あり。カントリーの
   からっとした空気をちりばめた。どっか皮肉っぽいとこが
   音楽を引き締めてる。突き抜ける名曲が欲しかった。
   指癖の曲が並んだ印象。あるレベルには間違いなく達してるが。

   2003年にイギリスの"Lemon"レーベルから発表された、レア曲の
   コンピ盤。B面曲や別テイク、未発表曲などを収録。
   1986年以降のレア曲を集めた・・・のかな?
   英文ライナーにしか発売年が書いてなくて。まだ読んでないんです。
183・Graham Parker:The official art vandelay tapes:
☆☆☆★
   コンピながら曲が粒ぞろい。キャッチーなメロディが並ぶ。
   80年代っぽい堅いシンセが微笑ましくなった。
    ストレートなロックンロールがずらり。代表盤だと言う気はないけれど。
   彼の才能のほとばしりがぎゅっと詰まった快盤だ。

   福岡を中心に活動するインプロ・ギタートリオの新譜がしばらく前に
   OZより出た。川下直弘とのセッション盤ぶりのリリース。ライブ見たいなあ。
182・蝉:まぼろし:
☆☆☆★
   金太郎飴な即興は変わらず。しかしいくぶんすっきりした
   ミックスで、音が細かいとこまで聞き分けられる。
   全て即興だと思うが、揺らぎっぷりのスピード感が増した気がした。
   ライブで聴きたいバンド。だけどCDでひたすら没入するのも楽しい。
   ドラムが連打し、がんがんに突っ込むスリルがたまらない。

   クラブ界では有名なレア盤だったそう。P-ヴァインからリイシューされた
   本作は、1972年にインディアナポリスで行われたファンクのライブを
   収録してる。主役はビリー・ウッテン(vib)。
   おっそろしく濃厚なグルーヴが詰まってる。
   カーペンターズ"We've only just begun"やアレサの"Day Deaming"、
   H=D=H"Love is hear"、ドラマティックスの"In the rain"などカバーがほとんど。
181・The Wooden glass featuring Billy Wooten:Live:
☆☆☆★
   血が騒ぐ。ごきげんなジャズ・ファンクだ。
   曲がどれでも、テクニックの巧拙も、録音がこもってるってのも関係ない。
   とにかくドラムがドタバタ刻んでオルガンが唸り、ギターが刻んで
   ヴィブラフォンが弾むだけで充分。
   とにかく聴いてて熱くなるよ。
   ラストのブレイク・ミックスは戸惑う。でも、今のビートで再解釈と
   考えたら、これはこれでありだね。
   90年代のファンクの再提示だ。
   好みを言うなら70年代のほう。1曲目だけでアルバム一枚聴きたいな。

   カテゴライズするならグランジになるのかな?ポップなメロディが
   聴けそうで、ためしに注文する。実は彼ら、つい最近来日してた。
   ほんとは予習のつもりで買ったのに。ライブへは行けずCD到着したのも
   今頃になったという。5人編成。2002年の発売だ。
180・Silkworm:Italian platinum:
☆☆☆★
   一曲目聞いて、力任せのエモコア・バンドかと思ったらとんでもない。
   バラエティ豊かな曲想を取り入れた好盤だ。
   エモコアはあまり聴かないから、よけい親しみを感じた。
   (4)にほんのり、ルー・リードのようなしたたかさを感じた。
   スティーブ・アルビニのプロデュースは、特にてらいのないシンプルなもの。
   鈍く光る音に仕上げた。

   レココレ誌の特集で聴きたくなった。1stを聴きたかったが
   売り切れでがっくり。これを注文する。22枚目のアルバムで
   1972年に発表された、ピアノの弾き語りアルバム。
   今回は96年のリイシュー盤を買ったため、4曲の発掘曲がボートラ。
179・Nina Simone:Nina Simone and piano!:
☆☆☆☆
   ピアノと歌、あとはニーナ自身オルガンとコーラスのダビング。
   シンプルながらするめのように味わい深い音楽だ。
  渋くピュアにジャズとゴスペルの融合が漂う。深夜に一人で聴いてると
   持ってかれそうだよ。歌声は、時にぶっきらぼうなのに。愛しくなる。
   ピアノも上手いなあ。手数はさほど多くないが、ノリが抜群だ。

   これはヒットしたらしいですねぇ。売れ線ヒップホップ。
   聴いてみたくて買いました。2枚組で、一枚がダーティ、一枚がクリーンって
   構成になるのかな?リリースは今年です。
178・The outkast:The love below/Speakerboxxx:
☆☆☆★
   アンドレ3000とビッグ・ボイ、それぞれのソロをまとめた盤。
   大ヒットしただけあり、綺麗にまとまったヒップホップ。ダークすぎもせず、かといって
   骨抜きっぱなしでもなし。バランス感覚と強靭なアレンジ力が見事にまとまった。
   歌詞はわからないが、サウンドはクリーンなイメージある。ファンクネスも
   ちょっと抑え気味か。しかしスピーディな楽しさはばっちり。

   サイボーグじゃない、人間時代のマイケルのベスト盤。モータウンから
   11曲が選らばれ、2000年にリリースされた。曲は少ないし、選曲にひねりもない。
   まあ、さほどどうこう言う盤じゃない。
177・Michael Jackson:The best of Michael Jackson 20th century masters:
☆★
   モータウンとか、ソウルとか、そういう枠組みをはずしたほうが
   素直に聴ける。ハイトーンな声は、なんだかハスキーな女性歌手と間違えそう。
   スタッフたちがマイケルをどう売り出そうか、
   試行錯誤の過程を見ているかのよう。かなりバラエティ豊かな
   アレンジの曲が続く。でも基調はソウル。
   とはいえ今のマイケルの奇声要素はまったくない。
   あのスタイル、すごく画期的だったんだな。
   同じ人とは思えないもん、この盤を今聴くと。
   アレンジはかなり洗練されたつくり。ストリングスが邪魔だな。
   もっとシンプルなアンサンブルにしたら、今でも楽しめたはず。

2004年7月

04/7/25   ジョン・ゾーンの誕生日シリーズを探しに行く。
         それは見つからなかったんだけど、他の盤をいくつか買った。

   渋さ知らズ、太陽肛門スパパーン、I.M.O.などで活躍するアルト奏者
   泉邦宏の9年ぶり2ndソロが出た。
   ほかに国広いずみ、Hiroizu Mikuniなど7名が参加とあるが、これ
   泉の多重録音ってことかな?モロのジャズではなく、物悲しげな
   インスト音楽をやっているようだ。
176・泉邦宏:馬鹿が牛車でやってくる:
☆☆☆
   アジアの香りがする、切ないジャズ。多重録音のわりにクリックを
   しっかりセットしなかったのか、縦の線がずれる部分も
   けっこうある。ピッチがうわずりぎみなのと相まって、えもいわれぬ
   切なさの強調になっているんだ、これが。
   激しく突っ込む部分は皆無なのが、意外だった。
   アグレッシブで奔放なイメージが強かったから。
   センチメンタリズムが染み出す快盤。

   詳細不明。97年にドイツでリリースされたコンピ盤で、
   世界各国のノイズ・ミュージシャンが集まってる。メルツバウが一曲を
   提供してるので購入。全部で5枚組の大ボリュームです。
175・V.A.:Tulpus:
☆★
   5枚組のボリュームは、正直マニア向け。単調な電子音が続く
   仕上がりに、ちとめげた。3枚目が比較的面白い。
   聞き込めば印象変わるのかな・・・変則ジャケットでCDが取り出しにくい
   こともあり、なかなか敷居高いです。
   ところどころ面白い響きあるので、1枚に絞り込んだら
   集中したノイズ作品になったのでは。

   ムーンライダーズの鈴木慶一が「東京太郎」名義で発表したミニアルバム。
   B5の"Good vibretions"カバーを収録。確かこれは当時、ラジオ番組のために
   録音されたはず。1996年発売。彼らのレーベル、メトロトロン盤を購入した。
174・東京太郎:Tokyo taro is living in Tokyo:
☆☆
   こじんまりした小品。実験というには聴きやすいかな。
   サイケ色を強めた"Good vibration"のカバーが、一番好き。
   コラージュで実母の歌声がいっぱい聴ける「母なる東京太郎」も面白い。

   昨年末にどっとリイシューされた、70年代日本ジャズ復刻シリーズの一枚。
   AACMと共演後、突如74年に帰国した豊住が、東北・北海道ツアーを
   突発的に行ったという。その郡山での演奏を収録した。
   サイドメンは宇梶晶二(bs)、原寮(p)。
   さらにたまたま郡山にいたという、藤川義明(as)も加わった。
   この盤ではAACMのレパートリーを3曲演奏してる。
173・豊住芳三郎:サブ=メッセージ・トゥ・シカゴ:
☆☆
   メロディよりも疾走するフリージャズ。ピアノが呪術的に
   同じフレーズを繰り返し、ドラムとサックスが暴れたおす。
   リラックスとは逆ベクトルの、ひりひりしたフリージャズだ。
   これ一枚では彼らの個性まではつかめない。
   転がるように前へ、前へ進む。

   ブルーノートからもリリースされた、ブラジルのフリージャズらしい。
   詳細はよくわからない。サン・ラなどに影響を受けているようだ。
172・Eddi Gale:Black Rhythm Happening:
☆★
   サン・ラにラテン系ノリを加えた感触。そのまんまだな。
   妙な熱気が気持ちいい。混沌としてるけどね。
   やたらと突き進むパワーが確かにある。
   全面的に評価できないのは、いまひとつ印象が拡散しちゃうとこ。
   編成が小さくてこじんまりしてる。
   こういうバンド、ライブが面白いんだろな。

   ロー・ボルジュスはブラジルでMPB活動が起こった頃にデビューした歌手。
   ミルトン・ナシメントを筆頭に、裕福層で構成された音楽サロン、"街角クラブ(クルピ・ダ・エスキーナ)"。
   これを中心とする"ミナス州・サウンド"の一員・・・と、資料にあった。
   本作は1979年リリースの2ndで、1stからは7年もの間を置いて発表した。
171・Lo Borges:A Via-Lactea:
☆☆☆☆★
   極上のブラジル・ポップス。隙が全然ない。
   メロディも演奏もばっちり。アレンジも、ね。
   CCCDでの発売じゃなければ、みんなへ薦めたのに。
   細かなパーカッションをたくみに重ね、サウンドを多層化させる。
   ソフト・ロックファンは必聴だろう。
   シンセの使い方は、さすがにちと古臭いですが。

   資料に記載無し。4人組の黒人グループみたい。ブラジル音楽なんだが、
   買った盤がポルトガル語しか書いておらず、何がなんだか分からない。
   オリジナルの発表は1970年みたい。ポップスだと思うんだが・・・。
170・Golden Boys:Fumace:

   2004年の今聞くと、けっこうアレンジが古めかしい。
   60年代をイメージするなあ。ともあれ出来はまずまず。
   ちょいとリズムがトロいけど、演奏も悪くない。
   すこーんと暑い夏の日、ハッピーに屋外で遊ぶときの
   BGMに似合いそう。

   これもブラジル音楽。片割れのシモーネは73年にデビューし、ミルトン・ナシメントの
   バックアップを得て活躍したとある。もう一人、ロベルト・リベイロ(でいいの?)は、
   手持ちの資料に経歴記載無し。本盤はポルトガル語だけでよくわからず。
   オリジナル盤の発売は73年みたいだから、シモーネのデビュー直後の盤だね。
169・Simone et Roberto Ribeiro:A Bruxelles:
☆★
   今聴くと古臭いブラジル・ポップス。だけど曲に力あるから
   聴いててくじけることは無い。むしろ演奏がねえ。
   ダビングがかなりいいかげん。特にパーカッション。ずれてるぞ。
   もうちょいタイトに演奏できなかったもんか。どうも野暮ったいね。

04/7/19   ひさびさにクラシックのCDを買う。探し慣れない棚はどうも勝手が違う。

   ブラ・プロのライブを聴いて、ブラームスの曲そのものも気に入った。2枚組です。
   数種あったが、なんとなく本盤を選ぶ。併収はシューベルトのピアノ三重奏曲の2番。
   奏者はArtur Rubinstein(p),Henryk Szeryng(vln),Pierre Fournier(vc)。   
168・Brahms:Complete Piano Trios:
☆☆☆
   響きが古めかしくみっちり詰まる。演奏はどことなく性急さも。
   力強いアンサンブルって印象を受けた。

   一枚だけCD買うのは物足りない。テクノを適当にジャケ買い。
   カートを書いた、手書きのへたくそジャケ。欧のレーベル
   "WARE"のコンピらしい。2002年の発売。手書きのクレジットはろくに読めない・・・。
167・V.A.:Waren Borb#4:
☆★
   基本はフロア用ミニマル・テクノ。音がすかすかで、何かミックスを
   前提にしてるかのよう。だけどコミカルなムードで部屋にて聴いても楽しめた。
   うーん、大音量でこういうのは聴きたいね。
   (4)でブライアン・ウィルソンのサンプリングをつかってます。
   個人的にはこの響きがすごいツボでした。

   アメリカのレーベルらしい。03年のコンピ。テクノ系は
   ジャケット見ても取っ掛かりがないなあ。レーベル名はOM。
   橋の後ろに聳え立つ、ロビイみたいなロボットのジャケ。
   ミニマル系のおもしろいテクノを期待して買った。
166・V.A.:Golden gate breaks:
☆★
   フロア対応のちょっとミニマル風味なテクノのコンピ。
   部屋で聴くと、今ひとつ盛り上がりに欠けるかな。(3)が良かった。
   ボーカル入りの曲は、どれも出来がいまいち。インストのほうが面白いや。

   たぶんドイツのレーベル、"Stir15"によるコンピ。
   茶色みを帯びた街角の寂しげなジャケにインダストリアル・テクノを期待する。
165・V.A.:All star alliance cityslickers vol.1:

   なんだか停滞して気が滅入るハウスばかりが続く。
   夜中の4時、いいかげん眠くなった頃に惰性で身体を動かすのにいいかも。
   刺激が少なく、淡々とビートが重ねられる。
   唯一、まあまあ躍動感感じたのが(4)だった。それはDa Pino"do the positive"。
   ・・・タイトルに謳っただけの事はある。

04/7/11   あちこちレコ屋をうろつく。収穫がいろいろ。わくわく。

   ブライアンの6年ぶり新作は過去のセッションのボツ曲を再録が中心。
   詳しくは萩原健太氏のHPを参照ください。
   バックはいまの"smile"ツアーバンドかな?ブライアンの声がどんどん
   滑らかになってる。篭もり気味のミックスも雰囲気あって嬉しい。
164・Brian Wilson:Gettin'in over my head:
☆☆☆☆
   復帰後のブライアンの作品としては初めて、ボーカルが
   気にならなく聴けた。ブライアンの作品と思わず、BBフォロワーとして
   聴けば、だが。ツアーを繰り返して、喉が鍛えられたのか。
   ゲスト陣も違和感なく聴けた。特にポールとエルトンとカール。
   恥ずかしい話だが、i-podでぼんやり聴いてるときはすべて
   「へー。ブライアンも多彩な歌が歌えるようになったんだ」程度で聞けたもの。
   逆に邪魔臭いのはクラプトン。ギター、うるさいよ。いかにもアメリカンな能天気さを
   もとめて入れたのかなあ。
   結論として皮肉な意味でなく、良質のポップスが詰まった盤。
   かなり精密にアレンジされてるよ。演奏もうまいし。

   メルツバウ関係を数枚入手。
  
   メルツバウの新作(群の1枚)。アメリカのレーベルからかな?
   Kim Casconeなる人物とのスプリットみたい。MERZBOW音源は
   2003年に自宅で収録されたものを、1曲提供した。
163・Merzbow/Kim Cascone:rondo/7phases blowback:
☆☆
   メルツバウにしては大人しめのテクノイズ。
   キャスコーン寄りの視点で聴いたほうが楽しめる。
   不穏な感触が面白いテクノなんだけどね。
    もうちょい変化が激しいほうが楽しそう。

   メルツバウの新作(群の1枚)。東京では彼と関係が深いと思われる、
   西新宿のレコード屋「ロス・アプソン」のレーベルからリリースされた。
   録音は2004年4月に自宅にて。ばりばりの新録だな。
162・Merzbow:Electro Magnetic Unit:
☆☆☆★
   漆黒の低音ノイズがあたりに広がり、分厚い絨毯を敷き詰めた。
   ウワモノのループも闇をまとい、じわじわと迫りくる。
   重厚なムードが漂う一枚。ハーシュの鋭さより、ストイックさを強調した一枚。
   淡々と電子音が広がっていく。

   ATRってバンドのシンガーかな?ドイツからのリリース。
   J・マスシス、アレック・エンパイアと並んでメルツバウの
   クレジットあり。いったいどんなサポートしてるんだろう。
161・Hanin Elias:No Games No Fun:

   ノイジーなパンク経由のニューウエーブってとこか。
   横文字を適当に並べてみたが、要するに興味を引かない。
   ライブで派手なパフォーマンスするなら、面白いかも。
   一本調子なボーカルは、どんなに趣向を変えても限界あり。
   J・マスシスのファンなら買っても・・・
   うーん、やっぱり物足りないか。
   メルツバウ・ファンの視点では、さらに物足りない。素材扱いされてるからね。
   ジャケット写真が象徴するように、ピントがボケている。もうちょい整理できたのでは。

   岩手のミュージシャンらしい。灰野敬二みたいな暗黒サイケ風
   ジャケットが気になってジャケ買い。いくつも作品を発表してるようだ。
   自主制作盤のCD-R。
160・周尾純一:Paraddiso:
☆★
   基本はハーシュだけど、音数が少なく凶暴性はない。
   むしろアンビエント・テクノのちょっとやかましい音楽って
   イメージを受けた。小さめの音で聴いてるからね。
   ループっぽいところもあるが、むしろ感情の赴くまま
   即興的に変化させるメルツバウ・タイプの構成だ。
   52分一本勝負。長丁場だが、親しみやすい。
   ラストでちょっとプレイヤーに回転が引っかかった。プレスの問題かな?

   サイケ・フォークだそう。詳細不明。のほほんなジャケが気に入ったんです。
159・Simon Finn:Pass the distance:
☆☆
   面白いサイケ・フォークだ。シミー好きなら楽しめるんじゃないかな。
   惜しむらくは歌がぶっきらぼうなこと。もっと朗々と
   歌えたらな。とびっきりの快盤になったと思う。
   逆に歌が楽しめる(5),(8)などはすごくいい。
   ボートラの4曲って毒こそ控えめだが、完成度はアルバムより上と思う。

   マグマのドラマー、クリスチャン・ヴァンデが純粋なジャズを目的に
   結成したバンド。本作が1stのはず。サイドメンはPhilppe Dardelle(b)、
   Emmanuel Borghi(p)のトリオ編成。この二人もマグマ人脈?
   すみません、よく知らないです。4曲入りでコルトレーンの"Like sonny"をカバー。
158・Christian Vander trio:Dour Aores Jour:
☆☆☆
   編成はオーソドックスなピアノ・トリオ。だけどヴァンデのドラムが
   平凡さを許さない。ピアノとベースは普通の4拍子なのに、ヴァンデだけ
   ヘンなところにアクセントを置く。まるで変拍子叩いてるみたい。
   リズムはジャストなんだけど、妙なズレによるグルーヴが面白かった。
   熱気にまかせぐいぐい押す前半と、曲演奏で比較的まとまった後半と
   構成も考えているようだ。ライブ見てみたいな。

   ノルウエーの即興バンド、スーパーサイレントの6作目。
   ジャケットには何も情報なし。いつものストイックなデザインだ。
157・Supersilent:6:
☆☆☆★
   次第にドラマティックに盛り上がっていくさまは、さながらプログレ。
   ただし手法に停滞せず、音そのものの凄みは確かにある。
   生演奏なはずだが、不思議と打ち込みの感触も多々。
   たとえば3の盛り上がりは、もろに生演奏のダイナミックさがあるけれど。
   メロディとそのフェイクで成立ではなく、重奏的に情景を積み重ねる。

   インダストリアル・テクノイズの最先端だそう。よく知らない。
   雰囲気はアンビエント系かな?どうやって情報取ろう。ネットにあるといいんだが。
156・HECQ:A dried youth:
☆☆
   軽やかで静かなテクノ。インダストリアルの
   文脈もほんのりあるが、ぷちぷち呟くリズムは重心軽く
   コミカルさが漂う。ダンスとしても成立するが、家でのんびり聴きたい盤。

   フランスのゴシック・テクノイズらしい。これも詳細不明。デジパックに見せかけて
   かなりジャケットが凝っている。
155・BLOT:Sacrifice in Sweden:
☆★
   ジャンルわけで紹介しづらいなあ。ノイズ系と思ったら
   しごく滑らかな音楽だった。サイケロックあり、トラッド系あり。
   その隙間を淡々としたシンセで埋める。
   単調なプログレが一番近いかな?
   奏者はゴシック風味の重厚さを狙ったのか。解説書を読みながら聴きたい音だ。

   全米/英でナンバーワンになった、ウイングスの大ヒットアルバム。
   実は今まで聴いたことありませんでした。
   ビートルズを解散してポールがやりたかったバンドがこういう音楽なのかな。
154・The Wings:Venus and Mars:
☆☆☆
   なんだか地味目の感触なアルバム。バンドとしてのウイングスに
   こだわったせいか。だけど曲も小粒でトラッド風味の曲が
   多いと思う。録音はニューオリンズなんだが。
   柔らかいメロディが詰まった、好アルバム。

2004年6月

04/6/27   吉祥寺のレコ屋へバーゲン品を漁るのやめて、普通の棚をチェック。
         興味深いのいろいろあったが、あえて違うのをバカバカ買う。
         いかんな。仕事のストレスを買い物で解消って、ならぬよう気をつけねば。

   5年ぶりという是巨人の新作は今年の3/4にZAKの手で録音された。
   Produce/mix/Artworkは当然、吉田"磨崖仏"達也。
   今回は彼のレーベルからリリースされた。なおユニオンで買ったらオマケのCD-R付き。 
   中身は04/6/9@Big Appleライブ盤。"Arabesque""You know what you like""
   "out of head""on Reflection"の4曲を収録。2ndから1曲のみって選曲だ。
153・是巨人:Arabesque:
☆☆☆☆
   前作より明るくなった。曲そのものもさることながら
   吉田達也自らのクリアなミックスによるものだろう。
   響きの隅々まで明確に録音された音を、輪郭をくっきりさせ
   分離よく配置した。ヘッドホンで聞くとよくわかる。
   さりげなくパンを使う小技がいかにも吉田らしい。
   変拍子がうねるグルーヴは前作よりも増した。どこか沈鬱なとこも、本作では突き抜けてる。
   1stリリース後のライブで、「明るすぎるから、この曲は是巨人ではボツ」と
   吉田がMCで言ってたのを思い出す。あの曲は(6)だっけな?よく覚えてない。
   なんにせよぐっと聴きやすく、親しみもてる傑作。
   即興も3曲あるが、どれも一分台。むしろ譜面による構築性を重視してるのか。

   即興演奏の名手としてあちこちで絶賛されるSupersilentを遅まきながら
   一枚買いました。リューネ・グラモフォンからのストイックなデザインがきれい。
   これは98年にリリースされた4作目にあたる。
152・supersilent:4:
☆☆☆★
   生き生きした音響ジャズ。生演奏が想像付かないな。
   いろんな録音テープを、プロトゥールズで切り貼りしてる気もするが・・・。
   (3)でのハードなインダストリアルっぽさや、
   (6)での激しい断片ノイズからアンビエントっぽさへ行くあたり、
   ジャズとは違うコラージュ感覚だ。ジョン・ゾーンの細切れさとも違う。
   むしろミキサーっぽい発想の香りがする。
   アメリカ・ジャズの根本原理である、ダンスビートはほぼ皆無。
   美しさを追求するヨーロッパ至高の究極の一つ。かなりアヴァンギャルドだが。

   TZADIKからMasada10周年を記念したシリーズの第4弾にして最新作。
   Mark Feldman(vln)とSylvie Courvoisier(p)のデュオ演奏で
   ジョン・ゾーンはExective Producerとしてクレジットされたのみ。
   アレンジはCourvoisieとある。Bar Kasadaみたいなコンセプトかな。
   曲は全て、マサダのレパートリーだ。
151・Masada 10years vol.4:Masada Recital:
☆☆
   即興部分ももちろんあるが、まず耳に残るのはクラシカルなアンサンブル。
   Masadaの荒々しさはあえて控え、厳かな雰囲気を強調した。
   ユダヤ系音楽のスタイリッシュとは、本盤で聴ける穏やかな構築美なのか。
   音楽そのものは悪くない。が、物足りなさも確かに残る。
   美しいアレンジを楽しめはするんだが・・・。

   板橋文夫が北海道でソロ・ピアノ・ツアーを98年に行った。
   そこから北見でのライブより抜粋された2枚組。
   "南へ"の演奏など、30分以上に及ぶ。すごいな。
   リリースは板橋の個人レーベル"Mix Dynamite"より。
150・板橋文夫:North Wind:
☆☆☆★
   スタインウエイを蹴って選んだという、ヤマハが透明に響く。
   ロマンティックな演奏が、ひときわ強調されて聴こえるなあ。
   えらく緊張を感じる空気だが、音楽は素晴らしい。
   長尺でのアドリブに翻弄される。"南へ"なんて、30分以上弾きっぱなし。
   このピアノ・ソロはBGMじゃなく、スピーカーに向かってじっくり聴きたい。

   アフリカのラップってあったんだ。これはダカールの録音。
   ユッスー・ンドゥールの地元だよね、たしか。
   女性の3人組ユニットです。今年のリリースらしい。詳細は不明。
149・Alif:Dakamerap:
☆☆
   太鼓の響きがアフリカン。サンプリングで埋め尽くさず、
   隙間を生かしたビートが気持ちいい。歌モノの(10)もなかなか。
   なかなか活動が掴みづらいアフリカのラップ・シーンだが
   面白いユニットはいっぱいあるんだろうな。
   ラップとアフリカ音楽が、ごく自然にかみ合った。
   B級っぽさは否めないが。

   インディ・ラップをもう一枚。オハイオのグループらしい。
   飾り文字でデザインされてて、ぱっと読めないな。
   ざっと聴いた限りでは、バラエティに富みつつも西海岸風の気楽な感じ。
148・Five Deez:Rinkynasti:
☆★
   気軽に聴けるラップ。パーティ向の能天気なだけでなく、
   ゆったりした空気も。要するに、どっかヌルい。
   のんきでおおらかなんだよ。いちおう"PAEC"マークなのに。
   BGMにちょうどいいんじゃないかな。
   (7)(13)のインスト・ビートが気に入って繰り返し聴いた。
   シンプルなテクノみたいなんだもの。

   ドイツのテクノ仙人、Pete Namlookの2004年録音。新スタジオにて録音されたという。
   fax盤です。1000枚限定で、名義はソロの"XIX"として04/2/16に発表。
147・Pete Namlook:Music For Urban Meditation:

   胴鳴りするかのような電子音がひたすら淡々と続く。
   暖かさがあればチル・アウトやアンビエントに使えたかもしれない。
   しかし実際にはどうにも迫力あり、いまいちくつろげない。
   仕事のBGMにあうかな。うるさくも無くあまり違和感覚えなかった。

   こっちはナムルックの旧作で、Burhan Ocalとの共作です。
   98/10/26に1000枚限定で発売された盤を、AWがリイシュー。
146・Pete Namlook & Burhan Ocal:Sultan-Osman:
☆☆☆★
   聴き応えのあるテクノ。打ち込みがたぶんメインで、ぴたりと
   縦の線は揃ってる。一曲は充分に長く、音の流れへ
   浸れるが、曲そのものはバラエティに富んでいる。
   アラブ風味をたくみに電子音楽と融合させた傑作。
   アラブ音楽の観点から見ると、グルーヴが希薄で退屈かもしれない。
   だが、いざテクノの視点で聴くとオリエンタル要素が素晴らしい。

   店のBGMが気持ちよくて買った。ジャケットはそっけないし
   ケースにはでっかく"Disco"の文字あり。音を聴かなきゃ、まず買わない盤だ。
   中身はフロア対応のテクノ。イギリスのミュージシャンらしい。
   レコ屋のポップにはAmen Andrew名義も使っているLuke Vibertの
   新プロジェクト名と書かれてた。
145・Kerrier District:Kerrier District:
☆☆★
   前半は心地よいが、所詮はフロア対応のディスコ・テクノ。
   しかもBPMが似通ってるので、部屋で聴いてると眠くなる。
   通勤電車で聴いたら、あんがい心地よかったが。
   ポイントは盤の後半。(8)以降かな。
   基本はやっぱりディスコ・テクノだが、微妙に響きが
   凝ってきて、聴いてて引き込まれた。

   ブルーノートを2枚。
   まずは58年に録音されたルー・ドナルドソン(as)の5人編成。
   ファンクに注力した盤なのかな。4053番。
144・Lou Donaldson:Light foot:
☆★
   ラテン風味の軽いモダンジャズ。BGMにいいね。
   気楽なムードにはまれるかで勝負が決まる。
   僕はもうちょい、毒があるほうが好き。
   だけど(7)のロマンティックさに染みた。

   オビの「まぼろしの名演として名高い」ってあおり文句見て、
   なんとなく買いました。このリーダー奏者はまったく知らない。
   5人編成で、サイドはジャッキー・マクリーン(as)、ポール・チェンバーズ(b)とか
   知ってるんだけどな。4045番で1960年の録音。
143・Freddie Redd:Shades of Redd:
☆☆
   非常に耳ざわりのいいモダン・ジャズ。
   ソロもテーマも心地よい。今の時代で通用する先鋭性や革新性は正直皆無だが。
   モダン・ジャズの入門にちょうどいい盤じゃないか。
   生き生きしたスイングっぷりやロマンティシズムが
   味わえるがゆえに、凡庸さはない。
   つまり今の時代でも聞き込ませる、ジャズのパワーは確かにある。

04/6/18      駅の近くでストリート・ライブにたまたま出会った。歌声が気に入り物販のCDを買う。

   福岡出身の歌手らしい。伸びやかな歌声に、川本真琴や飯島真里を連想した。
   ハイトーンの部分で、ふらっと震える声が綺麗だ。
   弾き語りはミニ・キーボード一本でやってたが、このCDでは曲によりバンド・アレンジも
   取り入れてる。バラードっぽい曲がメインかな。
   所属事務所の自主CDらしい。10曲いり。ミュージシャンやスタッフのクレジットがないや。

142・Lacu:Best:
☆☆
   バンド・アレンジも含まれてるが、いっそすべて弾き語りのほうが
   伸びやかな歌声を強調できて良かったのでは。
   ほんのりひねる歌声は聴いててくつろげるよ。じっくりライブ聴きたいな。

04/6/12   CDを買う。・・・改めて書くと、久々だあ。この行為を噛み締めましょう。
         ボーナスでたし、リミッターはずして買いまくってきました。

   これだけ、通販で買った。日本ジャズ界の良心、studio weeからの新作。
   水谷浩章のソロに参加がきっかけで、1stアルバムを作ることになった、
   若手フルート奏者のアルバム。ソロ名義だが、実際には彼女が率いるバンド、
   "シネマ"の作品でもある。プロデュースはもちろん水谷。ゲストも豪華だ。
   松本治、今堀恒雄、外山明らティポ一派のほかに、ボブ・ザング、四家卯大など。
   上品で柔らかいジャズ・・・かな。
141・Miya:Globe In Motion:
☆☆★
   オーソドックスなフルートを吹く人なので、すんなり聴いたら
   耳を柔らかく通り過ぎてしまいそう。しかし水谷のプロデュースが
   上手くはまり、ロマンティックなジャズに仕上がった。
   外山ら、一癖あるミュージシャンが加わった曲のほうが面白いな。
   水谷のソロから素直さだけを抽出したような盤だ。
   編成大きい曲のほうが、聴き応えある。

   studio wee恒例、通販限定のオマケCD-R。
   なかみはMiyaによるフルート多重録音だ。
140・Miya:When I Fall In Love:
☆☆
   ディズニーのサントラを聴いてるかのよう。小細工なしで
   多重録音のふくよかな響きが伝わる。一人アカペラみたいだ。
   スリルがもうちょい欲しくもある。

   ボンフルの派生ユニットともいうべき、warehouseの2nd。前作から2年ぶり。
   今回もジャケは高野文子のペーパークラフトだ。
   こじんまりして暖かいアンサンブルが楽しめそう。
   オビの「恋のサイケ★パトロール」ってコピーに大笑いした。誰のセンスだ、これ。
139・Warehouse:Patrol girl:
☆☆☆★
   前作の方向性を延長した室内楽プログレ。キュートな味わいは変わらず、
   少々インプロ要素を強めた気がする。
   多重録音でオモチャ箱をひっくり返した楽しさは、本作でも健在。
   鬼怒のバンドで、もっともライブとCDの印象が近いユニットでは。

   KBBの壺井彰久(vln)と鬼怒無月が組んだユニットの2ndが出た。
   今回はスタジオ録音ばかり。ライブをかなり聴いてないからなあ。
   どういう音楽に変化してるんだろう。鬼怒と壺井の曲が半々の構成だ。
138・ERA:Totem:
☆☆☆★
   スタジオ録音ながら、あまり多重録音っぽさはない。ところどころ、
   ダビングしてるような気もするが。透明さとスピード溢れる前作の
   カラーをより深め、南部の香りも変拍子気味で取り入れた。
   はっちゃきに崩れない構築性に物足りなさを感じつつも、(5)のように
   サイケでミニマルな風景にも惹かれる。
   どの曲も素晴らしいな・・・ロマンティックな(8)みたいな曲をライブでしみじみ聴きたい。

   こんどライブへ行こうと思って。予習で買いました。
   日本人オーケストラで、片山広明や植村昌弘も参加した15人編成の
   スタジオ録音盤。2003年にリリースされた。
137・藤井郷子 Orchestra:East before dawn:
☆☆
   個性の強いミュージシャンをそろえたわりに、音の色合いは単色。
   藤井の音に収斂してる。グルーヴを控えめで、ぐるりと音がよじられまとまった。
   穏やかで複雑な漂いを感じるジャズ。

   ニューヨーク・トリオでの4thにあたる。
   サイドメンはMark Dresser(b),Jim Black(ds)。
   藤井4でもやってる"Junction"(こっちが約1年、録音は先)を
   どう料理してるかが、やっぱぼくは興味ある。
136・藤井郷子トリオ:Junction:
☆☆★
    藤井郷子4(日本版)との差を、いろいろ考えて聴いていた。
   早川/吉田ほど破天荒さがなく、きりっと背筋を伸ばした印象が強い。
   どんなにワイルドに暴れててもね。(8)がベストテイクかな。
   強くきらめく藤井のかっちりした音楽へ、いかにガップリ噛み付けるか。
   そこら辺に、ぼくは魅力を感じてしまう。

   岡村ちゃんの新曲シングル。けっこうひさびさな感じする。
   買いもらしてるシングルもありそうだが。
   4曲入りで、新曲は2曲。1曲はインストver。あと1曲が
   Zep Tokyoでのライブ・セッションとある。
135・岡村靖幸:モン・シロ(single):
☆☆☆
   ボーカルは最近の彼の作品にありがちな、パーカッシブなもの。
   メロディは意外にキャッチーで、ボトムの軽いファンクに仕上がった。
   カップリングの弾き語りも独特な情け切なさが出て味わいぶかい。
   聴きものは3曲目のライブテイク。ラップ風に語る即興ファンクだが、
   ぎこちなくもその場でアレンジを変えるさまがいかしてる。
   JBらの場面転換って、日本語だとああ聴こえるのかな。
   ギターのかき鳴らしつきで、荒削りながらも楽しめた。

   しばらく前にスネークマンの9枚セット復刻が開始されたが、なにかのトラブルで中断。
   仕切りなおしともいえる復刻が、この2枚組。
   まだ聴いてないが、どうやら代表作コントを並べてるみたい。
   (オビには「未商品化ネタ」とあるが・・・変だなあ)
   コントの合間に洋楽を挿入してるが、ぱっとチェックした限りでは
   小林克也の曲紹介DJはなし。なら、何のために入れたのよ。
   スネークマンのギャグだけ並べりゃいいじゃん。別にレア曲があるわけでもなし。
134・スネークマンショー:アンソロジー!!!:

   監修は桑原茂一だから、スネークマンの作品として扱うべき。
   しかしどうも違和感残る。挿入曲は小林勝也のDJが欲しかった。
   例え一言二言でも、どんなにかっこよかったことか。
   廃盤になった3部作を聴いて確信した。
   本盤で初CD化とおぼしきコントもいくつかあり。
   (むろんあの3部作とのダブりも多い)だから、コント目当てで買う価値はあり。
   だけどソウル中心の選曲が今ひとつぬるい。NW中心でぐっと
   トンガって欲しかった。だって今ではNWが昔の音楽なんだもの。
   スネークマン以前の音楽を並べると、さらに雰囲気が懐古っぽくなっちゃう。
   正直、物足りないアンソロジーだ。

   ジョン・ゾーンの誕生日記念ライブ・シリーズ第4弾は、お待ちかねの
   電化マサダ。ライブでPAを使わない、ってのが売りだったはず。
   思い切りコンセプト矛盾だけど・・・やっぱ聴きたかった。
   オリジナル・メンバーはバロン(ds)だけ参加した。
   あとはマーク・リボーなど、8人編成だ。
   2003/9/23、tonicでのライブから1stセットを収録。
133・John Zorn:Electric Masada:
☆☆☆☆★
   マサダの曲を演奏してるが、サウンドはまったく別物。
   こみあげる性急さは控えめに、ぐっとゆとりのあるチェンバー・プログレを
   聴かせる。ツイン・ドラムのリズムもばっちり。サイドメンの
   演奏も素晴らしく、むしろジョンのサックスに違和感を感じるほど。
   マーク・リボーのギターが凄くいかしてる。大傑作。
   もっと他の音源も、なによりもライブを聴きたい。

   古館徹夫はノイジシャンでいいのかな。1993年にYBO2の北村昌士が
   主催するレーベル、SSEからリリースしたのが本作。2ndらしい。
   シェイクスピアのマクベスにインスパイアされて作ったようだ。
   ゲストにメルツバウや吉田達也も参加してる。
132・古館徹夫:マクベス:
☆★
   音楽劇のような統一性がある。かなりそっけない出来なので
   繰り返し聴くには精神力が必要。いっそ膨大なテキストと
   あわせ技で聴きたい。和太鼓っぽいインダストリアルな吉田達也の演奏や、
   これでもかとストイックなメルツバウ、寂しげに唸る古舘のギター・ソロなど、
   聴き所はある。全般を通じて何だか切なさが伝わってきた。

   ウータン・クランの切込み隊長、メスの新作は99年の"Blackout!"ぶりか。
   RZAも一曲、プロデュースで参加してる。あとは全部若手かな?
   ラッパーとして、ウー一派からはRZA,レイクォン、ゴーストフェースなど。
   外部からはバスタ・ライムズやレッドマン、スヌープ・ドッグが有名どころか。
131・Method Man:Tical 0:The Prequel:☆☆★
   破天荒さはないが、どの曲もしっかり作りこまれ楽しめた。
   アレンジもバラエティに富んで飽きない。フロアでも部屋でも、同じように楽しめそう。
   アルバム聴いて、メスの顔は正直浮かばない。つまりメスの必然性はいまいち。
   金出してるのもメスみたい。オーガナイザーとして大成しそう。
   ・・・金銭的にはもう大成してるか。
   いずれにせよ、細かなとこまで丁寧に音が重ねられた作品。
   その分スリルはないが・・・。
 
   今も独特のジャズ・ギターを聴かせる名手、加藤祟之の初リーダー作がこれ。
   にあたるそう。写真が若いなあ。1989年の録音だから34歳のときか。
   脇は藤井信雄(ds)や是安則克(b)といった同世代の巧者が支える。
   "Three blind mice"盤CDを買ったが、これがオリジナルCDなのかな?
130・加藤祟之Trio:Guitar Music:
☆☆☆☆
   アイディアの詰まったジャズ・アルバム。今聴くと、若弾きなところも。
   なぜなら今の加藤は、さらに上のステージへ到達してるから。
   だからと言って、このアルバムの価値が減じるなんて誤解しないように。断じて違う。
   「栴檀は双葉より芳し」盤と言おうか。
   アコギを使った手弾きは、今の奏法の秘密を探る気分で聴けた。

   ディオンをスペクターがプロデュースした75年"Born to be with you"と、
   翌76年にリリースされた"Street heart"。これを英ACEが2001年に
   2on1でリイシューした盤を入手。
129・Dion:Born to be with you/Street heart:
☆☆
   スペクターがらみの"Born to be with you"はマニア向けか。
   楽曲がどれも異様にトロい。なぜだろう。非スペクター作の(6)、
   スペクター作は(8)があんがいマシ。ディオンとして聴かず、
   どっかのロッカ・バラード歌手の盤として聴けばOKか。
   "Streetheart"のほうが出来はよし。前へ進むロックだ。じりじりっと
   もどかしいスピードではあるものの。やっぱりディオンを期待したら
   物足りないなあ。もうちょいパンチが欲しい。

   スティーブ・キューン(p)が1968年に北欧で吹き込んだアルバム。
   トリオ編成でMPSからリリーされた。98年に再発の邦盤を購入。
128・Steve Kuhn Trio:Watch what happens!:
☆☆☆★
   硬質でエレガントなジャズの傑作。ファンキーさは皆無だが
   それはそれ、これはこれ。ゆったりした白人流グルーヴは確かにある。
   美しいピアノにかっちりしたリズムが絡む。
   スティーヴ・キューンってもっと透明なピアニストのイメージだが、
   本盤ではちょっと人間臭い。野暮ったさというか・・・。
   うねるフレーズが感じさせるのか。なんだかとっつきやすい。

   録音は1961年。インパルスからリリースされた。邦題は"ブルースの真実"。
   ブルーズにこだわって録音した盤らしい。オリヴァー・ネルソンってもっと
   後の時代に活躍した人ってイメージあったよ。
   サイドメンがすさまじく豪華。ドルフィー、ハバード、エヴァンス、
   チェンバーズ、ヘインズらが脇を固めてる。97年再発の邦盤を購入。
127・Oliver Nelson:The Blues and the abstract truth:
☆☆
   "Stolen Moments"はザッパのバージョンで散々聴いたっけ。
   そうそうたる顔ぶれなのに、ソロよりも全体の演奏が
   まず印象強い。ブルーズにこだわったそうだが、こざっぱりした
   空気が全編に漂う。頭を絞って作り上げた音楽って感触だ。
   けっして悪いジャズじゃない。しかし猛烈な熱気を感じづらいのはなぜだろう。
   グルーヴがかなりクールだ。アンサンブルが整ってる。

   ジャッキー・マクリーンを二枚買った。
   これは1960年頃にブルーノートへ吹き込まれた。4051番です。
   プレスティッジからBN移籍1作目だそう。二つのセッションから選曲された。
   1987年に米キャピトル参加のマンハッタン・レーベルからのリイシューを購入。
126・Jackie McLean:Jackie's Bag:
☆☆
   王道ビバップな前半と、さらに黒っぽくなった後半という格好か。
   追体験の今聴くと、それぞれの方向が味わい深い。
   たまに力の抜けるソロがあるものの、悪くないジャズだ。

   これもブルーノートで録音した一枚。4215番。1965年の録音だ。
   ピアノ・トリオをバックに、ワンホーンで吹ききってる。
   1991年に米キャピトルでリイシューされたCDを買った。
125・Jackie McLean:Right now !:
☆☆☆☆★
   予定調和気味ではあるものの、がっしりと4人が組み合った
   痛快なジャズ。突出せずに一つの世界を構築した。
   特に(2)のダンディズムにはしびれる。
   次世代を牽引する過激さはない。
   しかしジャズの魅力である、夜のクールさを存分に吸い込んだ
   洒落たファンキーさがある。こういうジャズも、とても好き。

   モータウンを支えた作曲チーム、H=D=Hのラモント・ドジャーが
   1981年にリリースしたソロ・アルバム。2001年再発の邦盤を購入。
   全て自作曲で固めた。バックは知らない人ばかりだが、解説によると
   西海岸周辺のスタジオ・ミュージシャンらしい。
   きらびやかなH=D=Hのメロディが好きなんだが、さてどんな音楽だろう。
124・Lamont Dozier:Working on you:
☆☆☆
   よく出来たソウルだと思う。だがあまりにも演奏がかっちりしてて
   グルーヴに欠ける。だから頭で喜んでも腰が喜びにくい。
   ただでさえさっぱりしたアレンジなのに。惜しいなあ。
   でもアレンジはうまいよ。爽やかな気分になる。
   演奏ではほんのりレゲエ調の(10)が生々しくてよかった。
   しかし聴いててモータウンらしさはほとんどない。

   しばらく彼の作品から遠ざかってた。決して嫌いじゃないんだが。
   なんとなく購入してみる。2002年にリリースされた5thで、
   邦盤を購入。ボートラが1曲あり。
123・Ron Sexsmith:Cobblestone Runway:
☆★
   保守的なことは言いたくない。しかしこの盤で打ち込みっぽい
   リズムを多用したのは、まったくロンの音楽に合ってない。
   やたらギクシャクして、違和感を感じた。曲は煮詰めれば悪くなさそう。
   アレンジの勇み足みたいな、中途半端なアルバム。

   ジャンゴ・ラインハルトって、今までちゃんと聴いたことなかった。
   レコ屋には10枚組セットも売ってたけど、さすがに手かでず。ま、まずはこれから。
   千里の道も一歩から。・・・なに言ってるのか、よく分かりませんが。
   本盤はヴォーグ時代の演奏を集めたベスト盤で、1997年の邦盤リイシュー。
   いかにもヘナチョコっぽいマスタリングが予想される。けど、安かったもんでつい。
122・Django Reinhardt:Best of Dhango Reinhardt on Vogue:
☆☆
   収録曲はSPの盤起こしかな。スクラッチ・ノイズが目立つ。
   ほんのりこもった音は、時代を考えるとやむをえない。
   個々の曲は素晴らしい。曲選択の編集に、もう少し求心力を持たせるには
   どう選曲したらいいんだろう。名曲を並べた一枚だが、
   さらに一歩踏み出す魅力を感じなかった。残念ながら。
   演奏はすごいよ。純朴な雰囲気と切なさが漂う。
   懐深く包み込むストロークだけでなく、早弾きソロもばっちり。

2004年5月

04/5/25   アメリカ出張の隙間に買ったCD。ローカルなバンドを選んだつもり。

   東部でのみ活躍するバンドらしい。出身はピッツバーグ。地元では
   すごく有名みたいね。4人編成のロックンロール。
   活動暦はけっこう長い。これは最新のスタジオ作なはず。2002年発売。
121・
The Clarks:Another happy hending:☆★
   イナタいねー。スカスカで大味なロックだ。どっかホノボノしてる。
   ベテランにありがちな余裕かもしれないが。
   やたらカラっとヌケのいいミックスで、深みのなさが強調される。
   一曲選ぶなら・・・(4)かなあ。ビール飲みながらライブ見るバンドだろう。
   CDエクストラでライブ映像を一曲見られる。ん~・・・いまいち。

   これも地元では有名らしい。7人編成のロックバンド。
   デイブ・マシューズっぽいのを期待したが、実際にはスプリングスティーンあたりな
   ロックンロールだった。ピッツバーグって都会だと思ってたが
   こういう暑いロックが好まれるのか。2003年リリース。
120・
Joe Grushecky and the Houserockers:True companion:☆★
   大味でのんきなロックンロールはCDで聴いてると物足りない・・・
   というか、いらだってくるときも。ライブでビール飲みながら
   聴いたら、爽快なんだろうね。
   演奏自体はまあまあ締まってる。ジャムバンド系の要素があるといいのに。

   このバンドは日本でも紹介されてるらしい。
   エモ系のバンドで、出身はたぶんピッツバーグ。クレジットが細かくて
   よく読めてません。本作は2ndにあたり、キーボードも導入してる。
   インディ・レーベル発売ながら、10万枚のセールスを記録したと
   日本での紹介文を見つけた。
119・
THE JULIANA THEORY:EMOTION IS DEAD:
   U2あたりの影響かな?線が細くて、打ち込み要素も取り入れたロック。
   個性が強いわけでもなく、どこか大味なとこもあり。正直、のれず。
   すぐさま処分行き・・・としたいとこだが、(9)が
   まあまあ楽しめるポップスだったよ。いまいち下手だけど。

   ジャケットのサイケな雰囲気が気に入って買った。2003年の盤。
   これもピッツバーグのローカルバンドみたい。
   バンジョーやバイオリンも取り入れて、南部っぽいアプローチを見せる。
118・
Boxstep:Back Roads:☆★
   なんともまったりほのぼのなアコースティック・ポップス。
   カントリー要素もあるかな。メロディが大味なので、密室さは感じさせない。
   のどかでおおらかな風景を感じるよ。耳ざわりよし。まったく引っかからない。

   ミネアポリスでライブを聴いたジャズ系歌手&ピアニストのアルバム。
   自主制作の盤じゃないか。1999年の発売(たぶん)
   99年の9/7&8にスタジオで一発録りされたようす。
   自作曲とカバーが半々。だがカバーは知らない曲ばかり。
117・
Tom Hunter:Big Thunder:
   達者な演奏だと思うが、個性があまりにも希薄。
   いかにもバー・バンド然とした演奏が惜しい。
   どこでもいい、歌でも演奏でも曲でも。どこか弾けて欲しい。
   小奇麗にまとまった音楽は、逆に聴いてて疲れる。BGMにはいいが。

   これのみ中古で買った。盤質は特に気にならない。カットアウト盤です。
   1991年にリリースされた、黒人女性3人組のバンド。ヒットしたのかはよくわからない。
116・Mahogany Blue:Love Zone:

   中途半端な売れ線ソウル。ヒップホップやファンクの要素も
   取り入れるが、根本的に魅力に欠ける。
   ミディアムやスローでは、イントロの響きにぐっと耳をそばだてるのに。
   曲の最後まで、集中力が続かない・・・ファンの人、ごめんなさい。
   ぼくには彼女らのよさが、分かりませんでした。

04/5/5   映画館のチラシに混じって、無料配布されてたCD-R。

   HPはここ。日本人のミュージシャンによるアンビエント・テクノで
   4曲入りのミニアルバム。HPで視聴もできるよ。
115・Evarov:Evarov:
☆☆☆★
   昔のファミコン音楽みたいなシンプルなサウンド
   (実際にはきっちり響いてます)とキュートなスタイル。こういうテクノが好み。
   穏やかに身体を震わす雰囲気が、可愛らしいです。

04/5/3   レコ屋で見つけてぱっと買う。

   ウータン一派のCDは毎回つい買ってしまう。失望することも多いんだが。
   これはゴーストフェイス・キラーの新譜で、ぼくが知る限り4作目。
   "Bulletproof wallets"(2001)以来かな。
   エグゼクティブ・プロデュースがゴーストフェィス自身だよ。金持ってるんだなあ。
   ほとんどがフロリダで録音されてるが、一部はNY録音。
   デルフォニックス"La La means I love you"の大ネタ使いが話題のようだ。
   個人的にはRZAが2曲でプロデュースしてるのが嬉しい。
   ちなみにメスの新譜が5/18にリリースされるようだ。歌詞カードに宣伝あり。
   こいつら、どんどん商売上手になってくなあ。ブックレット後半数ページはグッズの宣伝だもの。
114・Ghostface:The pretty toney album:
☆★
   いったい何を喋ってるのやら。ラップの内容にふだんは興味ない。
   しかし別の意味で知りたくなった。正直、サウンドは退屈。
   ダンスを促すわけでもなく、スリルにも欠ける。かといって
   パーティ向きのハッピーさも無い。ほぼ一曲をそのまま使うアバウトさで、
   手抜き気分も紛々だ。つまり成り上がりもんの手遊びって
   印象がすごく強い。しかし、売れてるんだよな、これ。
   一体どこに求心力があるのか、その秘密が歌詞にあるかと思ってさ。
   ウーのファンにのみ、薦めます。ラップ聴きたいなら、もっといかしたのが
   いっぱいありそう。RZAのトラックは、腐っても凄みあり。
   だけど全体的には、やっぱ大味だなあ。

2004年4月

04/04/29   ほくほく。レコ堀りの成果がたんまり。しまったなあ。嬉しくて買いすぎちゃった。

   1991年にイリノイ州のFOTから出たコンピ盤。オルタナのインディ系で
   未発表音源を集めたコンピとある。参加したミュージシャンは
   ピーター・ブレグヴァド、トム・コラ、スネイクフィンガーなど。
   しかーし。ぼくの目当てはショッカビリー。クレジット一目見て、買うの決定です。
   2曲を提供してる。"I keep the KKK in line"と"Shockabilly Weekend"。
   もっちろん、クレイマーのプロデュース。ベースもね。
114・V.A.:Passed Normal Vol.4:
☆☆☆☆
   極上のコンピ盤!NYの捻くれポップスがこれでもか、と詰めこんだ。
   アイディア一発でノイジーに迫るのは少なく、ほとんどが
   きっちりアンサンブルを成立させた。スタイリッシュさがいかしてる。
   ひりひりと脱力するアイディアにハマれる怪盤だ。
   見つけたらすぐさま手にとって損は無い。他のコンピも聴きたいな。
   Vol.3まではカセット・オンリーとある。CDで再発してくれないものか。

   シミー盤をまとめて見つけて、片っ端から買いまくる。

   経歴はよく知らない。7人編成のバンドで弦などがゲストに入る。
   David Lichtがメンバーとしてクレジットされてる。
   ベーシストとして、クレイマーの名も。録音時期は書いてないや。
   ノイズ・ニュージャージー録音で、エンジニアこそスティーブ・ワトスンだが、
   ミックスはクレイマーが担当してる。シミーの64番。
113・When people were shorter and lived near the water:Bill Kennedy`s showtime:

   シミーから2枚ほどアルバムを出してる女性シンガーのアルバム。
   ニュージャージー・ノイズで、92年の夏に録音とある。
   プロデュースとエンジニアはクレイマー。ベースを数曲で演奏してる。これ、探してたんだ。シミーの62番。
112・Lida Husik:The return of red emma:
☆☆
   サイケ・フォーク・・・でいいのかな。ドラム以外をほぼ自分で多重録音してるわりに
   あまり密室ぽさはなく、すこーんと抜ける軽やかさを感じた。
   (9)のように畳み込む曲が好み。
   アレンジはシンプルなのに、不思議と和まない。むしろ突き放すよう。
   クレイマーがベースとオルガンで加わり、セッション風な(11)もキュートだ。
   92年だけあって、今聴くとマスタリングがしょぼい。
   リマスター盤で聴きたいが、シミーは夢のまた夢か。

   手書きのきったない字でクレジット読む気しないが・・・詳しい経歴は知らない。
   ギターの3ピース・バンドだ。轟音パンクじゃない、サイケ・ロックみたい。
   ニュージャージー時代の録音で、リリース時期は不明。
   ミックスはスティーブすら脇役。クレイマーはいちおうクレジットされてるが、
   もしかしたら何もタッチしてないんだろうか。シミーの81番。
111・Pale face:Raw:
☆☆
   基本はディランかな?歌詞に軸足を置いてるのか、音楽だけだと
   少々単調な部分も。ただしクレイマーのプロデュースがはまった部分の
   音のつやは抜群。ベストは(7)。ラフなライブバージョンより
   スタジオテイクのほうが聴き物。

   メリーランド州の出身らしい。二人組ユニットで、クレイマーは
   エミュレーターでの参加。プロデュースもやってる。
   92年にノイズ・ニュージャージーで、とあるが、エンジニアは
   ロン・ポールとある。この人、よく知らないなあ。シミーの65番。
110・The Tinklers:Crash:
☆☆
   "Casserole"(1990),Saplings(1991)(どちらもShimmyから)に続く3rd。
   しかしレコーディングに慣れたそぶりはなし。
   むしろふてぶてしく、のんきで捻くれたフォークを弾いている。
   バックトラックつきのほうが素直に聴けるな。脱力サイケって意識で。
   弾き語りっぽいのは、とにかく気が滅入るほど。
   一本調子で覇気なく歌う度胸は、面白行っちゃ面白い。
   クレイマーがどこまで手を下したか分からない。だけど曲によっちゃ
   あんがい聴かせるよ。(10)とか(6)とか。

   先日惜しくも解散宣言した、GbVのシングルを見つけた。
   アルバム未収録が2曲あり、一曲はチープ・トリックのカバー。
   2003年にリリースされた。これって、アルバム先行シングルだっけ?覚えてないや。   
109・Guided by voices:The Best of Jill Hives(single):
☆☆
   なんだかおとなしい感じ。ロックンロールが収録されてるんだけどね。
   きれいに録音された曲群ばかりで、なんだかしみじみしちゃった。
   GbVのシングルでこういう感想を持つとは。
   一曲くらい、やりっぱなしのデモテープ状態を聞きたかった。

   Lunaが1stから切ったEPで、デモを含むアルバム未収音源が2曲あり。
108・Luna:Smile(single):   

   Ulverのリミックス盤。すいません、このミュージシャンはどんな人か知りませぬ。
   merzbowが参加してて、購入を決めた。他にはFennesz,Pita,Hazzkammer
   などの名前もある。
107・Ulver:1993-2003 1st decade in the machines:
☆☆★
   ウルヴェルはブラックメタルのバンドだそう。
   一聴ではサンプリング音源をもとにしてると思わない。
   それほどバラエティに跳んでいる。Ulverの音世界が多彩なせいもありそうだが。
   Ulverの名前を知らずとも、電子音楽ファンは楽しめる。
   テクノからインダストリアル・ノイズ系が多いかな。

   プリンスの3年ぶりスタジオ新作。
   ほとんどがプリンスの多重録音と、いつものスタイル。
   ポップさを復活させ、ぐっと落ち着いた雰囲気。
106・Prince:Musicology:
☆☆☆☆
   大人のファンク。アップで押す曲がないので地味に聴こえるが、
   じわっと心を揺らす、独特のプリンス・ファンクを味わえる。
   これはじっくり聴きたいわ。実はまだ「この曲が好き!」ってとこまで、
   アルバムをしゃぶりつくせていない。

   梅津和時率いるKIKI Bandの第4作目は、昨年の6/9にメールスで行った
   ライブ音源。全6曲で67分と、ライブをフル収録したらしい。
105・KIKI Band:Live at Moers Festival:
☆☆☆☆
   ちょっとこもった音だが、臨場感に溢れる。KIKIバンドの魅力が凝縮された。
   メンバーの曲を一曲づつ、最後は自作曲で締める。
   全員が一丸となって怒涛の突き進みなアンサンブルも、
   ほとばしるメロディのアドリブもばっちり。
   すごいね、しかし。骨太な迫力がある。

   彼の初ソロ、"デギュスタシオン・ア・ジャズ"から、UAやカヒミ・カリィらの
   ボーカル曲を全尺で収録したミニアルバム。
   "菊地5ダブ"のライブ音源を1曲収録してる。
104・菊地成孔:Chansons extraites de degustatition a jazz:
☆☆☆★
   ほぼ全てが菊地のオリジナルなのに、スタンダード集っぽい
   趣なのは狙いなのか。いろいろ録音で技を使ってるのかもしれないが、
   聴いてる分にはするっとメロディが耳へ馴染む。
   究極のクルーナー調な歌い方だが、かなり馴染んだ。
   20年代ジャズっぽくUAを使ったセンスがさすが。
   ジョセフィン・ベーカーへのオマージュだっけ?
   はるか昔のレココレ誌で記事を見かけた記憶あるなあ。

   リーダーである宗修司の他界で存続も危ぶまれたが、新ドラマーを
   迎えて、見事復活。今回も地底レーベルからリリースされた。
   本作が3rdにあたる。全てが宗による作曲で初録音ばかりのはず。
   "ブラックアウトよこんにちは""セクシャル・ハラスメントNo.1"、
   "大変恥ずかしい"はライブで聴いたことあるな。他もライブでは演奏してたかも。
103・Soh-band:A Whole:Lotta crybabes
☆☆★
   タイトなアンサンブルは相変わらず。なんだか爽やかなタイトさだ。
   カタログを見てるような行儀良さを感じてしまうのは気のせいか。
   ザッパを連想する。めまぐるしい曲構成を、軽々弾きこなす手腕は見事。
   ほんのりユーモアを漂わす、宗の曲を丁寧に提示した。
   くどくど書いてるが・・・要するに、もうちょい毒や破綻あるほうが好み。

   美しいバイオリンを聴かせる、喜多直毅の初アルバムは2002年リリースかな。
   in Fでのインプロ音源、タンゴ、無伴奏ソロなど多彩な曲がつまってる。
   ゲストで鬼怒無月も参加してる。
102・喜多直毅:ハイパータンゴ:
☆☆☆
   凛とした彼の音色を楽しめる。本業(?)であるタンゴ寄りの選曲だ。
   デビュー盤だからかな。16曲いりのボリュームだが、もっと一曲を
   長くして、ソロをじっくり聴きたかった気もする。
   鬼怒無月とのセッション音源にまず耳が行くものの、
   タンゴのスタンダード(だと思う)の演奏も、ストイックな
    音楽が心地よい。教科書のようにじっくり聴きたいアルバム。

   「詩のボクシング」チャンプでもあるそうな、倉知久美夫の最新作で
   2003年リリース。バックは前作"うわさのバッファロー"同様に、
   菊地成孔と外山明がつとめる。OZでなく、美音堂から発売された。
101・倉知久美夫:I heard the ground sing:
☆☆☆☆
   多重録音で幾重にも声を重ね、耳の取っつけるポイントが多くなった分、親しみやすい。
   菊地+外山のバッキングも揺らぎが素晴らしく、青白く寂しいグルーヴは
   間違いなく癖になる。猥雑に和めるけど、頭の奥では緊張を強いられる音楽。
   倉地の声色はコロコロ変わる。(6)の演劇風の喋りにやられた。
   奔放に飛びかう言葉のイメージに、思いがけずポップなメロディが
   乗っかってるんだ。ある意味、どこにも隙がない。
   きっちりした構成を拒否するリズムと歌声が、破綻を作るんだが。
   とにかく名曲ぞろい。(2)の完成度も(7)でのサックスソロも。
   そして(5)のギター多重録音(?)もしみじみ聴けた。
   BGMは無理。じっくり聴く必要あるだろう。でもその価値あるよ。かならず。

   ジョン・ゾーンの"50歳ライブ月間"の第3弾リリース。
   今回はLocus Solusの再結成(だそう)セッション。
   メンバーは。ゾーンのほかにアントン・フィアとアート・リンゼイです。
100・Locus Solus:Locus Solus:

   どこまでが即興なんだろう。フリーキーな演奏がやみくもに
   炸裂しては消えていく。ライブで楽しむ音楽だなあ。CDだといまいち。
   ドラムとギターの絡みはまずまず美味しいので、いっそデュオで聴きたい。
   フラジオをひたすらばら撒くゾーンのサックスは、
   らしいっちゃらしいが、アクセントの域を超えてるとは・・・。
   部屋を真っ暗にして、じっくり向き合ったら音楽の印象変わるだろう。

   レコ屋でジャケ買いをした、インダストリアル・テクノイズを2枚。
   詳細は分かりませぬ。ごめん。

   そのうちネットで詳細調べて見ます。いちおうフルアルバムだと思う。
   日本のロボット・アニメ風なイラストを使ったジャケ。mvred
99・Tarmvred:viva 6581:
☆★
   いかにもなロボットのイラストに似合ったインダストリアル・テクノ。
   連想したのは初期YMO。YMOほどポップじゃないし、
   本盤ではビートががしがしに強調されてるが。
   だけどシーケンシャルできらびやかなメロディが魅力的。
   小さめの音で聴いたら、ウキウキしてきた。(3)がベスト。

   その筋では有名なミュージシャンのコラボ(らしい)。
   8曲入りだが、EP扱いみたいだ。初めて聴くミュージシャンです。
98・imminent,synapscape:screenwalking(EP):

   インダストリアル・テクノイズ。若干ビートが効いてるので、フロア対応も
   可能と思う。ただこれだけだと展開が単調かな・・・。
   畳み込む性急さが欲しい。裏を返すと、あんがい聴きやすい盤ともいえる。
   ビートで押しまくらず、試行錯誤の面を出した点が良かった。

04/4/11   菊地成孔のCDを買いに行く。ついでにぶらっと棚をチェック。
  

    メルツバウ関連の新作を2種類、入手した。まずはこれ、昨年からHPで
    告知され続けながら、日本で見かけなかった作品。
    1997~99年、アナログ機材で録音された最後期の作品集。
    ほぼ全てが未発表音源のはず。3枚組。いまいちクレジットが詳しくない。
97・Merzbow:Last of Analogue Session
☆☆☆
   ファン向けの作品。アナログ時代の貴重な作品を集めたが、
   全体のイメージは散漫だ。あまりに多志向の作品を一気に3枚へ
   まとめてしまった印象あり。本来、それぞれ一枚で成立した作品を集めたはずだが・・・
   アナログ時代特有のパワフルさは、聴いていて単純に楽しい。
   この時点ですでにリズミカルな作品志向もあった、と
   分かる点で貴重な"Catapillar"がもっとも聴きものか。
   ノイズとしては"目玉屋"かな、選ぶなら。ハーシュがみっしり詰まってる。

    ジャケにまったく説明がない・・・。"0.000"って作品(?)か、
    それともミュージシャン(?)の音源を元に、リミックスしたって
    コンピみたい。詳細不明。詳しいこと、ご存知なかたご教示頂けたら幸いです。
    おそらく2002年のリリース。MAZKの片割れなコワルスキー以外は
    知らない人ばっかりだ。ミニマル・ノイズ作品かな。
96・V.A.:*0.000 remix Inflation:
☆☆
   高周波と低周波の組み合わせのみで音楽を作ってるため、BGMには向かない。
   ミニマルや音響系の好きな人には薦められる盤だ。
   ボリュームを上げるほど、圧迫感ある音圧に息苦しくなるのが玉に瑕。

    さて、今日の目当て。初のリーダー・ジャズ盤。たんまり官能的な
    サックスを聴けるぞ、と楽しみにしてたのに。細切れ断片なアイディアを
    いやってほど詰め込んだ、偏執的なスタイルでジャズと向き合った。
    ソロ回しで盛り上がる長尺をあえて拒否しつつ、表現はあくまでジャズ。面白そう。
95・菊地成孔:Degustation a Jazz:
☆☆☆☆
   まるでテレビの総集編を見てるかのよう。所々はいる
   ナレーションがアイキャッチに聴こえてね。
   菊地の独特な官能性あふれるジャズをたんまり味わえた。
   だけどもっと一曲一曲をじっくり聴きたくも。その辺がもどかしくて悔しい。
   けして心のそこから熱くならず、ダンディでドラマティックで、そしてクール。
   BGMではない、大人のジャズが楽しめる。
   多数の曲が収録されてるからこそ、どの曲がどれだか
   覚えるのに時間かかって幻惑される。
   奥深さも魅力かな。この点だけは、菊地がまったく意図しない魅力だと思うが。

    元ゾンビーズのコリン・ブランストーンによる新作(かな?)。
    「予算も組まずに、さくっと録音したんだ」と裏ジャケに本人のコメントあり。
    リリースは1995年。(p)の出版クレジットは2002年なのは権利を買いとったかな?
   "Late Nights In Soho"(1979)ぶりのソロにあたる。
   カバーは2曲。"Levi Stubbs' Tears"はビリー・ブラッグの曲だそう。
   "Breakaway"は作曲者のギャラガー&ライルのバージョンだけ聴いてたよ。
   もともとアート・ガーファンクルのヒット曲なんだ。
   そのほか、ニック・カーショーも一曲提供。
94・Colin Blunstone:Echo Bride:
:☆☆
   コリンは共作で1曲を提供するのみ。歌に専念したアルバム。
   とにかく派手なキーボードのアレンジにめげる。80年代じゃないんだから。
   予算がないならエコーを減らし、生楽器で地味に仕上げて欲しかった。
   や、そしたら売れにくいだろう。だけど時代を超えた魅力が出たと思うよ。
   それぞれの曲は悪くない。コリンの声もか細く高く響く。
   アレンジさえ気にしなければ、悪くない。ゾンビーズにも通ずる、
   独特の甘酸っぱさは健在だ。
   ベストは"If I said"かな。打ち込みっぽいperも
   ストリングスの響きも歌を盛り立てる。つまりアレンジも曲の魅力を崩してない。

    50歳誕生日を記念し、NYのトニックで一ヶ月ぶっ通しで行われた
    ジョン・ゾーンのセッションを、リリースしていくTZADIKの第2弾。
    9/8の1stセット、Milford Graves(per)との即興デュオを丸ごと収録した。
93・Milford Graves/John Zorn:Duo:
☆★
   怖いジョン・ゾーンを思い浮かべて下さい。はい、そのとおりの音です。
   フラジオ連発でアルト・サックスを軋ませ、大音量でドラムが迎え撃つ。
   フリーの応酬です。笑い声が漏れ、コミカルなところも。
   その場にいるならまだしも、音だけじゃさすがに飽きる。
   観客が大熱狂してるとこみると、かなり迫力あったんだろう。
   アップテンポ一本やりで押す、体力はさすが。ボーカルも加えたグレイヴスの
   ドラムは、なんとなく吉田達也を思い出す。
   だけどリズムは乱打で単調。フリーなので、あまりスピード感はない。
   どうせならビデオで見たい。ベストはアラブ風味で比較的メロディアスな(2)かな。

    なんとなくジャケ買い。LAのバンド、Snowriderのメンバー二人による
    別ユニットのアルバム。新譜です。
    ジャム・バンド的アプローチらしい。キーワードはチカーノ。
    ウォーみたいな音楽を想像して手に
取った。
92・Monte Carlo 76:The monte Carlo fantasy:☆☆
   チカーノ・ファンク~音響ジャムバンドの文脈で聴けばいいのか。
   生演奏ももちろんあるが、むしろユニットっぽい。
   打ち込みのタイトさも必須だ。テクニックやフレーズを語るより、
   音像制作の巧みさを評価すべきと思う。
   (2)が面白いよ。ポップで楽しめた。歌がもうちょい旨ければなぁ。
   サウンドの根底はウォーに通じる、ねとっと甘くまとわり付く空気だ。

04/4/3   CD買って来ました。昨日の日記と180℃意見が違いますが、
        とりあえず気にしないで下さいな。おねがいね。

   限定盤だもの。これは今買ってもおかしくないですよね。
   8枚組ボックスセット。メンバー4人、全員が監修したってのが売りです。
   リマスターでふくよかな音になってるように聴こえた。まだ全部聴いてませんが。
   あらゆる音源を収録か、と期待したが。抜けてるものもあるみたい。
   たとえばライブ盤で既発の「加藤かつみコンサート」音源とか。
   いずれにせよ充実したブックレットとあわせて、たっぷり楽しみます。
   4人の天才が集まった、はっぴいえんどの究極ボックス・セット。
91・はっぴいえんど:Happy End Box:
☆☆☆☆★
   日本のロックの天才たちがほんのわずかの期間で産み出した
   作品群をタップリ詰め込み、映像も含め多角的に味わえる貴重なコンピ。
   この手が好きな人には必須だろう。唯一、画竜点睛なのが真の意味で
   "完璧"ではないこと。なにも未発表テイクのことを言うわけじゃない。
   既発のライブテイクのことを言っている。権利関係で不可能
   だったのかもしれない。更なる「完璧版」の商品の影を覗かせて
   少々うんざりしたのは考えすぎか。
   ともあれ音質もふくよかで聴きやすい。どっぷりはっぴぃえんどに浸ろう。
 

   これは4枚組。イギリスのProperってレーベルからのコンピです。
   黒人ゴスペルの中からジュビリー系を中心に、マヘリアなど女性ボーカルや、
   ソウル・スターラーズなどモダン系まで含め、100曲を選んだ。
   時代で言えば、1920年から1950年代頭くらいまで。
   ブックレットもしっかりしてるし、音もまずまず。当然SP盤起こしです。
   レーベルは多岐に渡ってるが、権利はどう処理したんだろ。安かったし、日本で言うワゴン系のCDなの?
   黒人ゴスペルは体系だてては聴いてないので、このセットで勉強しまっす。
90・V.A.:Good News~100 Gospel Greats:
☆☆☆★
   盤起こしがほとんどみたいだが、それを気にしなければ良質なコンピ。
   ゴスペル・カルテットの流れを概観には的確だと思う。
   概観にはボリュームが多いか。オーディブックの「ブラック・ゴスペル入門」が
   入手困難な今、本盤はその参考書くらいになるのでは。
   レコーディング・データもかなり詳しいし、英文解説もボリュームあり。
   ・・・実はまだ読んでない。
   いずれにせよ聴きとおすには、気力と興味が必要だね。
   それぞれの曲は魅力的だけど、根本的な音の質感が似てるから。

   今日、インストアライブを見て気に入ったバンド。2ndで新譜。
   プロデュースやミックスは吉田達也がつとめてる。
   高円寺百景メンバーでもある金澤美也子が参加する、
   key,g.dsの変則編成な、変拍子チェンバー・プログレ系バンド。
   即興要素は多少ありそうだが、ほぼきっちりしたアンサンブルを決める。
89・る*しろう:8・8:
る★しろう☆☆
   えらくくっきり迫力あるミックスは、吉田達也の技によるものか。
   ルインズのタイトさを基調に、チェンバー・プログレで盛り上がる
   音楽性は悪くない。が、根本的にあと一歩、グルーヴ感があると好み。
   きれいにこじんまり巧くまとまってはいるものの、
   爆発力に物足りなさが残った。
   むしろ「時計」みたいにミニマル色を生かした
   メロディアスなプログレのほうが持ち味出せるかも。この曲はジンときた。
   いずれにせよ。これはプログレへ、さほど思い入れないぼくの感想です。

   今まで聴いたことなかったトータスを、一枚買ってきた。
   2001年発売の4th。実は詳しい経歴を、ぜんぜん知らないんです。
   ずっとこのバンド「トートイズ」って読むと思ってたもんな。
88・Tourtois:Standards:
☆☆☆☆
   アヴァンギャルドっぽいつくりだが、中身は実にポップ。
   丁寧に短く凝縮され、聴きやすく親しみやすいつくりだ。
   YMOあたりのテクノっぽいアプローチを連想した。
   音色はヴィンテージ・シンセらしいが、こじんまりしたミックスの
   せいか、ちょっと太さに欠ける。破天荒さがほしくなるも、
   作品の作りでは本作のほうがツカみやすいんだろう。
   他の作品も聴いてみたくなった。

2004年3月

04/3/28   CD買うつもりなかったのに。fax盤を見つけてふらふらと・・・。

   ピート・ナムルックが主催するレーベル、faxの最近作をまとめて見つけた。
   これはその101番。Krystian Shekが2002~03にかけて、モスクワから
   ぺテルブルグまで旅した際のサウンドトラック(?)という。
   彼による、旅行記の音楽版ってこと?
   2003年10月13日に発売、faxのしきたりに倣って、1000枚限定。
87・Krystian Schek:Eisblumen:
☆★
   淡々と軽やかに四つ打ちが続く。展開は少ないが、不思議と飽きない。
   フロア向のビートだが、むしろ部屋のBGMにもはまる。
   チルとは別次元でリラックスできるダンス・テクノ。
   音数はあまり多くなく、浮遊感がたまらなく良い。
   メロディはほぼ皆無。キーボードの白玉とビートの組み合わせで進む。

   同102番。彼はミニマル・テクノ界では有名な人らしい。
   不勉強でよく知らない・・・。
   マスタリングをピート・ナムルックが行ってる。
   2003年10月29日の発売で、2000枚の限定。
86・Steve Stoll:Was Here:

   基本はフロア対応。軽くビートの効いたテクノだ。
   バラエティに跳んでるから部屋で聴いても飽きはしないけど・・・
   もうすこし破綻というか、毒が欲しい。

   同103番。ロシアのエスニック・グループらしい。
   メンバーはValery AlakhovとIgr.Verによるシタール、フルート。
   そしてデュデュク奏者S. Gasanovとある。デュデュクってなんだ?
   2003年11月13日発売で、同じく2000枚の限定。
85・New Composers:Advanced Indigo:
☆☆☆★
   きっもちいいアンビエント・テクノ。ゆったり揺らぐビートは眠気を誘う。
   シタールの音もいいアクセント。後半はだいぶバラエティに富むが、
   前半の浮遊感がぼくの好み。ベストは(4)かな。
   といってもアルバム一枚がメドレー形式だから、曲に拘る意味はない。
   フロアで聴いても気持ちよさそう。

   同104番。faxからは2枚目のリリースになるそう。
   生と電気楽器を取り混ぜたアンビエント系・・・と書いてあった。
   上と同じ、2003年11月13日発売で、限定2000枚。
84・Anthony Rother:Magic Diner:
☆★
   ミニマル・テクノ。響きを楽しむ音楽だろうか。どこか寂しさあり。
   無常観、といえそう。環境音楽ってほど枯れてはいないが、
   仙人の頭の中を覗くような空虚さを感じた。BGMで聴いてもおかしくない。
   チル・アウトには不釣合いと思うが。

04/3/23   どうしても聴きたくて、ネットで購入。

   名前は知ってたけど、経歴知らない。って、下でも書いたね。
   "Whole world happy"を聴きたくて買った。
83・Ego-wrappin`:Night Food:☆☆
   本作以外に"色彩のブルース"は聴いたことあり。それよりもライブ感がうまく出てる。
   ジャズの要素を取り入れると同時に、影響を自然に咀嚼できてきた。
   BGMによく合うポップスだと思う。
   うん、そして"Whole world happy"はやはり名曲です。

04/3/21   ひたすらドバドバとセコハン中心に買って来ました。

   やっぱこれは買うのが国民の義務でしょう。
   ぼくが初めてリアルタイムで聴いた(そして最後になった)大滝詠一のアルバム。
   20thエディションで出たが「ロンバケ」と異なり、オリジナルのアナログとは色々違う。
   ボートラも3曲入り。曲順も違うしテイクもね。"魔法の瞳"とか。
   "レイクサイド~"はまたしてもFO版。ちぇ。
   "ナックルボール"の別テイクが面白い。緩いです。
   「ロンバケ」が大人になった「歌謡曲」だ、と今になって思う。
82・大滝詠一:Each Time~20th Anniversary Edition:
☆☆☆☆☆
   問答無用の傑作。「トラ2」で構築したナイアガラ・サウンドをアルバム一枚、
   全部で聴ける唯一の作品だと思う。今のところ、ね。今の、ところ。
   正直言うと、"銀色のジェット"だけ、ちょっと苦手。あとは全部大好きなんだが。
   もしかしたらソロも一部、別テイクでは。"ペイパーバック"のサックス・ソロ、
   LPとフレーズが違う気がする。
   失恋っぽい歌詞が多くて、どうしても切ないイメージが強い。
   短編小説みたいな良い歌詞ばかりだと思うが、明るい曲も欲しかった。
   大滝の多重ボーカルとオケのエコーの響きがふくよかで美しい。
   隅々まで丁寧に織り上げた、ほんとうに素晴らしい音楽だ。

   前にタワレコのフリー本で見かけて、聴いてみたかった。
   アラバマ出身のスリックとNY出身のローズによる、ガール・デュオのソウル。
   日本盤が先行で、P-Vainからリリースされた。
81・Slick & Rose:Objects in the mirror:
☆☆
   歌うようにラップする二人。女性といえどもドスを効かせる
   ラップしか聴いたことなくて、本盤みたいなチャーミングな
   トラックは新鮮だった。特にキュートな(5)や(7)がいいな。
   ボートラでファイフと絡む、ストレートなラップもクールだ。
   強烈な個性があるわけじゃない。ミュージシャンとしては次に期待。
   プロデューサー次第か。トラック・メイカーの色へ、素直に染まりそう。

   何でぼくがこの盤を買ったか。詳しくは今日の日記を参照ください。
   名前くらいは知ってたが、聴くの初めて。
   ま、詳しい経歴はぼくなんかより、ここを読んで下さる皆さんのほうがお詳しいかと。
80・Ego-Wrappin`:色彩のブルース:

   ジャズを取り入れたポップスってのがコンセプトかな。
   かっこいい上澄みをすくい取ったセンスは上手い。
   だけどジャズ好きとしては物足りなさがつのる。
   一曲目で、すぱっとバンド名をつぶやくアレンジは好み。
   なんだか戦後すぐの歌謡曲を聴いてる気分にもなったよ。

   チェスの角型ギターを抱えたロックンローラーのボ・ディドリー。
   ストーンズ・ファンならご存知でしょう。
   これは95年リリースされた日本盤の二枚組ベストです。買いそびれちゃってたのよ。
79・Bo Diddley:The Chess box:
☆☆☆★
   内容は凄い。マラカスの重要性は、恥ずかしながら初めて知った。
   未発表曲も充実("You know I love you"が名曲!)してる。
   自分の音楽に自信持って突き進んだボの偉大性が分かる好コンピ。
   しかし・・・いかんせん、2枚組を一気に聴いてると、飽きる。
   まだまだ修行が足りないなあ。一曲づつ聴いてると、おっそろしくカッコいいのに。

   「JBはシングルを聴けば充分」と、山下達郎の教えをかたくなに
   守ってきたぼくですが(あ、何枚かはアルバム聴いてるか)。
   とりあえず見かけた盤を3枚購入。1~2年前に出た紙ジャケです。
   1965年にリリース。タイトル曲以外は全て発表済の曲を集めたという極悪な選曲の盤。
   ま、JBならありふれたパターンですが。
78・James Brown:Papa`s got a brand new bag:
☆★
   擬似ステのしょぼい音がなんとも悲しい。モノ・マスターは無いの?
   選曲はJB流かもしれない。だけど元の音楽にパワーがあるから
   素直に聴けた。ややこしいことを考えなければ、ハッピーなR&B盤になってる。
   JBの勢いが伝わってくるよ。寄せ集めの選曲なのに。

   上の盤に続いてリリースされた、同じく65年の盤。
   マイアミで録音された。といいつつ、本盤用に新録音されたのは
   たったの2曲だけ。すでに上の盤と、一曲ダブりあり。くー。JBはやってくれるよ。
77・James Brown:I got you;
☆☆★
   既発曲のよせあつめだが、JBが当時出したベスト盤と考えたら
   しっくり来る。そもそもJBも、当時はLPってその程度の認識では。
   この時代の魅力を上手くまとめた、好選曲だ。
   なお、このCDはモノ・マスター。その点も評価する。

   1967年のリリース。ファンキーを期待するが、資料本によれば
   A面の残りはR&Bのカバーで、B面はスマッシュ録音の
   スタンダード集とか。適当に買ったとはいえ・・・やれやれ。
76・James Brown:Cold Sweat:

   ステレオのマスターを使用。擬似ステもあり、なんともしょぼい。せっかくなら
   モノラル・マスターを使って欲しかった。買う価値ないアルバム。
   カバー曲が中心なうえ、シンプルなR&Bが多く物足りない。
   なかにはストリングスをバックに歌い上げる姿も。
   JBの上昇志向は満たしてても、パンチに欠ける。
   タイトル曲以外は既発だが、シングルの初LP化はあるかも。
   不穏な"Cold Sweat"がやはりベスト。あとは"Fever"が妙に熱っぽく良かった。
   あとは"Come rain or come shine"かな。ストリングスのオケは
   しょぼいが、JBのハイトーンがかっこいい。

   ここからはジャケ買いをしたインディのソウルばかり。
   さあて何枚が当たりかな。かたっぱしからi-podに突っ込みますが、
   何枚がi-tunesで曲名出てくるかも興味あるところ。わくわく。

   アメリカ出身らしいが録音場所がジャケに書いてないや。
   黒地に安っぽい黄色の文字。中央におっさんがいて、左右に女性をはべらす。
   と思ったら、この3人は血縁でした。
   下世話なファンクだといいなー、と期待して買う。
75・The Wallers:Don`t leave:
☆☆☆
   ヴァージニア出身のパーティ・バンド。野暮ったいアレンジだが、
   そこへ目をつぶれば悪くない。歌はしっかりしてるし、メロディは甘い。
   ミディアム~スローは、かなり聴かせます。
   オリジナリティの面では疑問あるが。アメリカは層が厚いなあ。
   ほんと惜しいのがアレンジ。半拍から3拍、ハーモニーのサイズをつめて
   掛け合いを同時進行、緊張感を増したら良さが増すのに。
   メンバーのブルース・ワラーはドラムにベース、キーボードと大活躍。
   シンプルで味のある伴奏を披露してる。

   凛と中空を眺める男一人。雰囲気がダンディなソウルかなっと予測。
   2000年のリリースで、NY録音みたい。一部のギター以外は
   本人の演奏というマルチ・プレイヤーぶり。
   収録された"Tender love"はあのForth MD`sのカバーだ。
74・Jamie Sparks:Unforgettable:

   可もなく不可もなく。歌はそれなりかな。打ち込み中心で
   ゆったりと進む。節回しはほんのりスティーヴィーの香りが。
   きれいにまとまってるさまが、そっけない。メロディにもうちょい
   色気があればなあ。一曲選ぶなら、ベタなバラードの"You"か。

   
   カナダ出身の黒人男性によるデビュー盤。
   マルチ・プレイヤーぶりが気になって買ってみる。プリンスみたいな
   音楽だといいな。カラーコピーの安っぽいジャケ。CDbaby流通らしい。
   ピアノかギターの弾き語りのようだが・・・。
73・Anduze:Dolby Hill:
☆☆☆
   一人多重録音の打ち込みソウル。本形式にありがちな、密室っぽさは良い
   方向に働いた。打ち込みに支えられた、暗めなムードのミドルがほとんど。
   ぐっと開放されると、ポスト・プリンスも狙えたのに。
   メロディ・ラインは素直だと思う。バラードの(5)がきれいだ。

   にっこり笑った女性が3人、階段に立つ。シュープリームスみたいなのを
   期待です。インディだけどジャケの印刷はなかなか綺麗。
   マーヴィンの"What`s going on"をカバーしてる。
   ニュージャージーのグループかな。2001年のリリース。
72・C-nario:turn around:☆☆
   アレンジのツメが甘いなあ。だけど売れセンなソウルで、素直に聴けた。
   実際に売れてるかは知らないが。ハーモニーはきれいだが、
   ソウル色は薄い。ガツンと来る熱気が欲しいぞ。
   アップはいまいち。ミドルやスローをメインに聴いた。
   とはいえ"What`s~"のカバーは退屈。Pファンクな(11)は唐突で異様だった。
   BGMにはいいと思う。ホノボノ風味の(4)が心地よい。

   モノクロの黒人女性が一人。静かな弾き語りみたいな感じかなって。
   だって、タイトルがいかにもでしょう?
   2001年の発売。カリフォルニアで録音された。
71・Ledisi:Soulsinger:

   切ないソウルが好みなので、サッパリ系のこの音はいまいちピンとこず。
   ドラムとベースが生演奏、というセンスが今の時代に新鮮。ただしクールすぎて、
   グルーヴは物足りない。メロディも単調だから、BGM向きかなあ。

   ジャケットの開き方が逆だな。ぺラを折り曲げただけ。
   ピンボケのだっさいジャケットだが、揃いの黒尽くめな男6人に
   重厚なハーモニーを期待してます。
   2003年のリリースで、フィラデルフィアのバンドのようだ。
70・Rheel Menn:Keeping it rheel:
☆☆☆☆
   素晴らしい。アップはちと弱いが、スローの流れは完璧。
   さすがシグマ録音!といいたいが。実際は全部打ち込みだろう、たぶん。
   メロディがなによりきれい。いかんせんプロダクツがいまいち。
   こういうソウルこそ、お金かけてしっかり作ったら傑作になる。
   安っぽいサウンドに、ときに音程が外れる歌声。なんともB級だ。
   しかし曲のポテンシャルは素晴らしい。メジャーと契約して、リレコされないものか。

   泥だらけのGジャンを着て、寝転がる女性が一人。だんごっ鼻です。
   サザン・ソウルかと思って買ったが、クレジット見るとNY録音だ。
   2000年に発売された。
69・Martha Redbone:Home of the brave:
☆☆☆★
   野暮ったいジャケから想像できぬ、洗練の要素もあるNYソウル。こりゃいい。
   ヒップホップっぽい不穏さもトラックに兼ね備えてる。
   願わくばもうちょい歌がうまければ・・・薄っぺらさがかすかにあり。
   メロディもキャッチーだ。(6)はプリンスっぽくて面白かった。
   バラードより蓮っ葉なミドルのほうがうまい。

   金のでかいペンダントをぶら下げた、小太りの男が夜の街に立っているジャケ。
   ヒップホップ調のソウルじゃないかな。ジャケの感じは。
   2002年にマラコから発売された。ってことは、サザン・ソウル?
   曲名見ると、ゴスペルみたいだ。だから"クリストファー"って芸名なのか。
68・Christopher Brinson:A better way:

   クワイア系のゴスペルで、クリストファー・ブリンソンは作曲とほとんどの歌で
   リードを取る。かといって、他のシンガーにも惜しみなくリードで歌わせてるし。
   どういう立場なんだろ。曲はどれも耳馴染みいいが
   特別な個性に欠け、するっと聞流してしまう。
   打ち込みビートも悪くないし、生演奏ではドライブ感たんまり。
   元気いいときに、ふっと聴くアルバムかな。

   小粋なデジタル加工のジャケです。チンピラっぽい格好の男デュオ。
   学生時代の友人によるユニット。バスケット仲間でもあったみたい。
   それで裏ジャケはバスケのボールを持ってる写真なんだ。地元はアトランタ。
   これもヒップホップ調のソウルかと思って買った。2003年のリリース。
   録音はどこだろ。「グラミー賞で合おうぜ!」って意気込みを裏ジャケで語ってる。
67・LJ:Sho-nuff:

   ヒップホップ育ちのソウルで、あんまり粘っこさはなし。
   メロディもいまいち単調だ。好みとちょっと違う。
   硬質の打ち込みなバック・トラックはフロア向けなの?
   くいくい押すパターンの曲が多い。かといってファンキーでもないんだよ。

   70年代に名作をリリースしたあのエボニーズの再結成かな、と買った。
   2003年の発売。8曲入りだが、2曲はインスト。ミニアルバムってとこか。
66・The Ebonys:...That`s forever:
☆☆☆★
   作りは荒いけれど、素敵なソウルが詰まった。実質は5曲入り。
   インスト2曲とリミックスが1曲。ミニアルバムながら、どれも質が高い。
   特に(2)のミドルが染みる。とてもキュートなソウルだ。
   女性と男性のボーカルもはまってる。シンセの打ち込みが
   安っぽいが、細かいことを越えた仕上がりが楽しい。
   フルアルバムで聴きたいなあ。
   この手のソウルが好きな人は、ぜひ聴いてほしい1枚。

   不敵なツラの男が見上げてる。目の不穏さに賭けて買った。ジャケはぺラ一枚。
   育ったのはアトランタ。元はオースティンのバンド"Strat-2-G"のメンバーだった。
   本作はかれのソロ・デビュー盤。(5)はテキサスのローカル・チャートで5位まで行ったらしい。
   今はマイアミで活動し、マンハッタンズの前座などしてるとネットに書かれてた。
65・Val:I hope it hurts you!:

   メロディが今ひとつ重苦しい。なにか突き抜けるアレンジがあると
   だいぶ違ったはず。ぼくにはピンと来るソウルじゃなかった。

   CD-Rだし、ジャケはしょぼい。だけどこの3人組のおっさんに賭けます。
   きっと、素敵なハーモニーのソウルを聴かせてくれるさ。
   ヴァージニア州出身らしい。6曲入り。ミニアルバムかな。
64・Second Impression:Funky situation:☆☆★
   70年代のマイナーなソウルって感じがする。穏やかなメロディ、
   くつろぐムード。全体的にサウンドの線が細いけれど、悪くない。
   熱狂的にのめりこみはしなくとも、たまにゆっくり聴きたい作品。
   クレジット関係皆無なのが惜しいな。
   
   白人黒人混在の7人組。昔、P-funk関係で似た名前のバンドあり。
   たぶんファンクだと思う。2002年の発売。出身はオランダらしいぞ。
63・Slapbak:Ghetto funkography:

   昔から活動してる、アカペラのゴスペル・グループです。
   75周年ってタイトルにあるぞ。ほんとかよ。
   ラウンダーから2003年にリリースされた。
   ゲストが豪華で、ガース・ハドスン、リヴォン・ヘルムのザ・バンド組。
   そしてドクター・ジョンも参加してる。
62・The Dixie Hummingbirds:Diamond Jubilation:
☆☆
   クシャッと詰まったハーモニーは、いかにもゴスペル。しかしバックの
   リズムを白人に任せたせいか、なんとも中途半端なでき。
   まるでサザン・ロックかなんかを聴いてるみたい。
   小細工抜きで録音して欲しかった。いっそ無伴奏とか
   ピアノかギターの弾き語りでもいい。ゴスペルの入門盤になりそう。
   演奏は悪くないもの。だけど馴染んだ耳にはもどかしい。
   ベストは・・ドライブ感がいかした(1)だろか。

04/3/14   実は今までCDで持ってませんでした、これ。

   何年ぶりかで聴きかえす。前作"シングル・マン"より4年、ロック化した
   RCの至高の名作。中学のころ、何回聴いたことやら。すっかり頭の中で
   覚えてて、つい買いそびれてたんだ。
61・RC Succession:Rhapsody:☆☆☆☆☆
   今聴くと、あっさりした出来にびっくり。
   エンディングも短めだし、ギターの音色もすごく素直。今の耳で聞くとね。
   ホーンは梅津和時だけらしいが・・・(2)や(9)では
   もう一人サックスがいるような気もする。ダビングしてるのかな?
   たぶんギターとのアンサンブルをぼくが聴き間違えてるだけと思うが。

04/3/11   スタジオWeeからの新作が到着した。

   早川岳晴率いるHAYAKAWAの3rdアルバム。現メンバーで初のCDになる。
   今回はミックスの分離を極端にして、それぞれのメンバーの音をくっきり
   楽しめるのが売りか。どれもライブでおなじみの曲を、やっとCDで聞けるぞぅ。
60・HAYAKAWA:hone(骨):
☆☆☆☆★
   くっきりミュージシャンの立ち位置をバランスよく
   配置したことで、風通し良くなった。細かくも聴けるし、轟音で
   迫力にも浸れる。前作の混沌さを控えめに、鋭さを増している。
   早川の骨太ファンクを、凄腕メンバーが見事に構築した。

   スタジオWee恒例、通販によるアウトテイクCD。
   たっぷり11分50秒収録されている。もろにアウトテイクだな。
59・HAYAKAWA:905:
☆☆★
   ワンコードで突っ込むファンク・ジャズ。これは即興かな?
   かなり音がこもってる。リハをMDで1ポイント録音しただけかも。
   演奏時間は11分強あるが、フェイドイン/アウトするのが惜しい。
   ボーナス盤だから贅沢言ったらバチ当たるが、どうせなら
   フルサイズ・綺麗な音でじっくり聴きたかった。
   穴倉っぽい音で猛然と暴れるとこに、不思議な魅力のあり。

2004年2月

04/2/29   昨日はCD屋で買えなかった、ジャズの新譜を買ってきた。

   昨年9月、NYのトニックで「ジョン・ゾーン生誕50年」イベントが行われた。
   一ヶ月ぶっ通しのイベント音源を、TZADIKから順次リリースしてくみたい。
   第一弾は9/4の1stセットを完全(?)収録した。
   bln,vc,bの弦3人を、ジョン・ゾーンが指揮する"Masada String Trio"の演奏。
   中に一ヶ月のスケジュールが載っており、本盤が演奏された日を塗りつぶしてる。
   いずれは全部、塗られていくのか。とりあえず今、第5弾まで企画あり。
58・50th Birthday Celebration:Vol.1 Masada String Trio:
☆☆☆
   ところどころチューニングがおかしく聴こえて違和感あるが、
   演奏はテンション高くていい。アンサンブルを意識しつつ、
   それぞれの音がつんのめってくる。
   インプロも耳ざわりな部分はほとんどなし。
   ベストは(9)。MASADA本体みたいな切迫さを持っている。

   もとはURCのトリビュート用に録音されたという。
   イラク派兵のプロテストとして急遽、シングルでリリースされた。
   インストverも収録されたが、これはカラオケのもよう。
   オリジナルは高田渡(1969年リリース)。放送禁止じゃなかったっけ?
   当時のことは良く知りません。初めて聴いたが、ほのぼのフォークなメロだったんですね。
57・渋さ知らズ:自衛隊に入ろう(single):

   歌を抜いただけのオケって、かっこ悪いな・・・。
   曲に思い入れないから、シンプルに曲だけ聴くとこじんまりまとまったイメージ。
   いっそライブバージョンで入れるとか。インストは別テイクにするとか。
   イラク派兵で慌てたリリースは分かる。
   が、商品として今一歩、企画に工夫して欲しかった。
   渋さとシングルって似合わないと改めて実感。

   カナダでの共演ライブがきっかけか。
   藤井郷子と吉田達也のスタジオ共演作がTZADIKからリリースされた。
   ブルックリンで2003/7/12に録音された。ミックスとマスタリングは
   吉田が行ってる。インドあたりと思しきジャケ写真も吉田だろう。
   それぞれが持ち寄った曲が、ほぼ半分づつ。2曲が二人の即興かな?
56・Yoshida/Fujii:Erans:
☆☆☆★
   どっちかといえば、藤井郷子よりの音楽か。
   TZADIKの硬いマスタリングもあいまって、透明な野獣性を見せる。
   こういう音は、吉田のミックスを生かして磨崖仏から出してほしい。
   吉田はほとんどでメロディアスな曲を提供。ボーカルをほとんど使わず、
   ピアノとドラムの対話で勝負する。(10)の緩急効かせた凄みにしびれた。

   リリースは2年位前のはず。立花康彦、太田恵資、芳垣安洋のトリオによるライブ盤。
   立花康彦の自主レーベルからリリースされた。
   2001年11月13日、新宿ピットインで坂田明をゲストに迎えたライブから、
   1stセットをたぶん丸ごと収録してる。
55・TOY with Mr.Sakata:Live at PIT INN:
☆★
   小細工なしで、まるごと記録をリリースして見せた。正確に言えば
   シークレット・トラックがあるけれど。
   前半のフリーはクラシカルな趣もあるが、やはり生で聴きたかった。
   音だけだと、視点をあわせづらい。
   コミカルで骨太な「オータのトルコ」や、力強い「気分はオールマン」のほうが
   シンプルな面白さで楽しめる。
   DATで生録したようなのぺっとしたミックスなので、なるたけでかい音が吉。

04/2/28   ライブ前にレコ屋をうろうろ。CDの品揃えがいまいち良くない。
         ぶつぶつ言いながらも何枚か、ソウルを中心に買った。

   1970年代、東京のフリー・ジャズシーンを切り取った2枚組。
   1973年に14夜にわたって新宿で演奏された、フリージャズの連続イベントを
   
トリオ・レコードがハイライト部分のみを切り取ってリリースした。Vividの再発盤を買う。
   副島輝人「日本フリージャズ史」P208以降で、このイベントの様子に触れられてる。
   収録されたのはナウ・ミュージック・アンサンブル、山下洋輔3、沖至5、吉沢元治ソロ、がらん堂、
   ニューディレクション・フォー・ジ・アーツ、富樫+佐藤、ニュー・ハード・オーケストラ。
   当時のシーンを作り上げたミュージシャンばかり。しかしこれ、全音源のテープ残ってないんだろうか。
   このころのジャズが再評価されつつある今、ぜひ全音源をリリースして欲しい。
54・V.A.:インスピレーション&パワー14:
☆☆☆★
   美味しいところだけを切り取った、極上のフリージャズ・コンピとしても聴ける。
   観客を必要とせず、ひたすら自分の理想へ純化する演奏が多い。
   ストイックさとロマンティシズムに馴染めるかで、この盤への評価が変わる。
   これでもか、と音を詰め込む演奏が多い。ノイジーではあるが、
   耳ざわりさはさほどない。息苦しくも濃密な世界に浸ろう。
   最後に収録された山下洋輔トリオを聴いて、改めて実感。
   なんて彼らは聴きやすいんだ。ハードさの基準が転換する。

   渋さ知らズがリリースした新作。つい買いそびれてました。
   今回の売りはサン・ラ&アーケストラのメンバーが参加してること。
   メンバーの入れ替わり激しい渋さだけあって、顔ぶれも微妙に変わってる。
   太田恵資や井野信義、高良久美子が渋さの音源に参加するのって、新鮮だ。
   曲目は馴染み深いのもやってるが、「パ!」など初CD曲(たぶん)もあり。
53・渋さ知らズ:渋星:
☆☆☆☆
   スタジオ録音が功を奏し、細かい部分まできっちり聴けるのがまず嬉しい。
   同時並行でソロが乱立する、渋さの特徴が伝わるもの。
   細かく聴くほどに魅力が増しそうだ。選曲も王道路線で
   おなかいっぱい。"ナーダム"や"本工"の新たな録音に喜ぶか
   新作を求めるか。うーん、選ぶの難しい。
   (3)のギターソロまで"渋さ"と位置づける、貪欲なセンスが一番嬉しいな。

   ワシントンDCのファンクといえば、なんといってもGOGOでしょう。
   GOGOで名高いこのバンド、実は今までCDでじっくり聴いたことなかった。
   ディスコっぽいけどファンキーなこのリズム、たっぷり楽しみます。
   本盤は1987年にリリースされたライブ+スタジオ盤らしい。
   発表当初からCDだったため、全13曲いりで73分めいっぱい突っ込んでる。
   Soul Seachersは70年代からの活動らしい。本作が何枚目か勉強不足で知りませぬ。
52・Chuck Brown & the Soul Searchers:Any othe way to go?:
☆☆★
   ノンストップで曲が変わってく、前半部分の強力なライブが聴きもの。
   最後までこの調子で行って欲しかったが、実際にはアナログ盤で言う
   A/B面のタイミングでフェイドアウトしてしまう。完全なテープは残ってないの?
   そんな雑な編集に、いまいちしおれた。
   後半のスタジオ録音と思しき演奏も悪くない。
   つまり音楽はばっちりだが、アルバムのコンセプトが物足りない盤。

   ニュージャージーの名門スウィート・ソウルバンド、モーメンツが80年代に名乗ったのが、
   このレイ・グッドマン&ブラウン。モーメンツって名義の権利をレーベルの
   オール・プラティナムが持ってたせいらしい。
   さて、この盤は1988年にリリースされた、彼らの8枚目。
   新メンバー(?)にGreg Willisをくわえ、4人編成となった。
   資料ではぼろくそに貶されてる盤だが、さてどんな音楽だろう。
51・Ray,Goodman+Brown introducing Greg Willis:Mood for Lovin:
☆★
   モーメンツを期待したら物足りない。だけど普通のブラコンと捉えたら、決して悪くない。
   メロディに力があるし、アレンジも良く練られてる。後半に行くほど
   聴き応えあるな。ぼくのベストトラックは(6)。(7)もよい。
   マクファデン&ホワイトヘッドが、それぞれ別の曲でプロデュースを努めてる。
   80年代ソウルが好きな人なら、聴いて損はない。

   テンプテーションズが1995年に出したアルバム。オーティスをはじめとする
   メンバーから、他界したオリジナル・メンバーのメルヴィン・フランクリンへ捧げられた。
   プロデュースはRichard PerryでアレンジにIsalas Gamboa。この二人はどんな経歴か
   不勉強でよく知りません・・・。
   コンセプトは昔の音楽を歌う事みたい。1930年代、40年代の作曲クレジットが何曲もある。
50・The Temptations:For lovers only:
☆☆★
   ゴージャスに分厚く丁寧な作り。でかい音で聴いてたら息苦しくなるほど。
   今風のアレンジを採用して、オリジナルは数十年前の曲って気づかないくらい。
   テンプスってバンドのイメージが掴みづらい。しかし深く考えず音楽へ浸ると、
   とても気持ちいいよ。音に隙がないもの。
   しかもベテランらしく、コケ脅かしな技がないとこも好感持てる。円熟の一枚。

   タイトル「魔法を信じるかい?」は多くの人が聴いたことあると思う。
   彼らの1stに5曲のボートラを入れた、BGM盤(2002年reissue)を入手した。
   リマスターをやってるみたいだが、逆に分離良すぎ。
   音のマジックがなくなった気するの、ぼくだけ?
49・The Lovi'n spoonful:Do you believe in magic:
☆☆
   ぼくの思い入れが低いため、不当に低い☆になってますが・・・。
   あんがいブルーズにも興味あったんですね、彼ら。
   さまざまな白人ルーツ・ミュージックを下敷きに、ポップスへ昇華させた。
   かなりとっ散らかり気味だが、乾いたリズムを共通項に統一感をわずかに感じた。
   ボートラは大ファンなら感激するんだろうな。
   ライナーでふんだんに使われたジャケ写真といい、丁寧で愛情が伝わるリイシューだ。
   ロネッツの"You baby"をカバーしてたとは知らなかった。良いです。

   シカゴで活動するネイヴィン兄弟が率いるユニット、アルミナム・グループの
   4作目らしい。2000年に発売。プロデュースにトータスのジョン・、マッケンタイアらが
   参加したと、当時話題になったようだ。
48・The Aluminum Grupe:Pelo:
☆☆☆
   細かく聴くと、かなり凝ったヘンテコアレンジ。だけどのんびりくつろげる。
   音響系アプローチの、ダンディ・ポップス。
   ボーカルの低音は苦手ながら、楽しめた一枚。

04/2/22   トラッドを中心にわさっと買ってきた。

   まずはトラッドじゃないのから。
   ザッパ・バンドのメンバーが組んだmissing personsの1st。
   こっちのほうが評判がいいらしい。さて、どんな音を出してるんだろう。1982年発表。
   ボートラ入りできちんとリイシューされた盤もあるはずだが、
   今日買ったのは1995年に再発された日本盤。
47・Missing Persons:Spring Session M:

   もろに80年代っぽい、乾いた音と能天気なシンセが懐かしい。
   メロディは悪くないけど、根本的に中途半端。
   ハイテクとポップスのどっちをやりたいんだろう。どちらも狙ったわりには
   ポップよりだ。かといって、ツルツルなポップスやるほど達観できてもいない。
   どっちかに吹っ切って欲しいなあ。リズムが面白い(6)は、メロディいまいちだし。
   ラジオのBGMなら分かる。だけど真剣に向かい合いづらい。
   グルーヴもさっぱりなんだよね。全員が上手いはずなのになぜ?

   一噌幸弘が太田恵資、吉野弘志と組んだアコースティック・トリオ。
   東京でこの手のライブハウスへよく行く人なら、説明不要の凄腕トリオなんだが・・・。
   ご存じない人には、どう説明しよう。うーむ。2001年にリリース。
46・一噌幸弘:リーヤリ:
☆☆☆
   大陸的な優雅さと、日本情緒のこじんまりが絶妙に合体した一枚。
   日本人だからこそ作れた音楽では。逆差別するつもりはないが・・・。
   一曲選ぶなら(3)。ただ、個人的に和笛のキンキンした響きが
   すんなり馴染めない。リバーブをもっと効かせた音作りなら、さらにハマれたろう。
   これは個人的な感覚です。本盤の価値とは無関係。強調しておきます。
   めまぐるしいフレーズをばら撒くのは「ダルマガエル」と同じ。
   しかし名即興者な二人と組むことで、より自由度が増した。

   ここからトラッド群。ジャケ買いしたから知らないバンドばかり。
   アイルランドの打楽器ボウロンに着目したアルバムらしい。
   デ・ダナンにも参加したコルム・マーフィーのベスト盤かな。1996年発売。  
45・Colm Murphy:An Bodhran:

   バウロンはメロディ楽器とユニゾンするように鳴らすもんらしい。
   細かな譜割にぴたりと吸い付く手腕は感嘆する。演奏も悪くないし
   超絶技巧を味わうには悪くない。星が少ないのは、
   楽器同士のインタープレイを味わいたいなあって、ぼくの趣味の問題です。

   1994年にライブ盤でデビューした、デリー州出身のキッズ・バンド。
   これは2ndかな。オリジナル・メンバーのキャラ・ディロンはいない。1996年産。
44・Oige:Bang on:
☆★
   内容はボーカル曲とリールがほぼ半々。
   ストレートなトラッドだ。トラッドのイメージを掴むのに適してそう。
   裏を返すと、このバンドの個性が見えない。素直に丁寧に
   トラッドを演奏してるだけ、と皮肉な聴き方をしてしまった。
   歌声は悪くないから、ボーカル曲のほうがいい。
   リールがもう少しインプロ要素を入れてくれたらなあ。
   淡々と繰り返すインストはじっと聴いてたら飽きてしまう。ひたむき過ぎるせい?
   もうちょい肩の力抜いて、のんびり行こうよ。

   デ・ダナンとすばらしいアルバムを作った、ドロレス・ケーンの
   ソロ・アルバム。ソロ名義では3作目かな。発売は1988年。
   バックはパートナーのジョン・フォークナーのほか、マーティン・オコナー(acc)や
   ブレンダン・オリーガン(g)と、凄腕がバックを固めてる。
43・Dolores Keane:Dolores Keane:
☆☆☆
   ファンの間では低迷期の最初になった盤、として評判悪いらしい。
   だけどそんなに彼女を聴いてないせいか、さほど悪印象なし。
   シンプルで丁寧なアレンジなトラッド・ポップスを楽しめる。
   ボーカルにあくの強さはなく、初心者にも薦められそう。
   特に前半4曲の素晴らしさったらない。(9)もいいな。
   じわりと暖かい歌声に、ついうとうとしちゃう。

   再結成も含め、5枚のアルバムを残したトラッド系フォーク・ロックのバンド、
   ダンドゥ・シャフトの1stアルバム。1970年のリリース。
   2001年のエドセル(ディーモン系再発専門レーベル)盤を買った。
   詳細な解説と歌詞カード付き。
42・Dando Shaft:...An eveing with...:
☆☆☆☆
   トラッド系アコースティック・ロックの傑作。
   シンプルなアンサンブルで、凛としたメロディは聴き応えあり。
   線が細いのと、リズムの揺らぎが硬いとこ、いかにもイギリス風だ。
   地味ながら、幾度聴いても飽きない。

   マジック・カーペットなるバンドのシンガーでデビューした女性歌手の、
   コンピ盤らしい。手元に詳細資料なし。1993年にロンドンで録音された。
   演奏は全てアコースティック楽器。
   アリシャ・サフィットは歌のほかにアコギ、ダルシマーを演奏してる。
41・Alisha Sufit:Aslisha through the looking glass:
☆☆
   歌はへたじゃないし、メロディもなかなか。アレンジも気持ちいい。
   だけど、ちょっと地味。どうにも素朴。あと一歩感がつのる。
   ジャズっぽさやフォークっぽさも取り入れ、単なるトラッドから
   一歩踏み出した、女性アコースティック・ポップスに仕上がってる。
   一曲選ぶなら(4)かな。透明感が好き。

   アナログ盤はけっこう高価だったという。ぼくが買ったのは、もちろんCDです。
   1970年に2ndを発表したスパイロジャイラはバーバラ・ガスキン
   (のちのスチュワート&ガスキン)が在籍したバンド。
   この盤ではドラムをデイブ・マタックス(ex:Fairport Convension)が叩いてる。
40・Spirogyra:Old boot wine:
☆☆
   今の耳で聴くと、キメの多い癖のあるブリティッシュ・ロックってイメージ。
   メロディがしっかりしてるし、聴き応えあり。ドリーミーさより
   きっちり計算したアレンジのほうが印象残る。
   ドラムはデイブ・マタックスなのになあ・・・なんだかちぐはぐなプレイ。
   グルーヴが成立せず、ドタバタ揺らいじゃってる。

04/2/1   今日はCDを買わないはずだったのに。バーゲンやっててついふらふらと・・・。

   スパンク・ハッピーではなく、菊地成孔名義でリリースされたシングル。
   もともとは新スパンクスがCDデビュー前、ライブで演奏されてた曲。
   カップリングの「フロイドと夜桜」は書き下ろしかな?
39・菊地成孔 feat.岩澤瞳:普通の恋:☆☆☆★
   テンポを落とし気味で、ぐっとボサノヴァみたいにムーディな雰囲気に仕上げた。
   よけい歌詞の毒が強調されて面白い。が、破天荒なパワーは減ったな、さすがに。
   メロディや歌詞の一部もライブ時とは変更されてるが、
   それよりコード進行をだいぶ弄ってるみたい。響きが複雑になってた。
   バックメンバーは菊地なじみのミュージシャンたち。今堀恒雄のクイクイ言うギターがかっこいい。
   約9分の曲だが、丁寧なアレンジで時間を気にせず楽しめた。
   カップリングはボーカルを荒っぽく加工してるが、よっぽどキャッチーなメロディだ。
   脱力気味のエレ・ポップに仕上げちゃってるが・・・。
   この「フロイド~」をタイアップとってA面扱い、B面が「普通の恋」って
   プロモだったら、よけいにシャレが効いてて面白かったのに。
   この調子で過去のレパートリーがもっとCD化されないかなあ。
   「ワールド・ハロー・ソング」や「少女地獄」とかさ。

   ドゥルッティ・コラムを買った。96年に出たリマスター盤だが、
   オリジナルのジャケットが申し訳程度しか見えないデザインにあきれた。
   本作はデビュー盤。当時のシングル曲など、6曲がボートラで収録。
38・Durutti Column:The Return of the Durutti Colum:
☆☆☆☆
   ストイックで繊細なギター・インプロがすばらしい。
   リズム・ボックスの淡々としたビートに、数本重ねたギターがまとわりつく。
   青白くスマートな世界が広がった。
   しかし微妙にスクラッチ・ノイズが聴こえるのはなぜだろう。
   盤起こしなのかなあ。まさか。

   同じく96年のリマスター盤にて。ボートラは6曲入り。
   このバンドに詳しくなく、ボートラの価値を理解しておらず。豚に真珠だな。とほほ。
   本作が2nd。ジャケのクレジットがいまいち不親切だな・・・。
37・Durutti Column:LC:
☆☆☆
   ミニマルな浮遊感が心地よい。
   肉体感覚と打ち込みっぽさと、ぎりぎりのバランスで成立してる。
   訥々とした歌声も音に溶け込んだな。

   以降はバーゲンで仕入れたもの。安かったのでつい・・・。
   これでも買い控えたんだよ。って、誰に言い訳してるんだろう。

   経歴不明。ニューヨークの黒人男性ゴスペル・シンガーらしい。
   ほんのり湿った声で喉を張る。カバーを数曲やってるようだ。
   1996年に発売された。ワーナーからのリリースだが、ヒットしたんだろうか。
36・Donnie McClurkin:Donnie McClurkin:
☆★
   都会派ソウルと思いきや、大編成クワイアも入ってる。
   が、どっかアレンジを洒落ようと思ってるみたい。なんとも中途半端。
   サウンズ・オブ・ブラックネスをより親しみやすくした格好か。
   個性を問われると、ちとつらい。(5)みたいなバラードは心地いいんだが。

   出身はたぶんテネシー。黒人女性3人のボーカル・グループ。
   ぱっと聴いた限りでは、うーんと首をひねる出来のC級っぽい。1994年作品。
35・Out of Eden:Lovin' the day:

   あと2歩、作りこみが足りない作品。曲も単調だが、
   アレンジも弱い。1曲目のアカペラなんて気持ちいいのに、
   そのあとがいけない。安っぽいポップスで終わってしまう。
   一曲選ぶなら(11)かなあ。(1)も悪くない。

   元はオージェイズのバックバンドでベースを弾いてたらしい。
   ケントから発売された、黒人シンガーのベスト盤。
   といっても、唯一のアルバムにシングルなどを足した格好か。
   クレジットがいまいちない。どっちかといえばノーザン系かな。
   オリジナルの発表は1960年代の後半。リイシューは1991年だ。
34・Dyke and the Blazers:So sharp!:
☆★
   JBフォロワーとして、やりたいことはよくわかる。が、ちょっと力不足。
   演奏にも歌にも姿勢にもスキがありすぎる。一歩引いた
   客観性か、サウンドを煮詰める貪欲さか。どっちかが欲しかった。
   R&Bとしてはそんな悪くない。もうちょい、ボーカルの線が太かったらなあ。

   いったい何作目になるんだろう。大御所テンプスの00年リリース作品。
   もちろんレーベルはモータウンから。ジェラルド・リヴァート、
   JOE,ナラダ・マイケル・ウォルデンなど複数プロデューサーを立て、
   かなり金かけてレコーディングしてるみたい。
33・The Temptations:Ear-Resistible:☆☆☆
   予算をきちんと取ったっぽい、丁寧なつくりが嬉しい。
   サウンドはうすぺらいが、安っぽさはなし。
   出来にばらつきはあるが、ミディアムで良い曲多いぞ。
   テンプスってオリジナル・メンバーは何人残ってるんだろう。
   Otisってクレジットがオーティス・ウィリアムスかな。だとしたら、彼だけ。
   もしかしたらTysonってロン・タイソンなのかもしれない。詳しい方、ご教示をば。

2004年1月

04/1/31   メルツバウの新譜を探しに行く。欲しいCDはまだまだあるけどグッとこらえてきました。

   メルツバウ関連で未聴CDを4枚購入。
   まずは今年の新譜から。ジャケット・デザインも含め、秋田昌美の作品。
   2003年の5月から9月にかけて録音。全部PCでの作品かな。
   イギリスのレーベルからリリースされた。
32・Merzbow:SCSI Duck:
☆☆★
   比較的分かりやすいメルツバウ。ループを強調するのに
   飽きなければ、取っつきやすい。あえて無秩序なノイズも聴きたくなるが・・・。
   じっと聴きいると、いつのまにかループを足がかりに音楽へついて行こうと
   発想を逆に変えた自分に気づく。
   気軽にノイズの感性を開陳した一枚。

   ドイツの即興集団Zeitkratzerのメンバーによる、サブ・プロジェクトらしい。
   1枚目は生演奏だが、単調なクラシック系現代音楽。2枚目がリミックス集だ。
   2枚組。スイスのレーベルらしい。
   2枚目のリミックス集で、メルツバウの曲を取り上げている様子。
   ネットで調べても、よくわからなかった。たぶん、1999年のリリース。
31・Reinhold Friedi/Ulrich Krieger:h\ybrid s\ound s\ystem:

   メルツバウ目当てで買ったが、ほかの音楽があまりにも退屈だった。
   自己満足なアンビエント系の現代音楽を羅列するのみ。かなり聞き手を選びそう。

   買いそびれてた旧譜を2枚手に入れた。両方とも1994年の作品。
   これはデスメタルがテーマだそう。1994年2月に行われたライブ音源も
   一曲収録されている。アメリカのレーベルから発売。
30・Merzbow:Venereology:
☆☆☆☆
   威勢のいいハーシュノイズがつまった傑作。特に(3)のライブが興味深い。
   今とは違った編成、方法論でのライブをつぶさに観察できるほど、
   録音がクリアだから。他のスタジオ作も痛快でいいなあ。
   グロなジャケットを押しても聴くべき快作。

   本作はスウェーデンのレーベルからリリース。このアルバム、
   あまり見かけたことない。再発されたのかな。
   一枚限定で、外車つきのバージョンがあるという噂の作品。
29・Merzbow:Noisembryo:
☆☆☆☆★
   テープ編集を多用したのか、めまぐるしく音世界が変化する。
   アナログのノイズがふんだんにぶち込まれ、素晴らしく刺激的な一枚。
   多彩なノイズが並列動作し、スピード感ばっちりでハーシュが変化する。
   なぜか一歩引く場面もつくり、メリハリもばっちり。傑作。

   昨日の日記で書いといてなんですが。ひさびさにブートを買ってきた。
   スティーヴィー・ワンダーが74年1月、ロンドンのレインボー・シアターで
   行ったライブ2枚組。もともとライブ盤で公式リリース予定だったが、
   スティーヴィーが音質に納得せず、ボツったという。音質はB+ってとこ。
   スクラッチ・ノイズが聴こえないから、マスター・テープがマザーのコピーだと思う。
28・Stevie Wonder:Funkafied Rainbow(Boot):☆☆★
   マスタリングはしょぼいし、たまにノイズも入るが時代を考えると、ありがたい
   サウンド・ボード録音。ドンシャリさも控えめで聴きやすい。
   演奏も生き生きしてて悪くない。スティーヴィーの喉も良く出てる。
   ただ冒頭から、長いソロ回しにめげた。70年代のライブって
   こういうものかもしれない。ゆったりスティーヴィーの音楽に触れよう。
   率直に言うと、傑作ぞろいだった当時のスタジオ盤に匹敵する
   ライブ盤になりえたテイクじゃない。あくまで「発掘音源」なら楽しめるレベル。

   なんとなく、ドンズバのハウスを聴きたくなった。
   この盤の詳細は不明。日本人なのかな。ハウスのミックスCD-Rだ。
   店のポップには、このDJ(?)第三弾の作品って書いてあった気がする。
27・Universal indiann:Midnicht Marauder mix:
☆☆☆
   アフリカ音楽からジャズ風まで、いろんな音楽のミックスCD。
   かなりくつろげた。収録曲のリスト、欲しいなあ。
   夜中に酒飲みながらBGMにはぴったり。前半のサックスが素敵なジャズが良い。
    難を言えば、トラックが1つだけのこと。約70分を延々ってつらい。
   曲区切りとリンクしてなくてもいいから、3~5つくらい
   トラックを切って欲しかったな。
   ラストはラテン風に明るく決める。

04/1/17   ライブの物販で購入。

   精力的に若手バンドを紹介し続けるイベント、natural giftの第3弾サンプラー。
   本イベントのオーガナイザーも一曲で演奏に参加してる。CD-R。
26・V.A.:natural gift sampler vol/03:
☆☆
   サイケなタッチの曲が多い。これまでのサンプラー中、
   ぼくの好みな曲が多いな。こもった録音が多くて残念だが
   荒削りな魅力がつまってる。一曲選ぶなら(1)か。

04/1/12   アマゾンの安売りでどばっと。深く考えず、好奇心が刺激された盤を買う。

   坂本龍一が作曲した映画のサントラ盤。去年のリリースかな。
   フランスの哲学者ジャック・デリタのドキュメンタリー映画用だそう。
   ミュージシャンのクレジットがないけれど、たぶん坂本のシンセ演奏を収録してる。
   ミニマルな感触がたっぷり。
25・坂本龍一:Derrida:
☆☆
   硬質のアンビエント作品。坂本龍一の音楽だから、聴き込んだら
   細かな仕掛けがあるかもしれない。モチーフの変奏具合とか。
   一歩引いたとこから見つめるストイックさが好きな人にお薦め。

   同じく坂本龍一のサントラ盤。写真家の本橋成一が監督をつとめた「アレクセイと泉」用に書き下ろされた。
   これもリリースが2003年になっている。
   きれいなメロディをシンセで紡いでる。上の盤と両極端で面白い。
24・坂本龍一:Alexei and the spring:
☆☆★
   浮遊感ある暖かいテクノ。シンプルなメロディが形を変えて漂う。
   ある意味、映画音楽らしい。細かな音の積み重ねが
   坂本龍一らしいな。素敵です。

   ジェスロ・タルを聴くのは初めてだ。
   オリジナルは1977年の11thアルバム。イアン・アンダーソンが
   思い切り我を通し、トラッドに寄った盤らしい。
   2003年に出たリマスター版で、ボートラ2曲入り。
23・Jethro Tull:Songs from the wood:
☆☆
   プログレみたい。インプロよりもアンサンブル重視かな。
   細かな譜割でちゃかちゃか流れてく。ユニゾンしまくりだけど
   ザッパみたいな緊張は無し。あくまで爽やか。ダビングっぽい香りするから?
   聴きやすいアレンジで、ぼくはこういうほうが好き。
   どこか吹っ切れた感じあり。

   ジェスロ・タルといえばこの盤を思い浮かべるって人も多いのでは。
   70年発表の4th。上の盤に比べると、リマスターされてるのに
   どうも音がしょぼい。マスターが痩せてるのか、それとも
   1998年リミックス版だから、いまいちなのか。マスタリング技術の進歩ってすごいね。
   ハードロックにもっとも近づいた盤、と資料に書かれてる。
   BBC音源やインタビュー、4chミックスなど5曲がボートラ。
22・Jethro Tull:Aqualung:
☆★
   (1)みたいなハードロック系が苦手で、点はかなり辛めです。ファンの人、すみません。
   大仰な世界観に馴染めないし、今の耳で聴くと若干古びてる。
   世界観がきっちりしてるだけに、敷居が高いのか。
   もうちょっと聴き込んだら、音の印象変わるかな。
   一曲選ぶなら(11)か。(4)みたいにフォークな世界のほうがすんなり耳へ入った。

   ブライアン・イーノの環境音楽シリーズ第1作。学生時代にこれ聴きながら
   車の運転して、あやうく居眠りしそうになった体験あり。
   これ、ワルシャワが貸しレコ時代だった頃に借りたんだよ。
   ひさびさに聴きかえすな、これ。1978年にオリジナルはリリースされた。
21・Brian Eno:Anmient 1~Music for Airports:
☆☆
   アンビエントの発想を成立させた、重要なアルバムだろう。
   シンセ一辺倒でなく、アコースティック要素も取り入れてたと、
   今回初めて気がついたただしやっぱり聴いてて眠くなる・・・(笑)
   そもそもスピーカーと対峙じゃなく、BGMで味わう音楽なの?
   ミニマル要素のみでなく曲展開もおぼろげにありそう・・・聴き込めば分かるかな。
   それにつけてもレコーディング風景が知りたい。
   どういうミュージシャンで、どういう過程でこの音楽を作ったんだろう。
   「長時間録音」って観点も、重要だ。LPにしちゃかなり長いもの。
   曲展開の単調さゆえ、もっと時間は短くても曲は成立可能だ。
   しかし。長時間、淡々と繰り返すこと。それこそ必要と判断した発想がすごい。

   アポロ計画のドキュメンタリー(?)用に作曲された。
   裏ジャケにイーノの発言あるけど、どうも読みづらい・・・。
   ダニエル・ラノワ、ロジャー・イーノが演奏に加わってる。
   買ったのは廉価版で、詳しいクレジットがなにもなし。誰がどの楽器を演奏やら。
20・Brian Eno:Apollo~Atomospheres & Sound tracks:
☆☆★
   スペーシーな広がりと、ギターなど生演奏要素を盛り込んだ音作りは
   上の盤よりよっぽど「音楽的に」楽しめる。
   ただし1983年発売なら、圧倒的に時代から取り残されてる。YMO以降の時期だぜ。
   あと4年早かったら、時代とがっちり手を結んだ快盤だったに違いない。
   繰り返すが、音楽はアンビエントを基調ながら、展開も多くて楽しめた。

   これも大学の頃に何度も聴いた。いちばん聴いたのは1stだったが、
   今回は売ってなかった・・・。本作は1978年に発表の、たしか2nd。
   甲高い声を存分に使って、猫みたいな魅力を全開にした好盤。"ライオンハート"は名曲です。
19・Kate Bush:Lionheart:
☆☆☆☆
   ウルトラ・ハイトーンも駆使して、トリッキーで童話っぽい世界を構築した傑作。
   アレンジの詰めが甘く、もどかしいな。だけど生演奏中心のプレイは
   ほとんど古びてない。粘っこく耳へまとわりつくメロディも素敵。
   ケイトのピアノを前面に出すことで、ケイトの世界観を純粋かつ透明に磨き上げた。

   ファンの間では、本作が最高傑作とされてるらしい。聴くの初めてだ。
   リリースは1982年だっけな。たしか4thだったはず。
   プロデュースはケイト本人だが、どんすか鳴るスティーブ・リリーホワイトみたいな
   ドラムの音作りに時代を感じる。・・・と思ったら、エンジニアの一人に
   ヒュー・パジャムのクレジットあった。彼の音なんだ。
18・Kate Bush:The Dreaming:
☆★
   凝ってるし、充実してるとは思う。だがべたっとした80年代サウンドが
   どうにも時代を感じる・・・。好みの問題ですね。
   シアトリカルなケイトの魅力を凝縮した盤。

   きっかけはYMOだっけか。中学の頃にアルバムを聴いてた記憶ある。
   当時はこの手の音楽なんてまったく分からず。首をひねったなあ。
   本作は1996年にサイモン・ジェフ本人に編まれたベスト盤。
17・Penguin Cafe Orchestra:Preludes Air & Yodels:
☆☆
   環境音楽って決め付けてたが、今回じっくり聴いて、もうちょい奥深さを感じた。
   シンコペートを前提に、8分音符の連打でドライブさせていく。
   付点のリズムもあるけれど、ミニマルな連打がポイントではないか。
   クラシックの室内楽で聴ける優雅さを、ポップスに持ち込んだ。
   お昼になる前、これから目覚め始める時にぴったりな音。
   社交界でのダンス・ミュージックっぽいな。
   96年のオーヴによるリミックスも一曲あるが、ミニマルなアプローチでちょっと違う。
   むしろトラッドのリールって観点が最も近そう。小さな音ではBGMになる。
    しかしボリューム上げたら、濃密な植え込みの清清しさを味わえる。

   名盤と誉れ高い・・・らしい。ごめん、ブルー・ナイルはほとんど
   聴いたことないんですよ。本作が何枚目なのかも知らない。
   そんなやつがこの盤聴くな、ってファンに怒られそう。1989年作。
16・The Blue Nile:Hats:
☆☆☆
   シンセを多用した80年代っぽいアレンジ、まったくグルーヴしない
   べたっとしたリズムなど、ぼくの好みとはかけ離れたサウンドだ。
   しかし丁寧なアレンジとふぅわり漂うメロディに惹かれる。
   アレンジさえ好みだったら、名盤って自信もって言えるのにな。

   ちょっと前まで伝説でした。音が悪いが音楽はいい、って評価が
   まっぷたつに分かれてたクリムゾンのライブ盤だ。
   今ではリイシューで簡単に聴けるけどね。
   初めて聴いたが、すげえ音だな。ヒスノイズまで聴こえる。
   ブートなら「音質最高」なんだが。
   1972年の全米ツアーからジャムっぽい演奏を詰め込んだそう。
15・King Crimson:Earthbound:
☆☆☆★
   音質はかなりひどい。ブートと思えば許せるが。
   人間関係ずたずただったという、やけくそなジャムの連発は、
   さながらへたくそなフリージャズを聴いてるかのよう。
   構成は皆無に等しい。肉体的な音楽の対話がいきいきして面白い。
   もし生で聴いてたら、スリリングさは格別だったろう。
   サックスがもうちょい上手かったら、魅力が増したんだが。

   こっちも伝説だったな。翁が「再発しないよ」って宣言してたし。
   同じく2002年のリイシューで、だれもが聴けるようになった一枚。
   1974年、もっともクリムゾンが尖ったライブバンドな時期の音源だ。
   実際にはオーバーダブがスタジオで施されている。
14・King Crimson:USA:

   CDで初めて聴く。もともとLPで発表されてた曲は、どれもが
   かなりラフな演奏のライブ。作品としてでなく、当時のライブを追体験
   できる意味では基調だが・・・ロバートが封印したかった気持ちがなんとなく分かった。
   ボーナス収録された曲群は、さすがタイト。かっちりした快演だ。
   しかし有名曲で固めた意図がわからない。たしかに当時のセットリストを
   再現っぽい選曲だが・・・どうせならインプロをくわえて欲しかったな。
   あきらかにモコってるオリジナル音源との音質差を嫌ったか。
   ラストのイヤに長い歓声は何を狙ったんだ?
   どうやらミュージシャンがアンコールに応え、楽器を構えたところで途切れたっぽい。

   ここからはジャズです。バップ系ばっかり。フリーはバーゲンになくて残念。
   まずはブルーノートを何枚か。1999年にリイシューされたらしい、
   RVGエディション・シリーズです。RVGってのは・・・
   やっぱり、ルディ・ヴァン・ゲルダーでしょうな。ブルーノートの音を
   がっちり記録した男です。説明、いらんか。

   オリジナルは4031番で、録音は1960年2月7日。
   ハードバップの名盤らしい。こういう盤、
   ぼくはまったく聴いてないんだよ。勉強、勉強~。
   ドラムはブレイキーで、ベースがポール・チェンバーズ。
   ピアノがウイントン・ケリーのカルテット編成です。ハンクはtsね。
   マイルスのバンドへハンクが加わる時期のアルバムだそう。
13・Hank Mobley:Soul Station:
☆☆☆★
   熱く押すパワーには欠けるが、おしゃれでぐっと乗せる演奏にしびれた。
   上品でありながら、聴き手の耳をそらさない。BGMなんかじゃない。
   きっちり演奏にのめりこめる。しかしフェイドアウトする曲まで
   あって意外だった。マスター・テープは残ってないのかな。
   せっかくだからフル・コーラス聴きたいぞ。
   ベストは(2)。もっと毒があるジャズが好きだけど、こういうのも悪くない。
   しかしまあ、ハンクのテナーの滑らかなことったら。

   デクスター・ゴードンって聴くと、なんとなく50年代ってイメージある。
   聴いたこともないのにさ。
   本作は1962年8月27日の録音で、カタログ番号はBL4112番。
   ソニー・クラーク(p)トリオをバックに、ワンホーンでテナーを吹いている。
12・Dexter Gordon:Go!:
☆☆☆
   毒や新鮮味はないが、きれいなメロディが印象に残る好盤。
   饒舌なテナーは、破綻なく曲をまとめる。むしろソニーのトリオが
   印象薄いよ。ベストは(2)。極上バラードだ。

   ドーハム初のリーダー作は、1963年4月1日の録音。BL4127番です。
   テナーがジョー・ヘンダースン、ピアノをハービー・ハンコックが弾いている。
   ボートラで"If ever I would leave you"を収録した。
   64年に発売当初、ジャズ喫茶では幾度もリクエストされたと資料本にある。
11・Kenny Dorham:Una Mas:
☆☆☆★
   ラテンっぽく疾走するジャズ。みずみずしいハービー・ハンコックのピアノがすごいや。
   逆にブハブハとタンギングをひきずるジョー・ヘンダーソンのサックスは
   聴いててきつかった。好みの問題ですが。
   CDのボートラは一転してモダンジャズ色の強い演奏で、はずされたのがよくわかる。
   いずれにせよ、歯切れいいトランペットの演奏は痛快だ。

   BL4194盤。60年代の新主流派として名をあげたショーターの一枚。
   録音は1964年の12月24日。クリスマス・イブだ。
   フレディ・ハバードがペットでハービー・ハンコックがピアノ。
   ロン・カーターのベースと、エルヴィン・ジョーンズのドラムという強力な布陣。
   ショーターはテナーを自信たっぷりに吹く。
10・Wayne Shorter:Speak no evil:
☆☆★
   タイトでダンディーなまとまりを見せる一枚。4拍目をきゅっと強調する。
   とことんアップテンポな曲がないのと、今ひとつドラムが
   控えめなミックスで残念。
   我を忘れて熱を込めず、どこか冷静に音楽をまとめる。
   しかしお行儀よく営業するようなそっけなさは皆無。
   いまにも弾けそうな迫力は確かに感じる。

   上の盤でサイドメンを努めた、フレディのリーダー作。
   これは2001年にゲルダーがリマスターしたシリーズで買った。
   1960年6月19日の録音は、BL4040番が刻まれた。
   "Open sesame","Gypsy blue"の別テイク入りで、5人編成。
   マッコイ・タイナーのピアノをはじめとしたリズム隊の上を、
   フレディのペットとティナ・ブルックスのテナーが吼える。
9・Freddie Hubbard:Open Sesame:
☆★
   くー。難しいな。・・・いや、音楽はすごく分かりやすい。
   きれいなモダン・ジャズだと思う。小粋で、ジャズ・クラブでの演奏が似合うよ。
   しかしスピーカーで聴くと、毒の無さにためらう。
   かといって形だけ作って魂が入ってないわけじゃない。
   ぐっと来るリズムやフレーズは多々あるもの。
   いっそ頭を切り替えて、過去の絶頂な瞬間を切り取った一枚と捉えたら
   楽しめるのかも。そもそもジャズって・・いや、レコードって
   そういう性質かもしれないが。
   サム・デイビスのあおるベースと、マッコイ・タイナーの
   弾むピアノがかっこいいなー。

   これもブルー・ノートです。もうUAに身売りした後で、
   プロデューも録音も、往年ブルーノートのメンバーじゃない。
   2002年のリイシュー盤で手に入れた。
   録音は1962年の9月17日。オリジナルのレコード番号はUAS 15017とある。
   ジャズの天才3人のセッションが記録されている。
   ベースがチャールズ・ミンガス、ドラムがマックス・ローチ。
   そしてピアノと作曲がデューク・エリントン。
   ボートラで8曲を追加、そのうち2曲は本盤で発掘されたらしい。
8・Duke Ellington:Money Jungle:
☆☆
   ミンガスが無骨に突っ込む曲が、このメンバーでの成果なんだろう。
   野太い魅力がある。だけどエリントン初心者なので、つい
   ロマンティックなほうへ耳がいっちゃう。(2)や(4)、(7)など。
   耳が肥えた頃、聴き直したら印象変わりそう。

   本盤のみ、別の機会にネット注文してた盤。
   ライブの情報見て、あれこれ旧譜を聴き返してたら、この盤を
   持ってないことに気が付いた。いまんとこ最新作になるんだっけ?
   七尾旅人との共作を含む、2001年のシングル。
   (2)のベースは、Soh-Bandの清水玲じゃないか。
   川本真琴は(3)でフルート演奏も披露する。
7・川本真琴:ブロッサム(single):
☆☆☆
   ごつっとした生楽器っぽい空気の漂うミックスが、心地よいシングル。
   デビュー当初の疾走感こそ落ち着いたが、これはこれで悪くない。
   川本自身のフルートもつたなさ無し。天気のいい休日の午後にぴったりな盤だ。

04/1/6   CDが到着~。家に帰ると、CDが届いてるって日常はいいやね。

   元speonic teroecaのリーダー、nyaaanoの新作にしてソロ第二弾。
   ミニマルで明るいテクノがメインかな。全六作がコンセプトだそう。
   ジャケットの歪んだ幾何学模様のCG(かな?)も面白い。
6・nyaaano:Strong Age:☆☆☆
   
ミニマル要素が基調ながら、アドリブでは即興(手弾きかな?)も織り交ぜ
   肉体感覚も残す。ハイブリッドな立ち位置がゆえに、打ち込みビートも
   生演奏のように聴こえる場面も。
   一里塚のように、ある瞬間の音楽性を切り取ったかのよう。
   3曲目で鼓動のように響く低音が心地よかった。

04/1/4   レコ屋をぶらり。ひさびさにソフト・ロックを買ってきた。

   トーケンズが1968年に製作するも、ワーナーから発売拒否を食らった
   コンセプト・アルバム。1969年に彼らのレーベルBTパピーから
   数百枚だけリリースされた模様。
   何回かリイシューされたようだが、買ったのは英Rev-Ola盤。
5・Tokens:Intercourse:
☆☆☆★
   よく練り上げられた、サイケなソフト・ロックの傑作だと思う。
   あえてキャッチーな方向性から外れようとしてるみたい。
   シングルでヒットしそうな曲も、どっかひねくれてたり、
   ヘンテコな曲の合間にきれいなハーモニーを織り込んだり。ひとひねりした構成だ。
   インタルードに翻弄され、何度も聴いてしまった。
   シングル切るなら"I could be"かな。
   多重録音でアイディアを詰め込まず、曲想そのもので勝負するスタンスが気に入った。

   そのBTパピー音源をまとめて、英Rev-Olaが2003年に出したコンピ。
4・V.A.:Night time music~The B.T.Puppy story:
☆☆
   今聴くと、アレンジの古さに戸惑う曲が多い。メロディはいいのに。
   贅沢な要求なのは自分でも分かってる。あくまでポップミュージックを
   踏まえて聴くならば、当然の話だ。その時代に密着した音楽こそが、ポップなんだから。
   えらそうに位置を決めるならば、そのアレンジセンスこそが
   時代を超えて成立するかの分岐点だろう。
   メロディは充分に魅力的で、その才能は今でもあせていない。

   これも英Rev-Olaの2003年リイシュー盤。White Whaleというハリウッドの
   マイナーレーベルのコンピだ。経歴はよく知りません。
   スペクター人脈のニノ&エイプリルなんかがいたみたい。
   知ってるバンドがぜんぜんいないよ。ビーチ・ボーイズ"Vagetables"や
   カーペンターズ"We`ve only just begun"のカバー曲を収録してる。
3・V.A.:In the Garden~The White whale story:
☆☆★
   開放的なポップスが魅力か。ただし、イメージは60年代半ば。
   つまり、数年ほど感覚が遅い。それがヒットしなかった理由だろうか。
   きれいなメロディが第一印象。そしてほとんどの曲で
   メロディアスなベースがすごい魅力になってる。誰が弾いてるんだろ。
   27曲とかなりのボリュームで、聴きこむのが大変だ。

04/1/3    ぽこっと見つけた一枚。
         昨日たまたま、彼女のHPを眺めてた。奇遇だなー。

   マクロス20周年記念で2002年リリースの一枚。7曲を収録したミニ・アルバムだ。
   関係する曲を飯島真理がすべて再録。今の活動拠点であるカリフォルニアの
   ミュージシャンらを起用してる。目玉はリン・ミンメイ作詞の新曲か。
   (ちなみにもうちょい細かく、背景説明する必要あります?)
   初期の彼女のファンで、
「branch」「キモノ・ステレオ」はほんとよく聴いた。
2・飯島真理:Mari Iijima sings Linn Minmay:
   いちばん出来がいいのは、新曲か・・・リバーブをほとんどいれず、あっさりと仕上げた。
   美味しいとこをわざとズラしてるのでは。本人は「いまさら」なんだろな。
   クラブ風アレンジの「私の彼はパイロット」にがっくり。歌い上げサビがかっこいいのに。
   そもそも彼女のメロウな魅力は、からっとした西海岸サウンドでは合わない。
   凡百のAORになるんだもん。シカゴあたりが似合うと思う。
   「愛・おぼえていますか」はキーが低くない?
   弦楽四重奏の「シンデレラ」も期待したが、Rhodesがいらない。
   旧作で最もまともなのは「天使の絵の具」かな。ポップでよかった。

04/1/2    茶坊さんが紹介されてたCDを買いに、無印良品へ行く。

   無印良品はフロアBGMもCDで販売してる。1枚1000円でした。
   いかにも無印らしい、エンボス加工のボール紙ジャケが笑える。
   こんなもんに金を使わなくたっていいのに。

   本作はアイリッシュ・トラッドがテーマ。いい加減なコンピじゃなく、無印良品のオリジナル録音だ。
   参加ミュージシャンもダブリンのちゃんとした人たちを起用してる。
   それぞれCDを何枚も出し、活躍してるミュージシャンばかり。キャリコとかアラン・ケリーとかフランキー・レーンなど。
   インストものがおおいかな。ほとんどがトラッドを演奏してる。
1・V.A.:無印良品 BGM 4:
☆☆★
   BGM前提ではあるが、演奏に力があって音楽だけでも当然成立する。
   アップテンポも取り混ぜ、メリハリつけたとこがさすが。
   たいがいスローな曲でまとめがちなのに。
   逆にボーカル曲を1曲のみにしたのは、BGM用だから?
   歌があると、つい聴いちゃうからな。
   素朴ですがすがしい演奏が詰まってる。
   値段も安いし、見つけたらぜひ。損はしないよ。


2003年12月

03/12/30   ライブの物販で購入した。今度こそ買い納めさっ。

   灰野敬二の新作CD。アコースティック・ギターのインプロみたい。
   このタイプの音楽をCDで出すのは初めてじゃないかな?
287・灰野敬二:光闇 打ち解け合いし この響き:
☆☆☆
   約70分で全3曲。曲名すらジャケットに書かれず、
   クレジットもオビに書かれたのみ。聴き手の取っ掛かりを排除するかのよう。
   アコギ一本、声すらないシンプルな即興は、聴く集中力を保つのが難しい。
   ライブならまだしも、日常だとつい散漫に聴いてしまう。
   うまく音へ没入できればタップリ楽しめるが・・・。
   フリーリズムで無造作に灰野はかき鳴らす。ベストは(2)かな。
   長い長い無音も使って緊張感をあおる。後半近くで聴こえる鈍い音は
   弦を擦っているのかな。
   (3)でのエンディングは、次への変化を期待させるかのように、中断気味だった。

03/12/27   今年のCD買い納め。たぶん。新譜買いまくるのも芸がないので、
         バーゲン盤
をごそっとわしづかみしてきました。さあて、何枚くらい当たりかな。
         すべてがジャケ買いです。知らない盤ばっかり。13枚買って一万円ちょいでした。

   まずは新宿ユニオンはプログレ館にて。トラッドの中古ってここに並んでたんだ。

   スティーライ・スパン~ポーグスへ参加したテリー・ウッズのバンド。
   1971年に一枚だけLPを残したバンドの再結成だろうか。2003年発売。
286・The Woods Band:Music from the four corners of hell:
☆☆☆☆
   素晴らしい。がむしゃらに突っ込むパワーを匂わせつつ、音楽は
   塩っ辛く盛り上がる。ほんのりかすれるボーカルも、白人風グルーヴをたんまり
   震わす演奏も心地よい。とびきりのトラッド風味なロックだ。
   アップテンポな曲はどれも聴いてて元気が出てくる。(3)が特に好き。

   リチャード・トンプソン・バンドなどで活躍したという、女性シンガーの
   通算8作目ソロ。2001年に発売された。
285・Christine Collister:An equal love:

   きれいな録音だな。トラッド系英国ポップスとしてまとまってるが、
   逆に泥臭いとこや毒がまったくなく、どうも物足りない。
   歌は上手いし、大仰で安っぽいシンセを抜くだけでイメージ変わったはず。
   なにもジャスト・リズム至上主義にしなくたっていいじゃない。
   一曲選ぶなら(5)かな。静かでスケール大きな響きが心地よい。
   トラッドとして聴かず、たんなるポップスと思えばいいのかも。

   トラッドを何曲も演奏してるが、もしかしたらドイツのミュージシャンかも。
   1995年発表。女性ボーカルのソロです。詳細不明。
   演奏の基本は打ち込みみたい。変則デジパック・ジャケだ。
   タイトルはロン・カヴァナのカバー曲です。
284・Geraldine Mac Gowan & Friends:Reconciliation:
☆☆☆
   トラッド好きなんだろうな。丁寧なオマージュになっている。
   アンディ・アーヴィン、キーラン・ハルピンのカバーも収録してる。
   打ち込み部分はまったく気にならない、極上のアコースティック・トラッド・ポップだ。
   もうちょいエコー多い音像が好みだが、アレンジも丁寧だし、歌も悪くない。
   繰り返し楽しめる快盤。トラッド入門編にもよさそうだ。

   70年代初頭から活躍してたという、アイリッシュ・フォークのミュージシャン。
   上の盤でカバーしてる曲のオリジナルを収録してる。
   リリースは1991年。資料本によれば、本作は彼のルーツ帰りを示した盤らしい。
283・Ron Kavana:Home fire:
☆☆☆
   トラッドを聴き始めな人にも進められる盤。伝統音楽ぽさと
   ポピュラーさが絶妙の比重でブレンドされ、とっつきやすい。
   塩っ辛いボーカルもいい。噛み締めると味が染み出る。
   音楽全体に甘さは控えめ。背筋を伸ばし、毅然とした音楽だ。
   (9)が美しくてきれいな曲。大好き。

   ニュー・ハンプシャー出身のフルート奏者で、本作は1991年発売の1st。
   内容はケルトのリール音楽を演奏してるみたい。
282・Sarah Bauhan:Chasing the new moon:

   アコースティック・トラッド。全てインストで、ミドルからスローテンポに流れる音は
   BGMにぴったりだと思う。寛ぎながら部屋に流そう。

   発売年のクレジットがどこにも見当たらない。
   セピア色のジャケだが、おそらく白人女性だろう。
   クレジットから想像するに、ニュージーランドのトラッド系(形容矛盾だが)
   ミュージシャンらしい。プロデューサーのSteve McDonaldが
   演奏の根本をつくり、上物でアコースティック楽器を載せるアレンジ。
   深いリバーブが時代を感じるなあ。センスは80年代後半ってとこか。
281・Hollie Smith:Light from distant shore:

   トラッド風味の雄大なポップスといえばいいんだろうか。
   そもそも彼女がトラッド畑でないなら、筋違いの感想だが。
   いずれにせよ大味で、いまいちのめりこめない。とりあえず棚でしばらく寝かせます。

   これまた詳細不明の女性ハープ奏者。歌もあり。ほんとはAの上に「`」が付きます。
   録音は"Carlisle,MA"とある。マサチューセッツ州のことか、
   スコットランドの境ぎりぎりにあるイギリスの町のことか。さてどっちだろ。
   リンクしたHPをざっと見たが、アメリカが主な活躍場所なのかな?
   ケルト系トラッド・ポップ風味だが、タブラを入れたり日系ミュージシャンによる
   パーカッションを入れたり、ひとひねりしてるようす。
   これまたふかーいリバーブがかかってる。1998年の盤。
280・Aine Minogue:Circle of the sun:

   トラッドを期待すると、タブラの音が邪魔くさい。
   あと、リバーブ強いアフリカンなドラムもちょっと・・・。
   じっくり聴いたら、かなり練られたアレンジと分かる。
   ハープ中心のアコースティック・アンサンブルで聴きけば楽しめる。
   ヒーリングやBGMとして聴くには、音の我が強いかな。
   歌入りでリラックスした曲を期待したが、残念ながらその手の曲はない。
   インストのほうがなごめたな。即興要素はほとんどなさそう。
   後半で連発されるクラシカルなインストが美しい。

   詳細不明だが、クレジットによれば15年間の活動から選んだベスト盤みたい。
   基本は弦の音をシンセの多重録音で構築かな。ちょっと聴いたが
   かなりセンスが古臭くてメゲた。トラッドは味付け程度かも。
279・Alan Draper:Ascension Day:

   うーむ。シンセのストリングスがあまりにもしょぼくって・・・・
   すぐさま処分しようと思ったが、(12)に惹かれた。
   これだけなぜか、極上のソフト・ポップスだ。ハーモニーも心地よい。
   なんでこの路線で行かなかったんだろう。ライナーに寄れば
   1stの曲だという。惜しいなあ。

   裏ジャケはアコギを持ってすましてる女性ミュージシャン。
   ところが聴いたらどうもアメリカ南部臭い。クレジットを見たら
   ナッシュビル録音とある・・・どうやら単なるカントリー系シンガーのようだ。
   なんでトラッドの棚に混ざってるんだよう。詳細不明。1997年のリリースらしい。
278・Kate Campbell:Moonpie dreams:

   前作同様、個性で圧倒するまでに至らず。
   肩の力が抜け、アレンジが若干多彩になったくらい。
   薄いんだよな、音が。南部っぽい熱さは、もともと好みじゃない。
   ましてやカントリーの能天気さも苦手だ。だからこそ、キャッチーな本盤は
   すんなり耳へ馴染む。アメリカン・ロックとして聴けば悪くないのかも。

   はい、同じ人の盤をもう一枚。やっぱり間違えて買いました。
   カントリー・フォークです。録音はやはりナッシュビル。上の盤よりいなたそう。1995年発売。
277・Kate Campbell:Songs from the Levee:

   売れそうなのがよくわかった。メロディはキャッチーだし
   歌声も滑らか。演奏もシンプル。カントリーの濃さもなければ
   サウンドに毒もない。小奇麗すぎて、ぼくが望む音楽ではない。
   BGMにはちょうどいいんじゃない?まっすぐな一本気をほんのり感じた。

   次はジャズを数枚。先にトラッドどっさり買ったから、こっちは買うの控えました。
   sax,b,dsによるフリージャズ・トリオらしい。本作が3作目で
   2002年の発表。中ジャケの写真はライブっぽいが、ざっと聴いた限り
   スタジオ録音のようだ。ウィスコンシン州の出身かな。
276・Triage:Twenty minute cliff:

   フリー・ジャズだが完全な即興ではなく、テーマ部分は若干決まってる
   感じがする。フェダインなど先駆者がいるだけに、いまいち物足りない。
   よく言えば青白い涼やかさがあり、平たく言うと線が細い。
   後がないくらい切迫したガシガシぶりが欲しかった。

   大編成(dsx2,px2,bx1,tpx2,saxx3)の大編成に惹かれて買った。
   どしゃめしゃなジャムを期待したが、どうやらあんがい構成された
   ビッグバンド・ジャズの模様。詳細はよく知りません。
   ディキシー系から今風ジャズまで芸風は広そうだ。
   2002年の発売で、ライブ・アルバム。スペインのバンドかな。
275・Jam en el Krusaal:Jam en el Krusaal:
☆☆☆★
   スイングとモダンの時代を行き来し、あったかいジャズを聴かせた。
   これはいい。ライブ盤だが、ぼくもその場にいたかった。
   編成は多いが、ユニゾンで厚みを出すよりアンサンブルでグルーヴを紡ぐ。
   スピードであおらないし、じっくり聴ける。噛み締めるほど美味しい。

   p,b,saxのトリオ・ジャズ。クレジットにImpullitti(p)は2002年8月に死亡とある。
   追悼盤ってことか?ロマンティックなジャズを聴かせるみたい。
   ピアノに思い切りリバーブかかってます。
   出身はどこだろ。イタリアかなぁ?2002年のリリース。
274・A.Impullitti/M.Manzoni/N.Negrini:Namu:
☆★
   クールでロマンティックな、ヨーロッパ・スタイルのジャズ。
   早いパッセージやフラジオ多用のフリーっぽい瞬間があったとしても
   決して熱くならない。ビートでなくゆったりした揺らぎを楽しめる。
   きれいなフレーズ使いが心地よい。こういうのもジャズなんだよな。

03/12/23   図書館行くついでに、ぱぱっとレコ屋を覗く。
       
   これ、聴きたかった~。藤川義明(as)による十二人編成バンドによるライブ盤。
   生向委を中心にそうそうたる顔ぶれによる、分厚いアンサンブルが聴きもの。
   演奏のテンションもすさまじいが、歓声もすごい。
   詳細クレジットないけど、オーディエンス録音かな?ちょっとこもった
   音質が非常に惜しい。藤川義明が書下ろしたライナーノートつき。
   最後の曲は"Pate Pote"のはずだが、なぜか"Tribal chief"とクレジットあり。
   もともとのタイトルが"Tribal~"なのかな。
273・藤川義明:イースタシア・オーケストラ:
☆☆☆★
   即興オケのひとつの方向性を明確に示した盤。ブートな音質が悔やまれる。
   マルチで録って、個々の楽器の分離をしっかりして欲しかった。
   ファンキーさで押すよりも、アンサンブルを重視か。
   掛け合い中心に、きっちりアレンジが締まってる。
  もちろん各人のソロもたっぷり。奔放できっちりしたジャズだ。

   早くも3rdアルバムがリリースされた。今回もマスタリングは
   吉田達也が担当。かなり詳しいライナーノーツが、とても読み応えある。
   すべて藤井の曲で、最近のライブで演奏されたレパートリーかな?うう、ライブを聴きたい。
272・藤井郷子クァルテット:ゼフィロス:
☆☆☆★
   がっちりとアンサンブルがまとまった快盤。
   もはやここに当初の異物感は無い。藤井のロマンティックさが前面に出て
   きれいなメロディがふんだんに、しばしばドラムとユニゾンで展開される。
   吉田はこの手のユニゾンを得意とするため、今後の進歩の鍵を
   握るのは早川となりそうだ。本盤ではいくつかのソロを除きバンドを牽引するまでの
   強引さを見せていない。
   かくいう吉田も小奇麗にまとまる気はなさそう。マスタリングで
   技をいくつか披露。ドラムやベースをしばしば、エコーやコンプでひしゃげて見せる。
   田村のトランペットは藤井のピアノと相性良く対比するため
   本盤では見事に藤井の美学を昇華させた到達点と言える。
   マスタリングの効果が振りまく異物感を乗り越えて、音に隙が無い。
   でも。ああ、ライブを見たい。きっと彼女たちは、更なる高みへ到達しているはず。

   日本人ジャズをもう一枚。1975年のベース・ソロ・コンサートの音源を
   収録している。そういやぼくは、彼の音楽聴くの初めてかもしれない。
271・吉沢元治:アウト・フィット~ベース・ソロ21/2:
☆★
   ウッドベース一本で、がっしり音と向かい合う。
   物足りないのはジャズの一側面な、ダンス・ビートへの目配りが
   ほぼ皆無なこと。フリージャズでは削除されがちな部分ではあるけれど・・・。
   ミニマルな(2)、メロディ追求したアルコの(7)、うねりが迫力ある(8)など良い。

   ひさしぶりにヒップホップを聴きたくなった。
   まずはウータン一派から。いい加減つまんなくなってきたが、
   惰性で買っている。そろそろやめようかな。
   一軍レイクォンの、たぶん3作目。プロデューサーは知らない人ばっか。
   RZAはなにやってるんだろ。彼の新作を聴きたいよ。
270・Rackwon:The lex diamond story:
☆☆☆★
   ひさびさに面白いウータン関連の盤だ。バラエティに富んだトラックで
   オムニバスを聴いてるみたい。肝心要なウータンらしい凄みや胡散臭さは
   皆無だが、ポップから重ためなビートまで、良く練られてる。
   プロデューサーを多数呼んだ、散漫さが良い方向に出た。
   インターミッションに会話のみのトラックも何本か。
   相変わらず言葉には興味なしで聴いてるが、いったい何を喋ってるのやら。
   もしかしてトータル・アルバムなんだろうか。タイトルもそんな感じだし。
   音を聴いてる限り、そんな感じは受けないけれど。

   ラテン・ヒップホップというのが流行ってるの?塔で何枚か並んでた。
   どんなもんか、と2枚買ってみる。まじめ盤とバカ盤を。

   これはバカ盤のほう。今年発売された。
   ライナー見ても宣伝ばかりで、さっぱり経歴わからない。
   Royal TとFingazzがキーマンらしい。録音は誰だろう。
   こういうの聴く人は、スタッフなんてどうでもいいのかな。
   黒人女性ラッパー(たぶん本人が)卓に向かいつつ、
   ビキニに紐パンはいて尻を突き出し、タイトルはこれ。大馬鹿です。
269・Ms.Sancha:Taking it doggystyle:

   色気というより下品さが・・・。どっちみちあんまりエロを感じさせない。
   ZAP風のトラックに乗った軽いラップはBGMにいいと思う。(8)とかね。
   もっともそんな曲でも、4文字単語連発。だから英語分かる人は感想違うはず。

   こっちはまじめ盤。ポップで絶賛されていた。発売は今年。
   同じくジャケットにクレジットろくになし。黒人4人のグループ?
   レーベルはサンフランシスコらしいが、詳細分からず。
   上の盤に参加してたFingazzはこちらにもトラック作りに貢献してる。
   Fingazzってトーキング・モジュレーターでロジャーみたく歌ってる人だろうか。
   本盤ではE-DUBって人が、音の要みたい。
   東海岸と異なり、緊張感なくふらふら揺れるトラックが多そう。
268・Mr.Shadow:A name you kan`t touch:
☆☆
   スピーカーの前で聴いてて楽しめる。あんがい構成凝ってるよ。
   フロア対応にはちょっと低音が足りないかな?
   もっとも、でかい音で聴いたら印象変わるかも。
   スリルよりもリラックスを追及気味。そう、あくまで「気味」。
   突出した個性に欠けるとこが物足りない。
   でもまあ、悪くないヒップホップです。もうちょい、他の盤も聴いてみようかな。

03/12/19   CDが一枚到着。さっきからずっとこれ聴いていた。

   山下達郎ファンクラブは、毎年クリスマスにCDを一枚プレゼントする。
   今年も到着~。中身は達郎の挨拶と、ライブ・テイクが1曲入ってる。
   詳しくは今日の日記を参照ください。
267・山下達郎:Merry Christmas from Tatsuro Yamashita:
☆☆☆★
   なんだかすごく充実した気分。中身は例年のCDと変わらないのに。
   たぶん"What's goin'on"のカバーが素晴らしいからだろう。
   三人+リズムボックス。シンプルなアレンジで、ぐいぐいグルーヴする。
   達郎のぶっきらぼうに粘る歌は、歯軋りしたくなるメッセージ性をこめてるのか。

03/12/14   ついCD屋を覗くと買っちゃうよ。だめだなあ。

   メルツバウが参加したコンピを2枚見つけた。
   
   たぶん94年か95年にリリースされたはず。
   ドイツのレーベルからで、日本のアヴァンギャルドの紹介と、地元ノイズ・バンドの紹介かな。
   日本からはメルツバウのほかにルインズ、ゼニゲバ、メルトバナナ、グラウンド・ゼロ、
   想い出波止場、暴力温泉芸者などが選ばれてる。
   ルインズは"Hyderomastgroningem"を提供。たぶん、TZADIK盤と同テイク。
   メルツバウは"Ooga Booga"。この盤に提供した新曲だと思うけど・・・。
   ドイツ?勢は知らないバンドばっか。Surrogat,UFO or die,Sielwolf,HP Neidhardt,Mutterなど。
266・V.A.:Wohlstand:

   マニア向け。特に珍しい音源が詰まってるわけでもなさそうだし、
   コンセプトもいいかげんだ。ノイズって謳うなら、せめてノイズに統一して欲しかった。
   実際は「ウルサい系」の音楽を片端から集めた格好。
   アルバム全体のコンセプトが見えないため、結果として単なる雑多に終わってる。

   これは日本のクワガタ・レーベルから1996年にリリースされた。
   背景や狙いは残念ながら知りません。
   全部日本のバンドかな。巻上公一、暴力温泉芸者、大友良英なども
   参加している。メルツバウは"Tallpes"を提供。たぶん新曲のはず。
265・V.A.:MIMIKAKI:
☆☆☆
   聴きやすいアヴァンギャルド作品が多く、親しみもてた。
   巻上の口琴からPieer inuのテクノまで、曲調もバラエティに富んで楽しい。
   不満を言うならクレジットがあっさりしすぎて、コンセプトが掴みづらいことか。
   電子音楽ファンなら、手にとって損はないコンピです。
   詳しくは別稿で書きますが、メルツバウはあんがい抑え目だった。

   新譜です。確か今日と明日、新宿ピットインでレコ発ライブやってるはず。
   大友良英(g)、ビル・ラズウェル(b)、芳垣安洋(ds)による、轟音インプロ・セッションだと思う。
   GOKスタジオで録音された音源を、大友が編集した。録音日のクレジットないなぁ。
   瞬間のセッションなのか、継続バンドなのかはよく知りません。
264・大友&ラズウェル&芳垣:Soup:
☆★
   ドタバタしたハードなドラミングが、芳垣っぽくなくて意外だった。
   ラズウェルのベースが、正直一番面白くない。
   ハードさを狙った(1)は物足りず。なんでこんなにベースがグルーヴしないんだ。
   日本版のマサカーを狙ったわけでもあるまい。
   むしろ音響系アプローチを取った曲が面白い。(2)とか(4)とかね。
   うねる(3)もなかなか。そうか、要は(1)がぼく、馴染めなかったんだ。
   大友良英は、ハードなギターよりターンテーブルで魅力ある音を出している。

   もともとはサントラ。10分と制限された短編のオムニバスだっけな。
   著名な監督もいるみたいだけど、映画は詳しくないので詳細割愛します。
   コンボピアノのセッションと、菊地成孔のセッションがそれぞれ
   7曲くらいづつ収録されている。
   菊地いわく「アコースティック・ジャズ回帰のイントロダクション」
   彼のサックスが好きなので、このCDは聴くの楽しみだった。
263・菊地成孔&コンボピアノ:10 minutes older:
☆☆★
   アルバム全体はとっ散らかった感じ。個々の曲に面白いの多い。
   共通するのは「作り物」っぽさ。コンボピアノがコラージュで、菊地がダブかな。
   コンボピアノは曲として成立を意識してるかのよう。(4)が素敵だ。
   菊地はソロが出たあとに本盤を聴くと、「前哨戦」だったって痛感。
   やっぱ"Over the rainbow"が嬉しい。でもスパンクスで淡々と語る曲の怖さもさすが。
   それぞれのソロを聴きたくなる、サンプラーとしても機能しそう。
   不思議なせわしなさを感じた。

03/12/6   レコ堀りと通販と。この時期は新譜が一杯でるなあ。欲しいCD多すぎ。お金足りない。
         二軒のみ覘いて帰る。買ったのは見事に日本人ばっか。最近洋楽聴いてないや。
  
   新生スパンク・ハッピーのセカンドが出た。
   かなりポップさを押さえ、トータル性を追求してる。エレガントな凄みってとこか。
   ゲストでカヒミ・カリィや今堀恒雄らが参加してる。
   全曲を菊地成孔のアレンジで聴いてみたかった。
262・Spank Happy:Vandome,la sick Kaiseki:
☆☆☆
   岩澤の淡々とした歌声に、執拗なビートが爛れた空気をかすかに漂わせる。
   アルバム全体に統一感あり、前作を超えた傑作。
   願わくばもう少し、救いのある曲調が欲しかった・・・それぞれの曲は
   冷徹な破滅嗜好を感じる。単独で聴いてて、心が重たくなるんだよね。
   たとえば、うっすらしたエコーや淡々としたグルーヴに。
   菊地のサックスは官能的に響く。ベストは(2)かなあ。

   驚きだ。これが新品で買えるとは。てっきり廃盤だと思ってたよ。
   アマゾンで偶然見かけて、あわてて購入した。
   今堀恒雄が率いて、菊地成孔、外山明、水上聡ら鬼才を産み、
   現在の東京ジャズ・シーンに欠かせない水谷浩章や松本治らも加わったバンド、
   ティポグラフィカ。たぶん2作目のスタジオ盤で1996年発売。ゲストに清水一登がいる。
261・Tipographica:God says I can`t dance:
☆☆☆★
   緻密に複雑に正確に。なのにグルーヴィに。
   ほんとなら矛盾する要素が、いともたやすく成立してる。
   フランク・ザッパはティポを聴いたら、なんとコメントしただろう。
   何曲かでフィーチュアされる今堀のギターは、かなりザッパっぽかった。
   破綻なくかっちりまとまった傑作。

   これも新品で買えたよ。嬉しいな。
   同じくティポによるライブ盤で95年のツアーほかからの音源を使用。
   菊地成孔によるコメントに苦笑。とてもそう聴こえないんだもん。
   "4拍子だと言ってるのに、スコアに忠実だと言ってるのに、聴衆は笑うばかりであった。"
260・Tipographica:The man who does not nod:
☆☆☆★
   いやはやこれが生演奏とは。つくづくライブを見たかったバンド。
   今堀のギターを聴いてて、ザッパの影響を感じた。
   ぐるんぐるんに練り上げられたビートはダンス・ビートを拒否しつつ
   ぐいぐい耳を揺さぶる。
   全員が抜群のテクニックで、軽々と(?)プレイする。
   たぶん聴き込むほどに発見のあるアルバム。
   これが譜面どおりなんだよね・・・楽譜見たいな。
   ややっこしいリズムもかっこいいが、最後の「火薬の匂い、彼女の味」の美しさときたら・・・。

   ONJQの新譜はスタジオ盤。菊地成孔も参加したオリジナル・メンバーでのセッションで、
   Beatlesの"Strawberry fields forever"なんて珍しい選曲もあり。
   ゲストは高良久美子にSachiko M。
   この手の録音では欠かせないスタッフ、Gok Soundのスタッフ近藤氏が
   エコー・マシーンでミュージシャンとしてもクレジットされたのが珍しい。
259・大友良英New Jazz Quintet:Tails out:
☆☆☆☆
   爛れたダンディさとファンキーさが絶妙のバランスで結実した傑作。
   今までの総決算として、じっくり聴きたい。
   音響系アプローチがごく自然にジャズと溶け合う。
   隙がない。硬くごつごつした耳ざわりの音色が素晴らしい。

   大友良英が率いてたグラウンド・ゼロがジョン・ゾーンのTZADIKから
   リリースした一枚。1995年作。バンド演奏とコラージュの混載みたい。
258・Ground Zero:Null & Void:
☆☆☆☆★
   すばらしいコラージュ・ハードコアだ。オーケストラ・ヒットや爆音が
   規則正しく執拗に撃たれる。
   アヴァンギャルドでありながら、ポップにも聴こえる瞬間多し。
   植村のジャストなドラムが、アジテーションのようだ。
   大友のレコードをたくみにミックスする技もたんまり聴けた。
   バンド編成と大友一人のコラージュが絶妙のバランスで存在し、
   最後まで一気に聴けた。傑作。

   先日行ったライブでは、怒涛の喉を披露した忌野清志郎の新作。
   個人スタジオ"ロックンロール研究所"での録音で、エンジニアは
   清志郎自身がつとめた。さらにほとんどの曲でドラムも叩く。 ご機嫌なロック・アルバム。
257・忌野清志郎:KING:
☆☆☆☆★
   R&Bやサザン・ソウルへの愛情をストレートに出した快盤。
   三宅との共作がいい方向に働いてる。清志郎がたまにやる
   指癖でつくったような曲がほとんどなく、ポップにまとまった。
   ヘタウマなドラミングで、独特のノリを産んでいる。
   素朴な録音やまとまったミックスは、とてもいい味を出した。
   清志郎のシャウトもばっちり。きっと彼の代表作となるはず。
   DVDはライブの雰囲気出て楽しめた。せめて一曲くらいは完奏して欲しかったが。

   山本精一率いるポップバンド、羅針盤もいつのまにか5thをリリースした。
   前ミニ・アルバムの出来が抜群だっただけに、期待がつのる。
256・羅針盤:福音:
☆☆☆☆
   よりアレンジがこなれて、説得力のあるポップスが多くなった快盤。
   (4)のようなインストも馴染むと同時に、歌物ポップスにこだわらない
   柔軟さも伝わってくる。ライブを見てみたいなあ。
   山本精一の歌はまだ物足りないが、だいぶオケと馴染んできた。
   歌声と演奏が溶け合いつつある傑作だ。次の盤あたりで、ばっちりになるのかな。

   ドイツのテクノ仙人、ピート・ナムルックの旧作を二枚。
   両方とも再発のAW盤です。
   まずこちらはビル・ラズウェルとの共演ユニット"OUTLAND"の3作目。
   オリジナルは1998/04/20にリリースされた。
255・Pete Namlook & Bill Laswell:Outland 3:
☆☆☆★
   スペイシーなテクノで聴き応えあり。がしがしビートが押すわけでもなく、
   心地よいひとときを味わえた。傑作。
   隙間の多い電子音が、耳をくすぐった。
   ビル・ラズウェルもこういう音楽をいっぱい作って欲しいな。
   どこまでナムルックと役割分担してるんだろう。

   こちらはテツ・イノウエとのユニット"Shades of Orion"の2nd。
   fax原盤は1995/03/13に発表。
254・Pete Namlook & tetsu Inoue:Shades of Orion 2:
☆★
   シンセの風がかすかにメロディを携え漂う。
   スピーカーに対峙して聞くと、さすがに飽きるな。変化がわずかだからね。
   BGMでも取り留めないし、チルアウト用には個性が強そう。
   TPOに悩んでしまう盤だ。ぎゅっと凝縮すれば
   面白そうだが、だとすると独特の浮遊感が出ないし・・・。うーむ。

   彼のピアノが聞きたくて買ってきた。
   これはドイツのenjaレーベルから出た盤。1971年3月に録音された
   スタジオ・ライブらしい。共演はPeter Warren(b),Pierre Favre(ds)。
   プロデュースはもちろんレーベル・オーナーのホルスト・ウェーバーだ。
   リリースも同時期だろうか。クレジットないな。
   内容は長尺のフリージャズが2曲。A面1曲、B面1曲って趣向。
253・佐藤允彦:トリニティ:
☆☆☆
   (1)の前半は探り気味でもどかしかったが、15分くらいたつと
   ぐいぐいテンションが上がる。スリリングな即興が続く後半が面白い。
   モジュレーターを使ったピアノも、あくまで技のひとつ。
   トリッキーに流れることはない。
   何の楽器か分からないが、ぺこぽこ軽快に鳴る
   パーカッションがすごく効果的だった。特に(1)の中盤で。

   彼女のピアノも小編成やソロで聴いてみたかった。
   TZADIKから99年のリリース。サイドメンはMark Dresser(b),Jim Black(ds)。
   ゲストに早川紗知が参加した。録音はすべてNYにて行われた。
252・藤井郷子:Kitsune-Bi:
☆☆☆
   冷たい緊張感が響く、彼女独自の世界をコンパクトにまとめた。
   曲によって編成を変えることで、ショーケースみたいなイメージが浮かぶ。
   リラックスはしづらい。むしろ対峙してのめりこむほど、この盤の良さはわかる。
   シンプルな編成で聴くと、彼女の和音って複雑なんだとしみじみ。
   アルコも取り入れたウッドベースとのデュオ、(7)の美しさにしびれた。

   解説は・・・不要でしょうか。CCCDがむかつくので、輸入盤で購入した。
   スペクターのオケを消しつつ、"I me mine"はスペクターの編集そのまま。
   要するにオリジナル・マスター使ったリミックス盤じゃん。
   まだちょっと聴いただけだが、えらく音が硬いなー。
   "Dig a pony"や"I`ve got a feeling"は迫力増してるな。
   おまけのセッション・テープはクロスフェイド使ってて気に食わない。
   クズのセッションだって知ってるから、適当に時間いっぱい垂れ流しでもいいのに。
251・Beatles:Let it be...Nakid:
☆☆☆★
   スペクターのストリングス云々より、細かい編集違いがどうしても気になるなー。
   重箱の隅つつきはしたくないのですが。
   二つを並べられたら、ぼくはスペクター版を取る。刷り込み見たいなもんだ。
   ストリングスを取った数曲より、かえってコンボ編成のほうががつんと耳へ届く。
   もともとの音楽はばっちりだし。大きな耳で聴きましょう。
   このアルバムを聴くたび、切なくなっていた。
   それぞれそっぽ向いた視線を、厚化粧で必死に飾り立ててる気がしてね。
   いわれない切なさを消し去り、素朴な編集アルバムに仕立て上げた。
   本作の意義は若いスタッフが冷静に分析した、そんな視点かもしれない。
   おまけのボートラはいろんな意味で中途半端すぎ。
   商品性ある作品に仕立て上げられないのは分かるが・・・。
   いっそとことんマニア向けに作るのはいかがか。
   山のようなトラックと、解説をてんこ盛りにしてさ。・・・売れなさそう。
   シンバルとベースがぐっと強調されてる。ポールとリンゴが監修だから・・・って穿ちすぎ?

2003年11月

03/11/28   ライブの物販で購入。

   植村昌弘の個人レーベル「無印」からリリースされたひさびさの新作。
   以前の作品「大植村計画」時のタムをサンプリングし、
   Reasonというソフトを使って再構築したそう。
   中身は多重録音のパーカッション・アンサンブル。
   2003年10月に完成した全2曲を収録した。
250・植村昌弘:続植村計画:
☆☆☆☆
   すべて打ち込みのはずなのに、人間臭さがいっぱい。
   不自然に音が途切れるエコーが、打ち込みだって思い出す。
   前半はオレカマのような日本っぽいリズム、後半はアフリカを連想した。
   メロディアスなタム回しは、テリー・ボッジオのようだ。
   だけど根本は無国籍のメカニカルなリズムの組み合わせ。
   たぶん変拍子だし、高速ビートが続くため、ダンスには向かない。
   なのに強烈な衝動が身体を動かす。たとえるなら・・・空手の組み手のBGMとか。
   リズムと向かい合うことで、純粋に感情が急き立てられるのか。
   もっとも曲が長いです。前半15分、後半30分。覚悟して聞くように。
   はまるとずぶずぶ行く魅力があります。

03/11/19   通販でCDが到着~。中身は全部GbVです。すごいペースだな、しかし。

   リリースしまくりGbVが、5枚組boxセットを発売した。
   8月に新譜を出したばかりなのに。発表ペースはあいかわらずのせわしなさっぷり。
   内容はベスト盤1枚にB面曲集が1枚。未発表のデモやアウトテイクを
   まとめたのが一枚に、ライブ・テイクを集めたのが一枚。
   さらに彼らのデビューEPの再発(初CD化)
   さらにさらに。DVDが一枚ついてくる。市販ビデオにボーナスをつけてます。
   ファンには一足早いクリスマス・プレゼントですな。
249・Guided by voices:Hardcore UFOs:
☆☆☆☆★
   どちらかといえばマニア向けの箱。ライブや別テイクも
   過去のレア音源掘り起し、っぽい雰囲気あるし。
   だからこそベスト盤は抜いてくれてよかった。
   どうせなら1枚物のベスト盤と同曲順で全部ライブ音源とか、
   そのくらいの技を効かせて欲しかったな~。
   しかしそれ以外は宝の山。まだまだ奥まで聴きこみます。

   上のboxと同時発売のベスト盤で、1枚もの。
   曲目はbox収録版とほぼ同じ。ただし曲順をがらっと変えて、アルバムの流れを重視してる。
   
レア・テイクはシングルB面曲くらいかな。コアなファンには物足りない。
   だけど美味しい曲がずらっと並び、入門編にぴったりな代物。
   18年間活動してきて、初のベスト盤なはず。
   1曲が短いので、32曲も入ってます。
248・Guided by voices:Human Amusements of hourly rates:
☆☆☆☆★
   ロバートによる極上メロディががんがん流れてかっこいいぞ。
   すっかり忘れてた曲を思い出す、いいきっかけにもなった。
   またアルバム聴きかえそうっと。GbV聴いたことない人は、ぜひこれをどうぞ。
   かっこいいロックンロールばっかりですよ。

   94年に"Siltbreeze"レーベルから発売、廃盤だったEPが
   ひょこっと再発された。GbVの公式HPに言及ないが、どういう経緯なんだろ。
   オリジナルは7曲入りだった模様。今回はボーナスとして、92~94年の
   ライブテイクを4曲収録してる。
247・Guided by voices:Get Out Of My Stations:
☆☆★
   曲によって音質が違う。ブートな寄せ集めっぽさもまた良し。アップテンポを
   中心に、すっきりしたアレンジが多いかな。全てトビンの録音。
   小品ながらスタジオ作が7曲に、定番2曲を含んでライブ音源4曲。
   けっこうお買い得なEPかもしれない。

03/11/14   ネット注文のCDが到着~。

   日本の良質なジャズをリリースし続けるStudio Weeの新作が出た。

   芳垣安洋率いる、Emergency!の2ndは、ライブ盤だった1stとは
   趣をかえ、スタジオ録音で製作された。どれも最近のライブでおなじみのレパートリーばかり。
   たとえばオリジナルの"Run & Run"や、カバーのミンガス"Fables of Faubus"、
   バカラックの"小さな願い"にグッドマンの"Sing,sing.sing"など。

   逆にビートルズの"good night"や、ミンガスの"Better git fit in your soul"、
   オリジナルの"豊島園の花火"は聴き覚えないや。
   ライブの全部を聴いてるわけじゃないし、今回が初演じゃないと思う。
   ロリンズの"モリタート"が含まれず残念。あのスラッシュ・パンク風のアレンジが面白かったのに。
   いずれにせよ。ライブを重ねて息のばっちり合った、飛び切り骨太のジャズを堪能できる。
246・Emergency!:Loveman prays for psychical sing:
☆☆☆★
   ガツンと激しく無骨なパワーを前面に出した。
   あえてカバーを多くして、柔軟なグルーヴは控えめ。むしろ
   黒光りする凄みを強調した感じ。
   ラストでロマンティックに決めた。

   Wee特製、直販した時のボーナスCDがこれ。
   もろにアウトテイクでなく、芳垣が編集で遊んだ曲みたい。
   ミンガスのカバー、"Fables of Faubus"の別ミックスかな。
245・Emergency!:Faubus loop mix:
☆☆★
   ぐっとサイケよりの仕上がり。ループ(?)を多用し
   ミニマルな展開だ。陳腐な言い方だけど、これも同じバンドによる
   演奏とは思えない。うっすらソロがかぶさるが、もっと派手に
   ミックスして欲しかったな。

03/11/9   買いそびれてた新譜をチェック。時間とお金が欲しいなあ。

   「大文字」はホッピー神山、吉田達也、ナスノミツルによる新バンド。
   戸川純のバックバンドで顔をあわせたのが、結成のきっかけだったはず。
   これまでは"インプロのプログレ"でインプログレ?!名義だった。バンド名変えたのかな。
   中身は2箇所のライブ音源。たしか結成初ライブ、02/1/5から2曲、
   同年6月に行われた吉田達也のイベント「吉田達也、叩きっぱなし」に出演時の
   ライブから2曲。じっくりCDで聴きこみたい音楽だったので、今回の発表はすごく嬉しい。
   すべて即興とは思えない、構築された演奏が聴ける。
244・大文字:Improg:
☆☆☆
   ライブでも感じたが、とても即興とは思えぬ構築度が驚きだ。
   あんがいコモり気味だが、録音も悪くない。
   CDを聴き「ライブとCDの時間軸」をずっと考えてた。
   耳が演奏へ集中するライブと、日常で聴くCDでは
   いかんせん集中力が違う。ぼくだけか、それは。
   具体的に言うと、丸ごと一曲を収録するのでなくいろいろ編集をして欲しくなった。
   即興であるがゆえに演奏には「流れ」が存在する。
   その「流れ」こそが、部屋で聴いてるとつい耳のピントがぼけてしまう。
   中を抜いたり、順番を入れ替えたり。
   そんな編集をしたら、彼らの音楽はさらに刺激を増すはず。
   ・・・しかし。そういうCDが出たら出たで、「フル収録版」を
   聞きたいって思うんだろな~。贅沢なもんだ。

   15年の歳月を経て、正式リリースに至ったライブ音源がこれ。
   解散の数週間前、初来日ツアーから89/7/2の川崎チッタが選ばれた。残念ながらノーカット収録じゃない。
   スウィートマウス名義で発表された、当時の「2nd収録予定曲」8曲を
   収録してる。エディのボーカルでこれが聴けるとは。
   初回特典として、10分の"watching the party"ライブ音源のボーナスCDつき。
   観客の歓声もそうとうにぎやか。臨場感あふれる仕上がりです。
243・Fairground Attraction:Kawasaki Live in Japan:
☆☆☆☆★
   すばらしくハッピーなライブ盤だ。録音も悪くない。
   演奏は若干荒いが、くっきり熱意がわかって魅力的。
   エディの歌はばっちりだ。声が存分に出てる。観客も盛り上がってる。
   "Perfect"でエディのはしゃぎようったら。
   観客に歌わせるライブは好きじゃないが、ここでは実に素直に聴ける。
   聴衆の歌に大喜びで、おもいっきり叫ぶエディのキュートなことったら。
   聴いてて胸が熱くなった。トロい間奏が長く、万人に薦められない。
   まあ、ファン向けでしょう。だからこそ、全曲収録してほしかった。
   そしたらぼくは文句なく、最高点をつけるぞ。

   アルミナム・グループの新作は前作からのシリーズものだそう。
   "ハピネス"三部作の第二弾にあたる。
   録音やミックスでトータスのジョン・マッケンタイアが参加のほか、
   ゲストもいろいろいる模様。すみません、この人脈はよくわかんない。
242・The Aluminum group:Morehappyness:

03/11/6    ネットで注文したCDが到着~。ハラダさんに薦めて頂いたトラッドばかりです。
          うーん、この世界も本当に奥が深い。

   アイルランドの重要ミュージシャン、ドーナル・ラニーのソロ・アルバムで、発表は1998年。
   最もインタビューによると「クールフィン」ってバンドのつもりだったらしい。
   プランクシティ、ムーヴィング・ハーツに続くバンドって
とこか。
   ゲストも豪華。たぶん。ぼくはこのジャンル、詳しくないからなぁ・・・。
   元フェアグラウンド・アトラクションのエディ・リーダーや
   アコーディニストのシャロン・シャノンくらいしか知らないや。
   メンバーとして、元フェアグラウンド・アトラクションのロイ・ドッズの名前がある。   
241・Donal Lunny:Coolfin:
☆☆☆☆☆
   豊富なゲストの才能を柔軟に取り入れ、極上の音楽に仕上げた。
   プロデューサーとしてオムニバスを作ったかのよう。
   トラッドの入門盤に最適だし、トラッドを山盛り聴いた後でも楽しめるだろう。
   感触はアコースティック。聴いてて気持ちが浮き立ってくる。
   優雅な音楽世界は、何度聴いても飽きない。

   プランクシティのメンバーでもあった、クリスティ・ムーアの
   ソロ・アルバムを何枚か。本盤は1984年のリリースで
   プロデュースはドーナル・ラニーが担当してる。たぶん7thアルバム。
240・Christy Moore:Ride on:
☆☆☆★
   コンパクトでアコースティックぽいなアレンジが、ぴたりとはまった好盤。
   派手な技でこけおどしはしない。歌声と穏やかなメロディで説得力を持たす。
   音楽への知識不足で、うまく魅力を説明できないのがもどかしい。
   しみじみ音楽の良さを味わえる、素敵なアルバムです。

   これは1985年にリリースされた。9thアルバムかな。
   プロデュースはやっぱりドーナル・ラニーです。
   エンヤがボーカル・アレンジと歌で協力してる。
239・Christy Moore:Ordinary Man:
☆☆☆☆★
   地味なジャケットに惑わされてはいけない。とびっきりの傑作盤だ。
   静かなSSWの上にケルトの香りがかぶさる。
   シンプルなアレンジだが、シンセもごく自然に同居するセンスがすごい。
   これはドーナル・ラニーの手柄なんだろうか。
   ほとんどの曲でパーカッションなしだが、アコギのストロークが
   絶妙のビートを生み出してる。
   どの曲もメロディはばっちり。歌声も味わい深い。どこにも隙がない。

   アトランティックから出た88年に出たベスト盤みたい。
   オリジナルと誤解して買っちゃったよ。うっかりうっかり。
238・Christy Moore:Christy Moore:

   これは音楽じゃなくて、CDの企画に対する評価です。音楽はすばらしいもの。
   ただしCDの編集はありきたりなもの。クレジットも歌詞カードのみで
   オリジナルの盤名すら書いてない。特にリマスターや
   別テイクのような付加価値もつけてないようだ。
   クリスティ・ムーアってどんな音楽だろう、と興味持った人には
   ちょうどいい盤かもしれない。繰り返しますが、音楽は心地よい
   トラッド風味のSSWってとこか。ケルト系でいいのかな。

   クリスティ・ムーアの兄弟なルカ・ブルームのライブ盤。
   文字通り、アムステルダムで2002/2/11に録音された。
   今年の発売で、8thにあたるらしい。ギター一本の弾き語りだが、
   かなり録音がよくてびっくり。
   オリジナル中心だが、ボブ・マーリー"Natural mistic"や、ディランの
   "Make you feel my love"などのカバーも。
237・Luka Bloom:Amsterdam:
☆☆☆
   凛とした弾き語りがすがすがしい。けしてメロウに流れず朗々と喉を張る。
   しんどいときに聴くとよけい疲れるのが玉にキズ。気分いいとき聴かなくちゃ。
   アコギは基本的にジャカ弾き。でも、(9)では高速リフを
   歌いながら平然と弾くテクもあり。
   SSWの文脈で聴くべきミュージシャンなのかもしれないが、
   トラッドのパワフルさもしっかり根付いてる。
   たぶんカバーのほうがはじめて聴く人はとっつきいいはず。
   オリジナルでベスト・テイクは(8)かな。

   (216)で聴いたアルバムがよかったので、1stも買ってみた。シアトル録音。
   サブポップからのリリースで、しっとり和めるフォークに仕上がっている。
236・Rosie Thomas:When we were small:
☆☆★
   フォークっぽい感触だが、地に足が付いている。
   メロウ路線を狙わず、きっちり彼女の歌を生かした好プロデュースだ。
   惜しむらくはメロディがどれも手癖っぽいこと。
   デビュー盤だから仕方ないか。アレンジを多彩にすることでごまかされてるが・・・。
   そう、さりげないけどアレンジが凝ってて面白い。
   オルタナっぽさを強調した(5)とか針音を前面に入れた(8)とかね。
   一曲選ぶなら・・・透明感をかって(6)かな。

03/11/2   ジャズを中心に気になった盤を買ってきた。まだまだ他にも聴きたいなぁ。

   富樫雅彦が77年にトリオ編成でリリースしたアルバム。
   事故後の演奏で、裏ジャケには車椅子姿での演奏写真が載っている。
   サイドメンは中川昌三(reeds)と翠川敬基(b)。
   今はチェロを弾く翠川の、ベース演奏を聴いてみたかった。
235・富樫雅彦トリオ:モーション:
☆☆★
   からっと乾いた世界がまず目に浮かぶ。フリー要素は多分にあるが、
   不思議と混沌よりも、青白い美学による構築性を感じた。
   メロディ楽器があるにもかかわらず、印象はパーカッシブ。
   美しいが甘さを容易に受け入れぬ潔癖なジャズ。

   タワレコでやってる渋さの「地底レーベル」特集で、先行発売された一枚。
   以前に不破大輔商店から出たのとは、
別のライブ音源だ。
  勝井祐二抜きの4人編成ラジヲで、96/11/5の新宿ピットイン("Toki","ラジオのように")と、
  99/8/4のバディ("梅六個")を収録してる。
  新ピはゲストにGionni Gebbiaがソプラノ・サックスでゲスト参加。この人、誰だろう。
234・RAdIO:ラジヲ:
☆☆☆
   真髄を味わうにはライブで聴くべきなのかもしれない。
   延々と続くソロの緊張感と、疾走するさまはCDだと集中力が
   続かない瞬間がある。あくまで聴き手の問題としてだが。
   Radioは勝井祐二も含めた上でのバンドだと思ってたが、あえて4人(ゲストもいるけど)
   編成での役割分担の明確化がなされたかもしれない。
   サックスを軸に猛烈に突き進むスリルは、やっぱり素晴らしい。
   最近はあまりライブをやってない気が・・・聴きたいなあ。

   ウォルター・ラング名義のトリオ編成に、渋さのマスコット的存在な
   室館彩がvoで全面参加したユニットの1stが出た。
   そもそもタワレコの地底特集は、このリリースに引っ掛けての企画だ。
   歌詞はすべて日本語。ドイツのローレライやブラームスの子守唄、
   不破大輔の「ひこうき雲」や佐々木綾子の「藍の歌」などをカバー。
233・Walter Lang:Lotus Blossum:
☆☆☆★
   アルバム全体が子守唄のようだ。無論ピアノ・トリオ盤でもあるが、
   まるで歌伴のよう。ふぅわりと、室舘は声を揺らす。
   インタープレイなんてややこしいこといわず、美しい音楽を
   至上命題に、全員で磨き上げた美しいジャズ。
   ジャズ・ボーカルって苦手なんだが、この盤は気に入った。
   室舘がスキャットやフェイクなどジャズの技を使わず、素直に歌ってるせいもある。
   エッジを削り、薄いスモークを焚いたようなミックスも気に入った。
   静かな夜に似合う一枚。
   クラシックと渋さのメロディを同居させる、歌声も凄い。
   一曲選ぶなら・・・(7)にしようかな。

   これはしばらく前に地底レーベルから出てたやつ。
   ベテランのサックス奏者、高木元輝が01/7/6に豊橋で行ったライブ音源を収録してる。
   サイドメンは不破大輔(b)と小山彰太(ds)。
232・高木元輝:2001.07.06:
☆★
   音数少ないフリージャズ。流麗なメロディも迫り来るアドリブもほとんどない。
   リズム隊があおっても高木は黙々と自分の音に没入する。
   なんとも取っ付きづらい。うーむ。
   あまりCDでは聴けない、不破のフリージャズなベースを
   堪能できるのも本盤の成果。
   小山彰太のドラムは若干オフ気味だ。
   高木の遺作にあたるそう。壮烈なジャズを最期に残したな。

   デイブ・マシューズ・バンドのリーダーが初ソロをリリースした。
   ・・・って、これ、マメタさんに出てるの教えてもらったんですが。
   ゲストでphishのトレイ・アナスタシオが参加してる。
   買ったのは初回限定版で、03年に行ったティム・レイノルズとの
   デュオ・ライブ音源が5曲入った、ボーナス・ディスク付のやつ。
231・Dave Matthews:Some Devil:
☆☆☆☆★
   アレンジを使い分け、どの曲も細かく煮詰められた。現代風のレイド・バック。
   くつろいでスケールでかいロックがここちよい。
   ボーナス盤の出来もいい。スリリングな曲もほしかったが、
   それはないものねだりか。とにかく傑作。

   村上"ポンタ"秀一が近藤房之助と組んだ企画盤をリリースした。
   カーティス・メイフィールドの歌をカバーする趣向だ。
   日本でカーティスといったら山下達郎。彼もギターで3曲、参加してる。
   せっかくだったら歌って欲しかったが・・・契約の関係?
   選曲はあんがい凝ってるな。"People get ready"は外しつつ、このタイトルだもの。
   インプレッションズ時代から、80年代後期の曲まで幅広い。
   ("tripping out"のギターを達郎に弾かせるあたり、なんともマニアックなアレンジですな。
    意味不明な方はこの曲と、「甘く危険な香り」を聴き比べてください。)
230・村上"ポンタ"秀一&近藤房之助:ア・ビッグ・トレイン・カミング: 
☆☆
   演奏は上手いと思うし、アレンジもきっちり練られてる。
   だけど南部っぽいアプローチと、ジャジーに揺れるリズムに違和感を感じた。
   むー。カーティスの曲でこういう演奏をする必要あったんだろうか。
   オルガンとホーンを減らしたら、もうちょっと寂しげな
   シカゴ・ソウルの雰囲気でたと思うし、そっちのほうがぼくの好み。
   ベスト・トラックは達郎のギターが効果的な"tripping out"かな。

   ベルギーでリリースされた、ザッパへのオマージュ盤らしい。ライブ音原だがキッチリした音。
   もろにザッパの曲をカバーせず、断片を織り込んでいるようだ。詳細不明。
   元ザッパ・バンドのボビー・マーティンが全面参加してる。
229・The purple cucumber:a tribute:

   ザッパの曲を折々盛り込んで、愛情込めてるのはよくわかる。
   だがザッパの猥雑さを超えられるわけもない。
   つまりはなんとも中途半端。コラージュ・ミュージックのようだ。
   たとえボビー・マーティンが参加してるとはいえ、ね。
   ザッパのチェンバー系が好きな人なら、楽しめるかも。

   コルトレーンを2枚購入。
   これは彼のラスト・アルバムになるのかな。
   40歳で他界する5ヶ月前に録音された。
228・John Coltrane:Expression:
☆★
   遺作だ、ってセンチメンタリズムを廃して聴くと、どうにも冗長さが目立つ。
   コルトレーン特有のタンギングなしで、音をリボンのごとく連ねる奏法が
   耳に馴染まなかったせいかも。
   むしろアリス・コルトレーンによる、音をばら撒きむせび泣くピアノが耳に残った。
   ファラオ・サンダーズの参加は1曲のみ。あと3曲はワン・ホーンだ。
   コルトレーンはこれでもか、とテナーをきしませる。
   もはやメロディじゃない。和音の構成要素を一息にばら撒くよう。
   独特の煙ったムードは、ロマンティックで悪くないんだが・・・。
   一曲選ぶならどれにしよう。"Expression"かな。

   65年にリリースされた盤。表題作を聴いてみたかった。
227・John Coltrane:Kulu se mama:
☆☆★
   タイトル曲は熱っぽく押しまくるポリリズム。アフリカへの憧憬を感じる。
   録音がもこっとしてるのが残念。小さな音だとヒスノイズが
   聴こえるほどボリューム上げて聴いたのに、細かな音使いが
   よくわからない。音楽の観点で聴いたら、今のこんもりしたミックスのほうが
   力強さを強調していいと思う。だけど細かく聴き込んでもみたいのよ。
   2曲目、ドラムとのデュオは今聴くと新鮮味は薄い。コルトレーンの
   ぶはぶは言うサックスが耳に残る。
   とびきりはやっぱり、3曲目かな。すばらしく美しいバラードだ。
   こういう曲こそ、LP片面使ってじっくりやって欲しかった。
   コルトレーンの後期のバラードってほかにもあるんだろうか。
   いろいろ聴いてみたくなった。

   アーチー・シェップが66年に行ったライブ盤。
   98年のCDリイシューを買ったが、ボーナスで2曲収録。
   うち1曲は、33分弱の大曲だ。大胆なボートラだな。
   へたしたら本編より長いじゃない。カルテット編成で演奏されてる。
226・Archie Shepp:Live in San Francisco:
☆★
   手馴れた演奏で、スリルを感じなかった。
   ルーズに引きずるフリーっぽいジャズは、個性が構築されてると思うんだが。
   かえって"In a Sentimental mood"みたいなカバー曲のほうが凄みがあって良い。
   達者なピアノの"Sylvia"も良かった。
   垂れ流し気味だが、ボートラの(8)もなかなか。
   拍手の量から推測して、およそ観客は2~30人か。
   ベーシストが二人いる。8曲中6曲参加のDonald Garrettに対し、Lewis Worrellは2曲のみ。
   この盤は2/19一夜のライブ音源を使用してるはずなのに。
   どうもベーシストのバランスが悪い。ベース2本編成にも聴こえないしなぁ。
   3rdセット構成で、1セットだけベーシストが変わるって段取り?

   まったくのジャケ買い。ミュージシャンの名前も初耳だ。
   ピアノトリオで、57年にロスでの録音。さて、どんな音だろう。
225・Gerald Wiggins Trio:Reminicin' with wig:
☆☆
   西海岸の上品なジャズ。カクテルピアノとまで言わないが、
   もうちょいぼくの好みなら毒気がほしい。
   酒を飲みながらのんびり聴くにはいいかな。
   きれいなアドリブが、ころころ転がる。

2003年10月

03/10/20   久しぶりにレコ屋へ。
          新譜買うとファクトリー・シール剥がすのめんどくさ~い。

   ROVOの新譜はライブ盤2枚組。今度はメジャーのユニバーサルから発売された。
   今手に入る中では、3作目にあたるはず。
   03/5/5の日比谷野音音源を、丸ごと収録したとのこと。
224・ROVO:Live at 日比谷野音 2003.05.05:
☆☆☆☆
   リズムの奔流がすばらしい。ライブ盤だが音の分離も悪くなく、オーディエンス・ノイズの具合もまずまず。
   いい出来のライブ盤に仕上がっている。ROVOの入門盤としても
   的確じゃないかな。テンション上がりっぱなしの1枚目、
   2枚目前半のリズムの応酬は、聴けば聴くほど楽しめる。

   ヴァン・モリスンの新譜は、なんとブルー・ノートから。
   ごりごりなジャズではなく、ブルーズを母体にしたヴァンの音。
   ストリングス混ぜた、変にゴージャスな曲もあり。
   おなじみブルー・ノートのロゴやステレオのマークがきちんとジャケにデザインされた。
   録音はWool Hallにて。調べてないけどここってイギリス?
223・Van Morrison:What's wrong with this picture:
☆☆☆
   いつものヴァン節がいっぱい。新機軸ってわけじゃない。
   どジャズでもなく、"ジャジー"程度の味付けにとどめ、得意の
   ブルーズもいっぱい詰め込んだ。もうちょいクールな曲も
   欲しかった。かみ締めるほどに魅力が増すのはいつものこと。
   クールな(3)、あったかい(6)、にぎやかな(13)あたりを特に気に入った。

   WEENのスタジオ盤新譜は"White pepper"(2000)ぶり。
   今回はサイケなひねくれポップスに仕上げたのかな。
   邦盤を購入した。ボートラ一曲つき。
222・Ween:Quebec:
☆☆★
   しょっぱなのパンキッシュな世界にちょっと引いちゃった。
   だけどそのあとは、思い切りとっちらかってる。
   どっか肩の力抜いた、へんてこロックがいっぱい。オモチャ箱みたい。
   録音はキッチリされて、聞き苦しくない。じっくり味わいたい盤です。

   ペット・サウンズ・マニアなハイ・ラマズの新作。
   ホーンやストリングスは今回もしっかり入ってる。
221・High Llamas:Beat,Maize & Corn:
☆☆☆
   相変わらずブライアン風の爛れた空気がほんわり漂う音楽。
   今回はリズム楽器をほとんど効かせず、より揺らぎを強調してる。
   メロディも穏やかで気持ちいいよね。ただ、聴いてて心が沸き立ちづらいぞ。

   本作が4作目だそう。ジャンルはスローコア。スローコアって何だ? 
   聴くのは初めて。なんとなく惹かれて購入した。
220・Spokane:Measurement:
☆☆
   ギャラクシー500チルドレンって印象。レーベルの宣伝文には
   「初期4AD」って紹介してたな。
   トリオ編成で、ひたすら音が漂う。
   ふつうの8ビートなのに揺らぐ感覚がすごい。
   ボーカルはつぶやき調子。リップ・ノイズが気になる男声より、
   女声の歌を素直に聴けた。一曲選ぶなら(2)かな。
   リラックスできる。じいっと聴いてて転寝すること複数回。

   前に"The Albemarle sound"(1999)を聴いて、なんか気になってた。
   同じくmergeから出た新作。5thらしい。
   出身はブルックリン。本作は基本をアリゾナのツーソンで録音、
   オーバーダブを地元のNYで行ってる。
219・Ladybug Transistor:Ladybug Transistor:

   Superchunkのマック・マッコーガンによるバンドの新作。
   今回は5曲のスタジオ録音に、8曲のライブ音源を収録。
   スタジオ録音にはカバーが3曲あり。
   Bruce Springsteenの"Autumn was A Lark"と
   Ronnie Laneの"One For The Road"にBadfingerの"Baby blue"。
   オリジナルはどれも聴いたことないや。資料からそのまま引き写しです。
218・Portastatic:Autumn Was A Lark:
☆☆
   シンプルなアレンジで演奏されるカバー曲を楽しむか、
   弾き語りの素朴なライブ録音を楽しむか。
   どっちもあんがい悪くない。オリジナル曲を残念ながら知らないので
   ライブ・バージョンのほうが楽しめたかな。
   上ずり気味の歌声で、ギターをかき鳴らす。あっけらかんとした
   演奏なのに、不思議と聴かせた。

   本作がデビュー盤だそう。Our Hour名義で「NOVAうさぎ」の
   キャラクター・デザインと「NOVAうさぎのうた」をリリースした人らしい。
   資料には音楽性を"トイ・エレクトロニカ"と紹介されている。
217・Egyptos:Soothing Sound For Baby & Me:
☆☆☆★
   コミカルに震える電子音楽。家でゆったり聴きたいテクノだ。
   音色が明るくて優しい。脳みその溝をそっとくすぐられるみたい。
   ミニマルっぽさとポップな構成がごく自然に同居する。
   とにかくシンセの音がむちゃむちゃ気持ちいいんだ。傑作。

   2ndアルバム。シアトルでコメディエンヌとしても活躍してるらしい。
   アコギ主体のフォーク・アルバムかな。初めて聴きます。
216・Rosie Thomas:Only With Laughter Can You Win:
☆☆☆★
   柔らかい耳ざわりのアレンジで、フォークよりの歌をそっと奏でる。
   メロディも心地よいし、変に棘が突出したところもない。
   ほんわか寛いで聴ける好盤。さりげない多重ボーカルがきれいだなぁ。

   03/5/30にブルックリンのGreen-Wood Cemetery Chapelで行われた
   セッションを収録。初コラボだそう。
   内容はピアノとエレキギターによるインプロ。
   レーベルの紹介文はこちら。 
215・Loren Connors & David Grubbs:Arborvitae:
☆☆☆★
   静謐なエレキギターと穏やかなピアノの絡み。ほとんど即興と
   思うが、一体感を持ってゆらゆらと進む。ギターノイズすら風景の
   一要素としてきらめいた。幽かに舞う土煙のように。
   広々とした自然の光景。摩天楼の谷間の闇。どんな風景でも
   はまりそう。無表情にさまざまな色合いを混めた爽やかなインプロだ

03/10/11   ライブ前にレコ屋へ。ひっさびさの掘り出し物!

   1990年にシミー・ディスクからリリースされたコンピ盤。
   もちろんプロデュースはクレイマーだ。
   参加ミュージシャンはシミーゆかりの人ばかり。
   米盤を持ってたが、今回買ったのは欧盤。5曲が追加収録されている。
   棚で見つけてびっくり。うおー。やったやった。
   しかしこの喜びをわかってくれる人、日本に何人いるのやら。
214・V.A.:What else do you do?(A Compilation of Quiet Music):
☆☆☆★
   初心者にも優しい(?)シミー入門盤としても最適。
   全編アコースティックなのでサイケ色は薄められ、クールな雰囲気が
   強調されてる。現在に至るまで無名のミュージシャンばかりだが
   才能とか個性は名声とはまったく別だと実感できます。

03/10/7   ネット注文のCDが到着~。

   ドイツ・テクノ界の多作魔王、ナムルックの作品を買った。
   2001年10月19日にハイデルベルグ(ドイツ語読みはなんて言うんだろう)の
   ライブを01/11/19にリリース。ペース速いな。
   中身は抽象的な電子音楽がひょいひょいと鳴ってます。
   fax盤の常として、2000枚限定。
213・Move D/Namlook:Live in Heidelberg 2001:
☆☆★
   歓声があるわけでもなく、トラック分けされてても曲はメドレー。
   およそライブ感のない音だが、サウンド自体はポップでなかなか楽しめる。
   ギターっぽい音でフュージョン風セッションらしき瞬間が新鮮だった。
   基本は浮遊感を常に保ったアンビエント・テクノ。
   もし本音源はライブ録音から編集してなかったとしても、次々に表情を変える
   音に包まれた、心地よいひとときだったんじゃ。

   fax盤のリリースは1996年。今回はAW盤を購入した。
   ナムルックとテツ・イノウエの共演シリーズ第3作。
212・Pete Namlook + Tetsu Inoue:Shades of Orion 3:
☆★
   電子音が産まれては消えてゆく。ビートは特にない、
   抽象的なアンビエント・テクノ。耳障りな音はないので
   BGMで静かに楽しめるだろう。きらきらしたイメージが耳に残る。
   (3)で、ももっと首をもたげる低音が、いくぶん自己主張気味。
   20分や30分と長い曲が多いので、あせらず音へ向き合おう。

03/10/4   ライブへ行く前にちょろっと探盤。

   これはライブの物販で購入した。
   元speonic teroecaのリーダー、Nyaaanoのソロアルバム。
   全6作の構想らしい。同時に2nd"Strong age"のデモ盤もついてきた。
   音楽はミニマル・テクノ色の強い、音響作品。
   てっきり即興で攻めると思ったから意外だった。
211・Nyaaano:New Basics:
☆☆☆
   (1)を筆頭にアンビエント・テクノが基調だろう。静かな継続。
   しかしどの曲もがっちりビートを意識する。
   聴き手のダンスを想定してなさそうだが、身体を押すリズムだ。
   パターンはバラエティに富んで、世界各国の音楽を連想した。
   たとえば(2)はまるでアフリカン・テクノ。
   スティール・ドラムの響きでラテン調の(3)は、20分弱かけてぐにょぐにょ歪む。
   クリスマス・ソングといっても通じそうな(5)。きらびやかで楽しい。
   (6)は正統派のダンサブルなテクノ。パターンの積み上げで旋律を想起させた。
   一番気に入ったのは(4)。決してメロディアスじゃない。
   だがぐいぐい迫るシンセの圧力が、なんとも心地よい。

   ファラオ・サンダーズが71年に録音したアルバム。
   全1曲で、7人のミュージシャンが混沌としたジャズを繰り広げる。
210・Pharoah Sanders:Black Unity:
☆☆☆☆
   しかしこれ、ほんとにライブ盤?
   一発録りでこんな音楽できるの?最後に拍手が聴こえ、ぶったまげた。
   パーカッションや琴はダビングみたいだが、違うんだ。
   呪術みたいなベースのオスティナートに幻惑されたが、実際にはこの曲、
   かなり構築されてそう。さもなきゃその場でファラオが細かく指揮してるか。
   ソロ回しはクロスフェイドのように入れ替わる。
   ツインドラムにツインベースのリズムが混沌と深みを与えた。
   個々のソロもすごいが、なによりも全体の勢いが最大の魅力。
   ダンサブルではないが、グル-ヴの熱気に惹かれた。傑作。

   ロリンズのインパルス移籍、第一弾として65年に録音した作品。
   内容はすべてスタンダードで、カルテット編成にて吹きまくる。
209・Sonny Rollins:On Impulse!:
☆☆★
   みずみずしいテナーにしびれたが、曲によって出来不出来が激しい。
   ロマンティックさも堪能できた"Everything happens to me"がベスト。
   ラテン・ビートの(3)や、高速の5)は、いまいち演奏が荒い。
   サックスもよく鳴っている。リードミスやブレス・ノイズはほぼ皆無。
   レイ・ブライアントの存在感あるピアノも聴きもの。リズム隊もタイトだな。

2003年9月

03/9/28   ぱぱっとレコ屋まわり。ハイラマズの新譜はまだみたい。

   またもや出ましたメルツバウの新譜。
   ぼくが買っただけで、今年10枚めの発売になる。
   こんどはイギリスのレーベルから。基本は秋田昌美のノイズだが、
   なぜか「chorus by yonosuke & yoshino」のクレジットあり。
208・Merzbow:cycle:☆☆☆★
   冒頭こそ轟音が轟くハーシュなのに、後半では飛び切り質素な
   音世界へ飛ぶ。異色作と云える。パワーノイズから混沌をノイズと捉えた
   冷徹な視線が新鮮な、メルツバウを語るのに欠かせない一枚と
   なりうる盤のような気がする。
   ハーシュ・ノイズを期待するより、音響系アプローチのほうが
   素直に本作を味わえるのでは。特に"Part 2"での突き放しぶりがすごい。

   菊地成孔率いるファンク集団、DCPRGの新譜。3rdでいいのかな。
   2ndステージ第一作。タイトルは本シリーズとして「構造と力」。
207・Date Course Pentagon Royal Garden:Structure et force:☆☆☆☆★
   DJ感覚を前面に出した1stよりも、ぐっと肉体感覚が強まり、
   音に凄みが出てる。それでいて、スタジオ録音らしいタイトさも健在。
   まだ純粋培養っぽい。が、ライブで聴ける混沌さの香りも感じた。
   しかしポップなポリリズムをたんまり詰め込んだ、極上のファンク盤。
   繰り返し聴くほどに、新しい魅力に気がつく。ああ、ライブを見てみたい・・・。

   好きなバンドなわりに、経歴はよく知らない。
   ダークなサイケ・ロックが好きです。彼らの新譜で6thだっけか?
206・Tindersticks:Waiting for the moon:

   レコ屋のポップに惹かれて買ったはいいものの。
   家に帰ると何で買ったか覚えてない・・・。
   フランス語(?)を多用してるが、アメリカ録音みたい。
   打ち込みも使用した、ロリータ・ポップスです。
205・Juana Molina:Segundo:☆★
   バックの打ち込みは、完全にテクノ。耳障りは悪くないが、どこか一本調子。
   のぺっと進んでしまう。退屈とは言わないが、BGM向な気がする。
   あまり深く考えず、爽やかな流れに浸かる心地よさが魅力か。
   そうか、フロアのチル・アウト盤と考えれば、ぴったりだ。

03/9/20   ひさびさにレコ屋へ行ってきた。ライブへ行く前、ぱぱっと見回す。

   またもやメルツバウ関係の新譜が到着してた。
   過去にリリースした作品、"Frog"の2枚組リミックス盤だ。
   megoのメンバーや、borisなどといっしょに、メルツバウも1曲で参加した。
204・V.A.:Merzbow"frog"remixed and revisited:☆☆★
   長尺、1アイディアでつっぱしるドローンが多い。メルツバウの多層ノイズを
   シンプルにし、空気を貫くような。メルツバウの複雑な特性をあえてはずし、
   底なしの闇へ突き進むサウンドを集めたコンピ。ハード・アンビエントの快作。

   ライブの物販で購入。大阪の女性ミュージシャンを集めたコンピで、
   発売は2003年。月下美人やふちふななど十一組が参加してる。
   英語のタイトルですが邦盤です。念のため。
203・V.A.:Japanese girls 2003 west:☆☆★
   キーワードは「切なさ」かな。フォークっぽいタッチの曲を集めてる。
   「はんなり」ってムードも頭に浮かんだが、これはちょっと行き過ぎか。
   一歩間違えば歌謡曲になりかねないだけに、ボーカルやアレンジで好みが分かれる。
   もうちょい破天荒な音楽も期待したが、それは別の盤でってことか。
   気に入った曲は月下美人、二階堂和美、LOU、ワンゲルなど。
   わざと荒っぽい仕上がりにしたふちがみとふなとの曲は、むちゃくちゃ変化球だった。

   コステロの新譜はグラモフォンのロゴで発売。クラシック系の盤として
   契約した分のリリースかな。ピアノはスティーブ・ナイーヴ。
   全編に鳴る弦は、アレンジも指揮もコステロが担当してる。
   曲によってはブロドスキー・カルテットも参加した。
   静かでゆったりした大人のポップスというムード。
202・Elvis Costello:North:☆☆☆
   クラシカルなアルバムなのに弾き語りのタッチを生かした、奇妙なアレンジだ。
   悪くはないが、歳を取ったなあとつっこみたくもなる。
   大仰な歌い方はたぶん好き嫌いあるはず。
   どうも突込みが足らない気がしてならない。ゼリーを上からおそるおそる、つついてる感じ。
   繊細さをもてあましてるというか・・・。
   酒を飲みながら、真夜中に一人で聴く音楽だろう。
   違和感あるのが最終曲の"Impatience"。唐突にロックっぽくなる。
   リズムが硬く、テクノ風味も。キュートなポップスだが、どういう意図なんだろう。
   静かに終わりかけたとき、急にこれが飛び出して戸惑う。免罪符のつもり?
   いずれにせよがーっと押すだけじゃなく、こんな肩の力を抜いたポップスも作ってほしいな。

   羅針盤が4曲入りミニアルバムを出した。
   ニール・ヤングのカバー"Only love can break your heart"を収録。
   これはとても好きな曲。さて、どんな風に演奏してるかな。
201・羅針盤:会えない人(mini-album):☆☆☆☆
   それぞれのタイム感が絡み合い、バンドっぽい音に進化してる。
   アンサンブルも良く練られ、エンディング間近のソロも気持ちいい。
   極上のサイケ・ポップ盤。ボーカルの弱さは相変わらずだが、
   何度も聴くうちにさほど気にならなくなった。
   カバー曲の仕上がりもキュートでばっちり。
   いままでどこかもどかしかった羅針盤だが、これは素晴らしい。アルバムの出来が楽しみ。

   ネプチューンズがさまざまなラッパーを呼んで作ったアルバム、らしい。
   この手の盤は詳しく知らないんですよ。どうやって紹介したらいいのやら。
   シングル"frontin"がかっこよかったので買ってみた。
200・The Neptunes:The Neptunes present... Clones:☆☆☆★
   かなりポップでダンサブルなビートのラップが多く、BGMにあいそう。
   スリルで押すのでなく、あくまでニュアンスはハッピーに。
   歌物も取り入れバラエティ豊かなので、ヒップホップ初心者にお薦め。

   無性に「不思議」が聴きたくなって買ってきた。1984年に発売。
   実は今まで未聴です。「自由」くらいは知ってましたが。
199・The RC succession:Feel so bad:☆☆
   当時はやっつけ仕事っぽくて聴く気になれなかった。
   でも、今聴くと作りこまれてるのがわかる。
   しかしミックスは、いずれにせよやりすぎ。時代だな。
   A面("Bad side")は怒りに満ち、アップテンポで畳み掛ける。硬い音で黒さを演出。
   しかしリバーブを効かせすぎ。硬くて薄くなっちゃったホーンの音が切ない。
   清志郎の吐き捨てるボーカルはかっこいいんだが。
   いっぽうB面("Good side")はリバーブ控えめ。薄く甘く、サイケな音を作る。
   こっちのほうが素直に聴けるミックスだ。
   70年代初期にはすでにレパートリーだったという「夢を見た」は傑作。
   フォークをサザンソウル・タッチにうまくアレンジ。たぶん片山のサックスが熱く吠える。
   サイドメンで不明なのはperとtpでクレジットされた、菊地小太郎。だれだろう。
   "Dr梅津バンド"とあるから、菊池隆のことかな?ならばなぜ、名前を変えたのか。
   高評価しづらい一枚だ。やはり。でも、悪くはない。

   ふっと気になって買ってみた。リリースは1972年。
   これも未聴でした。スパンク・ハッピーのライブで
   タイトル曲は一節、聴いたことありますが。
198・Archie Shepp:Attica Blues:☆☆☆★
   70年代のシカゴ・ソウルを聴いてるようだ。メッセージ性を
   前面に出し、トータル・アルバムに仕上げた。ボーカルが
   フィーチュアされてるせいか、なおさらそう思う。
   ここではシェップのサックスすら裏方だ。あくまでソロ楽器のひとつ。
   音像の一貫性を優先させた。面白いプロデュースだな。
   (プロデューサーはエド・マイケル)
   録音はニューヨークにて。だけど涼しげなストリングスの響きに、
   ついシカゴの風を連想する。
   まぎれもないジャズだが、ジャズの枠をも飛び出した傑作。

   とりあえず帯のあおり文見て買いました。スコットランド出身で99年の作品。
   「マリンキーのキャリンとG・ボウマンによる強力ユニット」と
   ありますが・・・すみません、どちらも勉強不足で知らないです。
   女性二人によるアコースティック・トラッドらしい。
197・macAlias:highwired:☆☆☆★
   フォーク・タッチの曲調が多く、トラッドに慣れてない人でも
   素直に聴いて和めると思う。ぼくは和めたよ。
   二人の声質は比較的芯がしっかりして力強い。ハモるときれいに溶ける。
   基本は二人のアコギ弾き語りだが、曲によってフィドルなど伴奏も入る。
   無伴奏コーラスで左右へくっきり互いを定位させたが、シンプルなバックでこのミックスは
   逆効果。そっけないよ。あえてぐしゃっとモノラル気味に定位のほうがよかった。
   他の曲ではその辺のミックスって上手くなされてる。何でこの曲だけ・・・惜しいなぁ。
   "Winter sun"がとにかく名曲です。

03/9/13   ライブの物販で購入。

   渋谷毅オケの6thとなる新譜がでた。データ関係ややこしいけど、いちおう書いてみようか。
   まず、前作から4年ぶり。ライブ盤もあるので、スタジオ作なら2作目。
   故・川端民夫から上村勝正に変わった編成では初めてのアルバム。
   収録曲は全8曲。エリントン他3曲がカバーで、あとは全てメンバーのオリジナルだ。

   オリジナル曲はCD化初の新曲だが、どれも最近のライブ・レパートリーだろう。
   (最近、渋オケをかなりサボっててよくわからないのが残念)
   タイトル曲は西荻のライブハウス、アケタの店を拠点とする渋オケらしい
   表題だが、実際には古澤良治郎(ds)の曲で、渋谷の曲は今回も無し。

   メンバー編成は前作から変更ないけれど、ゲストで外山明(per)が2曲で参加。
   ・・・ふうふうふう。ずいぶんいろいろ書いたな。だけどほんとは一言で紹介は終る。
   中身はご存知渋谷オケの音。ゆったり寛げ、心躍るジャズが詰ってる。   
196・渋谷毅オーケストラ:ずっと西荻:☆☆☆☆★
   満を持した発売だけあってか、内容濃くバラエティ富んだ内容だ。
   バラードからファンキーな味わいまで、ゆらゆら揺れるノリと
   ゴムのようにしっかりしたグルーヴが素晴らしい。
   渋オケの入門編にもお薦めできる内容。あー、ライブ聴きたい。

   ライブが気持ちよかったので、休憩時間に購入しました。
   トリオ編成を中心に、アケタの店で行われたライブ音源を収録してる。
   録音は95年から96年。オリジナルは1曲で、あとは
   ジャズ・スタンダードをカバー。ランディ・ウエストンのカバーが目を惹く。
   硬質で優雅なピアノが耳に残ったが、さてこの盤ではどうだろう。
195・清水くるみ:くるみさん:☆☆☆★
   上品で美しくて硬質なピアノがたんまり楽しめる快盤。
   (2)の会場はアケタじゃないが、収録した理由は力いっぱい
   うなづけた。スリリングで極上の演奏だもの。
   いくつものライブから、飛び切りの演奏をよりぬいた傑作だ。
   クールさと優しさが同居するピアノが主役だが、
   タイトなサイド・メンも聴き逃せない。
   まっすぐにソプラノ・サックスを吹く津上や、そっとシンバルをきれいに鳴らす
   藤井のドラミングが特に印象深かった。
   マスタリング・レベルがそうとう低め。だから大胆に音量を上げて
   聴いたほうが、この盤の魅力をよくわかる。

03/9/7   メルツバウの新作をチェック。また出てるぞ。
       ついでに2枚ほど買ってきた。

   新譜を二種類。まずはドイツのレーベルから出た
   3インチ盤の4枚セット。システム手帳風パッケージ入りで、
   日付メモ帳つきの変則ジャケットだ。
   ファクトリー・パックなビニール袋の包装がヲタク心をくすぐる。
194・Merzbow:Timehunter:☆☆
   パッケージの奇抜さから、コレクターズ・アイテムとして買ってもいい。
   シングルCDのメディア限界もあり、短めの曲が多い。
   コンパクトなイメージ。ハーシュとリズムを上手く混ぜ合わせ、
   手馴れたハーシュ・ノイズに仕上げてる。

   これはカナダのレーベルから。
   クレジットがろくになく、コンセプトは不明。
   ジャケットには鳥の写真が使われてる。
   最近のメルツバウ流「動物シリーズ」の一環かな。
   「コンピューター、ギター」とクレジットされている。
193・Merzbow:Animal Magnetism:☆★
   ハーシュの要素はあるが、かなりのっぺりした音作り。
   時折挿入される、鶏の鳴き声にメルツバウの主張を感じる。
   音響系を意識して聴いたら、楽しめると思う。
   ボリューム絞ってBGMにしたら、くつろげるよ。
   そして音量上げるほど、尖った要素があらわになる。

   UKトラッド・フォーク筋では名盤らしい。71年発売。2ndにあたる。
   95年にepicが「こんなのどうだ?」シリーズで世界初CD化した一枚。
192・Ann Briggs:The time has come:☆☆
   ブズーキかギターの全編弾き語り。クレジットないが、弾いてるのはアン本人?
   二曲あるインストは強いピッキングで、つたないが味のある演奏だ。
   ふわり漂うエコーのセンスも曲によっては効果的。奥行きや空気感が曲によって
   まちまちで惜しい。せっかくなら統一すればいいのに。
   トラッド特有の一本調子な歌声にまだ馴染めず、魅力を全部聴き取れてるか自信ない。
   いずれにせよピッチもタイミングも、ほんのり甘いとこが耳に付く。
   彼女の魅力はとにかく高音。(4)や(12)で可憐に舞う
   歌声は、聴いててどきっとした。オリジナルでベストは(6)かな。
   UKトラッド・フォークとして、BGMに聴くなら最適。
   スピーカーに向かってじっくり聴いてると、飽きる部分もあった。

   ハード・バップのテナー奏者といえば彼の名前が挙がる。
   といいつつ、ぼくは彼のブレス・ノイズがどうにも気持ち悪くて
   今までろくに聴いてこなかった。せいぜい「サキコロ」くらい。こいつは全盛期の録音かな。
   ジャケには録音が57/9/22とクレジット。
   しかし資料本では録音が58/9/28とある。どっちが正しいんだ?
   1ホーン、3リズムのカルテット。サイドメンはWynton Kelly(p),Doug Watkins(b),Philly Joe Jones(ds)です。
191・Sonny Rollins:Newk`s time:☆☆☆☆
   瑞々しい音とリズムにしびれた。でかい音で聴きたい。
   テナーの音も野太さメインでグイグイ耳に迫る。いいなぁ、これ。
   自作はたった一曲にしぼったあたり、よけいロリンズの自身を感じる。
   一日でこれが録音されたんだ・・・すごいな。
   単調なドラム・ソロのみ時代を感じるが、あとはサイドメンも含めてばっちり。
   繰り返し聴きたい、極上のモダン・ジャズだ。

2003年8月

03/8/26   通販CDが到着。

   プリンスの新作は4曲入りインストだ。スローなファンクを聴かせる。
   メンバーは今のプリンス・バンド。クレジットによれば2/6一日で
   録音完了したとある。ミックスはプリンス自身。
   マッドハウスのようなタイトさよりも、軽やかさを狙ったか。
   ややこしい紙折りのジャケットがこだわりだよなぁ。
190・Prince:n.e.w.s:
   悪くはないが、プリンス名義で出すほどの盤とも思えない。
   マッドハウスの新作でもいいじゃない。
   単なるフュージョン風BGMに堕せず、若干聴き応えはある。
   しかし、若干にとどまる。キッチリ構成を意識し、即興による
   スリルはかなり控えめ。ファンク色も薄められてるし・・・。
   なぜリリースしたか、位置づけに困る作品。
   まさか今後、インスト作中心で動くとも思えない。
   単なる気分転換かな。次作をまとう。

03/8/23   GbVの新譜が出てた。そのついでに気になる盤をちょっとだけ、ね。
        (だれに言い訳してるんだろう)

   我が愛しのバンドによる、一年ぶりのスタジオ作が出た。
   またもや前作からメンバーを変えたものの、あとは仲間内で
   スタッフをびっちり固めた作品だ。
   日本盤は先行発売で、ボーナスに"Broken Brothers"を収録してる。
   聴いてみるとマスタリングが異様に固くてレベルが低い。
   邦盤だからかなぁ。音質気にする人はご注意を。
   ジャケットはボブのコラージュ。GbVはこうでなくっちゃ。
189・Guided by Voices:Earth Quake Glue:☆☆☆
   あんがい作りこんだアルバムだ。メロディは悪くないが、ちょっと覇気に欠ける。
   歳をとって丸くなったんじゃないだろな。
   時にはシンセがやかましいくらいに鳴る。
   破天荒なGbVをイメージしたら物足りないはず。
   いくつか良い曲もあるんだけどね。

   Mattew Sweet,Shawn Mulleins,Pete Drogeによるバンドの1st?
   ジャケットのイメージにたがわず、大真面目で南部系ポップスをやっている。
   甘いメロとハーモニーがポイントか。
   クレジット見てたら面白い。
   ドラムが全部Jim Ketlner、鍵盤はE Street BandのRoy Bittan。
   さらに弦でPaul Backmasterまで参加してる(1曲のみ)。
   プロデューサーはBrendan O`Brien。このバンド、本気か?
   現代のCS&Nって陳腐なコピーが頭に浮かぶ。
188・The Thorns:The Thorns:☆☆☆
   ハイトーンのハーモニーに和める。あえてリード・コーラスを置かず、総力戦での楽しさ。
   ときたまへヴィになる90年代サウンドが邪魔だ。ぼくの耳が古いせいだろうな。
   カントリー・タッチでほのぼの行くアレンジの曲が気に入った。

   資料本によれば、デ・ダナンの名盤・・・らしい。
   伝統楽器によるトラッドを主眼に活躍するかれらが、歌姫ドロレス・ケインを
   招いて作った一作。1987年に発表された。
187・De Dannan:Ballroom:☆☆☆★
   多分この盤は、ぼくの耳がトラッドを知るほどに良さを増すに違いない。
   繰り返し聴くたび魅力が増える。膜が一枚剥がれて、奥を覗いてるようだ。
   今の耳では牧歌的でおっとりした雰囲気と、軽やかにすべるアンサンブルの
   魅力をわずかに理解できてるだけ・・・じゃないかな。
   (9)がとにかく名曲。アコースティックなアンサンブル好きには、ぜひ聴いて欲しい盤だ。

03/8/16   ライブの物販で購入。あえて2枚(1レーベル1枚)にとどめた。
         どれも面白そうだったがオールナイト・ライブだしあえて制限をつけた。
         頭がヘロヘロだし、限度なく財布の紐を開いちゃうとこでした。

   レニングラード・ブルース・マシーンのギタリストによるソロ作品。
   全編エレキギターのソロ。インストで、オーバーダブは一切なし。
   01年のヨーロッパ・ツアーの音源を利用し、限定77枚のCD-R作。
   ディレイを多用した、パワフルでノイジーなソロが楽しめる。
   プログレの影響を感じさせないところが面白い。
186・Tabata:Live in Europe 2001:☆☆☆☆
   ふっきれた即興が素晴らしい。ギター・シンセを導入し、
   メロディアスな部分も。決してエフェクタ・ノイズ一辺倒じゃない。
   作曲の瞬間を目の当たりにしてるような気がする。
   混沌を志向せず、独自の世界を築き上げた。
   これも個性。とびっきりの音楽だ。
   77枚限定などといわず、もっと多くの人に聴かれるべき傑作。

   アコギ2本による、アンビエント・テクノ風インスト。
   無機質さが逆に和める。1999年にオズ・ディスクからリリースされた。
185・レイクサイド:スロー・アンソロジー:☆☆☆☆
   とびっきりのアンビエント。ミズスマシが水の上をすべるさまを
   じいっと眺めてる気分。スピーカーに向かって耳を傾けると、
   とにかく寛げる。時には緩急も効かせ、単調さはない。

03/8/12   通販でCDが到着した。なんか今月は買いまくってるなぁ。

   どばどば出る、メルツバウの新譜はライブ盤。02/12/6にNYで行われた
   ソロライブを、秋田昌美が03/2にリミックス&編集した音源だ。
   アメリカのCaminante Recordingsレーベルから発売された。
184・Merzbow:Live Magnetism:☆☆☆★
   ループが変調され豪風となり吹き荒れる。疾走し続ける勢いが痛快な一枚。
   背後で轟くシンセ・ストリングスの幻像が、メルツバウにしては珍しい響きだ。

   エディ・リーダーの新譜は、Robert Burnsの曲を集めた企画。ルーツ帰りか。
   Robertは17世紀のスコットランド人で、「蛍の光」などを書いた詩人/作曲家。
   盟友ロイ・ドッズやブー・ヒューワディンも参加しているが、
   オーケストラとの共演が主眼か。
   Fairground時代にも演奏した"Ae fond kiss"を再演してる。
183・Eddi Reader:Sings the songs of Robert Burns:☆☆☆☆★
   今回も伸びやかなエディのボーカルをたっぷり楽しめる。
   あらためて彼女の節回しが独特と感じた。
   粘っこくこねくるメロディは、数枚聴いたトラッドと別世界だもの。
   しっかり足を地につけた好盤。
   バックの黄昏れた世界とがっぷり組みあい、エディの歌声がしみじみ響く。

   江藤直子(key)、大津真(g)、藤井信雄(ds)による
   不思議になごめるアンサンブルの1stだ。今年の発売。
   結成は2000年夏で「ライブはなし、レコーディングのみ」が
   ジュリエッタ・マシーンの活動ポリシーらしい。
   去年P-vineから出たコンピ「タダダー!トリビュート 至福刑事vol.2」に
   1曲だけ提供してた。その曲も今回収録してる。
182・Giulietta Machine:ジュリエッタ・マシーン:☆☆☆☆★
   ほんのりテクノ風味の打ち込みビート。おだやかな音世界に
   とにかく和める。隅々まで練りこんでるのわかるが、小さ目の音で
   しんみり耳を休めたくなる一枚。傑作だ。

03/8/10    今日はいろいろ収穫あり。わーい。

   元Men at workのリーダー、コリン・ヘイの新作。
   過去の作品を再録したおした、なんだか後ろ向きな企画盤。
181・Colin Hay:Men @ Wark:
   コリン・ファンのはしくれとして、一言の感想を贈ろう。「クズ」と。
   作成意図がわからない。過去の資産を踏みつけてるだけでは。
   ギター・ソロのフレーズまでフルコピーするアレンジにあきれた。何のためのカバーだ。
   未発表曲3曲は、いまいちの出来。(12)がましか。
   カバーだと(3)がまあ楽しめた。
   未発表目当てのマニア向け作品でしょう。
   新リスナーへは、旧作を自信もって薦めたい。
   ちなみに手持ちの盤はブックレットが乱丁だ。ちゃんと校正しろよ、もう。

   ドイツのテクノ仙人、ナムルックの(比較的)近作を3枚手に入れた。
   faxレーベルは、どこかが確実に流通させてくれないかなぁ。
   
   faxレーベル10周年を記念し、過去作からまとめた4枚組のベスト盤。
   ほとんど再発されないレーベルだけに、こういうリイシューは嬉しい。
   しかしまあ、なんというボリュームだ。
   発売は2002/11/11で、1000セット限定。
180・Pete Namlook & V.A.:The Ambient Cookbook II:☆☆☆★
   アンビエントといいつつ、リズムキープがくっきりした曲も中にはある。
   CD4枚組という膨大なボリュームながら、ナムルックの
   入門編として謹んで薦めたい。基本が限定盤発売ゆえ、あらためて聴きたくても
   困るケースが多いと思う。が、だからこそ。この盤を聴きこむべきだろう。
   この盤はナムルックの片鱗が詰っており、かつ全てを味わえる。

   Wolfram Spyraとのコラボシリーズ第4作。
   01年以来のリリースとなり、2002/10/14の発売。faxの常で2000枚限定。
179・Pete Namlook & Wolfram Spyra:Virtual Vices IV:☆☆☆
   曲によっては生演奏っぽいノリが聴けて新鮮。
   耳馴染みよく、ナムルックの入門盤に最適だろう。
   アンビエントを基礎におきつつ、ポップさに目配りした1枚だ。
   ギターが静かにソロを取る(3)に、イエスを連想した。

   もとはNamlookのソロシリーズ18作目にして、"New Organic Life"
   シリーズの3作目でもある。2002/10/28リリースで、2000枚限定。
   上記の盤のわずか2週間後に発売されたことになる。ひええ。
178・Pete Namlook:New Organic Life III:☆★
   単なるごうごうって音が淡々と続く盤。BGMにはちと個性が強い。
   こういう盤は聴きかたが難しいな。
   "インタビュー"と銘打った(5)があんがい面白い。
   シンセがひよひよ漂います。

   アブドゥール・イブラヒムを3枚買った。
   まず2枚は70年代のアフリカ録音の盤。詳しくは今日の日記を参照下さい。
   これ、前からさんざん探してたんだ。嬉しいな~!   
   
   1971年~1979年のセッションからごちゃ混ぜに収録してる。
   せめて年代順にしてくれればいいのに。1998年リイシューの英盤。
177・Abdullah Ibrahim:African Sun:☆☆☆☆
   比較的短い目の曲中心に選ばれているが、コンセプトは不明。
   各時代に行われたセッションからランダムに抽出し、バラエティを出す狙い?
   幾分こもり気味な音は、オリジナル・テープのせいかな。
   4~7人編成を使い分け、暖かくドタバタするビートの揺れが心地よい。

   こちらはなぜか録音クレジットなし。最低3つのセッションを
   ごちゃ混ぜにしてる。同じくイギリスの1998年再発盤。
176・Abdullah Ibrahim:Voice of Africa:☆☆☆☆
   このシリーズ、盤によって仕上がりがまちまちだな。
   本盤はジャケットの色味が強め。サウンドは"African sun"よりメリハリが利いてる。
   収録された音楽は文句なし。4~6人の中規模編成で、スリリングに迫る。
   もちろん全編を通じて、視線はやさしい。こういうジャズ、大好きだ。

   ダラー・ブランドのデビュー盤になるのかな。1964年リリース。
   オリジナル盤のクレジットがどこにもないのはどういうこった。
   エリントンに見出されたということで、こんなタイトルらしい。
   1997年にアメリカで再発された。
175・The Dollar Brand Trio:Duke Ellington Prisents:☆☆☆★
   猛烈にグルーヴィ。だが、ジャズのノリとどこか違う。これがアフリカ流か。
   つんのめる音が暑く固まる。メロディそれぞれは、決してノイジーじゃない。
   アンサンブルになると、視線鋭く挑みかかる迫力がすごい。
   モンクの曲もブランド流に塗り替え、独自の世界を築いてる。好盤。

   バーナード・パーティが93年に来日した時、一夜だけのセッションが
   高円寺のJIROKICHIで行われてたとは。知らなかった。
   参加メンバーは片山広明や梅津和時、山岸潤史ら。パーディ以外は
   全員が日本人。ファンクのインストをぶいぶい言わせてる。
174・The Jazz funk masters featuring Bernard Purdie:Fatback!:☆☆★
   スローなファンクのほうが面白いな。特に(3)で、次が(4)か。
   酒飲みながらじっくり観たい音楽だ。
   パーディとがっぷりくみあって、ごきげんなグルーヴがたゆたう。

   中国映画のサントラで、音楽担当が大友良英。1996年作かな。
   千野秀一や芳垣安洋、内橋和久らが参加してる。録音は全て東京にて。 
173・OST/大友良英:喝采の扉[虎度門] :☆☆★
   千野秀一の美しいピアノを筆頭に、コンパクトできれいな音楽が流れる。
   大友良英ってこういうメロディ書くんだ。
   広がりのあるアンサンブルが心地よい。
   半分くらいのテイクでは、せりふ入りで流れる。
   意味はさっぱりだが映画の雰囲気は伝わって面白い。音楽的だな、中国語って。
   本田綾のハミングがシンセやドラムとからむ、最後の曲にしびれた。

   これはヒット曲かな?店内で流れてるの聴いて気にいった。
   クールなギターのサンプリングと、ファルセットのラップがかっこいいです。
   3曲いりシングルで、JAY-ZやNasが参加。
   ミュージシャンの詳しい経歴は知らんです。どなたかご教示を・・・。
172・Pharrell Williams:Frontin' (single):☆☆☆★
   タイトル・トラックのクールな雰囲気がたまらなくかっこいい。
   ファンキーなカーティス風味だ。バックトラックのセンスがとびっきり。
   でもほかの2曲は類型的なループでいまいち。なぜだろう。
   ビデオも2曲つき、今はシングルってプロモ盤なんだな・・・とつくづく実感。
   多分売れるんだろう。聴きやすいもん。

03/8/2   8月最初のレコ掘り。

   メルツバウの新譜。今年何枚目だろう。イギリスのレーベルから発売。
   アタリ・ティーンエイジ・ライオットのアレックとメルツバウによる
   1998年にNYのCBGB'Sでのライブ盤。
   二人の即興演奏らしい。ミックスにはメルツバウが関与してない模様。
171・Empire VS Merzbow:Live At CBGB'S New York City 1998:☆☆☆
   メルツバウのノイズが違和感なくアレックスのフロア・テクノと合致したライブ盤。
   いかしたアルバムに仕上がってる。フロアで聴くもよしだが、
   じっくり部屋で聴いてもはまれる。後半の畳みこむ迫力がすごい。
 
   ネヴィル・ブラザーズの前身ってのは言い過ぎか。
   ニューオーリンズ・ファンクの立役者、ミーターズが1974年に
   世に出した5thアルバム。資料では「代表作」と指定されてる。  
   聴くの初めて。曲は何曲か知ってるが・・・。
   アラン・トゥーサンと共同プロデュースしてる。
   サンデイズド盤を入手し、シングル・テイク2曲のボーナス入り。
170・The Meters:Rejuvenation:☆☆☆☆
   さすがミーターズ。一部の隙もないグルーヴでみっしり決めた。どの曲もみずみずしい。
   ずぶずぶと黒っぽいムードを漂わせる。聴いてよし、踊ってよし。
   ベスト盤みたいな緊張感がある盤だ。
   モタり気味のドラムがゴムのように弾むノリを作り出す。
   どれでもいいから、一曲だけ40分くらい延々演奏して欲しくなった。

   解説読んでも、いまいち背景や正体が分からない。
   平たく言うと、ニューオーリンズの民族音楽をロック経由で提示した音楽らしい。
   黒人とネイティブ・アメリカン混血グループ部族が、マルティグラなどで
   演奏されてるみたい。1974年のリリースかな。
169・The Wild Magnolias:First:☆★
   リズム隊はかっこいいけど、声の感じがぼくの好みじゃない。聴いててどうも居心地悪かった。
   演奏はそうとう気持ちいい。ごくごくリズムをモタらせて、ギターはタイトに決める。
   ギターとベースが白っぽい音で、ロックよりのアプローチに聴こえた。
   中身はしっかりニューオーリンズ・ファンクなのですが。
   とにかくフレーズの繰り返しで構成され、聴いてて楽しいもんじゃない。
   あくまでダンス・ミュージックとして楽しむ音楽だな、これは。

   22作目、1987年の発売。フェアポートがデビュー20周年の年に
   8月恒例のリユニオン・ライブを収録のはず。
   基本はライブ盤だが、スタジオ作品も1曲あり。
168・Fairport Convention:In real time:☆☆☆
   ライブ盤の開放感がいい方向へ働き、エレクトリック・トラッドを
   素直に楽しめた。特にe-vlnのリック・サンダーズが大活躍してる。
   フェアポートにまた興味が出た一枚。伸びやかな音楽が気持ちいい。
   残念なのが時代を感じるドラムの音かな。

   ブリティッシュ・トラッド系のバンドと言えばいいかな。
   メロ・キャンやスパイロジャイラなどと並び、原盤が非常に高価で
   取引されてた記憶あり。ぼくのはもちろんCDです。
   1977年のリリースで、これが3rd。
167・Spriguns:Time will pass:
   今の耳で聴くと、オーケストラやシンセのアレンジがかなり大仰だ。
   プログレ好きなら楽しめる盤かもしれない。
   ぼくはトラッドよりの(2)や(5)のほうがいいや。
   実際のとこ(2)の後半はかなり派手なので、ベストは(5)かな。

   女性ボーカリストの1stソロ。(元カムだそう。このバンドは知らないや)
   ハスキーな声に穏やかなバック。だがどこかに緊張あり。
   グランジを経由した静寂さに聴こえる。2001年発表。
166・Thalia Zedek:Been here and gone:☆★
   単調なメロディと低い女性の声に、最初は退屈した。
   アレンジの音世界は悪くないんだが。
   CD後半の曲の方が練られてる。あえて狙ったのか。
   バスキング風だったり、切なくサイケに攻めたり。似たような音像なのに
   目先を変えたアレンジのセンスを評価する。
   熱っぽく押す(7)がベスト・トラックか。
   バイオリン・ソロとアンサンブルが融合した(10)や、強い意志の(3)なども悪くない。
   しかし惜しい。旋律がもう少し起伏に富んでると、良さが増すのに。
   たとえば(11)。「カーニバルの朝」(「黒いオルフェ」サントラより)のカバーだ。
   アレンジはほんのりジャジーにしたのみで、大してひねりはない。
   だが豊かなメロディが、歌声の魅力を引き出してるよ。

2003年7月

03/7/31  ライブの物販と通販と。

   昨年と今年に西荻の「音や金時」と千葉のライブハウスで
   行われたライブから収録された新譜。
   沖至(tp)と翠川敬基(vc)のフリージャズをバックに
   白石かずこがポエトリー・リーディングをする。
   ゲスト(?)でふちふなの船戸博史(b)とハッチ濱本(tp)も参加。
165・沖至/白石かずこ/翠川敬基:ヒト科の熊:☆☆
   物語の純粋な朗読のみで、言葉のリズムで音楽とバトルする概念は
   盛り込んでないみたい。言葉と音楽で物語を紡ぐスタイルでなく、
   あくまで朗読へ音楽をかぶせる感じ。
   「音楽」で聴こうとすると、逆に日本語の「意味」が頭に入ってきて困った。
   一定のテンションで続くため、BGMとして聴くには不適切。
   むしろライブハウスのように、対峙して聴くべき音楽。
   言葉にまとわり付く瞬間より、むしろ(3)に代表される
   それぞれが奔放なメロディを提示する空気のほうが
   ドラマティックで馴染み易かった。

   1961年に録音され、2枚に分けてリリースされたマイルスによる
   ブラックホークでのライブ盤。
   今回、14曲の未発表テイクを追加し、リマスター盤が4枚組となって
   リイシューされた。
   こないだinーFでのBGMで聴き、無性に欲しくなってさっそく注文。
164・Miles Davis:In person friday and saturday nights at the Blackhawk,Complete:☆☆☆☆
   底光りする迫力のジャズ。なるべくでかい音で聴きたい。
   ミックスがぐしゃっとしてて、小さい音だと迫力なくって。
   ほぼひとつながりで演奏される、全員のノリがかっこいい。
   個々のソロだけじゃなく、演奏が丸ごとが聴き応えあり。
   軋むマイルスのミュートが切なく響く。

03/7/29   ネット通販やらなにやらで購入。

   TZADIKからMASADAの10周年記念盤vol.3が出た。
   売りは未発表曲群らしい。
   帯にある"Fourteen Masada Compositions that have never been heard before"って
   いったいどういう意味なんでしょう。
   この盤は12曲入りだし、MASADA名義では13枚目(ライブ盤入れたら17枚目くらい)になるはず。
   参加ミュージシャンはTZADIKゆかりの顔ぶれみたい。吉田達也が多重録音作品で参加。一曲だけね。
   あと知ってるのはWadada Leo SmithやMike Pattonくらいか。
   めずらしくジョン・ゾーン本人も参加してる。
   ダグラス、コーエンとMASADAメンバーに、サックスとドラムを加えた編成で、一曲だけ演奏してる。
163・V.A.:The Unknown Masada:☆★
   実際の作業はともあれ、多重録音したチェンバー・プログレ風味の
   漂う一枚。ライブの凶暴性がMASADAの魅力だと思うので、
   このつくりには首をかしげる。
   似たような曲が続くのと、独特のマスタリングにより
   オムニバスにもかかわらず統一性がある。
   ほんのり煙って、硬いのにエッジは甘いサウンドはTZDIK独特の音。
   聴いた事ない人へは薦めない。ファン向けの作品だろう。

   川下直広と山崎弘一によるデュオの2nd。97年に地底レーベルからの盤ぶり。
   今度は川下の自主レーベル、マネキネコ商会からCD-Rで発表だ。
   音源は01/9/2に山口のポルシェでおこなわれたライブより。5曲収録。
162・川下直広/山崎弘一:Duo II:☆☆
   フリーではなく、いたってオーソドックスなジャズ。
   しかし方向性があまりにトリッキー。お互いに延々とソロを続ける。
   聴いてたら、どんよりと音へ沈み、引きずり込まれそう。
   演奏自体は素晴らしい。しかし時間軸がもやけるさまに、
   じわっと滲む、穏やかな凄みを感じた。
   夜と静寂が似合うが、一人で聴いてると寂しさも加速されそう。
   不思議な立ち位置のジャズだ。

   とうさいさんに紹介頂いた、エレクトロニカ系ミュージシャンの2nd。
   静かでポップな雰囲気がたまらなくいい。
161・Ulrich Schnauss:A strangely isolated place:☆☆☆☆
   最近のテクノはフロア前提(チルアウトも含めて)ばかりかと
   思ってたが、彼の作るテクノは違う。部屋で聞いても十二分に楽しめた。
   ミニマルな印象の奥に、確かなメロディの断片が漂う。
   そして最後のタイトル曲でアルバムを、10分あまりかけてシメてみせた。
   これが軽いダンス・ビートからチルアウトまでつなげた好アレンジ。
   隅々まで考え抜かれて作ったアルバムだ。

03/7/26  通販でCD到着。

   GbVとゆかりのバンドによる新譜。99年の"Night Life"ぶりか?
   ダグは完全不参加、Don Depewはプロデュース。
   実質はPetkovicとKlein、Vazzanoが残り、ベースを入れた新生ヴェルデだ。
   ゲストに元ダイナソーのJ Mascisの参加もあり。Jはツアーにも同行してるはず。
   ストーンズっぽいロックが、まず印象に残った。
   しかしこいつら、網タイツが好きだなぁ。
160・Cobra Verde:Easy listening:

03/7/22   通販でCDが到着~。

   カルメン・マキが、鬼怒無月らと組んだサラマンドラ名義の1st。
   57分収録で6曲入りと、それぞれの曲をたっぷり聴ける。
   ほぼカルメン・マキのオリジナルだが"Over the rainbow"のカバーと
   勝井祐二のオリジナルを一曲収録。
159・カルメン・マキ&サラマンドラ:Carmen Maki and Salamandre:☆☆☆
   最初に断っときます。ごめん。ぼく、ハードロックはほとんど聴いてないんですよ。
   たとえばZEPとかパープルとか。あのへんのハードロック好きな人のほうが
   この盤の魅力を的確に感じられると思う。
   面白いとは思うが、あまりのめりこめて聴けてない。ベストは(5)かな。

03/7/19   ライブの物販で購入。

   8/22にまぼろしの世界からリリース予定だが
   えらく早い先行発売してた。
   たぶん勝井祐二は初のソロアルバム。
   全4曲入りで、すべてエレクトリック・バイオリンの即興演奏だ。
   録音はROVOの益子樹が担当した。
   ディレイ・ループを駆使した、独特のたゆたうメロディを堪能できそう。
158・勝井祐二:ヴァイオリン・ソロ:☆☆☆★
   メロディはほとんど無く、アプローチはノイズっぽい。
   だが聞苦しさは不思議と皆無。濃密な音雲へ突っ込んでゆく。
   ディレイを駆使した分厚い音は、時にフェアリーな閃きを見せる。
   4曲中3曲は冒頭から音を組み立ててゆく。めくるめくスリルがたまらない。
   (4)のみ、演奏の途中からフェイド・インで始まった。
   不安定な響きの中へ放り込まれてあたりを見回す楽しさったら。
   ソロ演奏なためか、音が中央に集中してしまった感あり。
   左右に広がる開放感もあったら完璧か。

03/7/13   ネット通販のCDが到着~。よっしゃ。
   
   ひさびさに出た、ポイ・ドッグ・ポンタリングの新譜だ。
   わーい。でも、この喜びを分かち合える人、日本に何人いるのやら。
   ぼくもサボってて、前作は"electrique Plummagram"(1996)まで
   遡ってしまう。HPみたら、この間に何作か出てる模様。
   ざっと聴いたが、リズムは打ち込み風ながら、初期のアコースティックな
   雰囲気を生かしたサウンドが嬉しい。
157・Poi dog pondering:In seed comes fruit:
   混迷のアルバムって印象。おしゃれに飾り立て、ハウスっぽいリズムでくるみ、
   入り組んだアレンジで磨き上げた。音響派っぽいとこも。
   シカゴの録音だけあって、やっぱり影響されるんだろうか。
   せっかくの大編成が生きず、もったいない。ありのまま、ラフに
   演奏すればいいと思うんだがなぁ。
   アルバム一枚が長く、聴きとおすのがつらい。もっと凝縮して欲しかった。
   あえて1曲選ぶなら(2)だろうか。

03/7/12   今日の日記でもぼやいたが。バーゲン品の棚を漁ってると
      つい買っちゃったよ。がんばって聴かなくちゃ。

   このバンド、1stをHPで紹介したこともある。
   2ndが出てたとは知らなかった。01年のリリース。
   今日一番の収穫。嬉しいなー。
156・The comas:A def needle in tomorrow:☆☆☆★
   バラエティに富んだ曲調で、明るいイメージがあり。
   打ち込みやターンテーブルがけっこう前面に出てる。
   VUチルドレンとして、サイケなイメージを持ってたから拍子抜け。
   でも先入観を取って聴いたら、悪くない盤。
   男性ボーカルのシャウトが妙にガキっぽくて苦笑した。

   坂本龍一がジャキス・モレレンバウム夫妻と行ったニューヨークの
   ライブ音源に、スタジオ録音をボートラでくっつけたボサノバ盤。
   今年のリリースだが、なぜか廉価で売っていた。
155・Morelembaum2/Sakamoto:A day in new york:☆☆
   かなり上品な仕上がりに鳴っている。坂本龍一のピアノのおかげだろう。
   そのおかげか一番印象に残ったのは、坂本龍一のオリジナル"Tango"。
   「戦メリ」一節を織り込むようなお遊びもあり。
   リラックスして聴くアルバム。
   日本盤はボーナス5曲入りだっけな?そっちを買うほうがお徳かも。

   95年にパリで行われたライブを収録。メンバーは12人
   (ダンサー1人含む)で、琴が入ってたり、パーカッションが
   4人もいたり。個性的な編成です。
   スティーブ・コールマンは昔、five elementsを一枚聴いたきり。
   でもなんだかジャケに惹かれて買ってしまいました。
154・Steve Coleman and the mystic rhythm society:mythe,modes and means:
   アフリカ風味が冗長にしか聴こえない。
   (5)がファンキーで面白いが、独自の個性があるわけでもなし。
   あとは(7)が楽しめたかな。
   いずれにせよ頭でっかちすぎて退屈だ。

   リンガラを聴きたくて、ジャケで適当に購入。
   新世代のバンドらしいが、ライナーにろくなことかいてない。
   どうやらアウトテイクを集めたコンピの様子。
   いつのリリースだろう。90年代後半の音源らしいが・・・。
153・Wenge Nusica:B.C.B.G:
   今ひとつ華がないリンガラ。うーん、軽快だけど腰にこない。

   これまた完全なジャケ買い。ドイツのレーベルからリリースで、
   オルガンとトロンボーンのデュオという、変則編成。
   静かなフリージャズをやってるようだ。
   録音は97年だが、リリースは2000年になってから。
152・Andreas bottcher/Gunter Heinz:Ghost busters:☆★
   どこかコミカルなフリージャズ。パーカッシブで味わい豊かなオルガンが面白い。
   トロンボーンは散発的にフレーズを絞る。
   さほどバトルはせず、淡々と音を交歓した。
   経歴がわからず評価しづらい。
   音響系アプローチも見せるオルガンは別作も聴いてみたいな。

03/7/10   ネット注文したCDが到着~。
 
   月光茶房のハラダさんに薦めていただいたCDをさっそく買う。
   フリージャズが基本だが、あきらかに新世代。
   延々と同じベースラインを続けるとこなど、打ち込みを経由して
   ジャズにたどり着いたミュージシャンのようだ。
   白人3人組のサックス・トリオ。ミネアポリスのバンドです。
   本作が5thみたい。HPもありました。ここです。
151・Happy Apple:Youth Oriented:☆☆
   ジャケを見ると、ストーリー仕立てになってるみたい。もっとも意味は不明。
   都会に疲れた少女がセラピーを受けて解放されるってとこか?
   さらに音楽そのものもあまりストーリーと関連付けはないようだ。
   ここにはジャズをあまり感じない。
   「テーマがあって、アドリブがあって・・・」という構成をジャズと呼ぶなら、
   この音楽は間違いなくジャズだろう。が、ファンキーさが皆無で
   硬質な感触が真っ先に耳に残る。
   長尺の(5)や(8)のほうが楽しめた。
   短い時間で立て続けに語ろうとせず、長いソロを聴きたいな。
   世代の違いを実感したサウンドだ。音楽自体は悪くないのに。
   表1のイラストが語るように、どこかうつろな響きがする。

03/7/6   今日のレコ堀りはソウル系の棚を中心に見てみた。

   Pファンク関連のけったいな新譜を見つけた。
   ジャム・バンドの若手を集め、インストでPファンクを演奏するって
   コンセプト。仕掛け人が不明だが、Phil Upchurchかなぁ。
   (Curtis Mayfieldでギターを弾いてた人。George Bensonと共演
    したことあるらしい。一般的には後者が有名なのかな)
   曲はファンカとパーラの代表曲をまんべんなく演奏してる。
   参加ミュージシャンはDJ Logic(Medeski Martin & Wood)や
   Skerik(Critter`s Buggin)、Robert Walter(20 Congress)など
   美味しいところを起用した。
   ドラマーがなんとClyde Stubblefield(JB'S)。まだ現役だったとは。
   ぱっと聴いた限りは、小器用にまとめてるようだが・・・。
150・The Clinton Administration:One nation undera re-groove:
   水で薄めたファンクに拍子抜け。これで本人達は
   楽しんでるんだろうか。Pファンクのうさんくささが皆無で、
   蒸留されて小奇麗な演奏が多い。つまんない。
   殊勲賞はクライドのドラム。敢闘賞にDJロジックをあげたい。

   ウータンの一軍、デックの新譜。99年の"Uncontrolled Substance"以来に
   なる2ndかな。プロデューサーや参加ラッパーに「おっ」という名は特に見つけられず。
149・Inspectah Deck:The Movement:
   どうにも退屈なラップ。タイトだったり、ポップなメロディを織り込んだりと
   目先を変えたアレンジが散見するものの、ぼくがウータンに求める
   胡散臭さや不穏感が皆無。
   じゃあ見事なポップさで聴かせるか、というとそうでもない。
   ごくごく普通のラップで終わってしまってるのでは。デックの個性はどこに・・・。

   歌い方や曲調が70年代スティーヴィーそのまんま。
   ジャケットからしてもろにそう。
   ただクレジット見ると、プロデューサー他のStive Harveyが
   悪乗りしたようにも見える。アレンジ、エンジニア、演奏と
   大活躍してるんだもん。
   オルガンでビリー・プレストンが参加してる。
   2003年発売で、イギリスのシンガーらしい。デビュー盤かな。
148・Frank McComb:The Truth:☆★
   スティーヴィーっぽい音像はうまく再現できてるが、
   「で、あなたの個性は?」と尋ねたい気持ちを抑えられない
   作品は次作に期待。でも、買いたいと思うかなぁ。

2003年6月

03/6/29   ひさびさにレコ屋をぶらぶら。

   大友良英脱退までの、1st Seasonのライブ音源を2枚組に凝縮した3rd。
   一枚目が全部"Catch 22"、2枚目が"アイアンマウンテン定食"な一枚。
   美味しいとこがぎゅっとつまってます。
147・Date Course Pentagon Royal Garden:Musical from chaos:☆☆☆☆★
   編集がラフなのがいちばん気になった。とくに1枚目。
   曲間ゼロにして、ザッパみたいに完全編集したおしたテイクのほうが面白かったはず。
   あとは録音日のクレジット無いことが物足りないか。
   それ以外は問題なし。第1期DCPRGの集大成であり入門編であり
   コアなファンでも満足できる仕上がり。もしDCPRG未聴の人がいたら、
   自信を持って本作を薦める。
   混沌がひたすら続く1枚目、とにかくハッピーでファンキーな2枚目。
   2枚目は選曲も渋いよ。"S"は最初聴いたとき、胸が熱くなった。

   山下達郎のひさしぶりなシングル。新曲"フェニックス"に、
   映画のタイトルバックに使われた"2000tの雨"をカップリング。
   色んなバージョン入りで、全6曲。ちょっとお得気分です。
146・山下達郎:2000tの雨/フェニックス(single):☆☆☆☆
   切ない大人のポップスが楽しめる。"2000tの雨"と新曲を
   違和感なく聴けるってとこが、もっとも脅威だ。なにせ"2000tの雨"は
   25年前の曲なんだから。
   ふくよかな響きがどっちも心地よいです。安心して聴ける。

   さかなの二人が、デュオ名義で発表した新譜。
   もともとは西脇の個展用に作った音源らしい。
   インスト交じりで、寛いだ感じっぽい。
145・Pocopen & Nishiwaki:Sunny spot lane:☆☆☆★
   アコギでリズムを取るため、素朴さがさらに強調されて良い。
   メロディはあくまで癖がありつつ切ない。
   ポコペンの歌が耳をくいぃっとくすぐる。
   ダブル・トラックのボーカルがいいなー。
   インスト曲は終わりそうで終わらない。ループさせて聴いてると
   心地よさ倍増だ。派手さはないが、美しい盤だ。

   これはメルツバウの旧譜。98年発売で、アンビエントに軸足を移した
   作品だそう。メルツバウにしては珍しいアプローチだ。
144・Merzbow:Vibractance:☆☆☆
   ハーシュさは控え、隙間の多い電子ノイズをストーリー性含め聴かす。
   轟音を望むなら不適切だが、メルツバウながらの構成力を踏まえた
   電子音楽を聴くには興味深い作品といえる。刀で言う、抜き身の凄みを垣間見せた。

   こっちは新譜です。2002年にカナダ行われたライブ盤。
   全1曲、約70分一本勝負です。
143・Merzbow & Pan sonic:V:☆☆★
   ハーシュノイズ一辺倒でなく、音響系をかなり意識した出来。
   比較的聴きやすい作品だと思う。
   が、可聴域ギリギリまでレンジを広げた高低音が生み出す
   音圧のすさまじさは覚悟しよう。
   もし安易に聴きたいならボリュームを上げるべきじゃない。
   音量が上がるほど、この音は兇悪さを増す。

   Megoから2001年に発売したソロアルバム。
   97年から99年まで、NY,東京,大阪で行われたライブ音源から
   編集している様子。静かな音響作品。
142・Jim O'ruoke:I'm happy,and I'm singing,and A 1,2,3,4:☆☆
   ほとんどアンビエント。だが執拗に持続する音は
   ときたま暴力的に耳へ注がれる。(2)がポップで好き。
   全3曲、一曲が長め。盛り上がるまで時間かかるけど
   じっくり音世界にはまるなら、このくらいのゆとりがいる。
   サンプリングした音をPCで加工してるんだろうか。

   帯の宣伝文に惹かれて買ってみた。
   オーストラリアのバンドで、オーレン・アンバーチとクリス・タウンドのデュオ編成。
   本作が1stにあたる。オーレンはもと、アバンギャルド・バンドのフレム出身らしい。
   だが本盤ではぞんぶんに滑らかなメロディを操っている。
   オーストラリア版の羅針盤みたいなもんかな。
141・Sun:Sun:☆☆☆
   ちょっと線が細いか。ギャラクシー500を連想する音作りは好みだ。
   前半は普通のサイケ・ロック、そして(8)を境に
   いきなりアンビエント・テクノ色の強い、リミックス集へ切り替わる。
   甘太いシンセを多用したリミックスが、ごくごく自然に馴染んで意外だった。
   ほんのりアバンギャルド風味も織り込む、奔放な姿勢を評価する。
   コンボ編成とテクノ編成、どちらも丁寧に製作されてるな。
   変な固定観念にとらわれず、耳を大きく開くほど楽しめた。

   何となくジャケ買い。Portisheadのボーカルと、ポーティス結成の前に
   知り合いという元トーク・トークのラスティン・マンが組んで作った
   アルバム。静かなポップス・・・かな?
140・Beth Gibbons & Rustin Man:Out of season:☆☆☆★
   ストリングスやハーモニーの使い方がうまい。
   まるでむせび泣くような切なさを感じた。
   プロデュースはベス本人と、ポール・ウェブが担当してる。
   ジャケットの色調そのまま、翳りを持って紡がれる歌がいとおしい。
   かすれ気味のボーカルは時に、エコー成分を絞って生々しく迫る。
   ときたまアレンジが大仰になってて惜しい。
   もっと4リズムを生かした音が好み。
   メロディも滑らかなのに、音から個性がにじまない。
   こじんまりまとまったとこが魅力であり、最大の欠点ではないか。
   よく練られたサウンドで、かみ締めるほど味が出る。
   ブリル・ビルディングの影響もありそう。かなりひねってるが。
   ベスト・トラックは(5)。(1),(7)もいいな。

   UMGがファンク系アルバムの再発シリーズをはじめたみたい。
   これはそのうちの一枚で、彼らの2ndにあたる。
   原盤はモータウン系のGordyで、1971年の発売。
   プロデュースはノーマン・ホィットフィールドがつとめてる。
139・The Undisputed Truth:Face to face with the truth:
   今の時代に聞くと、ちょっと古臭い・・・。
   重たかったり、野暮ったかったり。
   あえてベストを選ぶなら"Take me in your arms and love me"かな。
   オルガンを多用した、フリー・ソウルっぽいアレンジがまあまあです。
   しかしこれもGladys Knight & the Pipsが67年に飛ばしたヒットの焼き直し。
   このバンドの個性ってどこにあるんだろう。

   このシンガー、けっこう好き。リマスター&ボーナス3曲で再発された。
   1977年発売で8thアルバムらしい。
   チャート的にはいまいちみたいだ。
   シングル"Lovely Night For Dancing"がBlackチャートの75位。
   アルバムはpopで39位、Blackで16位が最高な模様。
138・Bill Withers:Menagerie:☆★
   ディスコを意識したのか、異様にタイトなドラムが気になる。
   もともとBillは癖なく歌い上げるので、つい聴き流してしまいそう。
   ドラムとベースを微妙に組替え、ほぼ全曲で違うメンバーを設定。
   グルーヴを変えようとしたのかな。
   シングル2曲を聴けばOKだが、アコースティックを強調した
    アレンジの曲は、あんがい楽しめた。

03/6/13   通販CDが到着。仕事から帰って、CD着いてると嬉しいったらない。

   東京ジャズシーンで、とびきりグルーヴィなベーシストの一人、
   水谷浩章がひさびさにリリースしたリーダー作がこれ。
   ぼくが知る限り6年ぶり、リーダー作の2ndにあたる。
   今回もバンド名義でスタジオ・ウィーからリリースされた。
   ほとんど水谷のオリジナル曲だが、カバーも2曲あり。
   一曲はドルフィー、あとはビートルズの"I want you"という意外な選曲だ。   
137・phonolite:while i'm sleeping:☆☆☆☆
   甘くロマンティックな雰囲気だが、どこか不安定。
   かなり複雑なジャズだと思うが、見事なミックスで聴きやすく仕上げた。
   グルーヴィーなジャズとは違うが、穏やかなリズムにたゆたう
   快感をたんまり味わえる。
   極上の酒を呑んで酔っ払ってる気分になれる。

   スタジオ・ウィー恒例の"通販おまけCD"。
   アウトテイクはないらしく、水谷のベースを多重録音した作品を
   1曲収録してる。
136・水谷浩章:five phonons:☆☆☆★
   インプロで録音されたはず。アルバム本体とムードをあわせ、
   たゆたう低音にまどろむサイケな曲。
   エレキベースとコントラバスを何度もダビングして、深みのある
   サウンドに仕上げた。ただし低音成分だけじゃなく
   中域もふくよかで、ぐっと暖かい雰囲気だ。
   小品だが聴き応えある。

03/6/8  今日はCD買うつもりなかったのにな~。

   ユニオンで流れてるの聴いて、衝動買い。自社レーベルNIW!からの新譜になる。
   元Scafull King、現Masterlow(01)のメンバーというが、すみません。
   勉強不足で知りません。この人はギタリストらしい。
   往年のプリンスみたいな軽いファンクが心地よくって。
135・増渕謙司:ギター弾きにまつわる物語:☆★
   プログレ風のジャケット・デザインで、トータル性を狙ってる。
   複数のボーカリストを立て、印象を分散させたのも吉。
   ぼくはやっぱり、ファンキーなトラックに耳が行く。
   (2)や(7)みたいな曲。
   軽快なギターが生み出すグルーヴが気持ちいい。
   日本風に流れた曲や、フュージョンぽいダイナミックな曲をやめ、
   全部をファンキーで押して欲しかったな。

03/6/5   ライブの物販でさくっと購入。

  今年の10月から一ヶ月間予定の欧州ツアー用に、磨崖仏がリリースしたプロモ盤。
  ズビズバX,赤天、Ruins、ゾフィー、Acid Mothers templeを数曲づつ収録してる。
  1999年の欧州ツアー時にも同様趣向の"Japanese New Music Festival"が
  リリースされたっけ。今回はムービー5種類、画像9枚と、よりハイテク化した。
  ざっと聴いたコメントを下記します。間違ってたらご指摘頂けると幸いです。

  ズビズバXは吉田+津山+佐々木の編成。99年の上記盤と収録曲が1曲違う。
  "Tsinghi","Bitavita"はたぶん別テイク。さもなきゃremixかな。エコー感が違う。
  赤天はよくわからず。既発テイクか?ルインズも既発テイクのみ。
  ゾフィーとAcid Mothers templeは初めて聴くので、詳しいこと分かりません。
  Acidは新録なの?メドレー前半のドラムは吉田達也っぽいですが。

  写真はフォトショップを持ってなくて、まだ見れません。
  さて、ムービー。ズビズバXは初めて見る映像だな。
  赤天はビデオ"Magaibutsu Sampler"で既発の映像。
  ルインズの映像はDVD"変拍子で踊ろう!"で既発だそう。ぼくはDVD持ってなく、未確認です。
  Acid Mothers templeとゾフィーは、詳しくないのでコメントは割愛。
  しかしゾフィーの映像は、ワンカメラで異様に揺れる。酔いそう。
134・V.A.:日本の新音楽:☆☆
   少なくともズビズバの"Bita vita"と赤天のたぶん全曲が別テイクだろう。
   コレクターズ・アイテムではあるものの、この一枚でかっちり味わえるって意味では
   ちょうどいいコンピ盤なのかもな。
   映像までついてるし。ちなみに写真は見られない。どの形式のファイルだろう。

2003年5月

03/5/31   レコ屋をブラブラ。セコハン屋をぶらぶら。台風でしたが。

   メルツバウの旧譜を一枚見つけた。秋田昌美の名義ですが。
   これは98年にマイク・パットンとのコラボ作。アメリカのレーベルから
   リリースされた。ぼくが知る限り、このコラボ関係はこの1作しか
   今までリリースされてない。
133・Maladoror:She:☆☆
   ジョン・ゾーンを連想する、コラージュ・ノイズが中心。
   メルツバウの過激さを期待しなければ楽しめた。
   場面展開が激しい曲と、ドローン風につづくのと
   両極分化してる。短い曲中心で、せっかちさが先にたつ。
   (1)のコミカルさを追求したら、面白いサウンドになってただろな。

   「Surfs up」~「オランダ」のころ、ビーチ・ボーイズに関係した
   ミュージシャンのアルバムらしい。
   その頃のサウンドを髣髴させる、もやもやポップスが入ってる。
   初期のハイ・ラマズ風といったほうが話が早いか。
   リリースは1975年。昨年、RKCSレーベルからリイシューされた。
132・Jack Rieley & Machiel Botman:Western Justice:☆★
   "Surf's up"の頃の不安定さ、ドリーミーさを巧く掴み、
   メロディがきれいな曲も多い。しかし、歌が圧倒的にヘタ。
   聴いてて力が抜けることおびただしい。
   演奏もアレンジもミックスも、どうも素人くさいなぁ。
   発売された時代が早かった。今ならキッチュさでハイ・ラマズみたいな
   評価をされたはず。しかし歴史に残る作品とは思えないなぁ。
   数曲でエディ・ジョブスンがバイオリンを弾いている。

   つい最近、Sundazedがラクーン・レーベルのヤングブラッズを再発した。
   ボーナスが特になくって残念だ。
   昔、アナログの中古盤でボロボロの"Good and Dusty"を買ったっけ。
   この盤は1971年にリリースされたライブ盤。彼らの5作目かな?
   山下達郎がバンド結成のきっかけにした曲、"Sugar Babe"も入ってる。
   カントリーっぽい音が主体だが、+αのグルーヴがありそう。
131・Youngbloods:Ride the Wind:☆☆★
   ゆったりしたエレピのフレーズが心地よい。
   個々のフレーズよりも、全体的なグルーヴを楽しもう。
   素朴なノリを着実なテクニックで提示した。
   ポップスを期待して買ったが、むしろインストがメインだ。
   bananaのキーボードをたっぷり聴ける。
   ヤングブラッズってこういうバンドだったのか。

   安かったので、一昔のヒップホップを何枚か。
   この業界、詳しくないので詳細説明はご容赦を。

   95年リリースの3作目。くしゃくしゃなモノクロ写真のジャケは
   当時あんがい見かけたな。POPチャート3位に上がるヒット作。
   3人組のラップ・グループです。
130・Naughty By Nature:Poverty's Paradise:
   オーソドックスなヒップホップ。今聞くと刺激に欠ける。
   クールなギャングスタ・ラップで、メジャーでも通用するレベルに
   毒をうまく薄めてるが・・・そんなの別にほめ言葉じゃないよね。
   むしろセクシーなスローのほうが今でも楽しめた。

   彼らのデビュー作。チャートはAMPによればPOPチャート24位、
   HIP-HOPチャート8位。あんがい売れてたんだ、この盤。
   1990年に発売された。
129・Digital Underground:Sex Packets:☆☆
   音がスカスカながら、Pファンクの雰囲気をうまく取り入れた
   アルバム作りに好感持てる。でも、次のアルバムを積極的に買いたいとは
   思わない。その程度の評価です。
   もうちょい性急さがラップに欲しい。
   体は揺れるが、じわっと立ち尽くす。

   とりあえず今日は名前だけは聴いたことあるラッパーを買ってきた。
   本作は1991年リリースの4th。チャートアクションを書いておくと、
   POPで72位、HIP-HOPで19位。
128・Kool Moe Dee:Funke Funke Wisdom:☆☆★
   体がくいくいっと動く、フロアにぴったりのパーティ・ラップ。
   西海岸みたいなお気楽じゃない。NYらしく背筋を伸ばし、クールにキメた。
   次々に投げ捨てる歯切れのいいラップと、起伏少なくして
   ツマむビートがかっこいい。

03/5/28   出先でブック・オフを見つけて、ちょっと寄ってみる。

   リリースは1971年。ドイツのプログレバンド、ポポル・ヴーの
   代表作らしい。ぼく、聴くの初めて。タイトルは「ホシアンナ・マントラ」。
   クラシカルな世界観で、アコースティックな世界観を強調してるのかな。
127・Popol Vuh:Hosianna Mantra:☆☆☆
   生楽器による、穏やかで荘厳な雰囲気がなごめる。
   起伏をあえて控えめした。音の積み重ねが、静かで宗教的な空気をかもし出す。
   キリスト教的な堅苦しさはあるが、大きな深呼吸で心を落ち着かせる好盤。
   本作の前はシンセを中心にした電子音楽だったそう。
   極端な変身具合だが、効果は見事に出ている。

   1961年にモンクがヨーロッパ・ツアーした時のライブ盤。
   オリジナルはプレスティッジからだが、ぼくはOJCで購入した。
   ボ-ナスで同日のライブ音源が2曲、追加されている。
   基本はテナーを入れたカルテット編成だ。
126・Thelonious Monk:Monk in france:☆★
   特に破綻のないジャズだな。モンクのファンは聴いて損しないが
   必聴盤とは言いがたい。肩の力が抜け、暖かい音が多い。
   一曲選ぶなら・・・そうだなぁ。"I Mean you"かな。
   途中で音が揺れたり、テープのコンディションもいまいち。
   マスターテープの段階からなの?
   「営業ジャズ」っぽい。モンクらしさはあって、退屈はしない。

03/5/24   CD屋をあれこれまわる。調子にのって買いすぎた。

   メルツバウの"amlux"(2002)をさまざまなミュージシャンがremixした。
   もっともジャケのシールでは「リミックスじゃない。新作品化だ!」と
   主張してるのが可笑しい。秋田昌美も一曲で参加した新譜。
   ほかにはアレックス・エンパイア、アトムハート、マウス・オン・マーズ、
   KK NULLらが参加。2枚組のボリュームだ。
125・V.A:IKEBANA:Merzbow's Amlux Rebuilt,Reuesd,and Recycled:☆☆
   メルツバウを素材として扱ったため、すごく共通項の薄い
   コンピになってしまった。一枚目がテクノ、2枚目がノイズ寄りか。
   けれどメルツバウを完全素材にしたサウンドのほうが面白い。
   それぞれの顔ぶれが、どうメルツバウと対峙したかを味わう盤か。
   メルツバウは"Merzbeat"から"Looping Jane (Beat Mix)"を提供した。
   マスタリングはこっちのほうがいい。音圧がきれいなんだ。

   ルインズ波止場の新譜はずいぶんひさしぶり。
   "RH"(1994)以来のリリースになる(途中に"RH"再発をはさんだが)
   オリジナルのほかに、カバーもいろいろ。
   クラフトワーク「ヨーロッパ特急」やイエスの「危機」のカバー、
   JBの「Sex machine」とクリムゾン「太陽と戦慄part2」の同時演奏など、
   個性的な企画がいっぱい。
   2001/9/7に吉祥寺で行われたライブ音源を基本にオーバーダブしてる。
   ユニオンで買ったら、"Relayer"というVideo-CDがボーナスで着いてきた。
   中身は同日のライブから、4人が楽器を持ち帰る爆笑ものの
   インプロセッション。8分ほど収録。ちょっと画面が小さい・・・。
124・ルインズ波止場:Close to the RH 嬉嬉:☆☆☆★
   ギャグ風のカバーが多いが惑わされるな。タイトな演奏あってこそのサウンドだ。
   イエスのカバーがたぶんメインだが、ぼくはオリジナルの"DSFC"がベストトラック。
   ミニマルかつ高速、さらにハイテンションでしこたま良いです。
   JBとクリムゾンの同時演奏も面白い。ちょっとJB側が単調か。
   こもり気味な録音だし、ちょっと大き目のボリュームで聴いたほうが楽しめる。
   そうそう。「原子心母」のパロとおぼしき表ジャケほか、
   吉田達也の写真をちりばめた、アートワークも見もの。

   鬼怒無月の新譜はアコギによるカバー集。選曲が意外で多彩だ。
   黒いオルフェやGeorgia on my mindがあるかと思えば、
   加藤祟之「皇帝」や板橋文夫「渡良瀬」なども選んでる。
123・鬼怒無月:Quiet Life:☆☆☆★
   テクニックをひけらかさず、指の趣くままソロを発展させる。
   暖かい雰囲気にまどろめる好盤。
   曲によって音質が違って聴こえる。たとえば(5)はあんがいラフ。
   ベスト・テイクは(4)かな。でもどの曲もすばらしい。

   さかなの新譜はマキシ・シングル。ディラン他カバーを3曲収録。
   録音は西脇自身。以前、ライブで限定配布された音源の
   正式リリースだっけな?
122・さかな:One more dollar(single):☆☆☆
   ポコペンのひたむきな歌声にやられます。
   かすかに軋ませた声が、アコギ中心のシンプルなオケへ
   隙間なくピタリと収まった。
   瑞々しいメロディが素晴らしい。3曲だけなんてもったいない。
   からっと情念を絞った雰囲気は、聴いてて元気出てくる。
   テンションを無理やりあげるんじゃない。じわじわっと力を溜める感じ。

   ドイツのテクノ仙人、ナムルック関係を一枚発見。
   クラウス・シュルツと共演盤の3作目になる。
   オリジナルは1995/8/28に限定二千枚でリリースされた。
   ぼくが買ったのはAW盤の再発です。
121・Pete Namlook:The Dark Side of the Moog III:☆☆☆
   アンビエント風に始まり、アップテンポ要素も。ドラマティックで楽しい。
   比較的そっけないイメージがあったナムルックだが、この盤は
   とっつきやすくていい。

   マンハッタンズの再発盤はコロンビア移籍後3枚目、7thのアルバム。
   1976年発売で、ヒット曲"Kiss and Say goodbye"を収録してる。
   デジタルリマスターで、ボーナスに未発表テイクを2曲と
   インタビューをつけてきた。
120・The Manhattanns:The Manhattanns:☆☆★
   ほぼフィラデルフィアのシグマ・サウンドで録音。
   しかしぐっとニューヨークっぽく洗練された音だ。
   甘い歌を歌いつつ、華麗な音像が楽しい。
   テディ・ランダッツォも作曲に加わった(9)をはじめ、
   ドラマティックな曲が多いのが意外だった。

   コステロがスティーブ・ニーヴとデュオのツアーから
   1999/2/19の音源を2枚組にしたブート。完全録音なのかなぁ。
119・Elvis Costello with Steve Nieve:Majestys Pleausure(boot):☆★
   ブートとしては2流。曲間の編集は雑だし、曲によってはヒスノイズが
   頻繁に入る。オリジナルはCTなの?曲毎に違う音質だが、
   複数の音源をまとめたんだろうか?
   演奏はまずまず。弾き語りだと、コステロの節回しって個性的だと
   しみじみ感じた。奔放な選曲は、初期の曲も織り込む。
   コステロの声も出てるようだし、いいライブだと思う。
   だからこそ編集や音質が気になるな。ぶつぶつ。
   ちなみにDisc1にミス見っけ。(11)は"All this useless beauty"。次に"Veronica"が来て、
   全13曲収録されてる。

   ジェネシスの1983年ヒット・アルバム。これ、中学の時に
   リアルタイムで聴いてました。
   "That's all"がめちゃくちゃ好きです。
   当時はプログレ・バンドだなんて、まったく意識してなかったなぁ。
118・Genesis:Genesis:
   良く出来たハード・ポップなのは認める。凝ったアレンジに
   タイトなドラム。今の耳で聴くと、どうにもドラムの音色に
   違和感覚えるが。
   とはいえいまひとつ馴染めない。中途半端だ。
   "that`s all"だけあればいいや。
   かれらがジェネシスたりえた最後の盤だろう。
   このあとフィルの3rdソロを経て、つるつるのポップ路線を迷走、
   今にいたる気がしてならない。

   エルトン・ジョンの旧譜が安かったので3枚買ってきた。
   1970年リリースの3rd。シングルヒットはとくにないかな。
   ボーナスでシングルのB面曲など2曲を所収。
117・Elton John:Tumbleweed Conection:☆☆☆☆
   微妙にトータル・アルバム。
   これはいい。地味ながら練られたアレンジが効果的だ。
   情報量たっぷりに楽器が鳴るのに、上品にまとまってる。
   エルトンのメロディはあくまで優しい。
   セピア色のアメリカをイメージしつつも、ストリングスの締めかたは
   きっちりと英国っぽい。エルトンのハイトーンもよく出てる。
   派手なヒット曲はいらない。傑作だ。

   「ダニエル」「クロコダイル・ロック」を収録してヒットばりばりな
   時期のアルバム。発売は1973年。8thでいいはず。
   ボーナスは4曲を収録。邦題が「ピアニストを撃つな」。
116・Elton John:Don't shoot me I'm only the piano player:☆☆☆★
   なにをやってもいかしてる。波に乗った男の快盤だ。
   彼の歌って、歌詞に鼻歌でメロディつけてるんじゃないか。
   それほどメロディがピタリと歌詞に吸い付いてる。
   メロディは生き生きしてるし、アレンジもがっちり。
   至高の名盤、とまでハマれないにせよアメリカン・ポップスの脳天気さを
   手中に収めた英国ポップの、明確なサンプルだと思う。
   今の耳で聴いたら、バスドラを強調しないぱすぱすしたドラムが新鮮だった。
   エンジニアはケン・スコット。ビートルズを録音した彼かな?
   AMラジオで映えそうなミックスのような気もするが。

   このころのエルトンって向かうところ敵無しな時期か。
   1974年、全米ツアーに先立ってリリースされたそう。
   ボーナスは4曲入ってる。1974年発表。
   タワー・オブ・パワーのホーン隊が数曲で導入された。
115・Elton John:Caribou:
   金をかけたアルバムだと思うが、出来すぎてイヤ。
   どっかに隙が欲しい。売れ線に走っというか・・・。
   タワー・オブ・パワーのファンなので、好意的に聴きたいが、
   彼らの管もとってつけたよう。
   ボーナスの"Pinball Wizzadr"や"Step into christmas"みたいに
   割り切って跳び跳ねた曲のほうが楽しいなぁ。

03/5/23   CD購入&通販到着です。

   遅まきながら買いましたよ、大滝詠一のニュー・シングル。
   内容は文句ないです。アレンジが井上鑑とは知らなかった。
   2ちゃんで盛り上がってたCD-extraは、内容は貴重だけど・・・
   CCCD回避で作った内容って気もするなぁ。
   ハート・ウオーム・ポップです。同収のインストはカラオケでなく、
   string Verです。説明が意味不明かな。
114・大滝詠一:恋する二人(single):☆☆☆★
   心なしか、音域が狭くなったような。低音を巧みに使う
   クルーナー歌唱って大滝ならでは。きっちり構築された
   ナイアガラ・サウンドも文句なし。
   軽快に降り注ぐカスタネットを聞いた瞬間、頬が緩んだ。
   B面のインストも含め、こじんまりしたナイアガラの世界が完結してる。
   アルバム、出ないかなあ。

   地道に活動してる、クレイマーのプロデュース作品ってことで買った。
   これが3rdかな。2001年発売。
   チェロ・ギター・ピアノという変則トリオのスロー・サイケポップ。
   クレイマーは演奏には参加してないものの、ライナーで後姿が映ってます。
   ささやかながら嬉しい。クレジットでクレイマーへ謝辞を捧げてます。
   これはコンビを組んで2作目となるらしいのに。
113・Saeta:Resign to ideal:☆☆
   アレンジはトリッキーっぽいが、さほど胸を打たず。
   メロディが抑え気味なせいかな。
   クラシカルなムードが、重たさを際立たせてしまう。
   せめてボーカルのキーをオクターブ上げてほしかった。

03/5/17   ぷらりとCDをチェック。本格的には来週行く予定だし。
         今日はあくまでおおざっぱに棚を眺めるだけにとどめた。

   ストイックなビートの第一人者、植村昌弘の新作ソロ・アルバム。
   やっと手に入れたぞ。自主制作でいろいろ出してるので、"何作目"と
   いいづらい。ライナーに載った後姿の写真に、こだわりを感じた。
 
   曲は役人シリーズの#8~#12まで、5曲入り。30分弱。
   ミニアルバム的なボリュームだ。
   彼の自主レーベル、無印でもこのくらいの収録時間が多い。
   何か思うところあるんだろうか。リスナーの集中できる時間を意識、とか。
   演奏は全て植村の多重録音。ドラム以外が打ち込みかな。
112・植村昌弘:1999:☆☆☆
   複雑なリズムに最初は圧倒されたが、何度も聴くうちに
   じわじわっと曲の構造が分かって、面白さ倍増。
   といいつつ、まだ構造を語れるほど、わかっちゃいませんが。
   MUMUのレパートリー、「役人#9」も収録。
   収録時間が短いのと、こもり気味な音質はちょと不満。
   タイトなドラミングと緻密な打ち込みに惑わされつつ、
   さりげなくポップなメロディを味わった頃、魅力が増してくる。

   参加ミュージシャンを見て買った。詳細不明だ。1995年発売。
   一音一音、音を載せていくタイプのポップス。
   菊地成孔、今堀恒雄、岡部洋一が3曲で参加してる。
   自作曲が並ぶ中、「サルビアの花」をカバーしてる。
111・あらきなおみ:東京トラッド:
   いわゆるのびのびニューウエーブ。あまりこの手の音は思い入れなし。
   参加のメンツも、いわゆるスタジオ・ミュージシャン的な仕事だから、
   「うまいな~」で終わってしまう。あらきなおみと共演して、
   音に化学変化を起こさせる演奏ってわけじゃない。
   こういうくっきり歌うタイプのボーカルって、苦手なんですよ。

   ヒプノシスがデザインして有名な盤。
   庭園の広場でゴスロリ少女が、水をリボンのように撒き散らす
   ジャケットです。1970年にリリースされた2nd。
110・Trees:On the shore:☆★
   いかにもフェアポート・コンベンション・フォロワーと言ったサウンドだ。
   プログレ風味もあり、アレンジに工夫も試みてるようだが、いかんせん大味。
   何度聴いても、最後まで集中力が続かない。
   それぞれの曲は面白そうなんだが。もうちょいトラッドに詳しくなれば
   楽しみ方が分かるかな。なんとももどかしい盤だ。

   トラッドを電化したと、スコットランドで有名だったらしい。
   本作が4thにあたる。5人組のチェンバー系っぽい音。
   リリースは1975年になる。
109・Horslips:The Unfortunare cup of tea:
   トラッド、プログレ、ブリティッシュロックとさまざまな
   アレンジが顔を出す。それがどれもピントがぼけていまいち。
   彼らは何がやりたいんだろう。いまひとつつかめなかった。
   "Everything will be alright"など、個々でキャッチーな曲はある。

   詳細不明の、トラッド系女性シンガー。
   本作は1989年に発表された1stソロに、1997年のライブ及びデモを
   追加されたリイシュー盤。基調はアコギの弾き語りだが、
   リバーブたんまりのサイケ風音像がたまらない。
108・Vikki Clayton:Honor-Tokened:☆☆☆★
   伸びやかで優しい歌声が素晴らしい。決して押し付けがましくなく、
   そっと切なく歌う。個性がどこかまで聴きこめていない。
   しかしシンプルなバッキングに負けず、まっすぐに立つ歌声は貴重だ。
   トラッドを聴いたことない人でも楽しめます。
   フェアポートのカバー"Crazy Man Michael"を含む、ボーナスのライブも聴きもの。

03/5/14   ほっほっほ。出先から戻るとき、CD屋を発見。
         すささささっと漁って、新譜をいろいろ買ってきた。

   よっしゃー!出たぞ。オークランドのとびきりなファンク集団、
   タワー・オブ・パワーの6年ぶり新作。ベースはちゃんとロッコだ。
   プロデュースはエミリオがやってる。
   ホーンのアレンジに、レニー・ピケットやチェスター・トンプソンといった
   歴代のタワー仲間も参加したぞ。でも演奏には加わってないみたい。
107・Tower of power:Oakland`s own:☆☆☆★
   時が止まったようだ。往年のTOP印がじわりと
   よみがえった。ファンならすごく楽しめる。
   だけどTOPを聴いた事ない人なら、必要ない。
   まさに70年代、全盛期のアルバムを聴いたほうがいい。
   微妙な位置付けのアルバム。ぼくは好き。
   ああ、これでチェスター・トンプスンがいればなー。

   ロナルド&アーニー、二人によるアイズリーの新作。
   前作が売れたせいか2年ぶりと短めなスパンで発売された。
   プロデュースは、あらかたR・ケリーがつとめてる。
106・The Isley brothers:Body kiss:☆☆
   80年代のスローなアイズリーを求める人には好盤だと思う。
   R・ケリーはアイズリーの縮小再生産に徹し、あくまでロナルドを立てる。
   アーニーのギターが聴けるのが、一曲だけってのが寂しい。
   もっとも、手癖でちょろっと弾いてるだけ。たいしたソロじゃないか。
   それぞれの曲は丁寧に作られてる。熱心なアイズリーのファンか、
   まったくアイズリーを知らない人向けかも。
   ぼくみたいに中途半端な「アイズリーかくあるべし」なイメージを
   持ってると、物足りなく聴こえると思う。
   個々の曲は丁寧に作られてる。全編がスロー&ミディアム。
   夜中にじわっと聴くと、寛げます。

   こんなの出てたんですね。知らなかった。ラップ系は情報が
   疎いなぁ、ぼく。
   ウータンの変人、オル・ダーティの新作(2002年発表らしい)。
   ぼくが知る限り、"N★★★a please"ぶりの4年ぶり。
   ・・・思ったよりペースあいてるな。もしかしたら、もう1~2枚
   出てるかもしれない。
   トラックは"タイタニック"がつとめてる。これもウータン一派?
   RZAの名前はどこにも無い。ちぇ。
   お得意のファミリー客演はSuns of men やE-40、Budda Monkなど
   若手連中を呼んでるようだ。
105・Ol`Dirty Bastard:The triales and tribulations of Russell Jones:☆☆
   売れ線ラップのような。ウータンらしい不穏さがほとんど消え、
   耳ざわりのいいラップが多くて拍子抜けだ。
   Sunz of Menが参加し、Blooklyn Zooがプロデュースした
   (12)が雑駁な空気と不穏な匂いがして意外と気にいった。
   RZAゆずりの乾いたハイハットもいい。
   せわしなくオル節で咆える(13)もなかなか。
   全体的には・・・ゆるい。イメチェンではなく、持ち味を生かそうと
   したのに弛緩しちゃった匂いがする。
    いい曲あるのに。詰めが甘いよ。
   そろそろウータン一派は悠悠自適か?

   これのみ通販で購入。今回はなんか知らんけど、あっというまに届いた。
   ジョン・レノンっぽい歌い方が気に入って買った。
   オレゴン州出身かな。いわゆる男性SSWといえばいいんだろうか。
   発売は2001年。オレゴンのインディ・レーベル、ドミンゴからリリース。
104・Fernando:Dreams of the sun and sky:☆☆★
   つかみ所ない面白い音。南部っぽいアプローチのアレンジながら
   からっと涼しげな感触がした。
   スローなテンポをメインに、しみじみドリーミーに歌う。
   ふんだんなリバーブは人工的なのに、アレンジはアコースティックだ。
   メロディも甘く、耳に優しく馴染む。
   こういう音楽が平然とインディな、層の厚さが恐ろしい。
   ジョン・レノンの"Imagine"が好きな人なら楽しめる。間違いない。
   アルバム一枚でイメージを統一してる。トータルアルバムを狙っていなさそう。
   音楽の持ち駒が少ないのかな。

03/5/03   やっと見つけたわい。新譜なのにすぐ手に入らないって悔しいぞ。

   ふちがみとふなとの新譜はオリジナル集。大好きな「お店やさん」を
   収録してくれてむちゃくちゃ嬉しい。
   11曲入りのアルバムに、オマケとして2曲入りシングル。
   ("Try a little tenderness"、"ラモナ"のカバー)
   さらにちいさいシール付と、スライド式に豪華な一枚。
103・ふちがみとふなと:Happy Set:☆☆☆★
   スタイル確立への、自信に満ち溢れたアルバム。安定してる。
   名曲たくさんで、ふちがみの蓮っ葉にぶちかます歌も力強い。
   ふちふなの入門に最適じゃないかな。大傑作だ。
   それにつけてもライブを見たい。
   (2)や(10)はCDだけだと、いまいち主旨がわかんない。

03/5/2   ONJQの新譜を買う予定が、つい他にも目が行ってふらふらと買った。
       サンデイズドからヤングブラッズの再発が4タイトル出たみたい。
       これは買うのガマンしたぞ。えへん。・・・自慢にならんなぁ。

   ONJQの4枚目かな?オオエ・タツヤのリミックス作品。
   グラウンド・ゼロっぽい音だろうか。ある意味これも、
   非常に大友らしい音響作品では。03/1時点の録音なので
   サックスに菊地成孔は参加してます。
102・大友良英New Jazz Quintet:ONJQ+OE:☆☆☆
   OEのトラックにONJQがソロをダビングし、いっぽうOEはONJQの演奏を
   切り刻んでリミックスしてるようだ。
   どちらのトラックも素直な仕上がりで楽しめる。
   音響的なアプローチの大友によるトラックが、
   けだるく漂うONJQの雰囲気にピタリとはまる。
   OEのトラックで、空白の後延々と続く第二部。これも不安定な
   音像と、煙るようなサックスやホーンの音色が
   見事にダンディな世界を作った。
   残念なのは、ひとつのトラックがえらく長いこと。
   適当にトラックを切って欲しかった。
   アナログと違って途中から聴けないCDだから、
    「よし、これから聴くぞ」って、不自然に構えてしまう。

   これは店頭で見つけて目を疑った。探してたんだよ~。現在は廃盤です。
   ONJQにも参加してる名ベーシスト、水谷広明のリーダーアルバム。
   メンバーは外山(ds)、社長(g)、青木泰成(tb)、竹野昌邦(sax)、
   松本健一(sax)とそうそうたる顔ぶれ。
   1997/5/27と8/29にアケタの店でライブ(?)録音。
101・Lowblow:カフェおじさん:☆☆★
   ベースのソロ作品ながら、ほとんど前面に出ない。
   圧倒的にアンサンブル志向の姿勢がすがすがしい。
   きっちりしてて、どこか変。エッジのたったギターを
   滑らかなホーン隊と外山の特異ビートで包む。
   噛み締めるほどに味が出る、そんな盤。
   最終曲のドラマティックな終わり方が印象に残る。

   本盤もアケタ関係。古澤良治郎(ds)と大口純一郎(p)による
   デュオライブから抽出した作品。録音は02/2/23。
   こういうの聴くと、もっとライブへ行きたくなる。生で聴きたいもん。
100・古澤良治郎&大口純一郎デュオ:ライオンのいるふうけい:☆☆☆★
   暖かいコンビネーションが嬉しい。二人の音の隙間にも
   色んな会話が詰っているようだ。
   どちらかといえばフリーに進むが、耳ざわりは優しい。
   ベストテイクは(3)だな。

   板橋文夫が01年夏にナイロビとセイシェルで行ったライブを
   2枚組にまとめたCD。同行者は小山彰太と井野信義。
   ナイロビ編では石川晶のトーキングドラムや、現地のアンサンブルと
   共演、怒涛のリズムを繰り広げてる。
99・板橋文夫:ジャンボ!オブリガード!<ナイロビ&セイシェル編>:☆★
   あえてこの☆をつけたい。何度聴いても音へ入り込めぬ理由をずっと考えてた。
   たぶん録音とマスタリングのせいだろう。大音量で聴くと魅力が分かりやすいな。
   分離も悪く、のぺっとしてダイナミズムがほとんどないんだもの。
   クレジットを見ると、同行したスタッフの手で全てのレコーディング作業が
   済まされている。おそらく記録用のDATから落としたマスターでは。
   きちんとマルチで録られたと考えにくい。
   1枚目は単一ビートを生かし、アフリカン・ビートでぐいぐい押す。
   悪くは無いが、どこか単調に聴こえた。
   いっぽう2枚目はシンプルなトリオ編成。気心知れてるであろう面子による
   極上のグルーヴがゴムのように揺れる。ぼくはこっちにハマった。
   あえて「ファン向けの盤」と書いておく。

   ベースニンジャ、今沢カゲロウが02年にリリースしたアルバム。
   実は本盤だけ、まだ持ってませんでした。
   録音は今沢のソロ演奏のみ。
98・今沢カゲロウ:Ⅱ:
   ダンスビートよりもミニマルに興味を示した一枚。
   単調な出来で、ちとつらい。
   長尺と短い曲の両極端に走り、ほぼメロディもなく淡々と
   ベースが動く。ライブでの躍動性と逆ベクトル。
   試行錯誤の一枚か。

   ダウナーなビートが聴きたくて買ってみた。
   日本のユニットです。本盤が1st。リリースは2002年かな?
97・NUMB:NUMB:☆☆★
   フロアを意識したトラックもあるが、基本はダーク・アンビエント。
   陰のあるビートが淡々と繰り返される。
   単調さよりも、さりげない緊張が産むスリルが凄い。
   もっと聴き込みます。そのたびに世界観がより深くなる。

   いまさらながら買いました。これも未聴だったんです。
   ジム・オルークが友沢ミミヨのおっさんジャケを取り入れた
   有名なアルバム。ボートラ入りの日本盤を購入した。
96・Jim O`Rourke:Eureka:☆☆☆★
   心地よくノイズめいたポップス。
   静かで耳馴染みいいが、タイトル曲を筆頭に
   さりげなくアンビエントな仕掛けを施している。
   仕掛けというより、素直というべきか。
   たぶん寛げるサウンドを目差したら、自然に
   ポップスとノイズが混ざったのでは。
   こういう盤が大評価されるなら、世の中捨てたもんじゃない。
   かすかな毒を舌先にぴりりと感じつつ、静かに味わおう。

03/5/1    通販のCDが到着。えらく長くかかったな。
        なれない英語で、業者へ問い合わせメール書いちゃったよ。

   まずはGbV関連から。
   "Speak Kindly of Your Volunteer Fire Department"(1999)に続く、
   ダグ・ギラードとコラボ盤の新譜。今度はユニット名がついたみたい。
95・Lifeguards:Mist king urth:☆☆★
   きっちりオケを練りこみ(ダグ担当)、メロディも多彩に決める(ボブ担当)。
   ふたりの才能が両立したことで、まとまりある佳作に仕上がった。
   バンド色よりスタジオ路線を追及した一枚。
   GbVファンへの、ごほうびサイド・プロジェクトってとこか。
   このバンドで天下を取ろう、って意欲までは感じない。
   単純に音楽を楽しんでるようすが伝わる。
   貪欲さに欠ける良さは、GbVのファンなら楽しめる。しかし一般性はないかなぁ。
   GbVを知らない人へ薦めづらいが、それぞれの曲は悪くないよ。

   トビンのソロ名義。デモの編集盤を除けば、
   "Let`s Welcome the Circus People"(1999)ぶりかな。
94・Tobin Sprout:Lost Planets & Phantom Voices:☆☆☆★
   多重録音にありがちな密室性はあるけど、さほど押し付けがましくない。
   かなり軽やかにサイケ・ポップを繰り出してくる。
   もしかしたら寄せ集めのアルバムかもしれないが、統一感あり
   一枚を自然に聴きとおせる。
   耳ざわりもいいし、好盤。ちょいと小粒なとこが難点か。

   こっちは別の業者から。サンプルCD聴いて気にいったのを注文した。
   クレイマーがプロデュースしたCDを注文したら在庫切れだって。ちぇ。
   3人組のロックバンド。爽やかな"End of the World"って曲が気にいった。
   今年のリリースで、インディ"Thursday Morning"からの発売。
   出身はニューヨークかな。
93・The Dent:Farewell:☆☆★
   キャッチーなメロディをもったバンドだと思う。だけどハイトーンを上手く生かし
   ビートを効かせた曲は、なんだか暑苦しい。
   15年前に聴いたらハマってたろう。すっかり耳がスレてしまった今、
   むしろもっとパーソナルなアレンジのほうが素直に聴けた。
   もともと(3)のポップさが気に入って買った盤だが、
   今では(8)のカントリーっぽい曲のほうが名曲だって感じる。

   "Trouble"って曲がキュートだな、と思って注文。彼女もニューヨークで
   録音してる。2002年のリリース。
92・Rachael Sage:Illusion`s Carnival:☆☆★
   アレンジが手馴れすぎてて、陳腐に聴こえてしまいそう。
   よけいな装飾せずとも、ピアノと歌だけでも成立しそうな音楽。
   しっとり系のポップスに仕立ててるが、あんがい癖がある。
   いまいち前へ進む躍動感に欠けるんだよな。
   独特の間が彼女の個性っぽい。絶妙のブレイクだ。
   喉を詰めて歌うところはケイト・ブッシュの影響か。
   そんな彼女の個性が出たのが(2)。これは聴く価値有り。
   (15)はジャケだとボーナスになってる。内ジャケにきちんと
   クレジットされてるが、何で(15)だけ特別扱いなんだろう。

2003年4月

03/4/29   メルツバウを新譜中心にあれこれ購入。しかしこれでも
       まだまだ買ってない新譜あるんだよなぁ。

   孔雀鳩“むねみ”をテーマにしたアルバム。02年9月にカナダでの
   ライブをボートラで収録している。告知は02年からされていたが
   リリースは03年になってから。
91・Merzbow:Fantail:☆☆☆★
   でかい音と小さい音、ボリュームつまみをひねるだけで音の表情が変わる。
   緊張感あるノイズを楽しめる快盤。
   最後に収録されたライブ・テイクの張り詰めた空気がたまらなく良かった。

   01年にアナログのみ限定千枚でリリースされた盤に、丸ごと一枚分
   ボーナスをつけ、CD2枚組で03年にリイシュー。
   ビデオやスクリーンセーバーもオマケでついてる模様。
90・Merzbow:Frog+:☆☆
   電子動物の鳴き声を挟みつつ、コラージュ的にまとめた。日本語のタイトルは
   俳句に通じるわびさびを狙ったか。ハーシュでありつつも、かなりすっきりした
   音作り。スペイシーながらも緻密な多層構造は控えた。
   肩の力を抜き、ノイズとまったり戯れた一枚。ループを多用してる。

   昨年末だったかな?六本木にある森美術館の開館記念ライブで
   配布されたCD。メルツバウは1曲を提供(たぶん新曲。クレジットなし)
89・V.A.:Open mind:☆★
   エレクトロよりの作品が多く、ハーシュはなし。
   ミニマルな電子音楽は、寛ぎながら聴けた。
   特に気にいったのが、miroqueのキュートな電子作品。なごめます。

   94年にリリースされたシングルに、18分のボートラをつけた
   99年のリイシュー盤。ジャケ無しだがとりあえず購入。
88・Merzbow with Cock E.S.P.:Music For Man With No Name(EP)☆★
   Cock E.S.P.が煮え切らないせいか、中途半端な仕上がり。
   メルツバウのハーシュは情報量が豊富で面白いのに。
   3曲目のボーナス目当てで聴いたほうがよさそうだ。

03/4/21   通販でCDが到着~。

   フリージャズの三世代から一人づつピックアップしたセッションがこれ。
   メンバーは豊住芳三郎(ds)+林栄一(as)+大友良英(g、tt)だ。
   本盤で初めて共演するそう。
   わずか2日間で録音され、レーベル初の2枚組となった。
   大友良英はギターだけでなく、ターンテーブルも演奏してる。
   長尺曲でなく、数分の短めな曲を多数、といった形式。
87・hayasi+otomo+toyozumi:The crushed pellet:☆☆
   ひたすら緊張する演奏。
   長丁場の即興にせず、大友のttやgなど持ち替えも含め、短めの曲群にした
   構成は評価する。もしこれ一曲だと、すさまじく重たいアルバムに
   なってたと思う。それでも通して聴くには勇気がいる。
   メロディもリズムも拒否し、混沌さにこだわった一枚。
   ある種、ルーツ帰りのフリージャズかもしれない。

   上の盤をレーベルから直接買いしたときにつくボーナストラック。
   本曲とあわせると、このセッションで録音された
   全ての音源を網羅できるそう。
86・hayasi+otomo+toyozumi:the blue pollen:☆☆
   このセッション唯一のアウトテイクは、林がサックスを
   静かに軋ませ、大友がttで針音っぽいノイズをつけくわえる
   抽象的な曲。アルバム全体に言える事だが、特にメリハリをつけず
   淡々と音を重ね、いつのまにか収斂する。

03/4/19   ふちがみとふなとの新譜を探してレコ屋へ。うーん、見つからない。

   ジョン・ゾーン関連の新譜は2枚組。彼のユニット、MASADAの
   レパートリーを、NYの曲者ミュージシャンらがカバーする企画の
   第二弾です。今度は各々自由にカバーしてるみたい。
   有名どころだとMMWやマイク・パットンってとこか。
   それよりなにより、ぼくはクレイマーが一曲参加してるのが
   すっげえ嬉しい。ここんとこずいぶん仕事してるなぁ。
85・V.A.:Voices in the wilderness:☆☆
   上品なMASADA。"Bar Kokbba"のコンセプトを拡大したといおうか。
   チェンバーものが好きな人やエキゾチックなものが好きなひとには
   薦められる。が、スリルを求めるにはちと辛い。
   きっちり構築されたアンサンブルが持つ、しなやかな緊張感はあるんだが。

   この盤のみ、ライブの物販で購入。
   3人組になった新生Art souce villageの第二弾シングル。
   今回もすごくきれいな写真がジャケットです。
   こういう写真、どうやって撮るんだろう。
84・Art souce village:(no title):☆☆☆★
   インスト部分の比率が上がり、よりアンビエント・テクノ色が強くなった。
   キュートでリバーブたっぷりなボーカルは健在。
   ミニマル風に同じフレーズを繰り返しつつ、ゆったりと音像が変わる。
   きれいで浮遊感あるメロディを使うなあ。

   清水一登、鬼怒南月、芳垣安洋のユニット、オパビニアの
   1stがついに出た。ライブを今まで聴きそびれてたので
   すごく嬉しい。ゲストで向島ゆり子(vln)が参加。
   ユニオンで買ったら、オマケのCD-Rが付いてきました。
   盤面に何も記載なく、どういう素性の演奏か謎です。
   デジパック仕様で帯を入れる場所がない・・・。
83・オパビニア:Opabinia:
   音楽的に複雑なのは分かるが、どうも素直に馴染めない。
   もうちょっと毒があるほうが、ぼくの好み。
   ライブを聴いたら、たぶん印象は変わると思う。CDではこじんまりさが先立っちゃって。
   (4)のふわんとした空気がすごく気になった。
   オマケはライブ音源かな。約10分。肉体的でこっちの演奏は好き。

   ずいぶんひさびさ。まだ活動してて嬉しいぞ。
   キザイアの新譜がリリースされました。邦盤は一曲ボーナス付
   だったが、CCCDだったので迷わず外盤を買った。
   ・・・と思ったら。外盤もCCCDだ。ちぇ。
   トレードマークな帽子は今回もきっちりかぶってます。
82・Keziah Jones:Black Orpheus:☆☆☆
   鋭いホーンに乾いたギター。初期のとんがったキザイアが
   聴ける、好盤だと思う。だけどCCCDなので、つい聴く気になれず。
   これはキザイアに何の罪もないんだが。
   変な話だが、通常盤ならもっと愛聴してた。別にびくびくする必要ないんだが、
   ついCCCDだと、デッキへ入れるの億劫になっちゃう。

   なんとなくジャケ買いです。LAのアンダーグラウンド・ヒップホップ
   らしい。フリージャズやクラシックをサンプリングしてる模様。
   日本流通盤を買ったが、対訳のみでライナーがないや。ちぇ。
   MCエイウォール・ワンとダディ・ケヴが参加してる・・・と
   ありますが、詳しくなくてどういう素性かわかりません。すまん。
81・Awol One and Daddy Kev:Slanguage:
   中途半端。ぼくの聴きたい音楽じゃなさそう。
   ダンサブルでもなく、ノイジーなわけでもなく。
   クラシックやフリージャズをサンプリングしてるが、
   どうにも煮え切らないトラックが淡々と続く。
   帯には「大胆なアヴァン・ヒップホップ」とあるが、前衛って言葉は
   もっと激しいアイディアに使って欲しいな。

03/4/13   ライブの物販で購入。

   東京の5人組バンド。静かな音を積み重ね、じわっと盛り上がる
   プログレっぽいサウンド。本人らのHPはここ
80・Sequence Pulse:Deep in my red eyes:☆☆☆
   即興要素がないゆえに親しみやすい。雄大な景色が重厚に広がる。
   宇宙小説を読んでたら、ぴたっと世界観がはまって気持ちよかった。
   ハイハットの開き方一つまで丁寧にアレンジされている。
   惜しむらくはマスタリング。ヌケがいい音だと、さらに魅力が増すと思う。
   いわゆる音響系が好きな人におすすめ。

03/4/12   あちこちレコ堀り。気がついたら買ってたなぁ。
        普段行かないレコ屋は、やはり品揃えが違って新鮮だ。

   ドイツのテクノ仙人、ピート・ナムルックの盤はほんとに見かけない。
   通販だと高いし、どうしよっかなと思ってたら、とりあえずHMV渋谷で
   さくっと発見。ここで売ってたのか。盲点だったぜ。

   テツ・イノウエとのコラボ・シリーズの第一弾になる。
   1993年11月29日発売で、fax原盤は限定500枚。
   ぼくが買ったのはAW版で、限定じゃないほう。
79・Pete Namlook & Tetsu Inoue:Shades of Orion:☆☆
   うねるビートが心地よい。ミニマルっぽいが、明確なダンスへの
   意志を感じる。ほんのり、かすかに、メロディがささやかに動く。

   発信音テクノがコンセプトだっけな?
   2002年4月15日発売、fax盤で限定2000枚。
78・Pete Namlook:Syn II:☆☆☆
   アンビエント系の好盤。ちょこちょこ音像が変わって飽きない。
   構成がものたりない。どうせなら最初に短い曲をもってくれば
   いいのに。次第に小品となる逆スライドな編成で、聴いててあっけなさが。

   2年前のfax盤なんてまだ売ってるんだ。すごいな。
   アトム・ハート(ここではATOMと表記)とのコラボの第5弾。
   2000年4月10日発売。fax盤はこれまた限定2000枚。
77・Pete Namlook:Jet Chamber V :☆☆☆
   ストイックなミニマル・テクノ。淡々と続くパルスに怖くなった。
   スピーカーに相対せずBGM的に聴いてたら、ぐっと音が
   リアルに迫ってきた。音像はシンプルだが、聴き応えあるな。

   ジョー・ジャクソンが完全復活か。げそげそに痩せた表情が
   すごく痛々しいんだが。
   "Volume4"ってタイトルは、
   "Live in New YorK"(2000)
   "Night and day 2"(2000)
   "Tow Rainy Nights"(2001)
   とつづいたリリースにかけているんだろうか。

   これは「BEAT CRAZY」を作った、ジョー・ジャクソンバンドの
   (ヴィニー・ズモらがいたバンドじゃなく、グラハム・メイビーらのほう)
   の復活として製作された新譜。前作に比べ、音が生き生きしてる。
   初回限定版を購入した。ボーナスとして過去のレパートリーを
   6曲演奏したライブ(2002/9にロンドンやポーツマスにて)を収録。
76・Joe Jackson Band:Volume 4:☆☆☆★
   これ、かっこいい!"Beat Crazy"の直後に発表されても違和感なさそう。
   特にジョーは、このあとがんすか老成したし。
   いや、いくらなんでもオーバーか。"Big world"のアウトテイクと
   言ってもおかしくない、ってくらいにしとこう。
   低迷期も何のその。最近のリハビリ的な数枚を元に
   とんがったニューウエーブ野郎として息を吹き返した模様。
   難点は時代との接点をまったく感じさせないところ。
   だけどメロディラインもなかなか聴かせる曲が多い。
   このままストレートに伸び上がって欲しいぞ。
   ボーナスのライブテイクも出来はまずまず。
   同窓会気分はカケラもなく、ひりひりと突っ走る。

   こいつはブートです。けっこう音がいい。ラジオ音源かな?
   1999年7月9日にドイツのローレライ(?)でのライブだ。
   時期から言って"Back on top"ツアーだと思うが、バックメンバーは
   一部CDとは相違あり。
   2枚組だが全15曲って曲目から見て、たぶん非完全収録でしょう。
   フレッド・ウエズリーがトロンボーンで参加してる。
75・Van Morrison:LIVE in 1999 ☆★
   音質はオフィシャル並。マスタリングがちと平板だが。
   編集が雑だ。disc1の(1)は未収録。
   演奏は可もなく不可もなく。積極的に聴く音源ではない。
   マニア向けってとこか。
   聴きどころは"Centerpiece"での、へなへなまったりな
   JBの"Sex machine"のカバー。
   演奏は後半が良い。ラスト3曲のじわっとした昂揚にしみた。

   今を去ること20年前。灰野敬二が単身ニューヨークへ渡り、
   L.A.F.M.Sとフリー・セッションをしていた。
   そのときの音源が存在してたらしく、つい最近(CDには2001年とあるな)  
   ひょこんっとリリースされた。うおー。
   灰野はエレキギターを弾いている。
74・Doo-Dooettes+灰野敬二+Rick Potts:Free Rock:☆☆★
   サンプリングっぽいフレーズは、LPのスクラッチかな?
   20年前の録音といえば大層だが、冷静に考えたら82年。
   すでに導入されてておかしくない。
   完全即興といいつつも、互いの音を聴きつつ演奏だから
   微妙に構成されたノリが味わえる。
   灰野らしい世界観は控えめか。むしろバンドとしての
   一体化したサウンドを味わいたい盤だ。
   マスタリングがこもってるかな、と思ったが。
   ボリューム上げたらだいぶ違う。

   G Loveのシングルを一枚。
   1997年の名盤"Year,its that easy"から切られた。
   アメリカのシングルらしいが「CD1」の文字が・・・2もあるのかな?
   リミックスが一曲と、"Thes ain`t living","Tonight`s the night"の
   ライブテイクを収録。(97年にカリフォルニアでのテイク)
73・G Love and Special Sauce:Stepping Stone ☆☆
   リミックスはピッチを落としてルーズさを出したか。
   バックのリズムもいじってるっぽいな。ギターソロが映えるテイクだ。
   だけどこのシングルの聴き所は、やっぱりライブテイクだろ。
   テンションゆるめは(3)。ミドルテンポでたゆたう。ビールが似合いそう。
   一転してぐいぐいファンキーにまくし立てる(4)もなかなか。

   なんだこりゃ?謎の一枚。何かいてない紙ジャケにEpicのロゴが入った
   CD-R。裏には曲順と手書きのコメントが。
   ひょっとしてブートのライブ盤?と期待して買った。
   中身はどうやら "The Electric mile"(2001)と同じみたい。
   ただし曲順がちとちがい、"Sara`s song"の前にオリジナルには未収録の
   "Hammer"がはいる、14曲仕様になっている。
   邦盤に"Hammer"はボートラで入ったので、希少価値はないが。
   日本の試聴版か、DJコピーのCD-Rかな?
72・G Love & Special Sauce:The Electric mile
   ミックス違いがあるか、細かく聞分けてはいない。
   じっくり楽しみますかね。なんとなく音が軽い気もする。

03/4/5   休日出勤のストレス解消に、ひさびさにジャケ買いをしてきた。

   元GbVのトビンが昨年リリースしたEP盤。ソロ名義ながら
   いつもの多重録音でなく、eysinweaselのメンバーも参加してる。
   ジャケも自作の絵じゃないし。なんだかロバートのソロを買った気分だ。
71・Tobin Sprout:Sentimental Stations:☆☆★
   音もジャケもシンプルなつくりで、デモテープ集のような趣あり。
   さらっときれいなメロディのポップスが出てくるあたり、
   さすがはトビン。特に好きなのは(5)。甘いコーラスがよいです。

   この盤だけ、通販で買った。
   もろに新世代のジャズだ。というよりジャム・バンド系か。
   MM&Wに影響受けていそう・・・。
   録音はイギリス。プロデュースがソウル・コフィングなどを手がけた
   かのチャド・ブレイク。
   カバーとしてニルヴァーナの"Smells like teen spirit"や
   ブロンディの"Heart of glass"。
   かなり「ジャズ」ってイメージとかけ離れた、ピアノトリオです。
70・The Bad Plus:These are the vistas:☆☆★
   メンバー写真を見る限り、全員白人かな。
   音が若い。酒場じゃ、クラブを通過したジャズって感触だ。
   おしゃれにツンとすまさず、アグレッシブなとこはジャム・バンドの
   方向性を連想した。
   横揺れじゃなく、縦揺れのグルーヴを感じる。
   シンバルがツンツクって、ちょいと奇妙なタイミングで刻むせいか。
   音はピアノが目立つが、ドラムのほうが面白いこと叩いてるようだ。
   ちなみにドラマーはDavid King。経歴は不明です。

   クワイアなのに日本でけっこう人気あるよなぁ。めずらしや。
   リリースは去年かな?サウンズ・オブ・ブラックネスの新譜です。
   今回は五部の組曲形式になってる。長いなぁ。
69・The Sounds of Blackness:Soul Symphony:
   よく練られたアルバムだと思う。が、ダビングを繰り返したような
   妙なちぐはぐさをしみじみ感じた。作り物っぽい。
   クワイアは打ち込みって似あわないのかな。彼らのアルバムも、
   1st~2ndまでは派手で面白かったのに。
   今となっては大作主義の重苦しさが鼻につく。
   しかし何もクラプトンをカバーしなくたって。
   ゴスペルのスタンダードで、もっといい曲一杯あるじゃん。

   アース・ウインド・ファイアの全盛期、79~80年頃のライブらしい。
   もち、初リリース。
   彼らの自主レーベル、カリンバよりリリースされた。
   なぜ今リリースされたかは謎だ。でもかっこいいから、いっか。
   EWF名義なのは・・・契約の関係で?
68・EWF:Live in Rio:☆★
   タイトな演奏が延々と続く。それぞれテンションは高い好演だが、
   あまりに一本調子で、アルバム全部聴いてたら眠くなる。
   タイト極まりないホーン隊の演奏がすごいな。
   隙がぜんぜんない。この頃のライブはピラミッドうんぬんの
   派手な演出あると聴いてたが、音だけだとよくわからなかった。
   擬似ライブかと誤解するほどに、MCもなく進行する。
   ブラジルでのライブだから、演奏に徹したか?

   1969年にリリースされた、ソフト・ロック。
   70年代のビーチ・ボーイズっぽい音だが、そこそこ楽しめそう。
   イギリスのマニアックなレーベル、Rev-olaよりリイシューされた。
   シングル・テイクやらで8曲もボートラを収録。おみごと。
67・Mark Eric:A midsummer`s day dream:☆☆☆☆
   なんで売れなかったのかさっぱりわからない。極上のソフト・ロックだ。
   曲は70年代のBBをちょろっとモディファイした感じ。
   オリジナリティには欠けるが、丁寧に作られてる。
   演奏も悪くない。ベースのフレーズがかっこいいぞ。
   ほんのり鼻声で甘い歌声は、多重録音コーラスにもはまってる。
   ソフト・ロック好きにはおすすめです。なんでもっと売れなかったのか。

   今日はテクノが聴きたい気分。
   これはゴアの代表的レーベル、TIPのコンピらしい。2枚組。
66・V.A.:Tip,The story:☆☆★
   冷静に分析しながらでなく、単純に頭をハッピーにさせて
   聴く音楽。ライナーをぱらぱら読んだが、本レーベルの代表曲は
   あんがい盛り込んでるらしい。
   この手の盤には珍しく、曲間に1秒くらいブランクを設けてる。
   どの曲もフロア向け。部屋で聴いてると退屈になる時も。
   ただし目を閉じて身体を揺らしてたら気持ちいいぞ。
   ほんとはこの音、できるだけでかい音で聴きたい。

   なんも予備知識なし。ピンクの背景にキーボードのイラスト。
   妙に気になって買ってみた。
   ドイツのミュージシャンかな?詳細不明です。
   クレジットも全部ドイツ語(たぶん)だし。
   打ち込みのリズムは軽快だが、フロアでなくホーム・リスニング向けっぽい。 
65・Peter F Spiess:Cristal Polymorphs:☆☆☆☆
    クリックみたいな音色が中心な、隙間の多いテクノ。
   ほのかなメロディも効果的。低音が効いてるしフロアで使うことを
   前提だとしても、充分部屋で楽しめる構成。
   クールなまなざしで淡々とビートを重ねるセンスが素晴らしい。
   ピアノトリオのジャズっぽいセンスな(6)が面白いぞっ。

   安っぽいジャケが妙に気になって買った。
   打ち込み中心で、女性ボーカルのファンクらしい。
   なんかうさんくさそう・・・。
   作曲はスティーブン・グリーンベルグとあるが、どこか
   聴き覚えあるメロディだ。
64・Lipps,Inc.:Funkytown:
   うわー・・・。失敗した。
   最後まで聴きとおすのが苦痛なアルバムだ。
   やすっぽいシンセの音色にまずめげ、さらに愛情の感じられない
   音作りにげそっとなる。BGM用なのかな。ぼくは聴きたくないが。
   プリンスっぽい(8)がいくぶんマシ。シンセの絡み方と、
   ハーモニーのかぶせ方がほんのり似てる。が、まったくグルーヴしない。
   一回聴けば十分。何度か繰り返し聴いたが・・・辛いわ。処分盤決定です。

2003年3月

03/3/29   ライブの物販で購入~。

   若手ギターポップのバンドを集めたイベントを定期的に行う"Natural Gift"が、
   関係するバンドを紹介するサンプラーの2ndをリリースした。
   全8曲。今日見たライブに出てたYoung Tongueも1曲参加してる。
63・V.A.:Natural Gift sampler vol.02:☆☆
   からっとしたギター・ロックがテーマだろうか。ngの側面のひとつ、
   アヴァン・サイケ色は控えめ。Thurstonの曲がとても好き。
   ステイシーや、youhei nagase、すみれなどもインパクトあった。

03/3/21   ライブへ行く前、さくっとCD屋をチェック。やっと買えたぞ。
   
   やったやった~!待ちかねたぜ、まったく。
   NYの鬼才、クレイマーの5年ぶりソロ。
   大リーグのハンク・ゲーリックに捧げたインスト集で、
   演奏は全て彼の多重録音。
   録音はもっちろん、復活したノイズ・ニューヨーク!
   01年にオフオフ・ブロードウェイにて上演されたミュージカル、
   "Carl the Second"使用曲も収録。
  (クレイマーが音楽監督を務めたらしい)
62・Krammer:The Greenberg Variations:☆★
   いまひとつコンセプトがつかめないアルバム。バロックをやりたいなら
   ちと感情こもりすぎ。カンタベリーのチェンバーがターゲットなら
   少々単調にすぎると思う。そもそも多重録音では狙いが逆では。
   おなじみのクレイマー・サウンドにしても毒が足りないし。
   曲によっては切なさがにじむ、クレイマー風サイケが聴ける。
   が、アルバム全体としては期待はずれか。むー。彼のボーカルがあれば
   もうちょっと引っかかりのある盤になったと思う。

   リマスター化がここまで及ぶとは。
   80年代に一世を風靡したオーストラリアのバンド、
   メン・アット・ワークの1st/2ndがボートラ付で再発された。
   ぼくはこのバンド、むちゃくちゃファンだしすごく嬉しい。

   1981年にリリースされた1st。「ノックは夜中に」や「ダウンアンダー」が
   大ヒットした。実はこれ、CDもってないからひさびさに聴く。
   ボートラはライブ2曲(1996年発売の"Brazil"より)と
   シングルのB面曲が2曲。
61・Men at Work:Business as usual:☆☆☆★
   あらためてじっくり聴いたが、この時点ではいかにもB級ガレージバンド。
   ニューウエーブやレゲエを取り入れ、とっちらかってる。でも疾走感がいいぞ。
   もっと耳ざわりの硬い80年代サウンド、ってイメージだったが、
   今回は自然な響きが印象に残った。
   コリン・ヘイのワンマンぶりもさほど目立たない。
   むしろほんのりサイケ風味が印象的な"Down by the sea"が
   メンバーの共作と知って驚いた。
   この路線を追求したら、いいバンドになったろうに。
   実際はいきなり大売れで、ツアー続きのストレスに押しつぶされ、
   擬似的な原点回帰の次作を作ったあと、分裂してしまう。
   なお。リマスター盤としてはありがたみが薄いなぁ。
   もうちょい珍しい曲が欲しかった。

   ぼくにとっては至高の名盤。何度聴き返したことか。
   1982年の2ndだが、ビジネス的にはさほどじゃないはず。
   シングルもずいぶん切られたが、ヒットしたのは「オーバーキル」くらい。
   こじんまりしたサウンドで、すごく充実してる。必聴だ。
   ボートラが5曲入り。B面3曲とライブが2曲。完全未発表曲はなし。
   この盤を製作した頃は予算たんまりあったはず。
   アウトテイクごろごろでも、おかしくないんだが。
60・Men at Work:Cargo:☆☆☆☆☆
   ガレージロック・バンドっぽさを的確に録音し、コリンらがつくる
   メロディーもひとひねりして面白い。
   リマスターでぐっと音が力強くなった。
   コリンのファルセット一歩手前な、ハイトーンがきれいだ。
   彼らの最高傑作だと思う。3枚しかアルバム出してませんが。
   シングルB面を中心にしたボートラも楽しめる。
   が、どうせなら初発音源も要れて欲しかった。

     ネット通販でルーのCDが2種、到着。

   ルーの最新作。限定2枚組のほうを買った。
   冗長になってないかが鍵です。
   E・A・ポーに触発された作品らしい。ゲストはローリー・アンダーソンら。
   Blind boys of Alabamaがゲスト参加してて、へーっと思った。
   まだ活動してるんだ。ゴスペルグループは息が長い。
59・Lou Reed:Raven:☆☆☆
   もしあなたがルーの熱狂的ファンじゃないなら。
   二枚組じゃなく一枚物を買ったほうがいい。
   ほぼ無伴奏の語りは冗長。朗読だったり、ドラマ仕立てだったり。
   内容わからないとさっぱり間が持たない。
   それよりルーのエレキギターをはじめとする、ロックを聴きたいよ。
   本人が豪語するだけある。すごく迫力あって痛快に鳴ってる。
   前作よりぐっとエレキギターに艶が出た。
   二枚組こそが、本作のオリジナルだろう。
   英語が分からず聴いても、本質が分からないのか・・・とひさびさに悩んだ。
   もしぼくが一枚物を買ったら、☆はもう一つ増えてた。
   
   3枚組で1800円。安さに惹かれて、つい買っちゃった。
   UKで02年にリリースされたRCA時代(両方)のコンピです。
   ルーの概況把握にちょうどいいや。・・・なんて書いたら、
   力いっぱい負け惜しみですな。
   発表年や収録アルバムもクレジットがない、廉価版のダメダメ盤で
   リマスタリングもとくにほどこしてなさそう。
   目玉は数曲のレア音源。"Saly cant` dance"の7"verと、同時期の
   アウトテイクが一曲。
   それと"Cony Island baby"時のシングルB面曲・・ってとこか。
58・Lou Reed:Legendary:☆☆
   ルーの入門編にはいいんじゃないか。安いし。
   のぺっとしたマスタリングがいまいちだが、選曲も悪くない。
   メロディアスな曲を書いてきたんだな、と改めて実感。

03/3/15   体力ヘロヘロだが、ストレス解消にレコ屋まわり。
        あんがい収穫多かったぞ。

   わーい。今これ、廃盤のはず。ひょこっと中古で見つけた。
   ニュー・ウエーブにジョーがこだわった傑作で、ぼくの大好きな一枚。
   アナログしか持っておらず、ぜひCDで聴きたかった。
   1980年に発売。そろそろボートラ付でリリースされてもおかしくない。
   買ったのはいつCD化かクレジットなし。マスタリングはそこそこです。
   名曲"One to one","Someone up there"などを収録。
57・Joe Jackson:Beat Crazy:☆☆☆☆
   小生意気につっぱった、ジョーのいきがりがうまく出た。
   メロディもシャープだし、スカを取り入れたニューウエーブっぷりも
   びしっと決まった。廃盤だが、もっと評価されるべき一枚。
   ダンディを気取って、尖った男たちの風が駆け抜ける。

   1998年にアメリカでリリースされたアルバム。当時買いそびれてたから
   見つかって嬉しいや。ル・オルメ、フォルムラ・トゥレなどをサンプルして
   作った「電子Rock」作品、と秋田昌美は定義した。
56・Merzbow:Aqua Necromancer☆★
   小品っぽい印象あり。サンプリングを多用して、後のメルツバウが
   多用する作品のさきがけと言える。
   ネタをしってたらもっと楽しめる盤だ。

   トラッドを2枚購入。このジャンル、興味あるんだけど
   いったいどこから聴いたらいいのやら。

   新譜なのに異様に安かった。1300円くらい。
   1969年発売の4thで、代表作らしい。
   これは02年再発盤で、ボーナスが2曲入ってる。
   サンディ・デニーが歌うverの"Sir Patrick Spens"と
   "Quiet joys of brotherhood"の1stテイク。
   うーむ。ありがたみがピンとこず。知識不足だなぁ。
55・Fairport Convention:Liege & Lief:
   今は2003年。「電気仕立てのトラッド」ってのはめずらしくもない。
   その前提で聴く僕の耳に、本作の革新性が伝わらない。すでにその時点で
   この盤の価値を見誤ってると思う。
   だがそれを差っぴいても、いまひとつ馴染みにくい盤だった。
   なによりサンディ・デニーの一本調子なハイトーンが耳ざわりだ。
   演奏が大味なのは時代的にしかたないのか。マタックスのドラムがもうちょいタイトだったらな。
   トラッドよりも自作曲のほうが、肩から力が抜けて聞こえた。
   ベストは(9)。つぎに(4)か。
   トラッドでは(6)が爽やかでいいぞ。
    むしろボーナスのほうが素朴で生き生きしてる。

   こちらはシャーリー・コリンズの5thにあたり、1968年にリリース。
   収録曲は全曲トラッドで、姉のドリー・コリンズがサポートした。
54・Shirley Collins:The power of the true love knot:☆☆☆★
   簡素なバックの演奏にのって、のびのびと歌う。
   歌い方が一本調子なのはメロディのせいか。
   うーん、どうもトラッドは、この高音一本調子に慣れない。
   はまったら、ずぶずぶだと思うのに。
   曲によってアレンジを変え、単調になるのを防いでる。
   地味ながらしみじみ味わえる、こういう盤のほうが好き。
   
   安売りしてたので、ひさびさにブートを買ってみた。

   プリンスがヨーロッパで行った「Act 2」のアフターショー音源。
   クレジットには1993/8/23にバルセロナで録音とある。
   音質はぼくの基準でB-。
   「Honky tonk woman」や「監獄ロック」をカバーしてるが、ほんの一節だけ。
   ジャケットに書かれた「無断複製禁止」のクレジットがお笑いぐさ。
53・Prince:I`ve got 2 sides <boot>:☆☆☆
   観客のチャットが耳につくが、臨場感を増す効果だろう。
   音の分離もかなりいい。途中で若干の音揺れあり。
   演奏がノッてて聴き応えある。ファンクな"Race"や"Come"は
   曲の魅力を再発見。
   プリンスのギターソロもかなり聴ける。おすすめ。

   これはアメリカでの「Act 1」音源のアフターショー。1993/4/12に
   サンフランシスコにて、とある。4/11の間違いでは?
   音質がかなり気色悪い。ぼくの基準でC+。
   テープの逆回転みたいに聴こえるのはなぜだろう。
   Tower of powerの"What is hip?"をカバーしてる。
52・Prince:Dna Lounge aftershow <boot>:
   かなり音がひどい。ヒスノイズは無いし、ボーカルの音はまあまあだが
   バックの演奏がふにゃふにゃな音。波打つ音像に気色悪いったら。
   演奏がまずまずなだけによけい惜しい。
   ファンキーなジャムも生き生きしてるし、いい音で聴いたら
   好ライブだと思う。

   94/2/10にミネアポリスでのライブを収録。
    "The Gold Experience"ツアーの音源らしい。
   カバーとしてレイ・チャールズ"What`d I say"を演奏した。
   CD一枚ものだけど、ライブの一部を抜粋してるのかな。
   SBで音質良好、録音レベルは低いけど、いちおうAクラス。
51・Prince:Minneapolis <boot>:
   音質はマシなほうだが、肝心の演奏がつまらない。
   とくに盛り上がることなく、淡々と過ぎてしまう。
   比較的ましなのがジャムかなあ。

03/3/8   あらかたセコハンで購入。日記にも書いたが、同一盤でさまざまな
       種類の盤が並んでて、どれを買うか迷う。

   鬼怒無月率いるギタートリオの3rdが出た。
   ドラムが田中栄二に変わって、初のCDになる。
   田中も早川岳晴や鬼怒とがっぷり組み合い、ヘヴィな音になっていた。
   最近Coilのライブへ行きそびれてたなぁ。こういう音なんだ、今。
50・Coil:コイル3:☆☆☆★
   ドラムがより力強くなり、バンドの熱が身近になった。
   前作のブルーズ世界は控えめで、ハード・プログレ路線を選択してる。
   ここの録音は力任せの一発取りで押さず、いろいろ工夫を凝らしてる。
   爆音ですかっとするも良し。細かく耳をそばだてても味わいぶかい。
   まだまだ進化する萌芽のようだ。
   3ピースによるシンプルな音がひたむきに紡ぎあう。
   男っぽさがより増した。

   80年代に黒ずくめのトランス・ギャルを産んだ、YBO2のベスト盤を
   見つけた。ぼくはどうしても吉田達也へ興味がいっちゃう。

   92年リリースのベスト盤。数曲はリミックスされてる。
49・YBO2:グレーテストヒッツ:☆☆
   のっぺり平板なミックスが実に惜しい。わざとなのかな。
   もっと魅力あるアンサンブルだと思うが・・・。
   初期の混沌とした世界から、メジャー盤のさっぱりした音まで。
   YBO2の展開を見通せる好選曲だ。
   アルバム全部が吉田達也のドラム。パワフルに手数多く駆け抜ける。
   当時はパンキッシュな先入観あったが、こうして聴くと、
   むしろがむしゃらなパワー・プログレだ。

   こちらは94年に出た第二弾ベスト盤。未発表曲がいくつも入ってるらしいが、
   手書きのクレジットが読みづらく、いまいちよくわからない。
   この盤でも、おそらくドラムは吉田ばかり。最後期YBO2編成の
   音源はないようだ。
48・YBO2:グレーテスト・ヒッツvol.2:☆☆☆
   ナゴムみたいに手書きのきったない字によるクレジットが
   さっぱり読めず、ストレスたまるぞ。クレジット見るの好きなのに。
   録音はラフなものが多いが、サイケな音作りにかえって似合ってる。
   ファン向けのCDだろう。もうちょい音がしっかりしてたら、サイケ・プログレの
   アルバムとして非常に楽しめた。
   若さゆえ~の甘い詰めはもちろんある。
   が、独自の世界観を作った実力は素直に評価したい。
   それぞれの曲はかなり長め。
   ぶっちゃけ単調なとこもあるので、テンションあげて
   聴かないとしんどい時もある。
   のちのルインズ(むしろ高円寺百景か)へ繋がる演奏もそこかしこに。
   ラストをきれいにしめる、選曲も見事です。

   1958/12/21にパリのサンジェルマンで録音されたライブ音源。
   "モーニン"の演奏中に、観客が"Lord have mercy!"って叫んだ声が入ってる。
   ハード・バップの名盤と呼ばれてるらしいが、実は聴くの初めてです。
   メンバーはリー・モーガンやベニー・ゴルソン・ボビー・ティモンズらが
   いた、黄金時代のメッセンジャーズ。
   演奏が悪いはずがない、と信じて買った。
   1994年に邦盤でリイシューされた、3枚組を購入。
47・Art Blakey and the Jazz Messengers:Au club St.Germain:☆☆☆
   演奏は悪くない。観客の盛り上がりも臨場感あって楽しい。
   でも、どこかトロく聴こえる。なぜだろう。熱い演奏も微妙に
   時代を感じた。すかすかなアレンジのせいかな。
   ホーン隊よりボビー・ティモンズのピアノが印象に残った。
   黒っぽくじわじわと攻め立てるグルーヴがかっこいい。

   シカゴがAOR路線へ行く寸前の盤。これまた聴くのは初めて。
   ライノの再発盤で、リハーサルテイクが2曲に、ライブテイクが1曲、
   ボートラで入ってる。
46・Chicago:Chicago VIII:☆☆★
   過酷なツアーを経て、のびのび録音できた一枚らしい。
   アイディアを片っ端から並べた五目味な盤。
   メンバーは出来に満足してても、いかんせん大味なのが難点。
   けっして悪い一枚じゃない。AORよりだが、練られてると思う。
   諸悪の根源はダニー・セラフィンのドラムじゃないか。
   リズムがかなりモタって聴こえた。
   どちらかといえばB面のほうが充実してる。
   ボーナスも面白い。ほんのり初期のシカゴを連想する、
   ほぼインストのリハが聴きもの。テリーの存在感が嬉しいぞ。
   ミックスはフィル・ラモーン。当時はまだ下っぱか?
   あんがい分離がいい音像だ。惜しむらくはマスタリング。パンチ不足だよ。

   1994年に発表された、フレッド・フリスとジョン・ゾーンの
   フリー・セッション盤。ジャケット・デザインはジョンのセンスっぽいが
   サウンドはたぶん対等で録音されてる。
45・John Zorn,Fred Frith:The Art of Memoriy:
   垂れ流しのフリーが続く。その場で演奏を見てたら印象変わったか?
   フラジオをひたすら多用するゾーンの悪い癖が出て、
   金属質な音が続く単調な展開に飽きてしまう。
   フリスのほうは拡がりあるプレイも差し込んでいるんだが・・・。
   特にコンセプトが見えない。やっつけで手癖を出しただけみたいだ。

2003年2月

03/2/23   手早くレコ屋をぐるりとまわる。新譜でいろいろ面白いのが
      出てるんだ。しまった、ルー・リードの新譜買い忘れたなぁ。

   東京ザヴィヌルバッハの2ndは、ある種企画モノの趣。
   ルンバのドラマー、オラシオ・エルナンデスを招いたセッションを
   坪口が再構成した作品。音は全て完全即興だという。
   タイトルや曲名は、もちろん菊地成孔の命名による。
44・東京ザヴィヌルバッハ:ヴォーグ・アフリカ:☆☆☆
   TZBはクールな熱狂にどこまで馴染めるかが鍵。
   今回はオラシオのパーカッションがそこかしこで暴れるため
   熱いジャズを望む人にもなじみやすいはず。
   たとえば(4)とかね。
   がっちがちに硬い音のマスターは坪口の好みなのか。
   音のコンセプトは面白いと思う。だがもう少し
   ほころびた音色で音楽を作って欲しいな。
   いかにも「実験室製の音楽」って気がしてならない。
   音楽は面白いです。ランダムに叩きだすビートと、サックスのバトルは
   刺激的だ。坪口のキーボードも面白いことやってると思う。
   しかし僕の耳では、どこまでが「M」で、どこからが
   生演奏か、いまいちわかってない。ああなさけなや。
   マスター・テープはわずか2時間。それの編集・加工で
   構築された本作は、まだまだぼくが気付いてない仕掛けを隠していそう。

   怒涛の勢いでリリースされてる気がする。
   菊地雅章率いるスラッシュ・トリオの第4作目は、
   昨年にモーション・ブルー・ヨコハマで行ったライブの第二弾だ。
43・菊地雅章ザ・スラッシュ・トリオ:スラッシュ4:☆☆☆
   尖がって、突っ張って、叩きあって。かなりクールなジャズだ。
   ドラムはピアノを突き放すようにビートを重ね、ピアノは
   ぐいっと引き寄せようとする。そしてベースは
   まっすぐに立ちつづける。
   そして緊張感漂うがゆえに。最後のピアノソロが甘く耳を癒す。
   もともと同じセッションを分割したがゆえに、スラッシュ3と
   一緒に聴くべきアルバム。
   ある日の演奏だが、彼らの個性を刻んだ
   普遍性は確かにある。
   メリハリ効いてる分だけ、こっちがお薦めかな。

   渋さ知らズの歌姫、佐々木彩子の2ndは全て歌モノ5曲入り。
   バックは無論渋さの面々。てか、CHAN-BANDといったほうがいいか。
   ユニオンで買ったら、「股旅」が入ったおまけCD-Rが付いてきた。
42・佐々木彩子:空: ☆☆☆☆★
   すごい。暖かいムードに癒され、怒涛のグルーヴに脳髄を
   洗われる。これまでChan-bandは唱が中心かとあまり注意を
   払ってなかった。その軽率さが悔やまれる。
   佐々木彩子が曲者ぞろいのミュージシャンを引き連れて、
   ゆったり行進するさまが浮かんだ。
   でかい音で聴くべき快盤。

   ベース・ニンジャの最新作。もう7作目になるんだ。
   今回は生ドラムとの共演らしい。クレジットが読みづらくて、いまいち
   詳細不明。かなりポップなデザインになっている。
   これのみ、ライブの物販で購入。本人にサイン貰っちゃった。
41・今沢カゲロウ:Snatch!:☆★
   リズムが打ち込みっぽい上に、かなり荒い編集なので
   デモテープの寄せ集めに聴こえた。この荒さはわざとだと思うが。
   何度聴いても、ピントを絞りづらい。
   それともこの破壊っぷりが狙いだろうか。

   この2枚はジャケ買い。どっちもガール・ポップかな。
  
   デビュー・アルバムらしい。プロデュースはセイント・エティエンヌの
   イアン・カット。ほんのりボサノヴァタッチのおっとりポップスです。
40・NIZA:Canciones fe temporada:☆☆★
   ボサノヴァ風味のオシャレなポップス。隙間が多いアレンジは
   開放感たっぷりで楽しめる。声高な主張はなく、
   軽く聞き流すイメージ。だがBGMにせず耳を傾けるべき。
   クールですっきりさが心地よい。
   可愛らしい声だが、対象年齢はガキじゃなく大人向けかな。

   本盤がデビュー盤の模様。ムーア・ブラザーズのグレッグ・ムーアと
   Loisのロイス・マフェオのユニット・・・ともっともらしく書いたが
   どっちも聴いたことないです(苦笑)
   メロウなタッチのポップスってとこか。
39・Owl & the Pussycat:Owl & the Pussycat:☆☆
   アコギのストロークにときおりかぶさる多重コーラス。
   味付けには、ちょっぴりのキーボード。
   簡素なアレンジながら、驚くほどおしゃれでゴージャスな
   雰囲気を醸し出す盤だ。60年代ポップスの香りもほのかにした。
   さらりと聴き流すには惜しい。小奇麗なサウンドは
   ぼくみたいにひねくれた耳には物足りないが・・・。
   (2)が気にいった。

03/2/20  おー、届いた。今週はずっと「まだかなー」ってと思ってました。
      なのに今日(2/22)まで、まともに聴けないのはどういうこった。

   翠川敬基(vc)率いるフリージャズ・カルテット緑化計画のCDが出た。
   緑化は15年以上活動してるはずだが、本CDが1stになるみたい。
   常に良質の日本ジャズをリリースするStudio Weeより。さすが。
   曲目は最近のライブで聴けるレパートリーばかりで、全て翠川の作曲だ。

   ぱっと聴いて、楽器のバランスがフラットで嬉しかった。
   ライブだと片山広明や早川岳晴の音量にかき消され、翠川の
   チェロが聴こえにくいんだもん。
   石塚俊明(ex.頭脳警察)の繰り出すパルス風なドラムに支えられた 
   独特のフリージャズを堪能できます。
38・緑化計画:Arbor day:☆☆☆☆★
   全てにおいてフリーなジャズ。音の交錯がスリリングだ。
   リラックスしつつ、それぞれの音がぴっと締まってる。
   寛ぐことも、真剣に対峙して聴くのも自由自在。
   隅々まで楽しめる。予定調和を廃し、メンバーの呼吸ひとつで
   音像がじわっと表情をかえる楽しさ。

   Studio Wee名物、通販客へのおまけCD-R。
   緑化のスタンダードといえる(ぼくが言ってるだけか)この曲が選ばれた。
   上記盤が収録された、音や金時でのセッションのアウトテイクかな?
37・緑化計画:Menou:☆☆☆☆
   16分間のリラックス。翠川の静かなチェロに誘われて
   静かに始まり、熱気が次第に噴出す。じわっとくる快演。

03/2/9   レコ屋を回ったのは、あんがいひさびさかもしれません。

   Tzadikの新譜を2枚購入。
 
   バカラック、ゲンズブール、マーク・ボランと続いたユダヤ人ミュージシャンへの
   オマージュ・新録コンピの第四弾。今回はシャハ・アルゴブ(?)と
   いう、イスラエルの作曲家に着目した。
   目当てはもちろんクレイマー。多重録音した一曲を提供してる。やたー。
36・V.A.:Great Jewish Music:Sasha Argov:☆★
   オリジナルを聴いたことなく、本盤で演奏してるミュージシャンもよく知らない。
   この手の盤は「オリジナルをどのくらい個性的にカバーするか」が肝なのに。
   ハナから楽しみ方を間違ってる気がする。
   全般的に穏やかというか、上品というか。
   破綻も毒もなく、丁寧な録音が続く。
   ポップスとして聴けばいいのかな。
   自分の耳のピントを、どこへ合わせるべきか掴めない。
   とりあえずクレイマーのテイクは、不穏な空気漂うサイケで楽しいです。
   この一曲のために買うもよし。
   きれいに整えられたサウンドが好きな人に薦めます。

   ジョン・ゾーンのマサダが結成10年らしい。それを記念して、
   これから何作かレパートリーをさまざまなアレンジで聴かせる盤が
   リリースされるそう。
   本作は第一弾で、ビル・フリゼール、マーク・リボー、ティム・スパークスの
   3人が、それぞれギター・ソロでマサダの曲を弾いている。
   発売名義はゾーンだが、彼はアレンジとプロデュースのみ。
35・John Zorn:Masada guitars:
   きれいだし、うまいと思う。しかしMASADAで聴ける勢いが
   ここにはない。"Bar Kokhba"や"The Circle Maker"でも同様だが、
   ゾーンはMASADAの曲を大人しめにアレンジするのはなぜだろう。
   カルテットの熱狂をギターソロで弾きまくるの期待したのに。
   静かなギターを味わいたい人にはお勧め。

   清水一登が過去率いたジャズロック・バンド、おUのCDが
   唐突にリリースされた。嬉しい驚きだ。伝説だけ聞いて、
   音を聴いたことなかったから。詳しいインフォを載せたサイトはここ
   メンバーは向島ゆり子(vln),渡辺等(b),れいち(ds),今堀恒雄(g),
   矢口博康(s),篠田昌巳(s),松本治(tb),といった、そうそうたる顔ぶれ。
   1988年の六本木インクスティック、94年と95年に吉祥寺MANDA-La2で
   行われたライブ音源から収録されてる。
   音源残ってたんだ・・・6枚組くらいでノーカット版も発売して欲しいぞ。
34・おU:O-U:☆★
   緊張感があって優雅なインスト。少しそっけないくらいか?
   正直、おUの音世界に馴染みづらい。
   いい音楽なのはわかるし、(5)のほんわかした空気は好きなんだが。
   なぜ違和感を覚えるのか、自分でもわからない。
   単純にがしがし押すノリが希薄だからかな。
   LPっぽい帯のデザインがこそばゆくも面白いぞ。

03/2/8   ライブの物販で購入。手売りだと買うの緊張するなぁ。

   京都の女性デュオ、月下美人の1st。1999年に発売された。
   エレクトリック・ベース中心な幻想的な演奏が面白い。
33・月下美人:月下美人:☆☆☆☆
   ベースとギターのみ。簡素なアレンジながら音に説得力あり。
   どこか生真面目で緊張感漂う演奏が心地よい。
   どの曲もフォークっぽい雰囲気ながら、
   凛としたスタンスがかっこいいなぁ。
   小気味よく言葉を振り出すリズム感もいい。おすすめ。
   いい曲ばかりだが、ベストは・・・そうだなぁ。(2)かな。

   こっちが2ndで最新作になる。曲によってゲストが参加してる。
   センチメンタル・シティ・ロマンスの細井豊が2曲でピアノを演奏。
   クレジットないけど、いつのリリースだろう。
32・月光美人:ショートケーキ:☆☆☆
   レコーディングにもなれたか、いくぶんゆとりある音。
   エコーなどにも気を使い、メロディや演奏も生き生きだ。
   1stより星が少ないのに、他意はありません。
   ぼくがたまたま、1stの潔さにインパクト受けたせいだ。
   曲によって入れたサックスやピアノも決して音の
   邪魔になったりしてない。だけど次のアルバムは、やっぱり
   ふたりっきりでの演奏が聴きたいな。
   音を加えるほどに、月下美人の個性が薄まっちゃう気がする。

03/2/6   ネット注文したCDが到着~。マイナー盤が
      あっさり手に入って嬉しいな。

   ニューヨークの鬼才クレイマーが、最近プロデュースした
   リンダ・ドレイパーの作品をまとめて手に入れた。
   良質のサイケ・フォーク・ポップです。
   
   2002年に出たアルバムで、ギターとボーカルがリンダ、あとは
   ぜえんぶクレイマーの演奏です。プロデュースももちろんクレイマー。
   "at Noise NY"のクレジットが嬉しい。スタジオ買ったのかな?   
   Phil Ochsのカバーを一曲収録。
31・Linda Draper:Patchwork:☆☆☆
   ハイトーンの滑らかさが気持ちいい歌声だ。
   基調は弾き語りでシンプルにメロディをつむぐ。
   (3)が特に気にいった。
   クレイマーのプロデュースもお見事。笛やキーボードを
   遠慮がちにかぶせるだけで、じわっと彼女の音楽を盛り立てる。
   エコーの深みも素晴らしい。やるじゃん、クレイマー。

   2001年のフルアルバム。プロデュースとエンジニアがクレイマーです。
30・Linda Draper:Ricochet:☆☆
   SSWっぽいアプローチのサウンドだが、メロディが
   かなりキャッチー。60'sポップスよりのアレンジで聴かせても
   面白くなったはず。
   多重ボーカルやギターのダビングなど、こまかくアレンジに
   気を配ってるのは分かる。だがこれを聴くにはあんがい
   集中力が必要。ついぱっと聴き流しちゃう。

   これまた2001年の発売、フルアルバム。働いてるなぁ。
   ベースでクレイマーのクレジットあり。あとはギターの弾き語りかな?
   くどいですが、プロデュースとエンジニアはクレイマー。
   これまた"at Noise New York"とある。くうー。泣かせるぜ。
29・Linda Draper:Snow white Trash Girl:☆★
   微妙に多重録音して工夫を凝らしてるが、いかんせんメロディが
   単調で、じっくり聴いてると退屈してしまう。手探りの一枚ってとこ。

   プリンスの元バックバンド、レヴォリューションでkeyを担当してた
   Dr.Finkのソロアルバム。音に殿下は参加してませんが。2001年発売。
28・Dr Fink:Ultrasound:
   ファンクというには黒っぽさが足りない。えらく中途半端な音。
   プリンスの影響もさほど受けていないようす。
   テクニカルに押すわけでもなし、いまいち頼りない。

03/2/1   ライブの物販で購入。

   サイケ・トランスを絶妙のセンスで聴かせる若手バンド、
   スペテロの自主制作1stEPで、プレスCD。
   約40分収録された長尺の盤だ。
27・Speonic Teroeca:Datspartsout:☆☆☆
   40分一本勝負で3曲メドレー。ROVOを連想する
   ダンサブルさを持ちつつも、色合いはぐっとサイケ。
   淡々とフレーズをつらね、音像を変える。
   瞬間を切り取るより、流れ全体を楽しみたい。
   あらかた即興じゃないかな。ほんとうに将来が楽しみなバンドだ。

   ライブを聴いて気にいった。売ってるCDを両方買っちゃた。
   まず、最新の3曲入りデモCD-R。
   普通の写真をジャケに使ってるが、すごく凝ってる。
   こういう写真、どうやって取るんだろう。
   リズムは打ち込み、bとgがサイケなフレーズを奏で、女性voは
   カオス・パッドで声を加工するという、けだるいテクノ・ポップ。
26・Art source village:(No title):☆☆☆
   打ち込みの淡々としたビートと幻想的なボーカルの絡む音像がいとおしい。
   ベストは(3)かな。呟く声の響きがとても好きだ。
   さりげなくはじけるような、遠慮がちの打ち込みビートが上品で素敵。
   最後に繰り返されるシャウトの、透明な熱狂もいい。

   メンバーが4人(ds入り)時代の1stフルアルバム。
   リズム隊が生なせいか、重たさが強調されたサイケ。いかしてるぞ。
   たぶん自主制作盤。2001年発売で、帯付きのプレスCD。
25・Art source village:Smell:☆☆☆☆
   けだるげなムードがたまらない。日本的な情緒をきれいに消した
   アレンジセンスもすごいな。
   リズムが生だからこそ、一丸となってムードが変容する凄みあり。
   メンバーチェンジで、もうこの音を聴けないのが残念だ。
   ごろごろと舞い上がるサイケな音像へ夢中になった。
   ほんのり舌足らずなボーカルもいいぞ。ベストは(3)かな。
   冷静な刻みで入る瞬間のコケティッシュさが好き。

2003年1月

03/1/27   やっと届いた~。ネット注文は届くまでが待ち遠しい。

   最近はめっきりネットでの活動にシフトしてるプリンス。
   旺盛な創作力と根強い人気を誇るだけに、自由な活動が保証される
   ネットでの活動は歓迎したい。後はもうちょい、事務処理や
   活動の発表形態がスッキリすればなぁ・・・。意識的に謎めかせてる。

   02年春のツアー音源を元に、公式では初の3枚組ライブ盤が出た。
   バックはNPG名義で、John Blackwell(ds:from Cameo),
   Rhonda Smith(b),Renato Heto(key)にホーン隊が4人。
   (Maceo Parker,Greg Boyer,Candy Dalfer,Hajee)
   まず2枚組の方は前半がRC中心、後半はヒット曲メドレーの趣向。
   さらに1枚、アフターショーの音源がつき、ゲストで
   クリントンやラリー・グラハム、Musiqらが参加している。
24・Prince & The NPG:One nite alone...Live!:☆☆☆☆★
   これまでオフィシャルでは聴けなかった、プリンスの魅力を
   再確認出来る。適度に冗長な、エクステンドされた演奏がたんまりだ。
   ただしこれはアフターショーの話。ライブ本編は水増し感も漂う。
   観客に歌わせる、くさいアレンジはいまいち。
   もっと演奏をたんまり聴かせて欲しかった。
   即興でアレンジを変えられる、ミュージシャンの実力あってこその快演ばかり。
   胡散臭いムードがかっこいいなぁ。
   "Alphabet Street"のカッティングが最高にいかしてる。
   エコーを巻き込み、カットアウトするエンディングも抜群!

   ファンクラブ経由で買うと、ボーナスアルバムが一枚付く。
   2002年5月にファンへ配布された、プリンスのピアノ弾き語りアルバム。
   ジョニ・ミッチェルのカバー"A case of you"を含む2曲が
   2001年段階でネット配布されていた曲。後は全て未発表ばかり。
   全10曲入っており、2曲でBlackwellがドラムを叩いてる以外は
   プリンスの多重録音になっている。
   もっともコーラスやシンセを軽く重ねたくらいのあっさりした演奏だ。
23・Prince:One nite alone...:☆☆☆★
   30分強のEP的な構成ながら、一貫性ある好盤に仕上げた。
   ピアノ弾き語りって形式にこだわらず(プリンスがこだわるわけないか)、
   ピアノ中心の小曲集、程度のこだわりで作ったろう。
   ロマンティックでダンディな彼の世界を味わえる。
   へたにソロを多用せず、メドレーのように繋げた潔さが効果的。
   ラストでプリンスはピアノの蓋を閉じ、スタジオを去る。
   そのあとしばらく続く空白。
   その余韻がなんとも意味深い。
   ともすればベタっと音像を埋め尽くすプリンスだが、静寂をあえて
   取りいれた構成を、深読みするのはやりすぎか。
   入手性に困難が伴うのは惜しい。
   けっしてヒットするとは思えないが、非会員にも
   広く聴いて欲しい好盤だ。

03/1/24   ネット注文してたCDがどばっと届いた。

   まずはGbV関連の新譜が2枚。

   ロバート・ポラードのソロ4th。ちょろっとグレッグ・デモスや
   トビン・スプラウトも参加してる。
   ジャケットのコラージュもロバートの自作だ。
22・Robert Pollard:Motel of fools:☆☆☆
   ぱっと思いついたアイディアを手早く録音したような、
   ロバートの「ソロ」と呼ぶにふさわしい作品。
   仲間の手を借りても、ロバートの存在感がこの盤のキモ。
   メロディメイカーっぷりが炸裂したのは数曲、あとはけっこう実験的。
   一般受けはしづらいかも。ロバートのファンなら必超です。
   ローファイなんて気にしない、とばかりに好き勝手やっている。

   ロバートのサブ・プロジェクトが2ndをリリース。
   メンバーは特に変化なし。本体のGbVではメンバーチェンジが
   頻繁なだけに、妙に新鮮だ。
21・Circus Devils:The Harold pig Memorial:
   ラスベガスのバイカー・ギャングのリーダー、ハロルド・ピッグに
   捧げたトータル・アルバム。音響的なアプローチで、歌詞を知らずに
   音楽だけで味わうにはちょっと辛い。何曲か、佳曲もあるけれど。

   山本精一率いる羅針盤の4枚目。このバンド、ライブ聴きたいなぁ。
   甘いポップスだけでなく、即興要素を増したらしい。
20・羅針盤:はじまり:☆☆☆★
   ぐっとサイケよりで、好みの音だ。
   あとはボーカルを何とか・・・。
   ピッチもリズムも「あえてずらしてるの?」と疑いたくなる。
   いっそボーカルを替えてはどうか。むー。
   もうちょいうまい歌なら、もっと作品の完成度が上がるのに。

   活動再開したphishの新譜です。邦盤はボートラ付らしく買い控えて
   ましたが、アマゾンで三割引だったので買っちゃいました。
   邦盤はCCCDかもしれないし。いいや、もう。ということで。
   ライブ盤はあれこれ出てるが、スタジオ盤はひさびさのリリース。
19・Phish:Round room:☆☆★
   非常に評価の難しいアルバム。phishファンが聴いたら
   間違いなく楽しめる好盤。しかし初めて聴く人にこの盤を
   薦めたら戸惑うのではないか。とりとめがなさすぎて。
   復活一作目とは思えないほど、リラックスしたつくり。
   奔放にジャムから曲が生まれていったのでは。濃密な音世界だが
   いくぶん手馴れすぎてる気もする。
   せっかくだから新境地を・・・と期待するのは贅沢か。
   phish宇宙の中で完結してる傑作。

   新譜の評判がいいので、ためしに買ってみました。最近の彼は
   あんまり聴いてなかった。さて、どんな音かな。
18・Youssou N`Dour:Nothing`s in vain:☆☆
   アフリカ音楽も、西洋音楽も。どちらのコンプレックスもなくし
   肩の力抜いて作ってる。きっちり身を守る、アレンジの鎧は
   まだまとってるけど。丁寧なつくりは楽しいが、そろそろ
   「ユッスー・サウンド」が欲しい。次のアルバムに期待か。

03/1/19   ライブの物販で購入。

   灰野敬二の新譜で、フランスのレーベルからリリース。
   全1曲で、リズムボックスとヴォイスのインプロかな。
17・灰野敬二:真っ逆さまに落ちてゆく洗脳された「これでいい」:☆☆☆★
   ヴォイスとパーカッションをループさせ、滝のように降り注ぐ
   音の奔流を味わえる。一発取りをそのまま録音したのでなく、
   いくつかのブロックを編集したみたい。
   難点は一曲仕様なこと。コンセプトはわからないでもないが
   まとめて一曲聴きとおす時間を確保するのが難しいので
   断片的に聴けるよう分割して欲しかった。
   若干音割れ気味ながら、透き通る灰野の声もばっちり。
   ラストでがしがしに盛り上がる勢いがすごい。
   凄みはあるものの、どこかゆとりを感じた。

   K.K.NULLが2002年にモスクワで行ったライブを収録した盤。
   文字はロシア語かな?うーん、カケラも読めない。
   カオスパッドを使ったノイズを収録してる模様。1500枚限定らしい。
16・K.K.NULL:ASTRODYNAMIX:☆☆★
   ポップなノイズ・ビートにやられた一枚。テクノ好きにも
   ぜひ聴いて欲しい。ライブを丸ごと(?)収録したためか、
   濃密さがあと一歩って気がした。
   複数のビートがかぶさる疾走感がすばらしい。
   ボーナスのセッションはKULLが控えめなのと、個人的に
   サックスのノイジーな音が耳ざわりで辛かった。
   KULL単独の演奏は飛び切り面白いぞ。

02/1/18   気分転換にCD屋をぶらぶら。そしたら掘り出し物満載で
       すっかり気が晴れました。財布も軽くなりましたが。

   内橋和久が1996年から神戸で行ってるイベント、FBIの音源が
   どばっとリリースされた。ほぼ2年1枚で4枚組のボリューム。
   イベントは一泊二日のオールナイトらしいから、この量でもさわりだけ。
   各曲は短めに編集され、FBI音源のサンプラーとしても聴ける。
   どれもフルサイズでたっぷり聴きたいな~。
   特殊紙ジャケのきれいなデザインも嬉しい。録音はZAKほか。
   ミックスは内橋で、マスタリングをSkistが行っている。

   出演者は多士済済、百花繚乱。アンダーグラウンド界で活躍する
   凄腕が片っ端から登場する。
   大友良英、ビジリバ、梅津和時、ルインズ、勝井祐二、想い出波止場、
   千野秀一、サム・ベネット、E#、ユージン・チャドボーン、PON、
   アルタード・ステイツ、灰野敬二、ハン・ベニンク、巻上公一、鬼怒無月、
   ふちがみとふなと・・・ああ、書ききれるわけないや。ご自身の目で
   ぜひご確認くださいな。
15・V.A.:Festival Beyond Innocence:A Brief History in 67 Chapters:☆☆☆☆
   ノイズ系の前衛音楽がてんこもり。あえて一曲を短めだから
   聴いてて集中力を持続させる。
   もっとも4枚組のボリューム、聴くのも一苦労だが。
   また日本アンダーグラウンド界のショーケースにも最適。
   願わくばこれを足がかりに、各演奏のフルバージョンを聴いてみたい。
   あえて注文つけたいのが、日本語表記がまったくないこと。
   ミュージシャンを追いかけたいのに、検索に戸惑うことがしばしば。
   経歴や組み合わせのエピソードなんてのも読んでみたかった。
   つまりは解説の充実化。HPにアップって形でもかまわないからさ。

   吉田達也関連の新譜が出た。Musique Actuelle de Victoriavilleで
   行われた藤井郷子とのデュオ・ライブを収録。
   完全インプロかと思ったが、二人が持ち寄った曲などを演奏してる。
   ドラムxピアノのバトルとともに、二人ともヴォイスも加えた応酬。
   カナダのレーベル、Victoからのリリース。
   クレジットは、これ・・・フランス語かな?
14・Satoko Fujii-Tatsuya Yoshida:藤吉:☆☆★
   よく聴いたら、即興と譜面が半々くらいみたい。
   平均律の権化なピアノと、音程をほとんど感じさせないドラムの
   コンビはかなり相性いい。
   藤井のヴォイスも堂に入って、濃密なセッションが楽しめる。
   カルテットだけでなく、このコンビのライブも聴きたい。
   「コンタクトマイク」のクレジットはなんだろ、と思ったら。
   (7)で吉田のジッパー演奏あり。次第にリズムが合致して、盛り上がる流れが快感。
   共鳴してつっこむ即興でなく、一人が走ると相手はクールに刻むという
   組み合わせが多いかな。アンサンブルが多彩で面白い。
   ほぼメドレーで進むのは編集かな。ルインズのライブを想像すると
   本番でも休みなく疾走した気もするなぁ。
   ベスト・トラックは(9)。吉田の曲(初出が思い出せない・・・)を
   藤井のピアノがうまく盛り上げ、ドラマティックに音が溢れる。

   2000年に何枚かリイシューされた、明田川荘之の旧譜の一枚。
   1985/6/17と8/5のライブ録音。場所はもちろん「アケタの店」だ。
   どっちかは深夜ライブの音源だろう。
   半分が望月英明(b)、木村勝利(ds)のトリオで、残りはピアノソロ。
   このころよく使用していたらしい、シンセ入りの演奏を聴かせる。
13・明田川荘之:ロマンテーゼ:☆☆☆
   明田川はシンセを無造作に扱う。音色はプリセットのままっぽい。
   シンセはダイナミクスが少なく、ピアノの演奏に比べてかなり
   平板に聴こえてしまう。
   本盤は比較的シンセを多用してるが、いまいち印象が小粒だ。
   ベストテイクは"マジック・パルサー"。皮肉なことに
   シンセのシンプルな音が、ファンキーさを強調した。
   明田川にしては珍しい、ストレートなファンクだ。
   粘っこく絡むベースやドラムの演奏もかっこいい。
   大編成でファンク大会も似合いそう。

   日本のフリー・ジャズ第一世代で、孤高の存在で語られる阿部薫が
   1972/7/13に渋谷のブルチネラ(ライブハウスかな?)で行った
   アルトサックスのソロ・ライブを収録した盤。
   1995年にPSFがリリースしたCDを手に入れた。
12・阿部薫:木曜日の夜:☆☆☆☆
   一度はライブを見たかった・・・。
   抜き身のような緊張と、硬質なフレーズが噴出す音のバランスが
   うまく取れており、作品としても楽しめる。
   フリージャズは音だけだとつまらないことも多いので、
   こういう作品はあんがい稀有かもしれない。
   毎日毎日聴きこむには、あまりに音が重たい。
   が、心のピントが合ったときなら、このCDはきっちり期待に応える。
   アルトサックスを苛めぬく、硬質な音色が痛快だ。
   切なく、そっけなく、涼しく、荒々しい。
   タンギングをほとんど使わず、指と息の続くまま音を上下させる奏法は、
   かなり好みが分かれると思うが・・・。
   フリーキーな音ながら聴きやすい。
   「阿部薫は、すごく固いリードを使ってた」と読んだことがある。むべなるかな。
   ベストは(2)かな。
   ちなみに「リードがいかれた」って、ぼそっと呟く声も入ってます。

   確か福岡のサイケバンド、蝉がOZディスクから2000年に
   リリースした4枚組アルバム。旧譜音源と新録をあわせたのかな?
   クレジットがなくて、いまいちよくわからない。
11・蝉:蝉:☆☆☆☆
   エフェクタまみれのギターの轟音中心に、ひたすらインプロが続く。
   ほぼ手癖のみ、メロディは皆無でジャムをえんえん垂れ流し。
   しかし不思議な訴求がある。初めてメルツバウ聴いた時を思い出した。
   どの曲も似てるようで、違う魅力ある。
   サイケ・ノイズが好きな人は必聴。
   4枚組のボリュームに圧倒されるが、いったん彼らの
   グルーヴにはまったら、甘美な底なし沼へと誘われる。

   「ザッパのファンにお勧め」というポップを見て、何となく買った。
   ドイツのレーベルからリリースされてるが、詳細は不明。
   eg,b,key,dsにvoを加えた5人編成だ。
10・Christy Doran`s New Bag:Heaven is back in the streets:☆★
   ザッパと同時にディシプリンなクリムゾンも連想。
   妙に音像がタイトで、頭の片隅が常に冷静な感じ。
   じっくり分析したら面白い構造だと思う。
   が、聴き急いでる今の精神状況ではどっぷりひたれない。
   しばらく棚の隅に眠らせて、改めてじわっと聴きたい。
   演奏はうまいし、フレーズ作りも悪くない。
   ジャズではなく、チェンバー・ロックとして捉えたら好盤では。

02/1/13   アヴァンギャルド系をいろいろと。

   95年に米のGentle giantが出した日本のコンピ。
   大友良英や内橋和久、メルトバナナなどが参加。ジム・オルークも
   一曲提供している。これは基本的に未発表曲なのかな。
   ルインズが"Still Life"という曲を提供してたので購入。
9・V.A.:The miracle of levitation:☆☆
   ハーシュ系ノイズが多いけれど、基本的に生演奏による
   轟音なため、どこかあったかさを感じる・・・のはぼくだけ?
   とりあえず通して聴いて欲しい。最後には微妙な人間味ある
   ビート感に気持ちよくなるはず。
   けっして耳馴染みいい音楽ではないが、とっつきやすい。

   メルツバウ関係を2タイトル入手した。
   まずはアルケミーが92年にリリースしたコンピ盤。
   ソルマニアや非常階段、ボルビトマグースなどが他に参加してる。
   メルツバウは一曲を提供。これは未発表曲なのかなあ。
8・V.A.:World Record:☆★
   ハーシュノイズ中心の迫力ある音像。それだけに時代の
   マスタリングが惜しい。かなり録音レベルが低いんだよ。
   90年代前半って時代を考えたらやむをえないが・・・。
   非常階段やメルツバウあたりが聴かせる、強烈なハーシュが楽しい。

   これも同じくアルケミーから。金属電子メタルの集大成だそう。
   1990~93年の作品を集めた、4枚組アルバム。
7・Merzbow:Metalvelodrome:☆☆☆
   アナログ・メタリカルな電子音を集めたコンピ。
   ライブ録音も含まれ、この時期のメルツバウを包含するには最適かも。
   いかんせん圧倒的なボリュームに翻弄される。特にノイズが徹頭徹尾
   ストイックなため、4枚組を一気に聴くにはそうとうな体力要ります。
   ゆっくりと味わって、ノイズの奔流に圧倒されるさまを楽しむ盤。

   日本のフリージャズ第一世代かな。高柳"JoJo"昌行が82年に録音した
   エレキギターのソロが廉価盤でリイシューされた。
6・高柳昌行:ロンリー・ウーマン:☆☆☆
   エレキ・ギターながら、エフェクタの使用は控えめ。
   ほんのり歪ませる程度。リバーブもほぼ無い冷徹さ。
   フレーズはさほどフリー色なし。タイム感がフリーなくらい。
   今の耳で聴くと、過激さは感じない。意固地なほどに訥々と
   音に対峙する真面目なスタンスが伝わる。
   遊びの無さに馴染めるかで、この盤の評価が変わるだろう。
   ぼくは灰野を聴いてたから、すんなり音世界を味わえた。
   静かな熱狂がえんえん続くスリルがすごい。
   "ロンリー・ウーマン"の最後で、微妙にハウるきらめきが素敵だ。

   ノイズ専門誌「電子雑音」第7号(最新刊)の付録CD。
   内容は米の3人組ノイズバンド、Solid Eyeが2002/5/24に
   名古屋のトクゾーで行ったライブ音源。
5・Solid Eye:Live at Tokuzo(from magazine "電子雑音"):

02/1/12  新年最初のネット購入品も到着~。

   試聴してすぐ買ったので、細かい情報はよく知らない。
   出身はイギリスらしいが、ぼくはマージから出た米盤を購入。
   ギャラクシー500に例えられる音らしい。2000年リリース。
   メンバーは男性3人組のコンボ。本盤が1stアルバムにあたり、
   それまで出たシングルから9曲をまとめ、新曲を4つ追加した形。
4・The clientele:suburban light:☆☆☆★
   透明なメロディの極上なポップスだ。
   今までアメリカものを中心に聴いてたから、
   もうちょいリズムが粘っこかったらなぁ、と夢想してしまう。
   とはいえ、いかにもイギリスらしい生硬なリズムがストイックさを強調。
   ボーカルの線が多少細いが、今後の活躍が楽しみなバンド。
   けだるげでしっとりしたポップスが好きな人へ、猛烈に薦める。

   上のCDを買うついでに試聴のみで購入。
   シアトル出身の4人組で、本盤が1stになる。発売は2001年。
   flakesのJAMES MERCERが、もとはサブユニットとして
   shinsを立ち上げたが、こっちが今はメインバンドになってる模様。
   サブ・ポップからの発売。
3・The Shins:Oh,Inverted world:☆☆
   The Clienteleとちがい、どこかリズムが甘い。
   このラフさが好きなんだが、いまひとつ線が細いな。
   確信犯でなく、パワー不足に聴こえる。
   繊細な世界が好きなのはわかる。が、もっとふてぶてしさが欲しい。
   具体的に言えば、もうちょいミックスをクリアにして、音の狙いを
   絞って欲しかった。平板に聴こえてしまう。
   あとはメロディがさらに個性的だとなぁ。
   60年代のカリカチュァでありつつ、けだるさを出そうと
   かなり矛盾したサウンドだ。

03/1/2   今年最初の探盤はブックオフにて。
      めちゃめちゃ安いのも売ってたが、さすがに食指が伸びなかった。

   そういやこの盤、CDで買いそびれてた。ぼくが最初に聴いたザッパ。
   もち、リアルタイム。中学から高校のころ、むちゃむちゃ聴いたっけ。
   CD化にあたって曲順ががらりと変更。リミックスもされ、ボーナスとして
   "Luigi & the Wise guys"が追加された。
   やっぱ最後が"We are not alone"じゃないと、しっくりこないぞぅ。

   オリジナル盤のリリースは1983年。ザッパの貴重なスタジオ作だ。
   ジャケは82/7/11に、イタリアはパレルモのライブで起こった暴動を 
   パロったもの。その公演の一部が"YCDTOSA vol.3"に収録されている。
   当時の邦題は"ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ"だ。
   "Moggio"が"ウシ・ウシ・ビックリ・モーギョ"って邦題だったっけ。。
2・Frank Zappa:The man from Utopia:☆☆☆☆☆
   めまぐるしく曲が繋がる編集や、ポップなメロディを
   超絶ユニゾンで聴かせるアレンジがたんまり聴ける名盤。
   ここにないのは、ザッパの果てしないギター・ソロのみ。
   ドゥ・ワップへのこだわりから、変態インストまで幅広く
   LP一枚サイズに収めている。
   フリー・ビートと変拍子がひょいひょい繋がる"The Radio is Broken"や、
    たぶんザッパの鼻歌にバックをつけた"The jazz discharge~"の
   ハイテクニックに改めてぶっとんだ。
   曲順が変更され、アナログ時代よりバラエティ豊かな印象へ変わった。
   スタジオ職人たるザッパの底力を見せつけた一枚。
   80年代、いや全キャリアの中でも傑作の一枚だと確信する。
   唯一の難点は曲が小粒なこと。もうちょい派手な曲があったらなぁ。

   坂本龍一が1995年にリリースしたソロアルバム。
   カエターノ・ヴェローゾとの共演で有名になった、
   ジャキス・モレレンバウムの全面参加がポイント・・・かな?
1・坂本龍一:Smoochy:☆☆☆★
   インストと歌モノの比率は半々くらい。リズムがちと古いか?線の細い坂本の歌声はいまいちだが、
   インストでロマンティックなメロディを弾かせたら右に出るものはいない。
   小粒なイメージだが、アレンジの才能が炸裂した傑作。


2002年12月

02/12/31  年末最後の探盤へ。ユニオンのダブルポイント・スタンプ狙いで、ジャズをあれこれ選ぶ。
        今年締めくくりの意味で、outlet品も数枚買った。
        ちなみにoutletって辞書にそれっぽい訳がない。どういう意味なんだろう。

   鬼怒無月が壷井彰久(現ポチャカイテ・マルコ)と行っているデュオを
   集めたアルバムが新譜で出た。音源は壷井が提供してる。
   00/9/16、01/1/18のアンクルトムと、02/5/5のFlying Tea potでのライブより。
   よりすぐりだが、ライブのフル収録にもあこがれるなぁ。
   インプロではなく曲を演奏してる模様。KIKIBANDのレパートリー"Crawler-A"もあり。
318・壷井彰久x鬼怒無月:era:☆☆
   かなり壷井よりの音。アドリブは壷井がほとんどで、鬼怒は
   ギターのストロークが中心。pere-furuのように
   ソロの応酬かと思ってたので、ちょっと拍子抜け。
   曲もフリーではなく、きっちり構成されている。
   ライブもこんな感じなんだろうか。
   先日見逃したのが惜しい。

   これも新譜。南博Go There!の新譜をリミックスした、日本のジャズには
   珍しい発想。リミキサーはGoth-Trad、タツヤ・オオエ、Zak、菊地成孔など。
   野田努のライナーは、半分以上が菊地成孔への賛辞で笑ってしまった。
   このアルバムは南博のアルバムだろうに・・・。
317・V.A.:Minima - Go There! remix:☆★
   テオ・マセロの手業を想像したらあてはずれ。
   若手がダンス・トラックに仕上げたチューンが多い。
   ならばなぜ、南博なんだ、といいたい。とくに必然性ないんだもの。
   ずぶずぶにループさせた(4)、たどたどしい(7)あたりが面白い。
   音響テクノっぽい(1)もなかなか。
   菊地成孔がミックスした(2)は、CD-Jで遊んでるさまをそのまま
   録音したように聴こえる。リズム隊をループさせ、リバーブを
   効かせたテナーソロをそっと置くあたり、いかにも
   ジャズメンらしい音作り。見事なサイボーグ・ジャズだ。
   南博の素材を巧く料理したって観点なら、やはり(2)がピカイチ。

   片山広明率いるデガショーの98年に出たライブ盤。
   98/8/2のアケタと98/8/26のジロキチでの演奏を収録した。
316・De-Ga-Show:Live!:☆☆☆☆
   しぶといファンキーさがたんまり詰った快盤。
   ほとんどが林のオリジナルだが、片山のセッションで
   ときたま演奏する「アイラー・メドレー」もあり。
   この「アイラー・メドレー」がすごい。冒頭は2ギターによる轟音ソロ。
   音がひしゃげ飽和しきって、バンドが炸裂するとこから、
   まず胸が熱くなる。いつのまにか古澤と上村のがっちりしたグルーヴが
   主役になり、最後はまさに大団円。すばらしい演奏だ。
   ほかの曲も軽快だが、一筋縄では行かない。ピッチのせい?
   片山と林の2ホーンなのに、リフだといやに大勢に聴こえた。
   じゃがたらのクールさを連想した古澤の(2)や、ほのぼのな(6)もいい。
   くー。ライブをすぐさま聴きたくなった。

   ジャズ・オカリーナの第一人者な明田川荘之が日本音楽アカデミーから
   リリースしてるオカリナアルバムの一枚。
   副題の「オカリーナで奏でる楽しいハーモニー」ってのがいかにもだ。
   ムードミュージックみたいな出来ではなく、オリジナルも数曲入ってる。
   ゲストで帆足たか子ほか十数人のオカリーナ奏者を迎えて、98年に発売された。
   賛美歌、世界各国の民謡、ジャズのスタンダードなど21曲収録。
   もっと一曲を長くして欲しい・・・。
315・明田川荘之:風の色:☆★
   ほとんどの曲がテーマをオカリナで演奏する"合奏"な風情。
   ヒーリングにはエコーがほとんどない録音なので、物足りない。
   ぼくは数曲の明田川オリジナル曲が聴くのが主眼になりそう。

   ここからがoutlet品。全部ジャケ買いです。
 
   ノルウェーのジャズです。録音は2000年。
   Petter Wettre(Ts)とPet Oddvar Johansen(ds)のデュオで、
   コルトレーンの"Interstellar Space"を連想する。
  (実際に、本アルバムへのオマージュ曲も一曲あり)
   だが音はリズムがクールなため、明確に違いを感じた。
314・Wettre/Johansen:The only way to travel:☆☆
   もとはプライベート録音のつもりで、さくっと録音をしたそう。
   ほとんどが即興的に生み出された。
   巧いけど、根本的にクールな音作りに違和感ある。
   常に冷静さな視線を感じた。
   悪くはないが、一曲くらいとっちらかったジャズも欲しい。

   クレジットが何もないじゃないか。多分イギリスのジャズ。
   Damon Brown(tp)がリーダーで、8人編成だ。
   彼のオリジナルばかりだが、ビリー・ホリデイの"God Bless the Child"も
   演奏してる。比較的こじんまりとしてるかな。2001年の盤。
313・Damon Brown:A bigger Picture:
   悪くはないが、それだけ。
   特に熱気もないし、小奇麗にまとまっちゃってる。
   メロディはところどころ耳をそばだてるだけに惜しい。
   この音を出さなきゃ満足できない、って必然性を感じさせて欲しい。
   のそっとしたアンサンブルが魅力的な(7)がベストか。

   これも上と同じレーベル、33recordsから95年に発売された。
   女性白人ピアニストのリーダー盤saxとgが入った5人編成で
   ロマンティックなジャズを演奏してる模様。
312・Andrea Vicari:Lunar Spell:
   上品にまとまった、フュージョン風のジャズ。
   (3)や(6)など、スピーディなメロディが
   美味くかみあった時の勢いは楽しめた。
   だけどぼくは、もうちょいスリルが欲しい。
   かっちりまとまり耳ざわりこそいいが、印象に残らない。
   アレンジはいろいろ凝ってるみたい。BGMにしてると
   耳が音楽を聴いちゃって、寛げない。逆に、そのくらいの主張は持った音。

   文字通りニューヨークのギター・トリオ。
   過激なのを期待したが、さほどでもなさそう。
   Imaginaryというレーベルから2001年に発表された。
311・The New York Trio Project:Fifth house:☆★
   いまいちつかみ所の無い音。
   スリルというほどではないが、透明なギターの
   響きはそこそこ面白い。ライブ見たら印象変わるかも。
   何度も聴いているが、バンドの個性ってやつがつかめてない。

02/12/28   西新宿へ。ついでにブート屋も何軒か回ったが、高いですね。
         早くもブートが出たプリンスの今年の来日公演、聴いてみたいんですが。

   まずはメルツバウの新譜を入手。
   あと数枚、新作がリリースされてるはず。日本に入るのはいつかな。

   リリースが遅れていたそうだが、しばらく前に発表された。
   ジャケットはJazzkammerのLasseが担当している。
   クレジットが無く詳細不明だが、たぶんパワーマックが中心。
   エレキギターも混ぜてるかな。
   目玉はカバーの2曲。Led Zeppelinの"Celebration Day"と、
   The Monkeesの"Pleasant Valley Sunday"。
   もっとも曲はメルツバウ印。別に秋田が歌ってるわけじゃない。
   ノルウェーのレーベルOHMからリリース。
310・Merzbow:Puroland:☆☆
   ループを前面に出したノイズ。小さい音で聴いても楽しめる。
   高音強調部分は爽快感あっていいな。
   カバーの2曲は、当然メルツバウ印で原曲の面影はあるのやら。
   いつか聞き比べてみたいな。

   メルツバウ関連の旧譜。
   秋田昌美がBARAと組んだユニット"Universal Indians"が
   2人組のDJユニット(?)Crystal Fistと、97/2/22の新宿リキッドにて
   ライブを行った。"Universal Indians"はゲスト扱い。
   日本のインディレーベルから、1999年にリリース。
309・Crystal Fist:feat Universal Indians:
   30分一本勝負で、陰鬱な音がえんえん続く。
   気分を切り替えて、こういう音楽だと意識したら
   悪くない。邪気を払うような秋田のドラミングが痛快だ。

   やっと見つけた。NONの復活作だ。タイトルは「家」のこと。
   80年代に活躍してたNONが今年になってOZよりリリースした新作。
   吉田達也が4曲で参加してる。
   NON BANDよりも素朴でポップな味が出ているみたい。
308・Non:ie:☆★
   鼻に引っ掛けるはすっぱで甘えた唱法に、馴染めるかで評価が変わる。
   ぼくはピッチがあやふやに聴こえて、ちょっと馴染めない。
   もっと聴いて慣れたら印象変わるかも。
   曲はあんがい面白いの多いのにな。
   アヴァンギャルドよりもフォークっぽい、ほのぼのなポップスだった。
   歌にちょっと毒はあるけれど。
   吉田達也のドラムが、こういう音に似合うのはちょっと意外だ。

   日本の即興音楽にこだわるサイト"Improvised Music From Japan"が
   レーベルに続き、雑誌も立ち上げた。
   同タイトルの季刊誌に付録でついたCD。
   68分以上も収録され、中村としまる、HACO、秋山徹次らの音源を収録。
   圧巻はラドゥ・マルファッティと杉本宅の31分に渡るライブテイク。
   (2002/5/17:ウイーンにて)
   ほとんどが音の小さいタイプのノイズ作品みたいだ。
307・V.A.:Improvised Music From Japan 2002-2003:☆☆☆
   静かな持続音を楽しむ作品が多いので、聴いてる自分に心の余裕が必要。
   せこせこ急いでると、ちっとも楽しめやしない。
   ゆったり音に身を任せると、じわっと良さが染み透る。
   そう、響きの「楽しさ」を感じつつ作って欲しい。
   へんに「芸術」や「使命感」に燃えた作品は堅苦しい。
   本作はそんな、肩の力を抜いて楽しめる作品もあった。
   m-7や中村としまる、秋山徹次、町田良夫の曲が特に愉しかった。

02/12/22  レコード屋へ。メルツバウの新譜は入荷してなかった。
      掘り出し物ついでに、日本ジャズの新譜を数枚。

   今日の掘り出し物。"ポルカしかないぜバンド"のギタリスト
   ジョン・キングがBlood Bath名義で、92/12/27に吉祥寺MANDA-LA2にて
   ライブをやった。その音源が96年にリリースされていた。
   共演メンバーがすごい。
   大友良英(tt,g)、近藤達郎(key)、早川岳晴(b)、青山純(ds)。
   さらにゲストで梅津和時(sax)と巻上公一(voice)が加わる。
   大迫力のアヴァンギャルド・ロック大会だ。
306・Blood Bath:Live Blood Bath Live:☆☆★
   リズム隊が強固で素晴らしく面白い。徹頭徹尾、完全な即興で
   押して欲しかった。これだけの顔ぶれが揃ってるんだから。
   中途半端なブルーズ曲や、構成がきっちりした曲だとこじんまり
   まとまってしまった。
   青山純ってアヴァンギャルドな音もうまいんだな、と実感。
 
   自在に奔放な活動を続ける明田川の最新盤。
   2002/7/20のソロと2002/8/18のコンボ編成ライブから
   よりすぐりをリリース。演奏場所はもちろん、自分のアケタの店。
   自分が聴いてたライブがリリースされて嬉しいな。
   ライブではおなじみな曲ばかりだが、音盤化はどれも初めてらしい。
305・明田川荘之:プレース・エバン:☆☆☆★
   日本情緒は控えめで、ロマンティックな明田川の世界にスポットをあてた。
   "りぶるブルース"のきれいな和音も聴きものだが、
   "OKコレヤス"の凄みに改めて気がついた。コンボによる"テツ"も美しい。
   さりげない出来だが、切なく味わい深い好盤。

   吉田達也が参加の盤です。先日、横浜のモーション・ブルーで
   行われたライブ(2002/9/20&9/21)から選曲。
   vol.1ってことは、vol.2も当然あるんだよね。
   いっそのことライブ丸ごと、4枚組でリリースすればいいのに~。
   スラッシュ・トリオ名義では、文字通り3作目。
   よく考えたら、ぜんぶライブ録音ばかりだ。
304・菊地雅章 ザ・スラッシュ・トリオ:スラッシュ3:☆☆★
   メリハリもつじつまもかまわず、混沌としたジャズに
    頭から飛び込んでいる。菊地のピアノは感情に任せて
   鍵盤とたわむれるので、かなり真剣に音と対峙しないと
   ついぼおっと聞き流して「あれ?なんかうやむやに終わったな」
   てな感想だけで終わってしまう。(恥かしながら、ぼくの初聴がまさにそれ)
   音の流れにきっちり耳のピントを合わせると、菊地のテンションを
   実に丁寧に吉田のドラムが捕まえてビートを拡大し、
   ベースが支えてると実感した。
   なるべくでかい音で、隅々まで聴き取りたいジャズ。

   南博4が"Go There!"というバンドとなった。このメンバーでは
   2枚目になるはず。
   ほとんどは南博の自作だが、3曲を盟友、菊地成孔が作曲&プロデュース。
   録音をプロトゥールズで切り刻んでるらしい。
   同録音を素材にしたリミックス盤も出てたが、それは次のお楽しみにした。
303・南博Go There!:Celestial inside:☆☆☆
   上品な音使いはいつもどおり。いろいろいじってるのかもしれないが、
   僕の耳では編集部分をくっきり聞き分けられなかった。
   菊地成孔のロマンティックさにひたるもよし、リズム隊の
   さりげない絡みを味わうもよし。そしてもちろん、
   南のピアノは奔放にメロディを紡いでゆく。
   派手さはない。が、けっこう緊張感漂う演奏が多い盤だ。

02/12/20   ネット購入など。仕事から帰って、CDが届いてると嬉しいな。

   山下達郎ファンクラブの特製CD。毎年恒例、クリスマスプレゼントだ。
   今回も通常サイズでプレスされている。もう3inchシングルCDって
   なくなってきたんだろうか。
   内容は達郎のクリスマスメッセージと、ピアノのバックのみで歌われる
   "I`m in the mood for love "のカバー。1935年にヒットし、その後
   さまざまなミュージシャンがカバーしたスタンダードだそう。
302・山下達郎:Merry Christmas from Tatsuro Yamashita:☆★
   しっとり歌い上げて、横綱相撲の路線。
   クリスマス・ソングは冒険しないポリシーで期待に応える。
   ややこしいことはいわず、素直に達郎の歌声を楽しむ盤でしょう。

   ジャズ出身だが歌い方はジョニ・ミッチェル系。
   先日行ったさかなのライブで"Don`t know why"をカバーしており
   オリジナルを聴きたくなった。これはかなりのヒット曲なのかな?
301・Norah Jones:Come away with me:☆☆☆☆
   知らなかった。大ヒットしたんですってね、これ。
   こういう穏やかなポップスがヒットするのは嬉しいや。
   ほんのりブルージーなメロディを支える演奏も極上。
   耳にうるさくなく、それでいてエッジが細かい録音だ。
   ドラムの音なんて、聴いててワクワクするぞ。
   ベストは"Don`t know why"かなぁ。
   数枚シングルが切られており、B面はあらかたアルバム未収録曲。
   ヒットしたんなら、コンピ盤が出ないかなぁ。

02/12/17  雑誌の付録です。表紙見て、思わず買っちゃった。

   "Rhythm & Drums magazine"03/1号の付録。
   上物のカラオケを、何人かのドラマーが演奏する企画がCDとして
   ついていた。
   めあては芳垣安洋+岡部洋一+高良久美子のテイク。
   ズシャンバシャンと叩きまくってます。
   185種類のライド・シンバルを叩き分けって企画も面白いな。
   一枚一枚、4小節のフレーズを試し打ちするって趣向。
300・V.A.:創刊20周年記念超特大号 付録CDNO.3:☆☆☆
   芳垣らの演奏はすさまじく手数が多い。タムに溺れる聴感で楽しい。
   さくっと叩くヴァージル・ドナティの演奏もよかったな。
   しかしこの盤は、ラストで延々と続くライド・シンバルの試奏が
   むちゃくちゃ刺激的。一枚一枚、すごく音が違うんだね。
   はじめて実感。微妙な倍音の響きがこれほど違うとは。
   ふだんこういう観点で聴き比べないからな。音色の違いがすごく面白い。
   オーディオマニアの人が聴いたら、音の鳴り方でも楽しめそう。
   最初は「ぼくはこのシンバルの音が好み」って書こうとしたが、
   あまりの膨大な枚数で、記憶が混乱して諦めた。
   集中力を続けるのがさすがにしんどいや。

02/12/14   レコ屋巡りしたら聴きたい音がいっぱい。
       
   とどまることなくリリースされるメルツバウ関連。
   本作はラッセル・ハズウェルとのユニットによる1st。
   ただし録音は99年。珍しく音源を寝かせた上でリリースされた。
   ハードコアメタルにインスパイアされた、ハーシュノイズがコンセプトらしい。
299・Masami Akita & Russell Haswell:Satanstornade:☆☆
   聴いてて違和感を感じる部分が多い。強烈なハーシュとテクノイズが同居する。
   ラッセルの編集によるせいじゃないかな。メルツバウ流のストーリー性ある
   ハーシュ・ノイズとは、一味違った味わいだ。

   ウータンの総帥、ジニアスのソロアルバム。4年ぶりになるんだ。
   プロデューサーは各種で、特に主役はいない。RZAは一曲のみ。ちぇ。
   サポートにはRZAやゴーストフェイス・キラー、インスペクター・デックらが
   ささやかに参加している。
298・GZA:Legend of the Liquid Sword:☆☆
   かなりポップになり、過去の作品にあった胡散臭さや
   不穏な雰囲気が控えめに。全般的にあと一歩ツメが甘く感じる。
   ハッピーなトラックを作るRZAの変貌に笑った。
   ウータンも丸くなったということか。

   ライブ盤をはさみ、スタジオ盤では5作目。3年ぶりの新譜になる。
   ライブで煮詰めた曲を中心に6曲を収録し、74分を駆け抜けた。
   あー、生で演奏見てみたいな。
297・ROVO:Flage:☆☆☆☆★
   クリアな音で駆け抜けるテンションの高さにまずやられる。
   多彩なリズムの奔流に身を任すのもよし、流れるグルーヴに
   うっとりするもよし。いかようにも楽しめる名盤。
   もちろんスピーカーに対峙して、じっくり音を追ってもいい。
   細かくすみずみまで考え、2リズム、2キーボードの編成を
   たんまり生かした細かいミックスにうなった。
   難点は70分以上もあるため、気軽にアルバム一枚聴きとおせないこと。
   だが聴き終わったとたん「70分じゃ短い・・・」と思っちゃうけど。

   ティポグラフィカに参加し、現在は渋谷毅オケやVincent Atomicsなどでも
   活躍するトロンボニスト、松本治のソロがちょっと前に発売された。
   今のところユニオンとライブの手売りでしか売ってないらしい。
   バックは芳垣安洋、水谷浩章、高良久美子と文句ない布陣が固める。
296・松本治:和風:☆☆☆★
   思ったよりファンキーなアプローチは控えめ。多彩な切り口で
   アンサンブルを意識したインスト・ミュージックを聴かせる。
   トロンボーンを幾度も重ね、パーカッションなどもダビングあり。
   もっと即興よりの音を想像したので意外だった。
   トロンボーンはへたくそな人だとメロディが聴き取れずつらいが、
   確かなテクニックがここでは楽しめる。
   音楽の基調は明るい。だからこそときたま挿入される
   幻想的なサウンドが、とりわけ引き立つ。
   ぼくは幻想的な(2)がまず気にいった。
   凝ったアレンジなので、聞き込むほど楽しめそう。

   「6畳一間にグランド・ピアノを置く暮らし」という倉橋ヨエコが
   9月にリリースしたEP盤。オリジナル3曲に「東京ドドンパ娘」の
   カバーが収録されている。
295・倉橋ヨエコ:人間辞めても(EP):☆☆
   台風みたいに突っ込むテンションが面白い。
   ただバックが妙に安っぽいのがいや。
   確信犯だと思うが。ゴージャスにしっとりいくか、
   いっそのことピアノ弾き語りか。全曲とは言わないまでも
   印象の違うアレンジも聴きたい。
   「東京ドドンバ娘」は想像以上にはまってた。

   ジョン・ゾーンがビル・ラズウェルやミック・ハリスと組んでたバンド、
   ペインキラーのライブ音源をTZADIKがリリース。
   1994年に名古屋での演奏。クレジットがいまいち不満だ。きちんと書けばいいのに。
294・Painkiller:Talisman:☆★
   若干、散漫。音に集中できたら盛り上がれるはず。
   ジョン・ゾーンの悪い癖が出てる。ひたすら高音をフリーキーに
   吹き殴るアルトへ馴染めるかがポイント。
   リバーブをたんまり効かせた音像は面白い。
   3曲目の最後、シャウトをがしがしぶちまける迫力が気にいった。

   サン・ラの音源をカナダのレーベルが発掘。1960年のライブ音源と
   スタジオのセッションテイクを収録している。
293・Sun Ra and his Arkestra:Music hrom tomorrow`s world:
   音質、演奏ともに熱心なファン向けの音源。散漫な構成で
   記録的な価値のほうが高い。
   ライブのほうはマニアな観客が同録したっぽい音質で、曲間の編集も雑だ。
   オーディエンス・ノイズがちょっと入った音は、逆に当時の雰囲気を
   ほうふつとさせる。演奏は覇気がなく、だらだらと続く印象多し。
   箱バンで数時間の演奏を繰り返してたというから、多少はやむをえないのか・・・。
   観客の反応は「ライブ目当て」と思いづらい。
   スタジオ音源のほうはいくぶん締まった演奏。
   とはいえリハーサルテイクなのか、いまひとつ集中力に欠ける。
   音質はもこもこ。もし初めてアーケストラを訊くなら、ぼくは別の盤を薦める。

   サイモン&ガーファンクルの初期ライブ音源がぽこっとリイシューされた。
   1967年にニューヨークで行われた演奏で、バックはサイモンのアコギのみ。
   よけいな虚飾のない、涼やかなハーモニーを期待して買った。
292・Simon & Garfunkel:Live from New York City,1967:☆☆★
   S&Gに思い入れある人なら、ぐっと評価は上がるはず。
   ほとんどの曲を初めて聴いたので、シンプルに極上のフォークとして
   楽しんでしまった。
   演奏もハーモニーも素晴らしい。
   収録時間は55分くらい。"Red Rubber ball"も入れて、
   フルステージでリリースして欲しかったなぁ。

   phishが活動停止中の2001年にリリースした、第一期liveセットから。
   この日の目玉は2ndセットのメドレー群かな。
   アンコールでジミヘンの"Bold as love"をカバーしてる。全2枚組。
   1995年の秋ツアー"Checkmate"の終盤に差し掛かったころの演奏だ。
291・Phish:Live phish 01 12.14.95:☆★
   テーパーの2ch-DAT録音を、ペイジがリマスターした模様。
   後半のえんえん続くメドレー(特に後半のTweezerや
   Slave to the traffic lightなど)が聴きものだが、前半部分も
   スピード感あってかっこいい。とくに冒頭の2曲。

   この日は94年の夏ツアー"Tunes Exhumed"最終日にあたる。
   phsihファンの間では名演で語られている日らしい。
   2nd」セットでの"N20"が貴重か。この日の演奏がライブでは3度目だが、
   次は99年7月13日まで一度もプレイされなかった。全3枚組。
290・Phish:Live phish 02 7.16.94:☆☆★
   ファンの間で人気が出るのわかる。集中力高いステージだ。
   2曲目の"DWD"あたりから音が引き締まり、
   立て続けに雪崩れる。聴きどころはやっぱりset2の
   メドレー群かな。英語がわからず"Harpua"の語りで、集中力が途切れてしまって悔しい。
   全般的にC&Wなど、アメリカ南部の白人音楽の要素を
   多く演奏に盛り込んだように聴こえる。
   録音はいかにも2chの同録っぽい、ねぱっと平板な音質。魅力を減じてるのでは。
   ハイはしゃぱしゃぱ聞こえるが、ベースの迫力が物足りないなぁ。

   清志郎の3rdソロで、1992年に発売。
   バックはMGズがつとめる。もちろんメンフィス録音。
   「雪どけ」では本家によるハチロク・グルーヴが聴ける。
   RCの「スロー・バラード」でやってた、あれね。
289・忌野清志郎:メンフィス:☆☆★
   MGズに位負けせず、堂々とのびのび歌ってる好盤。
   ただし曲は散漫な印象強し。もうちょい煮詰めてほしかった。
   メロディも含め、演奏はかっこいい。グルーヴが気持ちいいったら。
   ただ時代性皆無なところがひっかかる。
   リバーブの効いたドラムは逆の意味で時代を感じるが、
   スリルに欠けて物足りない。無邪気にMGズと遊んだアルバムなのかも。
   冒頭4曲が気に入っている。独特の節回しな清志郎の歌が
   がっちり演奏と腕を組んだ。
   「世間知らず」でのロマンティックな世界は、特に素晴らしい。

   1994年に坂本龍一が出したソロアルバム。売りはなんだったっけ?
   歌ものを前面に出したのかな。覚えてないや。実は今回はじめて聴く。
   独自の世界を確立したあとの作品だから、良し悪しは文字通り坂本しだい。
288・坂本龍一:Sweet Revenge:
   ブラジルと、ヒップホップへ興味を示したアルバムかな?
   ヒップホップ的なリズムが、とにかく似合わない。
   リアルタイムで聴かずよかったかも。今聴くと古臭いが、
   当時も同じように古臭かった気がしないでもない。
   さらにへんに上品なうえ、踊れるようなしろもんじゃない。
   その上ゲストのラッパーもへたくそ。
   坂本龍一には悪いが、駄作だと思う。
   完全インストのクラシック風な曲はロマンティックで
   すばらしい。こちらの路線を追求して欲しかった。
   ボーカル曲はロディ・フレイムが歌った(10)がいくぶんマシ。

02/12/10   通販到着~。

   ルインズがらみの新譜を一枚買った。
   02/2/8の東京と、01/10/30にスロベニアで行われたライブの模様を
   一枚のCDに詰め込んだ。総収録時間は67分。
   基本的に全て即興で、いわゆる"曲"はやっていない模様。
   かなりクリアな音質で録音され、ドラムの細かな音がちゃんと聞き取れる。
   ミックスは吉田達也自身が行った。
287・Ruins+内橋和久:Ruins+内橋和久:☆☆☆★
   ポイントでビタビタとリフを決める、三人の勘の良さが緊張溢れる猛演を生んだ。
   あえてニ公演の性格を分けるなら。怒涛の東京にメリハリのスロベニアかな。
   東京の1曲目と、スロバキアの2曲目で、微妙に似通った
   ギターリフの登場が興味深い。
   内橋の手癖なのか、スロベニアで生まれたリフが
   東京で曲へ昇華したと見るべきか。
   ドラマティックだから、後者のストーリーを取りたいなぁ。
   濃密な音の奥まで楽しめ、3人によるバトルのすさまじさを堪能しましょう。
   しかし聴いてて吉田達也がなぜ、ルインズの編成を取ったかわかった気がする。
   3人による演奏は刺激的だが、聴きどころが多いゆえにポイントが
   ともすればぼやけてしまう。特に録音作品では顕著。
   細かいニュアンスが埋もれて聴こえないんだもん。
   

02/12/5  通販でCDが届いた。やたー。
       プリンスのファンクラブ向けCDも発送が始まったとか。
       いつ届くかな。わくわく♪

   1997年にPS用ゲームとして発売された「MOON」のサウンド・トラック。
   メタ・RPGの実験的なゲームだったが、音楽が重要な要素として
   位置付けられていた。当時サントラを買いそびれ、ずっと探していたが
   今回3枚組の「全曲集」(厳密には違うらしいが)としてリイシューされた。
   このCDの詳しい情報はこちらを参照ください。
   豪華箱入り。解説もばっちり。棚にどうやって入れようかな~。
286・V.A.:The Sketches of Moondays:☆☆☆★
   "Kera-ma-go"は名曲だ~。この曲だけのために買っても損しません。たぶん。
   ミディアムからスロー系な曲は、今聴いても楽しめるもの多し。
   アップ系はさすがに時代を感じる・・・。
   例えゲームをやってなくても楽しめます。
   だって、ぼくは楽しかったもん。

2002年11月

02/11/26  雑誌の付録です。

   『ロック画報』誌10号のボーナスCDに、RCサクセションの
   初期(1972年頃)ライブ音源が入った。
   もちろん未発表音源です。
   そのうえ、6曲中3曲が未リリース曲。快挙だ。
285・RCサクセション:"未発表ライヴ":☆☆☆
   貴重な記録だ。もっと聴きたいぞ。もっともっと!
   極初期から清志郎の節回しが確立され、猛烈なパワーを秘めてたことが良くわかる。
   メロウな歌もいいが、一番気に入ったのは「もっと何とかならないの?」。
   すさまじいサイケ・フォークだ。この路線を突き詰めても、
   歴史に名を残してたはず。その路線は売れなかったと思うが。

02/11/24   レコード屋へ。収穫があれこれしこたま。カバンがぎっしり~。

   芳垣安洋がリーダーのユニット。やっと1stが出た。待ち遠しかったぞ。
   メンバーが凄い。青木タイセイ、松本治、菊地成孔、勝井祐二、太田恵資、
   水谷浩章、岡部洋一、高良久美子。
   東京ジャズ・ライブハウス・シーンの精鋭を集めた超豪華ユニットだ。
284・Vincent Atomicus:Vincent 1:☆☆☆★
   サイケで複雑なリズムが魅力的な音楽。もろにジャズではない。
   プログレの耳で聴いたほうがしっくりくるのかな。
   単音楽器のアンサンブルで、和音を出すのがコンセプトのひとつだそう。
   大勢のメンバーの音がくしゃっとミックスぎみで
   細かい音使いがスピーカーだと聴きづらい。
   ぐいんっとボリュームをひねるほど、みるみる音に
   魅力が増す。凄腕ぞろいのミュージシャンらが奏でる桃源郷です。

   植村昌弘の個人レーベル「無印」の新作を2枚、やっとこさ買った。
   まずは「作業的音楽」がコンセプトのユニット、ミチの曲を
   一人多重録音した一枚。02年8月録音。
   全35分。無印のCDって、この程度の収録時間が多いのはなぜ?
283・植村昌弘:如月作業:☆☆
   ライブで聴いた時よりポップな印象あり。
   ノイズっぽいつくりなのに、不思議と楽しく聴ける。
   植村のリズム感で統一されてるせいか?
   コラージュ感覚でランダムなビートがえんえん続く。
   いや、植村の中では多分これ、全部計算されてるんだろう。
   HPでこの曲の譜面を公開して欲しいな。
   仕掛けを知らずに聴くのもいいが、タイムスケジュールを
   追いながら聴いたら、別の楽しみが生まれると思う。

   吉田隆一(bs)とのコラボレーション作品。植村は作曲と
   プログラミングを担当。セッションしてるわけじゃないのかも。
282・吉田隆一-植村昌弘:吉田的鋼鉄:☆☆
   メロディよりもリズムが中心。打ち込みがメインに聴こえる。
   基本ビートが打ち込みで、上ものリズムを重ねてるかな。
   サックスはほとんどノイズマシン。メロディはほとんど吹かず
    ひたむきに金切り声を積み重ねる。
   緊張感と勢いに溢れた盤。聴き手も元気なほうがいい。
   めまぐるしく突き進む音に振り落とされそう。
   欲を言えば、もうちょい音像にバリエーションがあるともっとよかった。
   音の感触が似てるので、組曲を聴いてる気分。
   もっとも曲名は「YU」シリーズで統一されてるから、
   最初からメドレーっぽさを狙ったのだろうか。

   MERZBOW関連を2枚買ってきた。
   まずは86年に発表したアルバムの再発。だと思う。
   紙ボックスの中にCDが2枚。一面のコラージュで、
   タイトルはおろか曲名もクレジットもない。気分は海賊盤だ。
   うーん、こういうデザインは困るよぅ。中に何が入ってるのやら。
   タイトルどおりなら、アメリカでリリースされた初期音源を再発したはず。
281・Merzbow:Batztoutai With material:

   これも再発かな?たまたま持ってなかったから嬉しかった。
   98年にノルウェーのレーベルからリリースされた作品だ。
   内容に変更はなさそう。メルツバウがシンセを多用した一枚。
   ジャケがカラーコピーみたいに安っぽい。文字がにじみまくりだぞ。
280・Merzbow:New Takamagahara:☆☆☆
   めずらしく統一感ある音像を意識した一枚。サイケデリックな
   ムードにやられた。時間をたっぷりかけて変貌するノイズの
   なんと美味しいこと。元気がいい時に聴くと、たんまり堪能できる。

   坂本龍一が最近出したベスト盤の一枚で、CMソング集。
   聴き覚えあるやつもあった。NHKでやってた「YOU」の
   テーマソング収録が、嬉しくも懐かしいや。
   ちなみにMIDIからも、CM集が2枚リリースされてた。
   曲は一部ダブりありだが、味の素の曲なんかはMIDIにしか入ってない。
   権利/企画関係はどうなってるんだ?
279・坂本龍一:CM/TV:☆★
   こういうときテレビ見てないと損だな。同時代的な楽しみが
   いまひとつないや。ピンと来たのは新潮文庫のキャンペーンくらいか。
   音楽そのものはめまぐるしく色んなアイディアが登場して面白い。
   散発的に登場する、クラシックな雰囲気のほうになごむ。

   ジャケ買いした一枚。オレゴン出身の男女ユニットで、フォークロックっぽい
   音らしい。元Healthとポップに書いてあったが、詳細不明。
   レーベルはJealousで、今年のリリース。録音は00~01年みたい。
278・Hatch and Kathy:same:☆☆★
   デュオかと思ったら、あらかたHutch Harrisが主役。
   作曲もメインボーカルも、すべて担当してる。
   60年代っぽいきれいなメロディが多いが、ほとんどが
   ギターの弾き語りに毛が生えたくらいの録音で損してる。
   きっちりアレンジしたら、いい曲になりそうなのに。
   贅沢なデモテープ集って趣だ。

   こういう「定番」アルバム、いまさら「聴きます」っていうの
   照れくさいですが。実は未聴でした。
   初期クリムゾンのメンバー、イアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズ
   による1作限りのユニット。ゲストがスティーブ・ウインウッド・・・って、
   どのくらい概略を説明の必要ありますでしょ。1970年発売。
277・Mcdonald and Giles:same:☆☆★
   スリルよりも上品さが先に立つプログレ。刺激は少ないが
   きれいな旋律はなごむ。10代のころにこれを聞いてたら
   どっぷりプログレにはまってたかも。
   (1)のエンディング部分は大滝の「サイダー」を連想した。
   まさか元ネタがこれとは思えない。偶然の一致かな。

02/11/22  待ちかねた。ネット通販のCDが到着。

   テリー・ボッジオ(ds:元ザッパ・バンド、UK、missing personsなど)の
   個人HPへ注文して、あれこれCDを買った。
   今はこういう風に、趣味的なリリースを手軽に買えるのが嬉しい。

   テリーの最新バンドの1stでリリースは02年。
   オーストリアの若手二人(sax&g)と、若干ジャズ寄りの音楽かな。
   まだちゃんと聴いてないが、完全即興ではなさそう。
276・BPM:Delete and roll:☆☆
   ハイテクニックで突き進むコンセプトは評価できる。
   しかしスタジオテイクがどうにも固いのはなぜだろう。
   一曲入ったライブテイクは面白いのに。
   テリーが難しい譜面を前にして頭でっかちになったとは
   とても思えない。3人がリラックスして渡り合ったら
   すさまじく刺激的になると思うが。
   現時点では、チェンバー的な聴き方か。

   おっそろしく凄いドラム・ソロがてんこもり。といってもいわゆる叩きっ放しじゃない。
   タムや金物でメロディを重ね、きっちりビートを刻む。
   聴き手は安易に「ドラムでメロディ弾きにこだわらなくても」と
   思ったが、演奏の説得力に圧倒された。
   奇数拍子は足で刻み、メロディは手でタム回し。
   これがオーバーダブなしの一発取りなの?信じらんない・・・。
   98年のリリース。ライナーにテリーのコメント付き。当然英語だけど。
275・Terry Bozzio:Drowing the Circle:☆☆
   アクロバティックな演奏ながら、無機質さはない。
   聴き手として「なぜドラムでメロディを歌うことにこだわるのか?」とって
   疑問が湧いてしまう。聴くのは音楽であって、ボッジオのテクニックでは
   ないのだから。メロディ楽器入れればいいじゃない。
   テクニックのひけらかしでないことはよく分かる。
   しかし味付けであるべき技を前面に出してきたため、
   アルバム一枚通して聴くと、おなかいっぱいになってしまう。
   一曲単位で聴く作品なのかもしれない。
   冷静に聴いてると、ほんとあきれたテクニックだ。
   チャイナ・シンバルでメロディ奏でるとこなんて・・・
   もう、すごさに笑うしかない。

   同じくザッパ・バンド出身のドラマー、チャド・ワッカーマンと行った
   デュオ・USツアーの音源を収録。多分、ぜんぶインプロ。
   どちらも00年にリリースされた。

   00年5~6月のライブから4箇所をピックアップ。
   右側のチャンネルがテリーで、左側がチャドかな?
274・Bozzio/Wackerman:Alternative duets vol.1:
   テクニックは素晴らしいと思うが、地味なインタープレイで
   音だけだと辛い。映像が一緒ならば感想は違うと思う。
   中で選ぶなら、アップテンポに盛り上がるテキサスはダラスでの
   テイクが比較的面白かった。

   こちらは3箇所。つまり3曲入り。一曲辺り15分強ってとこか。
273・Bozzio/Wackerman:Alternative duets vol.2:☆★
   完全ランダムなセッションで、小節感やビートのうねりが
   ほとんどない。お互いが趣くままパターンを提示し、膨らませる。
   二本の噴水がてんでに噴出すのを見てるようだ。
   好きなテイクはフロリダでのセッション。
   ちょっぴり野性的に対話しあう。

02/11/16   ライブの物販で購入。

   東京の若手ギター・ポップバンドを集め、月に一回イベントしている
   「natural gift」が作成したサンプラー盤。
   各1曲づつ、合計8バンドが参加している。
272・V.A.:natural gift sampler vol.1:☆☆★
   ギタポといっても幅広い。フォークっぽい音から音響系まで
   一口で言えぬサウンドがまとめられ、好奇心が刺激される。
   イギリスのバンドかと思ったdiveは、構成力がすごい。
   音響系の鳴りが心地よい、耽美なRedshiftもいいな。
   Speonic Teroecaはコラージュなサウンドで攻めた。
   それぞれのバンドへ興味を持たせる点で、このサンプラーは成功してる。
   わがまま言うなら、録音時期の情報も欲しかった。
   今後継続的に活動するなら、そういう記録も必要だと思うから。
   それにしてもぼくが知らないだけで、面白いバンドって
   いっぱいいるんだ。裾野の広さを実感した。

02/11/13   雑誌のおまけCDです。
 
   日本のギター・マガジン誌02年12月号(要するに最新号)の
   おまけディスク。「ハイエンドのチューブアンプ弾き比べ」って
   企画がある。メンバーを見て思わず買っちゃった。
   鬼怒無月がギターで、バッキングは早川岳晴(b)、北澤篤(ds)だ。
   7種類のアンプをそれぞれ2種類の設定で。合計14パターン。
   決まった小節数で、約1分間の演奏をしている。
   他の企画は近藤房之助のオープンDのスライド例や、
   宮内和之のカッティング例など。
271・V.A.:Guitar Magazine Special CD:☆
   さすがに完全インプロではなく、テーマはある。
   だけど同じフレーズの垂れ流しじゃない。ソロは全て違う。
   アンプの音の違いってこんなにあるんだ。初めて実感した。
   ぱっと聴いて印象深かったのは、マッチレスの音を歪ませた設定で
   弾いたテイク。音のヌケが耳に残った。

02/11/10   レコード屋をうろうろ。くー、聴きたい音楽いっぱい。

   こんなの出てたとは知らなかった。
   藤井郷子カルテットが今年の4月にNYでスタジオ録音した音源が
   イギリスのレーベルから出た。マスタリングは吉田達也。
   全曲が1stアルバム未収録の新曲みたい。
270・藤井郷子カルテット:Minerva:☆☆☆
   変拍子バリバリの複雑な曲でクールにうねる音像がかっこいい。
   リズム隊が吼えるとピアノが冷静に微笑み、トランペットがその間を切り裂く。
   吉田達也によるクリアなマスタリングがとても丁寧だ。
   細かい音の隅まで見渡せ、ともすればライブでは埋もれがちな、
   ピアノやシンバルの音をきちんと聴ける、CDならではのミックス。
   藤井の趣味は、たとえば"Weft"みたいにクラシカルで
   クリスタル・ガラスのように繊細な音楽だろうか。
   この曲、切ない雰囲気が素晴らしい。
   アップテンポが好きなら、"Tatsu Take"。
   奇妙なアクセントを、びしばしキメ倒すリズム隊が痛快です。

   今日のめあてはこれ。DCPRGの2ndフルアルバムはリミックス盤で来た。
   リミキサー陣はタツヤ・オオエ、大友良英、レイ・ハラカミなど。
   初回ボーナスのライブ盤がすごい。
   音源は今年の4/19のオンエア・イーストでのオールナイト・ライブから
   既発曲のみをピックアップしてきた。
   この日のライブはピッチが低く聴こえて気持ち悪かったが、とんでもない。
   ばっちりタイトな演奏だ。たぶん、PAが悪かったんだな。
   ホーン隊5人を追加したハイブラス仕様のDCPRGのライブをたっぷり聴ける。  
269・Date Course Pentagon Royal Garden:DCPRG3/GRPCD2:☆☆☆☆
   大友良英の生演奏を意識したミックスがベスト。だが、空虚なダンスビートに
   こだわったほかのミックスも、なんども聴いてるうちに楽しくなった。
   ジャストのリズムが産む快感。
   マルチから生演奏を抜くのでなく、ほとんどがループに聴こえる。
   とはいえ、本盤は何はさておきライブ盤がキモ。
   ハイテンションで突き進むグルーヴは何者にも替えがたい。

   中古盤で面白そうなのを見つけた。91年に発売されたアルバムで、
   日本アンダーグラウンド界の若手三人によるコラージュを収録したアルバム。
   こんなの出てたんだ。知らなかった。
   ミュージシャンは勝井祐二/ヒゴヒロシ/大友良英。
   吉祥寺のGOKサウンドでスタジオ録音されている。
268・Sounds Of Tokyo:Visions of Japan:
   ひとり一曲作曲したんだろうか。それぞれに個性がある音だ。
   ビートがくっきりした(2)もいいが、人の声を次々積み重ね
   虚無的な空間を作り出した(3)が特に面白い。
   ただし前衛的な面の強い作品なので、音楽単体で聴くのは
   いささかきつい。パフォーマンスの空間と一体になってこそ楽しめそう。

   メルツバウ関係を2種。
   まず旧譜から。99年にアメリカのレーベルから出たコンピ盤。
   オリジナルは金属トタン版ジャケのはずだが、これはあっさり
   紙折りジャケット。廉価版かな?
   他にはKK.NULL, AUBE, KID-606, LOCKWELD, PSYWARFARE等が参加。
267・V.A.:Sadomachinism:☆★
   玉石混交なきらいこそあれ、全体的に悪くないノイズだと思う。
   ☆印が少ないのは、そっけないつくりに好感持てないためと、盤のコンセプトが
   上手くつかめなかったため。

   こっちは今年リリースされたコンピで、日本の前衛音楽を
   紹介する主旨で作られた。ベルギーのレーベルより。
   他にはHaco,Sachiko M,大友良英、Ground Zeroなど、全14種類。
   裏ジャケには中国っぽい雰囲気な、ジェットコースターのマヌケな
   写真があって苦笑した。なんかこ汚い印刷はわざとかな?
266・V.A.:動静-Japanese Avant-Garde:☆★
   音響系中心の静かな作品ばかり。聴いてて心地よいが、
   日本を代表する音楽なのかは謎な選曲。
   merzbow、Haco、Aki Onda、大友良英あたりが面白い。
   パチンコ屋の騒音を作品にしたView Mastersの発想はいかにもって感じ。

   アフリカ物が聴きたくて買った。この人はジンバブェの有名
   ミュージシャンらしい。アコギの弾き語りによる作品。01年リリース。
265・Oliver Tuku Mtukudzi:Ndega Zvangu:☆☆
   ギターはほんの飾り。ボーカルのグルーヴ感がすごい。
   テクニックでなく、自然体で思うさま歌うコブシに味がある。
   アルバムとしては単調に聴こえるのが辛い。
   一曲だけ聴くと凄まじいのに、通して聴くと
   音像が似てるだけに集中力が続かない・・・。

   ギリシャ音楽も興味ある。以前オーディブックから出た入門CDを
   探してるが、廃盤で聴けないし・・・。
   これはイギリスで出たギリシャ音楽の入門盤。帯付日本盤を買いました。
264・V.A.:The Rough guide to the music of Greece:☆☆☆
   伝統音楽に視野を当てているが、比較的新めな(80年代以降)音を中心に
   編集してるようだ。だが、相手が膨大すぎて入門変のさわりを
   撫でたくらいの印象ある。10枚組くらいでじっくり聴きたいな。
   アラブっぽいコブシと、ヨーロッパ風のセンチメンタルさが混在する。
   レンベーティカのほのかな節回しも心地よいが、Laikoなるリズム(?)の
   切ない雰囲気も気にいった。

02/11/2   西新宿のアヴァンギャルド関係を置いてるレコード屋へ行ってきた。

   灰野敬二の作品で、あまり見かけないCDを2枚入手。

   97年にアメリカでリリース。ギタリストのLoren MazzaCane Connorsとの
    デュオを2曲収録。このミュージシャンとは、すでに一枚リリース済の為
   こういうタイトルになっている。
263・灰野敬二、Loren MazzaCane Connors:vol.2:☆☆★
   静かな即興がスリリング。しかし優しさが根底にあり、
   聴いてて愛おしさがこみ上げてくる。
   エレキギターの固い響きはそっけないのに。
   ランダムなフレーズがてんこもりだが、グルーヴをしっかり感じた。
   聴くほどに深みへはまりそうな好盤。

   ドイツのアーヘンで93年に録音された歌もの作品。
   一曲を除いて、オーバーダブ無しの模様。リリースは94年で
   レーベルはドイツからかな?
262・灰野敬二:Beginning and end,interwoven:☆★
   一曲を除き、エレキギター一本をバックにした即興の暗黒歌謡がテーマ。
   メロディはあえて控えめにし、淡々と咆える。
   不失者のソロ版ってとこか。あんがい最近はこの手のソロって少ない。
   その場でライブを見てたら楽しめるが、CDだとさすがにアルバム一枚、
   集中力を続けて聴くのが辛い。
   エフェクターでぐしゃぐしゃにひしゃげたギターの
   インプロはさすがの迫力。凄みに圧倒される。

   ブラジルの黒人ギタリストが85年にリリースした作品。
   01年にリイシューにあたり、未発表曲が1曲追加された。
   中身はアコギの即興。アヴァンギャルドさはあまりなく、
   穏やかなギターソロが続く。
261・Bola Sete:Shambhala moon:☆☆☆☆
   素晴らしくなごめるアコギのソロ。インプロっぽく聴こえるが
   ライナーによれば数年間ずっとリハを繰り返し、一日でさくっと
   録音したとのこと。
   スケールは大きいが、繊細なフレーズが山盛り。
   ほんのりボサノヴァ風味な優しい旋律がはまります。おすすめ。

   店の人に薦められて、試聴して購入。
   詳しい情報は不明です。エレキギターとベースの即興デュオかな。
   どうやらジム・オルークの人脈みたい。2001年発表。
   ギタリストは上で灰野敬二と共演してる人だ。
260・Darin Gray + Loren MazzaCane Connors:This past spring:☆☆☆
   基本はノイズ系だと思う。だけどBGMにしてたらすごく
   きれいで気持ちいい。ランダムな音のゆがみが、不思議な浮遊感で
   漂ってくる。強烈な個性に欠けるのがポイント。
   彼らにしか出せない音、ってのを提示できたら、無敵だろう。

2002年10月

02/10/31  ひさびさにレコード屋へ行く。ここんところくに聴いてない
       CDが溜まってて自粛してました。
       でも、達郎の新譜買ったついでに、新宿ユニオンを上から下まで
       ざらっと流す。結局何枚か買っちゃった。

   通称「レアタツ」。この手馴れたマーケティングはなんとかならんのか。
   未アルバム化のシングル・カップリング曲を中心に集めたコンピ盤だが、
   ここ最近のシングル曲も集めて、半新譜的な位置づけでリリースされた。
   ミックスしなおされた曲も多く、既発曲も違和感あるテイクあり。
   じっくり聞き込む必要ありそうだ。

   個人的には「潮騒」のライブテイク収録が嬉しかった。
   もとは「風の回廊」のB面でリリースされ、今まで未CD化だった。
   初回ボーナスとして、5曲のカラオケ入り盤がついている。
259・山下達郎:Rarities:☆☆☆☆
   一曲ごとの出来は素晴らしい。アルバム構成にも隙がない。
   だからこそ息苦しさを感じる。すごく贅沢な文句なのはわかってる。
   遊びの部分が欲しい。流して聴いてると、教科書を読んでるようだ。
   アルバム一枚を聴き通さず、一曲一曲を散発的に聴いたほうが
   この盤を楽しめる気がしてならない。
   繰り返すが、音楽そのものは文句なく素晴らしい。

   70年代後半にザッパ・バンドへ参加してた幾人かによるバンドの作品。
   94年に結成されたらしいが、これまでのリリース状況は不明。
   リーダーはアーサー・バロウかな。今年発売の新譜です。
   11人編成の大所帯で、ファウラー兄弟らによる4人のホーン隊がいるせいで、
   音の感触は88年バンドを連想した。

   ザッパの曲も5曲カバー。"Dupree`s Paradise","Filthy Habits"など
   渋いとこをカバーしてる。  
   マスタリングがボブ・ストーン。しっかり押さえてるなぁ。
258・Banned from Utopia:So yuh don`t like Modern art:☆☆
   ザッパの音楽を期待したらダメ。あくまで似て非なるもの。
   コミカルさも毒も緊張感も、ザッパの意志なんだなって
   改めて実感した。アンサンブルはがっちり決まるが、
   どこか音に物足りなさが残る。
   フロントマンを設定しなかったのが敗因か。
   良かれ悪しかれ音の主役を決め、とことんその人を
   盛り立てる構成にしたらピントが定まったかも。

   メルツバウ関連の旧譜を2枚見つけました。
   まずは96年あたりにリリースされたカナダのコンピ盤。
   他の参加ミュージシャンは知らない人ばかり。
   どういう文脈でリリースされたか良くわかんないです。
   メルツバウは1曲を提供している。
257・V.A.:Tinker compilation:
   響きは面白い。BGMに適した音。
   個々のノイズ作品は標準のレベルをクリアしてる。
   だが作者の視野の狭さが目立ち、じっくり楽しめない。
   メルツバウは比較的あっさりしたノイズだった。

   アムステルダムのノイジシャンかな?不勉強で知りませんが
   ベテランみたい。本作は94年に発売されたアルバムで、
   メルツバウの素材をこのミュージシャンが編集する企画みたい。
   4曲収録され、うち一曲でメルツバウと"共演"した。
256・Kapotte Musiek:Vender:
   ジリジリと似たような電子音が持続するノイズ作品。
   変化を求めたら物足りないけど、落ち着きたいときのBGMにいい。

   トラッドを聴きたい。だが、どれを買っていいかわからない。
   てなわけで、セコハンをジャケ買いしてきました。
  
   これはまじで経歴不明。けっこうベテラン女性シンガーっぽいが。
   ジャケに発売年が見当たらない・・・。
   お詳しい方、ご教示頂けると幸いです。

   ちょっと聴いたが、ブリティッシュ・フォークにも聴こえる。
   いったいトラッドとはなんぞや。差はどこにあるんだろう。
   演奏する曲目だけかな、違いは。
255・Frances Black:The Sky road:☆☆☆☆
   さりげない作りながら、どの曲も素晴らしくレベルが高い。
   コレは掘り出し物だ。アコースティックな響きが、伸びやかな
   歌声を優しく支え、ほのぼのとした雰囲気を醸し出す。
   トラッドは風味にとどまり、くつろげるポップスに仕上げた。
   アップもスローもどちらも楽しい。名盤。

   ペンタングルのメンバー、バート・ヤンシュが69年にリリースした
   6枚目のソロアルバム。ぼくが買ったのは01年のリマスター盤だ。
254・Bert Jansch:Birthday Blues:☆☆
   トラッドとブルーズが紙一重と実感した音楽。
   ディランっぽい歌いまわしもあるが、69年発売だからな。
   妙に意識せず、普通に歌っただけかもしれない。
   リズム隊はペンタングル。元はジャズやブルーズ畑らしいので
   彼らもルーツが出てきたか。
   (1)の素朴な爽やかさが好き。ボーナス曲では(10)の
   インスト・ギターがかっこいいな。
   ブルーズっぽさは控えめで、厳粛なフレーズが冴える。

   69年にデビューした、3人組トラッド系フォークロック・バンド(らしい)の
   1stアルバム。その後のアルバムではリック・ウエイクマンが参加した
   こともあるみたい。資料によれば、今でも活動してる模様。
   99年のリイシュー盤を買ったが、一曲だけ当時のライブがボーナスで
   収録されている。
253・Maguna Carta:Maguna Carta:☆☆
   基調はトラッド風味のフォークだが、かなりポップ寄り。
   曲によってはカントリーっぽい感触も取り入れた、雑食フォークな
   スタイルが楽しい。ただ、ちょっと小粒かも。
   聴いてて不満はないし、聴きやすいが印象に残りにくい。
   ぼくはもっと個性を前面に出したほうが好み。

02/10/28   ライブの物販で購入。

   スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの
   来日記念盤として、先日発売されたCD。
   基本は02/5/16にスウェーデンでのライブ音源だが、
   このバンドに吉田達也が正式加入したことにより、01/11/5に
   同じくスウェーデンで、ルインズがサムラのメンバーである
   ラーシュ・ホルメルやコステ・アペトレアと行ったセッションも
   二曲収録された。
252・Samula Mammas Manna:故郷のおかあちゃん:☆★
   プログレ風予定調和な変拍子リフがいまいち馴染めない。
   バカ騒ぎなステージも、音だけではいまいちかなぁ。
   後半のルインズとしての共演のほうが楽しめる。
   録音オフ気味なのが残念。
   手数多くまくし立てる吉田のドラムが、ギターとガシガシぶつかる。

02/10/20   ライブの物販で購入しました。

   日本人ながら、アメリカが活動の中心らしい鬼木雄二のアルバム。
   今日のライブ聴いて、気持ちよかったので買ってみた。
   発売は2000年。バンド演奏が基本だが、ゲストが数人参加してる。
   日本からは勝井祐二(ROVO他)や西脇一弘(さかな)が弾いている。
   ダグ・ギラード(Cobra Verde、GbV)が参加してて、へえっと思った。
251・鬼木雄二:Tvi:☆☆★
   切ないメロディラインが、いかにもな味わいだ。
   バンドサウンドなのに、乾いて鳴らないのが不思議。
   静かなピアノソロ"Skeleton Station"から、いきなり"Transport"が
   始まる展開がすごく好き。
   しかし英語の発音が無骨なのはわざとだろうか。すごく気になる。

02/10/18   ライブの物販で購入してきました。

   今年、アメリカのレーベルからリリースした新作。
   江ノ島水族館在住のミナミゾウアザラシ「美男象」くんに
   捧げられたアルバムだそう。
250・Merzbow:Merzbeat:☆☆☆
   わかりやすいビートが基調にあり、かなりとっつきやすい。
   親しみやすいメルツバウ作品の最右翼だろう。
   「メルツバウって・・・?」とこわごわ遠巻きにする人には
   ぴったりの作品だろう。
   もっともメルツバウの作品ではかなりの異色作。
   秋田昌美がこういう音像を作るとは。最初に聴いた時はショックだった。

   Zbigniew Korkowskiとメルツバウとのユニット、MAZKの1stらしい。
   98年にイギリスのレーベルから発売された。
   二人の競作が一曲とそれぞれのソロを一曲づつ収録。
249・mazk:spl:☆☆
   互いの持ち味を出し合ったようなノイズ。無造作なコラボに聴こえた。
   メルツバウのめくるめく変化する世界でなく、じっくりと
   ノイズに向き合った印象が強い。そのため、より取っつきやすい。
   その逆で、飽きやすくもあるが・・・そもそもこの手の盤を
   幾度も聴き返す人のほうが珍しいかな。

02/10/12  レコード屋でのんびり棚を漁ってみる。

   ルナが「Romantica」のアウトテイク集EPを発売した。紙マッチ箱を
   模したジャケットに7曲が収録され、うち5曲が未発表曲。
   ほかは "Waiting on a Friend"(ストーンズ)と
   "Neon Lights" (クラフトワーク)のカバーが入ってる。
   「Romantica」から、2曲のビデオがエンハンストで収録。
248・Luna:Close Cover before striking(EP):☆☆
   淡々としたルナ印の曲が詰ったミニアルバム。
   どの曲もいまいち小粒かなぁ。

   マック・マッコーガン(Superchunk)のソロユニット、ポータスタティック
   の3rdアルバム。1997年リリースで、もちろんmergeからの発売。
247・Portastatic:The nature of sap:☆☆☆★
   別にとんがったところはない。だけど甘く流されてもいない。
   ほのぼのしたインディ・ポップを楽しめる好盤。
   特に1曲目は名曲だ。瑞々しい色合いが素晴らしい。
   これで録音のヌケがもう一歩よければなぁ。いまいちこもってる。

   4人組となったクリムゾンの最新EP。1曲を除きスタジオ作。
   新譜の前哨戦ってとこか。唯一のライブ音源が、ナッシュヴィルで
   演奏された「太陽と戦慄パート4」です。
   さー、新譜"The Power to believe"はどんなだろう。
246・King Crimson:Happy with what you have to be happy with(EP):☆★
   ブリューのソロユニットに聴こえた。クリムゾンの新境地は
   このEPを聴く限り、新しい地平を見出したように思えない。
   えらくかっちりした音になってる。80年代のクリムゾンへ逆戻りするのかな。
   「太陽と戦慄」のライブテイクは単純に楽しい。
   しかしこの曲を聴くためにEPを買うほどでもない。
   うーん、ファン向けの作品かな。

   スタックリッジはプログレってイメージがあったけど、ポップ要素も強いそうだ。
   これはセカンドになる。1972年発売。
245・Stackrige:Friendliness:☆☆☆
   トラッド風味をうまく取り入れた。メロディもなかなか。
   プログレの硬直性もなし。いいアルバムだ。
   あえて難点を言えば、新鮮味にかけること。
   閉じた世界を構築した意味では、賞賛に値する。
   リマスターで粒立ちのいい音も、好感もって聴けた。

   デイル&テリー・ボジオ夫妻がザッパ人脈と組んだミッシング・パーソンズ。
   他のメンバーはウォーレン・ククルロ(g)にパトリック・オハーン(b)。
   テクニシャンぞろいなわりに、普通のエレクトロ・ポップやってる
   イメージあったが、シングル"Give"は当時(1984年)とても好きだった。
   本盤はそのシングルを収録した2ndアルバム。
   ボーナスとして、未発表曲が2曲にライブテイクが4曲も入ってる。
244・Missing persons:Rhyme & reason:☆★
   ひらひら踊るキーボードと、固いシンセ・ドラムが時代を
   感じる。今聴くにはちと辛い。
   演奏も派手な技は控えめだが、さすがにテリーは別。
   高速タム回しで奇数連符を連発し爽快。
   未発表曲のインスト"Fight for life"やライブバージョンのほうが
   むしろ素直に聴けた。

   フィリーソウルの本では、よくジャケを見かけてたコーラス・グループの
   アルバム。世界初CD化だそう。1977年作品。
243・The Joneses:The Joneses:☆☆☆
   スローよりアップのほうが気にいった、ソウルにしては
   珍しい盤。フィラデルフィアの絢爛豪華さが楽しい。
   ボーカルがいまいち力不足なのが難。
   手数多くうねるベースと、パシャパシャ刻むドラムの
   コンビネーションが気持ちいい。
   ベースはマイケル・フォーマン、ドラムはチャールズ・コリンズです。
   すかっと爽快なアレンジだ。

02/10/10   通販でCDが到着~。このレーベルはすぐさま送ってくれる。

   スタジオweeからの新譜は、剛腕ベーシスト早川岳晴の3rdソロアルバム。
   今回はバンドのHAYAKAWAではなく、過去さまざなバンドで共演してきた
   メンバーとセッション形式で録音された。
   フリージャズに軸足を置いた作品みたい。
   参加メンバーがすさまじく豪華で刺激的だ。
   吉田達也、翠川敬基、林栄一、藤井信雄、関根真理、渡辺隆雄。
   多重録音による完全ソロ作品も2曲あり。
242・早川岳晴:kawloon:☆☆☆☆☆
   さまざまな編成の音楽が、ごく自然にまとまっている。
   早川による低音が、ずしんと突き抜いているからだろう。
   力技から繊細なアンサンブルまで。彼の力強さとロマンティックさが
   滑らかに音へ現れる。奥に潜む鋭い視線が、アルバム全体を引き締めた。

   このレーベル特有の「通販初回限定CD-R」。
   吉田達也、渡辺隆雄とのセッションでアルバム未収録曲"collabone"を
   収録。かなりこもった音で録音されている。。
   狙った音質なのか、この音質だからボーナスにしたのか。どっちだろう。
241・早川岳晴:collabone":☆☆
   ジャムセッション風に盛り上がる曲。3人がてんでにソロを
   取ってる感じだ。面白いけど、音がこもってて細かいフレーズを
   聴き取りづらい。ベースも妙に膨らんでいる。
   唐突に演奏が終了する。
   レコーディング前のジャムセッションなのかな?

02/10/6   レコード屋を覗く。とりあえず新譜だけ買った。
         聴きたい音楽がいっぱいあるなぁ。

   この盤だけは頂いた盤ですが・・・。ぜひ紹介します。
   神戸を拠点に活動するバンドの1stアルバム。発売年はクレジットないや。
   ペイブメント、スーパーチャンク、そしてGuided by voicesに
   影響を受けたという、サイケロックがたんまり入ったアルバム。
   キャッチーなメロディが特徴のかっこいいバンドだ。歌詞は全て英語。
   ジャケットのコラージュや謎めいたタイトルもGbVを連想するなぁ。
240・25m.Floater:Unamerican 3rd floor genius wannabe:

   コステロのツアーにあわせリリースされた限定盤。
   未発表曲やらライブテイクやら。これは米盤だが、たしか
   英盤と報盤は微妙に曲順が違ったはず。
239・Elvis Costello & The Imposters:Cruel smile:☆☆☆★
   レア・トラック集として上出来なアルバム。
   ライブはばっちりだし、デモテイクは荒っぽくて面白い。
   おまけ(?)として"Soul for hire"のラフテイクも収録付き。

   元ダイナソーJRのメンバーだったマイク・ジョンソンの新譜。
   4年ぶりらしい。てことは"ifeelalright"(1998)ぶりか。
238・Mike Jihnson:What would you do:☆☆
   ほとんどコード変更して内容に聴こえる。
   じわっとダンディに迫るだけでなく、重厚な迫力で押す
   凄みも出てきた。けしてテンポは速くなくても、歪んだギターの
   音色を説得力に、低くたゆたうロックを奏でる。

02/10/5   ひさびさのライブ。物販で一枚買ってみました。

   タテヤマユキ(vo,accordion)とフジモトマミ(b)によるユニット、マルカートの
   2ndアルバムで1999年リリース。
   なお、現在のマルカートはタテヤマユキのソロユニットになっている。
   矢野顕子を連想する歌い方によるほのぼのしたポップ・ソング集。
   本盤では多くのミュージシャンをゲストに招き、バンド形式で演奏してる。
237・マルカート:休暇の午後のハナシ:
   ほんわかポップスに仕上がり、アコーディオンがアンサンブルの
   一要素へ落ち着いちゃったのが残念。もっと前面に出て
   弾き倒して欲しかった。
   多数参加ミュージシャンのおかげで、とても聴きやすいアレンジになった。
   タテヤマユキのボーカルにはリラックスできた。
   フジモトマミの歌声は、ちと稚拙なとこが目立った。
   (9)では、ふわりと暖かい曲が素晴らしい。

02/10/2  通販で頼んでたCDがまとめて届いた。
       ネットやるようになってから、だいぶ買うチャンスが増えたなぁ。

   GbVのコンピ盤だが、気分は新曲だ。"Universal Truths and Cycles"
   関連のB面曲やアナログオンリーだった音源など併せ10曲を収録。
   "Selective Service"の第二弾ってとこか。嬉しいなー。
236・Guided by voices:The pipe dreams of instant prince whippet:☆☆☆☆
   アルバム"Universal Truths and Cycles"周辺のレア曲を
   まとめて聴ける意味でも、佳曲が詰まったGbVの入門盤としても
   役立つ一枚。ときおりロバートがかます、すさまじくローファイな
   デモ音源みたいなのはなく、きっちりアレンジされた曲ばかり。
   もっとも各曲はあいかわらず短めで、25分で10曲が演奏終わっちゃう。

   メルツバウ関連を2枚。
   秋田昌美、KARKOWSKI、DROR FEILERの作曲を11人編成の小オーケストラが
   演奏するというムチャな企画の盤。
   メルツバウは二曲提供。本人が自作曲へエレクトロニクスで参加している。
   これ、譜面を見てみたい。ぜひ。発売されないかな。
   なおZEITKRATZERの次作はルー・リードの「メタル・マシーン・ミュージック」だとか。
235・ZEITKRATZER:noise…[larm]:
   電気ノイズをアコースティック・アンサンブルで実現しようとする、
   とっぴょうしもない発想が面白い。が、音楽の面だと
   やはり生楽器では限界ある。なにより音色が似通って単調に
   なるのを避けられない。あくまでアイディア一発として聴くべき。

   クセナキスによる自作のリミックス盤と、さまざまなノイズ系ミュージシャンによる
   リミックスを集めた2枚組アルバム。
   メルツバウ、大友良英、ZBIGNIEW KARKOWSKI、FRANCISCO LOPEZ他が参加。
234・IANNIS XENAKIS:Persepolis + Remixes Edition 1:☆☆☆
   雄大で茫漠なクセナキスの作品を、細部までくっきり聴ける。
   ストイックで見晴らしの良い音像は、今聴いても刺激的だ。
   リミックスはさまざまなアプローチで聴き応えあるノイズ。
   オリジナルを補完せず、素材と扱うケースが多いため、逆説的に
   クセナキスのオリジナルの良さがじわりと輝く。

2002年9月

02/9/29   この週末は風邪ひいてえらい目にあってました。なんともはや。
        それでもレコ屋は軽く覗いてまっす。

   ひょんな事から知った5人組のバンド。25m Floor。本拠地は神戸になる。
   ディスコグラフィーがよくわからないが、今年出たCDのようだ。
   GUIDED BY Voiceに影響を受けたと聴いて興味を持ちました。
   この盤はデビュー当時の宅録音源や、EP盤でリリースされた曲群を
   集めた編集盤みたい。新曲を2曲収録。歌詞は全て英語です。
233・25m Floater:Previously unleashed shites 96-02:☆☆☆★
   さまざまな年代のコンピレーションだが、聴いててゴッタな感じはしない。
   すっきり一本筋が通ってる。
   ローファイを機材の結果でなく手法として使用した。
   モコモコの音質はサイケな世界観を実現し、耳馴染みのいいメロディで
   痛快に突っ走る。

   川下直広の自主レーベル"マネキネコ商会"の新譜。
   HPは更新されてないけど、いろいろ出ているようだ。
   音源は今年の6/21に博多で行われたライブより。
   テナーとソプラノサックスを無伴奏ソロで演奏している。
   曲は全てスタンダードだ。電気バイオリン弾いてないのが残念。
232・川下直広:SOLO.Ⅲ:☆★
   スタンダードの選曲で、おとなしく吹くかと思いきや。
   次第に熱がこもって、フリーキーにテナーが鳴る。
   途中で暴走するストレート・ノー・チェイサーがベスト。
   ただソロだとリズムが間延びしがちかも。もう一人共演者が欲しい。

   梅津和時率いるKIKIバンドの3rd。今度はスタジオ作。   
   リリースペースが速いなぁ。
231・梅津和時KIKI Band:Land Dizzy~眩暈の国:☆☆☆
   ジャズよりもプログレを連想する音楽だ。
   がしがしなソロ回しは刺激的で、新井田の重たいビートが
   ジャズ色を希薄にさせる。
   だがジャンル分けにこだわっても意味がない。こんなにかっこいいんだから。
   冒頭はアルト・サックス、エンディングでギター一本と、同じテーマを
   弾き分ける、トータル・アルバムな作りもうまい。
   4人が互いに挑みあい、かつベクトルがしっかり構築された。
   KIKIバンドのひとつの完成形といえるはず。

02/9/25  またもや通販が到着。ルナからのGbVはまだか。

   70年代頃サンフランシスコを拠点に活躍してた、ホーンばりばりの
   ファンクグループ、コールド・ブラッド。
   メンバーは8人中6人が白人かな。紅一点リンダ・ペンスの
   どすの効いたボーカルがかっこいいです。
   本盤は73年に少数のファンを招いてスタジオ・ライブした音源みたい。
   当然、未発表音源です。01年に唐突な再発がありました。再評価されてるの?
230・Cold Blood:Vintage Blood live!1973:☆☆★
   全盛期のライブなせいか、テンションがすさまじい。
   ファンキーに、ゴスペル風味にがしがし盛り上がる。
   整然さより泥臭さを身上とし、ぶりぶりっと鳴る
   ホーン隊のかっこいいことといったら。
   時に荒くなってしまうとこが唯一の欠点か。
   詰めの甘さやムラっけなかったら、もっとレベルが上がったのに。
   "Kissin` my love"でファルセット使ってtsとかけあう
   リディアの歌声がすごいなー。

   99年の"Midnight Vultures"ぶりかな。最近はいまいち印象薄かったが、
   ベックの新譜が出たなら聴いてみなくちゃね。
   コラージュ感覚で語られることは多いけど、カントリーっぽいメロディを
   書くのがうまいってことも忘れちゃいけません。
229・Beck:Sea change:☆☆☆★
   しみじみとメロディを楽しめる珠玉の一枚。
   ミクスチャー感覚は控えめで、アレンジの節々にときおり
   片鱗を見せるくらいか。
   メロディ路線をがしがし追求した好盤。
   地味な風景を見せつつ、小技がたんまり聴いたアレンジも
   奥が深い。聴けば聴くほど、丁寧に作ってるのがわかる。

02/9/24   通販で注文してたCDが到着。

   スタジオ・ウィーからの新譜が出た。現在30代の、日本ジャズ界では
   若手になるのかな?テナー奏者、旧橋 壮のデビューアルバム。
   バックは小山彰太(ds)や富樫春生(p)といったベテランや、
   角田亜人(turntable)のような気鋭の若手が固めている。
   彼の音を聴くのは初めて。さて、どんなジャズかな。
228・旧橋 壮:furuhashi:☆☆
   クラブ・ジャズ風味もある、若手世代のジャズ。
   即興演奏だけでなく、ミックスも含めた録音物を作品と
   とらえる世代らしい音楽だ。ただし小山彰太らとゴツッとした
   フリージャズをかます実力あるので、頭でっかちさは感じない。
   一番気にいったのが、富樫春生とのリバーヴたっぷりでロマンティックなデュオ。
   次が小山らとのセッションかな。
   角田らとのアヴァンギャルドな音は、もっと極端に走ったほうが好み。

   本アルバムを通販することで手に入る、限定CD-R。
   ライブ音源が一曲はいってるようだ。
227・旧橋 壮:Beatrice:☆★
   富樫らとのセッションかな。オーソドックスなモダンジャズ。
   特に突出するところはないが、どこか音にきらっと凄みあり。
   えらく録音がオフなわりに、異様に生々しい。リハ音源かな?

02/9/23   お、メルツバウの新譜だ。ついでに何枚か買ってきた。

   先日イギリスでリリースされた新譜のはず。今年もよくリリースされるなぁ。
   今年の4~5月にパワーブックで録音された作品。
   どかーんと4枚組、紙製ボックス・セット形式で発売になった。
226・Merzbow:24 hours - a day of seals:☆☆★
   一気に聴き倒すと圧倒される。ループを多用し聞きやすくはあるが、
   濃密な空気と変化が同居する。
   鈍いテンポの曲が多いな。メルツバウの過渡的作品。
   テーマを持ったトータルアルバムでありつつ、各種手法の
   実験作にも聴こえる。

   これは2001年に発売。以前ネットで注文したら「在庫切れ」と
   言われていたので、入手できて嬉しいぞ。
   チェコ共和国からの発売。スプリット盤で共演はNapalmedなるノイジシャン。
225・Napalmed/Merzbow:Crash of the Titans:☆☆
   メルツバウはかなりシンプルなアイディアの作品を提供。
   そのぶんNAPALMEDのほうがバリエーション豊富で楽しめた。
   金属系ノイズが淡々と続く盤。

   大騒ぎの再評価こそないものの、地道に再発が進んでいるようだ。
   75年に発売された本盤は、世界初CD化だそう。
   ヒット曲「心に響く愛の歌」(Somebody done somebody wrong song)が
   収録されている。ロイ・オービスンの"crying"のカバーなどもあり。
   この甘い歌声は、もっと幅広く聴かれても不思議はないのに。
224・B.J.Thomas:Reunion:☆☆★
   それぞれの曲の出来は素晴らしい。ホワイト・ゴスペルやカントリー風味を
   巧みに織り込んだ録音だと思う。
   だが無造作に詰め込まれたカバーにポリシーを見出せず、
   アルバムとして焦点がぼやけた印象だ。繰り返すが、一曲ごとのクオリティは最高だ。
   作曲者を一人に統一したコンセプト・アルバムを作ったら
   とてつもない名盤が出来上がるはずなのに。
   "Crying"はロイと印象を変えようとするがゆえに、ちと凡庸か。
   オリジナル曲はどれもなごめる名曲ばかり。

   コステロの"When I was cruel"より、たぶん第2弾シングル。
   2曲のアルバム未収録曲と、タイトル曲のビデオが収録されている。
   タイトルを踏まえて7インチ・シングルを模したジャケット。 
   店にはアナログも並んでいたが、聴けないからCDを買ってきた。
223・Elvis Costello:45(single):☆☆
   ファン以外は買う必要ないシングル。タイトル曲は多分、アルバムと同テイクだ。
   未発表曲は(2)がたぶん"When~"と同一時期のセッションから。
   ハードボイルドに抑えたロックで、パブでのライブに映えそう。
   (3)はケイトと共作した、低音をむちゃむちゃ強調したDJリミックス風な作品。
   コステロが演奏する必然性はどこ・・・?実験作を試しに収録したっぽい。
   もし録音当時(97年)に聴いてたら、感想は違ったかもしれない。
   今聴くと、古臭さが先に立つ。
   ビデオクリップもつまんない・・・別にコステロが出る必要ないじゃない。
   曲との必然性もさほど感じられない。不必要なとこにお金を使ってるのでは。
   イギリス人だと「アイロニーが効いた好映像」っていうのかね。
   これならぼくは1カメラ据え置きで演奏シーンを写してくれた方がいい。
   たとえそれが当て振りだとしてもね。

02/9/21   トラッドを聴いてみたい。しかしなにから聴いたらいいかわからない・・・。
        ということで、有名どこのバンドをセコハンでさくっと買ってみました。

   厳密に言えば、彼らはトラッドじゃなくてフォークになるのかもしれない。
   本盤は69年リリースの3rdアルバム。トラッドは1曲のみで、
   ボブ・ディランの曲を3曲も演奏している。
222・Fairport Convention:Unhalfbricking:☆☆☆☆
   どの曲も素晴らしい出来だ。(4)はトラッドのはずなのに、
   不思議とデッドを連想してしまった。
   ディランの曲も、ハモるだけでトラッド風味なのが不思議。
   バンドの中で、どういう位置づけなのかはよく知らないが。
   本作は、イギリスの伝統音楽を見事にロックへ溶け込ませた傑作だ。

   こちらは再結成後のフェアポート盤。手持ちの資料では23枚目の
   アルバムになっている。88年リリース。これまたトラッドは1曲だけかな。
221・Fairport Convention:Red & Gold:☆☆
   フェアポート・ファンにはどう評価されてるんだろう、この盤。
   発表されたレーベル"Woodworm"はラフ・トレード傘下。
   そのせいかドラムにはずしんとリバーヴがかぶせられ、
   シンセが薄く深く鳴り、ギターはmidiも導入、広がりを持たせた。
   かなり当時の流行な音をとりいれたサウンドだ。
   もっともフェアポートの音を壊すまでは行ってない。あくまで味付け程度。
   このアレンジセンスがすばらしい。ちなみにプロデューサーはサイモン・ニコル。
   ドタバタするデイヴ・マタックスのドラムが
   ずしんと鳴るのって快感だ。
   ベストは1曲目で勢いよく進む"Set me up"かな。

   フェアポートの分家にあたるのだろうか。アシュリー・ハッチングが
   結成したスティーライ・スパンのベスト盤。84年にリリースされたものの
   CD化。このときまでに13枚のアルバムをリリースしてるようだが、
   クレジットを見る限りでは、ごく一部の盤からのみ選曲してるようだ。
220・Steeleye Span:The Best of Steeleye Span:☆☆★
   クレジット皆無なジャケがつまらんぞ。だけど音楽は最高だ。
   ロックのスリリングさをトラッドの素朴さが見事に一体化
   している。着実なドラムの上で、ハイトーンの女性voが歌うミスマッチさも
   面白い。各種アルバムから織り込まれてるが、スティーライとロビン・ブラックが
   共同プロデュースしてる75年の盤に収録された曲が、まず耳に残った。
   ベスト盤としてみた場合、インパクトはいまいち。
   書く時代の曲を違和感無しにするっと聴ける選曲は
   見事だけど、各アルバムへさかのぼって買わせよう、って
   いきごみがベスト盤には欲しい。

02/9/15   ぶらっと寄ったCD屋で2枚ほど買ってきました。

   これ、聴いてみたかった。
   トニー・ウイリアムズが69年にリリースしたジャズ・ファンク・・・に
   なるのかな?今、再評価されてるみたいですね。
   ジョン・マクラフリン(g)にラリー・ヤング(org)とのトリオ演奏。
   しかし技術の進歩を感じる・・・。これは97年に2枚組を1枚にした
   邦盤だけど、かなりマスタリングがしょぼいぞ。
219・The Tony Williams Life time:Emergency!:☆☆☆★
   でかい音で聴くほどに迫力が増すサウンドだ。
   キーボードの音色はちと古臭いが、70年代プログレとして聴けば
   違和感もない。
   やはり主役はドラムかな。超高速でハットが唸る。
   すぱすぱビートを切り刻み、聴いててワクワクする。
   ギターは音像に溶けるか溶けないか、の線をぶらつく。
   常に違和感を残したギターのおかげで、サウンドが緊張感を保ってる。
   「高速ビート」「力押しキーボード」「違和感ギター」と
   3者が異なるスリルを提示して、サウンドを盛り立てた。

   78年にドイツはデュッセルドルフで結成された、3人組の3rd(1983)
   ぼくが買ったのは独盤。クレジットはドイツ語でさっぱりわかんない。
   うーむ。ちょろっと聴いた限りでは、アングラ・テクノ・ポップだ。
218・Dea Plan:Die Peitsche des Lebens:☆☆
   冷徹なビートにぶっといシンセがからみつき、コミカルに盛り上げる。
   予想以上にポップで意外だった。大まじめのおかしさだ。
   実験性とポップさがうまくバランス取れている。一般的には実験性よりかな。
   テクノが日常化した現在でこそ、聴かれるべき作品といえる。
   とりあえず(3)や(9)が気にいった。面白い曲がいっぱいだ。

02/9/13  レココレ最新号を買いにタワーへ。しまった、スピッツの試聴忘れたなぁ。
       特にCD買う積もりなかったのに。たまたま雑誌コーナー向かいの棚で
       特集してた盤を試聴したら無性にじっくり聴きたくなった。
   
   クライヴ・グレッグソンがリーダーの、パブ・ロックバンドのベスト盤。
   ざっと聴いたが、もろに初期コステロっぽい音だ。
217・Any Trouble:Girls are always right:☆☆☆☆★
   メロディよし、演奏よし。ばっちりだ。初期コステロが
   好きな人は必聴です。
   何で売れなかったんだろう。ボーカルがするっと滑らか過ぎるせいか?
   もしキーが一音半くらい低くて、嗄れ声だったら世界が変わったかも。
   初々しい1stの勢いが好きです。後半はちょっと甘くなってる。
   それでも抜群の出来だけどね。強くお薦め。

   これはネオアコ系かな。かなりヌケのいいサウンドだ。
   88年リリースの1stアルバム。その筋ではカルトな人気のバンドらしい。
216・The Newcolours:Be serious!:
   メロディはキャッチーだが、引っかかりの少ない滑らかな
   キーボードと、気取ったボーカルスタイルが、好みにいまいちあわない。
   イギリス印ネオアコあたりがツボな人なら楽しめると思う。

   01年にリリース。トラッド・ポップ系かな?
   この邦盤にはボーナスがごっそり。初期EP音源から5曲が追加された。
215・The Afternoons:The days we found in the sun:☆☆★
   トラッド風味も取り込んだアレンジは、すごく練られてる。
   ライブよりもスタジオでの活動を楽しむバンドっぽく感じた。
   だが素晴らしいのは、スタジオ・バンドにありがちな閉塞性がないこと。
   暖かいメロディを中心に、ライブでも映えそうな曲が多数。
   今後の活動が楽しみなバンドだ。

02/9/10   メルツバウ関連盤を2枚入手。

   新作コンピ盤にメルツバウが参加。
   ゲームボーイの8bit音源のみを使用した音楽が詰っている。
   他のミュージシャンはエレクトロニカ系らしいが知らない人ばかり。
   羅列すると、Dat Politics, Pita, Stock, Hausen & Walkman,
   Felix Kubin, Pyrolator, Vladislav Delay, Ostinatoなどなど。
214・V.A:nanoloop 1.0:☆☆
   素朴な音がほのぼのした雰囲気を醸し出して面白い。
   単調な音響系の曲が多いけど、ゲームボーイで打ち込むから
   ある意味無理ないか?
   メルツバウはいかにもな音像を作り上げててたいしたもの。
   くつろぐBGMにもフロアにも適さないのが玉に傷。
   部屋で聴く音楽だろう。ミュージシャンのセンスがもろに出る曲ばかり。

   詳細不明。RRRレーベルから手作りジャケットでリリースされた。
   97年リリース音源を、ジャケを変えて再発かな。
   内容は、EmilBeauliauの音源をメルツバウが
   コラージュした作品みたい。録音は96年1月。
213・Merzbow:Merzbow Loves EMIL BEAULIEAU:☆☆★
   コラージュ要素が強い。メルツバウにしては音数が少ないな、と思う場面も
   しばしば。濃密なハーシュもきっちりあるけれど。アナログ・シンセの蠢きが主体か。
   頻繁に音像が変わり、退屈はしない。しかしスカスカなサウンドにちょっと違和感あり。
   ハーシュ、エレクトロ・ノイズ、コラージュ、さまざまな要素を強引に
   一枚へ押し込めたかのよう。2曲の長尺作品いり。聴きとおすにはちょっと集中力が必要。

02/9/8   めずらしく一枚だけ購入。

   菊地成孔のユニット、スパンク・ハッピーの1stアルバム。
   だいぶ絢爛豪華になった。既発曲のアレンジもかなりいじり、
   違和感ないのは「麻酔」くらい。ボーカルもかなり加工してる。
   ステージではこれ、どんな風に歌うんだろう。
212・Spank Happy:Computer house of mode:☆☆★
   最初にスパンクスを聴いて気にいった、官能的にまとわりつく
   メロディラインがいっぱい入ってて嬉しい。
   バックトラックはかなり飾り立てられてるが、シングルほどオブラートは
   なくなってきたかな。さまざまなフリークやフェチにこだわった歌詞を
   安っぽいシンセの音が煽り立てる、病的なハッピーが楽しい。
   ライブで聴けた、スカスカなバック・トラックも好きだけど
   CD化はされないだろうな。
   歯切れよく吹き抜ける(5)やずぶずぶ切り裂かれる(6)が面白い。

02/9/1   レコード屋へ行くと、聴きたい音楽山積みですね。時間と金が欲しいなー。

   出ると聴いた時には嬉しかった。何せこのライブ、客が3人しか
   いなかったのに、演奏は最高だったから。
   明田川荘之(p)、三上寛(g,vo)、石塚俊明(ex 頭脳警察:ds)の
   トリオによる演奏だ。01/7/25にアケタの店で録音。
   この日のステージの、たぶんほぼ半分程度が収録されている。
   「りんご追分」での三上のシャウトや、怒涛の盛り上がりを見せる
   「大感情」など、聴きどころたんまり。ぜひ、ぜひ、ぜひ。 
211・明田川荘之/三上寛/石塚俊明:大勘定:☆☆☆
   すごいすごい。
   三者三様の音楽性なはずなのに、ぴたりと日本的なグルーヴが産まれてる。
   三上寛の独特の間がたまらない。渋みの効いたとびきりの
   サウンドです。ぐしゃぐしゃに盛り上がるテンションも聴きもの。

   ゴア・トランスの記事に、しょっちゅう「名盤」と掲載される一枚。
   今回、旧作が日本で一気にリイシューされたみたい。
   1995年発売の、2ndアルバム。
210・Juno Reactor:Beyound the infinite:☆☆
   予想してたよりおとなしい作り。部屋で聴いてるせいかな。
   大音量のフロアで聴いたら印象変わると思う。
   ただ、今の時代で聴くと若干隙間が多い。
   4曲目と7曲目がいい。

   レコ屋内に流れてるのを聴いて気にいった。
   シカゴ発のデュオ。基本はネイヴィン兄弟による、エレクトロ・ポップ
   だが、低音のボーカルが後期YMOを連想して買ってみた。
   日本先行発売で、5thにあたるようだ。
209・The Aluminum Group:Happyness:☆☆☆
   涼しげでほんのりセクシーなハーモニーがなんとも楽しい。
   ダンディさとはちょっとちがった、大人の魅力だ。
   メロディもキュートで、打ち込み中心なサウンドに似合う。
   しなやかなスピード感あふれるポップス。

   81年にニューヨークで発売された、男性ボーカル盤。
   ソウル界ではレア盤だったらしい。
   点描で描かれた素朴なジャケットがなんか気になって買ってみた。
   カーペーンターズ"We`ve only just begun"をカバー。
208・Lee Mcdonald:Lee Mcdonald:☆☆
   洗練された演奏に、ちょっとサザン・ソウル系の泥臭い歌い方で
   いなたさを醸し出す。ミュージシャンのクレジットはないが、
   リズムのキレが爽やかでいい。
   コンガなどラテン系のパーカッションが華を添える。
   アップな曲もかっこよく聴こえた。めずらしいな。
   たいがいぼく、ソウルはスローのほうが気に入るのに。
   もっとも本盤、スローは(6)の一曲のみ。
   アルバムはクラブでかかったら、気持ちよさそうなサウンドだ。

   ゴスペルの新人男性ソロによる2nd盤。
   「プリンスの再来」などと言われてるとか。たしかにそんな感じだな。
207・Tonex:O2:☆★
   プリンス風の粘っこいボーカルや、ぎゅっと詰まったハーモニーが楽しい。
   前半ではファンキーに押し、後半で甘くゆったり流す構成もなかなか。
   ただ、アルバム全体だとちと冗長か。あえて曲数を減らし、
   短めにまとめたほうが効果的な名作になったのでは。

   ロック系をもう一枚ジャケ買い。アセンズ録音の女性デュオです。
   この新作が2ndになるようだ。
206・Azure Ray:Burn & Shiver:☆★
   静かでロングトーンを生かしたポップスは、はまればなごめる。
   だけどちょっと単調かなぁ。後半へ行くにつれよくなってきた。
   無意識なのか、ZEPの「天国への階段」に似たメロディの曲があり。
   エレクトロ・ポップでこのメロは似合わんだろ~。

2002年8月

02/8/24   めあてはJの新譜。ついでにあれこれ面白そうなのを買ってみた。

   ダイナソーJを解散したJマスシスのソロ3作目。
   Fog名義では2nd作になる。もっとも演奏はあらかたJの多重録音。
   ゲストにコブラ・ヴェルデの面々が参加してる。
205・J Mascis + the Fog:Free so free:☆☆☆☆
   一人の男による、壮大な呟き。轟音とアコギをうまく使い分けてる。
   "Freedom"がキーワードになってるようだ。
   Jって充分、自由に活動してると思うが。なんかあったのかな。
   基本的に多重録音のはずだが"Freedom"などでは、後半にいくにつれ
   リズムがラッシュしていく。いったいどうやって録ったんだろう。
   前作にも増して、メロディメイカーぶりも強まった。
   Jのボーカルが個性でもあり、弱みでもある。
   もし彼に歌の女神も味方したら、間違いなく世界を取れるだろう。
   アルバム本編で気にいったのは(1)(4)(8)など。
   ボーナスのライブ盤もすごい。ギターの暴風雨が快感だ。

   91年に日本のレーベルから発売されたシングル。
   ニューヨークと日本で行われた2種類のライブをミックスしたもの。
204・Merzbow:Artificial Invagination(single):☆★
   どういう風にライブ音源を繋げたかはさっぱりわからず。
   ややこしいこと考えずに、素直にこの迫力を楽しむべきか。
   凶暴に襲い掛かる金属獣の咆哮が勇ましい。

   大友良英がグラウンド・ゼロで行った"Priject:Consume"三部作の
   第一作目。韓国の金石出(胡笛)の演奏をサンプリングで使用。
203・Ground-Zero:Consume Red:
   ドローン的な効果を狙ったんだろうか。CD一枚一本勝負で
   えんえんと続くので、時間あるときでないと楽しめない。
   せわしない時だと、ついうわのそらで聴いちゃうなぁ。
   ひたすら鳴り響くサンプリングばかりが印象に残る作品。

   日本の新人グループみたい。♀(vo,g)一人に♂二人による
   3ピースバンド。ジャケットは多分ビーチ・ボーイズ"All summer long"が
   モチーフだ。12曲入りフルアルバムながら500円って
   安価な価格設定が気に入った。今年のリリースで、CD-R。
202・The Locomotiones:The Locomotones:
   むー、いまいち。アレンジにいろいろ気を配ってるようだが
   もっと過剰になって欲しい。ボーカルが覇気ないのはなぜ?
   ちょっと低めの歌い方のせいかなぁ。
   次作以降に期待したい。

   DJテープなるものを聴いてみたくて、一本ためしに買った。
   ヒップ・ホップのDJみたい。この業界は詳しくなくて詳細不明。
201・DJ Oshow:What`s Hip-Hop(casetto):☆☆
   生のDJプレイを見たくなった。ヒップホップから古めのソウルまで
   スクラッチとカットアップを使いながらつないでゆく。
   テクニックに走るだけでなく、基本的には曲をじっくり聴かせてくれるので
   部屋で聴いてても充分楽しい。
   唐突に挿入される、ツービートの漫才が懐かしかったな~。

   OZレコードのコンピを聴いてて興味を持った。いまさらって感じですが。
   これはメジャー移籍第一弾アルバム。97年発売。
200・フリーボ:フリーボ‘97:
   泥臭いスワンプ要素を盛り込んだポップス。正直、この手の暑さは
   好みじゃない。もっと都会的な要素を盛り込むかと
   期待してたのにな。うーん。

   「フリーボ‘97」の2ndシングル。3曲入りで1曲がアルバム未収録かな。
199・フリーボ:風が途絶えた訳:
   妙に古臭い感じがするのはなぜだろう。
   とにかく暑いボーカルが気になった。むしろこの手の音楽は
   ざくっとした録音の方が映えるのかな。
   しゃきっとしたギターの音色が耳につく。
   (3)のスローが比較的好き。

   メジャーからの3rdアルバム。プロデューサーは萩原健太だ。
198・フリーボ:Smoking Blues:
   スワンプに統一した音作りはオーバー・プロデュースでは、と
   最初こそ思ったが。素直にアレンジしたらトゥー・マッチに
   なりすぎかも。ほんのりはっぴぃえんどの幻想も見えた。
   いずれにせよ、スワンプやサザン・ロック系の音はぼく苦手。
   吉田奈邦子の歌声も力強すぎて、ちときつい。

02/8/11   レコ屋で目に付いたのを何枚か。
         今月買いすぎだな・・・ちょっとセーブしなくちゃ。

   いまさらですが。ライダーズが00年にリリースしたアルバムを入手。
   メンバー一人一人が宅録した音源と6曲と、ライブ版「Kのトランク」を
   収録したミニアルバム。「Kのトランク」はカントリー・バラードっぽく
   アレンジされ、違和感あって面白い。
197・The Moonriders:Six musicians on their way to the last exit:☆☆
   どの曲も宅録のソロなのに。きっちりライダーズっぽいとこが
   かれらの個性的な所。おごそかなタイトル曲(岡田作)や
   ほのぼの調な「ブリキの靴」(かしぶち作)が気にいった。
   どれも一ひねりしたライダーズ節。宅録体制をとった効果か、
   肩の力が抜けた暖かい出来になった。

   一噌幸弘(能管)がペーター・ブレッツマン(sax)、川端民夫(b)、
   古澤良治郎(ds)と93年に新ピでライブした音源をCD化。全て即興です。
   94年発売みたい。こんなの出てたんだ。知らんかった。
196・一噌/ブレッツマン/川端/古澤:Vier Tiere:☆☆★
   それにつけても生演奏を聴きたかった。こういう音楽は
   ライブ演奏の空気が醸し出す緊張感を味わってこそ魅力が増すもん。
   もっともこの盤は、スリリングな即興の魅力をうまく録音している。
   能管も高音成分を強調しない、聞きやすい音質で嬉しい。
   23分と長丁場だが、ソロの格闘をたっぷり聴ける(3)がベストトラック。

   結局これも買っちゃった。ライノによるリマスター盤。
   70年発売で、ヒット曲は"Make me smile"や"25 or 6 to 4"などがあり。
   両曲ともシングル・バージョンがボーナスで入ってます。
   ダイナミクスは向上したが、全体的にのぺっとした音は変わらず。
   マルチが残ってたら、リミックスしてほしいな。
   それやったら「オリジナル」じゃなくなる可能性あるけど。
195・Chicago:Chicago Ⅱ:☆☆☆☆
   一気に洗練された好盤。メロディよし、アレンジよし。
   組曲も締まってて聴きどころが多い。もっと早く聴いときゃよかった。
   難点は音がちょっとワレてしょぼいところ。
   売れた盤だし、マスターがもうメロメロなの?

   ソニー・シャーロック(g)が91年にリリースしたアルバム。
   聴いたことないけど、10年前ならまだバリバリな音で弾いてるかな。
   サイドメンはファラオ・サンダース(ts)、チャールズ・モフェット(b)
   エルヴィン・ジョーンズ(ds)で、プロデューサーがビル・ラズウェル。
   なんか一昔前に、いかにも話題になってそうな顔ぶれですが。
194・Sonny Sharrock:Ask the ages:☆★
   ゴツゴツっとした迫力は時代を超えて存在感がある。
   ラフなアンサンブルだけど、確信犯だろうな、たぶん。
   音を歪ませ弾き倒すソニーはあいかわらずだが、
   奔放にリズムを揺らすエルヴィンのドラムが面白かった。
   ファラオはソロにムラがあるなぁ。

   マック・マコーガン(スーパーチャンク)の個人ユニット、
   ポータスタティックの盤を2枚入手。GbVのボブと共演した盤での
   ポップ・センスが気になり、ぜひ聴いてみたかった。
   これは01年に出たEPみたい。トリオ編成のライブを5曲収録。
   2500枚限定らしく、ジャケ裏にナンバリングがふってある。
193・Portastatic:The perfect little door:☆☆☆☆
   ギターが素朴でミニマルなリズムを刻む一方で、
   サックスが豪放に歌う。パーカッションのタイミングも
   素晴らしい。ミニアルバムながら、とてつもない好演を
   満載した一枚。一曲入ってるライブも最高だ。
   このメンツでフルアルバムを一枚作ってほしいぞ。

   発売は01年の4thアルバム。カナダのインディ映画用サントラらしい。
   全編がインストで構成されている。
192・Portastatic:Looking for Leonard:☆☆
   シンセの音色がぶっとくて、いまいち安っぽいのが難点。
   だがメロディは親しみあって気にいった。
   映像と一緒に見たらどんな風に感じるんだろう。
   ちなみにこの作品、単独で聴いても充分楽しめる。

02/8/9   ライブの物販で購入しました。

   津上健太率いるカルテットの初CDがリリースされた。
191・BOZO:1st:☆★
   なるたけでかい音で聴くべきジャズ。なまじっか聴きやすいだけに
   さらっと耳を音が通り過ぎてしまいそう。だけど何度か聴いてる内に
   リズム隊のちょいとひねったリズムにぞくっと来た。
   もうちょいサウンドに破綻があったほうが好みなのは確かだけど。

   BOZOのメンバーでもある南博が今年リリースした関連アルバム。
   デンマークのキャスパー・トランバーグのセクステットに
   南博が加わった演奏だ。
190・Kasper Tranberg:Mortimer House:☆☆
   一癖あるメロディが印象に残るジャズ。ちょっと上品過ぎかな。
   たぶん生で聴いたら迫力あると思うけど。
   バラードがだんぜんかっこいい。メロディがぐうっと浮び上がる。
   (4)や(6)、(7)あたりが今気に入ってる曲。

02/8/6  注文してたCDが到着してました。
    
   ライノがシカゴの版権を獲得したようだ。とりあえず2タイトル買って見た。
   リマスター者の名前にビル・イングロットの名前は見当たらず、今回は
   デヴィッド・ドネリーが務めている。ライノも世代交代かな。
   リマスターで音は確かにガッツ出た。でもそれ目当に買うほどじゃないですよ。

   1969年発売の2枚組(CDでは1枚)デビュー盤。
   ジャケットの再現は嬉しいが、デジパック仕様で見開き3ページ目の
   デザインがケース越しなのが気に食わないなぁ~。
   ベスト盤に入っていなかった、日本だけのヒット曲「流血の日」が
   特に聴きたかった。
189・Chicago:Chicago Transit Authority:☆☆★
   10年ぶりくらいでアルバムを通して聴いたが、若干間延びする
   構成なのはあいかわらず。でも、荒削りなホーン隊を聞くと元気になる。
   ファンキーじゃなく、硬く鳴る管の響きがすがすがしくって。
   灰野敬二を連想するテリー・キャスのギターソロも楽しめた。
   本盤をよく聴いた十数年前は、さっぱり良さがわかんなかったっけ。そういえば。

   70年発売の3rd。これも当時は2枚組。CDだと1枚に収まるから
   コンパクトだけど、なんか損した気分だ(笑)
   本盤は聴くのは初めて。バラで数曲を聴いたことあるだけです。
188・Chicago:Chicago Ⅲ:☆☆
   ホーン隊はもちろんだが、あんがいテリー・キャスの
   ギター・ストロークが印象に残るアルバムだ。
   ポップな曲満載の前半も面白いが、後半部分で
   テリーやジェイムス・パンコウがLP片面を
   存分に使って好き勝手した音楽も面白い。
   ポップさと実験精神が、うまい具合にかみ合った。
   ぼくのベスト・トラックは"What else can I say"かな。

02/8/4   バーゲンやってて、つい買い込んじゃった。

   こう暑いと、何も考えずに楽しめるゴア・トランスが聞きたくなる。
   このジャンルはわかんないので、ジャケを見ててきとうに。
   新譜らしい。TIPってレーベルに聴き覚えあったので買ってみた。
187・Alien Project:Aztechno Dream:
   完全なフロア向けかな。ビートは心地よいが、部屋で聴くには
   あまりに取っ掛かりがない・・・。メロディが少ないせいかも。

   よくわかんないときはコンピでしょ、やっぱ。
   ジャケットのムードでぴんと来ました。さて、音はどうかな。
186・V.A.:Tantrance vol.12:
   完全にフロア向けな音だと感じた。部屋で聴いてて
   いまいち耳をそそらない。のぺっとしたゴアが
   えんえん続いて、かなり空気が重たくなる。
   でかい音で聴いてなんぼですな、これは。

   試聴機で気になった音です。打ち込みのリズムが重なって面白そう。
   シールには「ポーランド出身の黒人アーティスト」とありますが・・・。
185・2000Black:Presents Pavel Kostiuk and the Musicals:☆☆☆★
   傑作です。フロアだけでなく、部屋で聴いても楽しめる一枚。
   ループを基調にしたリズムながら、細かくアクセントをずらして
   多層的なビートを作り出した。
   サウンドはリフが中心。凡庸なメロディを重ねられるよりはいいけど。
   フロアで2枚使いを狙ってるの?半製品を聴いてるようなもどかしさあり。
   だが、細かな点まで気を配り、製作したのがよくわかる。
   聴きこむほどに魅力が増える面白い盤だ。

   あるレコード屋でPヴァイン盤をしこたまバーゲンしてて、
   思わず買いあさってしまった。10枚で800円。いえい。

   元ソウル・チルドレンのJ・ブラックフットのソロアルバム各種。
   86年発売の本作に、シングル曲を2曲追加。
184・J Blackfoot:U turn:☆☆
   大仰に響くシンセはさすがに時代を感じる。だが、ミディアムの
   暖かさはアレンジの古さを吹き飛ばす。"Breaking the monotony"や
   "Friendship"あたりが気にいった。

   上記に続く4thアルバム。91年発売かな。
183・J Blackfoot:Loveaholic:☆★
   ホーニー・バンクスとレスター・スネルが頑張っているが
   空回り気味な盤。Jの歌声は高音シャウトも含め快調なのに。
   プリンスとの共演で影響を受けたか、打ち込みっぽいドラムと
   チープに厚いシンセの音が目立つ。
   (7)あたりがもっともプリンスらしいと考えるが、どうでしょ。
   ベストは(1)かな。ミディアム系に佳曲が多い。
   かなりこもったマスタリングもペケ。

   で、これが5th。93年発売。
182・J Blackfoot:Room service:☆☆☆★
   熱いぞ熱いぞ。好サザン・ソウル盤にしあがった。
   前作は試行錯誤だったのか?特にバラードがうまい。
   Jの歌声もばっちり。か細い声が見事に震える。
   全曲バンクス&スネルだが、うまいこと生演奏を生かしてる、
   リズム隊の音色が打ち込みっぽい。今聴くとしょぼいが、時代ということで。
   リズムも含め、ほとんど生では。軽やかに絡むギターのオブリが美味しくって。
   プリンスの影響をいまだに感じるのはぼくだけ?(2)とかさ。
   (1)~(3)、(7)あたりが気にいった。お薦め。

   キャメオのラリー・ブラックモンが作ったファンクバンドのアルバム。
   オリジナル盤は82年にリリースされた。
181・LA.Connection:Now appearing:☆☆☆
   いいねー、これ。もろにキャメオ・クローンな音だけど。
   ややこしいこと言わずに聴いたら、とびきりのファンクが詰った好盤です。
   シンセとホーンを組み合わせた軽快なビートで、立て続けに押したあと
   しっとりバラード2連発でなごませる曲順もにくい。
   んでまた、このスローがいいんだ。ムーディで。
   キャメオが好きな人なら絶対にはまります、これ。
   あえてケチつけるなら。個性を押し付ける、アクの強さがないとこかなぁ。

   サウンド・システムのスペシャル・ダブ・プレートのオムニバス。
   日本とジャマイカほぼ半々収録されている。
   レゲエ聴くのは久しぶりだー。92年にリリース。
180・V.A.:Sound system specials:
   一曲だけ聴いたら楽しめるかもしれない。でもえんえんアルバム一枚
   似たようなBPMで続くのは、ちとうんざり。ぼくがレゲエに馴染めない
   のは、こんなところにあるのかな。

   ドゥ・ワップものを一枚。ペンギンズ「Earth angel」をリリースした
   ドゥートーンのコンピ盤。チャック・ヒギンズ、ロイ・ミルトンなど
   ジャンプものも数曲あり。
179・V.A.:The Dootone Story:☆★
   やはり"Earth Angel"の出来がピカイチ。B級レーベル的な
   荒っぽい音作りは出来不出来が激しいや。
   ドゥ・ワップ・バラードなら"Please Mr Junkan"by Cleve Duncan & the Penguins、
   ジャンプなら"Wet back hop"by Chuck Higgins & His Band、
   アップのドゥ・ワップだと"So Touch"by The Cuff linxが気にいった。
   特に"So Touch"の録音はパンチが効いててお勧め。

   チェスのノーザン・ソウルを集めたコンピみたい。
   KENTの編集を邦盤化。うーん、マニアックそう。
178・V.A.:Chicago radio soul:
   こういうオムニバス聴いてると、ソウルはシングル盤が重要なのを実感する。
   アルバムがなくても、とっても魅力的な曲がぽこっとはいってるもん。
   ふっくらとしたエコー感覚が心地よい。
   Jo Ann Garrett"A thousand miles away",Tony Clarke"This heart of mine",
   Bobby Moore& The Rhythm aces"Try my love again",The Radiants"One day I`ll show you"
   などがとりあえず気にいった。荒っぽい"James Phelps"La de da,I`m fool in love"もいいな~。

   70年前後に活動した、シカゴのガール・トリオ・ソウルグループ。
   インプレッションズに例えられているが、カーティス・メイフィールドとは
   特に関係ないグループみたい。
177・The Lovelites:This love is real:☆☆
   10代らしからぬしっかりした歌いっぷり。声量を競う歌い方じゃありませんが。
   どちらかといえば鼻歌風か。
   盤起こしでしょぼい音が残念だ。ヒット曲の(8)の甘さがいいな。
   声高に絶賛はしないが、シカゴ・ソウルファンなら聴いて損はない。

   ハイチの伝統的ダンス・ビート「メラング」に着目して
   録音されたコンピ、とある。「メレンゲ」のことかなぁ。83年録音。
176・V.A.:Meringue:
   耳ざわりはいいけど、単調だ。ダンスミュージックなのに
   心が躍らない。うーん、中途半端。

   75年と77年にリリースされた、レア盤を2on1。帯を読む限り
   フィリー系の音みたいだが、録音はワシントンやメリーランド州。はて。
175・Dyson`s Faces:Dyson`s Faces:☆★
   あんがい大味なソウル。ところどころいい曲もあるが・・・。
   稀少性ってことで持ち上げられたか。
   これならばあえて大金を出してまで買うべきアルバムとは思えない。

02/8/3  ひさびさにどどっとCDを仕入れてきました。

   早くもリリースされたONJQの3rdアルバムはライブ盤だ。
   音源は02/3/17の新ピでのライブ。この日は行けなかったので嬉しい。
   オリジナルは2曲。ドルフィーやショーターの曲のほかに
   ジム・オルークの「ユリイカ」をカバーしている。
174・大友良英New Jazz Quintet:Otomo Yoshihide`s New Jazz Quintet LIVE:☆☆☆☆★
   大傑作。音の響きを重要視する大友が、ジャズを前面に出した
   音楽なんだ、と今回はじめて気がついた。
   翳の漂う音像が基調だけど、ときおりソロが鋭く閃く。
   サックス二本とペットがしたたり落ちる「ユリイカ」の
   かっこいいことといったら・・・。
   菊地のテナーと大友のギターが激しく咆える「Flutter」も聴きもの。
   今までのアルバムの中で、一番ヌケのいい感触だ。
   もしONJQを聴いてない人には、このアルバムを薦める。

   ウオーのハープ奏者、リー・オスカーが87/7に日本で行ったライブが
   リリースされた。バックを務めたのは日本のジャズメンたち。
   ベースが故川端民夫だったため、追悼がきっかけで世に出た次第。
173・Lee Oskar with 良治郎バンド:Sublimation:☆☆☆
   単なるファンクでもない、純粋なジャズとも違う。
   ほんのりコミカルで暖かいグルーヴのファンク・ビートが
   楽しい。メロディもとっつきやすい。
   踊るよりも、椅子に座って身体を揺らす程度の
   のり方が似合いそう。
   リズム隊の柔軟なビートがとにかく快感だ。

   PSFから立て続けにリリースされたソロアルバム群の一枚。
   発売は2000年。全てエレキギターの弾き語り。
172・三上寛:四拾九億八万九千六百五拾八分の拾参:☆☆
   アルバムとして特に目新しい技をぶちかましてるわけじゃない。
   あくまで実力一本で押し切る歌がいっぱい。
   ほんのり吐息が軋む歌声が渋くていいな。
   タイトル曲や「君の詩はイイと言われた」や「十一月の七0万円の胡桃」が
   特に耳へ残った曲だ。

   ハイラマズの"Buzzle Bee"に12弦ギターで参加してた
   ミュージシャンの完全自主制作盤。今年発売の新譜です。
171・Pete Aves:Fideity:
   ハイラマズ関係、と聴いたら「なるほどな」と思う。
   その程度の関連性は音にあるようだ。
   基本はポップスだが、表面的にひとひねり。
   やりたいことが空回りしてるみたい。
   耳ざわりはまずまず。

   phishの課外活動のひとつが、アルバムをリリースした。
   オフィシャルHPには、すでにリミックスやライブ音源が溢れてます。
170・Vida Blue:VidaBlue:☆☆
   クラブっぽいジャストな響きの曲と、普通のジャムバンドっぽい曲が混在する
   不思議な感触のアルバム。好みはやはり暖かいグルーブな
   ジャムバンド風味の曲。"Electra Glide"が一番気にいった。

   97年にジョン・ゾーンが仲間と行ったスタジオ・ライブ盤です。
   メンバーはウエイン・ホーヴィッツ、E#、ボビー・プリヴァイト。
   この手のセッションは顔ぶれを替えつつ、しこたまやってきたんだろうな。
   ふと見かけて、妙に気になり買ってみました。さて、どんな出来かな。
169・Privite Sharp Horvits Zorn:Downtown Lullaby:☆☆
   メンバーから期待したほどには乱暴じゃなかった。
   ジョン・ゾーンが押さえて、E#が暴れれば
   音像が面白い構図になる。探りあいで終わった感じ。

   メルツバウがコンピに参加した盤を、まとめて見つけました。
   どれも知らないのばっかり。いったいどのくらいリリースしてるのやら。

   発売年月不明。カリフォルニアのレーベルみたい。競作も入れ3曲参加。
168・V.A.:The way out sound-Catalog of singles:☆★
   どうやらドローンがコンセプトなCDのようだ。
   タブラっぽい響きのドラムがかっこいいMuslimgauzeの曲と
   高速リズムを刻むバンドアレンジのHolland skin tunnelが気にいった。
   エンディングを飾るSliver Wizardの曲もきれいだ。
   シンセによる刻み入りアンビエント作品に仕上がっている。
   メルツバウの作品は、単体よりもJohn Goffとの共演が面白い。
   ハーディガーディ(かな?)バリバリで悪夢の世界を構築した。

   95年リリース。カナダのレーベルかな。タイトルはマジなんだろうか。
   日本人では他にK.K.Nullが参加。メルツバウは一曲を提供している。
167・V.A.:In discreet Stereo Test Record:
   それぞれの曲にステレオ・テストの各機能を担わせているが、
   まあ、それほど厳密なものじゃない。
   どのミュージシャンもノイズ系だが、比較的静かな音響系が
   多いようだ。Lull,Null,Final,Delphiumといったミュージシャンの
   作品が奇麗で気持ちよかった。
   そしてエンディングまじかでぶちかまされるメルツバウ。
   強烈な音圧で、異彩を放っている。かっこいいなー。

   発売は92年。ゲロゲリゲゲゲも1曲参加してる。ロンドンのレーベル。
   メルツバウは1曲を提供した。
166・V.A.:Melt:
   ドローンやインダストリアルっぽい単調なノイズが多く、聴いてて
   気がめいってしまう。Beequeenの高調波作品はけっこう楽しめた。
   重たい曲が続いた後で、Earth Mother Fuckerがおバカなスライドを
   多用するロックをぶちかます。はっきり言ってクズな演奏だけど
   妙に和んでしまう自分に笑った。

   87年と初期の音源を使って、91年にカナダでリリースされた。
   メルツバウとのコラボ作品。共演はKim CasconeとAsmus Tietchensだ。
   あとの二人は不勉強で知りませんが・・・。
165・PGR/Merzbow/Asmus Tietchens:Grav:
   重苦しい低音が淡々と、ひたすら続く作品。
   三人のコラボが悪い方向に働いたか?
   単調でさほど面白いものではない。
   むしろ最後の曲、キム・キャスコーンが単独で作った作品のほうが
   シンプルながらも魅力的なドローン・ノイズ作品になっている。

2002年7月

02/7/28  通販でCDがさくっと到着。売れ線だと着くのが早いな。
       あわせて頼んだナムルックはいつになることやら。

   日産ステージアのCMソングに使われてる"We will rock you"の
   カバーが気になって買ってみた。歌うはケイコ・リー。
   これはベスト盤になるらしい。ほとんどはポピュラーソングの
   カバーがしめている。彼女の歌は初めて聴いた。
164・Keiko Lee:Voices:
   "We Will Rock You"のアレンジは秀逸だが、他はオリジナルの方がいい。
   甘く流れてしまい、BGMとして聴き流してしまう。

02/7/20  ライブの物販で購入。

   以前告知があったが、いつのまにか磨崖仏のHPから情報も消えてしまい、
   どうなることやら気を揉んだアルバムが、無事発表された。
   2000年に行われた中国ツアーより、8/13のライブ音源を収録。
   発売は香港のレーベル、Noise Asiaより。
163・Ruins:Live in Guang Zhou - China:☆☆☆
   からっと乾いた分離のいい音で録音されている。
   その生々しさがいい。テープ編集してるみたいだが、
   ライブそのまま丸ごとパックで聴いてみたかった。
   インプロも数曲あるし、中国人とのインプロも面白い。
   急にリバーブまみれなヴォーカル応酬は苦笑したが、ルインズがうまく合わせてる。

02/7/19
    通販とライブ物販の先行販売にて。

   ボンデージ・フルーツの別働隊といえる、Warehouseが待ちに待った
   初CDを出した。たぶん97年頃から散発的にライブをやってたはず。
   鬼怒・大坪・高良によるコンパクトなプログレ作品なので
   部屋でじっくり聴けるのが、とにかく嬉しい。
162・Warehouse:Endless game of cat and mouse:☆☆☆☆★
   こじんまりした編成で繊細に練り上げた妙なる音だ。
   ノスタルジックで幻想的。ほのぼのした雰囲気を基調に
   ときおりクールなメロディに身が引き締まるのも楽しい。
   変拍子を多用し構築されたサウンドだけど、アルバム全体から
   醸し出されるリラックスした雰囲気になごんでしまう。
   つまり相反する要素を内包しつつ、どれも納得しちゃう説得力がある。
   さまざまな小物でトッピングしたアレンジは、さながらオモチャ箱。
   プログレが好きな人、ポップスが好きな人。いろんな人に聴いてほしい。
   絶妙のテクニックで、とびきり上等のケーキみたいな音を作り上げた。
   いかようにも召し上がれ。きっと満足できます。

   01年2月に結成された、芳垣安洋のジャズカルテットによる初CD。
   強力なメンバー(大友良英、水谷浩章、斎藤良一)による骨太ジャズです。
   音源は02/3/20に江古田バディで行われたライブより。
161・Emergency!:Loveman plays psychedelic swing:☆☆☆★
   ライブで聴ける魅力を見事に切り取った好盤。
   ザクザク切り裂く力強さや、ひたすらのめりこむファンキーさを
   たっぷり聴ける。あえて一枚にまとめず、ライブを丸ごと
   フルセット聞きたくなる。一曲が10分程度と、イメージ的に
   ちょっと短めな感じ。ライブを意識したか?編集してるようには聴こえないが。
   鋭いギターとリズム隊とのバトルが何より聴きもの。
   けだるく引き摺るカークの「溢れ出る涙」、凄みすらある
   エリントンの"Creole love call"、ゴムみたいに伸びるファンキーな
   ミンガスの"jerry roll"。
   錆びたように輝く美しいバカラックの"The look of love"。
   どれもこれも素晴らしい。オリジナルもいいぞ。
   "RE-boptism"の破天荒さがかっこいいです。

   発売元のStudio Weeレーベルへ直接申し込んだ場合にもらえる、
   未発表テイクを収録したCD-R。同じライブの音源かな。
   この日のライブは仕事で行けなかったんだよな。
   上のCDとあわせ、8曲がCD化。
   演奏したライブの2/3くらいは発表された計算になる。
160・Emergency!:Secret boots of plitician:☆☆
   フリーっぽくパワフルに突き進む。これも当日、ライブで
   演奏されたのかな。リハの演奏って気もする。
   5分前後で、ひたすら続く大友の単音ソロの気迫がすごい。

02/7/18   通販で頼んでたCDが到着。うーん、待ち遠しかった。

   ネットをぶらぶらうろついてた時、このCDを見つけた。
   福岡出身のボーカリストを、ティポグラフィカの曲者二人がサポート。
   ベクトルは違うけど、三上寛や泉谷を連想した。
   96年リリース。クールなサックスも聴きものだ。
159・倉地久美夫/菊地成孔/外山明:うわさのバッファロー:☆☆★
   かなり癖のある歌い方に戸惑ったが、慣れたら病みつきになりそう。
   一人芝居のように、ダイナミックな歌いっぷり。支える演奏も素晴らしい。
   ランダムにビートを叩き込む外山と青白いサックスを
   いっぱい聴かせる菊地。どちらも飛び切りの演奏だ。
   ちょっと影を背負った音像がかっこいいな。

   上の盤をリリースしたレーベル、オズ・ディスクのサンプラー盤が二種。
   昨年リリースされたのは知ってたが未聴。
   上の盤と合わせて購入してみた。いま、これを書きながら聴いてます。
   いい曲が目白押し。しまった、もっと早く聴いとけばよかった。
   どちらもブックレットが異様に厚く、ケースに収めにくいのが難点。

   歌ものを中心に、ポップな楽曲を集めた2枚組サンプラー。
   単なるオムニバスでなく、レア音源も混ぜた編曲がにくい。
   初めて聴くなら、こっちを入り口にしたほうがいいのでは。
158・V.A:オズディスク・サンプラー[赤盤-odd side-]:☆☆☆
   レーベルのポップ・サイドでありつつも、どの曲も思い切り一癖あり。
   フリーボみたいにメジャー化のポテンシャルは、どのバンドももってるはず。
   ただしその方向性に魅力を感じてるかは別。
   "聴いてて心地よい"の価値観をポップスと呼ぶならば、これは極上の
   ポップスばかり。ただ、聴く人を選ぶだろうなぁ。
   岸野雄一のほのぼのした歌声に心底しびれる。

   アヴァンギャルドな音源を中心に編集したサンプラー。
   聴き応えありそな2枚組だ。
157・V.A:オズディスク・サンプラー[青盤-even side-]:☆☆☆
   ぶすぶす尖がった音ばかりで楽しいことこの上ない。
   ヒットチャート上位に食い込んだり、スタジアムで大歓声を受けるような
   姿が想像できない音楽ながら、けっして聞き逃してはいけない
   アイディアいっぱいの音ばかり。
   ちょいととっつきにくいのは確か。だが、はまると美味しく頂ける。
   Kar、突然ダンボール、Jon、蝉などが面白い。
   分厚くて取り出しにくいブックレットが難。後ろのアンケートを
   2分冊にして薄くすればいいのに。

02/7/14  ライブの物販で購入。

   関西中心に活動してるらしい。ジャズ・プログレのアルバム。
   リリースは2000年。フランスのMUSEAレーベルからリリースされた。
156・6-North:I`m here in my heart:
   ヨーロピアン・プログレみたいな感じ。叙情性があって、メロディが
   ダイナミックで、ふわりと展開してゆく。だけど胸にぐっとこない。
   これはもう完全にぼくの趣味だ。プログレって、どうも素直に楽しめない。
    インプロのせめぎあいを今、聴きたいんだよ。
   その観点で聴くと、(4)や(6)あたりが耳に残る。

   壷井彰久率いる、4人組バンドの1st。プログレになるのかな。
   2000年の発売。こちらもMUSEAレーベル配給。
155・KBB:Lost and Found:
   それぞれのソロが醸し出すヨーロピアン趣味はかっこいいし、
   リズムもスリリングだ。ダイナミックなプログレが好きな人だと
   はまると思う。「このバンドで出したい音」か「この音楽の個性」を
   明確に出してたら、ぼくもはまってたはず。

02/7/13
    レコード屋巡り。あんがい収穫あったぞ。

   GbVのロバート・ポラードが、リチャード・メルツァーと作った
   コラボ盤(2002年発売)が、すぐさま「完全盤」として、未発表音源付で
   リイシューされた。「日本に輸入されないだろうな」と諦めてたら、
   ひょこんとレコード屋の片隅で発見。ラッキー。
154・Robert Pollad/Richard Meltzer:Smegma antler and vom:
   ローファイ・ロックがてんこもり。ほんのりパンク風味も。
   音は悪いし、演奏も適当。かなりお薦めしづらい音だ。
   ザッパが会話を録音して音楽に仕上げた音をふっと連想した。

   93年にリリースされた、メルツバウとクリストファー・ハーマンとの
   コラボアルバム。87年にメルツバウが作った素材を、クリストファーが
   リミックスした作品らしい。
153・Merzbow/Christoph Heemann:Sleeper awakes on the edge of the abyss:☆☆☆
   エレクトロ・アンビエントとして見たら、かなり具体的な世界が
   描かれた面白い作品。和むというより、中世の油絵をじっくり眺めてるような気分。
   だけどメルツバウとのコラボする必然性は感じない。
   くつろぎたい時より、落ち込みたい時に聴くと、どっぷりハマりそう。

   これ、ブートなんだろなぁ。99/11/12にニューキャッスルで行われた
   コステロとニーヴのライブ音源です。別売りながら、CD2枚組。
152・Elvis Costtello/Steve Nieve:Two`s company:☆☆
   音質はB-のAUD。聴いたとこ、カットらしき部分なし。
   ちょっと荒れてはいるが、シンプルで楽しい演奏。
   ファンは買って損ないはず。
   けっこう選曲がバラエティに富んで面白い。
   カバーもあるようだが、オリジナルが不明です。
   最新作に収録された"45"をすでにプレイしている。
   生々しい歌い方の"inch by inch"がベスト・トラックかな。
   シンセを使った"Green Shirt"もおもしろい。ワイルドな歌い方の
   "Shallow grave"も楽しいけど、音質ずたずたなのが玉に傷。

151・Elvis Costtello/Steve Nieve:Two`s companyVol.2:☆★
   やはりB-の音質なAUD。新譜からは「Alibi」をプレイ。
   ヴァン・モリスンの"Jackie Wilson said"を一節、カバーしている。
   気にいったのは凄みを持った疾走感の"Chelsea"や、しっとりした"What`s her name today?"。
   "she"も大仰にならず、素直に聴けた。

   先日、6年ぶりで2ndアルバムをリリースしたブレンダン・ベンソンの
   先行シングル。2曲はアルバム未収録みたい。
150・Brendan benson:Tiny Spark(single):
   丁寧に作ってると思う。ライブバージョンのスピード感がいいな。

   内橋和久によるギターソロアルバム。音源は96/12/18に行われた
   ライブからかな?
149・内橋和久:Guitar Solo 2:☆☆☆
   エフェクターで加工させた音を積み重ね、音の響きを
   楽しむ作品がいっぱい。いわゆるギターソロにありがちな
   早弾きは皆無。むしろ、メロディ感が希薄だ。
   そのためとっつきの悪さがネックかな。
   だが次第に彼の個性的な演奏にのめりこんでゆく。
   ぐるりとひとつながりな構成も面白い。

02/7/3   えらく更新が遅くなった。

   このコーナーでクラシックのCD買ったの報告するって初めてかも。
   駅売りのワゴンで売ってるパチものコーナーで見つけました。
   値段はなんと300円也(税別)。
   無性にこの交響曲が聴きたくなって買った。
148・Beethoven:Symphonie Nr.7 A-Dur op.92:☆
   ベートーヴェン「交響曲第7番 イ長調」です。カップリングは
   序曲「フィデリオ」。指揮はヨーゼフ・クリップスで演奏はロンドン交響楽団。
   クラシックは疎いので、名高い演奏家なのかはまったく不明。
   ついでにクレジットもなく、録音時期も不明です。
   かなり音がこもり気味だけど、熱っぽいまあまあな演奏では。
   これで300円ならいい買い物だな。

2002年6月

02/6/30
    レコード屋で3枚、通販で1枚。ジャケ買いをいろいろしたいけど
    ぐっとこらえてみる。ここんとこ、カンが当てにならん(笑)

   もはやほとんどGbVと無関係になってきたけど。
   Swearing at MotoristsのEPがリリースされた。
147・Swearing at Motorists:Along the inclined plane:☆☆
   フォーク・ロックっぽさと音響的な音楽が混在してて面白い。
   メロディもなかなか。(3)の生々しい歌声が渋くていいな。
   演奏はシンプル。へんにこねくり回さず、さくっと仕上げた好盤だ。

   ドイツのテクノ仙人ピート・ナムルックの近作が届いた。
   ビル・ラズウェルとの共演で、今回は2000枚限定です。
146・Pete Namlook & Bill Laswell:Psychonavigation 5:☆★
   常にビートは提示されてるが、不思議と体は動かない。
   かなりボリューム上げて聴いても同じだった。メロディを感じさせず
   ふわふわと漂うシンセの効果だろうか。
   軽やかに拡がる電子音が心地よい、好アンビエント作品。

   60年代に活躍したイギリスのフォーク・ソフト・ロックのデュオ、
   チャド&ジェレミーの旧譜がサンデイズドから、ボーナスたっぷりで
   再発された。地味な存在のわりに、最近色々発掘されてて嬉しい。

   65年発売。3rdになるのかな。ボーナスがなんと11曲もあるぞ。
145・Chad & Jeremy:Before and after:☆☆
   フォークタッチに統一された爽やかなアルバム。佳曲多し。

   67年にリリースされた本作は、コンセプト・アルバムらしい。
   プロデュースがゲイリー・アッシャーです。
144・Chad & Jeremy:Of cabbages and kings:
   才気走り過ぎた一枚。いろいろアイディアがあったのはわかる。
   それをてんこもりにしたのはいいが、散漫すぎて辛くなった。
   作ってる間は楽しかったんだろうな、これ。
   ぼくはボーナストラックで収録されたシングルの
   B面曲、"Sister Marie"が一番気にいった。

02/6/23   ユニオンでカットアウト盤を漁る。なんか有名タイトルが
        ぼろぼろあってびっくり。大盤振る舞いだな。

    今とびきり刺激的なプログレ・バンドのひとつ、ボンフルが
    新譜(5th)を出した。アルバムタイトルはここ数年のライブで
    クライマックスに演奏されてた大曲。
    今回はこの曲を30分と、新曲を1曲の2曲だけ。大胆な構成で提示した。
143・Bondage Fruit:Skin:☆☆☆☆
   ミニマルさと重厚さに軸足を置いた作品。一曲30分近くあるのに
   退屈しない。ライブで聴いた時よりもアレンジが凝縮されて
   濃密になってるようだ。淡々とリフを積み上げ、鈍い光を
   はなつ音像に仕上げる。ボンフルの新境地となった傑作。

    ちょっと前に出たメルツバウのスプリット。
    片面でそれぞれ同時に、違う曲を演奏する趣向の「ver.0.5」を、
    別々に収録したステレオ・バージョン。
142・Merzbow & Struggle for Pride:Split ver. 1.0:☆★
   メルツバウが「モノラルは自分のサウンドではない」と主張
   したのもわかる気がする。こうしてそれぞれを単独で聴く事による
   新しい世界が生まれたのは間違いない。
   ビジネスとして2枚のCDに分ける必要あるか少々疑問だが、
   単独・同時のどちらも聴ける環境が揃ってることは評価すべきか。

    スーパーチャンクの99年作。GbVのボブとのコラボを聴いて、
    彼らのバンドも聴いてみたくなった。
141・Superchunk:on the mouth:
   パンキッシュなスタイルが足かせになってないか?
   どれもこれも同じ音に聴こえる。さらにスーパーチャンクとしての
   個性も見えない。ソロではあんなに自己主張してるのに。謎だ。
   軽快なメロディのパンクだと思うが、さほど興味を惹かない。
   重たい引き摺るビートの"Swallow that"やロックンロールな"I guess I remembered it wrong"
   など数曲は素直に聴けた。

    エルフ・パワーの1st再発盤。EPなども追加収録してる模様。
140・Elf Power:Vainly clutching at phantom limbs:☆☆
   オリジナルは200枚のみプレス、メンバーの手売りではけてしまったそう。
   リーダー(?)のAndrew Riegerのソロアルバム的色彩が強い。
   へなへなボーカルが起伏の薄いメロディを歌い、合間に歪んだ
   ギターのドローンソロが挿入される。
   スリリングさよりも倦怠感が強いか。
   ライブでは轟音で演奏してるんだろうな。
   けだるいムードへ耳のピントがあった瞬間、面白くなる音。
   カップリングに2ndの7inch音源も。いくぶんバンドよりだが、やっぱり
   Andrewのソロプロジェクトっぽい。

02/6/18  通販でCDが到着~。

   「詩のボクシング」というイベントがある。ラップのフリースタイルを
   連想するが、もっと朗読に近い表現形態らしい。
   このCDは第一回「詩のボクシング全国大会」でのチャンピオン、
   17歳の高校生による朗読を集めたCDだ。発売は2001年。
   面白そうなので買ってみた。
139・若林真理子:ひまわり:☆☆☆
   ほんのり鼻にかかる、いわゆるアニメ声が可愛らしい。
   即興でこれだけの詩を作り出せるのは驚異的だ。
   天才っているんだな・・・。
   難点はひたすら朗読と語りがCD一枚続くので、
   聴きとおすのがしんどいこと。
   かといって音楽入れずに、彼女の声だけで勝負したのは正解だ。
   うーん。・・・一枚一度に聴きとおさず、ブロックごとに
   じわっと味わう盤なのかな。

   一体何作目なんだろう。着実に充実したアルバムをリリースし続ける
   ヴァン・モリスンの二年ぶりの新譜になる。
138・Van Morrison:Down the road:☆☆★
   特に新しいことはやってないのに、彼の新譜は気になってしまう。
   今回はメンバーの試行錯誤なアルバムかもしれない。
   数種類のセッションを組み合わせたようだ。演奏はルーツをしっかり
   見据えたヴァン節が全開。カバーの"Georgia on my mind"は馴染めなかった。
   たゆたうグルーヴとヘタウマ歌唱。これこそヴァンの音楽だ。
   シングルカットの"Hey Mr.DJ"はよく練られたアレンジだが、今の曲と
   ラジオで一緒にかかったら、異様に響くだろうなぁ。
   この曲、サビの低音コーラスで大滝の"三文ソング"を連想しちゃった。

02/6/16   ユニオンのソウル館へ初めて行った。アナログが多く、
           CDしか買えないぼくにはもどかしい品揃えだなぁ。

   新譜「Universal Truths and Cycles」の第一弾シングル(英盤)
   アルバム未収録曲は2曲。ただし一曲は邦盤ボーナスと同じなので、
   実質新曲は1曲のみ。ちょいとものたりない。
137・Guided by Voices:Everywhere with hericopter:☆☆☆
   3曲詰って7分弱と、とっても短いシングル盤。
   タイトル曲はもちろん、カップリングもいい曲で好感持てるシングル。
   ただしこの後に出たEP盤でカップリング曲をまとめて聴けるため、
   音源的な価値では大して意味のない盤となった。

   またリリースされた・・・。すごいペースだな。
   今度はmegoからの新譜。もっとも録音は01年のもの。
   02年録音の音源が世に出るのは、まだ先のことかな。
136・Merzbow:A taste of ...:☆☆
   パワーノイズ一辺倒ではなく、かなり多彩な音色をDJ風に
   カットアップさせた作品。次ステップへ踏み出したメルツバウの
   主張を感じる。カラフルで飽きないノイズだ。

   録音は1993年。文字通り「デビュー・ライブ」音源だそうな。
   先日のネイキッド・シティといい、ジョン・ゾーンは物持ちいいな。
   この調子で、日本にいた頃のライブ音源も発掘して欲しいぞ。
   MASADAがニッティング・ファクトリーで行ったライブを
   完全収録(かな?)。CD1枚もの。
135・MASADA:First live 1993:☆☆
   叙情性は感じられるが、緊迫感は希薄。この後の活動で
   どんどん先鋭化したんだろう。ゆるい空気のMASADAも
   けっこう面白い。アンサンブルをじっくり楽しめる。
   曲はすべて、初期3部作に収録なレパートリーより。
   MASADAのライブは6枚目だが、どれも印象違うのがすごい。

   ソウルものを聴きたくて、ひさびさに買ってきた。
   これは女性ソロ。なんか気になって手に取った。
   ノーザン・ソウルを期待したら、録音はテネシー州のメンフィス。
   しっかりサザン・ソウルだ。うーむ。
   91年にインディのECKOからリリースされた。詳細キャリアは不明です。
134・Sheba Potts-Wright:Sheba:☆★
   打ち込みと生のホーンが奇麗に重なるアレンジ。
   サウンドはいかにもなサザン・ソウルかな。
   テンション高い時に聞かないと、トゥ・マッチに聴こえてしまう。
   まずは"Love Fest"が気にいった。

   ジャケ買いです。男性6人組コーラス・グループ。どうやらゴスペル?
   録音はミシガン州のケントウッド。どんな街だろう。ミックスだけは
   同州のデトロイトで行われた。
   発売は99年。これまたInner Court Music Groupなるインディ盤。
133・His Image:More than a feeling:☆☆★
   ゴスペルっぽい雰囲気が漂うが、世俗的ムードがまず耳を惹く。
   スローに好曲が多いな。アップは打ち込みリズムが中心だが、
   EW&Fっぽいタイトさがある。分厚いコーラスもいいぞいいぞ。
   一番気にいったのは、スローの4曲目。ロマンティックですてきだ。

   これまたインディ。True Lifeから出た新譜です。
   男性3人組コーラス・グループで、ニューヨークの録音みたい。
132・Rain:Get it right:☆★
   スローはきれいだが、パワフルすぎて馴染めない。
   軽快なミドルの曲が欲しかったな。
   レコ屋で絶賛されてたが良さはわからず。
   一曲選ぶなら"Turn my back on you"かな。

02/6/12  通販で頼んだメルツバウがまとめて到着~。

   今年にアメリカのレーベルからリリースされた。
   音源は00~01年に秋田昌美の自宅で収録されたもの。
   ジャケットの絵は象の像が写っている。
   よってアルバムタイトルもこのとおり。
   この三重のシャレは日本人じゃないとわかんないだろな。
131・Merzbow:Merzzow:☆☆★
   ミニマル系要素を取り入れた作品が多い。音響系が好きな人なら
   楽しめると思う。かなり聴きやすい作品。
    秋田昌美の多彩なアイディアを味わうもよし、細かなノイズの
   変化へ耳を澄ますもよし。いろんな聴き方ができそう。

   本盤も今年のリリース。音源は同じく00~01年に秋田の自宅で
   収録された。これもアメリカのレーベルかな?1000枚限定。
130・Merzbow:amlux:☆☆
   おそらくリアルタイムで電子音をループ処理していると思う。
   メルツバウ得意の多重録音はもちろん健在。
   各種のうねりが楽しめる。
   一気にアイディアを凝縮させた"Cow Cow"がすばらしい。

   これまた今年の発売・・・すごいペースだな。
   アメリカのレーベルらしい。どうしてこの手の盤はクレジットが
   あいまいなのかなぁ。レーベルのHPを見てすら、よくわからない。
129・Merzbow:Ikebukuro dada:☆☆★
   各種ドローンノイズをうまく使い、じわじわっと
   真綿で締めるように盛り上げる音響的な快作。
   派手な展開はないけど、BGMには最適だ。
   これを聴いて爽快な気分になるかは、その人次第だけど。
   でも、ぼくはスキッとした気分になるぞ。

   ライブ盤なのかな?詳細不明。Reiko.AやBARAが参加してるので
   90年代前半の音源だと思うが、詳細が記入されていない。
   オランダで00年に500枚限定でリリースされた模様。
   洒落た紙ケースに入ってる。
128・Merzbow:Live at radio 100:
   DJ風ノイズで、メルツバウのハーシュを期待したら肩透かし。
   そこそこ滑らかな音作りだと思うが、かなり聴き手を選びそう。

   これもノイズ系になるのかなぁ。まだ聴いてないからよくわからず。
   ボアダムスや想い出波止場の山本精一によるギター・ソロ。
   発売は01年で、アルケミーからリリースされた。   
127・山本精一:NOA2:
   アヴァンギャルドな音作りとはいえ、あまりに静かな作品だ。
   ギター一本で、ランダムに弦がつぶやく。
   ギターの響きがすがすがしい。
   ぼくはこれ、小さな音で聴いてるけど。もし大音量だったら、
   強烈な意思に圧倒される心地よさがあるだろうな。

02/6/10 ルインズのライブへ行ってきた。
       物販で新譜の先行販売を購入~。わーい。

   オリジナル・スタジオ作としては2年ぶり。
   このところライブで演奏してた曲を中心に15曲を収録。
   今回はカバー曲が多いのが目をひいた。どれもライブで披露済みだけど。
   メシアン、シャンカール、マハヴィシュヌ、ブラック・サバス・・・。
126・RUINS:TZOMBORGHA☆☆☆☆★
   複雑なアンサンブルが楽しめる傑作。丁寧な録音も嬉しい。
   怒涛の進行だけど、テクノ風味を織り込んだサウンドは
   ルインズが新しい段階へ進んだ証明だろう。すごく面白い。

02/6/9  通販で頼んだメルツバウが到着~。

   フランスから2002年にリリースされた新作スプリットCD。
   メルツバウは3曲が収録されている。SHORAはデスメタル・バンドかな。
125・Merzbow/Shora:Switching Rethorics:☆☆
   メルツバウは比較的静かめなノイズで、拍子抜けした。
   共演のShoraはいまいち単調なスラッシュメタル。うーむ、中途半端。
   収録時間が30分強と短いし、物足りなさが先に立つ。

02/6/8
   ひさびさにレコード屋へ。風邪気味なのであまり何店もまわるのやめました。

   まってたよ、ボブ。
   スタジオ作としては一年ぶり。その間に山ほど音源が出てたとはいえ
   やはりバンド名義のスタジオ作がなくちゃね。
   ドラマーが交代し、再びマタドールへ戻った新作は19曲入り。
   日本盤先行発売の上、ボーナスが一曲入ってる。
124・Guided by voices:Vniversal Trvths and Cycles☆☆☆☆
   充実したアルバム。これまでの集大成ともいえる。
   トータルアルバムかと感じるほど、流れが自然だ。
   全曲ロバートが作曲し、独特の甘いメロディもたんまり。
   さらに小品も多数ぶちこみ、おおざっぱさも蘇った。
   初心にかえったのかな。ファンの欲目を差っぴいてもお薦めできる。

   灰野敬二とルインズが合体したバンド、KNEADの1stアルバム。
   クレジットは特にないけど、01/12/8に吉祥寺 MANDALA-2で
   行われた、結成2回目のライブを収録したもの。
   プロデュースは灰野。主導権を彼が握ってるの?
123・KNEAD:KNEAD:☆☆☆★
   ライブでは豪音で聴き取れなかった、細かいところまで
   くっきり録音されてて嬉しい。サンプラーを使った
   灰野のボーカルが生々しく響く。
   奔放な演奏ながら、吉田のドラミングが一本
   筋を通す。小節感の希薄な嵐のビートが快感だ。
   あとは佐々木しだい。灰野や吉田を吹き飛ばすほど
   個性ある演奏したら、とんでもないバンドになるだろう。

   グレイトフル・デッドのミッキー・ハートが76年に録音したアルバム。
   Diga Rhythm bandとの共演で、ひたすらタブラが鳴りまくる。
   試聴したら気持ちよくって、買いました。
   ジェリー・ガルシアも2曲で参加している。
122・Diga Rhythm band:Diga:☆☆
   パーカッションだけのシンプルなサウンドなわりに
   退屈はしない。あれこれ音色を考えて曲作りしてるのと、
   民族音楽盤にありがちな「記録」を重視した頭でっかちさが
   ないせいだろう。ゆったりしたビートでチルアウトに使うもよし、
   馬鹿でかい音でグルーヴに酔うもよし。両方に使えそう。

   吉祥寺のユニオンで、妙にノイズ系が充実している。
   これはドイツの即興集団かな?ポップを眺めて面白そうなのを一枚。
   97年に各種フェスティバルで演奏されたライブテイクを編集したものみたい。
   電子楽器を中心に、メンバーは11人クレジットされている。
   一聴した限りでは静かめな電子音楽みたいだな。
   バンド名とタイトルはこれでいいのかなぁ。
121・Mineo:Music In Movement Electric Orchestra:
   音響系だが「前衛的な演奏」をすることそのものが目的になってる
   気がする。一言でいえば、退屈。聴き手を意識した音楽に
   なってない。目の前でステージを見てたら、ちょっと印象が違ったかも。
   静か過ぎて、最後までじっと聴いてるのがつらい。

2002年5月

02/5/30
   通販でこないだ注文したCDが、ぽこんっと届いた。
  
   ドイツの多作なテクノ・ミュージシャン、ピート・ナムルックが
   01年にリリースしたCD。fax盤で2000枚の限定だ。
   彼流な21世紀のサウンド・トラックだそう。
120・Pete Namlook:New organic life 2:☆☆
   シンセによる風切り音がひたすら続く無機質な音楽。
   メロディはほぼない。わずかに変化する表情を楽しむ
   アンビエント志向な作品だろう。曲調を見事に表現した
   「エアポート・フリーク」なるタイトルには笑った。

02/5/25
   インストアライブへ行ったついでに、CD買ってきました。
   Kneadの新譜買いそびれたな。しまった。

   元ELPのキース・エマーソンの新譜が出た。
   ほぼ全曲、ピアノの独奏。一曲でオスカー・ピーターソンが参加している。
119・Keith Emerson:Emerson plays Emerson:
   エマーソンの音楽生活を集大成したかのような構成。
   しかしながら、ロック的ピアノの彼だけがいない。
   ジャズ、クラシック、ラグタイムのようなサウンドはあるのに。
   この点だけがもっとももどかしい。
   虚心に音楽だけ聞いたら、そこそこ耳ざわりはいい。
   だけどスリルないぞ。どうせジャズをやるなら、もっとアドリブ要素が欲しかった。

   スペースシャワーTVのフリーペーパー"タダダー!"のトリビュート第二弾が出た。
   どうトリビュートしてるかは謎だけど。3枚組のボリュームだ。すげ。
   目当てはDCPRGのライブ音源2曲。30分近く収録されてて嬉しい。
118・V.A.:至福刑事 vol.2:☆☆☆
   聴きどころはたんまり。
   まずは、DCPRGの充実したライブでしょう。音も演奏もばっちりだ。
   細かなパーカッションもちゃんと聴こえる。
   曲は"Playmate at Hanoi"と"Hey Joe"。どちらもピークのままグルーヴが突っ走る。
   えんえんとぼやき続ける高橋敏幸のテイクも麻薬みたいな魅力あり。
   DISC3に収録された、日本のアンダーグラウンドの若手たちによる
   エレクトロニカもポップで聴きやすい。
   ここらのミュージシャン、単独アルバムで聴いてみたいな。

   先日ライブを聴いて気になったミュージシャンの2ndミニアルバム。
   リリースは2001年。やはりバンド・サウンドにアレンジされている。
117・倉橋ヨエコ:思ふ壺:☆☆☆★
   メロディに癖があり一本調子気味だが、だいぶアレンジに助けられて
   説得力のあるポップスに仕上がった。アルバム全体のまとまりもある。
   ぼくは3rdアルバムよりこっちが好きだな。
   多重コーラスも、打ち込みなリズムもしっくり一体感あり。
   とっぴな歌詞だけど、ぴたりとメロディに言葉が吸い付いて快感。
   メロディが先の作曲だと思うが、いい作詞センスしてるなぁ。

   店内BGMでふっと気になって買ってみました。MUSIQの新譜(2nd)です。
   スティーヴィー・ワンダーやプリンスの影響を感じるなぁ。
116・Musiq:Juslisen(Just Listen):
   打ち込み中心で密室的なコンセプトは好みなのに、楽しめない。
   一番は、のっぺりとしたミックス。音にもっと毒が欲しい。
   じっくり練り上げたら面白くなる曲もあるのにな。
   演奏にも歌にも、拘りを持って作って欲しい。

02/5/18    ひさびさにレコード屋へ行った。なかなか面白いのが手に入ったぞ。

   中古屋で見つけたときは大喜び。一噌幸弘(邦笛)バンドが
   91年に唯一残したアルバムだ。バンドのメンバーに注目。
   今をときめく鬼怒無月(g:当時27歳)と植村昌弘(ds:当時24歳)の
   若かりし頃の演奏が楽しめる唯一のアルバムだ。
   ゲストも豪華で、山下洋輔、坂田明、仙波清彦らが参加している。
115・一噌幸弘:東京ダルマガエル:☆☆☆★
   日本的なフレーズをユニゾンで叩き込むテクニックがすごい。
   さらに技術に溺れず、即興性も重視した音作りになってるとこが
   すばらしい。当時の若手とベテランが揃った名演を堪能できる。
   プロデューサーは仙波清彦。そのせいかきっちり音楽が
   整いすぎたきらいあり。もっと混沌とした音も聴いてみたかった。

   元フェアグラウンド・アトラクションのマーク・ネヴィンの2ndソロが出た。
   かつてのメンバーサイモン・エドワーズとロイ・ドッズが全面的に
   参加している。これでエディ・リーダーがいればなぁ。
   FBの再結成アルバムっていえたのに。
114・Mark Nevin:The mighty dove:☆☆★
   ほとんどの曲でストリングスやホーンがダビングされ、ソフトで
   豪華な世界を演出した。甘い音が醸す雰囲気は好感持てるけど
   素朴さが失われたのは否めない。
   FAメンバーの再会も、こうアレンジされるとあまり意味ない。
   自分を伊達男に見せる気はなさそうで、歌い方は
   どこか朴訥さが残る。次ステップへの過程と感じた。
   どの路線でも似合うと思う。だから突き抜けて欲しい。中途半端はやだ。
   攻撃的なジャケ写(ボクシングの試合)とは裏腹に、のんびりした音像だ。

   コステロの最新盤1stシングル。正確にはアルバム先行シングルだけど。
   他に収録された2曲は、アルバム未収録みたい。
113・Elvis Costello:Tear off your own head(it`s a doll revolution)(single):
   タイトル曲はアルバムと同テイク。たぶん。
   後の2曲はもろにDJミックスのタッチ。コステロの趣味だろうか。
   コラージュ感覚で、リズムが希薄なテンションが続く。
   作り物っぽさが目立つアルバムのつくりといい、今のコステロは
   スタジオであれこれこねまわす音が好みなんだろうか

   ジョン・ゾーンが過去結成していたハードコア・ジャズ・ユニット、
   ネイキッド・シティの未発表ライブ音源リリースされた。
   本作以外に、3枚の発売予定があるとか。
112・Naked City:Live vol.1 Knitting Factry 1989:☆☆☆
   ジョン・ゾーンお得意のカットアップを駆使したジャズが
   楽しめる。暴力さは希薄。ゾーンのアルトサックスによる悲鳴だけが
   唯一それっぽい。きっちり構築されたアレンジで、ソロよりも
   テーマ部分のほうが印象に残る。
   一分足らずな曲に翻弄されるのもいいが、じっくり演奏した
   曲のほうが好み。"Erotico"の爽快さや"Chinatown"の切なさが気にいった。

   昔「北野ファンクラブ」のエンディングテーマにかかってた曲が
   すごく印象に残ってる。深夜に流れる物悲しい響きが、
   今までたけしのギャグに笑ってた自分を、ふっと不安にさせたっけ。
   何の曲かわからず、ずっと探してたけど。
   それが本作収録の「スターダスト」だろう。ちょっと記憶と違うけど。
   本盤は90年に出たへなちょこベスト盤。クレジットもなんもないぞ。
   でもまあ、歌のクオリティとは何の関係もないこと。
111・美空ひばり:ジャズ&スタンダード:☆☆☆★
   いまさらぼくの評価は不必要ですが。やはり歌がうまいです。
   ちょっとくどい節回しは、時代的なもんからしゃあないのかな。
   SP起こしの曲はいつ頃の録音だろう。堂々たる歌いっぷりが爽快だ。
   クレジットのいいかげんなのが、ますますもったいないな。

   通販でCDが到着。メルツバウの新作を買うついでに注文した
   CDが先に届き、肝心の盤は在庫なし。なんなんだ~。

   ギャラクシー500の一派、デーモン&ナオミが新作を出した。
   今回はライブ盤。いつのライブかクレジットないけど。
   栗原道夫(g:元YBO2やホワイトへヴン、現ザ・スターズ等)が
   サポートとして参加している。(正式メンバー化?)
   残念ながらクレイマーのクレジットはないや。ちぇ。
110・Damon & Naomi:Song to the Siren:☆☆☆
   寛げるライブの空気をうまく切り取った佳作。
   ただしアレンジがかなりシンプルなので、音だけだとつらいか。
   ファンならすごく楽しめる。しかしもし初めて彼らの音を
   聴くなら、スタジオ作から入ることを薦める。

   本体は活動停止中ながら、半年に一度過去のライブ音源を
   「半年に6タイトル」のペースで発表されることになった。
   今回はその第二弾リリースの中から買ってみた。
   ノーカットで収録ながら、二枚組。この時期にしては珍しい。
   しかしこのシリーズ、CD取り出しにくいデザインなのが
   非常に辛い。めんどくさくて、聴く気が起こんないんだよな。
   
   この夜はサウンドチェックで"Form""Funky Bitch""Chicken shack"が
   演奏されたけど、未収録。たとえ3枚組になっても収録して欲しかった。
   20分にわたる"Tweezer"を始めとした5曲ほどの長尺曲が聴きどころかな。
109・Phish:Live Phish 08 7.10.99:☆☆☆★
   2曲目くらいからソロがかっこよく演奏にのめり混む。
   比較的長尺な曲がどれも楽しめるジャムを内包。
   とくに派手なセット・リストじゃないが、お薦めなライブだ。

02/5/11  ライブの物販で購入。もろにミュージシャンの手売りだった。

   ピアノの弾き語りで歌う倉橋ヨエコの3rdにして最新作。
   といいつつ、このアルバムではバンド・サウンドになってるけど。
108・倉橋ヨエコ:婦人用:☆☆☆
   矢野顕子の影響を強く感じるけど、きっちりとベルカント唱法を
   身につけた歌いっぷりが個性になった。
   ライブでは「ピアノ弾き語りでしか成立しないか」って
   強いインパクトあったけど。本盤のバンドサウンドもありだな、こりゃ。
   チープな打ち込みの演奏なのに、あんがい似合ってるや。
   ヨエコの多重ボーカルもいい味を出してる。
   強引で濃いメロディにハマッたら、しっかり噛み締めて、
   スルメのみたいにじっくり楽しみましょう。

02/5/9   お、届いてる届いてる。待ってたぞぉ。
   
   もとは79年に拡販用LPとして700枚のみプレスされ、のちにカセットで一般発売。
   BGM用にえらく流行ったタイトルだ。
   でも、この手の企画ものに馴染めなかったので、当時は聴いてなかった。
   内容は、当時の達郎の既発曲に小林克也が英語DJをかぶせ、
   ラジオ風の構成をほどこした編集盤。

   今回、RCA/AIRレーベル時代の一斉再発を機会に、ボーナスとして
   全タイトル購入者全員にプレゼントされた。
107・山下達郎:Come Along:☆★
   そう何回も熱心に聴くもんじゃないなぁ。期待でかすぎたかも。
   あくまで「曲」として達郎を聴いてたのに、この手の構成は 「素材」にしか聴こえない。
   まさにBGMですね、これ。部屋でスピーカーに向かって聴くのは似合わないや。
   DJに竹内まりやもゲスト参加。当然、全部英語だ。発音いいなー。
   それと、小林克也の流暢な英語DJが、やっぱ単純に楽しい。

02/5/7  通販のCDが届いた。仕事がえりに、こういうお土産が
     待ってるってのは嬉しいもんです。

   容赦ないリリースを誇るドイツのテクノ・ミュージシャン、
   ピート・ナムルックの関連盤が、4枚登場。届くまでに二ヶ月待った。

   ビル・ラズウェルらとの共演盤。97/9/29に発売で、2000枚限定です。
   本盤のみ、fax盤を入手できた。
106・Pete Namlook, Klaus Schulze and Bill Laswell:The Dark side of the moog Ⅵ:☆☆
   ビートは刻まれているが、音の重ね方がさりげないのか
   スカスカに聴こえ、アンビエント系のテクノに仕上がっている。
   そんな中、ギター風の音色でソロ弾きまくりな
   4曲目が楽しいな。

   ここからはWorld Ambientの再発盤を入手しました。
   どれもこれもジャケットがしょぼくて切ないなぁ。
   
   もとは94/1/31発売。オリジナルは1000枚限定でリリースされた。
   収録曲は60分の一本勝負。
105・Pete Namlook:Air・2:☆★
   ひたすら淡々と音を重ねる、環境音楽風テクノ。
   むぉっと盛り上がる響きがスリリングだ。
   ハイハットの涼しげな音も心地よい。
   流しっぱなしにして、ふっと耳に残る残像を楽しむのがいいかな。
   だんだんビートがくっきりし、さまざまに展開する組曲。

   ジャケットにろくにクレジットないな。
   たぶんアンビエント風作品。
   オリジナルは500枚限定で、92/12/7に発売。
104・Pete Namlook&Dr. Atmo:Silence:
   ビートはほぼ無く、淡々とシンセの響きが続く。
   BGMにはいい音楽だと思う。スピーカーへ対峙して聴くには
   ちょっと単調かな。チルアウトにちょうどいい。響きがきれいだし。
 
   これまたオリジナルはたった500枚。93/5/31にリリースされた。
103・Pete Namlook&Dr. Atmo:Silence 2:
   基本はアンビエントながら、どこかそっと自己主張する
   強さが聴こえる。アラブかインドっぽいループを多用した曲が
   印象に残った。さりげなくBGMにして楽しもう。

02/5/3
   GW4連休初日。やっぱり、けっこう人が多いなぁ。

   メルツバウの新作がまた出た。今回はスプリット・アルバムで、
   共演は大阪のノイジシャン、コウヘイ・マツナガ。
   それぞれ約10分の曲を3曲づつ提供している。
   発売はアメリカのレーベル、Tigerbeat6より。
102・Merzbow/Kouhei Matsunaga:no title:☆★
   リズミカルに傾倒しつつ、ハーシュとの協和をさぐるような、メルツバウ。
   習作っぽいイメージもあり。十分程度の曲を3曲づつ
   互いに提供しあったミニアルバム。
   コウヘイのほうが音響系っぽいアプローチなので、対比がうまくついた。
   エレクトロ・ノイズ好きならば、聴いて損はない。

   phishの活動を中断し、ソロ・ツアーを行っていたギタリストの
   トレイ・アナスタシオが初のソロアルバムをリリースした。
101・Trey Anastasio:Trey Anastasio:☆☆☆
   弦や管を積極的に導入し、phishのバンド・サウンドにこだわらない
   アレンジにしたのが成功した。のびのびと曲が生きている。
   トレイのセンチメンタルな趣味が前面に出た好盤。phishの編成で
   がっちり構成されたアレンジの演奏を聴きたいのも事実だけど。
   特にどの楽器も特別視せず、あくまで曲に奉仕させている。
   "At the Gazebo"から"Mr. Completely"へいきなり盛り上がる流れが好き。
   もったいぶらず表情を変えるあたり、アメリカ人だ。
   どの曲も開放感にあふれ、スタジアム級でのライブが似合いそう。
   トレイの余裕ある視線をひしひし感じた。

   なんとなくジャケ買いした一枚。サイケポップらしい。
   文字通りカリフォルニアのバンドみたい。
100・Greater Calfornia:The Little Pacific:☆★
   西海岸のバンドなわりに、音に覇気がない。
   メロディはきれいだし、アレンジも悪くないのに。
   聴いてていまいち盛り上がりがないぞ。
   しずかなフォーク・ギターポップスと思えばいいのか。
   バンドのカラーが見事に名曲へ昇華させた(2)や、NYっぽい
   響きの(3)などがいい出来だ。

2002年4月

02/4/28
   GW始まったばかりだというのに、ついレコ屋へ。
   めぼしいのをまた買ってしまう。さあ、これ聴いてのんびりしよっと。

   まずは吉田達也関連を二枚。
  
   日本では台風、アメリカでは・・・の昨年9/11にスタジオライブ形式で
   録音された音源の第二弾。これで全部なのかな。もっともっと聴きたい。
   菊地雅章率いるスラッシュ・トリオのライブ、また聴いてみたいな。
   むかーし、大友良英がゲストで出たライブを聴いたっきりだもの。
99・菊地雅章 The Slash Trio:Slash 2:☆☆
   乱雑というか、とっちらかったというか。曲を紡ぎあげるより、
   それぞれの個性が前面に出た気がする。
   前作が選りすぐりだとすれば、今回は混沌さを飾りっけなしに
   提示して見せた。吉田と菊地の演奏が真っ向からぶつかり合う。
   3曲で42分。ちょっと短め。まぁ、アウトテイク集かな。

   スエーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナのリーダー、
   ラーシュ・ホルメル(accord)が、昨年に来日ライブをやった際、
   バックをそうそうたる日本人メンバーが務めた。吉田達也もそのひとり。
   ほかには坂本弘道、大熊ワタル、清水一登、向島ゆり子、伏見蛍。
   噂は聞いてたがライブへ行きそびれただけに、嬉しい発売だ。
   ちなみに本盤は、来日の合間にGOKで録音されたスタジオ盤です。
98・Lars Hollmer`s global home project:SOLA:☆☆☆★
   かなり複雑な音楽をやってるけど、トラッドぽいメロディが
   優しげに響くおかげで、堅苦しくない。むしろかなりすらっと
   聴き流した。吉田達也のツッコミ気味なドラミングが演奏にゆらぎを与え、
   生き生きしたグルーヴを生み出した。
   インプロよりも、複雑なアンサンブルで聴かせるサウンドみたい。
   でも一歩間違えたらテクニックのひけらかしにならないかな。
   音楽そのものは楽しい。だけどホルメルの個性を掴んでないから、
   すごく匿名性を感じてしまった。

   3年ぶりになるのかな。ギャラクシー500の片割れ、ディーンが組んだ
   バンドの新譜。前作はライブ盤だったし、ひさびさのスタジオ作だ。
   今回はクレイマーの名前がクレジットなし。ちぇっ。
97・LUNA:Romantica:☆☆
   曲によって出来のばらつきが大きい気がする。
   アレンジは考えられてるが、バリエーションを多彩に
   した分、「ルナの個性は?」と考えてしまった。
   リズム隊が異様に明るく、とっつきやすい音像になってる。
   でもぼくは小品の曲が好きだな。たとえば、
   "Swedish fish","\maermaid eyes","Orange peel","Romantica"など。
   ブリッタの女性ボーカルを効果的に配した"Lovedust"も面白い。

   本盤のみ通販で入手。ドイツのインディ盤だけあって、なっかなか
   手に入らないや。テクノ仙人ナムルックがGeir Jenssen(詳細経歴不明)と
   組んだ作品。ちょっと多めな3000枚限定だ。
96・Pete Namlook/Geir Jenssen:The Fires of ork 2:☆☆
   拡がるシンセの音にのんびり。ほとんど展開せず淡々と進行する
   音像は、昼下がりに居眠りしながら聴くと気持ちいい。
   無拍子のシンセへドラムが忍び込み、さらに涼しげなギターソロまで
   加わる"Sky Lounge"が好きになった。

   サンフランシスコで毎年開催の、USインディ系イベント
   "Noise pop Festival"の10週年記念で発売された2枚組。
   ぼくが買ったのは、もちろんGbVが収録されてるから。
   今春発売予定の新譜"From A Voice Plantation"収録曲
   "Everywhere with helicopter"が収録されている。
   ライナーには前のアルバムタイトル「"All sinners welcome"より」って
   書かれてるのがおかしい。
   他は知らないバンドばっかり。フレイミング・リップスや
   スーパーチャンク・・・くらいかな?有名どころは。
95・V.A.:Ten years of Noise Pop:☆★
   未発表曲もふんだんに盛り込み、この手の音が好きな人には
   聴き応えあると思う。荒削りな魅力が一杯。

   夕べライブへ行った時、休憩時間のBGMにかかってた盤。
   けっこうよかったので、タイトルをメモっておきました。
   ブルーノート出身ベテランのオルガン奏者によるカルテット作品。
   95年発売で、なんとアルト・サックスがジョン・ゾーンです。
94・John Patton Quartet:Minor Swing:☆☆☆★
   懐深いオルガンがどっしり支えた、ダンディなジャズを味わえる。
   海千山千の迫力を感じるな。ひらひら舞うゾーンのサックスが
   いかにも若い。
   テクニックはさほどひけらかさない。さりげないフレーズの
   説得力で、じわっと味わい深いジャズをぶちまけた。。
   スローやミドルテンポの演奏が多いのに。すごくスリルある。
   一曲はだいたい7分前後。一曲15分くらいで、じっくりソロ回しを
   楽しみたかったな。

02/4/25
   仕事がえりに塔レコへ。気になる新譜をざらっとさらってきた。

   菊地成孔・岩澤瞳による新生スパンク・ハッピーのマキシ・シングル
   第二弾。タイトル曲(新曲)の他に、ライブでおなじみな2曲
   「拝啓 ミス・インターナショナル」「アンニュイ・エレクトリーク」を
   収録した。しかし、ぼくが好きな曲がぜんぜんCD化されないなぁ。
93・Spank Happy:Angelic☆☆☆★
   スパンクスのコンセプトがよりくっきりして、さまざまな魅力を
   堪能できるシングル。菊地の歌声をたっぷり楽しめるとこも
   いいぞ。ガチガチに硬いマスタリングが馴染めないが、
   これもスパンクスのつぶやくサウンドに似合ってるのは確か。

   坪口昌恭と菊地成孔のユニット、東京ザヴィヌルバッハの3rdアルバム。
   自動演奏ソフト「M」の演奏にあわせてセッション、がコンセプトだ。
   ゲストで大儀見元(DCPRG)が参加している。
   ティポグラフィカよろしく、菊地が曲名を決めたらしい。
92・東京ザヴィヌルバッハ:Cool Cluster☆☆☆★
   「機械と同時演奏」のコンセプトに、正面から組み合った丁寧なつくりの盤。
   この機械仕掛けなグルーヴは好き嫌いが激しいかも。
   でも、さらりと聴き流したらつまらない。細かく音を追うほど、
   じわりとスリルが滲み出す。

   告知はだいぶ前からあったが、やっとリリースされた。
   borisとメルツバウのコラボアルバム。先日みるくで行われた
   ライブの再現が聴けるのかな。
   01年のスタジオ音源を、メルツバウが01/11/9に自宅の寝室で
   ミックス&マスタリングしてる。比較的メルツバウよりなんだろか。
91・Boris with Merzbow:Mega:☆☆☆
   一曲目はひたすらドローンノイズ。これがけっこうなごむ。
   本領発揮するのは2曲目より。すうっとエレキギターが滑り込む
   スリリングさにしびれた。

   ジョン・ゾーンがtzadikから、またしてもとびきりの音源を
   リリースしてくれました。日本が誇るトランス・ロックバンド、
   ROVOの2枚組アルバム。00年の7/21,21にニューヨークの
   トニックで行われたライブ音源を収録している。
90・ROVO:Tonic 2001:☆☆☆☆★
   すばらしく緊張感のあるトランス・ロックが楽しめる。
   ライブながらタイト極まりない演奏がさすが。
   音像もエッジがくっきり立って迫力あり。
   これはビル・ラズウェルの手柄だろう。
   30分以上も続く"SINNO"が圧巻だ。
   何も変わらぬ人力ループから生まれる陶酔こそ命。

   しばらくぶりだと思ってたけど、7年ぶりになるなんて。
   エルビス・コステロがロックに再度戻ってきたという新譜。
   ボーナストラックが2曲ついてる邦盤を迷わず手にとった。
89・Elvis Costello:When I was cruel:☆☆☆
   ひしゃげた音色が目立つサウンド。「ロックへ回帰」といった
   レビューを多数見かけたが、バンドへの不信感を持った
   サウンドに聴こえてならない。
   金属っぽいざらざらしたサウンドを気に入るかが分岐点。
   メロディはコステロ節健在なんだが。

   me-miさんがHPでイチオシなバンドのメジャー・デビュー盤。
   最近、だいぶ色んな雑誌で記事を見るようになってきた。
88・Sparta Locals:悲しい耳鳴り:☆★
   演奏はだいぶトリートメントされた。そのぶんこじんまり
   しちゃったのは確か。ボーカルのシャウトもいくぶんコントロール
   されている。ライブを重ね、バンドの一体感が向上したと
   評価すべきだろう。
   サウンドが聴きやすくなった分、メロディの確かさを
   きっちり味わえる。骨太な旋律が素晴らしい。

02/4/19
   ライブの物販で帰り際に購入。
   東ザヴィの新譜も買おうと思ったら売り切れだった。ちぇ。

   スペースシャワーTVが発行してたフリーペーパー「タダダー!」の
   関連盤らしい・・・テレビ見ないからよくわからん。
   DCPRGのライブ音源ほか、東西インディバンドの音源を各種収録した
   2枚組。収録バンドをいくつかランダムに挙げてみようか。
   渚にて、field、ロレッタセコハン、山本精一、さかな、向井秀徳・・・等 
87・V.A.:タダダー!トリビュート「私服刑事」:☆★
   玉石混交。ガレージっぽい音が好きな人なら楽しめそう。
   個性派ぞろいなのは嬉しいが・・・。
   ライナーの80年代風意味不明な悪ふざけは評価できない。
   きっちり情報発信に徹したらいいのに。
    このコンピでしか聴けない曲が多いため、
   興味ある人は買っといたほうがいいかもしれません。
   サバスの"Paranoid"をパロった、なまはげが目印です。

02/4/16
    良質な日本のジャズを、こつこつリリースするレーベル、
    Studio Weeが新作を出した。レーベル通販で入手。

   片山広明(ts)リーダーのセッションアルバム。共演者は
   板橋文夫(p)、井野信義(b)、芳垣安洋(ds)らそうそうたるメンバーだ。
   なんと、ピアノ入りカルテットは初だとか。(録音物がって意味だろな、たぶん)
   ライブでおなじみコーエンの「ハレルヤ」やフェダインがよく演奏してた
   「パリの空の下」などを収録。もちろん片山のオリジナルも2曲あり。
   ぶっとい片山のテナーを堪能しましょう。
86・片山広明:キャトル:☆☆☆★
   なんともあったかいジャズが満載。タイトに刻む芳垣の
   ドラムに乗って、奔放に片山が吼える。
   アフリカンなタッチの板橋のピアノも、どっしり支える井野のベースもよし。
   比較的まとまりよくミックスされたリズム隊を
   片山のテナーが切り裂いて生まれる音像がすてきだ。

   レーベル通販の特典として、上記CDの未発表テイクがボーナスの
   CD-Rとしてついてくる。
   曲は、これまたライブでおなじみ、カークの「レイディズ・ブルーズ」 
85・片山広明:Lady's Blues:☆☆☆
   やりなれた曲だし、のんびりとソロが展開する。
   10分弱の演奏が物足りないな。せっかくだし20分くらい
   えんえんとソロ回しをぶちかましてほしかった。

02/4/7
   ライブの物販で購入。

   96年に発表された、いまのところ唯一のフルアルバム。
   丁寧なつくりが嬉しい、ほのぼのしたポップスだ。
84・Lovejoy:妙:☆☆☆★
   日本風味のメロディをたっぷり生かしたポップスを堪能できます。
   凄腕ミュージシャンの伴奏も聴き応えあり。
   伸びやかにメロディが盛り上がる瞬間がたまりません。

   ラブジョイでもドラムを叩く、植村昌弘の個人レーベル「無印」から
   01年に再発された音源。元々は吉田隆一(bs:渋さ知らズ他)のHi-doiレーベルより、
   00年にリリースしている。
   故小渕元首相の党首討論会での発言をダブ風にサンプリングし、
   植村がキーボードやドラムをかぶせた、ある意味「わかりやすい」作品だ。
   CD化に際し、植村の前ユニットP.O.N.のレパートリーのデモを
   ボーナスで収録している。
83・植村昌弘:小渕:
   小渕元総理の声は徹底的に解体・変調され、たんなるパーカッションに
   粉砕されている。つまり「彼の声を使う必要性」の意味は
   あいまいなのが否めない。植村は承知の上で、本作を作りたかったんだろう。
   彼の歯軋りのごとく、執拗に声の断片が打ち鳴らされる。
   コンセプトの体現で一曲選ぶなら、不穏な空気漂う#3、
   音楽としてならミニマルなドラムが跳ねる#2や#6かな。
   ひたすらDJ風ダブが続く#5もかっこいい。
   ボーナスの"S.T.K.M.#1"は、たぶん全て打ち込み。
   超スピードでフレーズがはじける。
   これを生演奏してたんだよな・・・ライブ見たかった。

02/4/6
   セコハンを中心にふらふらと棚をあさってきました。

   これ、聴き返したかったんです。ゼビウスの音源をもとに細野晴臣が
   再構成し、84年に12inchシングルで発表したアルバム。
   "Gust notch mix"をボーナスで収録。これってドイツ盤で発表された
   テイクだったかな。詳しいこと忘れちゃいましたが。
   当時のジャケやゼビウス開発者の詳細なインタビュー付なブックレットは
   うれしいけれど。たった20分足らずで1800円は高いよぅ。
82・ナムコ:スーパー・ゼビウス:☆☆★
   小ぶりなテクノの小品が3曲、楽しいぞ。
   やっぱりきちんとアレンジされてる「ゼビウス」が
   いちばん聴きこめる。カンスト寸前を表す「999万9千♪」って
   コーラスが好きなんだよね。
   ちなみにぼく、ゼビウスもギャプラスもドルアーガも、どれひとつ
   まともにプレイしたことないです。オリジナルの音を知ってたら
   楽しさ倍増なんだろうなぁ。

   最近新譜EPも出ましたが。これは96年に発売されたシングルです。
   「アースバウンド」収録テイクがあるせいで、かなり一部では話題になりましたっけ。
   「21th Century Schizoid Man」のライブテイクが3種類選ばれ
   「各時代の変遷を味わいたまえ」ってフリップの趣向です。
81・King Crimson:Schizoid man:☆★
   エディット版は特に面白くない編集だし、やっぱり
   ライブテイクに耳が行く。スタジオ録音かと勘違いするほど
   きっちりまとまった演奏な1969年。すさまじく暴力的な1972年。
   すっきりヌケがよく、タイトな1974年。
   どれも聴きごたえあるけど、ひしゃげたボーカルにわくわくする
   1972年がベスト・トラックかな。11分にわたって堪能した。
   音質はブート並にぼろぼろだが、おぎなってあまりある迫力だ。

   ここんとこはまってるエレファント6勢を数枚入手しました。

   96年発表の編集盤。93年から95年までに発表された
   シングルを集めたものらしい。うーむ、オリジナルアルバムだとばかり
   思って買っちゃった。うっかりうっかり。
80・The apples in stereo:Science faire:
   いろいろアレンジに工夫してるのはわかるが、
   肝心のメロディにパワーがない。ファン向けの音源かな。

   どうやら限定版シングルらしい。96年にリリースされた。
   中身が2種類あるようで、うまいこと同時にステレオに流すと、
   4chサウンドが生まれるという企画だそう。
   ぼくんちはステレオ二つもないし、ラジカセもないんだけどなぁ。
79・The olivia tremor control:The opera house:
   歌ものは一曲で、あとはえんえん音響テクノみたいな曲を
   収録。たぶん、スピーカー4つで聞けば音があちこち飛び交う
   爽快感を味わえるんだろうな。単独だと、ふつーの音だけど。

   発売は98年の3rdアルバム。
   ほのぼのイラストに包まれて、18曲がてんこもりに入ってます。
78・Of montreal:The beside drama a petite tragedy:☆☆☆☆
   ドリーミーなサイケ・ポップがいっぱい詰ってる。
   ハーモニーの和音感が「スマイル」のビーチ・ボーイズっぽいかな。
   魅力的なメロディがてんこもりなのに、へなへななアレンジが
   押し付けがましさをなくし、気軽に聴ける。
   クレジットが一切ないけど、ミュージシャンは何人くらい参加してるんだろ。
   おもちゃ箱の中に頭を突っ込んだ楽しさがあります。
   ほんのりくすんだ、一癖ある道具がいっぱい詰った箱の中に、ね。

   シアトルのギター・オルタナバンドのメジャー移籍第一作。
   97年発売。さてさて、どんな感じかな。
77・Built to spill:Perfect from now on:☆★
   ギターを何本も重ねて、丁寧に作ってるのはわかる。
   ただメロディがぼくの好みに引っかからない。
   スロー気味な曲展開が耳をするっと流れてしまう。
   ひとつパンチのあるメロディがあるとずいぶん違うのにな。
   じわじわっと盛り上がる"Velvet waltz"があんがい良かった。

   ブリティッシュ・フォークのバンドだったかな。
   音を聴くのは、今回が初めてのはず。本作は20枚目のアルバムらしい。
   01年発売で、現時点での最新作。00年8月のライブから
   テイクをよりすぐり、9曲が収録されている。
76・The incredible string band:Bloomsbury 2000:☆☆
   トラッドに慣れないせいか、素直にポップスとして聴いちゃった。
   古臭さや押し付けがましさはない。執拗にビートを刻むマンドリンや
   コブシを聴かせる喉がトラッドっぽいくらい。
   テンポは優しくとも、どこか凛とした雰囲気が漂うサウンドだ。
   ライブ盤なのに、きちっと隙のない演奏もすごい。キャリアの賜物か。   

2002年3月

02/3/31
   TZADIKの新作を二枚購入。ここんとこ連荘で面白い盤が出そうだ、ここ。
 
   アンサンブル名義で発売された、大友良英ニュー・ジャズ・クインテットの
   実質2nd作。ミュージシャンにSACHIKO Mと益子樹が、voに戸川純とphewが
   参加している。演奏よりもvoを立てたコンセプトになってるようだ。 
   ジム・オルークの"EUREKA"をカバーしている。
75・Otomo Yoshihide`s New Jazz Ensemble:Dreams:☆☆☆★
   じぶんはつくづく日本人なんだな、と実感した。
   歌声が聞こえると、ついそちらを中心に聴いてしまう。
   以前大滝詠一がラジオで言っていたことを、しみじみ思い出す。
   しかしながら、演奏だって悪いわけじゃない。もちろんだ。
   伴奏のポジションを良しとせず、がっぷりボーカルと組み合う。
   だけどボーカルがなかったら、この演奏って成立するのかな。
   エウレカ以外は、音に色気こそあれ「従」の位置づけを
   意識してしまうのも事実だ。
   ともあれ、デカダンさと情念が染み出る大友良英流ジャズを
   堪能しましょう。
   tzadikの鈍いマスタリングも、音像に似合ってる。

   ゲームのルールを用い、各ミュージシャンの行為をロジカルに規定した
   即興音楽スタイル「コブラ」。ジョン・ゾーンが作成した本システムの演奏が
   ひさびさにCDとなった。日本ではこれで4作目かな。
   各国で行われてるコブラの音源を詰め込むのかと期待したが、
   ジョン・ゾーン自らプロンプターとなり、ニューヨークのミュージシャンを
   集めて演奏する形となった。録音日がないけどスタジオだろうか?
   二曲でデレク・ベイリーが参加してる。
   「vol.2」となってるから、ニッティング盤が「vol.1」扱いかな。
74・Cobra:John Zone`s game pieces vol.2:☆☆
   さまざまな音の断片が浮かんでは消えていく。
   メロディでもなくリズムでもなく、混沌とした音塊が
   ごしゃごしゃにミックスされている。刺激的なBGMだ。
   これまでに出たコブラのCDの中で、一番素直に聴けた。
   でも、音の必然性がわからぬもどかしさを常に感じる。
   やはりコブラは映像付で聴きたい。

03/3/30
   おー、今日はきれいな3並びだ。・・・だからどうしたって感じですが(笑)

   me-miさんがHPでイチ押しな福岡のバンドの自主制作CD。
   発売は01年くらいかな?4曲入りのミニアルバム対応なのに、
   なぜかCD-Rは80分版が使われている(笑)
73・Spalta Locals:GRUNGY SISTER:☆☆
   演奏もラフだしボーカルも荒っぽい。
   録音も小細工なし。ボーカルにはなんのエコーもかかってないようだ。
   あちこち綻びた風景が魅力だ。
   メジャー1stではもうこのスピード感は存在しない。
   制御不可能なパワーを瞬間固着させたミニアルバム。

   前から一度聴いてみたかったバンド。これが1stCDになるのかな。
   大編成のロックバンドらしい。ゲスト(?)として
   今沢カゲロウ(b)や泉邦宏(as)らが参加。98年リリース。
72・太陽肛門スパパーン:馬と人間:☆☆☆
   あまりにストレートな歌詞が照れくさく、大音量で聴けやしない。
   ザッパって、英語圏な人には同じように聴こえるのかな。
   サウンドはちょっと荒いところがあるが、ジャズやファンクを
   基調にした賑やかなサウンド。渋さ知らズの破天荒さと、
   ザッパのコラージュ感やあけすけさが混在した楽しさあり。
   聴きどころの多い音源だけに、薄くこもり中央部に固まった
   音質が惜しい。しっかりした音で聴いたら、そうとう印象変わるはず。
   ユニゾンでシャウトするコーラスの豪快さがカッコいい。
   ライブをぜひ聴きたいバンド。大人のオモチャ箱を
   ひっくり返したような楽しい音楽だ。

   ゾンビーズ関連を二枚。まずは先日来日して、すてきなライブを
   繰り広げたコリン・ブランストーンの1stソロアルバム。
   実は今まで、アルバムぜんぶは聴いたことありませんでした。
   71年の作品。
71・Colin Blunstone:One year:☆☆☆☆☆
   「ソロアルバム」って言葉がピタリと似合う名盤。
   さみしげなメロディに、ストリングスを多用したアレンジと
   ほんのりハスキーな歌声がみごとにはまる。
   無駄なとこがどこにもない。強烈な自己主張は
   ないけれど。切なく身を捩る音の雰囲気がたまらない。

   ロッド・アージェントとクリス・ホワイトがゾンビーズ解散後に
   結成したバンドの1st(70年)と2nd(71年)を
   リマスターし、2枚ワンセットでBGOから00年にリイシューされた。
70・Argent:Argent/Ring of hands:☆★
   思った以上にプログレよりでびっくり。特に2ndではロッドの
   オルガンが唸る唸る。だけど、肝心のケレン味が薄く、中途半端な
   出来なのが残念だ。リズムが単調だから、ジャズロックとしても聴けないし。
   1stはプログレへ行こうか迷いつつ、ゾンビーズもひきずった
   感触が伺え、さらに中途半端。メロディがきれいな曲も、大仰な
   アレンジがぶち壊し。やりたい音楽には自信を持とうよ。

   エレファント6関係をまた二枚買って来ました。
   まずはOTC。99年リリースの2ndアルバム。
   なんと27曲入り。邦盤を買ったので、さらにボーナスで1曲追加だ。
69・The Olivia Tremor Control:Black Foliage:☆☆☆
   「ペット・サウンズ」あたりへのオマージュがぷんぷんするが、
   この緻密な音世界はいとおしい。トータルアルバムの鏡かも。
   さまざまなモチーフを縦横無尽に溶かしあい、まさに万華鏡みたいな
   複雑な構成になっている。聴けば聴くほど奥が深そう。
   逆にテクニックへ走りすぎ、小手先な音楽になってしまったのが
   最大の弱みになっている。あっけらかんと自分の音を素直に出せていれば
   むちゃくちゃ偉大な傑作になっていたはず。

   これは彼らの何枚目になるんだろう。邦盤には2曲ボーナスが追加された。   
68・The Apples in Stereo:Fun trick noise maker:☆☆★
   数箇所にDJを入れ、ラジオ番組風になっている。
   音質はざっくりな肌触りで、サイケな雰囲気を盛り立てた。
   さほど楽器は重ねず、ミックスで厚みを追い込んでるみたい。
   サイケっぽい音で、ボーカルをあまり目立たせぬミックスを選んだのも
   興味深い。ただ、これは逆効果。
   演奏にさほど凝ってないから、印象がぼんやりしてしまった。
   リードボーカルの声質も面白いな。
   ほとんど響かせず、鼻に引っ掛けてひしゃげた声で歌う。
   耳を惹くメロディは確かに多い。でも、あと一歩キャッチーさに欠ける。

   以前から興味あったバンドです。とりあえず「名盤」と定評高い
   3rdを買ってきた。96年発表。こういうトラッド・バンドも
   ファミリーツリーが膨大で、奥が深そうだけど・・・。
67・The Pentangle:Basket of light:☆☆★
   トラッドの奥深さを鋭く切り取ったアルバム。
   いまはこの程度の点数だが、聞き込むほどにぼくのなかで評価が上がるはず。
   トラッドの入り口にぴったりなアルバムではないか。
   惜しいのは一曲目。なんでジャッキー・マクシーの歌は
   こんなにピッチが悪いんだろ。仮歌並だ。
   それ以外の曲では、見事にコントロールされたハイトーンを響かせる。
   "Once I had a sweetheart"や"Hunting song"が特に気にいった。

   詳しいプロフィールはよく知りませんが、帯に書いてあった
   「ソフトロック・ファン必聴の傑作」の言葉に惹かれ、手にとっちゃった。
   これは67~69年に彼らがリリースした作品から2枚組、34曲を
   選んだベスト盤。
66・The Orpheus:The Best of Orpheus:
   なんかツメが甘い。音に時代を感じるなぁ。
   それなりに奇麗なソフト・ロックだけど、ハマるまで行かない。
   リズム隊をタイトにして、エレキギターの音色を
   何とかして欲しい。もともと30年以上前の音楽だから
   無理もないっちゃ、ないんだけど。
   甘く低音を響かせるボーカルも、癖があるな。

02/3/28
  ライブが始まる前の時間調整で古本屋へ。
  けっこうお手ごろ価格なので、目に付いたものをさくっと購入。

   中学の頃けっこう好きでした、この人。
   最近聴き返したくなってたから、ちょうどいいタイミング。
   これは01年に出たベスト盤です。ぼくにとっては1stと2ndさえあれば
   充分なんだけど。「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」とか、懐かし。
65・Christopher Cross:The definitive Christopher Cross:☆★
   派手なシンセを導入した3rd以降はいまいち馴染めない。
   ぼく自身のノスタルジーによるひいきもあるだろうが、初期のほうが
   メロディに躍動感を感じる。後期の曲では"Swept away"がきれいな曲だなぁ。
   にしても、凄腕ミュージシャンによる無菌室みたいな
   演奏がどうも辛い。ハイトーンのボーカルは好きなんだが・・・。
   このベスト盤は、資料性で不満あり。発表年度も収録アルバムも不明だ。
   ミュージシャンのクレジットはしっかり載せてるのにな。

   さかなが98年に発表した、6曲入りミニアルバム。
64・さかな:Little Swallow:☆☆☆
   弾き語りっぽい味わいな曲が多い一方で、細かい多重コーラスが
   素敵な味わいを出しているのも強調したい。
   比較的しっとりした感触のアレンジ多し。佳曲ばかりだけど
   あえて一曲選ぶなら・・・「ロッキンチェアⅡ」かな。

   見たことないジャケだな、と思って買ったけど。帰ってよく見たら99年に
   レーベルが出したプロモ盤でした。内容は"Daisies of the Galaxy"(2000)と一緒。
   この盤持ってなかったからちょうどいいや。
   もっとも"Mr. E's Beautiful Blues" が未収録。うーむ。
63・Eels:Daisies of the galaxy:☆☆☆★
   Eらしい病んだ空気はちらりとあるものの、アレンジは
   よく練られたドリーミーなポップスが、ぎっしり詰ってる。
   こりゃいいぞ。ストリングス系の音がふくよかに空気を響かせ
   優しくメロディが耳をくすぐる。
   かえって歌詞がわからないのがいいほうに働いているようだ。
   ぼんやり聴いてると、すごくなごめるもの。
   全体的に統一感があるすばらしい盤だ。

   ナッシュビル出身の男女デュオによるポップスを聞かせるスワン・ダイブ。
   これは97年にリリースされた。2ndになるのかな。
62・Swan Dive:Winter green:☆☆
   8曲入りミニアルバム。かろやかにメロディが舞い切なさが漂う。
   別にイージー・リスニングを狙ってるわけじゃなさそうだ。
   気持ちを浮き立たせる明るさじゃなく、ずぶずぶと安住する
   穏やかな明るさのポップス。ハッピーなときに聴くと
   楽しめるだろうな。ただ、へこんでるときに聴くと・・・
   浮び上がれるほどパワフルな音じゃなく、ちとつらい(笑)
   平和な日曜の昼下がりがぴったり似合うポップス。
   3曲目がきれいな曲だなぁ。

   ジャケットがしょぼくて、普通だったら手が伸びないんだけど。
   この人だけは歌がうまいの間違いないから、つい買っちゃった。
   キャリア長いし、何枚目のアルバムかよくわかんないです・・・90年発表。
61・Smoky Robinson:Love,Smoky:☆☆
   アップな曲でずしんと響く、打ち込みリズムに時代を感じるが・・・。
   ミディアム~スローは佳曲ばかり。"Love is the light"が
   いい曲だなぁ。ちなみに3曲でジョージ・デュークがプロデュース。
   もちろんキーボード群も演奏している。どういう人脈なのやら。
   「おっ、ハーモニカだ」と思ったら、やっぱりスティーヴィー・ワンダーでした。
   一曲だけ、ハーモニカで参加している。 

02/3/23
   レコ屋をぶーらぶーら。時期がらバーゲン棚にどっちゃり放出されてる。
   今回はいまいち棚を漁りまくるテンションにかけたけど・・・。

   ルインズの再発音源がでた。極初期の作品を中心に、
   吉田達也自身がリミックス・リマスターしたもの。全23曲入りだ。
   ついでにベーシストも、初代~3代目までまんべんなく聴ける。
   おっそろしく生々しい音になっててびびった。リマスターはこうでなくちゃ。
60・Ruins:1986-1992:☆☆☆
   ベーシストの変化で、音楽性の差はあんまりないみたい。
   うわものの耳ざわりがちょっと変わるくらいかな。
   今のルインズと比較したらシンプルな構成が多い。
   ラフな録音の奥底から、怒涛の変拍子に襲われる快感がここに。

   ゾンビーズのボーカル、コリンの3rdソロ。UK盤にUS盤のみへ
   収録の2曲を加えた完全盤での再発。74年発表。
59・Colin Buunstone:Journey:☆☆
   きれいなメロディの曲が多いのに。コリンの歌声だって
   ハイトーンが心地よい。だけど荒っぽい演奏と、いかにも時代を
   感じさせるキーボード群がムードぶち壊し。
   小道具無しな、素直なアレンジで聴きたい。
   このアルバムのデモテープって残ってないのかな。
   もしあれば、感想の☆マークがひとつ、間違いなく増えるぞ。

   ロマンティックなピアノを弾く南博のトリオ盤。
   今回ライナーで「スティーブ・キューンに師事」とあって、
   なるほどなぁと思った。99年に録音された。
   サイドメンはbを岩瀬立飛、dsは安ヵ川大樹がつとめている。
58・南博3:Three times one:☆☆
   クールでダンディな雰囲気にはまれるかで、評価ががらりと変わります。
   黒っぽいジャズよりも、フュージョン系が好きな人なら
   ぐっと馴染みやすいんじゃないかな。
    細部まで目配りが聴いた、繊細で丁寧な音楽だ。

   写真を加工したポップなジャケットが気に入って、適当に買ってみた。
   こういうデザインがどうもツボらしい。
   スウェーデンのジャズで、ヴァイブ+サックス+ds+bという
   ちょっと変わった編成だ。01年の発売みたい。
   詳しいことは不明。バンドなのか、それともセッションなのかも謎です。
57・Stahls bla:Stahls bla:
   フリージャズだが、グルーヴよりも整然さを選んだサウンド。
   幾何学的なビートとユニゾンぎみなアンサンブルに馴染めるかで
   評価が変わるはず。ぼくは・・・いまいち。
   クールな路線を踏むならスピード感かスリリングさが欲しい。
   このバンドはその点が物足りない。
   変拍子っぽい奇妙なリズムだが、予定調和の枠からはじけない。
   ベスト・トラックは(9)かな。

02/3/18

   オフィシャルHPで、ネット通販限定のみで販売するいわゆる「official Bootleg」盤だ。
   内容は01/4にシアトルとポートランドで行われたライブから収録。
   ベースは朋友グラハム・メイビー。
   ds/key/bのギター抜きコンボに、チェロとバイオリン付の編成となった。
   現在の最新盤「Night and day 2」収録曲を中心に、往年の
   代表曲ももちろん演奏している。
56・Joe Jackson:Two Rainy nights:☆★
   ファンにとってジョーの最新ライブを追体験できる好盤。
   とはいえ、新鮮味は特にない。喉は衰えてないようだが。
   あ、"Real Man"は別。あのシャウトはkeyのインストに置き換わってた。
   全般的に安っぽいシンセの音色が耳につくなぁ。
   選曲もいいし演奏はまずまずだが、ファン以外へ積極的に薦めづらい。

02/3/17

   ライブの物販で購入。植村昌弘の前バンド、PON時代の曲を
   サンプラーで再現した作品。植村の個人CD-Rレーベル
   「無印レーベル」より。録音は98年2月。
55・植村昌弘:Solo P.o.n.2:☆☆
   複雑怪奇な曲構成は、あいかわらずの植村節。MUMUにくらべ、
   いくぶんそっけないメロディが多い。
   ライブで聴いたらかっこいいんだろな~。再結成して欲しいぞ。
   以前はアンコールで披露してたという「倍速モード」が貴重。打ち込みだけどね。

   洋楽の再発もとことんマニアックに行くなぁ。
   ラスカルズのキャヴァリエが、77年に結成してアルバム一枚のみで
   消えたバンドのCDが、世界初CD化された。
54・Treasure:Treasure:
   爽やかな西海岸風サウンドだけど、それだけ。(ちなみに録音はNY)
   いまいち引っ掛かりがない。キャヴァリエはほんとうに
   望んでこのアルバムを作ったんだろうか。
   スロー系ではいいメロディもあるけど、古臭いキーボードの音色が邪魔。
   気にいった曲は、かろうじて(9)。

   エレファント6周辺バンドのCDが、そこそこ安くセコハンで
   売ってたので、聴いたことない盤を3枚買ってみた。
 
   97年のアルバム。ここらへんは詳しくないので、何作目かは不明です。
53・The Apples in Steleo:Tone soul evolution:☆☆
   曲によってばらつきがけっこうある。当たりの曲は60年代の
   ポップスの影響を受けながら聴き応えあるできだ。
   とはいえ、ボーカルがどうも弱い。バックの演奏に埋もれて
   個性を出せていない。ホーン隊やコーラスのアレンジに、
   ブライアン・ウィルスンの影がくっきり見えている。
   アレンジの緻密さで"Silver Chain"に一票。

   エルフ・パワーって、今回が聴くの初めてかな。97年の盤。
52・Elfpower:When the red king comes:☆★
   片っ端からアイディアを詰め込んだ音なので、聴いてて疲れてしまう。
   歌声にパワーあれば、もっと良くなるのに。
   ライブっぽさを意識したサウンドで、閉塞性ないのが救い。
   スタジオ作業が好きなんだろうな。
   面白い曲もあるが、アルバム全体のイメージが掴みづらかった。

   バンドそのものが初耳だ。エレファント6関連も果てしないからなぁ。
   94年に発売されたアルバム。
51・Chocolate USA:Somke machine:
   聴きづらくはないが、コンセプトがとっちらかって
   散漫な印象を受けた。メロディラインも小粒。

02/3/10   タワーでぶらぶら。新譜の非渇望期だから、冷静にチェックしてました。

   店内BGMで気に入って購入しました。TV-CMソングに使われてるらしい。
   伊藤園だっけな?テレビ見ないのでよくわかりません・・・。
   このジャンルは疎いので、どんなキャリアの人かまったく不明です。
   お詳しい方、教えてくださると嬉しいです。
   プロデューサーのkid Rockなる人の人脈らしいけど。  
50・Uncle Kracker:Double Wide:☆☆
   打ち込みカントリー系。うまい表現が浮かばないが、Gラブあたりの音だ。
   ちょっと単調だけど、パワフルなメロディを持った曲は
   楽しめる。でもこのアルバムは"Follow me"のほのぼのさと力強さを
   聴くべき盤だろう。本盤の中で、異色の作品になってて残念。
   こっちがメインの作風だったら良かったな。

   一時期ほどではないにせよ、あいかわらずドプドプとリリースが続く
   ウータン一派の新作だ。98年に出た"The Swarm"以来の"Killa Beez"名義。
   一軍から二軍まで、多彩なメンバーが各トラックに参加している。
   これは初回プレス盤。ボーナスに、RZAの未発表6曲入りEP盤がついている。
49・Killa Beez:The Sting:☆☆★
   RZAを始めとする一軍が参加してるだけあって、練られた
   ポップなトラックがいっぱいある。あえてBPMを上げずに
   ひきずるミドル・テンポへの統一が、いかにもウータンぽい。
   いくぶんスリルは減少。以前の抜き身みたいな迫力が懐かしいな。

   いったいどのくらい未発表トラックを持っているのやら。
   ライノからリイシューされた、コステロのボーナスてんこもり
   再発第二弾シリーズより、ひさびさにアトラクションズと組んだ
   94年の盤を購入した。
   ボーナスCDにてっきり、当時のシングルのみ発売曲を収録しまくると
   思ってたのに。けっこう取りこぼしがある。

   まずシングル"It`s Time"からは一曲のみ(ブルース・スプリングスティーンの
   カバー、"Brilliant Disguise"は未収)、"Sulky girl"からは、当時シングル盤のみ
   収録の3曲は今回再発されたものの、タイトルトラックのsingle.verは未収。

   さらに、"You Tripped~"と"13 Steps~"のシングル盤に、各3曲づつ入った
   アルバム未収録曲は、今回再発されず。
   また数年後に、今度は3枚組で完全収録盤が再発されるんだろうか(笑)ひええ~。
48・Elvis Costello:Brutal Youth:☆☆☆★
   ルーツ帰りしたアルバムだとばかり思ってた。
   ワーナー時代にくっきりプロデュースしたアルバム「スパイク」や、
   「ジュリエット・レターズ」みたいにクラシカルなアルバムを
   作った自分に対し、ロックンローラーとしての落とし前をつけた
   作品なのかなって。だが、今回再発でいっぱい入ったデモを聴いてるうちに
   印象が変わった。もっともっと丁寧に作り上げている。
   リマスターで個々の楽器の分離が良くなり、隅々まで
   見渡せたせいかも。たしかにラフな機材で作られたアルバムだろう。
   バンドっぽさもちゃんと出ている。
   だが、アレンジの細部まできちんとプロデュースされたアルバムだ。
   そこがこのアルバムの強みであり、超名盤にならなかった弱点でもあるだろう。
   耳ざわりがいいのに、別世界へ連れてく強引さがボケてしまったのでは。
   ミッチェル&チャドによって作られた音像は
   メリハリが効いてる。アップテンポはゴツゴツとひしゃげた音で。
   バラードは高音を生かし、透明感を前面に出た。
   ちなみに作品そのものは生き生きして好きです。
   次作はこだわりすぎて上品 になっちゃったし。

   先日、とびきりのライブを聴かせてくれた山下達郎の旧譜リイシューシリーズ。
   さて、これで全部買ったぞ。プレゼントの"Come Along"を申し込まなくっちゃ。

   RCA時代で唯一のライブアルバム。ミュージシャンの演奏も聴きものだ。
   78年発売。当時のライブから、未収録音源を2曲追加された。
47・山下達郎:It`s a Poppin` Time:☆☆☆★
   この時期の達郎に特有な、和音の翳を楽しめるかで
   本盤への評価は違うはず。演奏そのものは粘っこいポンタの
   ドラムを筆頭に、味わい深いグルーヴに満ちている。
   豪華メンバーのソロがふんだんに楽しめる、ボーナストラックも楽しい。
   こののち達郎サウンドは、青山純の背筋を伸ばしたドラミングに変わる。
   才能にセールスが伴わない、達郎の歯軋り時代を記録した貴重な盤だ。

   達郎曰く「五目味アルバム」。雑多な音楽性を見境なく詰め込んだ、
   78年発表の好盤。ボーナスはカラオケ二曲に、英語歌詞版を一曲。
46・山下達郎:Go Ahead!:☆☆☆☆
   10年ぶりくらいに聴き返した。こんなに音がいいアルバムだったんだ。
   硬質ながら、スコーンと抜けるドラムのリバーブと、太いベースの音にびびった。
   「本作で引退」も考えたという達郎が、片端から自分の引出しをあけたアルバム。
   アルバム全体に漂うさみしげな空気がもどかしい。
   達郎がブレイクのきっかけとなった「ボンバー」を収録した盤だが、
   ぼくはスロー群の曲が好きなアルバムだ。
   「潮騒」や「2000tの雨」、特に「マンデイ・ブルー」の怒涛なグルーヴを聴け。
   ボートラはカラオケ中心でいまいち。ライブ・バージョンを聴きたかったな。

   ここから達郎はブレイクして、好き放題レコーディングに時間をかけられるように
   なっていく。ボーナスは4曲だが、完全未発表曲はなし。80年発表。
   後に打ち込みリズムで発表された"マーメイド"のバンド演奏版とか
   録音してるはずなんだが。
45・山下達郎:Ride on Time:☆☆☆☆★
   「自分のリズム隊」を手に入れたことでサウンドに統一感が出た。
   本人解説を読んで、初めて本盤は「地味め」を狙った作品だと知った。
   個人的には「デイドリーム」が印象深い。
   高校の頃、一人旅をした。新幹線の中で本作をウオークマンで聴いた時、
   ギターのカッティングが窓の外を流れる風景と同化して
   すばらしく爽快だった。
   ほんとの意味での「BGM」の凄みを実感したのが瞬間だったと思う。
   さりげない小品の「おやすみ」は、当時結婚前後の時期だったと
   思い合わせると、すごくセクシーに聴こえる。
   ボートラはインストの小品な二曲がいいぞいいぞ。あっというまに
   終っちゃってくやしい~。  

   アナログでは音のよさを誇り、当時は所属レコード会社のオーディオ・チェック盤に
   つかわれていたとか。ボーナスは4曲ながら「あまく危険な香り」のシングルテイクと
   TV用インストが2種類。あとは竹内まりやへ提供した曲を自演した"Every night"だけ。
   このとき27曲録音してると聴いてたので(発表は8曲)、すっごくボーナス曲に
   期待してたんだが・・・。当時のマスターが残ってないのかなぁ。82年発売。
44・山下達郎:For you:☆☆☆☆☆
   緻密なアンサンブルが最高!ブレイクして好き放題
   レコーディングに予算をかけられた喜びに満ち溢れているようだ。
   特にA面は言うことなし。とびっきりのアレンジに酔いたい。
   自分のリズム隊も手に入れた、ひとつの究極がここにある。
   ちなみにリマスターのわりに、音圧少なめな感じはなぜだろう。

02/3/2

   山下達郎のライブへ行ったとき、物販で購入。
   達郎のバックを勤める面々によるバンドの自主制作CDだ。
43・Nelson Siper Project:Nelson Magic:☆☆
   演奏技術はうまい。リズム隊が固定されて、音像に統一感もある。
   ただ、ばらばらな音楽性が散漫さを呼んでしまった。
   余技で楽しんでるのはわかるが、アルバムは五目味すぎ。
   だれでもいいから、リーダーシップを取ったら面白いバンドになるだろうに。
   プログレでぐいぐい盛り上がる「Dadly」が良い。フェイドアウトが惜しいぞ。
   アルバム冒頭へ戻る統一感も効果的だ。
   あまり真剣に向かい合わず、気軽に聴き流すにはいいアルバムかもしれない。
   BGMには曲の方向性がばらばらだけど。

2002年2月

02/2/25
   えらく待たされたけど。ルナからGbV関連のCDがやっと届いた。
 
   トビンとボブのユニット、エアポート5の新作。
   今回も演奏は全てトビンの多重録音だ。
42・Airport 5:Life starts here:☆☆
   ロー・ファイな録音ながら、なぜかきっちりしたサウンドに聴こえる。
   アレンジの勝利かな。全般的に小粒な曲が多い。もう少しはじけても
   良かったのでは。きれいにまとまったアルバム。

   スーパーチャンクのマック・マクガハンとボブによるユニットの
   デビュー・アルバム。もっとも、これ一枚の突発的ユニットかも。
41・Go back snowball:Calling zero☆☆☆★
   シンプルなバッキングにロバートが淡々と歌う構成多し。
   メロディがきれいな曲が多いので飽きない。
   ときどきヒョコヒョコ鳴るシンセが、アレンジの
   いいアクセントになっている。このアルバム、作曲をロバートは
   してないんだろうか。バッキング・トラックだけひょいっと渡され、
   ロバートがメロディを好き放題乗っけて歌ったって
   作り方だと楽しいのに。

02/2/24

   元フェダインの川下直広による個人レーベル「マネキネコ商会」の
   新作かな。99/8/20に博多ニューコンボでのライブがリリースされた。
   万華鏡なる舞踏家との演奏で、川下はサックス以外にエレクトリック・
   バイオリンも披露してるとこが嬉しい。   
40・川下直広:「Solo.1」:☆★
   冒頭はメロディらしきものがなく、ひたすら電子ノイズ。
   10分くらい経過して、やっとサックスが顔を出す。
   かなり前衛的な作品だ。約50分を一本勝負。
   中盤で聴けるバイオリンのソロは切なくていい。

   灰野敬二が民族楽器を中心に演奏したバンドらしい。
   ものの見事に、クレジットが何もない・・・。
   リリースは93年のようだ。
39・滲有無:悲翼紀:
   リバーブたっぷり、ドローンぽい音像たっぷり。
   ボーカルを多重録音してミサや声明的なムードも漂う。
   ただ、これは本来でかい音で楽しむものだろう。
   部屋にて小さな音で鳴らしても、いまいちよさが伝わらない。

   メルツバウの旧譜をセコハンにて発見。
   Smegmaとのコラボ作品かなぁ、これは。96年作。
38・Merzbow:Melzbow plays Smegma plays:☆☆
   コラージュ中心のノイズ。テクノへの意識をちょっと感じるな。
   メルツバウのイメージにこだわらなければ、
   あんがい聴きやすい作品かもしれない。

   メルツバウのリミックス企画みたい。97年発売。
   ジム・オルーク、オウテカなどが参加している。
   メルツバウ自身の作品も二曲収録。
37・Merzbow,etc.:Scumtron:☆☆
   メルツバウをリミックスするって趣向だと、ダブ風か消音風味でないと
   個性って出せないんだろうか。どのミュージシャンも、
   断片的にノイズを提示する作風ばかり。
   そんななか、強引にテクノ仕立てにしたオウテカを評価したい。
   一方でメルツバウはなんの迷いもなくノイズをばら撒く。
   うーん、視点がすがすがしい。
   ノイズにムリヤリ音程つけて、譜面に起こして再演奏するって
   アイディアどうかな。・・・面白いと思うけど。

02/2/16

   山下達郎のRCA時代の旧譜が、本人のリマスターによりリイシューされた。
   詳細な達郎自身のライナーもつき、充実した再発だ。まずは3枚購入。

   76年発売の1stソロ。ニューヨークとロスで、達郎が指名した
   ミュージシャンをずらりと並べて録音したアルバム。
   アメリカン・ポップスを知れば知るほど、この盤のマニアックな
   ミュージシャンの選択に唸ってしまう。     
36・山下達郎:Circus Town:☆☆
   ミュージシャンはそうそうたるメンバーが揃ってるんだけど。
   いかにも演奏が荒っぽいのはご愛嬌。達郎の歌も若い。
   思い切り背伸びした感触がそこかしこに伝わる作品だ。
   ベスト・トラックは「ウインディ・レイディ」。
   切なさと疾走間が同居した、ひりひりする空気がすごい。
   「迷い込んだ街と」の爽やかさも好きだ。

   2ndアルバムは77年発表。今度はキャラメル・ママ系の充実した
   日本人ミュージシャンを贅沢に使った。こっちも今見るととてつもなく
   豪華なメンバーばかり。
   達郎のソロとしては、最も内省的なつくり。「ソロ・アルバム」という
   言葉が、とても似合うアルバムだ。
35・山下達郎:SPACY:☆☆☆☆☆
   今の達郎と比べるとたどたどしさや荒さもあるけれど。
   なんといっても若さによる歌のパワーがいい。
   「ラブ・スペース」「翼に乗せて」で歌い上げるあたりの空気が爽快だ。
   このとき達郎が持ってた寂莫とした空気感は
   「アンブレラ」にとどめを刺す。ロマンティックな名曲だ。
   ひさびさに聴き返して、よさを再認識した。
   「アンブレラ」が好きなので、ボートラの別テイクは素直に嬉しい。
   ミュージシャンの名演も聴きもの。達郎のアレンジを無視して
   ポンタ・細野らが好き放題弾いたという「素敵な午後は」や
   坂本龍一のピアノが冴えた「ソリッド・スライダー」あたりが好き。

   79年に発表された5枚目のソロ。ここから達郎の音がぐいぐい洗練されていく。
   現在にいたるキャリアを見渡しても、とびきりにポップさを追求した盤だ。
34・山下達郎:Moonglow:☆☆☆☆
   達郎の作品の中で、もっともとっつきやすい作品だろう。
   本作以前の作品に感じる個人性の影みたいなものがない。
   すこーんと突き抜けたみたい。
   なのに音楽性はシカゴ・ソウルへの深い愛情がにじみ出たアレンジと
   趣味性が強いところが、個人的には痛快だ。
   今回じっくり「funky flushin`」を聴き比べ、初めて達郎が
   どこらへんが不満で、何をやり直したのかわかった次第です。お恥かしい。
   3パターンのリズム隊が入り乱れ、ノリの微妙な違いを楽しめる。
   これ以後「Pocket music」までリズム隊を固定を基調に
   自分のサウンドを構築してゆく。だからこそ、さまざまなグルーヴが
   同居する、このアルバムは面白い。
   ボートラの「永遠のフルムーン」ライブ・バージョンも聴きもの。
 
   ライブの物販で購入。ベースとボーカルのみ。簡素な構成ながら
   暖かさがつたわってくる音楽が気に入った。97年リリースの、1stアルバム。
33・ふちがみとふなと:日曜日ひとりででかけた:☆☆☆
   1st盤で緊張したか、どの曲もぴんっと背筋がのびた力強さを感じる。
   微妙にかかったボーカルのリバーブも効果的だ。
   優しい歌すらも、どこかパワフルさが残る。
   なによりも、喉を器楽的に使って歌う曲群のいさぎよさはかなりなもの。

   これが最新アルバムらしい。01年発表。さまざまな洋楽をカバーしたアルバム。
   単純なカバーでなく、個性に溢れている。
   ビーチ・ボーイズの「スマハマ」を選ぶセンスがすごいなぁ。
32・ふちがみとふなと:アワ・フェイバリット・ソングス☆☆☆★
   素朴ながら説得力のある歌にしびれる。「おおシャンゼリゼ」がキュートだ。
   派手なアレンジはさほど重要じゃない。肝心なのは
   音楽そのもののパワーだって、この盤を聴きながらつくづく思った。

   ヒップホップの棚を眺めていて目に付いた新譜。
   映画のサントラらしい。DJのスクラッチに着目している。
   この映画、見てみたいな。
31・V.A.:Scratch:
   オムニバスと言うより、短いインタビューを間に挟んだ番組仕立て
   だと思う、たぶん。英語わかんないので。
   収録曲はヒップホップよりもテクノ仕立てが多く感じた。
   1~2曲だけならともかく、アルバム一枚ぎっしりスクラッチは
   さすがに飽きるな。ハンコックの「Rock it 2002」は新鮮味なく、凡庸な出来。

   数ヶ月前からソウルの棚で見かけて気になっていた。
   西海岸を根城にしてるらしい、ソロの男性ボーカル。
   前作(?)の"ROME"(1997)から、インディ落ちしちゃったようだ。
30・Rome:To infinity (Thank you):☆☆☆★
   充実したディープなシティ・ソウル盤。
   多少トゥ・マッチなところこそあるものの、歌もメロディも演奏も
   生き生きして、聴いてて楽しくなる。
   しみじみしたバラードはほとんどなく、あらかたはミドル系。
   スロー系もパワフルな歌だ。インディながら
   とても期待が持てるシンガーに成長している。

02/2/3
   ユニオンでソウルのインディ盤を買ってきた。
   ここらへん、ネットで検索してもいまいち情報がつかめないなぁ。

   メンバーはジェラルド・アルストンとブルー・ラヴェットの二人のみ。
   マンハッタンズの新作は、インディレーベルからの発売だ。
   なんか物悲しいなぁ。クレジットは2001年になっている。
29・The Manhattans:...even now...:☆☆
   あんがいゲストが豪華だ。オルガンはビリー・プレストンだし、
   ホーンのアレンジはジェイムス・パンコウ(シカゴ)だし。
   サウンドは甘いマンハッタンズ色。とはいえいなたさがそこかしこに。
   打ち込みリズムがうるさくもあるけど、スウィート・ソウルが楽しめます。
   オリジナルのスローは粒ぞろい。スライの「Everyday people」はいまいちだった。
   なにもマンハッタンズで演奏しなくてもいいのに。

   ポップに書かれた"マーヴィン・ゲイ・フォロワー"のあおりに惹かれて
   買ってみた。イギリスで活動してるようだ。2001年発売。
28・Michael Bohannon:Build a fire:☆☆
   打ち込みによるクールで流麗なソウルが基調の盤。
   音楽の存在感がちと小粒だけど、なかなかいかしてる。
   多重録音駆使でファルセットを生かしたハーモニーもなかなか。
   声のかすれっぷりが、たしかにマーヴィンぽいところがある。
   ベスト・トラックは(3)です。(11)もいいな。
   インディベースの活動があやふやだけど。今後の活動が楽しみな新人(?)だ。

   詳細不明。98年にリリースされた"Before you go"に続くアルバムかな。
   メンバーが前作に比べ、一人増えて6人になってる。CD-R盤。
27・Ol`heads:Sweet Surrender:☆☆
   音が多少こもり気味で残念。安っぽいアレンジながら、
   聴き応えあるソウルに仕立てた実力が買いです。
   アップ、スロー、ミディアムとどれもそこそこ聴けるだけに
   狙いが掴みづらい。いっそのこと、テーマを絞り込んだほうが
   個性的な盤になったと思う。
   チャイライツ"Have you seen her"のカバーを収録。クレジットないから
   わからないが、他にもカバーしてるかも。
   オリジナルでは(4)、(10)、(16)あたりの
   ミディアム・スローが印象に残る。

   Gap Bandの息子たちによる、男性3人組コーラス・グループ。
   オリジナルの発売は96年らしい。CD-Rによるリリース。
   オフィシャルの再発なのか、ブートなのかは謎。
   ジャケットもカラーコピーが一枚。すっげぇ安っぽい。
26・Blu cab:Wilson verdict:☆☆☆
   基本的に打ち込みのオーソドックスなスタイルのソウル。
   スローはなかなかいい曲が多い。(8)が気に入っちゃった。
   一曲目のファンクがむちゃくちゃカッコいい。
   わずか一分で終るのがもったいない。
   同じサウンドで一枚押し通して欲しかった。売れないだろうけど(苦笑)

02/2/1
   
   ライブの物販で購入。フィンランドのイベントかなにかのコンピらしい。
   目当てはルインズの未発表曲。他に大友良英やサチコMの名前がある。
   ノイズ作品がメインみたいだな。
25・V.A.:Avanto 2001~Helsinki Media Art Festival:☆☆☆★
   知らない名前ばかりだが、面白い音響派ノイズ作品多数。
   部屋にさりげなく流すと気持ちいい。さまざまな電子音が
   好奇心をずびずび刺激します。
   目当てのルインズは、ブレイクが多い派手な作品。
   これはライブで演奏してるのかな?

2002年1月

02/1/29
   渋さ知らズのインディ・レーベル、不破大輔.商店の
   CDが到着しました。

   不破大輔.商店のHPでひっそり売ってる音源です。
   おおっぴらに紹介するのも野暮なので、詳細は伏せます。
   もしご興味ある方は、ぼくにこそっとメールでも下さい(笑)
24・(謎):迷:

   不破大輔と室舘アヤの二人ユニット、塩ととの初アルバム。
   想像してたのとはまったく違う、音響系のノイズだった。
23・塩トト:アルバムバージョン:☆☆
   このデュオで、フリージャズじゃなくノイズをやるとは。
   ちょっと単調だけど、耳の回路を「そういう音だ」って切り替えたら
   楽しめる。やさしげなハーシュ・ノイズって表現が似合う作品だ。

   渋さのサブユニット、渋さチビズ(少人数編成の渋さ)の
   初音源化。CDでじっくり聴きたかっただけに、実に嬉しい。
   内容は97/11/2に和光大学で行われたライブです。
22・渋さチビズ:無臭?~シブサ ガ クサイ:☆☆
   ブートなみに音はこもり、MCは聞き取りづらい。鳴りもかなりダンゴだ。
   メンバーも12人と大所帯で、チビズと言うには少々抵抗あり。
   とはいえ、演奏そのものは文句なし。クールな大沼のドラムに支えられ
   各自が奔放なソロを矢継ぎ早にばら撒く。熱いです。

01/1/25

   ライブの物販で購入。しばらく前からHPで告知されてたが。
   2ヶ月遅れで発売された。内容は00年4月19日に、高円寺の
   ライブハウスであるペンギンハウスにて行われた、
   灰野敬二と吉田達也のデュオライブを編集したもの。
21・灰野敬二+吉田達也:水が炎を掴むまで:☆☆☆☆★
   基本は灰野ギター、吉田ドラムのバトル。だがさまざまな楽器を操る
   トラックも各種挿入され、飽きずに聴ける。なによりその場の空気を
   きれいに掴み取った、吉田の分離良いミックスが嬉しい。
   ノイズではなく、あくまで「音楽」重視で渡り合う、二人の
   まっすぐな姿勢を堪能できた。
   個性が違う二人のダラブッカ・デュオもすごいな。聴き応えある名盤です。

01/1/22
  中古レコ屋にて。メルツバウの旧譜を何枚か発見。

   なにはさておき、今日の目当て。元フェアグラウンド・アトラクションズの
   歌姫、エディ・リーダーが新譜を出した。
   海外ではすでに出回って入たが、これは日本盤。ボーナスで
   昨年の来日ライブ・テイクが5曲入ってる!わーい。   
20・Eddi Reader:Driftwood:☆☆☆☆
   バラエティに富んだ曲調が楽しい。オムニバス風で一貫性はないものの、
   エンディングでぐぐっと希望をもたせる明るい曲を持ってくる
   前向きなセンスを評価したい。他の曲が落ち着いてるだけに
   よけい明るさが際立つもの。
   ボーナスのライブテイクも聴きもの。こちらはのびやかなボーカルを
   思う存分堪能できます。いつかはライブを見てみたいな。

   これもしばらく前から探してました。
   ブリル・ビルディング時代の重要な作曲家、エリー・グリニッチの
   ソロ2枚と、デモを集めた二枚組CD。バリー・マンやキャロル・キングの
   同種コンピでおなじみな、Brill Toneより。なぜかクレジットが95年だ。
19・Ellie Greenwich:Brill Building sounds:

   97年発売のシングル。元はコンピ用音源だったとか。
18・Merzbow:Tint(single):☆☆☆
   電子の竜巻が荒れ狂う爽快なで瞬発力溢れるハーシュノイズ。
   ただ、2曲で6分弱の小品なのがもどかしい。
   盛り上がってきたところで、置いてけぼりに
   されちゃうよ。ある程度長時間聴かないと、ノイズは楽しめないのかな。

   90年9月のアメリカ各地での行われたライブ音源を抽出。
   スタジオ録音も一曲収録された。
   妙に左チャンネルへミックスが偏っている。91年リリース。
17・Merzbow:Great American Nude:☆☆☆
   全般的に爽快なノイズがいっぱい。この頃はREIKO Aと共演での演奏だ。
   基調はハーシュノイズ(ハムノイズの変調っぽい)だが、
   メタルパーカッションがランダムなビートを刻み、うっすらと
   ダンス・ビートを提示してるように聴こえて面白い。

   ノイズバンド(?)なStruggle for Prideとのコラボ盤。
   以前にもあったが、片チャンネルを各自が担当し、
   同時演奏で楽しむ趣向だ。メルツバウは片面だけだと
   「本来のメルツバウでない」との意向か、「M"a"rzbow」名義で
   クレジットされている。2001年に発表された。
16・Marzbow+Struggle for Pride:Split ver.0.5:
   どちらのチャンネルも音の肌触りが似てるので違和感ない。
   比較的ワンマンに突き進むストラグルとじわじわっと音像を変化させる
   MARZBOWの対比に耳を傾けるのもいいな。
   20分かそこらで終わってしまうシンプルさも気にいった。

   ライブの物販で購入。渋さ知らズの関係バンドのひとつ、
   「低音環境」の1stCD。中身は不破大輔(b)と
   高岡大祐(tu)の二人ユニットです。たしか去年発売。
15・低音環境:低音環境:☆★
   ライブでは迫力あるんだろな。CDだとどうしてもスケールが
   小さく聴こえてしまう。チューバだとメロディのエッジが
   甘くなるのも難点。しかし低音デュオによるグルーヴは
   素晴らしくカッコいい。うーん、ライブ聴きたい。

02/1/18
   やっと今週の仕事も終わり。自分へのごほうびってことで、ひさびさにレコ屋へ行ってきました。
   しまった。コールド・ブラッドのライブ盤買いそびれたよ。

   モータウンを代表する男女デュオと言ってもいいでしょう。
   マーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュオ集が出た。
   アルバム3枚分音源を2枚のCDにつっこみ、しかも12曲の未発表テイク付き。
   ふとっぱらだぜ、モータウン。"What you gave me"が大好き。
   しかしこのレーベル、果てしなく未発表テイクが出てくるなぁ。
14・Marvin Gaye & Tammi Terrell:The complete duets:☆☆☆☆
   生き生きとして暖かい。名ソウル・デュオだと再認識した。
   アシュフォード&シンプスンのひとひねりしたメロディが映える。
   でも、そのデュエットはセッションで出来上がったんじゃなく、
   別々にボーカル録りされた作り物と知り、ショックだった。
   (未発表テイクで、タミーのみボーカルが入ったテイクをどっさり収録した)
   未発表曲では、一発録り(?)な"We`ll be satisfied"が聴きもの。
   元JB出身と思い起こす、タミーのパワフルな歌が面白い。

   ドイツでひたすらテクノを量産しつづける、ピート・ナムルックの
   2001年5月の(比較的)新作。このあとに4枚出してるはずだから。
   Namlook V名義での発表で、例によって2千枚の限定盤。
13・Pete Namlook:Wired:☆★
   フロア向けのサウンドが印象に残る。ただ、どこか当りが柔らかい。
   せわしなく刻むビートも、泡がはじけるような軽さあり。
   メロディらしきものはほとんどなく、電子音が浮かんでは消えていく。
   アンビエント風ながら、ビートを効かせた作品。

   ここんとこ気になってるイールズ関連盤を二枚買ってきた。
   一枚は98年発売の2nd。日本盤で、ボーナス一曲付き。
12・Eels:Electro-shock blues:☆☆★
   前作以上に音への気遣いは充分。ただ、ヌケのいい音飾が
   かえって、1stでビシバシ放射した凄みを減じちゃった。
   音楽の出来は今作が上。ただ、小奇麗にまとまっちゃったかも。
    パーソナルな味わいでむせ返った前作とは対象的に
   「観客」の視線をしっかり意識してるのを感じる。

   イールズのリーダー、Eがバンド結成前に発売したソロアルバム。
   これは2ndかな。1993年にリリースされた。
11・E:Broken toy shop:☆★
   メロディの美しさも、心細さも後年のイールズをどこか連想させるつくり。
   そう、「連想」だ。とてもイールズへ結実するような
   陰鬱なこだわりが、音に感じられない。ありきたりの盤だ。
   すると、1stの盤全体から漂うイメージって、作為的に作られたのかな。
   だとしたらたいしたもんだ。
   歌い方の端々に、プリファブ・スプラウトっぽさもあるなぁ。

   ここんとこいろいろ見かけるユニバーサルの二枚組デラックス・シリーズ。
   JBが67年にアポロでやったライブ盤です。
10・James Brown:Live at the Apollo volume 2:☆☆☆
   JBのショーの様子が伝わってくる名アルバム。
   オリジナルリリース盤を聴いてないので、違和感なく楽しめた。
   前半はスタンダードで客を掴み、後半にJBファンクで押す
   手馴れた選曲もにくい。全面的にJBで押さない分、物足りなさが残るのが
   本盤のマイナス・ポイントか。
   スター街道を駆け上ってたJBのパワフルな熱気を堪能できるライブ盤だ。
   願わくばこのときの映像を見てみたい。残ってないんだろなぁ。

   棚をあさってて見つけた。なつかしや。アナログ時代は二枚組3面で
   リリース(D面は溝なしだった)。さらにライブレコーディングながら、
   観客に歓声や拍手を禁止し、2chで録音するというわがままコンセプトアルバム。
   当時リアルタイムで買って、さんざん聴いたっけ(1986年発売)。
   もしかしたら、近いうちにボーナス付で再発されるのかもしれん。
9・Joe Jackson:Big World:☆☆☆
   ジョー・ジャクソンの集大成アルバムってとこか。音楽的な
   完成度は過去の作品にゆずるが、これまでさまざまなジャンルへ
   好奇心を広げてきたジョーが、再びロックン・ロールで落とし前を
   つけたかったのかもしれない。10年ぶりかで聴き返して、予想以上に
   パンクっぽさを感じたのが新鮮だった。

01/1/9   
   以前ネットへ注文してたシングルが到着しました。

   01年にプリンスが自分のNPGから出したシングル。
   アンジー・ストーンとのデュエットが入ってる。
   ボーナスにはタイム・スクォッドの新譜から、二曲を
   さわりだけ収録。タイム・スクォッドのプロモ・シングル的な
   位置づけもあるようだ。
   こんな盤出てたとは。ちっとも知りませんでした。
8・Prince with Angie Stone:U make my sun shine(single):☆☆☆★
   最近のプリンス節そのままの、落着いたジャズっぽい
   雰囲気全開の佳曲。二曲目で聞ける、熱いギターソロもいい。
   なにより多重録音されて飛び交う、プリンスの一声コーラスが最高だ。
   宣伝で収録されたTRACK Squadは、打ち込みのせわしない
   ビートが特徴のヒップホップ。威勢いいけど、ちょっと大味かな。

01/1/7

   ほんとなら昨年中に全9枚のシリーズで復刻されてるはずなのに。
   なぜか第一セットの3枚のみで、以降が未発売になっている。
   しかもその第一セットも店頭から消えつつある・・・。
   これは帰宅途中にぶらっと入った普通のレコード屋で発見した。
   スネークマンショー、70年代の音源中心な第3弾。
7・Snakeman Show:Radio Snakeman Show Vol.3:
   ギャグはあらかたレコードで発表されたものの原型。
   アルバムはネタを練ってるなぁと、しみじみ実感した。
   「DJとしてのギャグ」は痕跡のみで、音楽はほとんど新音源ぽい。
   上品で静かなテクノが多く、音楽は☆二つ上げたい。

01/1/2
   新春初のレコ屋巡り。収穫もあって、なかなか幸先いいぞ。

   廃盤なフェダインのアルバムを、某店でさくっと発見。
   値段も普通だし。こんな簡単に手に入るとは。嬉しいぞ。
   92年発売のセカンド。裏ジャケにある不破大輔の写真が若い。
6・フェダイン:Fedayien 2:☆☆★
   発売時期から言ってやむをえないが、マスタリングがぼろぼろだ。
   かなりレベルが低くて、音に迫力がない。
   もっとも心なしか演奏そのものも、青白く若い感じがする。
   初期のパワフルなフェダインを味わうにはいい盤だろう。
   エレクトリック・バイオリンのがむしゃらさがたまらない。

   川下直広(元フェダイン)の自主レーベル、マネキネコ商会が
   ユニオン系で流通してた。以前買いそびれたフェダインの
   アルバムを買ったが・・・これ、不破大輔商店で販売してる
   フェダインのアルバムと同一音源じゃないかな?ちょと残念。
5・フェダイン:Fedayien 4:☆☆
   月刊不破商店版にくらべ、ヒスノイズは少ない。
   だがテープは同じものらしく、ちょっと遠い音像は同様。
   テナーとエレクトリック・バイオリンを弾き分け
   約30分にもわたって盛り上がる「ラジオのように」がやはり聴きもの。
   フェダインにしてはおとなしめな演奏だと、今気がついた。

   2001年7月19日に、ノルウエーのMoldeで行われたメルツバウの
   ライブを、たぶん丸ごと収録した。全長は40分程度。
   共演は二人組のラップトップ奏者、ジャズカマーだ。
4・Merzbow + Jazzkammer:Live at Molde International Jazz Festival:☆☆☆
   3曲入りだが、区切りは特に意味ないようだ。40分一本勝負って感じ。
   前半はJazzkammer主導のダブ風エレクトロ・ノイズ、後半で
   のっそりとメルツバウがハーシュノイズをばら撒き始める。
   ライブなせいか音数は少なく、互いのぼそぼそ会話を漏れ聞いてるよう。
   エンディングで余韻の残しっぷりがクールです。

   彼のピアノが聴きたくなり、目に付いたアルバムを買った。
   01年リリース盤で、ビートルズの曲などを演奏。
   サイドメンは安ヵ川大樹(b)と外山明(ds)がサポートしている。 
3・南博:Songs:☆☆☆☆
   ロマンティックな響きにまずヤラれる。さらに音の響きが
   どことなく奇妙なのも好み。外山明のランダムなドラムとあいまって、
   ふわふわ音が漂う。これ、いいです。とびきりなジャズ。

   先日行ったライブのBGMで"Susan`s house"がかかった。
   どこか不安定なムードが気になり、じっくり聴いてみたくて。
   ジャケは前から知ってたけど、こういう音してたんだ。
   しかし、このぎょろ目ジャケはなんとかならんもんか・・・
   なんとも不気味じゃ(苦笑)。96年発売の1st。
2・Eels:Beautiful freak:☆☆☆☆
   Eの個性が首尾一貫したアルバム。ひしゃげた雰囲気が音全体から
   染み出してくる。どたすか言うドラムが耳ざわりなとこもあるが、
   総じて静かだ。目線を斜め下に向けたやるせなさが、
   耳ざわりのいいメロディでやわらげられつつも・・・やはり苦しい。
    もうちょい音の隅々へ気を配ったら、とてつもない名盤になってたはず。惜しい。

   片山広明(ts)がライブで演奏してる「ハレルヤ」って
   彼の曲だ。きれいなメロディなオリジナルを聴きたくなった。
   本盤は84年以降のアルバムから作った彼のベスト盤(2枚目)。
   書き下ろしも2曲収録している。1997年発売。
1・Leonard Cohen:More best of:☆★
   低音をむちゃくちゃ効かせたボーカルは、ちょっと
   なじめない。もうちょい慣れたら心地よくなるだろうけど。
   それよりも苛立ったのが、シンセ・ストリングスのバッキング。
   なんとも安っぽいよ。本物の弦でふくよかさを出して欲しい。
   場末の胡散臭さを演出したいなら、狙いどおりだけど。
   メロディはきれいなんだから、オクターブ上げて
   豪華なムードで聴かせて欲しい。


2001年12月

01/12/30
   ライブ前にCD屋を散策。これが今年最後の購入ですね。

   吉田達也の参加に惹かれて購入。水玉消防団のメンバー、
   天鼓(vo)のソロアルバム2作目かな?オリジナルは92年発売。
335・天鼓:魔女山の頂上で:
   演劇的パフォーマンスが主眼で、即興演奏を楽しもうとすると
   とまどう。多彩なメンバーがスタジオ・ミュージシャン風な「素材 」に
   とどまっているのがさみしい。ベストトラックはタイトル曲かな。

   「ノー・ニューヨーク」にも参加していた、ニューヨークの
   パンクバンド、コントーションズのアルバム。79年発表。
334・Contortions:BUY:
   NY風の性急さで畳込む。しゃくりあげるようなボーカルが
   トレードマークかな。曲そのものにもうちょいパワーが欲しかった。

01/12/29
   ひさびさにレコ屋へ。いろいろ面白いのでてるなぁ。

   活動自体は数年前からちょこちょこしてますが。
   このメンバーでのCD発売は本盤が初。菊地雅章のカルテットです。
   ドラムスが吉田達也です。聴きたかった~、これ。
333・菊地雅章 The Slash Trio:Slash 1:☆☆☆
   吉田のドラミングはダンス・ビートを拒否し、ひたすらリズムを
   切り刻む。パルス状のフレーズが飛び交い、コラージュ感溢れる
   スリリングな演奏がいっぱい。お互いの演奏を聴きつつプレイしてるので
   一体感もばっちり。斬り合いを見ているようだ。
   吉田のフレーズを膨らませた「SPIRAL」が楽しい。ジャズ風ルインズみたい。

   上の(333)と同時発売された、2枚組の再発盤。
   たぶんオリジナルは1989年です。
   「スストを基調に~」と書かれた帯のモンクに惹かれました。
   録音は1989/8/7に東京で行われたライブより。
332・菊地雅章:All night,All right,Off White Boogie Band:☆☆
   ぶりぶりと単調にグルーヴが続き、だれかの演奏が盛り上がった瞬間に
   バンド全員で雪崩れ込むアレンジが基本みたい。
   ぼおっとCDで聴くといまいち緊張感が保てない。
   ライブを見たかったな。大音量で聴いたら盛り上がりそう。
   DCPRGとは対極な、ビートを拒否するダンスミュージックだ。

   あんがい速いペースでリリースされた、ウータンの4th。
   レコ屋のポップで「前作は不評~」みたいな書き方をされてて
   面白かった。今回はウータンの旗を抱えたジャケで、
   ますます雰囲気がファンカに似てきたような。
331・Wu-Tang Clan:Iron Flag:☆☆☆★
   数曲でRZA以外のプロデューサーを立て、音像の画一化を
   避けているようだ。派手さの中にRZAらしい不穏さが漂う好盤。
   全般的に、聞きやすい曲が多いな。ハイハットのキレがいいんだ、これが。
   そしてあいかわらず、どれが誰のラップか区別つかず。とほほ・・・。

   こちらもウータン一派。ソロとしては3rdになる。
   今回の相棒はレイクォン。RZAは4曲に参加している。
330・GhostFace Killah:Bulletproof Wallets:☆☆
   ラップ系はうまく表現する言葉が見つからないや。
   歌もののトラックが耳を惹く、派手な出来。
   そのぶん不穏な香りは控えめかな。

   ロジャー・ニコルスとポール・ウイリアムズが
   1970年に、売り込みようとして作成したデモトラックが
   公式発売された。
329・Roger Nichols and Paul Williams:We`ve only just begun:☆☆☆
   デモ録音だけあって、音はいまいちこもり気味。
   でも、この素朴さがいい味になってる。肌触りのいいメロディは、
   こんなラフな音で聴くのが、暑苦しくなくていいのかも。
   g,b,pは全てロジャー・ニコルスの演奏。まあ、それなり。
   こういうデモは大々的に大騒ぎして聴くもんじゃないけど。
   ひっそりとレコード屋の片隅に置き続けて欲しいな。
   聴いててなんともホッとする。

   以前購入したドイツの音響系レーベル、Staubgoldのコンピを気に入り
   他にもいろいろ聴いてみたくなった。
   これはその盤に収録されてたユニットの一枚。99年発売。
328・Groenland Orchester:Trigger Happiness:☆☆★
   基調は繰り返しを重視した、音響系テクノ。
   だけどほのかなメロディがかもし出すポップさがポイント。
   ほんわかした音色があおるビートが心地よい。
   低音を効かせたら、フロアにも似合うのでは。
   くいくい細切れビートが畳込む"Haudura"が好き。

   こちらもStaubgoldのコンピに参加してたユニット。
   これは別レーベルの盤だけど。発売年が記載されてないなぁ。
327・Ekkenhard Ehlers:Betrieb:☆☆☆
   まさに音響系のサウンド。さまざまな音色をダブ風にコラージュする。
   たゆたう雰囲気がたまらなくいかしてる。
   電子音だけでなく、ストリングスぽい音色も使用。
   BGMにしてると、ひたすらなごみます。

   TZADIKからの新譜です。マサカーは18年ぶりの再結成だとか。
   メンバーはフレッド・フリス、ビル・ラズウェル、に
   新ドラマーとしてチャールズ・ヘイワード。
   メンバーの名前に期待して、買ってみました。
   さて、どんな音かな。音源は01年にロンドンで行われたライブより。
326・Massacre:Meltdown:☆☆★
   何度も聴くうちに面白さがわかってきた。この録音、どの程度即興なんだろう。
   好き勝手に弾き倒すフリスに、タイトながら巧みに変拍子を差し込むヘイワード。
   ふたりをラズウェルが、ほんのりグルーヴィなベースで結び付けている。
   個々のフレーズよりも、アンサンブルの組み合わせが興味深い音楽だ。

01/12/24
   ライブハウスの物販で、さくっと購入しました。

   渋さ知らズの(公式版では)2年ぶり最新アルバム。
   音源は今年6月にバディで行われたライブです。
325・渋さ知らズ:渋旗:☆☆☆☆
   アッパーな渋さの側面を強調したアルバム。最近の
   レパートリー3曲収録が嬉しい。ちょっと硬い音だが
   細かい部分まで聴こえるレコーディングも良好。
   でかい音で聴くほど盛り上がりそうだ。
   ああっというまに終わる「仙頭」がものたりないよう。
   一曲が長めに収録されて、醍醐味を楽しめるけど。
   もっと長尺で聴きたいと思うのは贅沢だろうか・・・。

   渋さの関連バンドで、泉邦宏らによるカルテット、IMO。
   これが1stアルバムになるのかな。ジャケが強烈です。   
324・I.M.O:マージナル:☆☆
   コミカルな路線を基本にしつつ、流れる音は生き生きして楽しい。
   ライブで聴いたらさらに面白いんだろうな。
   へんに飾らない、生の魅力を切り取った感触がする盤だ。
   ちなみにライブの同録音源なわりに音はいい。
   さすがに高低音のエッジが甘いところもあるが、それも愛嬌。

   元フェダインのドラマー、大沼志朗の最新トリオのアルバム。
   音源は01/5/7の横浜リトルジョンでのライブ。CD-R。
323・BAYLONG:Live at Little John:

01/12/21

   GbVとエアポート5が00~01年に限定リリースした7インチシングル
   3枚分を、一枚のCDにまとめたアルバム。初登場音源も一曲あり。
322・Guided by Voices & Airport 5:Selecive Service:☆☆☆
   まずはレア・シングルをお手軽に聞ける機会を喜びたい。
   演奏ももんくなし。極上のギターポップから、荒っぽい
   デモテープサウンドまで。ロバートとトビンの才能を実感できる好盤だ。
   編集盤として意識したせいで、なおさら各曲の個性をじっくり聴けた。
   今回初登場の"in the brain"も、キャッチーなメロディと
   ストレンジなエンディングが同居した面白い曲。

   一般発売は02/2。先行発売としてライブ会場で売っていた。
   KIKIが結成当初行った、99年7月アフリカ・ツアーのライブから
   6曲が収録されている。
   24日のヨハネスブルグが4曲、15日ナイロビが2曲。
321・梅津和時 KIKI Band:Greetings from Africa:☆☆☆
   図太く熱っぽい演奏を堪能できる好盤。
   あれこれ理屈をつけた誉め言葉が浮かばない。
   あえて一曲選ぶならば・・・"kumamoto"かな。

01/12/17
   
   毎年恒例、山下達郎のファンクラブ向シングルCD。
   内容は達郎のクリスマス・メッセージと過去のライブ音源
   (93/12/11:赤坂ライブ「過ぎ去りし日々」)です。
320・山下達郎:Merry christmas from Tatsuro Yamashita:☆☆
   ライブ音源は、難波+伊藤+山下によるトリオ編成の
   アンプラグド・バージョン。静かな演奏が気持ちいいです。
   今回は5インチのフルサイズCDにて。今までは3インチの
   ちっちゃいCDだったのに。だから、音源が一曲だと物足りないな。
   贅沢な悩みなんでしょうが、はい。

   有料サイトから会員専用に音源をDL販売という、妙にアングラな
   流通形態へ移行したプリンス。常時回線でもなく、いちいち
   「会員」にならんといかんのはめんどくさい・・・。
   そのサイトで既に配布済の音源が、やっと一般リリースされた。  
319・Prince:The Rainbow Children:☆☆☆☆★
   こ、これはすごい!かつての刺激的なプリンスが帰って来た。

   基調は密室的なコンボジャズ。"Sign of the times"の
   "The Ballad of Dorothy Parker"あたりの雰囲気がアルバム
   全編に拡大された感じ。   
   リズム隊が生っぽさを生かしたビートなのも嬉しい(一部サンプリングか?)
   サウンドは迫力あるマスタリングで、ずしっと響く色気あり。

   あえてけちをつけるなら。
   プリンスのいかしたメロディがあまり前面に出ていないところと、
   多少冗長な(あと3割くらい圧縮したアレンジならさらに良い)とこかな。
   
   だけど、ここまで充実したアルバムは本当にひさしぶりだ。
   じっくり聴き込みたい。近年にない傑作アルバムの予感。

01/12/8

   先日掲示板で告知されてた、スイスのキュレーター、ハンス・ウルリッヒが
   世界各国のミュージシャンを集めた実験音楽のコンピ盤。
   日本からはオノ・ヨーコ、コーネリアス、秋田昌美(メルツバウ)らが参加。
318・V.A:Sonic City~Mutations:
   サウンドコラージュ中心。一曲単独で聴くと楽しいんだろうけど、
   アルバム通して聴くのはちと辛い。メルツバウの作品は、珍しく
   かなり静か目のノイズだ。

   ロバート・ラム(シカゴ)、カール・ウィルスン(ビーチ・ボーイズ)
   ジェフ・ベックリーの3人によるユニットの、1stアルバム。
   (そして、ラストアルバムとなったが)
   2001年の発売。つい買いそびれてました。
317・Beckley-Lamm-Wilson:Like a Brother::☆★
   全般的に大味な仕上がり。打ち込みのリズムやキーボードが
   薄ら寒く聴こえてしまう。曲調はおおらかな西海岸のAORだ。
   アレンジやコーラスのタッチは、かなりシカゴより。
   うきうきするビーチ・ボーイズ風も聴いてみたかった。
   カールの遺作がこれってのは・・・ちと残念。

2001年11月

01/11/30
   アメリカに注文してたクレイマーがらみのCDが到着~。
   
   1992年発売の6曲入りミニアルバム盤。
   クレイマーは全曲でバンドと共同プロデュースをしている。
   録音はもちろんノイズ・ニュージャージー。クレジットはないが、
   エンジニアリングもしてるかな。演奏は関与してないみたい。
316・The urge overkill:Stull(EP):☆☆
   まず"Girl,You`ll be a woman soon"のカバーが素晴らしい。
   ダンディなサイケポップに仕上がっている。この一曲だけで、
   本盤の価値あり。オリジナルでは"Goodbye to guyville"を気に入った。
   クレイマーらしい深いリバーブを感じさせる佳曲だ。
   誰が叩いてるか不明なハイハット。リズム感ひどいが、鳴りが心地よい。

   93年にAlternative Tentaclesレーベルから出た3曲入りシングル。
   バンドのこまかなプロフィールは不明です。
   クレイマーは共同プロデュース。録音場所はノイズ・ニュージャージー。
   それ以上はクレジットがない・・・。ちぇ。
315・Alice Donut:medication(single):☆★
   がしがしっと盛り上がりを期待させる曲だけど、少々小粒かな。
   もっと霧の中へもぐりこんで欲しかった。
   エンジニアはロン・ポール。聞かない名前だな。

01/11/28
   仕事が思いのほか早くはけたので、レコ屋にレッツゴー。
   
   ついに出た!菊地成孔のユニット、スパンク・ハッピーの
   1stマキシシングル。売れるといいな~。
314・スパンク・ハッピー:インターナショナル・クライン・ブルー:☆☆☆
   ライブで聴いた時よりも、おとなしいアレンジになってるのが可笑しい。
   メロディもちょっと変えてるみたいだ。
   岩澤瞳のボーカルは、予想以上によそゆき仕様になっていた。
   あとはもうちょい、菊地のボーカルが前面に出て欲しいぞ。
   次のシングルは確か来年の1月か3月。今度は派手に攻めるパターンだろうか。

   たまーにシングルを出すだけになっちゃった、岡村靖幸への
   トリビュート・マキシシングル。リリースはちょいまえだが
   ついつい買いそびれていた。
   収録曲は「だいすき」「ロングシュート」「カルアミルク」の3曲。
313・朝日美穂/直枝政広:Tribute to Yasuyuki Okamura EP:☆★
   ファンキーなオリジナルを、さらに洗練させたアレンジ力は見事。
   声質は好き嫌いあるが、微妙に靖幸の真似していて微笑ましい。
   ベスト・トラックは「だいすき」かな。どの曲もちと小粒。

01/11/24
   今回のレコ屋めぐりは収穫ばっちりだったなぁ。

   数年越しで探してたのを、あっさり見つけました。さすが西新宿!?
   モータウン時代の数年間に活動してた音源を、ほぼ全て収録した好コンピ。   
312・Frankie Valli & the Four Seasons:The night inside you 1972-75☆☆☆☆
   どの曲もすばらしいです。ヴァリの声はばっちりでてるし、
   カレロのアレンジも洗練されてて気持ちいい。
   さすがに60年代のパワーはないけど、練られて充実した楽曲ばかり。
   音数多いベースな曲がいっぱいあるけど。
   これって、ジェイムス・ジェマーソンのベースでしょうか?
   マスタリングが平板で、音にちとガッツが足りないのが不満。

   うっひょーい。これって廃盤なのに。普通の中古価格で入手しました。
   ゴッド・マウンテンからリリースされた彼らの1stです。93年録音。
311・ティポグラフィカ:tipographica:☆☆☆★
   この演奏、どこまでが一発取りなんだろう。複雑な曲構成
   なのに、グルーヴ感もしっかりある。ミニマルな気配の「無限電車」が好き。
   ザッパからの影響もぷんぷん感じられる。「青空だけれど迷宮入り」の
   ギターソロとか、「重力異常の競馬場」のアンサンブルとか。

   おー、出てた出てた。吉田達也(ex:ルインズ)が91年に発表した
   1stソロアルバムがリミックス・リマスターで01年に再発されました。
   しかもボーナストラックは当時の未発表音源。
   一人多重録音アルバムですが、メロディアスぶりが強調されて
   好きなアルバムです、これ。   
310・吉田達也:磨崖物:☆☆☆☆
   ぼくには妙なるプログレ・ポップだ。リズムが複雑に絡み合い、
   癖のあるフレーズが立て続けに叩き込まれる。
   高円寺百景とは違い、一人多重録音によるノリの一体性による
   密室っぽさも好みだ。リマスターにより、低音が強調されたかな。
   ジャケも微妙に別テイク。ただ、気になることがふたつ。
   全般的にオリジナル盤と、数秒程度微妙にタイムが違う。
   ここらは聴き比べてみなきゃ。
   もうひとつは"Nazike"。ブレイクを多用する作品だが、
   3回目にブレイクしたあと数十秒空白が続いて終わってしまう。
   これって、テープのトラブルでしょうか?まさか新アレンジ?

   KK.NULLによるソロアルバム。ノイズ系です。発売は00年。
   クレジットがなくてよくわからないけど、全てのサウンドをNULLが
   一人で作成しているようだ。
309・KK.NULL:Peak of nothingness:☆★
   かなり音響系に傾いたノイズ作品。静謐な音像が渋いです。
   静かな音が続く中、鈍く光る低音にぞくりとする。
   この迫力が、本作の魅力かな。

   日本人のノイズ系をもう一枚。詳しい情報なしです。すみません。
   音響系テクノかな。店のポップに「YMO好きに似合う」とあり、
   好奇心で購入。フルアルバムなのに千円と安かった。96年作。
   もしかしてセコハンかな?すっげぇ傷盤だった(苦笑)
308・OKIHIDE:a boy in picca season:☆☆☆
   トランス・テクノかな。リズムボックスを何重にも
   重ね、キラキラとビートが降りかかる。めまぐるしいリズムの奥に
   ポップさが沈んでた。ただ、アルバム一枚通して聴くのは
   ちと辛い。発想はかなり面白いが、アルバム全体が同じ発想なので。

   95年にForced Exposureからリリースしたアルバム。
   アメリカのレーベルかな?クレジットにも
   オフィシャルサイトにも情報無しで、詳細は不明です。
   中身はギターソロ。オーバーダブ無しで、豪音ノイズを
   たっぷりぶちかましてくれます。   
307・灰野敬二:The book of"Eternity set aflame":☆☆☆
   ギターノイズがひたすら淡々と続く。曲名はない。ただ、灰野の
   音世界があっけらかんと提示された。ノイズの奥でゆっくりとうねる
   パワフルさがなんとも魅力的。うまいたとえか自信ないが、
   俳句を音で聴いてるみたい。わびさびってこんな感じかなぁ。
   ちなみに灰野のシャウトもときおり聴ける。
   豪音ノイズなサウンドながら、切なさが伝わってきた。
   灰野のヴォイスが割れ気味なのが惜しい。

   黒人のコーラスグループを3枚入手。
   インディ盤だし、詳細バイオは不明です。
   どっかにこの手の音楽を詳報したサイトってないものでしょうか。

   ドイツのJiggyⅡレーベルから01年の新譜を二種。
   まずは男二人のデュオです。おそらくデビュー盤。
   録音もドイツなのかな、これ。
306・Jonestown:Getto Butterfly:
   どうも大味。打ち込みのリズムが甘いのかな。アレンジが
   単調なのかな。中途半端にアップばかりで、魅力的なスローが
   ないのも辛い。淡々と聴き飛ばしてしまう。
   そこそこ評価できるのは(8)くらいかな。

   上の盤でも、数曲にコーラスで参加してます。男4人組
   コーラスグループ。たぶん、デビューアルバム。
305・N-Trigue:Got to go:
   どこか音が硬くて深みがない。
   セールスポイントが読めないぞ。
   このグループは何を聴かせたいんだろう。
   ハーモニーか、メロディか、それともグルーヴ感か。
   どれもが中途半端では。まあまあな出来なのが(8)・・・かなぁ。

   こちらはテキサスのレーベルみたい。
   Taysteレーベルからの3人組男性コーラス。98年発売です。
304・Tayste:Be still:
   熱いハーモニーは聴き応えあるが、肝心の曲に魅力が乏しい。
   リズムが野暮ったいのが一因かな。可能性がありそうなだけに
   惜しいぞ。一曲選ぶなら"Treat U right"だろうか。

   さがゆきが95年にリリースした、1stソロアルバム。
   レーベルは「まぼろしの世界」なので、バックはもちろん
   鬼怒無月と勝井祐二でっす。
303・さがゆき:Fairy`s fable:☆☆
   ドラマティックなボーカルのよさもさることながら。
   ギターとバイオリンのすがすがしさが聞き逃せない。
   アコギをかき鳴らす疾走感がいいな~。

   面白そうなので買ってみました。
   83年にパリで行われたピエール・バルーのライブ盤です。
   バックの演奏はムーンライダーズ。海外で正式にライブを
   したのはこのときだけとか。
302・ピエール・バルー:ライヴ・アット・カルダン劇場:
   ライダーズは淡々と伴奏してるだけなので、彼らを
   期待して聴くと的外れ。シャンソン風の歌はそこそこ
   気持ちよいけど、ぼく自身が基礎知識なく、凄いかどうか
   いまいち判断できない。

   最近"Don`t cry"が聴きたくて・・・セコハンで91年の盤を
   買ってきちゃいました。最近リマスターが出てたんですね。
   これはさすがに音がしょぼいです。
   83年盤。エイジアの2ndですね。当時はスーパーグループ!って
   ちょーっとは騒がれてた記憶あるなぁ。
301・ASIA:ALPHA:☆★
   キャッチーで大げさな曲展開が、今となっては愉快だ。
   昔は大味に聴こえて馴染めなかったけど。
   ま、今でもこのサウンドを「緻密」と表現するには抵抗あるなぁ。
   しかしどの曲も、微妙に既聴感あるのが恐ろしい。
   アルバムとおして聴くのは、今が初めてなはずなのに。
   オリジナルのカセット版では、シングルのB面も入れて11曲構成だったそう。
   このCDはLPを尊重して10曲入り。
   収録時間に余裕あるんだし、素直に11曲入れてほしかったな。

01/11/22

   ルナに注文したCDが前触れなく到着しました!
   これはGbVのロバート・ポラード主宰のプライベート・レーベル、
   Fading Captainの第15弾。バックはトッドとティムのトビアス兄弟。
   ロバートはボーカルのみを担当したユニット。サイケポップってとこかな。
300・Circus Devils:Ringworm Interiors:
☆★
   トッド・トビアスの趣味なのかな。ノイジーさが前面にでたサウンドだ。
   GbVにしてはめずらしい。パンクな要素を織り込んで、
   純粋ノイズまで昇華されてないのがもどかしい。
   だけど荒っぽい音の合間にぴょこっと挿入される、ロバート節の
   きれいなメロディがことさら印象付けられ儲けもの。

01/11/18

   70年代のフュージョン・グループかな?普段この手の音はほとんど聴かないが、
   "Fly over the horizon"が目当てで買った。かつてのNHK-FMでの名深夜音楽番組、
   「クロスオーバー・イレブン」のテーマソングです。これ、昔から探してました。
   曲名をご教示くださったがぶるさんに感謝です。
299・Azymuth:Light as a feather:☆☆
   "Fly over the horizon"はやはり名曲だ。しみじみ聞き込む。
   その他の曲は、フュージョンに詳しくないのでいまいち個性が
   わからない。静かめの曲は楽しめるが、テクニックを前面に出した
   アップテンポの曲は、逆に退屈かな。
   アップテンポでは(3)がなかなか面白い。

   一枚だけ買うのもなんだな、と試聴棚を探して見つけた一枚。
   ドイツの音響系レーベル(?)StaubgoldのサンプラーCD。
   3曲ほど未発表曲が収録されている。
298・V.A.:Staubgold:☆☆☆★
   基本コンセプトはミニマルテクノみたい。どの曲も面白くて嵌った~。
   これぜひ、各盤をじっくり聴きたいが、はたしてどのくらい
   日本に入ってるのやら。アコースティック感を生かした音色が
   しっとり刻む。かなり速いテンポでも、リラックスして聴ける。

01/11/17

   来月行く予定なライブの予習として、アイズリーの最新盤を
   買ってきました。けっこうアメリカではヒットしたらしい。
297・The Isley Brothers:Eternal:☆☆★
   アーニーのギターがあればアイズリーズか。そんな気分に
   なった一枚。「今の音」を掴もうともがいているが、キャリアの差か
   わざとらしくない。ライブを見たあとで聴いたら、すごく素直に
   音世界が納得できた。
   アルバム一枚が長すぎ。もうちょいコンパクトにしたほうが
   集中力は続く。

01/11/10
   ライブへ行く前にちょっとレコード屋をのぞいてみた。

   ポールの二年ぶりな新譜。今回は全曲オリジナル。
   本人がベースを弾き、5週間であっさり録音したとか。
296・Paul McCartney:Driving Rain:☆☆
   メロディ・メイカーぶりは健在。特にミディアム~スローで
   素敵な旋律が聴ける。ただ、残念なのはポールの喉。
   年齢的なものか、衰えが目立つ。ジョンもジョージも
   いない今、健在なポールの存在は喜ぶべきことだ。
   ただ、サウンドとしては。だれか新ボーカルを立てたらどうだろう。
   アレンジもキュートなだけに、高音でかすれる声がほんと惜しい。
   音像全体が硬いのも気になった。これは日本盤のマスタリングのせい?

   インディのコーラスグループを二枚買いました。
   例によって、バイオ関係は不明です。ここらへんに詳しい
   日本語のサイトってないかなぁ。

   マリーランド州のレーベル、Kemitからのリリース。
   4人組の男性コーラス・グループ。99年発売かな。  
295・Lissen:Lissen:☆☆
   全般的に音は硬苦しく、色気がない。ほんわかしたソウルが
   好きなぼくには、ちと辛い盤だ。メロディもイマイチ単調。
   けっこう気にいった曲は"reign"です。

   アトランタのグループらしい。01年発表の本盤がデビューアルバム。
294・Heart to Heart:Irresistible:
   フロアを意識したのか、どの曲もみょうに前のめりな
   打ち込みビートばかり。リラックスして聴きづらい。
   堅苦しさと生真面目さが漂うソウルアルバム。
   そのわりに、アップの曲に魅力が薄いんだよなぁ。

01/11/9
   通販で頼んでた盤がさくっと届きました。
   高くついても、しっかり保険かけた方が安全みたい。

   ニューヨークの変人天才ミュージシャンであり、シミーの(元)オーナー。
   偉大なるクレイマー関連の盤を二枚入手。
  
   94年のシミー盤。ギターが3人もいる5人組ギターバンドのアルバム。
   詳細バイオは不明です。クレイマーはプロデュースのみを担当。
   エンジニアはスティーブ・ワトソンがつとめている。
   ノイズ・ニュージャージー・スタジオにて、たった4日間で
   例によってさくっと作られた。
293・The Semibeings:Sickness and Health:☆☆☆★
   勢いよくギターのストロークが、三重連で雪崩れ込む。
   きっちりとメロディをボーカルが歌うことを前提として、
   せわしないほどにギターが活躍する。荒っぽさと音への妙なこだわりを
   兼ね備えた、いかにもクレイマーが気に入りそうなバンド。
   けっこう面白くてぼくも好きだな、こういう音。

   90年にシミーから出たコンピ。既発曲をメインとしながら
   この盤のための新録もある。副題は"A compilation of Quiet music"
   コンセプトはタイトルどおり、アコースティックを基調としたサイケポップ集。
   クレイマーはプロデュースとエンジニア。自分名義の作品がなく残念。
   ボングやドッグボウル、ディーン(ギャラクシー500)、ダニエル・ジョンストン、
   デイヴィッド・ヒルドなど、初期クレイマー人脈が参加している。
292・V.A.:"What else do you do":☆☆☆
   アコースティック主体のサウンドは単純に和むはずなのに。
   そこはクレイマー。一筋縄で行かない。どこかへんてこな
   音楽がずらずら続く。このズラシっぷりにはまったならば、
   このアルバムは聴けば聴くほど味が出てくるはず。

01/11/5
   ライブの物販コーナーで購入。毎度のパターンですな。

   水上聡率いるインストバンドの自主制作CD-R。
   5曲入りで千円。20分強の収録です。2001年発売。
   内容はスタジオ録音が3曲に、過去のライブ音源が2曲かな?
291・ラクダカルテット:ラクダカルテット:☆☆☆
   5曲中完奏は1曲。あとはテーマくらいでFOしてしまう。
   さながらサンプラーってとこ。完奏の(4)は01/1/23のライブテイク。
   林栄一と菊地成孔のワイルドなツイン・ソロがしこたまかっこいい。
   ちなみに(5)はテープの逆回転かな?
   FOの先、全貌をライブで確かめたくなる。刺激的な盤だ。

01/11/4
   渋谷へ出かけたついでに、ジャムバンド専門店でCDをあさってきた。

   活動停止中のphishへトリビュートアルバム。二枚組のボリュームで
   ジャム系のミュージシャンを中心に、彼らの曲を演奏してます。
290・V.A.:Shakin` in the Groove:☆☆★
   ジャム控えめな短い演奏を多くし、さまざまな曲を収録した構成が
   成功している。飽きずに最後まで聴けた。いたずらにコピーせず、
   それぞれが自分の持ち味を加えて料理してる。
   あえてphishと相性を考えて選曲したのか、新鮮で次ステップへ
   つながるカバーがないのも事実。
   ファンには薦めるが、phishのオリジナル盤をまず聴くべき。

   昨年末からやたら評判の高い、北欧ジャズを一枚。
289・Nils Petter Molvaer:Solid Ether:☆★
   打ち込みっぽいタイトなリズムを基本にして、
   テクノっぽい要素を織り込んだジャズ。
   やりたいことはよくわかる。ただ、日本にはROVOがもっと過激に
   同じ趣向のトランス・ジャズをやってるからなぁ。
   彼らには、もっと好き放題にはじけて欲しかった。

   詳細不明。「マイルスに影響を受けた音」のポップにつられて買った。
   1998年発売。tpとsが加わった、オーソドックスな6人編成だ。
288・The Miracle orchestra:Coalescence:☆★
   ごきげんなファンキージャズ。新鮮さは残念ながら薄いかな。
   ボーカルが入る曲は、いまいちじゃま。単純にセッションを楽しみたかった。
   クールなふりしながら、じわっとビートが染み出す。
   サウンドの質感は言うこと無し。ソロのフレーズにあと一歩
   魅力があればさらによくなると思う。
   マイルスっぽさはあるかなぁ。あえて言うならマラソン・セッション時代の
   演奏から、熱気を抜いた感じかな。

   これまた詳細不明。こちらはザッパに影響を受けたらしい。
   6人編成。ギターが二本いて、マリンバが一人。
287・Blind man`s sun:Blind man`s sun:☆☆☆
   PHISHやザッパのグルーヴ感を抽出して、爽快なジャム・ロックを
   ぶちまけてみせる。ノリは白人風のおおらかなやつ。
   プログレっぽいジャケに構えたけど、真夏の太陽がよくにあう
   爽快なサウンドだ。2枚組で約80分ながら全7曲。
   たっぷり各種ソロが楽しめるのもポイント高い。

01/11/3
   ぶーらぶーらとCD屋を散策。欲しいものいっぱいあるなぁ。

   これは嬉しい!既に廃盤なフェダインの4枚目を安く手に入れられた。
   内容は南正人の伴奏といった趣かな。1993年発売。
286・フェダイン:Joint:☆☆
   歌伴なので、フェダインの強烈なのりは聴けない。でも、
   繰り返し聴くうちに、じんわりとうねりを感じることができた。
   薄暗いバーの片隅で、渋く音を搾り出すバンドのイメージが
   むくむくと・・・。5、6曲目あたりの雰囲気が特に好き。
 
   渋谷毅の旧譜が二枚、リマスターで再発された。
   どうせならボートラもつけて欲しいが・・・残ってないのかな。
   渋谷+川端+宮沢のピアノトリオ編成によるジャズ。77年発売。
285・渋谷毅;クック・ノート;☆☆☆
   音数のすくないピアノで、暖かく盛り上がる。
   とにかくくつろげる。川端のベースもそっと音像を支え素晴らしい。
   シャパシャパ鳴るハイハットもいい録音だな。
   小粋なタイトル・トラックがすごいぞ。

   店頭でフィンランド・ジャズフェアをやっていた。興味半分で購入。
   これはsax,b,dsのトリオ。フェダインを意識して、同じ編成の
   盤を買ってみました。1999年盤。
284・Sonny Heinila,Anders Jormin,Markku Ounaskari:Tribus:☆☆☆
   地味な印象ながらも、色気あるサックスの音色にしびれた。
   どっしり足を地に付けて、緊張感を漂わせつつ演奏を続けていく。
   安定感のあるベースに、ハイハットを巧みに叩くドラムス。
   渋い魅力のある、いかしたジャズだ。

01/11/2  
   ライブの物販で購入。メルツバウのCDを珍しくどっさり売っていた。

   まずはメルツバウをどどっと4枚。いろいろ出してたんだなぁ。

   今回いちばん嬉しかったのがこれ。以前から探してて見つかんなかった。
   リリースが00年。ノルウェーのレーベルから出た。
   マック一台でノイズを作るようになってから、きっちりしたスタジオ・ソロ
   アルバムってなかなか無かった。その貴重な一枚がこれ。
   実際の収録には、テルミンなどもダビングしているようだ。 
283・Merzbow:Collapse 12 floors:☆★
   あんがい静かなノイズが入っている。特に2曲目。
   ひさびさにテープ編集ノイズっぽいなぁ。と、油断させて始まる3曲目。
   関東大震災で浅草十二階が崩壊したのを曲のモチーフにし、
   多様な電子音で崩れ落ちるさまを表現する。
   恐怖に怯えるほど激しくないのが物足りないよぉ。

   こんなアルバム出してたんだ。恥かしながら新譜情報にうといです・・・。
   00/10/11にヘルシンキで行われたライブ音源のリミックスと、
   00/10/5に同一のお題で作成した(元素材かな?)スタジオ作の
   二曲が収録されている。
   anoemaなるレーベルからのリリース。発売は2001年。
282・Merzbow:Hard lovin` man:☆☆☆
   ディストーションの聴いたギターのような、シンプルな
   電気ノイズが中心。小さめな音で聴いてると、しみじみしてきます。
   元素材らしき音源は、かなり壮絶にぎゃおぎゃお鳴ってるのにな。

   以前買った、「魔頭苦」の兄弟アルバム。メルツバウとZbiginiew Karkowski
   (ズビニュー・カルコウスキーって読むのかな?)とのユニット
   作品。発売は2001年。
   これでぼくが知る限り、メルツバウはいまんとこ今年で5枚をリリース。
   その他に何枚リリースしてることやら。
281・Mazk:不味苦:☆☆
   シンプルな電子ノイズが飛び交う作品。どっちがどっちの音か
   いまいちよくわからない。音を小さめで聴いてると
   単調なとこもあるけど。音圧は凄そうだ。
   ライブ音源なせいか、さほど音は積み重ねられず、いつのまにか
   音が表情を変えて鳴りつづける。

   これ、買い逃してました。96年の作品。
   電子ノイズとメタル・パーカッションほかを使用。
   オーバーダブ無しの、一発取りとクレジットされている。
280・Merzbow:Pulse damon:☆☆★
   きめ細かな電子ノイズ多数。丁寧に音符を電気おろしがねですりおろす。
   耳に突き刺さる電子音が炸裂するのは快感だ。
   小さい音で聴いてると、うっとり眠気を誘います。

   ノルウェーのノイズユニットJazzkammer(今回来日)のメンバー二人が、
  Helge Stenと組んで作成したユニットアルバム。
  同じ音源をそれぞれ3人が加工して作り上げた、ミックス盤の趣らしい。
  録音は97~99年。リリースは99~00年頃かな?
279・John Herge/Lasse Marhaug/Helge Sten:The Comfort of objects.:☆☆★
   前半はハーシュノイズ、後半は静かな電子音。一枚で振り幅の
   広いノイズ世界を提示した。個性は見出しにくいが、きっちり
   まとまっている。逆に「彼らの音」を煮詰めたら化けるだろう。

01/11/1
   ネットで注文したCDが到着。

   DCPRGがカバーしてる「Circle/Line」を聴きたくて買いました。
   ジャズピアニスト、菊地雅章がニューヨークで10数人の現地メンバーを
   集めて叩き出した、70年代エレクトリック・マイルスへのオマージュアルバム。
278・菊地雅章:SUSTO:☆☆☆☆
   混沌さがたまらなくかっこいい。各人のソロを前面に出さず、
   各種楽器のリフを積み重ねてグルーヴを作り出す。
   電化マイルスの影響とともに、テクノの先鋭にも聴こえた。

2001年10月

01/10/26
   ライブの物販で購入しました。

   日本情緒とグルーヴ感あふれるジャズ・ピアノを弾く明田川の新譜。 
   文字通り、今年の5/11にフィンランドで行われたライブが収録された。
   競演はヤリ・ホンギスト(tb)とテッポ・ハウタ・アホ(b)。
   
   ライナーによれば、ほぼリハなしの一発勝負でライブをしたらしい。
   DATの1ポイントというラフな録音だが、貴重な記録だ。
   ちなみに本盤以外にケラバでのライブも音源があり、編集中みたい。
277・明田川荘之:アケタ・ライブ・イン・フィンランド/思い出のサロ:☆☆
   ライナーにも書かれてるとおり、かなり荒い録音。個々の楽器も
   聴き取れないくらい。貴重な音源だけに惜しい。
   演奏がパワフルなだけに、この音質は悔しい。
   きっちりと聴きたかった。くう。
   サイドメンの二人は、かなり控えめな演奏だ。
   でも、ミックスのせいかな?そう聴こえるのは。

01/10/21
   アメリカへ注文した第二弾CDが、やっとこさ到着。長かった・・。
   クレイマー関係でまとめた、第3弾はまだかな~。

   GbVのロバートとトビンによるデュオユニット、エアポート5の
   初アルバム。曲は全て共作、演奏はほぼ全てトビンが行い、ボーカルだけ
   ロバートが重ねているようだ。裏ジャケに写る、二人のひとくせ
   ありそうな瞳の光がたまらない。    
276・Airport 5:Tower in the fountain of sparks:☆☆☆
   どの曲もきっちりアレンジされ、GbVにありがちの
   デモテープっぽい作品がないのは、けっこううれしい。
   メロディは甘酸っぱく、ふたりの歌声はストレートに張り上げられる。
   凝った音使いに、聴けば聴くほどよさがにじみ出る好盤。

   9人編成のラップ・グループ。これがデビュー盤かな。
   ライナーが不親切で、メンバーの名前すらよくわかんない。
   ウータンからメス、ほかにレッドマンが一曲で参加。   
275・Outsidaz:The Bricks:☆☆☆
   ウータン・クランの影響をしみじみ感じる。
   入れ替わり立ち代り登場するラッパーのにぎやかな音像が楽しい。
   バックトラックは、ちょっとボトムが軽い。そのぶんポップだけど。
   今後の活動が楽しみなグループ。やっぱりソロ活動しまくりかな?

   ニュージャージー出身で、過去に何枚もアルバムをリリースしているようだ。
   ぼくの目当てはクレイマー。数曲で、プロデュースやエンジニア、
   楽器演奏をしている。発売は2000年。こういう活動もやってたんだ。
274・Danielson famile:Tri-Danielson!!!(omega):☆★
   めちゃめちゃねじれたポップス。某サイトで「前衛型ファミリーミュージック」と
   評してるのを見て、思わずうなづいてしまった。
   甲高いボーカルに、ほのぼのメロディ。なのにどっかひねくれてる。
   曲に刺激を持たせず、ずれた感覚を楽しむ音なのかも。
   クレイマーはミュージシャンの個性を生かした音作りで
   さほど前面には出ず。好プロデュースなんだろな。

   なにせしばらく前に注文したから・・・彼のどんなサウンドを聴きたくて
   オーダーしたのか記憶があいまいです。とほほ。
   テクノ系のアルバム。発売は今年です。
273・Larry Heard:Love`s Arrival:☆☆
   軽快なリズムでキラキラ弾むテクノ・ポップ。適度なボーカルも
   効果的だ。フロア向けではなく、自宅で聞くに最適な音だ。

01/10/19
   ネット注文したCD到着。今回はどれもこれも新譜ばかり。
   
   毎年新譜はいろいろ出してるはずだが、情報収集不足でどれも
   手に入れられなかった。だから、本当に嬉しい。
   99年以降の録音を、おそらくまともに聴けていないから。
   メルツバウがボストンのHydra Headレーベルからリリースした新譜。
   00/12~01/1に秋田昌美の自宅にて録音された。
272・Merzbow:DHARMA:☆☆★
   甲高い電子音中心のノイズ。けたたましく喚くだけでなく、
   静寂部分を巧みに折込みメリハリをつけた。
   3曲目ではピアノのループを使用。ひさびさにハーシュノイズ一辺倒から
   新しい音響世界を提示する。
   あんがい次ステップへの踏み台として、重要な作品になるかも。

   GbVで第二のメロディメーカー振りを見せつけた、
   トビン・スプラウトのソロアルバム。しばらく前にアナログ盤だけ
   でてたはず。それをCD化したのかな。
   タイトルどおりの蔵だし作品。演奏はたぶん、全てトビンだろう。
271・Tobin Sprout:Demos & Outtakes:☆☆☆
   惚れた弱みかな~。歌も演奏も荒く、リズムすら甘い。
   要するに、ヨレる。ところが、ほのぼのしたメロディが
   流れてくると全て許してしまう。「デモ」集以上のものではないです。
   初期GbVを連想する、ラフな演奏がてんこもりのアルバム。
 
   3年ぶりの新作になる。ウータン・クラン軍団の周辺メンバーの
   ユニット、キラアーミーの3rd。
   大半のトラックで4thディサイプルがプロデュース。
   脇をフォーリン・ダウン(ウーの新顔かな?)らが固めている。
270・Killarmy:Fear,Love & War:☆☆★
   今までのキラアーミーのなかで、いちばん上出来な盤だ。
   ビートもトラックもラップも、全てが生き生きしている。
   初期ウータンを思い出す雑多な胡散臭さが嬉しい。
   ウータンが最近元気ないだけに、このまま突っ走って
   本家を飲み込むほど進化して欲しい。

01/10/14
   マイルスのムック(日記に書いたやつ)を読んだ影響で
   70年代マイルスを聴きたくなった。どうせならセコハンで、と
   あれこれあさってたら・・・ついつい、他に目移り。

   まずは新譜です。
   ついにリリース!00年4月5日の初ライブ後、満を持して放つ
   オイスターヘッドの1st。トレイ・アナスタシオ(phish)、
   レス・クレイプール(プライマス)、スチュアート・コープランド(ポリス)
   という、お好きな人にはたまらないメンバー。スタジオ録音盤です。
269・Oysterhead:The Grand pecking order:☆☆★
   かなりレスのカラーが前面に出たプロデュースだ。
   ちょっとお馬鹿で、どっか変。トレイのジャムを期待すると
   当てが外れるだろう。かろうじて"Rubberneck lions"のソロが
   phishファンにも受け入れられるかな。
   phishを意識せずに聴くと、逆に楽しめる。

   目当てのマイルスはこの一枚だけ。70年代は適当な盤がセコハンで
   売ってなかった・・・。1956年マラソン・セッションの一枚。
268・Miles Davis:Workin`:☆☆☆
   いきなり、きれいな音使いのミュートによるアドリブにしびれる。
   かなり聴きやすいジャズだ。親しみやすさも充分だが、
   しっかりそしたメロディを聴き込む深みも備えている。
   充実したマラソン・セッション振りをしみじみ感じる好盤。

   これも新譜。テクノ雑誌のお薦めを見て以来、聴いてみたかった。
   70曲もの断片をつなぎ合わせたミックステープらしい。
267・Richie Hawtin:Closer to the edit:☆☆☆
   刻みつづけられるビートは決して激しくならず、穏やかに
   空気をふるわせる。音色が実に上品なテクノだ。
   小さい音で聴けばリラックスでき、ボリュームが上がるほどに
   ずしんと身体を振るわせる。
   サウンドは地味な鳴りだが、おもしろい。

   菊地"プー"雅章のトリオ、テザード・ムーンの2ndは、1991年リリース。
266・Tetherd Moon:Triangle:
   三人の男がつぶやきあうようなトリオ・ジャズ。
   独特のテンポ感にノラないと、聴くのが辛い。
   静かにうねっていく凄みがある。

   バーゲンコーナーから、ジャケ買いで適当にジャズを買ってみた。
   フランスのジャズかな?ts,eg,eb,dsの白人カルテット編成。
   裏ジャケにエフェクターがズラリ並んでるので激しいのを予想したが、
   あんがい静かな音使いだ。2001年のリリース。
265・Alchimie:Alchimie:☆☆
   比較的フュージョンよりの音っぽい。くっきりした構成で
   絵画的な音作り。幻想的な風景がぼんやり浮かんでくる。
   "Spieglein,Spieglein"の歯切れいい展開とメロディが気に入った。

   正統ピアノトリオ。1998年にニュージャージーでライブ録音されたみたい。
   白人トリオ編成。どしゃめしゃインタープレイと思いきや、きれいな
   音使いの演奏だった。
264・Harry Miller Trio:Live at the museum:
   くっきりとしたメロディを、カクテルピアノ風に弾く。
   でかい音で聴くと、妙にきらびやかに聞こえる。
   緊張感がもう少し欲しかった。きれいにまとまっているが、
   あと一歩踏み出す大胆さまでとどかない。
   どこかが破綻を求めるぼくの好みとは違う。BGMが似合う盤。

01/10/6
   あちこちCDあさりに行ってきました。
   ひさびさにアナログの棚を探りました。貴重盤店は目の毒ですね。
   ジョー・ジャクソンの各国シングル版が、あんなにごっそりあるとは。
   買わなかったけど。

   全9枚で発売予定のスネークマンショー再発シリーズ。
   初回3枚発売の第2枚目です。今回は比較的最近の音源も
   収録しているような(最終トラックのことです)
263・スネークマンショー:Radio Snakeman Show Vol.2:☆★
   何度も聴くにはちと辛い。スネークマン・ショーは、LP化された
   ギャグが練りこまれてるんだな。改めて感じた。
   いっそのこと、曲紹介の部分だけ立て続けに聴きたい。
   曲はワンコーラスでフェイド・アウトしていいからさ。
   新録らしき「続・スピーカーから」って曲は気にいった。
   ボサノヴァ風リズムに乗って、ヒップホップが繰り広げられる。
   すうっと耳に滑り込むビートがかっこいいな。

   元ゾンビーズのコリン・ブランストーンのシングルを発見。
   95年発売のアルバム"Echo Bridge"からのカットです。
262・Colin Blunstone:The radio was playing Johnny come lately(single):
   タイトル曲はおよそ趣味じゃないエレポップ。う~む。
   ずんずん突っ込むシンセが暑苦しい。
   アレンジが妙にサザンの「TARAKO」に似てる。
   カップリング曲のほうが素直に聴けた。
   かなり大味ではあるものの、微妙に切ないスローな曲だ。

   ギャラクシー500のトリビュートアルバム。
   2枚組の大ボリュームで出るとは。
261・V.A.:A tribute to Galaxie 500:☆★
   全体的に小粒なカバー多し。特徴はよく捕らえてるけど。
   インストが目立つdisc2のほうが好テイク多い。
   聴き終わった後、オリジナルを聴きたくなる困ったカバー盤だ。

   ライノから発売された、コステロの再発シリーズ。
   目玉はやはり、コステロのデモトラックでしょう。
260・Elvis Costello & The Attractions:All this useless beauty:☆☆☆
   やはりデモ中心に聴いてしまう。上品な肌触りのアルバム
   だっただけに、色んな意味で飾らないデモの発表が嬉しい。
   しかしこのデモはすごいなぁ。音も荒いし、ピッチを変えてるような
   曲まであるし。とはいえ、"Why Can`t~"でしみじみビブラートを
   効かせるコステロの声は、やっぱり素敵だ。

   ナツメグからのアルバム。現在廃盤になっているのかな?
   倉庫放出品が多少流通している模様。
259・さかな:ワールド・ランゲージ:☆☆★
   サウンドスケープのような作品。ポップスを期待してた
   だけに拍子抜けした。ポコペンの低音を強調したハミングが
   水音ブクブク中心のバックトラックにピタリとはまる。
   アンビエントな音像は、全般的にテンション高くて聴きもの。

   アート・リンゼイ、ジョン・ルーリー、アントン・フィアらが
   参加していたバンドのアルバム。81年発売。
258・The Lounge Lizards:The Lounge Lizards:☆☆☆
   青白いサックスが飛びまわる、クールなジャズ。
   これがニューヨーク風なのかな。個々のソロよりも全体の雰囲気が面白い。
   黒っぽさが希薄ながら、独特のグルーヴ感がある。
   "Conquest of rar"が特に気に入った。

   一体何枚目のアルバムになるのやら。99年の盤です。
   元ミラクルズの、スモーキー・ロビンソンのソロアルバム。
257・Smokey Robinson:Intimate:☆☆☆
   多少衰えたとはいえ、絹のようなファルセットはまだまだ力強い。
   へんに冒険せず、ミドル~スローのオーソドックスなソウルを
   歌うプロデュース策も成功だ。
   惜しむらくは、センス最悪の打ち込みリズム。
   いっそのこと全てアコースティックでって選択肢もあるだろうに。
   歌や演奏は楽しめただけに、リズムのぶち壊しが悔しい。

   レコード屋の片隅にあった盤。「ボーナス」の記載に惹かれ買いました。
   帰って調べてみたら、シミー・ヨーロッパ盤と同じ曲目みたい。
   クレイマーのシミー・レーベルから、初リリースされた盤のはず。
   ルインズ初期の音源です。90年のリリース。
256・Ruins:Stonehenge:☆☆☆
   今のルインズから考えると、おそろしく音の隙間が多く
   ポップに聴こえる。リフを駆使したくっきりな曲展開が楽しい。
   シミー盤と聴き比べてみたが、リマスターなどは特にしてない様子。
   ジャケが一枚ものペラとあっさりし、改悪化したのが残念。

   地道に活動を続ける、パブロック周辺ミュージシャン、
   グレハム・パーカーの最新ソロアルバム。
255・Graham Parker:Deepcut to nowhere:☆☆☆
   グレアムもずいぶん年取っちゃったな~。アレンジは
   特にとっぴなところなし。オーソドックスなロックンロールだ。
   だけど、ますます鋭く錆びた声で突っ走るかっこよさがいっぱい。

   初期テクノのコンピ盤らしい。時期が不明・・・90年代初期かな。
254・V.A.:Brakes,bass&bleeps 2:
   非常に空虚な音のテクノ。フロア向でビートがきついけど、
   聴いててぐいぐい気がめいってきます。気分の問題もあるかなぁ。
   ちょっと寝かせてから、また再挑戦。
   作り手の個性や音への愛情が感じられないのが辛いです。

2001年9月

01/9/29
   レコ屋で新譜をあれこれと。絞ったつもりなのに
   X枚組が多くて枚数的にはけっこういっちゃったなぁ。

   これが今日一番の収穫!中古で入手。廃盤なんですよ、これ。
   ほんのりプレミア価格だったけど、しかたないでしょう。
   90年リリースの、フェダインのファースト。
   ゲストで勝井祐二が参加。しかも一曲提供してる。 
   後期のライブでやらなかった曲ばかり収録されています。   
253・Fedayien:ファースト:☆☆☆
   勝井祐二参加の1曲を除き、90/4/1のチョコレートシティでの
   ライブを収録。ちょいと音はこもり気味。
   パワフルに突き進むよりも、ルーズなかっこよさに溢れている。
   軋みながらよじれる川下のサックスも、タイトで手数の多い大沼のドラムも、
   ずるずるとグルーヴをひきずり倒す不破のベースも、たっぷり味わえる。
   当時これを聴いてたらショッキングだったろうな~。
   このあとフェダインの音は、どんどんクールに、シャープになっていく。

   ライブの物販にて。あまりに演奏が素晴らしく、まよわず
   二枚とも買いました。
   こちらは96年リリースのファースト。
   リーダーは石渡明広の、5人編成バンドです。
252・石渡明広:Mull House:☆★
   マスタリングのせいか高音が強調されている。演奏は面白いが
   シャキシャキしすぎてなじみにくい。
   外山の無造作なドラミングと、林の悲鳴を上げるアルトが、
   あっちこっちに飛び跳ねて目を離せない、不安定なグルーヴとなった。

   Mullhouse名義になってのセカンド。ばりばりの新譜です。
251・Mull House:Funky phenomenon in my brain:☆☆☆
   外山明の癖のあるドラミングで、リズムがえっらくとりづらい。
   ベースは手数多く跳ね回り、他の3人もだまっちゃいない。
   ジャズのイディオムを基本にしつつ、複雑でクネクネ踊る
   メロディが、独特のグルーヴを生み出した。
   ライブのスリリングさも、うまく収録できているのでは。

   ジョン・ゾーン率いるカルテット、マサダの新譜。
   Tzadikからでているライブ盤の第5弾になります。
   今回も2枚組。2001/6/16にお膝元のニューヨークで収録された。
   最新鋭マサダが聴けることになる。
250・MASADA:Live in Tonic:☆☆★
   アップに好演が多い。タム連打でころげる「Acharei Mot」が
   ベスト・トラック。最初はいまいち音にのめりこめず、
   雑に流してたのに。この曲のテンションに耳がもってかれた。
   焦燥と矜持。マサダのがむしゃらな踊りにひきつけられる。

   ニューヨークのラップ集団、ウータン・クランの音楽総帥である
   RZAがボビー・デジタル名義で2ndを出した。  
249・RZA as Bobby Digital:Digital Bullet:
   ちょこちょこ凝ったバックトラックではあるが、
   なぜか心に響かない。なぜだろう。
   ビートが上滑りしてるような気がする。

   活動停止中のphishが、一年に2回ライブ盤を出すことになった。
   一時に6日分。しかもノーカットで。つまり、一年に2回、
   phishのライブ盤が約12~18枚リリースされるってことだ。
   これは第一回発売分のvol3にあたる。3枚組です。
   パッケージがけっこう凝ってます。取り出しにくいのが難点。
248・Phish:Live Phish 00/9/14:☆☆☆
   聴きどころはSet2の"Darien Jam #2"かな、やっぱり。
   サイケで切れ味鋭いジャムが、25分に渡って続きます。
   トーキング・ヘッズ"Crosseyed and Painless"やフーの"Drowned"、
   ストーンズ"Loving cup"などのカバーも収録。
   かなり取り出しにくいパッケージがマイナスポイント。こるのはいいけど、
   もうちょい手軽に聴きやすいケースにして欲しかったな。

   ファン泣かせなコステロの再発。今度はライノから2枚組で
   発売された。89年にワーナーへ移籍後初の盤をリイシュー。
   今回目玉は、全曲のデモ版が発表されたこと。
   当時インストだった「Stain Malone」はボーカル版も登場した。  
247・Elvis Costello:Spike:☆☆☆★
   作りこんだオリジナル盤の全曲が、ほぼ弾き語りという
   すっきりした構成のデモで聴ける。デモをぎっしりぶちこんだ好企画。
   練ったアレンジのオリジナルを聴きなれただけに、
   デモはひっかかりなく、するっと聴けてしまうけど。
   「サテライト」みたいな濃い曲は、デモのシンプルさもまたよし。
 
   こなさん、みんばんわ~。YMOとの競演でも有名な
   スネークマン・ショーのラジオ音源(?)が発掘された。
   全9タイトルの予定・・・凄いボリュームだなぁ。
   桑原茂一、小林克也、伊武雅刀のセンスが爆発だ。
246・スネークマンショー:Radio Snakeman show vol.1:☆☆★
   ギャグよりも、選曲のセンスや構成がすごい。
   普段聞かないフォリナーやモントローズが、ごく自然に
   耳へ入ってくるんだもん。
   ギャグで気に入ったのは「青白い狼2」かな。
   ところでエドウィンのCMソングを歌ってるのは誰でしょう?
   すっごく気になります・・・。

   ゴア・トランスが聴きたくって。どれを買っていいのか
   よくわからず、コンピ盤を買ってみた。どかーんと3枚組。
245・V.A.:The Best of GOA Trance vol.4:☆☆
   賑やかで面白い。ただ、3枚まとめて聴くとさすがに飽きる。
   しかも部屋でせこせこ聴く音楽じゃないなぁと実感した。
   キンキン響くシンセの音は、テンション高いときに聴くと盛り上がる。

01/9/22
   ネットを見ていて、面白そうなレコ屋があったので
   明大前まで行ってきた。成果はまずまず。いえい。

   彼らの4枚目オリジナルアルバム。廃盤のはずなのに・・・
   新品状態で手に入れられた。とても嬉しい!97年発売。
244・Tipographica:Floating Opera:☆☆☆★
   生演奏と疑いたくなる、演奏のタイトさがすてき。
   屈折しまくったメロディはちょっと戸惑ったけど、すぐに馴染んだ。
   ライブを見てみたかった・・・。
   ライブの入場に使われた曲かな?打ち込み演奏が、数曲収録された。

   メルツバウの旧譜を二枚入手。最近、彼のアルバムが
   なかなか見当たらない・・・いっぱいリリースしてると
   思うのですが。

   メルツバウと、ドイツ出身ジョン・ウオーターマンのコラボアルバム。
   たぶん95年作で、1000枚限定プレス。
243・Merzbow + John Watermann:ブリズバーン-東京:☆★
   メルツバウ1曲、ジョン一曲。共演が一曲の構成。
   (メルツバウがラフミックスを郵送し、ジョンが加工したらしい)
   ジョンはコラージュ的なノイズが趣向するみたい。リズムがけっこういい。
   継続ノイズを提示したメルツバウとの対比を楽しむ盤かな。
   音響系ノイズで、ちと刺激不足。

   録音時期がはっきりしないが・・・。メルツバウと
   コンシューマー・エレクトロニクスというバンドが競演した
   素材を、デニス・ブラックハムが加工した音源らしい。
   クレジットでは、95年の発表。英盤だ。
242・Merzbow/Consumer Elevtronics:Horn of the Goat:☆☆
   基本はハーシュノイズ。ただし、セッション風にさまざまな
   電子音がつみかさなる騒音は、メルツバウにしては明るく聴こえる。
   ほんのりグルーヴ感も。あんがい聴きやすいノイズだろう。

01/9/19
   ライブの前に、ちょっとレコ屋へ。

   前から聞いてみたかった。板谷博(tb)によるジャズバンドの2nd。
   オフノートから1995年に発売された。
241・Guilty Physic:VAL:☆☆☆
   モダンなサウンドからフリーまで、さまざまな表情のジャズが
   つまっている。だけど基調は暖かい。板谷のtbと松風のsaxから
   溢れる音で、そう感じるのかな。
   リラックスした雰囲気が漂う、落ち着いたジャズだ。
   (3)でのロマンティックなムードがかっこいいな。

   テクノ要素を織り込んだジャズ・ミュージシャンのアルバム。
   発売元レーベルはジャズランド。1997年盤です。
240・Audun Kleive:Bitt:
   狙いはわかる。スピーディーなビートもメリハリが
   効いている。だが、なぜか胸に響かない。
   強烈なメロディが、少なめだからかな?
   音響テクノとして聴けば好盤だろうが、そういう評価は間違ってると思う。
   だが、ジャズにしては、あまりにアドリブへの思い入れが薄い。
   何度聴いても、印象に残るのはハイハットの連打のみ。
   コンセプト負けした中途半端な作品か。残念ながら。

   イギリス出身かな?すみません、詳細プロフィール不明です。
   2000年リリース。これもやはりテクノ関係だろうか・・・。
239・Moodyman:Forevernevermore:☆☆
   ふわふわ漂うクラブ・テクノサウンド。(3)が特に気に入った。
   ちょっとミニマル的な要素もあるが、ポップさがベースにあるので
   ゆったり落着いて聴ける。ただ、最後まで聴きとおすには
   ちょいと忍耐力を必要とするかな・・・。アルバム全体に
   一本筋を通す、求心力が欲しい。そしたら、しこたま名盤になるんでは。

01/9/16
   ライブの物販で購入しました。

   植村昌弘の自主レーベル「無印」の新作CD-R。
   たぶん、テレビのアナウンサーの喋りをMIDIデータ化し
   シンセに流し込んだ作品。「SOLO」と銘打った作品も
   4曲収録しているが、こちらはドラムソロに
   MIDIでシンセを同期させたのかな?
238・植村昌弘:Television+:☆★
   "Television"シリーズはけっこうポップ。単なるデータ化ではなく
   編集されてるので、曲として楽しめる。
   "Solo"シリーズは、キーボードが手癖っぽく、
   そのうえドラミングも平板なのでいまいち辛い。
   サウンド的には面白いんだけどな。聞き込めば評価変わるかも。

01/9/11
   ネット注文してたCDの第一弾が到着~。けっこう時間かかったな。

   多作家ピート・ナムルックの旧譜を二枚入手。

   比較的、いわゆるテクノっぽい音。2000年10月の発売。
237・Pete Namlook:4 Voice Ⅲ:☆☆☆
   ビートが効いたリズミカルなテクノがいっぱい。あまり低音を
   強調せず、かろやかに音楽が滑っていく。リフを積み重ねて
   盛り上がるさまは、かなりポップ。

   こっちはアンビエントを狙ったサウンドかな。
   発売は1993年5月。ぼくが買ったのはWorld Ambient盤です。
236・Pete Namlook:Dreamfish:☆☆
   耳ざわりは柔らかいミニマルサウンド。このトラックの上に
   メロディを乗っけたら、かなりキュートなテクノポップになりそう。
   ビートの利かせかたがミックスマスター・モリスの手柄かな。
   全4曲はどれも9分から28分までの長尺曲。
   でも、曲に説得力を出すにはこのくらいの長さが必要なんだろな。

01/9/8
   ひさびさにレコ屋巡り。今日の購入テーマは「とりあえず聴いたことない盤」。
   店内でポップを見ながら買ったけど、内容を忘れちゃって・・・。
   初めて聴くミュージシャンが多く、どんな盤か説明できやしない。とほほ。

   灰野敬二率いる不失者が97/5/16にで行ったライブを
   カナダのレーベルが98年にリリースした盤です。
   タイトルはシェイクスピア時代の古い言い回しとか。
235・不失者:Withdrawe,this sable Disclosure ere devot`d:☆☆☆★
   リバーブの嵐が襲い掛かる。メロディよりも、ひたすら豪音。
   いさぎよさが素敵だ。ゆっくりしたグルーヴがメイン。
   灰野の搾り出すシャウトも楽しめる好盤。

   テクノ/音響関係を買ったけど・・・かたっぱしから素性がわからない。
   お詳しい方ぜひ、ご教示くださると嬉しいです。

   日本のインディなガバ・テクノユニット。5作目になる。リリース時期は不明。
   00年か01年だと思うけど。Quick Japan(99/2:23号)によれば
   5人編成の集団らしい。アイドル系のネタを高速ガバ仕立てにしてる。    オフィシャルHPはこちらです。
234・高速音楽隊シャープネル:レイヴ☆スペクター:☆☆
   アイドルネタ中心に、ダークなビートが重なる。
   なんとも平板でドス黒いテクノになるのが面白い。
   大音量のフロアで聞いたら、さらに面白いだろうな。

   まったくクレジットがない・・・。多分2001年発表。
   Spleenってのがユニット名なのかな?それすら不明。
   音はMiro Merlakがメインに作っているようだ。
   サウンドはインダストリアル風味の音響系みたい。
233・Spleen:
   ノイジーな音は、サンプリングをつかっているのか。
   執拗に同じフレーズが繰り返される。過激って程でもないし
   ミニマル性を求めるには物足りないし。ちょいと中途半端かな。

   01年の新譜。Rob Mazurekによるミニマル・テクノだ。
   ジム・オルークのレーベルからリリースされた。シカゴの人みたい。
232・Orton Socket:99 Explosions:☆☆★
   ノイズっぽい電子音が静かに鳴る音響系。間の取り方がいい。
   ただし、ほんのりビートを刻む。さらにわずかなメロディも。
   自己主張の仕方が絶妙だ。さりげなく耳の奥に忍び込む。
   部屋でのんびり聴いてると和めます。

   デンマークのテクノかな。ミニマル系と、ファンクが混在してるようだ。
   ブタと熊が踊る、えらくポップなジャケットは面白いけど。
   すこぶる簡素なクレジットは何とかならんのか。素性がわかんないよぉ。
231・Bjorn Svin:Benene pa nakken:☆☆
   フロア向ダンスビートなテクノ。メロディや構成に工夫が
   あり、部屋で聴いても楽しめる。あんがいファンキーなところもあり。
   メロディは希薄だけど、アレンジの構成で聴かせる。

   オスカーを二枚買ってきた。まずは59年のヴァーヴ盤。
   ブラウン+シグペンとの黄金トリオによる演奏です。
   これはシナトラのレパートリーを取り上げたのかな。
230・The Oscar Peterson Trio:A Jazz potrait of Frank Sinatra:☆☆★
   みごとな横綱相撲だ。録音のせいか、ピアノの音使いのせいか。
   トリオ編成なのに、すばらしくゴージャスな音像が聞ける。
   スリルはあまりないけれど、隙もない。この濃密な雰囲気が好きだ。

   こちらは71年録音。原盤はMPSらしい。
   ベースはブラウンだが、ドラムはルイス・へインズが叩いている。
   さらにミルト・ジャクソンが加わるカルテット体制。
   MJQと同じ編成ながら、ストーンズの「サティスファクション」を
   選曲するセンスが面白い。その他はスタンダードを選曲してる。
229・Oscar Peterson:Reunion Blues:☆★
   ミルト・ジャクソンのヴァイブが全面に出たせいか、かなり
   やさしい耳ざわりの音が鳴っている。「サティスファクション」も
   アップテンポながらソフトだもん。
   演奏はうまいが、ちょっと軽く流れすぎたかな。

   先日EMERGENCY!のライブを聴いて、ミンガスを聴きたくなった。
   これは帯で"ミンガス自身が絶賛"的に書かれてたので、興味を持ちました。
   ジャズ界で本盤がどう評価されてるかは、よく知らない・・・。
   62年の録音。邦題は「メキシコの思い出」とつけられている。
228・Charlie Mingus:Tijuana Moods:☆☆☆★
   ベースよりもまず、アンサンブルの美しさが印象的。
   個々の楽器の鳴りを生かしたうえで、細かくテンポを変えるアレンジもいい。
   バッキングにまわったベースは、がっちり音を支ている。

   ドイツのジャズかな?ピアノ・トリオによるフリージャズ。
   99年に録音されている。
227・Andy Lumpp Trio:Ostara:
   クールな雰囲気のフリージャズ。力任せに音を並べてる
   感じがしてしまう。とはいえ硬質な音像は、真夜中に聞いてると
   そこそこ気持ちいい。互いにすりよらず、音がガラスみたいに光る。
   
   えっらくわかりにくいフォントのクレジットで、読む気がしない・・・。  
   基本は音数の多いエレキギターのソロ。これをb+dsのコンビが支える。
   フュージョンを若干ハードにした感じ。本人のHPはこちら
   一見エモーショナルだが、かなりテクニック先行っぽい。00年盤。
   HEADless TORsosの元メンバーらしい。聴いたことないが「寄生獣」を連想する
   ジャケは見覚えある。
226・Daveid Fiuczyrski:Jazzpunk:
   ジミヘン、ショパン、シャノン・ジャクソン、チック・コリアなど
   ジャズを中心にカバー曲集の趣。ファズを効かせたgと、金物のキレがいい
   リズム隊とのコンビネーションは楽しめるが、肝心の
   個性がギターからいまひとつ聴こえてこない。
   ギター・ソロのメロディが単調なせいかな?

   イタリアのジャズかな。96年発表で、かなりベテランっぽい人のピアノソロ。
   スイング~モダンジャズの巨匠らの曲を取り上げ、それぞれ作曲者に
   捧げている。サッチモ、パーカー、エリントン、マイルス、ドルフィーなど。
225・Franco D`andrea:Blues on my mind(in 3 Lines):
   多重録音で生ピアノを3回重ねたアイディアはいい。
   でも、同じ音色がてんでに違う音を演奏するもんだから、
   音の壁がぐしゃっと押し寄せて圧倒されてしまう。
   シンセやホンキートンクなど音色を変えたら面白くなったのでは。

   新しめのソウルを、けっこう安く売ってたので買ってみました。
   まずは2001年盤。レーベルはInterscope。垢抜けたデザインだけど、
   インディ盤かなぁ。コンピューターをバックにした、シンプルなソウルみたい。
224・Bilal:1st born second:☆★
   箱庭風にぎゅっと世界観を凝縮したソウル。基本的にこういう音は大好きだ。
   ボーカルはカーティス・メイフィールドの影響を受けたような
   ファルセットを多用したつぶやく歌唱スタイルもいい。
   だけど、打ち込みリズムがちょっと単調かな。グルーヴ感が物足りない。
   メロディも、もうちょい起伏が多いほうがよかった。
   ベストトラックは(14)。キラキラ光るリズムがたまらない。

   こちらも2001年のリリースのDef soul盤。マーキュリーの下部レーベルらしい。
   やっぱり打ち込み中心な、男性ソロ・ソウル盤みたい。
223・Case:Open letter:☆★
   多重録音のコーラスや、シンセのハーモニカや。そこかしこで
   スティーヴィー・ワンダーの影響が透けて見える。
   かなりドタバタ言うドラムが場違い。もうちょい軽い太鼓なら、
   楽しく聴けたと思うのに。

2001年8月

01/8/18
   
   ワーナー時代のエヴァリーがリマスター、2on1、ボーナス付で再発されはじめた。
   ケイデンス時代ばかり語られがちだが、このころの彼らは
   甘いポップスを連発していてとても楽しい。
   しかもリマスター。2on1。嬉しいぞ。レココレでこれを機会に
   彼らの特集してくれないかな~。

   どちらも60年にリリースされた、ワーナー移籍後の1stと2ndを
   カップリングした盤。"That`s what you do to me"が大好き。
   ボーナス曲は当時のシングル曲や未発表テイクが7曲も。
222・The Everly brothers:It's Everly Time/A Date With The Everly Brothers:☆☆☆
   びりびり響くハーモニーがたまらなく心地よい。
   収録曲は比較的カントリータッチが多いかな。素朴な響きがする。
   鼻にかかった甘い歌声と、ほろ苦くもなめらかなメロディが特徴。
   王道路線ながら、ピタリと寄り添うボーカルの緊張感がスリリングだ。

   ワーナー時代の3rd(1961)と4th(1962)をがっちゃんこ。
   ボーナス曲は8曲を収録している。
   名曲"Crying in the rain"がボーナス扱いだけど、
   当時はアルバム未収録曲だったのかな。知らなかった。
221・The Everly brothers:Both Sides of an Evening/Instant Party:☆★
   かなり脇の甘い作りなアルバム。"Instant Party"の
   ほうがまだ音が生きてるかな。一番生き生きしてるのが
   ボーナスのシングルという皮肉な盤だ。

01/8/17

   ライブの物販で購入した、彼らの2ndアルバム。
   01年リリースで、99/10,00/6,02/1のライブ音源を再編集している。
220・東京ザヴィヌルバッハ:Hamlet on the highway:☆★
   ほわほわとトランペットやキーボードが流れていく。
   きっちりした構成を狙っていないようだ。この音世界のノリに
   親しめるかがポイント。ぼくは1stの緊張感のほうが好きかな。

   こちらはネット通販で注文していた盤の到着です。
   黒人の巨漢二人によるソウル・デュオ・ユニット。
   94年に"One size fits all"をAtlanticからリリースしていたが、
   インディ落ちしてしまったらしい。99年の作品。
219・Men at Large:Love striggle and Progress:☆☆☆
   打ち込み中心の軽やかなバックトラック。なのにどこかいなたい。
   エコー成分をほとんど廃し、伸びやかな高音が楽しめる
   ミドル~スローは聴きものだ。

01/8/14
   ボンデージフルーツのライブへ行ってきました。
   物販コーナーをチェックし、新譜をさくっと購入。

   鬼怒無月と勝井祐二による、即興ロデュオの初CDです。
   ライブを見た限りでは、すばらしく面白い。CDの出来が楽しみです。
   ちなみに、今日のMCによるとpere-furu(ぺる・ふる)は
   pere=勝井、furu=鬼怒らしい。その場で思いついた話っぽいけど(笑)
218・Pere-Furu:Pere-Furu☆☆☆☆
   ふたりの息がピタリとあった即興を楽しめる充実作。
   60分たらずに凝縮された、アコースティックな肌触りの
   夢見る世界がスピーカーから広がる。

   ROVOの公式ブートが発売された。
   音源は2001/5/16に新宿リキッドルームで行われたライブ。
   この日は二時間弱演奏したらしいので、完全版ではありません。
   せっかくだから二枚組で出してくれればいいのに~(ぜいたくもん)
217・ROVO:Man Drive Trance:☆☆☆☆
   でっかい音で聴くと、気持ちよさはひとしお。グルーヴが襲い掛かってくる。
   ライン取りかな。とても生き生きしたいい録音だ。
   ライブの緊張感が緻密な音の奥から零れ落ちてくるよう。
   スタジオ盤より気持ちよくなる部分も多々ある。ぜひシリーズ化して欲しい。

   ネット注文したCDが到着~。

   GbVの元・重要メンバー、トビン・スプラウトによるバンド、
   アイズインウィーゼルの公式ライブ盤がでました。
   音源は00/10/18のケンブリッジ公演より。なんと27曲入り。
   GbV関係者は気前いい人が多くて嬉しい。
216・Eyesinweasel:Live in the Middle east:☆☆☆
   ひたすらひたすら、曲を演奏しまくる。シンプルなバンドサウンド
   ながら、あまり退屈しないのはトビンのメロディのおかげかな。
   MCもチョコチョコ折込み、臨場感ある。
   妙にしょぼい録音が玉に傷。極上ブート並ってとこかな。

   がぶるさんがHPで薦めてらっしゃった、ドイツ・テクノの
   3枚組コンピレーションが到着。
   サウンドスケープ中心の、静かな電子音楽がいっぱいです。
215・V.A.:Clicks & Cuts 2:☆☆☆
   ミニマルテクノがひたすら続く。どの曲もメロディはほとんど
   ないが、音色に気を配ってて飽きない。
   真夜中に小さな音で聞いてると、妙に心が和みます。

01/8/10
   今日はルインズ+灰野敬二のライブへ行きました。
   予想通り、今年の8~9月に発売予定の新譜が
   どかっと先行発売されていた。もちろん、全部購入(笑)

   00/7/12のライブ盤。ぼくもその場にいました。
   ここで感想を書いたので、よろしければご参照下さると嬉しいです。
   自分が聴いてたライブが音源化されるのって、いい記念だなぁ。
   
   ちなみに当日のゲストは勝井祐二(vln)。この日のライブから
   数曲だけオミットしてますが、美味しいところは一通り味わえる
   盛りだくさんな盤になっています。レコ屋には8/末発売予定。
214・Ruins:Mandala 2000:☆☆☆★
   若干音の分離が悪くて惜しい。佐々木のシャウトがくっきり入ってるのは
   ポイント高いけど。高く叫ぶ瞬間が妙にキュートだ。
   アルバムテイクよりずっと音数多くなった演奏は大迫力。
   勝井が参加したトラックも、スペイシーでナイス。

   ロン・アンダーソン(g)とルインズのコラボ作で2ndになる。
   前作「ketunoana」(1998)以来で、公式には9月頭発売予定。
   インプロに比重を置いたユニットってイメージがあるけど、
   さて今作はいかに。オマケで神戸でのライブ音源が収録された。
213・Ronruins:Big Shoes:☆☆☆★
   くっきりしてメリハリが効いた演奏だ。即興と譜面が混在し、
   ポップだけど複雑な音がしこたまたのしい。今までのRONRUINSの
   アルバムの中で、一番気に入った。
   ばりばりのルインズの曲をやってくれたら、さらに面白かった。
   "L.T.A.Ketsuno ana"のキュートでタイトなハーモニーが好き。

   94年に缶入りケースにスルメ入りで発売された、
   想い出波止場とのコラボ作がリミックス・リマスターで再発。
   ボーナスとして94年のライブ音源を収録。これも9月発売です。
   ちなみに今度は、スルメなしの普通のケース入り。
212・ルインズ波止場:RA:☆☆★
   個々の曲にそれぞれモトネタがあるのはわかるけど、知識不足で
   ギャグについていけないのが辛い。詳細なライナーが欲しいなぁ。
   20分に渡ってえんえん続くアカペラの「WAWAWAN」(39曲目)
   がすさまじい迫力だ。これがズビズバの原型なのかな。

   さて、今日はレコード屋へも寄ってみた。
   ちなみに新宿のタワレコでは、(211)がBGMで流れててびっくり。

   ついに出た、DCPRGのフルアルバム。
   そうそうたるメンバーが生み出すグルーヴを、やっとじっくり聴ける。
211・Date Course Pentagon Royal Garden:Report from iron mountain:☆☆☆☆☆
   とにかく素晴らしい!スリリングなインストを思い切り楽しめる。
   あえてカテゴライズするなら「クラブ仕様の電化マイルス」。
   生演奏のグルーヴ感と編集されたシャープな違和感の融合が最高。
   ROVOとコンセプトは似てるけど、圧倒的にジャズよりだ。
   人力ドラムンベースの疾走感がたまらなくかっこいい。お薦めです。
   う~ん、ぜひライブを見てみたいなぁ。

   傑作アルバム"Isolation Drills"からの2ndシングル。
   全4曲入りで、当然ながら3曲は未アルバム収録曲だ。
   1stシングルはアナログのみだったので、上記アルバムから
   初のCDシングルといえるかな。
   ちなみに1stシングル収録の未アルバム曲は、本シングルの3曲目に収録。
   ついでに、4曲目は邦盤でボーナス・トラックとなった曲です。
   えらくあっさりしたジャケットがさみしい。
210・Guided by Voices:Glad Girls:☆☆
   タイトル曲は抜群に歯切れのいい名曲。ミックス等は
   特にいじっていないようだ。カップリング曲はまぁまぁかな。
   アルバムをもってらっしゃる人には、積極的にお薦めしません(笑)

   試聴機から流れてきた、女性voの声のファルセットがビーチボーイズぽく
   面白そうなので購入。本作は新譜で、4thにあたるらしい。
   ナッシュヴィル出身の、男女コンビによるポップ・ユニット。
   3曲の共作曲で、ブー・ヒューワディン(元バイブル)が参加している。
209・Swan Dive:June☆☆☆★
   すがすがしいポップスがバラエティ豊かにいっぱいの好盤。
   アコースティックなアレンジがメインな演奏も、モーリー・フィドラーの
   つややかな声も素晴らしい。とびきりキュートな曲がぎっしり。


   なんとなくジャケ買いしたテクノ系ミュージシャン。
   オーストリア出身で、デビューは1987年らしい。本作は2000年の発表。
   HPによれば、ほかにもかなり多くの作品をリリースしている。
   オリジナルはCD-Rだが、ぼくが買ったのはプレス盤。
   一聴した限りでは単なるフロア系でなくほんのり複雑な
   面白いエレクトリック・ミュージックでした。
208・Hans Platzgumer:Datacard:☆☆
   ビートの効いたダンス用テクノ風だけど、単調にならず
   ノイズや音響系にもつながるさまざまな音色が飛び交い、
   部屋で聴いても楽しめる。もうちょいメロディアスだと好みなのにな。

01/8/6
   ネット注文のCDが到着~♪

   またしても到着したのは、ドイツのテクノ仙人ピート・ナムルックが今年の4/30に
   リリースした、アンビエント・テクノです。例によって、限定2000枚。う~む。
207・Pete Namlook:Silence V:☆☆
   ゆらり、ゆらりとシンセが広がるアンビエント作品。
   一曲目で揺れるフレーズは、まるで尺八みたい。妙に日本風な響きだ。
   他の曲はスペイシーに展開する。
   最後の曲が、ジムノペディみたいでなごむなぁ。

01/8/4
   移動の途中でレコ屋をチェーック。
 
   メルツバウの秋田と、Karkowski-Mazk(詳細不明)によるコラボ盤。
   本作が2ndらしい。録音は、99~00年に東京のミルク・クラブで行われた
   ライブ音源を編集したもの。

   60年代の演歌っぽい(温泉のローカル盤みたい)謎のジャケット。
   ジャケ裏にはご当地ソング名が10曲ほど並ぶが、なかみは45分間
   一本勝負のノイズがつまってます。
206・魔頭苦:湯島の白梅:☆☆☆
   ハムノイズっぽい電子音中心のシンプルな作り。あまり音を積み重ねず、
   個々のノイズを堪能できる。執拗に瞬間の響きをダブ処理し、
   擬似的にビートを作り出したとこが、Mazkの個性かな。
   たとえば「ノイズのDJmix」みたいに聴こえる。
   メルツバウ印の騒音が襲い掛かる圧迫感も、もちろん随所で楽しめます。

   セコハンでテクノをえいやっとジャケ買い。
   さあて、当たるか・・・例によって詳細情報は不明です。
205・Andean Trance:Yellow Magnetic Star:
   ジャケットは壁画風タッチのアンデスっぽい絵(どんな絵だ・・・)
   サウンドもアコギ風ループが盛り込まれ、唸る声もエキゾティック。
   しかしテンポも展開もいまひとつ華がなく、淡々と進んでいく。
   ここぞ、という音の個性が欲しかった。
   チルにも使えないし・・・。ビートサンプリング用って感じだなぁ。

204・Antarctica:81:03:
   う~む。テクノの棚でジャケ買いしなけりゃ、まず聴かない
   音楽だろう。ちょいと暗めのエレクトロ・ポップです。
   どこかけだるいボーカルは、ティアーズ・フォー・フィアーズを思い出す。
   かなりシンプル・・・てか、単調です。二枚組みですが
   聴きとおすのがかなり辛し。

203・Wieland Samolak:Stedy state music:
   せせらぎのような電子音が、ひたすら続くだけの作品。
   作者が子供のころ、遠くの自動車や電車のノイズがごちゃ混ぜで
   そっと耳へ飛び込んで来た時の、心地よさを再現したものらしい。
   狙いはわかる。微妙に変化する電子音は気持ちいい。
   でも、さすがに部屋で聴いてると眠くなるいっぽうだ・・・。
   まさに環境音楽風な作品。数度聴き込むものじゃないなぁ。

01/8/3
   ライブの物販で購入しました。ついつい、買っちゃうなぁ。
 
   元ヒカシューのキーボードが組んだユニットの2nd。くつろげる~。
   リリースは97年らしい。アンビエントっぽいテクノサウンドです。
202・イノヤマランド:INOYAMALAND:☆☆★
   アンビエントよりのテクノサウンド。YEN時代の音源に比べ
   メロディ感が希薄になり、より空間全体に音が広がる。
   しかし、ミニマルともちがう。そこらへんの微妙なバランスが好き。

01/8/2
   ネットで注文したCDの到着~。
   オンライン注文だと手軽だけど、とめどなくなりそう・・・。

   GbV関連の新譜を、やっとこさ入手できました。
   このところリリースされるのは限定盤ばっかり。
   どれもこれも買い逃してました(苦笑)
   本盤はリリースされたてで、特に限定盤じゃなさそう。

   トリオのバンド編成ですが、実質はロバートのソロ作品かな。
   脇を固めるのはGbVゆかりのメンバー、グレッグ・デモス(b)と、
   ジム・マクファーソン(ds)です。
201・Robert Pollard and his soft rock renegades:Choreographed man of war:☆☆
   メロディよりも音像を重視する、ロバートにはめずらしいサウンドの盤だ。
  じっくりとサイケギターを響かせる音楽は、ちょっと大味かな。
   圧巻は10曲目。7分にわたってギターが鳴りつづけます。

   ここで紹介したことがある、イギリスのバンドによる新譜。
   HPを見てみると、思ったより大量に作品をリリースしている。
   前回ぼくがHPで紹介したアルバムは、6枚目。本作は10作目にあたるらしい。
   シングルが多くて、正確なところはよくわからない(笑)
200・Tindersticks:Can our love...:☆★
   沈鬱な雰囲気のポップスだけど、どこか張りがあるのが救いかな。
   トラッド風味な演奏が好みな人にはいいかも。
   噛み締めるほど味が出てきそうだ。

   トラッド風味のポップスを奏でるバンドの最新盤。
   てっきりイギリス出身かと思ってたけど。もしかしたら
   オハイオを本拠地にしたアメリカのグループかも。
199・Over the rhine:Filmes for radio:☆☆☆
   かげりのあるメロディが特長。
   カリン・バーギストのボーカルも、微妙にハスキーで魅力的だ。
   演奏はアコースティックな肌触りを前面に出した、ミドルテンポの
   ポップスが中心。噛み締めると、じわっと味が染み出してくる。

2001年7月

01/7/28
   渋谷と新宿をぶらぶらと・・・あいかわらずの人ごみ。
   んでもって、参院選前でやかましいこと・・・うう。
   なんで選挙演説ってのは、がなるしか芸がないのかねぇ。
   
   難波弘之のバンドSOWがデビュー20周年。早いなぁ。
   この記念ベスト盤は、未発表曲や未CD化音源などの
   選曲をして、入門向からコアなファンまで対応できる
   丁寧な作りで、好感が持てる。
198・Sense of Wonder:2001:A wonder Odessey:☆☆★
   唄もの中心の選曲。SoWの最大の弱みがボーカルだと思うので、
   いまいち難波のコンセプトに賛同しづらい。プログレ風味の
   パワー・ポップよりも、ハイテク・インストバンドで売ったほうが、
   今の市場に受け入れられやすい気がするけど。いかがでしょうか。
   未発表曲は楽しめる。せっかくだからもっといっぱい
   貴重な音源を聴きたかったな。マニアの発言ですが。

   最近凝ってるドイツのテクノ・ミュージシャン、ピート・ナムルックの
   作品をまた一枚入手。これは今年の発表かな。
197・Pete Numlook & Steve Stoll:Hemisphere:☆☆
   メロディよりも電子音を積み重ねて築き上げるアンビエント・
   サウンド。曲構成はおとなしく淡々と流れていく。
   ついBGM的に聴いてしまうのが辛い。
   えらく平板につぶやく日本語の台詞が挿入されるから、
   初めて聴いたときは唐突さに、びっくりしてしまった。
   そしてあいかわらず、お互いがどの分担で音を作っているのか
   さっぱり不明だ。こういうコラボもあるんだね。

   元ゾンビーズのコリン・ブランストーンが72年にリリースした
   2枚目ソロアルバム丸ごとが、リイシューされた。
196・Colin Blunstone:Ennismore:☆☆☆☆
   切なくかすれる歌声に、きれいなメロディ。
   ほんのりアダルトなポップスがつまってます。
   これは素晴らしい。
   ストリングスも効果的な、ほんのり翳りあるとびきりのポップスです。

   テクノが聞きたい。でも、どれを買っていいのかわかんない。
   しかたないので、店のポップを見ながら適当に買ってみた。
   問題は、家に帰ったときにはすでに、ポップの内容を忘れてるってこと(笑)
   おまけにクレジットもろくにないし・・・テクノってある意味
   一番の消費音楽なのかな。どれも新譜のはずだけど。
   てなわけで、カタログ的な紹介が困難です。お詳しいかた、
   情報をいただけると幸いです。
195・V.A.:Cosmic evolution:☆☆
   展開はけっこう複雑なテクノ。BPMはちょい速くらいかな。
   メロディがほとんどなく、リズムの積み重ねで音像を組上げる。
   いまいち覇気がない。これもやっぱりフロア用だ。
   繰り返しが多く、少々単調です。
   ホーム・リスニング用にぴったりな盤はないかなぁ。
   聴きこむにはいまいち単純すぎる。

194・Samuel L:New soil:☆★
   音作りはぼくの好みに近い。ミニマル要素を盛り込み、四つ打ちで
   ふわんふわんと音が弾んでいく。少々大味で単調なのが惜しい。
   展開を凝縮して繰り返しを減らし、なりふりかまわず突っ走れば
   面白いのにな。フロアにて豪音で鳴らすのが前提のトランス。
   テクノとしては、ある意味あたりまえなつくりか。

193・Cari Lekebusch:Chaos & Order:
   フロアで聞くにはいいかも知れないが、部屋で流すと単調。
   音に緊張感がないせいかも。僕の聴き方では親しめない音楽だ。

2001/7/25

   ライブの手売りで購入。
   石塚俊明(元頭脳警察)のユニット「シノラマ」の新作だ。
   バンド形式の演奏でなく、石塚による多重録音で作られている。
192・CINORAMA:0番ホーム:☆☆★
   メロディよりも音の響きを重視した、風景にしっとり寄り添う音楽が流れ出す。
   切ない音像はジャケットに写る大陸の写真にぴったり。
   うつむき加減で、一歩一歩足を踏みしめ歩いていく。
   リズム楽器だけでなく、シンセやギター(?)の多重録音が生む
   音世界の統一感に、ずぶずぶ酔ってしまう一枚。

   こちらはネットでだーいぶ前に注文したやつ。やっとこさ到着した。
   
   ライブ録音の一発取り。エレキギターと絶叫のみのノイジーな
   アルバム。アメリカのレーベルから93年に発売されたみたい。
191・灰野敬二:Execration that accept to acknowledge:☆☆★
   最初から最後まで、エレキギターの豪音が続く。アクセントは
   灰野の絶叫。基本的にノリで続く演奏なので、このテンションに
   はまれるかがポイント。曲としての一貫性を求めるとつらいです。
   40数分一本勝負のノイズは、めちゃくちゃ刺激的。
   生で見たかったな。灰野は視覚的な要素も強いから。

   1980年のSweet Earth盤を、Universeが再発した。
   中身は78年と79年のスタジオ録音を収録している。
190・Sun Ra:The other side of the sun:☆☆★
   70年代後半なわりに、かなり正統派ジャズの香りがするアーケストラ。
   生き生きした演奏が楽しい一枚。ただ、かなりとっちらかった印象だ。
   スタジオ盤とはいえ、個々の曲に関連性を感じさせず、
   適当にでっち上げた一枚っぽい。4曲目では異様にテープの
   保管状況が悪く、たびたびドロップする。
   サウンドが気持ちいいだけに、惜しい盤だなぁ。

01/7/23
   ネット注文CDがまたしても到着。

   ここんとこ妙にはまった、ドイツの多作テクノ・ミュージシャン、
   ピート・ナムルックを一枚。サウンドスケイプ風の作品かな。
   2000枚限定で、2001年のリリース。 
189・Pete Numlook:New Organic Life:☆★
   基本的にはサウンドスケイプ。メロディらしきものはなく、
   ごおっ、ごおっと電子音の渦が高まっては消えていく。
   ほんのりノイジーなサウンドが、微妙に緊張感があって面白い。

   不勉強で、ヴィクトル・ハラがどんなミュージシャンなのか知らない。
   チリのフォークシンガーで、体制反発の歌を歌っていたらしい。
   フェダインが「平和に生きる権利」をカバーしてて、モトネタ聴きたさに購入。
   このアルバムはベスト盤・・・かなぁ。クレジット関係なんもなし。
188・Victor Jara:Vientos del pueblo:☆★
   朗々とフォルクローレ風に歌い上げるのは、確かに気持ちいい。
   ただ、ちょっと単調かな。「平和に生きる権利」はアレンジも含めて
   名曲です。なのにぼくのCDは、ちょうどこの曲で音飛びする。
   よりにもよって・・・。あと、本盤はマスタリングがしょぼくて
   かなりばらつきのある音質です。それとも、オリジナルがこういう音?

01/7/20
   せっかく新宿まで出たので、レコ屋を何軒かチェックしてきました。

   刺激的な音楽を作りつづけるふたつのバンドによるスプリットシングル。
   特にDCPRGの音源リリースが嬉しい。
   勝井祐二率いるROVOと、菊地成孔によるDCPRGの作品は
   どちらも1曲30分の長丁場だ。
187・ROVO/Date Course Pentagon Royal Garden:same(single):☆☆☆☆
   ROVOのほうは、猛烈に淡々と進んでいく。スリルより、リラックスかな。
   やっぱりこの盤で初めて聴いたDCPRGのインパクトがむちゃくちゃ強い。
   中盤で出てくる「タイトゥン・アップ」みたいなベースに
   胸が躍る。コラージュな曲だから、アルバムを聴いた後だと
   楽しさが倍増します。いいな~、これ。

   アメリカのベテラン・アカペラバンドによる新作は、カバー集第二弾。
   前回のザッパに続き、今回はグレイトフル・デッドの曲で攻めてきた。
186・The Persuasions:Might as well:☆☆
   デッドは詳しくないので、選曲や演奏がどのくらい凝って
   いるのかコメントできなくて残念。今回の盤では
   完全アカペラではなく、一部伴奏も導入している。
   カントリー&ウエスタン風味のロックを、アカペラで演奏してるって感じ。
   もっとも黒っぽさもしっかり健在。こんなにグルーヴィーな曲だったんだ。

   元10CCのゴドリー&クレームのアルバム、2ndと3rdをカップリング。
   以前から聴いてみたかったので、嬉しい再発だ。
185・Godley & Creme:L/Freeze Frame:☆★
   コーラスの和音が不穏に響く。ザッパの影響をそこかしこに
   感じられる『L』。音符が高速にひねくれていく。
   いっぽう『Freeze Frame』はぐいぐい音世界が、壮大な袋小路でのたうつ。
   ぼくの好みは『L』のほう。どちらも強烈にひねられたポップス。

   こちらは昨日ネットで到着分。更新しそびれてました。

   ピート・ナムルックとビル・ラズウェルが組んだアンビエント・テクノ。
   2000枚限定作らしい。ビルとアンビエントってのが、いまいち
   イメージつかず、面白そうなので購入。
184・Pete Namlook & Bill Laswell:Psychonavigation 2:☆☆★
   プラネタリウムのBGMをなんとなく想像してしまった。
   ゆったりとしたアンビエントテクノが淡々と続いていく。
   ときおりぶおーんと響く低音が渋いぞ。ビルがどこに
   参加しているのか謎。ベースがビルかな?
   重苦しい雰囲気のわりに、聴きやすい。
   うだるような暑さだと、この音楽は意外にしんみり聴けます。

01/7/15
  暑さしのぎに入ったレコ屋で買ったセコハン群。
  今日は見るだけにしようと思ったけど、一枚手に取ったらあっというまだった・・・。
  
   まずはソウル系。改めて手に取ったけど、スティーヴィー・ワンダーが
   ここまで手をかけてたとは知らなんだ。1974年リリース。
   あの高音ボイス、「ラヴィン・ユー」が収録されています。
183・Minnie Riperton:Perfect angel:☆☆
   ファルセットが人間業じゃない・・・。大ヒット曲
   "Lovin you"は愛娘の子守唄だったそうだが。このファルセットで
   高らかに歌われたら安眠は難しそうだな(笑)
   スティーヴィーのカラーがよく出た演奏はまずます。
   ミュージシャンが固定されて、アルバム全体に音の統一感がある。
   ドタバタするスティーヴィーのドラミングもまたよし。
   スティーヴィーのファンならぜひ聴いてみてください。

   インヴィクタス・レーベルからのコーラス・グループ。
   どうもこの手の盤、お手ごろ価格で出てると買ってしまう・・。
   1971年の発売です。
182・The Glass house:Inside the Glass house:
   頭2曲のスローはけっこういい。だけどほかのがばらばら。
   玉石混交の見本みたい。やりたい音の方向性がいまいち読めず。
   もうちょい視線を絞ればいいのに。ゴスペルっぽい感触の
   曲は、メロディを工夫すればよくなりそう。

   UKのコーラス・グループ。例の「フリー・ソウル」の文脈で
   リリースされた一枚。1978年の発表作。
   このなかの収録曲を、山下達郎が80年ごろラジオの
   スタジオ・ライブでカバーしたらしい。聴いてみたいな~。
181・Real thing:Step into our world:☆☆★
   演奏はシャープだし、曲も魅力的なメロディが多い。
   本来ならもっと褒めちぎるのに。妙にボトムが軽いところが惜しいぞ。
   このせいで、どうにも中途半端なアレンジになってしまってる。
   AORとしてはすこぶる良質の出来です。あんまりソウルを
   意識しないで聴いたら、好盤になるのでは。

   ソウルのコーナーにあったから、てっきりコーラス・グループかと
   思った。聴いてびっくり。ジャズ・コンボの盤です。
   原盤らしき表示が見当たらない・・・チェスかなあ。1965年盤。
180・The Inerpreters:The Knack:
   タイトであるものの、いまいち「主張」が音に見えてこない。
   BGMには最適だろうが、スピーカーと対峙して聞くには辛い。

   活動初期に三上寛がURCからリリースしたもの。
   インナーの写真に笑ってしまった。当然のことながらむっちゃ若い。
   基本は古沢良治郎(ds)とのデュオ。プロデュースは山下洋輔。
   フォークよりの活動だと思っていたが、こんな初期からジャズと
   絡み合った動きをしてたとは。1974年にリリースされた。   
179・三上寛:BANG!:☆☆
   根本的に、彼の世界はデビュー当初から固まってたんだと
   改めて実感。コラージュやプログレっぽい音作りに、時代を感じる。
   歌声を聞いてると、妙に尾崎豊を連想する・・・(笑)。

   お恥ずかしながら、初めてじっくり聴きます。
   リアルタイムでは、ちょろっと聴いて投げ出した記憶がある。
   当時、この音を理解できてればなぁ。1992年の作品。
178・Sonic Youth:Dirty:
   ぼくにはとても評価が難しい盤だ。パンクを聞きなれてないせいだろう。
   ノイズ面に目配り効いた、画期的な盤なのはわかる。
   けっこう面白いメロディもある。でも、ボーカルの声質がどうも
   趣味じゃないんだよな。
   もうちょい棚に寝かせて、熟成させてから聴くか。
   "Sugar Kane""100%"あたりが気にいった。

   ガムランの現地録音盤。よくある金属製パーカッションではなく、
   竹製の楽器を使用した、ジェゴグによるガムランです。
177・バリのジェゴグ-巨竹激奏:
   この手の音は、へたするとステレオ地獄へ陥りそうだ。
   録音が素晴らしいほど、再生装置の性能が試されるから。
   そうならず、無邪気に楽しみたいもんだなぁ。
   テクノのアルバムを聴いた後だと、ガムランはすんなり耳に馴染む。
   ミニマルな音作りが快感だ。これは竹製楽器で、音が柔らかい。
   コロコロ弾む旋律が耳に優しく飛び込んでくる。
   二日酔いの朝にはちと向いてないが(爆)

01/7/12
   仕事が早く終わったので、会社へ戻らずレコ屋をぶらぶら(笑)
   ラッキーなことに、持ってないGbVのシングルを二枚発見した。
   しかも新品。うれしいな~!

   96年のアルバム"Under the Bushes Under the Stars"からの
   シングル。この曲、大好き。アルバム未収録曲を3曲カップリング。
176・Guided by voices:The Official Ironmen Rally Song (single):☆☆☆
   タイトル曲はやっぱり、何度聴いてもいい・・・。
   他の未収録曲は、いかにもデモっぽい小品が並ぶ。「June salutes you!」
   が歯切れよくて楽しい。

   こちらは97年の"Mag Earhig!"からのシングルです。
   アルバム未収録曲は3曲収録。こういう未収録曲があるから
   GbVはシングルも見逃せない。
175・Guided by voices:I Am A Tree (single):☆★
   シャープな録音の曲が印象に残る。盤に音の統一感があるのも
   高ポイント。3曲目の「I`ll name you ~」って曲が気に入った。
   フォークロック調で、ほんのり開放感がすてき。

01/7/9
   ネット通販を申し込んだものがさくっと届きました。

   吉田達也率いる高円寺百景の未発売ライブ音源(非売品)。
   ディスク・ユニオン限定の3曲入りCDを、磨崖仏経由で
   入手できました。しかも、わずか80円切手二枚で。なんと素晴らしい♪  
174・高円寺百景:(無題):☆☆☆★
   収録曲は1)ARAMIDA(2nd収録曲)
         2)GNOTH DAHHA(2nd)
         3)SANNA ZARIOKI(1st) の順。
   ラインではなく、AUDのような雰囲気。まあまあな音質かな。
   アルバムに比べ、さすがに荒っぽい。 だけど複雑な曲構成を
   一糸乱れずつっぱしるところはさすが。
   3)ではアルバム以上にスピード感が強調され、
   吉田がワイルドに吠える好演だ。

   林栄一(sax)による新ユニットの初CD。ライブが楽しみです。
   ちなみにメンバーは斎藤良一(g)、水谷浩章(b)、
   吉田達也(ds)という豪華盤。スタジオ・ウィーからの発売です。
173・林栄一ユニット:森の人:☆☆☆
   ユニゾンでテーマを突っ走る疾走感が爽快。ただ、どこか遠慮がち。
   このメンツなら、もっと爆発してもおかしくないのに。
   本レーベルで林が出した前作「MAZURUの夢」のボーナス盤に収録の
   「OM」を再演している。くきくきひねるメロディはザッパっぽい。

   (332)の初回通販購入時についてくる、オマケのCR-R。
172・林栄一ユニット:Steam board/jam#2:☆☆☆★
   シンプルにジャズっぽい演奏。本編より、なぜかこちらのほうが
   素直に聞ける。テンポを控えめで、個々のフレーズがじっくり
   耳に残るからかな。フリージャズ全開の二曲目より、
   一曲目の生き生きしたセッション風演奏が好みだ。

01/7/8
   ひさびさのレコ屋だ~。痛む肩を押さえつつ、素早くチェック。
   いろいろ面白そうなのが山ほど見つかるけど、ぐぐっとこらえる。

   まだまだ日本の再発はマニアックに進むらしい。
   非常に嬉しい「世界初CD化」。1973年の作品が再発された。
   彼の歌声は、本当に甘くて素敵だ。
171・B.J.Thomas:Songs:☆☆★
   地味なつくりであるものの、とても落着いたアルバム。
   南部系のアレンジを狙っているそうだが、けっこうあかぬけて聴こえた。
   ゴフィン=キングやマン・ウェイルをはじめとした曲もいい。
   そしてもちろん、なめらかなB.Jの歌が最高だ。
   しみじみ聴ける、大人のポップス。

   久方ぶりの新曲。カップリングはボーカルを差し替えた
   「ソー・マッチ・イン・ラブ」。シングルなのに、完全限定発売って
   割り切り方がおもしろい。確かにシングルってそういう売れ方だもん。
170・山下達郎:君の声に恋してる(single):☆☆☆
   王道アメリカンポップスを、丁寧に作っている。
   かなり地味だけど、まさにこだわりの一枚。

   KIKIバンド初のアルバム。いままでライブを聴きそびれてたけど、
   ぜひ見たくなったぞ。他のメンバーはこんな感じ。
   鬼怒無月(g)、早川岳晴(b)、新井田耕造(ds)。
   各メンバーをご存知な方なら、こたえられないラインナップでしょう。
169・梅津和時"kiki"BAND:KIKI:☆☆☆☆
   個々のフレーズをどうこういうより、全体の雰囲気が楽しい。
   4人の音が絡み合うバトルを、まず楽しめる。
   静かな曲でも、生き生きしたメロディだ。
   4人のテクニックの確かさを、しみじみ感じる。

   彼らもライブを見そびれている。インプロの俊才が集結した
   トランス・バンド、ROVOの新作。ジャケットデザインが
   とてもすがすがしい。
168・ROVO:SAI:☆☆☆☆
   ミニマルさと肉体性が見事に融合した。今までで一番素直に
   たのしめる盤だ。ひたすら繰り返されるハイハットのバトルが、すばらしく
   スリリング。スピーカーからこぼれる音が、さわやかに空間を切り裂く。

   ふっと気になって手に取りました。これも日本での「世界初CD化」。
   嫌いじゃないけど、あまり積極的に彼のオルガンを聴いたことないのに。
   71年にリリースされたソロアルバム。5作目・・・かな。
167・Georgie Fame:Going Home:☆☆☆★
   甘いメロディがいっぱいで、予想以上に楽しめた。
   ジョージィのオリジナルがなく、すべてカバーなのが残念。   
   弦も管も入ったゴージャスなオケだけど、どこか蔭がある。
   線は細いが伸びやかな唄と、フレーズがころがるピアノは聴きもの。
   楽器のミックスが全体的にのぺっとしてる・・・。
   じっくりリマスターしたら、迫力倍増しそうな録音だ。

01/7/5
   これまたネットで注文した新譜が一枚到着。

   元ゾンビーズのキーマン、コリン・ブランストーンとロッド・アージェントに
   よるデュオアルバム。このコンビだけでアルバム作るのは初めてじゃなかろうか。
166・Colin Blunstone & Rod Argent:Out of the Shadows:☆☆☆☆
   ハイトーンの甘いコリンの声がたまらない。バックトラックもすごく丁寧。
   音楽シーンに新風を吹き込むような新鮮さはないけれど。
   聴いててホッとする、飛び切りのゆったりしたポップスがいっぱい。 

01/7/3
   ネット注文したアルバムが何枚か到着~。
   ここんとこ、ネット注文ばっかりだなぁ。

   がぶるさんのサイトを拝見してて聴きたくなったテクノもの。
   一ヶ月に何枚も作品をリリースする、たまらなく多作な人みたい。
   本作はナムルックのソロではなく、コラボ盤です。
165・Pete Namlook & Richie Hawtin:From within Ⅲ:☆☆
   "Silent intelligence"と銘打たれたタイトルが12曲
   メドレー形式で続く。音響系テクノに分類してみようか。
   ミニマル風だがビートは比較的くっきり提示される。
   フロアには少し弱いか。踊った事ないからよくわかんないけど。
   面白いのが13曲目。本編が終わった後、約18分半空白が続き、
   子供の囃子声らしきものが10秒流れて、終わってしまう。
   ディスクの総時間は78分と、ギリギリまで使っているが、この空白が
   もったいないな。ボーナス・トラックを演出したいのはわかる。
   でも、どうせならめいっぱい音楽を楽しみたい。

   雑誌の記事で、不破大輔のベースをジミー・ギャリソンに例えていた。
   どんなベースかなあとネットで探してみて、彼の参加盤から
   とりあえず二枚買いました。
   
   どちらも同じセッションから振り分けられて選曲した盤です。
   1968年の録音で、2sax、b,dsのカルテット体制での演奏。
164・Ornette Coleman:New York is now:☆★
   隙間が不思議な感触のジャズ。ビートが微妙にズレていくのも
   よし。感情を殺ぎ落とし、クールなサウンドがテーマかな。

163・Ornette Coleman:Love Call:
   くねくねと癖のあるフレーズがいっぱい。なぜかスピードを
   感じられないなぁ。じわりと立ち止まって音楽にかじりついてるイメージ

   無性に王道プログレを聴いてみたくて買いました。実は聴くの初めて。
   1972年に発表された、初期ジェネシスの代表作です。
162・Genesis:Foxtrot:☆☆
   1曲目のスピード感がいいな。全体的にこじんまりとしてるのは
   時代を考えればしかたないか。よく練り上げられてます。
   切なくおっとりとしたメロディがいっぱい溢れてる。

2001年6月

01/6/24
   ライブの物販で購入。めずらしく今日は物販が多かった~。

   吉田達也(ex:ルインズ)関連の新譜。もろにジャズを演奏した一枚です。
   他のメンバーは田村夏樹(tp)、藤井郷子(p)、早川岳晴(b)。
   以前に一度ライブを見たことあります。
   このメンバーでは初のアルバムなはず。
161・藤井郷子カルテット:Vulcan☆☆☆☆
   猛烈なテンションの吉田のドラムが、すばらしくかっこいい。
   複雑な曲構造をものともせず、全員が疾走し吠えまくる。

   ライブを見てて、面白かったので買ってみました。
   3曲入りの自主制作ミニアルバムです。CD-R。
160・O-ne:おね:☆☆★
   パワフルなドラムに歯切れのいいベース。
   多重録音を駆使して、二人して作るプログレは
   骨太でコケティッシュ。フルアルバムを聴いてみたいな。

01/6/19
   ネット注文のCDが到着~。

   ゾンビーズのキーマンであるロッド・アージェントのソロユニット、
   アージェントの72年発3rdアルバム。
   当時シングルのみで発売だった曲など、ボーナストラックを7曲含んだ
   再発盤です。
159・Argent:All together now:☆★
   妙に大味なロックンロール。ポップスでもなし、ロックっていうほど
   切れ味鋭くないし。中道路線って感触。
   ぼくはとことんハードかソフトかに偏ってるほうが好き。

   先日購入したコンピに収録されていたミュージシャンが気になって、
   それぞれのフルアルバムを買ってみた。詳しい情報はありません・・・。

   セカンドアルバムらしい。フォークとトラッド風味のやさしい歌声が
   気になった。そのコンピに収録されていたのは、本盤にも入ってる
   「Carry me」。2001年のリリースです。
158・Tim Easton:The truth about us:☆☆
   アルバム全体を通して聴くと、ディランの影響をしみじみ感じる。
   アコースティック感を生かしたポップスはけっこう楽しい。
   もうちょい凄みや緊張感が音に欲しいぞ。

   イギリスのトラッド・ポップスなバンドかな。IRSレーベル盤です。
   どうやらこれがデビュー盤。オリジナルは1991年に発売され、
   2曲ボーナスをつけて、IRSから再発されたみたい。
157・Over the rhine:Till we have faces:☆★
   ほんのり透明感あるアレンジやメロディは心地よいが、
   ちとボーカルに癖あり。(7)の味わい深さがいいなぁ。

01/6/16
   ライブの物販で購入しました。
   この手のCD-R、ライブに行かないと手に入らないのが惜しい。
   
   文字通りGround Zeroの楽曲を植村がリミックス。98/1に録音。
   植村の個人レーベル、「無印」からのリリース。
156・植村昌弘:Ground Zero Remix:
   基本的にコラージュ。ダンス・ミュージック化をかたくなに
   拒否しているかのようだ。ずたずたに切り刻まれたビートを
   楽しめるかが肝。オーケストラ・ヒットみたいな音色より、
   もっと植村のドラミングをたくさん聴きたいぞ。

   MUMUのメンバー、坂本の個人レーベル「88」からの初作品。
   インターネットの掲示板の文字を音階化させ、編集・再構築した
   という謎の作品。01年発表。
155・坂元一考:BBS:
   くっきりしたメロディはなく、手癖中心に前衛的な旋律の波が
   たゆたう。このノリについていけない気分で聴くと、ちとつらい。
   3曲目のテクノ風サウンドになると、急にホッとした。
   ビート感がよりどころになって、音のメリハリがつくからだろうな。

01/6/10
   週末に携帯の機種交換へ行ってきた。せっかくだからレコ屋に寄り道・・・。

   このときこのときにライブを見た、角田亜人が参加してる
   フリージャズ・バンドがweedbeats。一度ライブを体験したいが、なかなか・・・
   まさか音源がリリースされてるとは思わなかった。偶然、ユニオンで発見。97年発売。
154・WeedBeats:WeedBeats:☆★
   フリージャズが基調かな。疾走感がいまいちでさみしい。
   パワーあってこそのフリーだと思うのですが。
   リマ哲、望月英明、菊地雅晃らがゲスト参加している。
   多層的なアレンジが"何か"を期待できるし、好みな音なんだけど。

   アメリカのバンドらしい。メンバーはドラムとベースの二人組。
   レコ屋のポップには「ルインズ・ミーツ・オーネット」とか。
   2001年リリース。さあて、どんな音かな。
153・First Reflections:Edie Sedgwick:
   初期ルインズの影響も感じられる音作り。変拍子ぽさを織り交ぜて、
   ドラムとベースのアンサンブルに気を使っているのはわかるが。
   いかんせん、疾走感があまりにもない。う~ん、いまいち。

   アケタへ行ったとき、物販で購入。リリースは00年かな。
   津村和彦がギターで参加。99年暮れに何度かアケタで行われた
   ライブ音源から、ベストテイクを選りすぐっています。
152・高橋知己カルテット:Nothing like you:☆★
   安定して聴ける暖かいジャズ。細かいコンビネーションがおもしろい。

   Men at Largeを思い出す巨漢二人組によるゴスペルアルバム。00年発表。
   プロデュース・作曲・演奏を、トニー・リッチが全面にサポート。
151・The Wordd:How U gonna live:
   トニーの傀儡みたいなサウンドだ。worddの個性って・・・。
   野太い声は、いまいち特徴がない。
   トニーのキャッチーなメロディと癖のあるリズムは、アップでは
   そこそこはまる。ただ、スローではトゥー・マッチに聴こえた。

   オルガン・ジャズを聴きたくなって、手に取った。
   ドラムにジミー・スミスってクレジットされてるけど・・・
   同姓同名の別人だろうなぁ。
   録音は1960年。オリジナルはプレスティッジからリリースされた。  
150・The Larry Young Trio:Testifying:☆☆
   オルガンが弾むグルーヴが、何より心地よい。
   リバーブたっぷりに響くドラムの切れ味もなかなか。
   テナーがムーディに吠える「Flamingo」や、ずるりと引きずる
   ビートにしびれる「Testifying」あたりの演奏が聴きもの。

01/6/2
   なんだかひさびさにCD屋へ行く気がする。

   先日ライブを見た、大友良英による新ユニットの初CD。リリースはなぜか単独名義。
   ちなみにライブ時は「大友良英ニュー・ジャズ・クインテット」と名乗っている。
   ゲストでサチコ・Mや、秋田昌美(メルツバウ)が参加。
149・大友良英:Flutter:☆☆☆★
   音響的な部分と、メロディアスな部分。フリーなところと、
   ムーディな構築美。さまざまな要素が渾然一体にからまり、
   聴けば聴くほど新しい魅力がふき出してくる。
   基本はサイン・ウエーブ。無機質に継続する電子音に
   サックスの音色が絡み合い、ふくよかに広がっていく。
   繊細なリズム隊のビートもすばらしい。

   カリフォルニア出身で幻のバンド、パパ・ドゥー・ラン・ランの
   ベスト盤。35年間の音源から、14曲がコンパイルされた。
148・Papa Doo Run Run:Archeology XXXV:☆☆
   このアルバム、ビーチ・ボーイズ好きなら一聴の価値はあるだろう。
   ハイトーンのコーラスに、くっきりメリハリのついたメロディは
   良質なポップスになっている。
   だけどいまいち聴いて馴染めない。演奏にパワーが感じられない。
   ライブバンドのはずなのに。妙にさめた感触がする。不思議だ。

   酒井俊(vo)の新譜。99年のスタジオ録音と、00年のライブ音源を
   収録。スタジオ編で鬼怒無月が、桜井芳樹とツインギターを弾いてる。
147・酒井俊:あいあむゆう:☆☆
   全編、アコースティックな音像が広がる。
   さまざまな洋楽のカバーを自分の世界に引き込んで歌う個性は
   評価できる。バックの演奏も安定してるし。なのに、いまいち
   のめりこめない。まったりした日本風味が合わないのかなぁ。

   オーストラリアのジャズが入荷していた。二枚を買ってみる。
   まずはオーソドックスなピアノトリオ。98年の録音。
146・Browne Haywood Stevens:Sudden in a shaft of sunlight:
   硬質で上品な音使い。ただ、BGMジャズにはなっていない。
   タイトに切り裂くハットの響きが音像を引き締めている。
   ベースをもうちょいアグレッシブにしたらぼくの好みだ。
   ピアノの手数は多め。ただ、フレーズ感が希薄でのめりこめない。

   ピアノトリオにサックスが乗っかった、カルテット。
   ジャケットが、すさまじく情けないイラストだ・・・。
145・The Ian Chaplin Quartet:Tjapangati:
   熱くてファンキーな演奏だと思う。だけど、プレイヤーの個性が見えない。
   96年になぜ、この録音をしたくなったのか、必然性が感じられない。
   50年代、60年代に似たようなサウンドがいっぱいレコーディングされてたろうに。
   BGMには最適。だけど、このミュージシャンのファンになりたいとは思わない。
   そんな感想が浮かんでしまう、皮肉な一枚。

   01年のスウェーデン盤。吉祥寺の某ジャズ店では馬鹿売れしてるそうな。
   テナー吹きのリーダー作を、ピアノトリオがバックアップ。
144・Karl-Martin Almqvist:Karl-Martin Almqvist:☆★
   こじんまり上品にまとまっているが、切れのいいコンボジャズを
   聴かせる。ぼくの好みではもっと泥臭いほうがいい。
   愛聴はしないけど、ふっと引っ張り出して聴きたくなるアルバムかな。

   73年発のブラジル・フォーク名盤。今まで聴いたことなくって。
143・Sivuca:Sivuca:☆☆★
   ジャケットのむさくるしさとは裏腹に(笑)さわやかな
   音作りのポップスになごめます。もうちょいクセのある音が
   好みですが・・・。ビル・ウィザースの「Ain`t no sunshine」を
   ボトムも軽く爽やかにカバーしています。

   インディ・ソウル盤を在庫処分してました。
 
   新生VOLTでの復活盤。99年発。
142・The Delfonics:Forever New:☆☆☆
   インディ落ちとはいえ、馬鹿にしたもんじゃない。
   ウイリアム・ハートのファルセットは健在。
   メイジャー・ハリスが脇でしっかり支える。
   打ち込みのバックトラックはいまいち安っぽいし、リズムも甘いけど。
   くつろいで聴ける良質な甘い雰囲気のソウルが詰まっている。
   トム・ベルが作・演奏・プロデュースで一曲のみ参加。
   その曲、「She`s the kinda girl」がベスト・トラックかな。

   アトランタの録音みたい。男性ソロ・ヴォーカル。
   作編曲・演奏・歌を全て自演と、インディにふさわしい作り方。
   こういう家内制手工業みたいなのって好き。00年くらいの盤かな。
141・Methrone:MY life:☆★
   ところどころに耳をひくアイディアはあるものの、いまいち
   決め手に欠ける。南部風のホットな雰囲気もトゥー・マッチ。
   だけど多重ボーカルながら声を使い分けるテクは気に入った。
   極低音でメロディとハモっていく(9)のアレンジが面白い。
   名バラードの(10)、いかしたミドルの(11)あたりも聴きもの。
   
   テクノを二枚。両方ともジャケットで適当に買っちゃった・・。
   体系的にまとめられた資料本ってないかなぁ。
140・μーZiq:Lunatic harness:☆☆☆
   箱庭みたいにこじんまりしてキュート。ほのかなメロディと
   ビートが絡み合う様がポップでかっこいい。
   ダンスミュージックであると同時に、サウンドとして楽しめるテクノ。

139・Electribe 101:Electribal memories:
   朗々と唄う女性voをフィーチャーした、エレクトロ・ポップ。
   無機質に刻むビートが裏目に出て、恐ろしく平板。
   いくらメロディがキャッチーでも、これではぼくの胸に響かない・・・。

01/6/1
   ネットに注文してたCDが二枚到着~♪
   
   テクノが聴きたくて買った一枚。まっしろのそっけないジャケット。
   クレジットもろくになし。なんでテクノの盤って、こういうパターンが
   おおいんだろう。ホーム・リスニングって想定してないんだろか。
138・Autechre:Autechre:☆☆☆★
   こまかなビートがつむがれて、大きなグルーヴを作り出す。
   基本的に打ち込みだと思うが、うねりをもったリズムが
   心地よく耳にまとわりつく。こういうテクノが聴きたかった。
   ミニマルでポップな感触がたまらなくいかしてる。

   水面下でじりじり作成中の、ギャラクシー500関連コンテンツのために
   情報を集める途中で知った一枚。プロデュースがディーンです。
   演奏はしてないみたい。クレジットは変名。ディーン(演奏)と
   Claudia Silver(唄)によるカバーアルバム。
   97年発売。これがセカンドになるのかな。
137・Cagney & Lacee:Six feet of chain:☆☆
   えらく淡々と演奏が進んでいく。どの曲へも
   思い入れがいまいち感じられないのが辛い。
   このクールっぷりを楽しむべきなのかな。

2001年5月

01/5/27
   今沢カゲロウのライブへ。物販でごそっと買って来ました。
  
   00年リリースの4th。過去の音楽性を凝縮したアルバムらしい。
136・今沢カゲロウ:4 PHUSION:☆☆☆★
   かなりテクノよりの音像ながら、ビートをくっきりさせたことで
   そうとう聴きやすくなっている。
   ただただやみくもに突っ走らず、緩急を効かせた構成もいい。
   電子音で音像を複雑にし、ホームリスニングでもばっちり楽しめます。

   3枚目のアルバムは、99年発売。
   98年にベルリンで行われたレイヴ・パーティのライブ盤。
135・今沢カゲロウ:PSYBASS METALOOP:☆☆☆★
   さまざまな低音が絡み合って昇華する瞬間がたまらない。
   ダンサブルなテクノビートがまず耳に残り、次に高速で
   魅力的なフレーズがたんまり飛び込んでくる。
   基本はベース一本なのに、音色を微妙に変え単調さを防ぐセンスもいい。

   2ndはベルリンでのライブ録音。いっさいオーバーダビングなしの
   6弦ベース・ソロアルバム。98年発表。
134・今沢カゲロウ:Sci-Fi Basso + live in Berlin:☆☆
   波状攻撃してくるベースに身を委ねてみよう。
   ほんのりヒステリックに感じる部分もあるけど、そこもまたいい。
   かろやかに絡み合うベースソロのビートがサイケに泳いでいく。

   97年のデビューアルバム。
   NYのニッティング・ファクトリー他でのライブを収録。
133・今沢カゲロウ:STOMUTATION + LIVE AT KNITTING FACTORY:☆☆
   かなり荒削りだけど。ディレイでループを作り、メロディを
   踊らせる、かれのスタイルは構築されている。
   ソロの途中に「太陽と戦慄」をすでに織り込んでるもんな。
   ここにないのはスタート&ストップだけ。惜しいなぁ。
   もうちょい破天荒にはじけてると、いい盤になったと思う。

01/5/23
   ネットで注文したCDが届きました~。
   仕事から帰って、家に着いたらCDが届いてる瞬間。
   これって、とっても嬉しいです。

   プログレの底なし沼の一つ(笑)ソフトマシーン。
   このバンドって、関連アルバムがめちゃくちゃ多い。
132・Soft Machine:Third:☆☆★
   緻密な構成の曲を4曲収録。なまじっかのぺっとした
   ミックスだけに聞き流してしまい、なかなかじっくり味わえなかった。
   平板な録音を何とかして欲しい。ジャズのイディオムを織り込む一方で、
   さほどグルーヴしないのは、はたして故意なのか。
   "Slightly all the time"での、ひねったメロディの響きや組み立てが好き。

   このところ気に入って、ちょこっと買っているバンドの旧譜を二枚。
   情報がいまいち集まらない。どなたかお詳しい方いらっしゃいますでしょうか。   

   クレジットがあいかわらず詳しくないなぁ、このバンドは。95年作。
131・Red house painters:Ocean beach:☆☆
   暗い雰囲気は漂ってるけど、全般的に彼らにしては明るい音。
   一番の聴き所は12分以上にわたって演奏される「Drop」かな。
   アコギの爪弾きと、ピアノのコードがそおっとかさなり、
   アンニュイな音世界が漂っていく。
   インストでメロディが踊る「Cabezon」もいい曲だなぁ。

   92年作かな。6曲入りのミニアルバムみたいだ。   
130・Red house painters:Down colorful hill:☆☆
   かなりダークで退廃的なイメージが第一印象。
   テンポもゆったり目なロックが多い。
   聴いてる内に、丁寧なアレンジからくる繊細さがにじんでくる。
   けだるさが全般に漂うが、不思議と不健康さは感じない。 

01/5/18
   新宿タワーでCDケースを買うついでに、棚をちょろっと物色しました。

   独自の6弦ベースを操る今沢の5枚目ソロ。
   聴くのは初めて。さて、どんな音かなぁ。
129・今沢カゲロウ:サイボーグ・オム:☆☆☆
   シンセやリズムボックスで彩りされたバックトラックで、
   ビートがぶんぶん踊りまくる。肉体派のテクノだ。おもしろい~。

   イギリスの二人のマニアが編集したソウル・コンピ。
   7インチ中心のレア選曲盤らしいけど。選者のポリシーで
   演奏者のクレジット無し。好奇心だけが増えていく・・・。
128・V.A:Funk Spectrum:
   全体的に小粒でエッジの甘い曲が多い。もしミュージシャンの
   名前があれば、親しみもてたかも(皮肉な話だが)。
   悪い意味で、BGM風にさらっと流してしまう。

01/5/16
   通販で注文していたCDが届いた。

   磨崖仏からリリースされている、CD-Rの第4弾は
   ついにルインズの登場!タイトルどおりの即興演奏を集めた盤。
   97年の世界各国でのライブ・インプロ音源やスタジオの
   アウトテイクなどを収録している。
127・RUINS:Improvisations☆☆☆☆
   ファン向の音源ではある。音質はまちまち。即興なのに
   構築された瞬間が多々ある。ふたりの即興センスががっぷり
   組み合ったサウンドを堪能できる一枚。

01/5/15
   ルインズのライブへ行って、物販で購入。
   あとは中国ライブのビデオも手に入れました♪うれしいなぁ。

   カエルカフェから出た、吉田達也音源集。過去の作品の
   マルチトラックから、ある1トラックのみを抜き出したという
   コアなファン向けの逸品です。

   第2弾は赤天特集。さらに吉田達也のソロアルバム、
   ソロアルバム「磨崖仏」のドラムトラックも収録。   
126・吉田達也:Drumn` Bass AKATEN:
   もろに録音素材風の出来で、連続して聴くにはちと辛い。
   さらにファン向けの音源かな。
   ソロアルバムのマルチから抜いたテイクは、音がきれいで面白かった。
   赤天のほうは、初期のds+bのテイクが楽しめる。
   さりげなくも複雑な演奏がかっこいい。

   第3弾はルインズ初期のアルバム、「INFECT」と「STONEHENGE」の
   ドラムトラックを抜き出したもの。
125・吉田達也:Material Stonhenge:☆☆
   この頃のルインズの曲は、ドラムがメロディ的な叩き方をする
   部分が随所にあるので、単体でもずいぶん楽しめる。
   ただ、今のルインズから見ると、ちょっと手数が単調かな・・・。


01/5/7
   連休中にネットで注文したCDがどどっと届いた。

   ひさびさにリリースしてくれた!
   元メン・アット・ワークのボーカル、コリン・ヘイの新譜。
124・Colin Hay:Going somewhere:☆☆☆☆
   ギターによる簡素な弾き語りアルバム。
   そのぶん、コリン節を堪能できる。彼の喉は、かわらずニュアンスたっぷり。
   胸にじんっと歌声が染み込んでくる。
   1曲、ライブ版を収録。クレジットないけど、いつの音源だろう。

   準備中のギャラクシー500ページに備えて、
   もってないルナのEPを買ってみた。
   他以外にもシングルいっぱい出てるけど、手に入んないんだよなぁ。
   
   99年にリリース。3曲入りのEP。
123・Luna:Superfreaky memories:☆★
   「The Days Of Our Nights」からの第1弾シングル。
   タイトル曲以外が、アルバム未収録曲。四つで淡々と入る刻みと、
   あっけらかんとヘロったお気楽さが同居したシングル。

   こちらは4曲入り。発売は95年。
122・Luna:Bonnie and Clyde/Chinatown:☆★
   けだるい雰囲気な曲を、アレンジを変えて聞かせる。
   ダンディな「ボニーver」と、チェロの音色でいくぶん
   希望を感じさせる「クライドver」。ぼくは後者のほうが好き。
   全般的に地味目なシングルかな。

   なんか気になるバンド、デイブ・マシューズ・バンドが
   97年に発表した、2枚組のライブアルバム。
121・Dave Matthews Band:Live at Red Rocks 8.15.95:☆★
   タイトだけど、どこか大味。もうちょい聴き込んで、ジャムの
   個性がきっちりわかったら、この盤への評価が変わるだろう。

   このバンド、もうちょっとつっこんで聴いてみたくなりました。
   最新盤です。2001年のリリース。
120・Red House Painters:Old Ramon:☆☆
   10曲で71分。たっぷり時間を1曲に確保して、重たくしっとりと
   サウンドを紡いでいく。でも沈鬱さはない。
   ほんのりフォーク風味が盛り込まれている。こんなサウンドが
   サンフランシスコで録音されてるなんて、なんだか面白い。
   録音は98年でリリースが01年。契約でもめたのかなぁ。

   このミュージシャンも、どこか気になる音作りをしています。
   96年発売。セカンドアルバムかな。
119・East River Pipe:Mel:☆☆★
   透き通ったギターが印象的な甘いメロディのポップス。
   シンプルなアレンジを基調としてるが、一筋縄では行かないところも。
   さわやかだけどけだるい朝・・・そんな雰囲気にぴったり似合う。

01/5/5
   ライブへ行く前に、ちょこっと買ってきました。

   「ラジオのように」収録。バックはアート・アンサンブル・オブ・シカゴです。
   1992年の盤。もっともっと、古い盤かと思ってた・・・。
   今回購入の日本盤は、ボーナスが二曲収録されている。
118・Brigitte Fontane:comme a la radio:☆☆★
   退廃的な匂いがぷんぷん漂うジャズ。かといって、後ろ向きじゃない。
   フリージャズを基調としたロマンティックな雰囲気が漂う。
   メロディがかなり落ち着いてるから、こんな感想になるのかな。
   フェダインでおなじみの「ラジオのように」は、ムードある名曲です。

01/5/02
   灰野敬二の展覧会を見た帰り、吉祥寺をぶらついていて発見しました。
   
   PSFからでた、ソロ十部作のうち、2枚を購入。
117・三上寛:7月の英傑:☆☆
   とつとつと日本的な唄が続いていく。どの唄も同じように聴こえ、
   どれも違う。基本的にはエレキの弾き語りなのに。
   この説得力は本当にすごい。「thirteen」が気に入った。

116・三上寛:峠の商人:☆★
   エレキギター一本の弾き語り。ちょっと力任せかな。
   いったんライブを見ると、レコードでは物足りなくなるのかも。

2001年4月

01/4/28
   人ごみを掻き分けて、渋谷へ。
   何であの街、いっつもあんなに混んでるんだろう。

   せっかく渋谷へ行ったので、前から欲しかった盤を購入。
   東京でマイルスを再現したバンドの、自主制作盤。
115・東京ザヴィヌルバッハ:ライブ・イン・東京:☆☆☆★
   音像は70年代のファンクなマイルス。このサウンドを
   個性と模倣のどちらにとるかで、評価ががらっと変わる盤だろう。
   僕は個性と取った。打ち込みビートで強引に引きずり
   まわすビートと、舞い上がったままちっとも降りてこないペットの
   切れ味がいいぞ。

   クレイマーがらみバンドの旧作です。

   98年リリース。ニッティングからの盤だけど、
   クレイマーは不参加。残念。
114・King Missile Ⅲ:Failure:
   基本的に全てポエトリー・リーディング。
   ストリングスをメインにしたバックトラックは、工夫は感じられるものの。
   歌詞がわからないぼくが聴くには、さすがに退屈。

   99年リリース。今度はきっちり、クレイマーのプロデュース。
   なぜかノイズ・ニューヨークでの録音。
113・King Missile:Mystical Shit & Fluting on the Hump:☆☆★
   ジョン・ホール以外はメンバーが異なる1stと3rdを合わせたアルバム。
   基本はジョンの詩の朗読ながら、双方とも違うアプローチなのがユニークだ。
   前半に収められた3rdはポップさを狙いアレンジに凝り、前半の1stはカントリーっぽい
   ローファイな垂れ流しの感あり。しかしどちらも通底するメロディアスさが
   サイケな親しみやすさを産んだ。
 
   彼らのサード・アルバムが、リマスターと紙ジャケで新装開店した。
   アナログ初回プレスにのみ同梱のシングル音源をボーナス収録。
112・XTC:Drums and Wires:☆☆★
   後年の作りこんだ作品にはない、疾走感と危なっかしさが新鮮。
   ドラムの音はさすがに時代を感じる。
   パンキッシュなXTCの傑作。「シザー・マン」がかっこいいな。

   以前MM誌でジャムロックバンドとして取り上げられていた一枚。
   さんざんぱら探したのに、あっさり見つけた。98年にNYで行われた
   ライブを収録した二枚組。
111・Deep Banana Blackout:Rowdy Duty:☆☆★
   ファンキーな味わいたっぷりで攻めるロックバンド。
   Pファンクのようないかがわしさはなく、はねるビートでグルーヴを
   つくりだす。ビール飲みながらライブ聴いてたら楽しいだろうな。

   ウータンの最新シングル。
   この手のやつは、あふれる別バージョンに食傷しがちだけど。
   さぁて、この盤はいかに。
110・Wu-Tang Clan:Careful(Click,Click):
   曲がいまいち好みと合わないので、楽しみづらいシングル。
   結局アルバム・トラックがシンプルで一番よかった。

   これは前から聴いてみたかった一枚。めでたく世界初CD化された。
   テディ・ランダッツォが全面協力した、黒人女性コーラスグループです。
109・The Royalettes:The Elegant Sound of the Royalettes:☆☆☆☆★
   可憐で鮮烈で優雅なポップス。テディ・ランダッツォ独特の
   華やかなソフト・ロックがたんまり聴ける。
   ロイヤレッツは単なるボーカルで、ロイヤレッツである必然なんてどこにもない。
   だからこそ彼女達は単独で語られないんだろう。
   そしてバカラックと違って、ランダッツォがさほど評価されぬのも
   アレンジ込みで成立する音楽だからでは。
   きらびやかなストリングスやハープがあってこそ、この音楽は映える。
   ピアノ一台で楽しめても、たぶんここまで魅力は無い。
   もっともこれはややこしいことを考えず、シンプルに楽しむ盤。
   16曲、たんまりと。極上のポップスです。

   来日を控えたバンドのセカンド。実は聴くの初めてです。
   インプロロックバンドだそう。
108・Mogwai:Come on die young:☆★
   予想していたより、かなり静かなアルバム。豪音を想像してただけに、
   拍子抜けしてしまった。ミニマルに淡々と進む。
   メロディはあってなきがごとし。ふわふわと浮かんでは消える不思議な音楽。

   日本の五人組ジャズバンド。ストリート系らしい。
   メンツは見慣れないけど、いくつくらいの人たちなのかなぁ。
107・Pez:Pez:☆★
   スピード感はいい。ソロの譜割りパターンが単調かな。
   あまりにも真正面からビ・バップに向き合い、毒がなさすぎ。
   ソロに個性が出てきたら、化けると思う。

01/4/25
   ネットで注文したCDがとどいた。わぁい。

   元フェダインの川下直広による自主制作アルバムを2枚。

   00/11/21に博多ニューコンボで行われたライブを収録。
   共演は不破大輔(b)と奥村和彦(p)です。
   選曲は全部スタンダード・・・かな?
106・川下直広:いぱねま:☆☆★
   スタンダードオンリーの選曲は、退屈になりがちだけど。
   フリーキーに叫ぶ川下のサックスと、ツボを押さえた不破のベースで、
   生き生きとしたジャズになっている。
   奥村のピアノは、よく鳴るオーソドックスなもの。
   もうちょい破綻した演奏だと、さらにぼくの好みなんだけどな。

   こちらは川下によるソロ・サックス・ライブ。
   演奏は01/4/16の博多ニューコンボにて。
   選曲はスタンダード中心。オリジナルをいっぱい聴きたいな。
105・川下直広:Solitaire☆☆☆
   生々しいサックスが吹きまくられて、さまざまなメロディの奔流に
   うっとりする。大きな音で聴いてると、まさに目の前で本人が
   吹いてるみたい。怒涛のサックス・ソロ。

   渋さ知らズの自主制作レーベル作品です。こっちも2枚購入しました。
   
   89~96年に不破が自宅で4ch録音した音源を多数収録している。
   以前、地底レコードからカセットで発売されたことがあるらしい。
104・不破大輔:劇音dijest:☆☆
   今回も前作同様デモテープ集な趣。そのサウンドがぴったり
   はまるものもある。その瞬間がおもしろい。
   テクノ風な(11)や、ベースがずしんと響く(15)あたりが好みの音だ。
   曲によっては、かなり長く収録されてるのもポイント高い。

   98年の年末渋さ音源を、観客間でばら撒こう・・・の主旨で
   99年に発表された音源。これ、聴いてみたかった~。
103・渋さ知らズ:付幸?のCD:☆☆☆☆
   冒頭の「梅六個」から、いきなり渋さの音世界に持っていかれる。
   アッパーな渋さの演奏がぎっしり。ラフな録音・編集だけど、
   細かいことを気にしないで楽しめる。めいっぱいでかい音こそベスト。
   「ライディーン」や「本田工務店」の切れが最高にいかしてる。

01/4/21
   今週もCD屋へ。今日はノイズ物が多いかな。

   2年ぶりの新作。今回は日本先行発売らしい。
   本盤もOkehレーベル印で、いなたくきめている。
102・G.Love & Special Sauce:Electroic Mils:☆☆★
   硬質な肌触りのブルーズ・ロックは健在。
   ちょっとメロディが弱いかな。
   勢い一発でつっぱしる曲ももうちょい聴きたかった。

   96年の映画のサントラ。ルナを目当てに買ってみた。
   新旧のミュージシャンが曲提供している。
   書き下ろしはWILCOやPavementといったところかな。
101・V.A:I Shot Andy Warhol:☆★
   ニューヨークのサイケがテーマかな。鉄から削りだしたような
   耳ざわりの曲が多い。テーマソングの、ジョン・ケイルによるストリングスの
   インストは、階段のように一歩一歩メロディを踏みしめあがっていく。

   中古で安かったから買ってみました。
   Wトリオのインスト集になるのかな。96年作。
100・King Crimson:THRaKaTTaK:☆★
   ソロ回しのインプロではなく、メンバー全員が探りあいながら
   曲を作っていく。各人のイメージする音像の核を取り巻き、
   磨きあっているようだ。そのため、盛り上がるまでかなり時間が
   かかってしまう。聴いていても、のめりこむまでに時間が必要だ。

   (85)でも買った、コーラスグループによる新作。
   店のポップによれば、ハーモニーをメインにした
   ミドル~バラード集だそうな。  
99・AOC:Absence of color:☆★
   ミドルテンポの曲が印象に残る。えらく下世話でポップな
   メロディがどかどか流れてきた。終盤のアップテンポ曲は
   けっこういい曲。アイドルが歌ってもはまりそうだ。

   96年発表の作品。録音は94年にZSFで行われた。
   コロンビア大学で95年に行われたライブを、ボーナスで収録。
98・Merzbow:Bastard Noise:☆★
   基本的には電子ノイズ。短めの曲のひとつひとつが個性あり。
   さまざまな音色が使用され、時にはポップに聴こえたりもした。

   劇団ロマンチカの舞台「悪徳の栄え・美徳の不幸」用の音源を収録。
   録音は96年。リリースは97年だ。
   なぜかメルツバウ名義でなく、秋田昌美名義で発表された。
97・Masami Akita:Electro-Music for Romantica:☆★
   芝居のBGMのためか、静かなドローンが中心。
   音単体の自己主張は控えめな為、単体で聴くにはシンプルすぎる。
   メルツバウ入門偏には、ある意味最適かも。
   ヌケのいいアレンジの短いノイズが18曲、ぎっしりつまっている。

   ゼニゲバのK・K・NULLによるソロアルバム。  
   共演はジム・オルークなど。95年の発売かな。
96・K・K・Null:Guitar Organism:☆☆☆★
   全編これギター・ノイズ!なのに不思議とまったりする。
   まさに秀逸なタイトルだ。どの曲もおもしろいが、
   フレッド・フリスと30分近くに渡ってノイズの対話を続ける
   (2)がベストテイク。ノイズがドローンのように覆いつくす、
   オルークとの(6)もいい。

01/4/14

   ひさびさにレコ屋をまわって、がんがん買ってきちゃいました。
   他にも聞きたいけど買うのをがまんした音源多数。
   ああ、好奇心は果てしない・・・。

   これ、前から欲しかった!
   中身はルインズ。「ヴレスト」と「パラシュトム」の
   マルチ音源からドラムとベースを抜いたしろもの。
   かざりっけのない、生のルインズがどどどっと迫ってきます。
95・吉田達也:Stony blue☆☆☆☆
   きっぱりファン向けの音源。なまなましい演奏の羅列は、
   レコーディング風景を覗き見してるようで、ぞくぞくしてくる。
   吉田のドラムがタイトにきめ、佐々木のベースがグルーヴ感を作ってるんだ。
   本盤を聴いて、いまさらながら実感。
   クレジットの数箇所は疑問あり。明らかなミスプリもあり。うむむ。

   コステロの最新作かな?ぱっと店頭で見つけて慌てて購入。
   今回はAnne Sofieなる女性とのデュエット作。
   かなりクラシック風味。選曲は面白いけど。
94・Anne Sofie Von Otter meets Elvis Costello:For the stars:☆☆☆★
   ベルカント唱法で朗々と歌われなくてほっとしたけど、
   およそ引っかかりのない声が玉に傷。いまいち物足りない。
   選曲はいいのにな。ビーチボーイズやポールのカバーや、そしてもちろん
   コステロの新曲も。聴き所が多い割に、馴染みにくいアルバム。

   イギリス発のバングラ・クラブミュージック。
   輸入盤だとジャケットが違うんだ。
93・Talvin singh:Ha:
   アジアン・テイストのおとなしいハウス。まさにチル向け。
   もうすこしメリハリがあるほうが、ぼくの好みかな。
   ふんわりと音が滑り、流れていく。

   ウータン関係を2枚。果てしなくリリースされるなあ。

   ソロ二周目は、カパドンナで締めた。
   プロデューサーはNeonec(経歴不明)って名前が目立つ。
   ゲストはゴーストフェイスにレイクォンにシャイヒームほか。
   ジャーメンイン・デュプリも参加している。
92・Cappadonna:The yin and the yang:☆★
   バラエティに富んだ曲が並んでいる。
   ウータンの胡散臭さがほとんどないトラックまであり。
   全11曲で50分足らずのボリュームの少なさがものたりない。
   ジャーメイン・デュプリがプロデュースした曲は、異様に軽くて
   おもしろい。こういうボトムが軽いラップって、普段聞かないからなぁ。

   RZAプロデュースのオムニバス・・・かな?
   ウータン二軍連中の作品みたい。なんとオル・ダーティが参加。
   復帰したのかな。その他、メソッド・マンもゲスト出演。
91・Papa Wu:Visions of the tenth chamber:☆☆☆★
   二軍だと馬鹿にしたもんじゃない。かなり楽しめた。
   あまりウータンっぽくないトラックがあるのはご愛嬌。
   この調子で、がしがし分裂と拡散をしてって欲しいな。

   ゾーンの最新作。落ち着いたインストです。
   マサダのメンバーや、マーク・リボーらが参加。
90・John Zorn:The gift:
   ダークでトロピカルなインスト集。いまいちゾーンのねらいが
   わからず、聴いててとまどうことしきり。メンバーは豪華だけど
   ソロがほとんどないのはさみしい。淡々とリズムキープしていく。
   BGMとして考えたほうがいいのかな。ちょっとツラい作品。

   シミー関係を何枚か。いや~、いまさらこういうのが
   中古盤で手に入るとは。

   ドン・フレミングやクレイマーがやってたバンドの2nd。
   こんなもんが中古で安く手に入るなんて。90年の盤。
   見つけた瞬間、手が震えました(笑)
89・B.A.L.L:Four:☆☆★
   基本は3ピースのパンクバンド。だけど手の込んだ
   サイケ・アレンジで音像がぐいぐい刺激的になっている。
   一番気に入ったのは「Ball」4部作のインスト。
   あと、「Bastard baby boy」もいい曲だなぁ。

   クレイマーがプロデュースの大所帯バンド。
   シミーから本盤以外にも、さらに一枚リリースしている。
   録音年月日が見つからないけど、何年のアルバムかなあ。
88・When people were shorter & Lived near the water:Bobby:☆★
   シアトリカルなパンクがベースかな。メロディがぼやけて
   いまいちのめり込めない。アコーディオンなどを使って目先を
   変えたアレンジにできるのがこのバンドの強み。
   クレイマーはアルバム後半のプロデュースと、ベースで参加。
   とっちらかったパワーでアコギをひきながら歌う、
   "Glad She`s Woman"をけっこう気にいった。

   クレイマーとはゆかりの深いキングミサイルを2枚入手。
   91年の盤。クレイマーは参加していないようだ。無念。
87・King missile:The way to salution:
   ポエトリー・リーディング一辺倒ではなく、メロディある曲も多い。
   伴奏とVoのタイム感に温度差を感じてしまうのがつらい。
   ギターの切れはいいのにな。
   ただし、朗読+ロックの融合として、けっこう高レベルの盤だと思う。

   こっちはクレイマーがプロデュース。92年のリリース。
86・King missile:Happy hour:☆☆
   ジョン・ホールが主導権を取ってるけど、
   メロディとポエトリー・リーディングが絶妙のバランスになっている。
   ぼくはメロディタイプのほうが好き。「(Why are we )trapped?」がいいな。

   インディのソウルグループ。94年発売。
   店のポップによれば、静かに大ヒットしてたそうな。
85・AOC:We n da houze:☆★
   ラップを盛り込んではいるものの、妙に中途半端な気が
   するアルバム。もうすこしメロディに魅力があるといいのに。
   ミドルテンポの「Let Dat GO」がけっこうかっこいい。

   雑誌で絶賛してたレコード。ためしに買ってみました。
   いろんな要素の音楽が詰まってるみたいだけど、
   あえてくくるならソウルかな。セカンド・アルバムになるはず。
84・Olu Dara:Neighborhoods:☆☆☆★
   基本はブルーズ。演奏も音色も、すっごく粘りがある。
   顎に力を入れて、噛み締めるほどに味がしみだしてくる
   とびきりのソウル・ミュージック。もうちょっと疾走感があったら
   ベスト・アルバムとして☆5つだったろうな。

   ひさびさのシングルです。もっと活動して欲しいなあ。
83・岡村靖之:マシュマロ・ハネムーン(single):☆☆
   弾む音色は気持ちいいけど、腰に来ない。昔みたいな
   ドライブ感はもう出せないのか、出さないのか。さあどっちだ。
   唄の後に延々と演奏トラックを残す、怒涛のアレンジは健在♪
   3バージョン続く構成は、ちょい辛い。もっと爆発ミックスが聞きたかった。

   ちょっとマイナーなバンドを数枚。
  
   アルビニのプロデュース作品。
   3コンボのロックバンドです。4枚目・・・かな?
82・Low:Secret name:☆☆☆
   静かな、静かなロック。
   「Don`t understand」での、低く重く打ち鳴らされるビートがいいなあ。
   派手なアレンジは使ってない。なによりもアルバム全体を覆う
   統一したテンションが、とても魅力的だ。

   けっこう何枚もアルバムリリースしてるんだ。知らなかった。
   「Red house painters」(92年)しか聴いたことなかった。
   92年に発売された、4AD印のちょっとダークなポップス。
81・Red house painters:Red house painters:☆☆
   完成度は高い。腰を据えて透明感あるダンディな美意識を
   じっくり作り上げた。メロディも聞かせる。あとはこの美意識へ
   共感できるかどうか。出来はいいと思うがいまいち馴染めなかった。
   自分の音世界へ引きずり込むパワーがなく一人上手に
   聴こえた。すごくうまいのにな。

   本バンドの4作目にあたるらしい。発売は99年。
   94年の「Poor fricky」は、けっこう好きなアルバムだった。
   またしてもクレジットがろくになくて、正体不明だ。
   ひょっとしたらワンマンユニットかな。
80・East river pipe:The Gasoline age:☆☆☆
   甘くしっとり落ち着いたポップスがいっぱい。
   そのわりに大人っぽい感じはしない。深く潜るイメージ。
   リバーブたっぷりな音像に、とにかく惹かれる。

01/4/10

   ひさびさのGbV新作アルバム。
   今回は真正面にスタジオで作りこんだ作品になる。
79・Guided by voices:Isolation drills☆☆☆★
   丁寧なつくりのロックンロールが満載。
   曲も粒ぞろいで、安心して聴けます。
   この安定感がGbVに似合うかは別だけど。
   ぐいぐい進歩するロバートの作曲力を堪能するには最適な一枚。

   デイブ・マシューズ・バンドの旧作を三作入手した。
   アメリカを代表するライブバンドらしいです。
 
   96年リリースのメジャーでは二作目のスタジオ盤。
   全米で800万枚売れたとか。
78・Dave Matthews Band:crush:☆★
   スティーブ・リリィホワイト特有のずしんと響くドラムが炸裂。
   曲にはまると、たまらない爽快感を味わえる。
   んで、ぼくは「Lie in our graves」にはまっちゃった。

   98年発表。「crush」に続く、スタジオ作。   
77・Dave Matthews Band:Before these crowded streets:☆☆★
   濃密に音を詰め込んで、ぐいぐい押してくる。
   かなり練ったアレンジだから、押し付けがましくはない。
   この演奏を「スケール大きい」と「大味」のどちらに取るかで、評価が決まる。
   ちなみにぼくは、後者のほうだけど・・・。それでも、「おおっ」と耳を
   そばだてる瞬間がいくつもある。

   99年11月9日のライブを収録(テレビ用音源らしい)。99年作。
76・Dave Matthews Band:Listener Supported:☆☆★
   大まかな印象があって、一気に聴きとおすのはちと辛い。
   しかし、ちょっと心が疲れたときだとワイルドなのに
   やさしく耳にメロディがしみ込んできます。
   アレンジはそれほどトリッキーなところなし。
   もうちょいソロが長いほうがいいな。

2001年3月

01/3/28

   通販で頼んでたCDが到着しました。

   ネットで見かけたインディ盤。店頭販売は無しだとか。
   メンバーは新居昭乃、丸尾めぐみ、れいち、藤井珠緒、上野洋子。
   全8曲。30分あまりのミニアルバム形式による、デビュー盤。
75・Marsh-Mellow:marsh-mellow:☆☆☆★
   童謡のように暖かい耳ざわりのポップス。
   重なり合うハーモニーが、とにかく気持ちいい。
   ほんのりなごみたいときに、ぴったり寄り添ってくれる音楽だ。

   Lunaの新譜がでた。99年12月のライブと、00年7月のライブから
   収録。なんと、エンジニアとしてにクレイマーが参加している。
74・Luna:Live:☆☆☆
   曲間のちょっとした会話も盛り込み、生々しいライブの時間を切り取った好盤。
   演奏が荒いところもあるけれど、なかなか見られない彼らのステージを
   空想するにはぴったりな編集だ。

   Lunaが93年に出したEP。ビートハプニング・VUなどのカバーや、
   デモテープなどを収録した、レアトラック盤のようだ。
73・Luna:Slide(EP):☆★
   充実した曲群がたのしいEP。各種カバーをオリジナルと
   聴き比べても楽しめるのでは。
   残念ながら、ぼくはあんまり詳しくないんだけど・・・。
   ところどころで自己主張するギターソロが面白い。

   こないだ新譜が出たデイヴ・マシューズ・バンド。
   旧譜も聴きたくて一枚買ってみた。
   これは99年に出た、デイブとティム・レイノルズがアコギ2本で
   ツアーをした際の、2枚組のライブ盤。
72・Dave Matthews/Tim Reynolds:Live at Luther College:☆☆☆☆
   アコギ二本(一本はエフェクトかけてるけど)で
   浮遊感のあるサイケ・ロックをさりげなくきめる。
   飾り気のないアレンジだけに、曲の表情が似ちゃうのが玉に傷。
   しかし、このアコギのテクニックがすごい!疾走感がたまりません。

01/3/21

   うまいこと仕事がハネたので、いそいそとタワーへ。
   もっちろん、「All about Niagara」も手に入れました。

   21世紀バージョンということで、リマスター盤。
   オマケに「Sing along~」もカップリング。
   もっとも、感想は・・・うむう(3/21の日記を参照ください)
71・大滝詠一:A Long V・A・C・A・T・I・O・N:☆☆☆★
   曲はまったく文句なし!大滝のすみずみまで目配り効いた
   ポップスの海にどっぷり浸かれます。
   やはりカラオケはいらん。曲によって、音質のブレがあるような・・・。
   でも「カレン」はほんまもんのオケっぽくて最高!

   エディ・リーダーの最新アルバム「シンプル・ソウル」からの
   カップリング。3曲のアルバム未収録音源を所収。
70・Eddi Reader:The girl who fell in love with the moon:☆☆
   耳をわしづかみにする派手な曲こそないが、落ち着いた
   演奏が収められている。ちょっと小粒だが、安心して聴ける一枚。

   ドイツのソウル・・・かな?黒人男性ソロのデビュー盤らしい。
   ドイツ、スイス、オーストラリアで100万枚売れているとか。
69・Xavier Naidoo:Night von dieser welt:
   重たいテクノビートは、クールというよりダーク。
   いまいち音に救いがない。低音を響かせた歌声はそれなりのでき。
   メロディに魅力が欠けるせいかな。(9)はマシな出来。
   一番素直に聞けたのは、ラストの(14)。
   ピアノをバックに熱っぽく歌う姿が心地よい。

01/3/17
   ひさびさにCD屋へ。ジャケ買いはせず、欲しいものを買うだけ。
   なんかつまんない・・・。知らない音楽を買うのが楽しいのに。
   「これ、どんな音かなぁ」って想像するのが面白いのに。
   かなりCDをチェックする勘が、にぶっているのを実感した。
  
   渋さ知らズのダンドリスト、不破のソロ。個人名義は初めてらしい。
   中身は基本的にFIKT。ここに渋さの面々が彩りをつける感じかな。
   フリージャズと、テーマをフェイクするジャズが半々くらい。
   以前ライブで聴いて、メロディを気にいったブルーズが収録されてうれしい。
   (ローランド・カークの「Lady`s Blues」でした)
68・不破大輔:28:☆☆☆
   FIKTのフリーさがメインだが、"Lady`s Blues"や"Orefu Negro"では
   味のあるメロディも。真っ黒なジャケットが象徴するように、
   しっとりさに焦点が絞られたジャズを聴かせた。
   不破のベースは落ち着いて、後ろからそっとサウンドを支える。

   あの名盤がリマスターにボーナストラック付でリイシューされた。
   別ミックスやライブテイクを詰め込んだだけなので、完全にマニア向け。
   しかしマニア向けなら、セッション・テイクも入れて欲しかったな。
67・Marvin gaye:What`s going on:☆☆☆
   まず、このアルバムそのものは☆5つ。最高得点与えるのに
   なんら迷いはない。ただ、この再発はいただけない。
   本盤を親しむには向いてない。同じ曲が何度も出てきて飽きる。
   リマスター後の音は、素直に迫力倍増。しかもJJがでかくミックスされて
   いるのは好ポイント。メロディアスな低音を堪能できる。

   イギリスの退廃ポップバンド、ディヴァイン・コメディの新作。
   日本先行発売で、ボーナストラック付だ。
   今度はナイジェル・ゴッドリッチを迎え、かなりイメチェンしている。
66・The Divine Comedy:Regeneration:
   メロディはきれいだと思うが、あまりにもトゥー・マッチな
   サウンドに仕上がっている。デカダン気分がぷんぷん。
   もうちょいがさっとした耳触りの方が好きだなぁ。  

   アメリカでは大人気だそうな。変拍子のアコースティックなロックで、
   北米ではライブの動員がすさまじいとか。
   いっぺん聴いてみたかったが、「聴きやすくなった」って雑誌の
   レビューに書いてあるのが気になる。聴きにくいほうが面白いのに。
65・Dave Matthews Band:Everyday:☆☆
   アコギを全面に出したアレンジのせいか、妙に不安感がある。
   全体にシンプルなロックで、味わいはあっさり。ライブバンドだし
   最低限としてライブ盤を聴かなきゃ魅力がわからないかな?
   「I did it」と「Sleep to dream her」が気に入った。

   ここのところ、マニアックな音源ばかりが目立つトッド。
   日本独占販売による、旧作レアテイク発掘音源シリーズの2枚組な新作だ。
   70年代後半のソロと、ユートピアのデモを収録した1枚目に、
   過去お蔵入りになった2枚の2on1が2枚目。
64・Todd Rundgren:Demos and lost albums:
   全般的にマニア向けなアルバム。デモはカセットコピーで
   音質もラフだし、音源的にはオフィシャルの間違い探しみたいだ。
   未発表アルバムは、両方ともかなり大味。
   インストアルバムは期待したけど、しょぼいディスコのリズムが切ない。

   レコード屋のポップを見ていて気になり購入。
   豪音ノイズではなく、ボリスがアンビエントに挑戦したらしい。
63・BORIS:flood:☆☆☆☆
   ミニマルで静かなノイズ。豪音はリバーブの海に沈む。
   (2)で聴けるギター・ソロがめちゃくちゃいかす。
   ノイズでアンビエント。矛盾したふたつの要素を見事に合体。
   小さい音で聴いても、豪音で聴いてもわくわくする好盤です。

   ROVOを聴いてみたかった。
   吉祥寺タワーに並んでた盤を、ごそっとわしづかみ。
62・ROVO:PICO!:☆☆
   二曲のモチーフをそれぞれ別バージョンに変奏させた、計4曲入り。
   小さ目の音で聴いていると、たまらなく切なくなる。
   音の流れに、ついつい気持ちが持っていかれそう。

   3インチシングルのおまけがついた、98年発表のアルバム。
61・ROVO:IMAGO:☆☆★
   7~8分の曲が中心。短すぎず、ものたりなくといったところか。
   ほんのりポップな断片を積み重ねて、次第に高まっていくのが快感。
   このトランス・サウンドを人力でやるところがROVOの個性なんだろうな。

   40分一本勝負でぶちかました、00年リリース。
60・ROVO:PYRAMID:☆☆☆★
   一曲一本勝負のせいか、まっこうからROVOの音世界に向き合える。
   メンバーの顔ぶれにしては演奏が静かだ。とてもタイト。
   まるで機械演奏を聴いてるみたい。でも、最後の10分間で
   すさまじく盛り上がる。このカタルシスが最高だ。

   アルタード・ステイツを二枚。
   まずはゴッド・マウンテン盤。94年リリース。
   ゲストが豪華です。勝井祐二、坂本弘道、さがゆき、広瀬淳二、
   巻上公一などなど・・・。
59・アルタード・ステイツ:MOSAIC:☆☆☆☆
   きっちりした曲構成と、インプロが見事に融合。
   多彩なゲストとがっぷリ組んだ金属製のインストが、とにかくすばらしい。
   圧巻はオーラス。ゲストの演奏を片っ端からぶち込んだ、
   30分近くある堂々たる大作が最高です。

   96年の発表。94/9/15にマンダラ2で行われたライブを収録。
   ゲストにネッド・ローゼンバーグ(sax,cl)を迎えた、全編インプロ作。
58・アルタード・ステイツ:Cafe 9.15:☆★
   各種楽器ががっぷりかみ合った瞬間はスリリングだ。
   だけどこれ、生で聴きたかったなぁ。音だけだと
   空気感が伝わって来づらい。シャープな芳垣のドラミングを
   軸にして、ネッドの鋭いサックスと内橋のギターが暴れ倒す。
   ナスノのベースはじっくりうねる感じ。

   レコ屋のポップで大絶賛されてたので買ってみました。
   河端一、津山篤などが参加した、大所帯サイケバンドらしい。
57・アシッド・マザーズ・テンプル&ザ・メルティング・パライソ・U.F.O:パタフィジカル・フリーク・アウト・MU◎:☆☆☆
   もこもこいう音でサイケな雰囲気を醸し出す。
   演奏はテクニックより、勢いで盛り上げるほうが多いかな。
   レイドバックとリラックスが交互に現れる音像はおもしろい。
   聴いててもわんと頭の中が膨れ上がってきます。

   決算処分の半額セール棚をあさってたら、こんなのがありました。
   灰野敬二+三上寛+石塚俊明による跋折羅のデビュー盤かな。
56・跋折羅:東日流:☆☆★
   灰野の荒れ狂うエレキギターに、まっこうから立ち向かう三上の
   存在感がすごい。民謡ともわらべうたとも和歌ともつかぬ
   三上の歌は、ノイズとしっぽり溶け合っていく。

   アケタでなんどか彼のサックスを聞いたことがある。
   ぶっとくて心地よかったので、このソロ作も買ってみた。
   参加メンバーは加藤崇之、是安則克など。
55・榎本秀一カルテット:マラム・サヤ:☆☆
   尺八やフルートのかすれた音色が、グルーヴに不安感と
   浮遊感を盛り込ませている。一体となった音像が心地よい。

2001年2月

00/2/23
   注文してたCDが到着。あああ、聴く時間が欲しいです。

   こないだライブを見損ねたバンドの、たぶん唯一のメジャーCD作品。
   メンバーが豪華です。山本精一、phew、大友良英、植村昌弘・・・。
   ゲストで勝井祐二らが参加してます。96年発。   
54・NOVO TONO:Panorama Paradise:
   全体的に、小さくまとまってしまっている。
   いろいろ技の詰まったプログレだけど、ぼくはもっと
   破天荒なパワーがあるほうが好きだなあ。

   98年リリース。北欧の歌姫による4枚目かな。
53・Stena Nordenstam:People are strange:☆★
   ひしゃげた音が魅力的な、ダーク・サイケポップ。
   静かに崩れ落ちていくようだ。個々の曲に、もうちょい個性が欲しかった。
   ざっと流して聴いてると、まるでメドレーみたいに感じる。
   といいつつ、これはカバーソング集らしいけど。

01/2/20
   磨涯仏に注文していたCDが到着しました。

   97/8/10にマンダラ2で行われたライブ録音を収録。
   吉田達也の他に勝井祐二。原田仁、三橋美香子、高橋妖怪が参加。
   このバンドで音源化されたのは、95年発表のカセット(未聴)と、
   「MAGAIBUTSU SAMOLER vol.2」(97年)に、1曲収録されてるだけ。
   前からぜひ、聴いてみたかった。
   最近はこのユニットでライブやってないから、なおさら貴重です。
   CD-Rでのリリース。
52・大山脈X:組曲大山脈:☆☆☆★
   全10曲収録。ただし、メドレー形式。
   40分一本勝負のライブ音源を、たぶん丸ごと収録。
   ドラマティックに盛り上げるリズム隊へ、混沌としたフレーズを
   雲のようにまとわりつかせるバイオリンとボーカル。
   どっしりした味わいで、音の登山を楽しめる。

   94年にカセットでリリースされた、吉田達也のソロ作品、
   「piano works」をCD-R化。
   ボーナスとして96/3/2にショーボートで行われた
   ピアノソロ・ライブを収録。
51・吉田達也:piano works:☆★
   ファン向の作品。なまじメロディがあるだけに、インプロが
   遊び弾きに聴こえてしまう。ライブテイクは、緊張感が漂う。
   しかしこれも、やはり音だけでは辛い。

01/2/13
   ネットで注文していたCDがまたしても到着。うれしいぞ。
   でも・・・どんどん未聴盤が貯まってくなあ。気を入れて聴かなければ。

   まずはカリフォルニアで発売された、日本のインディーズ・コンピ。
   選曲はK・K・Null。97年の盤らしい。
   僕の目当てはルインズ。ベーシストが増田隆一の頃だ。
   その他の参加はコンパス・グリンダーズ、アバランシェ、ファンハウスなど。
   よく知らないや。聞いたことがあるのはゼニゲバくらい。
50・V.A.:Dead Tech 3:☆☆
   アヴァン・パンク風のコンピ。音がかなりこもってる。
   ルインズ以外でそこそこ気に入ったのは、スペース・ストリーキングス。
   ほんのりニューウエーブっぽいパンクがポップでおもしろい。
   ゼニゲバはデス風のノイズを収録。

   クレイマー関係を一枚。2ndが最高なので買ってみた。
   マラ・フラインとのユニット、ミルクソップ・ホリーの
   ファーストです。98年作。新譜は出ないかなあ。
49・Milksop Holly:Milkweeds:☆★
   アコギが目立つ、ソフトなサイケポップ。ちょっとメロディが単調かな。
   静かにメロディが広がっていく「companion」がベストトラック。
   アルバム全体の基調は整っている。

   元リビング・カラーのウィル・カルホーンがストレートな
   ジャズ・アルバムを出した。99/12/27にNYのブルーノートで
   行われたライブが音源。
48・Will Chlhoun Quintet:Live at Blue Note: ☆☆★
   切れがいいドラミングはさすが。
   スッキリした肌触りとスリリングさを同居させたジャズ。
   酒を呑みながら聴くのが似合いそうだ。

   エディ・リーダー関係を2枚。
   まずはBBCのTV番組から派生した盤かな。
   弦のコンボをバックに、さまざまな歌手が歌う趣向。
   エディ・リーダーは「ハミングバード」を収録している。
47・V.A.:Transatlantic Sessions:☆☆★
   イギリス風「アンプラグド」だろうか。生楽器だけで演奏される。
   トラッド風の暖かいフィドルの音色が耳に残る。
   低音はきっちりあるのに、雰囲気はかろやかですがすがしい。
   目当てのエディは、声も弾んだすばらしい出来。
   他に一曲、コーラスでも参加している。

   こちらは、去年の映画のサントラ。
   なんかメロドラマ風で、見る気が起こらない映画だけど(苦笑)
   エディ・リーダーは「ハニーチャイルド」を提供。
46・OST:Love & Sex:☆☆
   エディ・リーダー以外はみな、知らないミュージシャンばかり。
   全般的にB級くさい演奏が並ぶけど、アルバム後半の
   トラッド風味のポップスは聴きもの。Velvet Belly,Over the rhine,
   Tim Eastonあたりの演奏が気に入った。

01/2/11
   ひさびさに、じっくりCD屋を回ってあれこれ買ってきました。
   おもいっきり、ごった煮なラインナップだ・・・。
   本日の購入順に書きます。あってるはず。たぶん。

   まずはプログレから。
   マグマのクリスチャン・ヴァンデの二枚組ソロ。
   どうやら、ドラムソロらしい。72~75年の録音が
   中心ながら、一曲だけ00年のテイクがある模様。
   フランス語なので、詳細がわからない・・・(苦笑)
45・Christian Vander:Korusz:☆★
   ブート並みの音質でひたすらドラムが続く。
   「曲」として成立しているdisc2のほうがおもしろい。
   マグマ結成初期のヴァンデが、パワーを解放したアルバム。

   チェンバー・プログレの巨匠、ユニヴェル・ゼロ。
   これは4作目になるのかな。88年作。
44・Univers Zero:Uzed:☆★
   ポップなメロディでたたみかける所は心地よい。少々小粒かなぁ。

01/6/2
   なんだかひさびさにCD屋へ行く気がする。

   シミー系を一枚。サブレーベルの「ココポップ」でデビューした、
   東海岸のロック・トリオによるファーストアルバム。
   もっともレーベルはメジャーのRCA。
   製作にクレイマーはまったく絡んでいない。やれやれ・・・(苦笑)
43・700 Miles:Seven Hundred:
   ヌケのいい歌声が印象に残る。
   前半はグランジで後半はスロー気味の曲と、めりはりを
   つけた構成。演奏テクはあるようだが、ちょっと曲が弱い。

   灰野敬二を一枚。これは96年リリースの、デュオ作。
42・灰野敬二/ピーター・ブロッツマン:進化してゆく恥じらい、或いは加速する原罪:☆★
   灰野はvo、ピーターはサックスを演奏。
   それぞれの即興がねじり合う趣向だが、音だけだといまいちわかりにくい。
   灰野は獣のように叫び、そこに蟲の羽音風なサックスがまとわりつく。
   迫力ある瞬間はたびたびある。
   けれど、アルバム一枚聴きとおすテンションを保つのは辛い。

   片山広明の3rdアルバム。92年発表。
   チャボのライナーにある「夜中に俺のドアをあのぶっといテナーで
   突然ノックしてみてくれ!!」ってフレーズが音にぴったり。
41・片山広明:そーかなぁ:☆☆☆
   比較的フリー色の薄い、オーソドックスなジャズ。
   ムードたっぷりに盛り上がる「皇帝」が飛び切りいかしてる。
   テンション高くメロディが踊る、片山のオリジナル曲も聴きもの。

   アケタ・ディスクから一枚。
   津村和彦が93年にアケタでやったライブ音源が元。
40・津村和彦:ウォーター:☆☆★
   フレーズが力強い。ジャズロックの一つの形態と思う。
   音色の一つ一つがくっきりして、すがすがしいぞ。
   彼のオリジナル曲のほかに、モンクの「エピストロフィ」やジミヘンの
   「リトル・ウイング」などを取り上げている。

   パパ・ウエンバがらみのリンガラです。
39・Papy-Ipepy:Droit D`aimer:
   リンガラに詳しくないので、聴き所をうまくみつけられない。
   耳ざわりがいい、普通のリンガラに聞こえてしまう。
   もうちょい熱っぽい演奏だと、感想も変わるとおもうけど。

   こちらはフェラ・クティ一派。ドラマーのトニー・アレンが
   75年と76年に出したアルバムの2on1。
38・Tony Allen:Jealousy/Progress:☆☆
   タイトなアフリカンビートがいかす。
   「Hustler」のドラムが魅力的だ。
   ドンカマのように無機質に鳴るドラムが最高。

   ブラジル音楽では欠かせない、カエターノ・ヴェローゾ。
   ばりばりの新作です。出てたとは知らなかった。
   もちろん、ジャキス・モレレンバウムが参加。
37・Caetano Veloso:Noites do Norte:☆☆☆
   歌声のなめらかさは本作も健在。
   時にはひしゃげ、時にはやさしく。さまざまにボーカルを
   盛り立てる、バックの音色が飽きない。深みのある演奏が満載だ。

   このピアニスト、とても好きです。
   世界初CD化とか。63年録音。
36・Oscar Peterson:Action:☆☆☆
   派手なところはない、落ち着いた演奏。
   だけど優しいピアノの音色に、とても惹きつけられる。
   シンプルだけど奥深いピアノトリオです。
   レイ・ブラウン(b)との絡みがいいな。

   ピットインあたりでバンド名は見てたけど、CDが
   出てたとは知りませんでした。
   日本のジャズ・カルテットによるCD.96年作かな。
35・Fore:Fore2:☆★
   妙に腰の軽いジャズ。突き抜けるものに欠ける為、ちょっと
   点が辛めになってしまう。どの楽器から流れる音も、すごく
   生き生きしてるのがポイント高い。

01/2/6
   通販で注文してたCDが到着。今回はベスト盤中心の購入です。
   知らないバンドをいろいろ聴こう、がコンセプト。

   まずはファンクを数作。
   70年代に活躍したグループの二枚組ベスト。
   ポリドール~アリスタ時代の作品を、30曲ほど収録。
34・Mandrill:Fencewalk:the Anthology:☆★
   エッジがかなりゆるいのが惜しいファンク。
   切なげな音世界は悪くないんだが・・・。

   こちらは70年代後半がメインかな。
   オハイオ出身のバンド。これもベスト盤です。
33・Sun:the Greatest Hits:☆☆
   タイトなギターのカッティング、弾むホーンズ。交錯する
   コーラス。粒ぞろいな要素がいっぱいなファンクだけど、あと一歩
   求心力に欠ける。炸裂する個性が欲しかった。

   71年リリースの二枚を2on1。
   目玉はPファンクの参加。エディ・ヘイゼル、バーニー・ウォレルが
   参加している。
32・Ruth Corpeland:Self portrait/I am what I am:☆☆★
   シンガー・ソングライター風の落ち着いた音作りと、
   Pファンクの緊張感が同居する、奇妙なアルバム。
   2in1のせいで、なおさらそう感じるのかな。
   ぼくの好みは圧倒的にPファンク。ギターがかっこいいです。

   当時未発表だった、二作を復刻。これが初CD化になるのかなぁ。
   73年の「Cymbals」と同年「Crystal Spears」を二枚組でリリース。
31・Sun Ra:The Great lost Sun Ra albums:☆☆
   「Cymbals」は静かな混沌から始まる音盤。聴き進むにつれ、
   テンションがあがっていく。しかし、ドラムがとろくてのめりこめない。
   「Crystal Spears」はしょっぱなのいかれたムーグ・ソロから
   いきなり期待をもたせる。音数は少なめだけど、刺激的な演奏だ。
   とはいえやはり、リズムが弱いなぁ。

   レココレ2月号を見ていて欲しくなりました。
   50年代のジャンプを集めた編集盤。
30・V.A.:Honk! Honk! Honk!:☆★
   荒っぽいけど、元気たっぷりのジャンプがいっぱい。
   深く考えないほうがいいかも。威勢のいいBGMに最適。
   50年代アメリカのバーは、こんなダンス・ミュージックに満ちてたのかな。

01/2/4
   楽しみにしていた一品。マニアにはこたえられない・・・かと(謎)

   ファンクラブ向けに(非会員でも購入可能)発売された、
   達郎が携わったCMを集めた逸品。
   今回は80年以降の作品を多く入れたイメージがあるなあ。
29・山下達郎:CM Collection vol.2☆☆☆★
   収録時間が短い(20分強)のが物足りないけど・・・。
   でも、ファンなら狂喜の一枚。当然ながら。
   僕としては、90年の東芝ルポ用CM「Hyper Boy」の
   収録がなんともうれしい。
   当時、CMサイズだけで未発表に終わっちゃったから。   

01/2/2
   「まぼろしの世界」のライブで、手に入れたCDたち。

   まずは昨日と今日、両日ライブに足を運んだ人へ
   プレゼントされる、非売品のCD-R。
   まさか両日とも行けると思わなかった・・・るるるん。

   基本的には、過去に「まぼろしの世界」からリリースされた
   音源のコンパイル。
   目玉は99年にカリフォルニアのラジオ局でライブ収録された
   三曲かな。KICKSと、PERE-FURUとボンフルがそれぞれ一曲づつ。
28・まぼろしの世界:サンプラー2001:☆☆☆
   オマケの3曲は、ちょっと音が悪いのが残念。
   でも、とびきりかっこいい音源だ。
   このCDを手にするのは、すでに「まぼろしの世界」のCDを
   既にほとんど聴いたことある人ばかりのはず。
   だから既発曲のコンピでなく、未発表音源ばかりで
   まとめてくれたら嬉しかったのにな。

   ボンフル・ROVOなどで活躍するドラマー、岡部洋一の初ソロ。
   もちろん、鬼怒や勝井が参加。一般リリースは3月で、
   今回はライブ特典の先行発売で入手した。
27・岡部洋一:Satiation:☆☆☆
   パーカッショニストらしい、細かいリズムの奔流がわくわくする。
  即興風の演奏をモチーフに、丁寧な作り。
   メロディはほとんど感じさせず、リズムの面白さで突っ走る

   福岡ユタカの最新アルバムかな。
   鬼怒、岡部らがバックアップをつとめている。
26・福岡ユタカ:YEN calling DOCUMENTA:☆☆☆★
   ふあふあとたゆたう声の楽園。
   かすかに香る毒が、耳をひきつけてやまない。
   「白い表面~カノン」の低音がものすごい。ぶわっとスピーカーから迫ってくる。

2001年1月

00/1/27
   ティン・パンのインストア・ライブ用チケットを、タワーで引き換える
   ついでにちょっと店内を回ってみた。せっかくだもんね。

   一番の目当ては、なんと行ってもこの盤。
   ひさびさに出た。エディー・リーダーの新譜。
   日本盤はボーナスが二曲ついていてお得だ。
   ブー・ヒューワディーンやロイ・ドッズがサポートしている。
25・Eddi Reader:Simple Soul:☆☆☆★
   アコギが印象にのこる、優しい響きの曲がいっぱい。
   抑えた歌声で、そおっとメロディを奏でる。
   多少トラッド風味が強くなったかな。

   偉大なるテナー吹き、片山広明が98年にリリースしたアルバム。
   「7th floor」で97年に月一で演っていた、ライブのハイライトを収録。
   共演メンバーがむちゃくちゃに豪華。ランダムに上げてみようか。
   梅津和時、早川岳春、林栄一、勝井祐二、不破大輔、大沼志朗・・・。
24・片山広明:インスタント・グルーヴ:☆☆☆☆
   さまざまなミュージシャンが繰り出す、アイディアたっぷりの
   即興が満載。どの曲もテンションがすばらしく高い。
   才能あふれる人たちががっぷリ組んで生み出す傑作の
   エッセンスを見事に切り取っている。

   永田利樹がリーダーのバンド。ジャズ・プログレになるのかな?
   鬼怒無月、林栄一、芳垣安洋らがメンバー。
23・NBAGI:エクディシス:☆☆☆★
   サックスの音色が美しい。バイオリンと重なって、深く響く。
   NBAGIの魅力は繊細なリズムにのって、細かなフレーズがはじけ飛ぶ所。
   インストが基本だけど、「Freeze in fire」の群唱も爽快。

   こんなのがリリースされてたとは。
   難波弘之がトリオ編成で演奏する、アコースティック・プログレ。
   収録曲は、難波と水野正敏のオリジナルが中心。
   「百家争鳴」なんかを演奏している。
   オビによれば単純な一発録りじゃなく、ピアノをなんども
   多重録音しているらしい。
22・A.P.J.:Acoustic Progressive Jazz:☆☆
   上品なチェンバー・プログレ。破綻がまったくない。
   ライブででかい音で聴いたらインパクトありそう。

01/1/24
   ネット通販のCDが到着~。

   またもやGbVからみの音源を一枚入手できた。
   GbVの懐刀、トビン・スプラウトが作った新バンド。
   00年に発売されていたけど、レコード屋で見かけなくって。
   やっと音が聴けるなあ。
21・Eyesinweasel:Wrinkled Thoughts:☆☆☆
   甘酸っぱいポップスがつまったアルバム。
   バンドサウンドなのに、いまいち密室っぽいのは
   トビンのカラーが前面に出てるからかな。

   スウェーデンのちょっぴりアヴァンギャルドな歌姫の3作目(かな?)
20・Stena Nordenstam:Dinamite:☆☆☆
   メロディよりも曲全体から醸し出される雰囲気が
   一番印象深い。
   鉄の塊を切り取り、磨き上げたかのような
   ごつい手触りのポップス。
   なのに、聴いていて優しいムードがあふれてる。
   ひしゃげた低音が心地よい。
   浮遊感のある歌声も健在だ。

01/1/22
   仕事帰りにぶらっとレコード屋へ。
   何枚か買って帰ったら、こないだネットで注文してた
   CDも一部とどいてた。らっきぃ。

   ひさびさにGbV音源を入手。
   これは97年にリリースされた宅録アルバム。
19・Guided by voices:Tonics & Chasers:☆☆☆★
   音はデモテープそのもの。トビンの宅録だと思う。
   ヒスノイズの向こうから、美メロとアイディアがこぼれだしてくるのは
   いつもどおり。GbV名義にふさわしい好盤だ。

   モーマスが過去の作品をセルフカバーしたアルバム。
   へえ、こんなのリリースしてたんだ。95年発表。
18・Momas:Slender Sherbet:☆★
   単調な打ち込みリズムは、まるでデモテープを聴いてるみたい。
   基本的にはファン向けかな。でも、モーマスの耽美的なメロディに
   ずぶずぶはまるのはやっぱり気持ちいい。

   イギリスのコーラス・デュオ、チャド&ジェレミーの66年作。
   サンデイズドが、ボーナスたっぷりで再発してくれた。
   このユニット、けっこう好きです。
17・Chad & Jeremy:Distant Shores:☆☆☆
   ボーナストラックてんこもりの、たっぷりしたつくりが嬉しい。
   フォークロック風のバックトラックに、エヴァリーあたりから
   影響を受けたきれいなハーモニーが乗る。
   ギターのファズがばねみたいにビヨ~ンっとねじれるのが
   時代を感じさせるけど・・・。
   疾走感のある「Teenage Failure」や、透き通るコーラスが
   心地よい「You are she」をはじめとして、名曲がいっぱい。

   ジャケ買いしたアメリカのインディー・ポップス盤。
   詳しいことはよくわかりません。すまぬ。
16・Mirah:you think it`s like this but really it`s like this:☆☆☆★
   基調はポップス。線の細い女性voを取り巻くように
   そっと楽器がまとわりつく。壊れものを扱うみたい。
   丁寧でサイケなつくりが、奥深い音像を感じさせた。

   たぶん、クリス・バローひとりによる、多重録音バンドだと思う。
15・The giRAFFEs:The days are filled with years:☆☆☆★
   アコースティックなアレンジによる、落ち着いたポップスがいっぱいの好盤。
   さりげなく深みのあるハーモニーもいい。

   70年録音。バディ・ガイやオーティス・スパンが参加した、
   セッションアルバムらしい。
14・Junior Wells:Southside Blues Jam:☆☆
   粘っこいリズムのコンボサウンドで、ブルーズをかき鳴らす。
   荒っぽいところも、魅力の一つ。ヘロヘロになりつつも、
   吹き鳴らすハープの音、ギターの音がすばらしくかっこいい。

   セロニアス・モンクを二枚。有名な盤だけど、僕には内容を説明できない・・・。
   58年収録のカルテット盤。サックスがジョニー・グリフィン。
13・Thelonious Monk:Misterioso:☆★
   リラックスして弾きまくるメンバーの音使いが楽しいライブ盤。
   ひと癖あるメロディなのに、すっきり耳に入ってくるとこがおもしろい。
   逆にぐいぐいひきつけるテンションには欠けるか?
   この盤もオーディエンス・ノイズがふんだんに入り、臨場感たっぷり。

   62年と63年の録音を収録した盤で、こちらもカルテット。
12・Thelonious Monk:Criss-cross:☆★
   なんとなく小粒なアルバム。しかし。40年近く前の
   録音なのに、変わらず漂う異物感はすばらしい。
   ひきつったメロディのタイトル曲が最高。

00/1/20
   こないだネットで注文してた、渋さ知らズ関係の自主制作盤
   「不破大輔商店!」のCDが届いた。
   これが届いてなかったら、雪の中ふらふらとライブに行ってたろうな~。

   録音年代は不明だけど、けっこう古そうな感じ。
   タイトルどおり、芝居のBGMとしての音楽らしい。
   ボーナストラックに、「犬姫」を収録。
11・不破大輔:劇音チィゴイネル~ルナパーク☆☆
   基本的にはデモテープみたいな感触だ。
   チープなリズムボックスの音が、ロック風に響く。
   そんな気軽な多重録音で録られた「本田工務店」や「犬姫」の
   密室的な音色が妙にいとおしい。

   山本俊自(fl)とのフリー・インプロ。
   ライブ音源・・・なのかな?クレジットがないので詳細不明。
   ミュージシャンは3人いるように聴こえるけどなぁ。
10・山本俊自&不破大輔:1980.5.17:
   ヒスノイズも目立つ、かなり荒っぽい音源。
   ライブの実況というより、ある夜のセッションを
   断片的に切り取ったような感じ。
   演奏は耳をそばだてる瞬間がいくつかあるも、全般的には
   散漫な印象がしてしまう。当時の状況を記した
   ライナーノーツってないかな。
   貴重な記録だと思うが、視点をどうも定めにくい。

   以前不破が不定期にやっていたバンドの、ライブ録音。
   1994年6月録音。「音質に自慢できない」とかHPでは謙遜しているけど、
   音はかなりいい。ヒスノイズが少々入るのと、数箇所で音がへこむ程度かな。
   メンバーは川下直広(ts)、不破大輔(b)、渋谷毅(org), 勝井祐二(vln), 芳垣安洋(ds) と
   豪華極まりない。またライブやらないかなあ。
   「DAVADAVADABA」,「RADIOのように」といったフェダインの
   レパートリーに、初回特典で「Miles and Half」を追加収録。
9・ラジヲ:Radio:☆☆☆☆
   パワフルな演奏がぎっしりつまっている。
   確かにラフな録音だけど、そんなことが気にならないくらい
   音が荒れ狂う。フェダインとタッチは似てるけど、
   参加メンバーが多い分、より音像が複雑になっている。
 

00/1/14
   今年初めてのレコ屋行き。びびっと琴線に触れる盤がなくて残念。

   72年発表の8枚目のアルバム。
   本盤のみコロムビアで、去年リイシューされなかった。
   こいつが日本で再発されるとは・・・。21世紀もマニアックに行きそうだ。
8・The Association:Waterbeds in Trinidad!:☆☆★
   曲自身の躍動感は欠けるけど、練られたアレンジがいい。
   リマスターしてるかどうか知らないけど、くっきりエッジの
   立った音質もかっこいい。ハイハットがうるさいくらい。
   初期の甘酸っぱさが抜けて、熟してきた好盤。

   ジャケ買いをした、2000年発表のソウル盤。
   ジャケに見覚えあるけど、雑誌で紹介されてたかな。
7・Ty Stephens & Romantasy:Deeper in Fantasy:☆☆★
   ちょっと癖がある声で、軽めの曲を歌う。
   もう少し曲を作りこめば、名盤になったのでは。
   「Somethin` Strange」や「The Fountain of you」あたりの曲が気に入った。

   ジャズの中古盤の棚をあさってきました。
   ライブへ行く前で慌てたので、じっくりチェックできなかったのが
   少々心残り。ボサノヴァ特集なんかもしてて、おもしろそうだったのに。

   この2枚は超有名盤ですな。聴き返すのは10年ぶりくらいです。
   いや、CDになって買いなおしていなかったので。
6・Miles Davis and the Modern Jazz Giants:Bag`s Groove☆☆☆
   しょっぱなのマイルスとミルトのからみから始まって、
   グルーヴがしみじみ心地よい。アップテンポの曲でもゆったりする、
   素晴らしい演奏の盤だ。

  ピアノソロ。「ラウンド~」の21分におよぶアウトテイク集が
   ボーナストラックで収録されている盤を購入しました。
5・Telonious Monk:Thelonious Himself:☆☆☆☆
   アルバム全体を通じ、クールなピアノソロがすばらしくいかしてる。
   「ラウンド~」のアウトテイクが聴きもの。
   あのシンプルなソロを完成させるまで、メロディを執拗にフェイクさせる
   モンクの試行錯誤が堪能できる。

  今年はちょっとカーラ・ブレイをあれこれ聴いてみたい。
  中古盤でなかなか見かけないのが難点。リリース量多そうだしなぁ。
  85年のジャズ・オケ盤。
4・Carla Bley:Night-glo:
   メロディは綺麗だけど、引っ掛かりがあまりにも少ない。
   まるでイージー・リスニングを聴いてるみたい。もっと癖が音に欲しい。

  これはまったくのジャケ買い盤。
  白人5人組のジャズで、95年リリース。
  録音場所はSkopje。いったいどこだ。
3・Seth:Within yourself:
   ロック調のコンボジャズ。スピーディで耳ざわりはいいけど、
   もうすこし音に引っかかりがあるといいな。
   ちなみにSkopjeはマケドニア共和国の首都だそうです。

01/01/06
   ライブの物販で購入。メルツバウのライブだから、普段手に入れられない
   CDが山ほど売ってるかと期待したのに・・・ちょっと残念。

   99年に出たオムニバス。世界各国のターンテーブル奏者の演奏を
   18曲収録している。日本からはメルツバウ、大友良英、角田亜人らが
   参加。他のミュージシャンは、勉強不足で知らない人ばかり。

   メルツバウのテイクは、86年にアメリカでリリースされた2枚組LP,
  「Batztoutai with Memorial Gadgets」からの既発作品。
   これを大友良英が、99年に再編集したテイクを収録している。
2・V.A:Turntables Solos:☆☆
   コラージュっぽいサウンド多数。ポップな聴感が大半で、楽しんで聴ける。
   大友良英のアンプを使った豪音ノイズがかっこいいぞ。

01/1/4

  「ね」のライブを見て、面白い音楽なのでCDで聴きたくなった。
1・古澤良治郎:「ね」:☆☆☆★
   古澤・藤ノ木・津上の三人で多重録音をしながら、ほのぼのした
   音楽を作り上げている。ジャズなんだろうけど、その枠に
   収まらない柔軟な魅力がある。
   童謡の無邪気さと、ジャズのふてぶてしさを絶妙のバランスでブレンド。
   さらに凄いのは、こないだアケタで聴いたライブが、
   これよりさらに良かったってこと。


2000年12月

00/12/29
   コブラに行った際の物販で購入。前から聴いてみたかった~。

   植村昌弘(ds)の「無印レーベル」(植村の自主レーベル)が
   CD-R版でどどっと並んでた。
   手当たり次第に全部買いそうになるのを、ぐっとこらえ
   目に付いたもので我慢する。

   植村昌弘と高良久美子のパーカッション・デュオ。
   93/12/5に録音され、96/8にリミックスされている。
365・植村昌弘:大植村計画:☆☆
   きっちり構成されている。スタジオで練りこんだのかな。
   「大計」での二人オレカマ状態や、「総計」での混沌さが楽しい。

   以前に植村が結成していたハイテク・プログレバンド、ポンの曲を
   植村が多重録音で録音。96/9の録音だ。
   収録曲は、全て「ジョージ」シリーズ。
364・植村昌弘:Solo P.O.N.:☆☆☆★
   打ち込みメインの音作りと思うが、ドラムが生演奏なので
   すばらしく肉体的な音。複雑な曲構成を繰り返し聴くうちに
   じわっと面白さがサウンドからにじみ出てくる。
   「ジョージ#6」のぶっといノリがかっこいいな。

   角田亜人とのコラボレーションする為に作成されたマテリアル。
   サンプラーと打ち込みによる多重録音。98/3録音。
363・植村昌弘:死馬骨:☆★
   どがちゃがとノイジーな音のコラージュ。
   せわしない音の奔流がおもしろい。
   あくまで素材なのに、作品としても楽しめた。
   ぼくはノイズの感覚で、聴いて喜んでいる。

   坪口昌恭のキーボードをフィーチャーした録音。
   96~97年にかけてレコーディングされた。
362・植村昌弘+坪口昌恭:Crossover Rhapsody:☆★
   意外なほどにポップ。ちょっと凝ったフュージョンみたい。
   もっと複雑にねじくれたほうが、僕の好み。

   ラジオの野球中継をmidiデータに変換し、言葉のリズムを
   音楽に変えた異色作。97/6録音。
361・植村昌弘:Radio:☆★
   クラシック風の音使いをしているから、ちょっと仰々しい
   ところもあるけど・・・かなりポップ。
   繰り返しが多いから、実況中継そのままを音源化してないと思う。
   完全に実況中継そのままの音楽化も面白そう。
   競馬中継あたりだと、すっごくミニマルなテクノになりそうだ。

   鬼怒無月のギターを前面に出した作品。セッションは少々違い、
   植村は打ち込みを担当している。98年録音。
360・植村昌弘:弥生:☆☆☆★
   タイトなリズムと、生き生きしたギターとの対比がすばらしい!
   ザッパを思わせる音世界だが、彼ほど自己完結しておらず
   音の端からぽたん、ぽたんと、こぼれ出るパワーがある。
   自主制作にありがちの上下をブーストされた音が、実に惜しい。

00/12/27
   赤天のライブの物販で購入。吉田達也ピアノソロの再発と、大山脈Xの
   新譜は物販してなかった・・・残念。
   今回買ったのは、すべて吉田達也関連の新譜。

   まずは来年の春頃に発売予定の、コンボ編成プログレバンドの3rd。
   吉田達也のバンドで、一番プログレらしいバンドかもしれないな。
   今回はゲストにケンソーの小口健一(key)で参加している。
   (358)と(359)は、今日のライブで超先行発売していた。
359・高円寺百景:NIVRAYM:☆☆☆☆★
   最初はコンパクトにまとまった印象だったけど、聞き込むうちに
   スピーカーからパワーが溢れてきた。スリリングな瞬間がてんこもり。
   プログレ・コンボの理想形がここにある。
   吉田達也はバンドの一員として、へんに自己主張していない。
   だけど、絡み合ってぶっといノリを出す曲の隙間から、
   吉田の才能がどろりとこぼれだす。

   想い出波止場の津山篤と吉田達也による、おふざけユニットの
   新譜。これも正式発売は来年春頃らしい。
   このアルバムが5枚目かな。
358・赤天:Chateau du Akaten:☆☆☆
   今回は打ち込みを多用。かなり丁寧に録音されている。
   アイディア一発の曲が今回もてんこもり。
   今気に入ったのは、「レコードカンパニー」と「ワイン」かな。
   「ペットボトル」も味があって捨てがたい・・・。
   吉田達也が17歳のときに作曲した曲も、今回初収録している。

   吉田達也が主宰している、磨崖仏レーベルのCD-Rシリーズ第三弾。
   本作は吉田達也の習作やデモテープを集めたものらしい。
   だんだん、何でもありになってきたなぁ(笑)
357・吉田達也:an etude:☆☆★
   音質はこもったのが多いけど、手探りでいろいろ作ってる過程が
   仄見えておもしろい。録音年代が不明だけど、音的には
   91年のソロ「MAGAIBUTSU」を思い出すなあ。

00/12/26

   ボンデージ・フルーツの物販で買ってきました。
   鬼怒無月(アコギ)、三橋美香子(vo)のユニットによる、
   初CD。といっても、CD-Rでのリリース。
356・猿:女ミコシ:
   これ、どこまでマジなんだろう・・・。
   売れない演歌歌手の、自主制作盤を聴いてるみたい。
   鬼怒の切れのいいギターに乗って「悲しい酒」や「ズンドコ節」、
   「青い珊瑚礁」や「YES NO」なんかをカバーしてるけど、
   何回も聴きかえすのはちと辛い。
   「ゴールド・フィンガー」と「嵐が丘」(ケイトそっくり!)のカバーは秀逸。

00/12/23
   ひさびさにレコ屋をぐるっと回ってみました。
   セコハン中心に攻めようかと思ってたけど、新譜をいろいろ
   買いこんでしまった。
   なので、本格的なレコあさりは別の機会にします。
   おまけにネットで注文していた盤も本日届き、ごそっと未聴の
   CDが目の前に。うれしいなぁ。

   東京のアンダーグラウンド・プログレ・シーンでは
   とてつもない重要人物ギタリストである、鬼怒無月。
   彼のソロアルバムが今回リリースされた。
   今回はアコギの多重録音による即興作。ソロ二作目になるのかな。
355・鬼怒無月:Guitar solo☆☆☆★
   曲の構成はあまりなく、即興をメインにした演奏かな。
   演奏のテンションは高いけど、リラックスして聴ける。
   聞き込むほどに、味が出てきた。すごく刺激的なアルバム。

   鬼怒無月率いる、ギター・インストトリオのセカンドアルバム。
   リズムセクションは早川岳晴(b)に芳垣安洋(ds)だ。
   透明ジャケットを巧みに使った、デザインもかっこいい。
354・Coil:Big Games:☆☆☆☆
   鬼怒がブルージーに、パワフルにギターを弾きまくる。
   小細工無しの力技で、空間を切り裂く。
   もちろんリズム隊だって指を咥えていやしない。
   三人の音が絡み合うスリリングな瞬間がいっぱい。


   最近活躍の情報が入らなくて寂しい・・・。
   ニューヨークのワーカホリック、クレイマーがプロデュースした
   作品を3枚手に入れた。
353・Drazy Hoops:Straight to Black:☆☆★
   落ち着いているわりに、どこかふらつくサイケ・ロック。
   音に個性がないので、不安げに聴こえてしまう。
   クレイマー印としては及第点。
   クレイマーはキーボードと弦アレンジにも協力。

   トミー・ラングという女性ボーカルに、クレイマーがバッキングで
   協力した、妙に脂っこいユニット(苦笑)
352・Glen or Glenda:Reasons in the sun:☆☆☆
   トミーの歌はたいしてうまくないので、聴き所はやはりクレイマーの
   バッキングセンス。リズムボックスのパシャパシャした音色が
   耳に残るけど、ストリングスで包み込むアレンジの、
   「My bubblegu is pink」が素敵だな。
   ラストでしみじみ歌われる「The ring cycle」もなかなか。

351・Low:Long division:☆☆
   ロウはシンプルなスリーピース・バンド。いかにもクレイマー好みだ。
   クレイマーはプロデュースのほかに、メロトロンも演奏している。
   淡々とスローで重たいトーンで進む、ディープなサイケ・ロック。
   夜更けの静けさがぴったり似合う、クールで危なっかしい音楽だ。

   ソロ三作目。アルバムを通して聞くのは15年ぶりくらいかも。
350・難波弘之:飛行船の上のシンセサイザー弾き:☆☆
   耳をそばだてる瞬間は多いけど、全体的に大味。
   一番好きなのは、7拍子がポップに聴こえる「空中の音楽」だ。
   ボーナスの「WHO done it?」は今聴くと時代を感じる・・・(苦笑)
   12インチシングルが流行ってた頃の雰囲気と、手弾きにこだわってた難波の
   歯軋りがかみ合った、このころにしかありえない曲。

   最近、ぜひとも灰野敬二のライブを見てみたいと思っています。
349・不失者:寓意的な誤解:☆☆
   透き通った音色で、フリーにぶちかます。
   もっとヘヴィでもいいのに。
   灰野のシャウトが鼓膜にしみ込んでくる。
   ジョン・ゾーンをプロデューサーに迎え、きれいにまとめた一枚。

   今年出たジェフ・ベックの新譜。来日公演が終わった今ごろに
   購入するってのも、ちょっと間抜け。
348・Jeff Beck:You had it coming:
   ギターの音色が、おっそろしく瑞々しい。ただ、全体にきっちり
   まとまりすぎた感あり。ぼくはもうちょい破綻したほうが好みかな。

   ソウルのコーラスグループを二枚購入。
   最近、この手の音源の新譜をどうも捜しにくい・・・。
347・Code 3:The best group never heard!:
   曲の雰囲気はいいけれど、どうも耳を音が素通りする。
   ・・・なぜだろう。

346・Profyle:Nothin`but drama:☆★
   セカンドアルバムらしい。ちょっと曲が小粒かなあ。
   「Nasty」でのパーカッションの音色が気持ちいい。
   「ズンチャッツ、ズンチャッ」がとってもキュート。

   この盤だけ今まで聴いたことがなかった。
   渋谷毅オケがピットインでライブ収録している。
345・渋谷毅オーケストラ:Live `91:☆☆☆
   「この盤の特徴!」ってのは、残念ながらない。
   あい変わらずの金太郎飴状態。「ondo」が収録されてて嬉しいかな。
   「What Masa is・・・」が、すばらしくロマンティック。

   渋谷オケを聴いていて、一度は聴いてみたかった。81年作。
344・Carla Bley:Soscial Studies:☆☆☆
   せつなくて温かいジャズが堪能できる。
   今まで聴かないでもったいなことした。
   これからちょっと追っかけてみようかな。
   素晴らしい演奏だ。

   セコハンで、そこそこ安かったので購入。
   渋谷毅に結びつけるのは・・・ちょっと強引かな(笑)
343・Thelonious Monk Quartet:Thelonious in action:☆☆
   妙にぎこちなさが残る雰囲気のライブ盤。
   もっともモンク特有の不思議なトーンは堪能できる。
   観客の雑談がけっこうやかましくて、じゃまくさい。
   だけど臨場感があるともいえる。むずかしいのう。

   ノイズ大将軍メルツバウを二枚。まずは99年の作品。
   全曲コンピュータで作ったとか。
342・Merzbow:tentacle:☆☆★
   甲高い電子ノイズの嵐がてんこもり。
   でも、全体的におとなしめの作りになっている。
   ヴォリュームをでかくすると、耳に突き刺さってくるけれど。

   こちらはスラッグベイトとのスプリットで、96年作のようだ。
   両者で音源を交換し合って作り上げた、擬似共作作品。
   100枚限定作品らしい。ただ、僕が買ったのは再発盤。
341・Merzbow/Slugbait:Merzbow/Slugbait:☆★
   メルツバウのテイクは、カットアップ風にメリハリが効いたさわやかノイズ。
   いっぽうスラッグベイトは、あたりを埋め尽くす壁のような音世界。
   メルツバウの素材に引っ張られすぎたかな。

   輸入盤屋で見かけて、予備知識無しになんとなく3枚購入。
   さあ、この選択はあたるかはずれるか?

   基本はデュオによる多重録音の作品。
   ミネアポリス出身かな。2000年のリリース。   
340・Motion Picture:"a paper gift"☆☆☆☆
   乱暴に触れたら崩れ落ちそうな、繊細なポップスを
   じっくり構築している。ダンディな色気にあふれたメロディが素敵。

   新人バンドのデビューシングル。えらくレコ屋で誉めてたので
   買ってみた。
339・Ok Go:Bye Bye Baby(single):☆☆
   シャープなギターロックから、甘いポップスまで。えらく振り幅の
   広いバンドの登場だ。とつとつとしたボーカルがマイナスポイントかな。
    どっか突き抜ける個性があったら、このバラエティぶりは
   すさまじい武器になると思う。アルバム見かけたら聴いてみたい。

   とぼけたタッチで牧歌的なイラストのジャケット。
   目がいまいち無気味だけど(笑)
   女性二人によるデュオによる2000年の作。出身はイリノイかなあ。
338・The Naysayer:deathwhisker:☆★
   アコギ中心のほのぼのポップス。どこかネジが一本たりない
   頼りなさがある。まあ、それが彼女達の魅力なんだろうけど。
   といっても、コケティッシュな雰囲気はない。あくまで曲調はのんびりさ。

   セコハンで見つけて、ふらっと購入してしまった。
   95年リリースのファンハウス移籍第一作。カバー集だ。
337・ムーンライダーズ:B.Y.G.High school B1:☆★
   カバーの元曲に僕が思い入れを感じないので、ライダーズとの
   音の接点がぴんとこない。結局一番気に入ったのは「大寒町」。
   フォーク調のザ・バンドみたいなぶっとい演奏のかっこよさにしびれた。

   タワー・オブ・パワーの元ヴォーカリストのソロ作を3枚。
   といっても、335と336は78~81年にかけて在籍していた
   ABCとMCAレーベル時代のベスト盤。
336・Lenny Williams:Ooh child:☆☆★
   ほんとうに粒ぞろいの楽曲。
   タイトル曲や「Love hurt me, Love Healed me」など、
   バラードに佳曲が多い。

335・Lenny Williams:Spark of love:

   こちらはソロ11枚目になるアルバム。ベルマークより95年に発表。
334・Lenny Williams:Chill:☆☆
   基本的には打ち込み。でも、アレンジは意外にゴージャス。
   ハイトーンのボーカルは、アルバム一枚通して聴いてると、
   ちょっと飽きてくるかなぁ。じっくり聴いて、じわじわよさを
   感じ出す作品。

00/12/22

   山下達郎ファンクラブの会報の最新号が送られてきた。
   毎年この季節の号は、CDが同梱されている。
   内容は毎年、達郎のクリスマスメッセージのほかに、一曲収録している。
   この音源を毎年楽しみにしている。
   今年は93/12/11にTBSホールでやったライブ音源。
   鼻歌のドゥ・ワップメドレーから始まり、「It`s all in the game」へと続く。
333・山下達郎:Cristmas CD(single):☆☆
   このライブはTBSラジオの公開録音だった。
   確か二日間くらいに渡ってステージが開かれたはず。
   どっちの日に行ったのか覚えてないけど、僕も生でこのライブを
   見ることが出来た。ほわんとした、気軽なステージだった記憶がある。
   演奏はリラックスしていて、ファンなら楽しめる。
   普遍的な商品性があるかは・・・難しいところだなあ(苦笑)

00/12/14

   スタジオ・WEEから林栄一の新作が出た。
   WEEレーベルのネット先行発売で入手。
332・林栄一:MAZURUの夢:☆☆☆
   多重録音の音色がすがすがしい。エコーを効かせたサックスは、
   悲鳴をあげても夢見ごごちに響く。
   ライブ録音の方は、疾走感がいい。テンション高く音が弾む。
   渋オケのレパートリーでもある「ondo」は、ギター中心に
   がりがり勇ましい。フェイドアウトするのが残念。

  (332)の初回通販購入時についてくる、オマケのCR-R。
331・林栄一:OM/All the things you are☆☆
   サックスの多重録音が二曲。ザッパの「T'mershi Dueen」そっくりに
   始まるインスト「OM」は、太目の音飾がきれい。
   もう一曲の「All the things you are」はロマンティックな曲。
   どちらも素敵なテイクだ。アルバム未収録がもったいない。

00/12/11 

 風邪ひいて寝込んだりしてたので、ずいぶんひさびさの
 レコ屋訪問かも。時間なくてじっくり棚をあされなくて残念。

   やっとこさ入手!難波弘之の旧作再発。
   これ、アナログ時代にさんざん聴いた。聴き返すのは10年ぶりだなあ。
   このニ作はそのうちじっくり紹介します。

   ソロ4作目。個人的にも本盤への思い入れはすごく強い。
330・難波弘之:ブルジョワジーの秘かな愉しみ☆☆☆☆★
   ひさびさに聴き返したけど、やっぱり最高だ。
   ただ、今の耳で聴くと少々音が薄いなあ。
   ロマンティックな雰囲気がアルバム全体に広がっている。
   生演奏にこだわった、傑作プログレアルバム。
   ボーナス・トラックで、当時12インチで発表された曲を収録。

   こちらはソロ二作目。このアルバムも好きだったなあ。
329・難波弘之:パーティ・トゥナイト☆☆☆☆
   丁寧なマスタリングで、すばらしいダイナミズムが味わえる。
   「渇きの海」はこのダイナミズムがなくちゃ。
   LPについていたブックレットも、当時のデザインのまま再発。
   これもポイント高い。字が小さいのが難点。
   唯一の不満は「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」の
   トラックを3つに分けてくれなかったこと。
   ボーナストラックは、当時シングルで発表された曲を収録。

   来日公演が終わったいまさら、これを買うのはちょっとマヌケだけども。
   彼女のアルバムを聞くのは、本作が始めて。
328・Erykah Badu:Mama`s Gun:☆☆☆★
   何度も何度も繰り返し聴き返してしまっている。
   不思議と黒っぽさは感じにくいなあ。一番の魅力は密室的ところ。
   ひとくせ漂う雰囲気がめちゃめちゃ心地よい。
   イメージがケイト・ブッシュと、無性にだぶるなあ。なんでだろ。

2000年11月

00/11/25
   めあてはゴングと難波弘之の再発盤。その他探してるCDあれこれ。
   あらかた欲しいのは買えたけど、難波の再発盤だけない。なぜだ。
   
   「ラップ界のP-funk」と(僕が勝手に)呼んでいる、ウータンの三作目がでた。
   カパドンナが正式参加となり、オル・ダーティ・バスタードは欠席。
   そのため、酒と薬のリハビリ中であるオルに捧げられている。
327・Wu-tang Clan:The W:☆☆★
   アイディア満載のトラックが山盛り。一曲目のハイハット連打がRZAらしくてうれしい。
   全体的に、テンションは高いけどビートは重め。
   都会の裏通り風な、いかがわしさがぶんぶん伝わってくる。
   ここらへんがニューヨーク風なのかな。
   派手さに走ることなく、ずっしりと安定感がある。
   ゲストも多彩だし、大ヒットの余裕もあるだろうに。
   いたずらに大物ぶることなく、しっかりしたアルバムを作ってくれてうれしい。
   さあ、次はソロの3順目だ。まずはメソッド・マンかな。

   細野+林+鈴木でティン・パンが復活した。ゲストがとにかく豪華だ。
326・TIN PAN:TIN PAN:☆☆☆★
   いたずらにはじけることなく、クールな演奏が満載。
   ゲストの使い方もうまい。音楽の一要素として、見事なプロデュースをしている。
   スルメみたいに、聴けば聴くほど奥が深い音楽だ。
   もっともっと聴いてみよう。

   きっかけは不明だが(世紀末だからかなあ)ゴングの名盤がどどっと再発。
   今までさんざん探してたばかりなので、とてもうれしい。

   73年のセカンド。紛らわしいタイトルのレア・テイク集もあったっけな。
325・Gong:Camembert electrique:☆☆☆☆
   粘っこいリズムに、浮遊感いっぱいな演奏。
   自らの色を確立し、どこを切り取ってもゴングが溢れ出す。
   アルバムが一つの宇宙を見事に作り出している。

   3枚目で73年発売。
   このあと3枚に渡って続く「ラジオ・ノーム・インヴィジブル」三部作の一枚目。
324・Gong:Flying teapot:☆☆
   プログレというより、ドラッグ・ミュージックのイメージが強い。
   個々のフレーズに酔うよりも、散漫ギリギリに奔放な音像の
   展開にめまいがする。この盤が今、製作されてなくてよかった。
   ボトムが軽い録音だから救いがある。
   低音ビリビリ、音圧びしばしなマスタリングだったら、
   たぶんぼくにはトゥーマッチすぎるだろう。

   74年に発表された、ゴングの4枚目。「ラジオ~」の第二部にあたる。
323・Gong:Angels egg:☆☆★
   前作ではふんだんにあった混沌さは残るものの、
   いくぶん音楽が前面に出てきた。へなちょこなサックスの
   音色がかもし出す不安定さも面白い。
   コンセプトと音楽が、ぴったりのバランスで成立した好盤。

   5枚目で、「ラジオ~」の第三部。コレを聴いてみたかった!74年作。
322・Gong:You:☆☆☆
   きっちり作りこまれた点と、奔放にインプロを取る部分が
   絶妙のバランスでかみ合っている。
   しかし、若干音像が古臭いのはなぜだろう。録音のせいかなぁ。

   80年発表で、ビル・ラズウェルらのマテリアルとアレンが共演。
   一曲のみとはいえ、オルガンでシミーのクレイマーが参加している。
321・New York Gong:About time:☆☆★
   みょーな腰の軽さが音に現れている。これってNY風?
   「O MY Photograph」のリズム連打はYMOを思い出してしまった。
   丸くなることを拒否した前衛性が透けて見えるけど、サウンドは
   聴きやすくて楽しい。これはアレンの手柄なんだろうな。

   アメリカのジャズバンドの一枚、だそう。
   輸入盤を買ったので、経歴がまったくわからない・・・。
   リーダーはパトリック・オハーン。一瞬期待したけど、dsを
   演奏してるから同姓同名かな。
   ザッパ・バンド出身のオハーンかと思った。
320・Mushroom:analog hi-fi surprise:☆☆★
   とことんたらたらっと、流れるように続いていくジャムが
   心地よい。ジャズ風味はあんまりなく、ファンキーな感じかな。
   このオルガンのソロは音色も音選びも、とってもいいですね~。

   P-MODELのリーダー、平沢進の最新作かな。
   考えたら、いままでまともに彼の音を聴いたことがなかった。
319・平沢進:賢者のプロペラ:☆☆★
   ゲーム音楽のようなぶっといシンセの音が、まず耳を引く。
   アジア風味をぱらりとかけた、癖のあるポップスだ。
   構成はトータルアルバム。拍単位で激しく上下するヴォーカルがめっちゃ楽しい。
   気に入ったのは「円積法」。「ロタティオン」のサビの部分もいいなあ。

   ゆらゆら帝国の新シングル。彼らの音も聴くのは初めて。
318・ゆらゆら帝国:ゆらゆら帝国で考え中(single):
   やりたいことはなんとなくわかるけど、歌声と演奏に
   いまいち説得力が足りない。録音がいまいちなのかなあ。

   ノイズ系で「MEGO」と言う名をよく見かける。素性はよく知らないけど・・・。
   レーベルの名前なのかなあ。なにはともあれ、一度聴いてみたかった。
   これは99年のライブテイクを集めた一枚。
   参加メンバーはクリスチャン・フェネス、ジム・オルーク、ピーター・レンバーグ。
317・Fennesz,O'Rourke,Rehberg:The magic sound of Fenno'berg:☆☆
   過激な要素は控えめ。ポップな音を随所に盛り込み、静かなテクノになっている。
   ノイズ的な要素はもちろんあるけど、かなり聴きやすい。
   「FennO'Berg Theme」で延々と繰り返されるストリングスが、異様に心地よい。

   高橋幸宏と鈴木慶一が81年に結成したユニットのデビュー作。
   前からこのアルバムには興味があった。
   開封してびっくり。ぺらぺらの歌詞カード一枚で、クレジットがなんもなし。
   手抜き再発だ!許さんぞう(怒)
316・The Beatniks:出口主義:
   今聴くにはかなり苦痛なアルバムだ。えっらく古臭いテクノ。
   英語詩に必然性を感じられないのもつらい。

   97年のリリース。アフリカ向の録音かな、と期待して買ったけど。
   クレジットが何にもなくてよくわかんない・・・。
   どうやら、過去にアフリカでリリースされた音源のコンピらしい。
315・King Sunny Ade:OGUN:☆★
   現地向けの録音かな。メリハリをあえてつけず、
   脈々とビートが続いていくのが心地よい。
   ギターとタマの音がかっこいいな~。

   ここからは、この日に行ったSOH-BANDの物販で購入。
  
   元は、なにかのおまけ用かな。10分テープを300円で販売してた。
   音源はライブテイクを二本。
   A面:「セクサロイド”私チャコちゃん”」(96/5/25:20000V)
   B面:「Dream Braker」( 96/6/23:MANDA-LA2)
314・SOH-BAND:地底プレゼンツ・おまけ2(cassette):☆☆
   音はちょっと、こもり気味なのが残念。
   ワイルドなサックスの音を前面に出して、爽快な演奏を決めている。

   SOH-BANDの田中がサックスで参加。
   その他は矢口博康(元リアル・フィッシュ)、吉田隆一(渋さ知らズ)らが
   参加している。
   7人のメンバー全員がバリトンサックス、というトリッキーな編成の
   バンドによるデビュー・アルバム。
   今年の5月にライブやってたけど、見逃したんだよなあ。
313・東京中低域:明星:☆★
   いろいろアレンジに工夫を凝らしてて楽しい。
   音色が荒っぽくて残念だ。

00/11/18
   Phishの新譜を買いに行った。そしたら、ぞろぞろと面白そうな
   新譜が・・・。来週末にいろいろ買いあさるはずだから、控えなきゃ。

   ジャムから作り上げたアルバム、98年発表の名作「Story of the ghost」。
   そのレコーディング時のアウトテイク・ジャムを集めたアルバム。
   もともとは彼らのHP独占販売だったのを、このたび一般販売してくれた。
   手に入れやすくなって、単純にうれしい。
312・Phish:The Siket Disc:☆☆☆☆
   リラックスした即興を全編に渡って堪能できる。
   暖かさとクールさがなめらかに同居した、絶妙のバランスが最高。
   リズムもいいし、ギターもかっこいいし。僕の理想のジャムがここにある。

   たぶん最新作のはず。彼らの音をちゃんと聴くのは初めて。
   日本のノイズ第一世代、インキャパシタンツのライブ盤。
   オーストリア(99/11/5)と東京は高円寺(99/12/15)にて収録。
   後半のライブには、吉田達也(Ruins他)が参加している。
   このライブ、聴きに行きたかったなあ。
311・Incapacitants:Live Incapacitants:☆☆☆★
   力技でノイズが押し寄せてくる。豪音ノイズの中に
   ほんのり汗臭さが漂うのは気のせいかな。
   二曲目の吉田達也と共演したライブは、さらに人間くさい。
   メルツバウの孤高な雰囲気とは一味違う、ハーシュノイズが一杯。
   すばらしくキます、このノイズは。

   「演奏する行為」そのものを楽しむギロチン兄弟による
   3枚目のアルバムは、広瀬淳二(サックス、自作楽器)を主役にして、
   彼が様々なミュージシャンと共演したテイクを集めている。
   ルインズ、大友良英、千野秀一、キリヒト、山本精一などが参加。
310・ギロチン兄弟:広瀬淳二の注目すべき人々との出会い:☆☆
   アヴァンギャルドな演奏がてんこもり。各曲はいろいろ面白い。
   ただ、広瀬淳二に僕自身がのめりこんでないからなあ。
   本作の企画の芯に入りきれていないのがネック。
   たとえば「吉田達也の出会い」とか「鬼怒無月の出会い」なら、
   ☆の数はぐぐぐんとあがってたと思う(笑)

   本年度3枚目になる、明田川の新譜。もう発売されていた。
   今回は99/12/30にアケタで行われた、オーケストラでのライブより。
309・明田川荘之&アケタ西荻センチメンタルフィルハーモニーオーケストラ:スモール・パピヨン:☆☆
   16分に及ぶタイトル曲がいい。この曲、やっぱり複数のホーン隊が
   テーマを吹き鳴らしたほうがかっこいいな。
   ライブでときたまやっている「横浜ドルフィー・ブルーズ」が初CD化。
    「りぶるブルーズ」もCD化してくれないかな。

   サン・ラーの再発を、またエヴィデンスが始めてくれた。
   今度はサターンにはこだわらないのかな。
   これは73年のインパルス盤にボーナス一曲と、73年の未発表アルバムを
   2on1したもの。
308・Sun Ra:Pathways to unknown worlds + Friendly love:☆★
   とことんフリーな演奏がおもしろい。テンションがいまいち低いので、☆も少な目(笑)
   サン・ラーの脳みそを音で解剖したみたい。ミュージシャンの個性より、
   演奏全体のテイストに統一感があるから。
   どこまで譜面なのかわかんないけど。彼らも生で見たかったな。

   レコ・コレ誌で彼の旧発が紹介されてて、聴きたくなった。
   たぶん、名盤扱いされている・・・はず。
   本盤はセコハンで購入。同じ盤で違う版が、三種類置いてあったなあ。
307・Art Pepper:Art Pepper meets the Rhythm section:
   音色はきれいだけど、どうも音に刺激が欠ける・・・。
   音が皮肉なことにきれい過ぎるんだよね。
   僕の好みから言えば、もっと破綻してたほうがいいな。

00/11/4
   ネットに注文してたCDがまたもや届いた。嬉しいな~。

   ジョー・ジャクソンの新譜。今年は(223)につづく、二枚目のアルバムになる。
   今回は弦楽四重奏をバックに、打ち込みリズムに乗せて歌うポップス。
   ジョーにとっては、ひさかたぶりのポップ界への復活作だ。
   ゲストでマリアンヌ・フェイスフルが参加。
   しかし、ジャケにあるジョーの写真・・・こんなに年取ってたとは(^^;)
306・Joe Jackson:Night and Day Ⅱ:☆☆★
   メドレー形式で、一夜のニューヨークの夜をクールに切り取って見せている・・・たぶん(笑)
   数曲でゲスト・ヴォーカルを前面に立て、流れの印象をがらりと変えたのが
   成功した。皮肉っぽい伊達男のジョーの個性は、しっかり健在。
   「Stranger than you」の滑るようなメロディがとてもかっこいい。

   97年作「To make me who I am」ぶりかな。今度はゴスペルだそう。
   彼の透き通ったヴォーカルがすばらしい。「I shall be rereased」を
   カバーしている。なんか意外な取り合わせだ。
305・Aaron Neville:Devotion:☆★
   スリルはないけれど、安定した歌声を楽しむにはいいかな。
   「明日にかける橋」のカバーに違和感あり。あれってゴスペルなのかな?

   今の日本では、この手のバンドは完全無視されてるんだろうな(笑)
   ジャケットを見る限り、今はアメリカでバイカーたちのアイドルに
   なってるみたいだ。99年作のライブアルバム。
304・38 Special:Live at Sturgis:☆☆
   サウスダコタ州で収録されたライブアルバムに、スタジオ新曲を一曲追加。
   あっかるいロックンロール。うじゃうじゃ考えないで
   でかい音で聴いてると、単純に楽しい。

   MM誌11月号の輸入盤コーナーを見ていて聴きたくなった。
   黒人四人組によるコーラスグループの新譜。ニュージャージー出身かな。
303・No question:No question:☆☆
   72分、21曲のたっぷりボリューム。アップの曲でバックの
   打ち込みが耳ざわりなのがきつい。なのでいまいち通して
   落着いて聴けず、冗長に感じてしまう。
   スローはけっこういい。"Just can`t go on"は名曲だ。

2000年10月

00/10/30

   しばらく前に「誤出荷」でどたばたしたCDが、クレームの果てに
   やっとこさとどいた。ふうう。
   さらに先日注文したCDも一枚到着。なんか今週末はぞくぞく未聴の
   CDが増えていく・・・嬉しい悲鳴だ(苦笑)

   ネットを見ていて見つけた、タワー・オブ・パワーの
   ギタリストのソロ・アルバム。97年リリース。
   インスト・アルバムのようだ。一曲だけだが、ロッコが
   ベースで参加している。ほかは目立ったメンバーはいないみたい。
302・Bruce Conte:Right from my heart:☆☆
   おそろしく耳ざわりがいい。
   曲によっては、ホテルあたりで流れるBGM並のなめらかさだ。
   スリルには欠ける。唯一の救いは、ロッコ参加の「Thump」。
   この曲では、大暴れする楽しさがある。
   ToPの音を期待すると、ちょっと拍子抜けする盤。

   ここからが、8月くらいに誤出荷騒ぎでドタバタした盤たち。
   やっとこさ到着したぜ。まったく。

   アル・グリーンの全盛期のアルバムを4枚。
   暑いときに、こういうサザン・ソウルを聴いたら楽しいかな、と
   思って注文したんだけど。寒くなってから届くとは・・・。
  
   73年発表の7作目になるアルバム。
   「Livin for you」(全米1位)や、
   「Let`s get married」(全米3位)などのヒット曲を収録。
301・Al Green:Livin` for you:☆☆
   「Livin` for you」での、ねばっこいスネアの音が最高!dsはハワード・グリムズかな。
   全体的に演奏はちょっとやぼったくて、微妙にずれたリズムがなんとも・・・(苦笑)
   はつらつとしたリズムがいかした「Let`s get married」が好きになった。

   アル・グリーンの代表作らしい。74年の8枚目のアルバム。
300・Al Green:Explores your mind:☆☆★
   洗練されてた演奏が、いきいきと弾む。ファルセットがめちゃめちゃきもちいい。
   「Hangin`on」では、耳にぺったりとまとわりついてくる。
   セルフカバーみたいな「I`m hooked on you」がないと、だいぶアルバム全体の印象が違ったのにな。

   12枚目のアルバムは76年作。
   このころはハイも斜陽化が始まっていたそうな。
299・Al Green:Have a good time:☆★
   ほんのりゴスペル調のアルバム。歌声はそうとう張りあり。
   個々の曲に、もうちょいパワーが欲しかった。

   このころのアル・グリーンはゴスペル歌手として、さまざまな
   アルバムをリリースしていた。
   彼の21枚目のアルバム。リリースは82年。
298・Al Green:Precious Lord:☆☆☆
   しょぼいジャケにげんなりするが、内容は充実。甘いサザンソウルが
   びっちり詰まっている。アルは裏声よりも地声を多用。
   ブラスやストリングスで水増しされてはいるものの、聴くべきは
   リズム隊の演奏だ。ラリー・ロンディンの色気のあるドラムにしびれた。
   ボブ・クレイのベースも渋くリズムを盛り上げる。

   MM誌9月号のジャム・バンド特集を読んで、聴きたくなった二枚。

   ジャム形式の即興を、デジタル編集した音だとか。
   4人組のシアトルのバンドの、3枚目のアルバム。98年作。
297・Critters buggin:Bumpa:☆☆
   暖かいノリのインストによる即興が満載。個々のメロディよりも、
   全体に溢れるグルーヴの流れを感じて楽しんだ。

   そのクリッターズ・バギンの中心人物、スケーリックが参加した
   4人組のユニット。先日、新譜が出たばかり。
   これは99年作のデビュー盤・・・かな?
296・Ponga:Ponga:☆☆★
   機械仕掛けのビートに乗って、わめきちらすサックスがいかしてる。
   クラブ仕立てなジャムのかっこよさを実感した好盤。

00/10/28
   吉祥寺のユニオンに、メルツバウの新譜が入荷していないか寄って見た。
   入荷はしていなかったのに、またもやCDを何枚か購入してしまう。
   昨日買ったCDもろくに聴いてないってのに・・・腰を据えて聴かねば。

   店のポップで大推薦されていたから買ってみた。
   ラップ・グループの新作。これがデビュー作・・・なのかな?
295・Jurassic 5:Quality Control:☆☆☆★
   バックトラックがしこたまいかしてる。
   聴いていて耳が嬉しくなるラップはひさびさだ。
   本作が初フルアルバム。今後の進化が楽しみになった。
   トラック作りはカット・ケミストとDJ・ヌ・マークか。名前を覚えておこうっと。

   ジャム&ルイスのプロデュースでデビューした黒人グループ、SOLOの
   メンバーによるソロアルバム。プロデュース、作曲、演奏はおろか、
   エグゼクティヴ・プロデュースまで自分で行う、正真正銘のインディな作品。
294・Enique:Make it real hot:☆☆
   きっちりとつくられている。どこか野暮ったいのが玉に傷。
   歌がかなりうまいのに、耳にどかんと届いてこない。
   ミックスがもこもこのせいかな。

   ロバート・フリップが98~99年にリリースした、ダブル・トリオの
   クリムゾンを「フラクタル分裂」させた「プロジェクト」音源は各種ある。
   先日のクリムゾンのライブを見て、聴いてみたくなった。
   僕が今回購入したのは、プロジェクト1~4までを4枚組ボックスにした英盤。
293・King Crimson:The ProjeKcts:☆☆
   刺激的なフレーズにどきっと耳をそばだてる瞬間は数多いけれど
   冗長に感じる部分が、若干多いかな。
   ただ「クリムゾン」を意識しなければ、とても面白いプログレだと思う。
   皮肉な意味でも、まさに「研究開発」の断片だ。
   プロジェクト3が今のクリムゾンに最も近い。
   ほぼ同じメンバーの順列組合せによるインプロでありながら、
   それぞれのアルバムにしっかり個性があるのはさすが。

   黒人デュオによる新譜を一枚。歌ものだけど、一曲だけウー一派の
   ゴーストフェイス・キラーとレイクォンが参加。
292・Ruffendz:Love crimes:
   類型的で、いまひとつ楽しめない。ミドルテンポはそこそこ聴ける。
   たとえば「The world to me」なんて、いい曲。

00/10/27
   新宿のタワーも久しぶり。今日は比較的空いてて、のんびり
   CDを見ることができたなぁ。
   本日の目的は、「beatleg」の最新刊と、CDのソフト・ケースに
   Jの新譜とファンファーレ・チォカリーアのアルバム。
   ・・・もちろん、それだけのみを買って帰るわけがない(苦笑)   

   元ダイナソーJrのJ・マスシスによるソロ・アルバム。
   彼の音源としては、97年のダイナソー名義「Hang it over」以来。
   今回はGbVのロバート・ポラードが、3曲にコーラスで参加している
   ことすら話題になっている。3年前には考えられなかったなぁ。
291・J Mascis+The fog:More light☆☆☆☆
   歌はへたくそだし演奏はズタボロなのに、強烈に惹かれる。
   だらしなくて切ないJの音楽は、聴いていて力が溢れてくる。
   ジミヘンを思い起こすJの轟音ギター・ノイズが、とてもいとおしい。
   ちなみに、ロバートはオマケ程度の参加。ちぇっ。

   MM誌10月号の特集を読んでいて聴きたくなった。
   ルーマニアを根城にする、高速ブラス・バンドだそう。
   ちょっと聴いてみたけど、確かに早い・・・。
   これをすべてシングル・タンギングでやっているなら、心底驚嘆する。
290・Fanfare ciocarlia:Baro Biao:☆☆★
   ぶっといリズムでゆらゆら揺れていくのが頼もしい。
   しかし、ものすごいテクニックだ・・・「テープを早回ししてるんじゃ?!」って
   疑う瞬間すらある。
   もっとも、全体を通じて流れるのは、むんむんする人間くささ。暖かい演奏だ。

   英国の格調高さとひねくれさをまぜこぜにした、曲者の
   ブリティッシュ・ポップスを歌うマーティンの新譜。
   93年のソロ・デビュー作「The greatest living Englishman」は
   アンディ・パートリッジのプロデュースだった。
   僕が彼の音楽を聴くのは、95年の「The off whte album」ぶり。
   (たぶん、その間に何枚かアルバムを出してるだろうけど)
289・Martin Newell:The Spirit cage:☆☆
   ひねくれてかげりのあるブリティッシュ・ポップスが満載。
   メロディは優しいし、演奏もほんわか。
   くせは少々あるけど、くつろいで聴けるアルバム。
 
 キーボード奏者、ロバート・ウオルターのソロ・アルバム。
 音の雰囲気は、今で言うジャム・バンド風・・・かな。
 (161)で紹介したGalacticのドラマー、スタントン・ムーアが
 全面参加。彼のドラムが、すさまじく生々しい音で録音されている。
288・Robert Walter`s 20th congress:money shot:☆☆
   脳天気なオルガンジャズ。ボトムが根本的に軽いので、
   楽しく聞ける。フレーズにもうちょい味があるといいかな。
   若さに任せてぶちかます、生き生きした雰囲気が伝わる一枚だ。

00/10/23
   待ちに待ったCDがやっと届いた!うれしいぞっ。

   GbVの新譜は1979年から2000年までの未発表作品を、CD4枚に
   ぎゅっとぶち込んだ大作。
   全100曲のロックンロールが片っ端から溢れ出してくる。
287・guided by voices:suitcase☆☆☆☆★
   ・・・面白い。音楽にどっぷり漬かったロバートの日記を見てるみたい。
   GbVよりさらに奔放で豊富な作曲のアイディアに圧倒された。
   多彩なバンド名も楽しい。適当につけてるのかと思いきや、
   微妙にこだわりを感じる。実際にこのバンド名で活動してたら脅威だけど。
   曲順は編年でなく、無作為に並べられている。その荒っぽさが新鮮に響く。

00/10/19
   あたらしいCDネットショップを見つけて、ためしに注文してみたCDが届いた。。
   目当ては僕の持っていない、ルインズの旧譜だったけど、品切れだとか。むねん・・・。
 
   一枚だけ買うのはさみしいので注文した一枚。
   サンフランシスコ出身のインディーズ・ロックバンドだ。 
   「ビーチ・ボーイズ風コーラス」のあおり文句に惹かれてしまった。
286・The Galactic heroes:how about san fransisco?:☆★
   かなり荒っぽいところがあるけど、ポップなコーラスは
   聞いていて元気が出てくる。
   ビーチボーイズに例えるのはちょっと辛いかな。
   イメージは、ちょっとパンクっぽい。

00/10/16
   仕事がドタバタしたので、ストレス解消もかねてレコード屋へ。
   すささっと何枚か手にとって帰ってみたら、ネットで注文してたCDも届いてた。らっき~♪
   今回は、今までネットで薦めて頂いたミュージシャンの作品を何枚か手に入れました。

   店頭で見かけた瞬間に引っつかみました(笑)
   ザッパの曲を、バロック時代の古楽器で演奏すると言うコンセプトの、
   企画もの・・・なのかな?選曲はポップなザッパの代表作が目白押し。
285・Ensemble Ambrosius:The Zappa Album☆☆☆★
   第一印象は「人力シンクラヴィア」。ただし演奏は、愛情に溢れている。
   ザッパを聴いたことがない人でも楽しめるけど、ザッパファンなら必聴。
   ハイテクニックな室内楽で、整然とメロディが流れる様は快感。
   バロック時代の古楽器がこんなにもザッパの曲にハマるなんて。
   「G-Spot Tornado」をアンサンブル・モデルンと聴き比べするのもおもしろい。

   予備知識なし。店頭でざくっと試聴してみて、面白そうなので買った。
   オランダのバンドだそうだ。
284・Daryll-Ann:Happy Traum:☆☆☆★
   アコースティックで柔らかい手触りのポップスが、どっさり詰っている。
   洗練されすぎていないたどたどしさすら、魅力的に聴こえる。
   ハーモニーは控えめだけど、いわゆる「ソフト・ロック」好きの方には自信を持ってお薦めできる。
   とはいえヴォーカルにちょっと癖がある。ファルセットもきれいなんだけどね。
   「All by me self」が今は好き。

   おとなしめのクラブ系サウンドになるのかなあ。
   イギリスの新人ミュージシャンだそうです。
283・LSK:LSK:☆☆☆
   クラブみたいなところで、大音量で聴いたら盛り上がるんだろうな。
   メロディがバラエティ一杯で楽しい。もうちょい低音が
   欲しいなあ。てなわけで、僕は「Jealousy」が低音ぶりばりで好き。

   こちらもイギリスのバンドかな。とりあえず目当てはボーナス・トラック。
   「ビー・マイ・ベイビー」を聴いてみたくて。
282・Travis:The man who:
   ハイトーンで線の細いvoが、なめらかなメロディをなぞる。
   きっちりプロデュースされすぎかな。妙に箱庭感がする。

   白黒人混合のブラス・ロックだそう。
   名前は知ってたけど、音楽を聴くのは初めて。
281・Average White Band:Pickin` up the pieces:☆☆☆★
  切れのいいギターとホーン隊が最高!リズム隊が白人風なので
   タワー・オブ・パワーと違った魅力がある。
   これはベスト盤だけど、オリジナルアルバムも聴きたくなった。
   アイズリーの72年作「Work to do」が、まず耳に残った。
   「Pick up the peaces」のタイトさもいい。「Let`s go`round again」のおおげささもなかなか・・・。

   今年になって買った彼のアルバムが素晴らしくて、もう一枚彼の作品を買った。
   イギリスのシンガー・ソング・ライターかな。
   カントリー風の手触りだと思う。1989年の作品になる。
280・Boo Hewerdine and Darden Smith:Evidence:☆☆
   アコースティック感を生かした優しいポップスが多い。
   トラッドの風味がほんのちょっと入ってるかな。
   嗄れ声のブーに、甘い声質のダーデンの対比が良い。

   僕が読んでいるジャズのメルマガで薦めていた白人ピアニスト。
   「ハイテク~」って誉めていたのが興味を引いて買ってみた。
   けっこう有名な人らしい。
279・Brad Mehldau:The art of the trio,vol.2/Live at the Village Vanguard:
   指は動く人と思うけど、あっさりしすぎ。もっと黒っぽいノリがほしい。

00/10/10
   しばらく前にネットに注文してたCDが届いた。
   重なるときは重なるもんだな♪

   二年ぶりの新作。いつのまにそんなに時間がたってたんだろう。
   4枚目になる本作では、日本のバンド「ゴースト」がバッキングをサポート。
   プロデューサーは、前作と同様に自分たちでやっている。
   クレイマーが絡んでなくて、残念だなぁ。
278・Damon&Noami with Ghost:Damon&Noami with Ghost:☆☆☆☆
   落ち着いた雰囲気がとてもいい。なごみます。ほのぼのします。
   透明なアレンジの、しとやかなロックが目白押し。
   さわやかに突き抜けるギターも健在だ。
   これはいいぞ~。じっくりもっと聴きこもうっと。

   もとタワー・オブ・パワーのヴォーカリストの新作。
   僕が知る限りでは95年発表の「Cill」以来、5年ぶりの12作目になるはず。
   参加ミュージシャンは、特にToP関係の人は参加していないようだ。
277・Lenny Williams:Love Therapy:☆★
   打ち込みも軽快でセンスいいし、歌声も奇麗な響きだ。
   なのにいまいち耳にすとんと貯まらないのはなんでだろう。
   メロディが物足りないのかなぁ。まだ自分でも理由がよくわかってません。
   "Oh Oh Oh"がベスト・トラックかな。
   スティーヴィーのカバーは、シンセ中心の響きを使って
   当時のおちゃめなパワーのサウンドをうまく再現してる。
   ホーン隊の部分を、シンセで代用しているのは、ToPに所属してた
   経歴を考えるとさみしいけど・・・(苦笑)

   サントラアルバム。僕の目当てはプリンスの新曲だけども。
   ほかにもいろんな人が曲提供をしている。
   僕が目に付いたところでは、スティーヴィー・ワンダー、エリカ・バドゥ、ジェラルド・リバート、
   コモン、チャック・D、ルーツ、ブルーズ・ホーンズビーってところかな。
276・OST:Bamboozled:☆☆☆★
   じっくり聴いてやっとよさがわかった。練りこまれたアレンジの
   ソウルを多数収録。ミドルテンポで佳曲が多い。
   スティーヴィーやプリンスに、もうちょいがんばって欲しかった。

00/10/9

   はやくもヴァン・モリスンの新譜が登場した。
   今回はリンダ・ゲイル・ルイスとのデュオアルバム。
   40~50年代の曲のカバーがメインの企画だ。一曲だけヴァンのオリジナルがある。
   ほかはハンク・ウィリアムズやオーティス・ブラックウェルなどの曲だ。
275・Van Morrison&Linda Gail Lewis:You win again:
   実に楽しそうに、昔の歌をあれこれデュエットする。
   ヴァンたちが歌う歌に、僕自身が思い入れがないもので、
   ちょっと単調に感じてしまうのが玉に傷。
   これ、曲そのものを知っているかどうかで、だいぶ評価が違うだろうな。

   最近リマスターで何枚か再発された。10CCは「サントラ」しか聴いたこと
   ないので、いいチャンスかと思い一枚購入。邦題が「びっくり電話」です。
   この勢いに乗ってゴドリー&クレームも再発して欲しいもの。  
274・10cc:How dare you!:☆☆
   こった演奏がつぎつぎに飛び出してくる。一筋縄では行かないポップスばっかり。
   なのに(9)で、いきなり甘甘のアレンジが出るあたり・・・いいなぁ、このセンス。

   下の雑誌「電子雑音」を買いに行ったとき、二枚ほど目に付いたので
   買ってきた。この手のやつは、買い始めるとほんときりがない・・・。

   メルツバウとスロッピング・グリッスルのP・オリッジによる
   コラボ・アルバム。98年作になる。
273・Merzbow/Genesis P-Orridge:a perfect pain:☆★
   オリッジのポエトリー・リーディングを前面に出した作品。
   メルツバウの過激さが少なくなって物足りない・・・。
   SGに思い入れがあれば、また違う感想になるんだろうな。

   日本のノイズバンドらしい。予備知識はない。99年のドイツ盤かな?
   ゲストにメルツやインキャパ、マゾンナやペイン・ジャークが参加している。
272・Enema-Syringe:Ins Gefangnis geworfene blind Sklaven:
   ゲストの演奏を自作の前後に挟む構成。カットアップ風にすぱっと切り替わる。
   エネマ・シリンジの演奏はデスメタル風。あまりなじみのない音楽なので
   のめりこむまでは行けなかった。ゲストとのコラボに必然性がないのも
つらい。おまけに31分一本勝負で、曲のインデックスがないのも減点。
   エンディングでザクっと暴れるマゾンナの迫力がすごかったな。

   ミニコミ雑誌「電子雑音」No5の付録CDになる。
   (60)で紹介したものとおんなじタイプです。
271・デンシザツオン:5:

2000年9月

00/9/30
   
   このところ行きそびれてたレコ屋に、ひさびさに行ってみました。
   買いたいCDが何枚かあったのに、ぐぐっと我慢しましたよ。
   メルツの50枚組もろくに聴いてないってのに、この上買っても聴けないし。
   そのくせ、別の店でふっと何枚か買い込んでしまいました。
   しかも帰ったら、ネットで注文してたCDまで届いてた。やっほぅ。

   (46)ぶりのシングルが出てたとは知らなかった。これって、売れたんでしょうか?
270・川本真琴:FRAGILE(single):
   外部の作曲家のペンによる二曲目のシングル。タイトル曲は10分の長尺だ。
   落ち着いた雰囲気の曲で、大人っぽさを出そうとしたのかな。
   ただ、まだ新境地にまでは至ってないのが残念。
   後半のサイケ風のアレンジも、川本の個性ってわけでもなし。
   川本真琴の手札って、早口でまくし立てるテンポ感だけなのかなあ。

   ファースト以来、なにかと気になっているバンド、ハイ・ラマズの新譜だ。
269・High Llamas:Buzzle Bee:☆☆☆
   デビュー当初の「ペット・サウンド」くささは、きれいに消えている。
   もっとも安っぽいシンセを生き生き弾ませた、ほのぼのテクノが落ち着ける。
   とはいえ、ぱっと気に入ったのは「Get into the gally shop」。
   たぶんこのポップな曲はラジオ向けで、ショーンのやりたい音じゃないだろうに。

   中村とうようによるコンピ。こういうのって、あっという間に店頭から
   なくなっちゃうんだよな。このシリーズの「ハッピー・ピアノ・ガールズ」を
   今でも探してます・・・。ネットでも手に入らないし。まったくもう。
   ちなみにこの盤は、40年代のジャンプ音楽を集めたもの。
268・V.A:ブラックビートの火薬庫:☆☆★
   40年代の音楽は、例えダンス音楽といえども、今の耳で聴くとBPMが遅すぎる。
   だから、その分の熱気の目減りは覚悟しないといけない。
   逆に、そのBPMの違いを理解してこそ、この音楽のすばらしさが伝わってくる。
   しかし今の時代でも通用するBPMでジャンプを作り上げた
   ルイ・ジョーダンの偉大さをしみじみ感じさせる音源だこと・・・。

   ポール・マッカートニーが新譜(?)を出した。
267・paul mccartney:liverpool sound collage:
   ビートルズの作品などを盛り込んだコラージュを、ノイズとあわせた作品。
   とはいえ、もちまえのポップ感覚が裏目に出てしまい、
   前衛感覚にブレーキがかかって、中途半端な作品になっている。
   過激とは程遠いし、ポップともいいがたい。残念・・・。

   後期ザッパやアラン・ホールズワースなどと共演経験のある、ドラマーの
   ソロアルバム。これが3枚目のリリース。
266・Chad Wackerman:Scream:☆☆★
   演奏の重心が軽くて、ちょっと食いたりない部分があるけれど、全ニ作よりはずっといい。
   タイトなドラムをベースに、上物も変化をつけて飽きさせない。

   しばらく前から店頭に並んでいたリマスター盤。
   アナログでは大学時代に何度もこのアルバムは聴きかえしたっけ。
   実は、僕が聴いたことあるザ・バンドのアルバムは、これだけ。
265・The Band:Music from big pink:☆☆
   出来のいい盤だと思うけど、ぼくの好みとちょっと違うので
   点数は低め。しかし、この渋さはやはりすごい。
   リマスター盤のおかげで、かなり音のヌケがいい。

00/9/27

   やたやた~!入手を諦めていたボックスセットを、ついに入手できました。

   日本が世界に誇るノイズ・ミュージシャンであるメルツバウが、1999年に
   出したボックスセット。1979年のデビュー作品を皮切りに、現在までの
   作品を集めた全50枚のボックスセットだ。全世界で1000セット限定盤。
   オーストラリアのレーベルがリリースした。

   しかもそのうち、約半分は未発表アルバムになる。
   膨大なノイズに溺れることができる、すばらしい作品だ。
   僕は(95)で、このボックスのサンプラーは手に入れてたけど。
   まさかこのボックスを手に入れられるとは・・・。嬉しさもひとしおだ。
   さあて、いつ聴き終えるかなあ♪
264・Merzbow:Merzbox:☆☆☆☆☆
   2年越しでやっと全部聴きました。詳しい感想は別ページに
   掲載しましたので、そちらもあわせてお読みいただけると幸いです。
   アナログ時代のメルツバウを総括するようなボックスになった。
   いや、総括してないか。本ボックス収録以外にも膨大な音源あるし。
   50枚のボリュームながら、真の意味で捨てアルバムなしってのが
   心底すごい。どのアルバムも秋田昌美のアイディアに溢れている。
   人間の発想はこうまで多彩なものか、と圧倒される。
   基本はハーシュノイズなので、全面的にお勧めはしない。
   しかし即興演奏が好きでノイズに抵抗無くて
   猛烈なスピード感を味わいたいひとなら一度は
   聴いてほしいミュージシャンだ。

   上のボックスを予約した人だけが入手できるはずの、二枚組ボーナスCD。
   これもラッキーなことに手に入れられた。
263・Merzbow:Decomoposition001/002:☆☆☆
   ハーシュノイズは控えめで、テープのカットアップを盛り込んでいる。
   全体的にスペイシーで聴きやすい。ポップで落ち着けるノイズが響く。
   僕が小さい音で聴いてるせいもあるかな。

00/9/21
   やった~!やっとこさネットショップの誤出荷品が届いたよ。
   両作品とも、最近の「ジャム・バンド」に属するミュージシャンらしい。

   基本メンバーは、ドラム・ギター・ハモンドの三人体制。
262・Soulive:Turn it out:☆☆
   「おしゃれなジャズ」って感じが裏目に出て、ちょっと平板な演奏に聴こえてしまう。
   僕の趣味だと、もっと泥臭いほうがいいな。

   ドラム・キーボード・サックスのトリオ編成。ニッティング・ファクトリーから
   リリース。ニューヨーク風の前衛インストトリオって感じだろうか。
261・Briggan Krauss:300:☆☆★
   シンプルな三人組によるインストなのに、妙にクール。
   演奏はメロディよりも身を振り絞って駆け上る、サックスのフレーズが華。
   とはいえ、いちばん好きな曲は、丁寧なつくりの「bingo」なんだけど。

00/9/18
   インターネットに注文してたCDが届きました。
   とはいえ、まえに誤出荷でトラブルがあった分は、いっこうに
   とどきません・・・どうなってるんだぁ。

   気を取り直して・・・今回はビーチボーイズ関連の2枚を購入。

   まずは88年のブライアンのファースト・ソロ。
   発売当初は、はっきり言って嫌いだった。というより、今でも好きじゃない。
   ブライアンの喉は、全盛期の甘いトーンの面影がかけらもない。
   曲だって、それほどいいとは思えない(当時のブライアンの状態はさておいて)。

   今回のCD化は、当時のアルバムをリマスターしたうえに、シングルのみの
   アルバム未収録曲やデモなどをどっさり付け加えた、ライノからの
   リイシューになる。
   僕はただ、シングルのカップリングのみでアルバムの未収録曲だった、
   スペクター調の「He couldn`t get his poor old body to move」を
   10年ぶりかで聴きなおしたくて、このアルバムを購入した。
260・Brian Wilson:Brian Wilson:☆☆★
   今回のクレジットを見ていて、ユージン・ランディの名前がきれいに
   なくなっている。88年にリリースされたときは、プロデュースや
   作曲に確か彼の名前があったと思ったけど・・・。
   訴訟に勝って「ユージンとのかかわりは、なかったこと」にできたのかな。
   やれめでたや。
 
   リマスターのおかげで、予想以上にみずみずしく音が響く。
   かといって、ブライアンの天使のファルセットが戻るわけでもないから、
   出来に強烈な不満は残るけど・・・。でも、ハーモニーはそこそこ甘く
   染みとおって聴こえるからびっくりした。
   ボーナスの大半は、本アルバムのデモテイクだ。「スウィート・インサニティ」
   音源が収録されるかと期待してたので、かなり残念。

   当時のブライアンの状態を痛烈に皮肉った「He could`t~」は、
   あいかわらず、とてつもなく切ない。
   軽快なメロディだからこそ、胸に染みる。しかし、今の状態まで
   ブライアンが復帰するとはなあ・・・・。このアルバムが出たときには
   とても信じられなかったな。

   80年と85年にリリースされた、ビーチボーイズの2in1。
   「Keepin`~」を聞き漏らしてたので、買ってみた。  
259・The Beach Boys:Keepin` the summer alive/The Beach Boys:☆★
   「Keepin`~」は予想してたよりまとまってたけど、やっぱり・・・なぁ・・・。
   でもまあ、聞き込むうちに魅力を見つけられそう。
   「The Beach Boys」は・・・どうでもいいや(笑)

00/9/9

   休日出勤の気分転換に新宿のタワレコへ。もともとは(258)を買うだけの
   つもりでしたが。それだけですむわきゃない。さらにP-vineの旧譜を一枚千円で
   バーゲンしてたもので、「安い安い~」とあれこれ買い込んじゃいました。

   まずは今日の最大の目的。中村とうようがMCA音源を元に編集している
   「MCAジェムズ」の一枚。タイトルどおり、20世紀を俯瞰した
   コーラスのコンピだ。山下達郎が短い文章を寄稿している。
258・VA:アメリカン・コーラスの歴史:☆★
   不思議だ・・・。一曲一曲はすばらしい。なのにアルバム全体
   では濃密すぎる。ボリュームに圧倒されたのかなぁ。
   中村の豊富な知識が炸裂した、SPからCD時代までにわたるボーカル
   グループの歴史はおそろしく刺激的。
   自分の無知さを思い知らされるコンピ。

   ひさびさに世界各国の音楽を何枚か買いました。

   細野晴臣が監修したガムラン集が何枚か出てるみたい。
   まずは目に付いた一枚を買いました。売りは192KHzで録音された
   臨場感溢れる高音質らしい。
257・Gong Galadag:Resonance Meditation:☆☆
   音のよさは、僕の耳ではあまりピンと来ない。
   でかい音で流したらわかるのかな。
   オーソドックスなガムランだと思うけど、
   何度も繰り返して聴いた割に、ポイントを見つけられずじまい。

   数年ぶりにでた新譜だそうな。久々にアデの音を聴くなあ。
256・King Sunny Ade:Seven degrees north: ☆☆★
   跳ね回るトーキングドラムの音が、とにかく心地よい。
   心弾むビートがすばらしい、とてもいかしたアルバム。

   これも数年ぶりのリリースらしい。10年位前には何度も彼女の音を聴いたっけ。
   プロデュースは引き続きアート・リンゼイだ。
255・Marisa Monte:Memories,chronicies and declarations of love:☆☆☆
   一曲一曲がそれぞれ特徴あるメロディで、いとおしく耳に流れ込む。
   静かに家で聴くのにぴったり。このアルバムには静けさがにあう。
   音色の一つ一つまで丁寧に気配っている繊細さが素敵です。
   もっと毒があればいい音楽になるのにな。

   そんでもって、ここからがバーゲンでどさどさっと買ったもろもろです。

   95年録音のシカゴを根城にしたフリージャズ・クインテットの8作目。
254・NRG Ensenble:This is my house:☆☆☆
   猥雑にゴチャッと異なる楽器の音同士が絡まりあう瞬間がいかしてる。
   時にはてんでバラバラに咆哮したかと思えば、すぐさまユニゾンでわめきたてる。
   これは面白いです。他のアルバムも聴いてみたいな。

   66年録音のトリオジャズ。「フィリー・ジョー・ジョーンズ参加」に惹かれました。
253・Elmo Hope:The final sessions vol.1:
   綺麗にまとまっているけれど、どうもそれ以上胸に響いてこない・・・。
   もっともっと強烈な個性が音に欲しい。

   デルマークレーベルで67年に吹き込まれたもの。シカゴ・フリージャズの有名な
   ミュージシャンらしい。お恥かしながら、聴くのは初めて。
252・Muhal Richard Abrams:levels and degrees of light:
   演劇的な音です。ちょっと自分に酔っている感じがあるけれど。
   二曲目以降の演奏のなかで、楽器が絡まりあってスリリングなところもあるが、
   根本的には退屈・・・。

   同じくデルマーク・レーベルから68年作。リチャード・エイブラムスも参加。
   基本的にはトリオ・フリージャズだ。
251・Anthony Braxton:3 compositions of new jazz:
   フリーな演奏を楽しむというより、「フリーな演奏をしている自分」を楽しんでいるような
   気がしてならない。「フリーな演奏をしなければ表現できない!」って必然性が
   演奏から伝わりにくい。なんだか頭でっかちな感じ。

   これもデルマーク印。93年録音のアフリカン・ジャズらしい。
250・Ritual Trio:Renaissance of the resistance:
   リズムに覇気がなく、フレーズにも独創性がない。
   「アフリカ音楽風」を頭でっかちに演奏しているようだ。
   もっともライブを聴いたら、印象が変わるかな。
   本アルバムでは、妙にお行儀がよすぎる。

   92年のデビューアルバム。シャノン・ジャクソン・バンド出身のテナー奏者。
   彼のサックスをフィーチャーした、ニューヨークのトリオ・ジャズ。
249・Zane Massey:Brass knuckles:☆★
   はっきり言ってB級作だろう。こじんまりまとまってしまい、
   個性として突き抜けるものはない。でも、じっくり聴くと
   ワイルドな地鳴り感がおもしろい。ほんのり渋さ風味。

   89年録音。セネガル出身のンバラ・バンドの2枚目になるアルバムだそうな。
248・Hasse Walli & Asamaan:African sky:
   いわゆる"現地の音"がする。その点は評価できる。
   しかし音楽がなんとも中途半端。
   個性が見られず、いまひとつ熱心に聴けない。

00/9/2 
   注文してたCDが届いていた。ほんとは8月中についてたんだけどね。
   いまさらながらの泥縄更新。実はほかにもまだ注文してます(笑)
   いつ届くかな。楽しみ~。

   92年に録音されていながら、発売されなかった4枚目のアルバム音源を
   リーダーの不破大輔がインディでリリース。CD-Rの手作り音源だ。
247・フェダイン:FEDAYIEN Ⅳ☆☆☆★
   52分収録で、全二曲。長尺演奏をたっぷり楽しめる。
   ゲストでカズ中原(g)が(2)に参加。
   きれいな録音で、細かい微妙なフレーズまで楽しめるのは嬉しい。
   曲目のクレジットが欲しかったなあ。・・・と思ってメールで聞いたら
   教えてくれた。収録曲は以下のとおりです。
   1)「パリ空の下セーヌは流れり~ラジオのように」
   2)「DAVADAVADAVA」

   アナログでの買いなおし。10年ぶりくらいに聞き返すかな。
   ブラザー音源の再々発がやっと実り、最近いろいろ並んでいるのを見て
   聞き返したくなった。
   もっとも「ワイルド・ハニー」は、おはずかしながら今回はじめて聞く。
246・The Beach Boys:Smiley Smile/Wild Honey:☆☆★
   「スマイリー・スマイル」は、シングル曲の「ヒーローズ~」や
   「グッド~」のもつパワーを、アルバムの全面に展開しきれなかった点が
   物足りない。でも、今聞くとひょろひょろ感が心地よかったりする。
   とはいえ、中途半端なアルバムだな、やっぱり。
   「ワイルド・ハニー」の方は、根本的に頼りない・・・線が細い。
   ブライアンの才能が指の間から零れ落ちていくような、虚無感がある。

2000年8月

00/8/26
   今日はCDを買うつもりなかったのに。
   「ノイズ・アヴァンギャルド」のバーゲンをやってたもので、
   ついついふらふらと・・・いかんのう。明日はせっせこ聴かなきゃ。

   まずは本日で一番の収穫。NG・レーベルからリリースされた、
   スティーブ・アルビニがプロデュースの一枚。
   廃盤で見つからなかったので、素直に嬉しい。
   ちょっと高かったけど、迷わず手に入れた。
245・Ruins:Graviyaunosch:☆☆☆★
   初期の代表曲を、余裕たっぷりに演奏している。
   アルビニのプロデュースも、トリッキーなところはなく、地に足がついている。
   ルインズの勢いと落ち着きの魅力を見事に切り取った好盤だ。

   ジョン・ゾーン関連を2枚。

   まずは、前から探していたジャズ関連の一枚。
   ビル・フリゼールとジョージ・ルイスの3人によるジャズの演奏だ。
   (206)のスタジオ盤ってとこかな。
244・John Zorn/Geroge Lewis/Bill Frisell:News For Lulu:☆★
   とにかくクール。ガラス細工みたいなジャズだ。
   はかなさと冷たさとを両立させて、シビアなフレーズを叩き込む。
   ライブ盤に輪をかけて、汗臭さがない。まるで無菌室のジャズみたい。
   でも、そのクールさにはまると、すごく刺激的だ。

   お次は「怖い」ジョン・ゾーン。
   このあたりは、あんまり聴いてなかった。どんな感じかなあ。
243・Pain Killer:Buried Secrets:☆★
   音がヒステリックにわめきたてる。
   聴いていて安心感をそぎおとす、テンションの高い音楽。
   緊張感は面白いけど、ライブで楽しみたい音だなあ。

   あとはこの2枚かな。
   驚くほどの安値じゃなかったけど、いい機会なので購入した。

   前から聴きたかった一枚。チンドン屋がテーマと聴いた記憶がある。
   別にアヴァンギャルドって訳じゃないと思うけどなあ。
   ツアディック・レーベルから出てるせいかな。
242・コンポステラ:Wadachi:☆☆
   感傷的な演奏がいっぱい。聴いていて切なくなってくる。
   ライブ演奏ばかりなのに、おそろしく整った演奏テクニックもいい。

   当然、このミュージシャンもはずせない。
   いろいろ置いてあったけど、目に付いたものを一枚。
241・灰野敬二:Tenshi no Gijinka:☆☆★
   メタル・パーカッション(鐘など)を多用し、ヴォーカルをかぶせた一枚。
   鐘の響きが仏教的に、日本的にひびく。
   張り詰めたテンションがここちよい。

   ついでに再発盤を一枚購入。

   アメリカン・ポップスを代表する作曲家の71年ソロ。
   (54)や(79)も出たし。今年はいい年だなあ。
240・Barry Mann:Lay It All Out:☆☆★
   バリーの喉は出ていると思う。メロディもとてもよし。
   だけど、演奏がどうも大味だなあ。もっとタイトなほうがかっこいいのに。

00/8/25
   出張から帰ってきてみたら、CDが届いてました。よっしゃよしゃ。

   1987年にわずか数百枚のみアナログでリリースされた、片山の
   ソロ・アルバム「ドライ・シェリー」を再構成したCDでの再発盤だ。   ベースに早川岳晴、ドラムにつの犬を向かえたトリオ・ジャズ。
239・片山広明:99:☆☆
   激しさもあるが、全体の基調はロマンチック。
   温かみのあるサックスが、スピーカーから流れてくる。

00/8/20
   ふっと目に付いたのを、何枚か買い込んできた。

   まずはアナログ時代に一番見かけ、CD時代に最後まで聞くことのできなかった
   この一枚。じつは恥ずかしながら、今まで聴いたことなかった。
238・Frank Zappa:200 Motel:☆☆☆
   ロックとオーケストラを、ザッパとしては見事に一体化させている。
   こののちにザッパがアレンジしたオーケストラ曲は、前衛的に過ぎて退屈
   してしまうことも多いから。確かにここでも間延びしてしまうところもある。
   でも、メリハリは効いている。フロ&エディのおかげかなあ。

   マサダでおなじみのデイブ・ダグラス(tp)のアルバムを2枚。
   こちらは新譜。ドラマーでマサダ仲間のジョーイ・バロンが参加。
   7人編成の熱っぽいジャズを繰り広げる。
237・Dave Dauglas:Soul on Soul:☆★
   演奏は隙がなくてうまい。だけどそのうまさがそっけない。
   マサダで聴けるような、やけっぱちのクールさを期待したのに。

   98年作。5枚目のリーダーアルバムかな。
   デイブのワンホーンによる、カルテットだ。
236・Dave Dauglas:Moving Portrait:☆☆
   うまいトランペットだと思う。だけど、スリルに欠ける。
   でも、何度も聴いているうちによさが伝わってきた。
   透明感溢れる音の感触は優しい。なのにきりりと引き締まってる。
   その二面性が面白い。

   いわずとしれた、オーネットによるハーモロディクスの名盤。
   これもいままで聴いたことなかった。
   リマスターをバリバリにほどこしているらしい。
235・Ornette Coleman:Dancing in your head:☆☆★
   まるでお祭りのような明るいメロディ。後半のジュジューカも含めて、
   明るいフリージャズがてんこもりになっている。

   安かったので、なんとなく・・・。
   ジョン・ゾーンのZADIKから99年に出た、クレツマー音楽のアルバム。
234・Psamim:Abi Gezint!:
   切なくメロディを奏でる弦のコンボは一聴の価値あり。
   あとはオリジナリティかなぁ。音から奏者の顔が伝わってこない。

00/8/15

   日本のジャズを何枚か仕入れてきました。
   
   彼の音を聞くのは初めて。名前だけは知っていましたが、
   聴くチャンスがなくって。
   他界の直前、78/8/28に北海道で行われたライブを収録。
   全3曲。asとギターとハーモニカのインプロを各一曲づつ演奏している。
233・阿部薫:LAST DATE:☆☆☆
   エンターテイメントを拒否し、ぐいぐい自分の中に沈み込む音楽だ。
   緊張感が全面を覆ってゆく。聞いていて、時に寒気すら覚える。
   ノイズを搾り出すことが目的でなく、音を使って楽器を
   いじめぬいているようにも聴こえる。
   僕はメルツバウを聞いてみて、ノイジーな音も平気になったと思ってた。
   だけどこの音楽のノイズは、他の音楽とはまた違う。
   この音楽がこのアルバムだけの音なのか、彼の個性の音なのかはわからない。
   別のアルバムも聞いてみたくなった。

   ディスク・ユニオンで地底レーベル(渋さ知らズ他所属)の特集を
   やってたもんで、つい、ね・・・・。
   とはいえ、4枚買ったらもらえるフェダインの未発表ライブCD-Rは
   もらえずじまい。ちぇ。
232・川下直弘&山崎弘一:I Guess Everything Reminds You Of Something:☆★
   ストイックさと暖かさが交互に現れる、バランスのいい盤。
   夜中に一人静かに聴いていると、音世界にはまっていく。
   かすれたサックスの音色がフィットするかどうかがポイント。

231・泉邦弘:サンライズ・イン・マイ・ヘッド:☆☆☆
   荒っぽい演奏が、暖かい人間臭さを感じる。手数の多いバックに
   支えられ、若々しいサックスが生き生きと踊る、楽しいジャズ。

   さまざまな音楽センスを盛り込んだプログレ・インスト・ユニットの1st。
230・SOH BAND:No Problem at All:☆☆
   とっちらかったメロディやリズムをぎゅっとまとめ上げる強引さが心地よい。

   観客の罵声で始まる、本バンドの2nd。97/9/19ライブを収録した盤だ。
229・SOH BAND:Death Cures Even Idiots:☆☆☆★
   この演奏、曲間にもハサミを入れているのだろうか。
   テンション高く複雑なリズムを、ころころを変化させていく演奏力は驚嘆する。
   まさにライブを見てみたくなるアルバム。
   ノイジーからポップまで、多彩なメロディをごた混ぜにする作曲力もすごい。

228・Killing Floor:Live Bootleg!:☆☆
   2ドラムに管三本、スティック一名。
   ジャズとロックのごたまぜ音楽が溢れ出す。
   ときおり耳をそばだてるプレイはあるけど、なぜかノレなかった。

00/8/13

   ライブの物販で入手。

   たぶん、最近出たCDじゃないかな。
   98年に東京は大泉のライブハウス「F」で行われたライブを収録した盤。
   マサチューセッツ州のインディレーベルからのリリース。
227・フィールド/勝井/鬼怒/清水:東京インF:☆★
   この顔ぶれにしては、静かで落ち着いた演奏の一枚。
   起伏に欠けるのがちょっと難。でかい音で聞いたらなかなか楽しめる。

   勝井・鬼怒が灰野敬二と組んでリリースした96年の盤。
   廃盤だと思ってたから、手に入れられて嬉しい。
226・Black Stage:Black Stage:☆☆
   94/9/16の吉祥寺MANDA-LA2のライブ収録盤日。
   ときどき耳をそばだてる緊張感がいい。
   ただ、やっぱりこういうのはその場で聞くのが一番かな。

00/8/11

   ネットで注文したCDが届いた。

   てっきりタワー・オブ・パワーのチェスターのソロアルバムだと思ったのに・・・。
   ふたを開けてみると、ザッパ関係のチェスターだった(笑)
   ブルース・ファウラーと、ジョージ・デュークが参加。
225・Chster Thompson:A Joyful Noise:☆☆
   かろやかなノリでフュージョン風の演奏が跳ね回る。
   切れのいいドラミングが心地よい。

00/8/8

   注文してたCDがあれこれ届いた。うれしいな。

   ライノからリリースされた、4枚組のドゥ・ワップボックス。
   今回が第三弾。企画や選曲も、だいぶ手が込んできた。
   でも、やっぱりドゥ・ワップはいいな~。
224・various:The Doo Wop Box Ⅲ:☆☆
   マニアック志向を選択せず、ぐぐっと一般性を持たせるコンセプトだ。
   3枚目の「有名人によるこの一曲」なんて企画が、最たるもの。
   そのせいでちょっとボケたボックスになってしまったのは否めない。
   もし初めてドゥ・ワップを聞くなら、やっぱりvol.1を薦める。
   どうせなら、とことんマニアックな選曲に走ってほしかったなあ。

   ジョー・ジャクソンの新譜は、久しぶりにポップの世界に戻ってきた。
   ピアノトリオ編成による、ライブ盤だ。約半数がカバー曲。
   今年の秋には「ナイト&デイ2」が出るみたい。
   ひさびさに、彼の喉を堪能できるかな。わくわく。 
223・Joe Jackson:SUMMER IN THE CITY☆☆★
   傑作とは言いがたい。彼の音楽を聴くなら、他のアルバムを
   お勧めする。だけど、ポップスの世界へのリハビリ作
   としては、でかした出来だ。まだまだいけそう。
   声がわずかに衰えを感じるなぁ・・・。

   日本のジャズ関連(かな・・・?)バンド。
222・HAYAKAWA:Gwoh-in☆☆☆☆
   ぶっといリズムに緊張感がある演奏。引き締まったリフにあきさせないソロ。
   これはいいです!ぜひともライブで聴いてみたいな。
   ハードなインストは、プログレにもジャズにも聴こえる。
   2ドラムにb、gが絡み合った、とてもかっこいい音楽。
   3曲にpercで岡部洋一(現ボンデージ・フルーツ)が参加。

   上のアルバムをネットで注文したときの、ボーナスCD-R。
   今年の5月に(155)で紹介したのと同じパターンだね。
221・HAYAKAWA:Triple Spirals:☆☆
   ゆったりとしたノリで、それぞれの楽器ががっぷりと組合う。
   スリリングなライブの瞬間をさりげなく切り取っている。

2000年7月

00/7/29

   ジャズ関係の店に行って、エサ箱をあさってたんだけど、どれもかっこよさそう。
   片っ端から聴いてみたいなあ。
   ついでに、サン・ラのディスコグラフィを発見。
   8500円とちょっと高い。どうしようかなあ。

   沖縄録音による、オドゥンの4枚組の大作。
   明田川荘之がゲスト参加。渋さ知らずのレパートリー「ナーダム」も
   2テイク収録されている。
220・オドゥン:三星天洋(BATSU):☆☆☆★
   それぞれの曲は出来が素晴らしくいい。地に足のついた名演ばかり。
   だからこそ、皮肉なことに4枚組のボリュームが重たい。
   むりやり一枚にまとめたら、とんでもない名盤になると思う。
   続けて聴きとおすのは、すさまじく体力が入る。
   気分次第で、ふっと一枚をデッキに乗せる聴き方がいいかな。
   暖かいジャズがずぶずぶからみついてくる。
   明田川を始めとしたゲストも、素晴らしい演奏を提供している。

   こちらは北欧のジャズ。ノルウェーかな。特に予備知識はないけど、
   店のポップに書かれてた、強烈な推薦文を見て聴きたくなった。
219・The Trio:In Color:☆☆★
   真っ白なジャズ。硬質のメロディで、軽やかに音が滑っていく。
   テンションが高くて楽しい。独特のメロディ感覚も魅力の一つ。

00/7/28

   注文してたCDが何枚か届いた。
   別に意識してなかったけど、全部インストが中心の音楽だなあ。

   まずはマサダの最新ライブ。今回は7分に及ぶドラムソロが目玉らしい。
218・MASADA:Live in Sevilla:☆☆
   本盤のテーマは「調和」かな。
   大きな破綻もなく演奏が奏でられる。もうちょっとハードな方がいいな。
   しかし、マスタリングレベルが低すぎ。もっと音に迫力が欲しいぞ。

   
   つづいて、ネットで紹介頂いて興味を持ったアルバムを数枚。

   まずはグレゴリオ聖歌とテクノ(?)を合体させたアルバム。
217・Enigma 3:Le Roy Est Mort,Vive Le Roi!:☆☆☆
   静かなアレンジの演奏なのに、強烈なパワーを感じる。
   和音やグレゴリオ聖歌を生かした音楽だけど、とにかくこれは
   でかい音で聴きたい。大きい音に包まれていると、気持ちよさが倍増する。

   モダンジャズの名盤を二枚購入。
216・Bud Powell:The Scene Changs:
   いわゆる名盤と言われる盤だが、なぜか心に響かない。
   うわっつらだけで音が流れていってしまう。なぜだろう。
   早い音使いのテクはわかるが、フレーズがしみつかない。

215・John Coltrane:Soultrane:☆☆★
   ジャズとしてのレベルは充分クリアしている。
   一日のセッションで録音されたせいかなぁ。アルバム全体に
   統一感が感じられる。バラードの雰囲気がいい。
   なのに、夢中になれない。あと一歩足りない。なんだろうなあ。不思議だ。


   10年位前に、毎日のように聞きくるっていたアルバム。
   元イエスのキーボーディストの、ファースト・ソロアルバム。
214・Rick Wakeman:The Six Wives Of Henry VIII:☆☆☆
   いや~、なつかしい。案外フレーズを覚えてるもんだな。
   躍動感あふれる演奏が、古めかしいシンセの音をカバーしてありあまる。
   プログレの古臭さは、残念ながら若干あるけど。
   このみずみずしい音はとてもいい。

00/7/16

   下の212と213を買いにいったんだけど。色々物色してたら、
   新譜やらセコハンやらに面白そうなのが山盛り。
   ムーンライダーズのライブ盤も面白そうだけどなあ。今日は見つからず。

   明田川荘之の新譜。メタ花巻レーベルが立ち上がってから、いっぱいリリースが
   あるから嬉しい。今年2枚目の新譜かな。
213・明田川荘之&枕:マジック・アイ:☆☆★
   やさしい音楽がいっぱい。よくまとまった、いい盤だと思う。
   妙に小粒に感じるのはなぜだろう。明田川の音楽に耳が慣れたのかなぁ。


   達郎のニューシングル。映画の主題歌だそうな。
   といっても、すでに達郎のラジオ番組で、何回も聞いてるんだよね(笑)
212・山下達郎:ジュブナイルのテーマ瞳の中のレインボー~(Single):☆☆★
   とても地味な曲で、最初はぴんとこなかったけども。
   カラオケをなんどか聴いているうちに、この派手さを抑えた魅力がわかってきました。
   達郎の張った声を楽しめるようになればしめたもの。

   山本精一率いるポップバンド、「羅針盤」の3ed。
211・羅針盤:ソングライン:☆☆
   ポップ追求の中に、ノイジーなギターが割り込んできて、多層的な
   かっこよさを感じさせるのがいい。ただ、ヴォーカルに力がないのがつらいなあ。
   本人も、わざとそうしている部分もあるみたいだけど。
   うまいヴォーカリストを加入させて、見かけをつるつるのポップに
   仕立て上げたらかえってその裏にあるアヴァンギャルド性が
   浮かび上がって面白いんじゃないかなあ。

   マイナーなコーラスグループの新譜。もともと好きだから、こういうのを
   見かけると、つい買ってしまう・・・。かなりいろんなタイトルが輸入されてる
   みたいだし。今年はブラック・コーラス物もいろいろ楽しめそう。
210・Lade Bac:For All The Ladies☆☆☆★
   特筆するほど曲に個性はないんだけど、とても惹かれます。
   打ち込みのリズムが気持ち言い姓かな?
   「Slow Jam」のキーボード単音リフがかっこいい。

   こいつは70年代の再発。Pヴァインのオリジナル形態での再発も
   セコハンで見つけたけど、こっちはキャステルからリイシューされた、
   リマスター&ボーナス付きの再発版。
209・Barrino Brothers:I shall not be moved:☆☆
   かなりいなたい感触だ。デトロイト出身にしては、南部っぽい。
   ベースが恐ろしく弾まない。曲によっては、ノリをぶち壊している。
   「Trapped in a Love」が、ベースの演奏を含めベストな曲。

   MMWの初期の盤らしい。最近再発されたそうだ。
208・Medeski Martin and Wood:Farmer`s Reserve:
   全編にわたってフリージャズを繰り広げる。エレクトロノイズ・ミュージックかな。
   平坦な演奏で盛り上がりが感じられず、退屈してしまう・・・。

   これ、前から探してました。リアルタイムで買いそびれて。
   最近、あまり店頭に見かけないなあ。廃盤じゃないみたいだけど。
207・Prince:The Scandalous Sex Suite(Single):☆
   中盤で流れるギター・ソロはそこそこ楽しめるけど、基本的には退屈。
   打ち込みのドラムが単調で、色気がないせいかな。

   久々のジョン・ゾーン関連。
206・John Zorn/Geroge Lewis/Bill Frisell:More News For Lulu:☆☆☆
   ドラムレスで3人がからみあう。リズムがない分、流れるようなテーマのユニゾンが
   病んだビートを提示する。クールだけど、爽快感がないジャズ。
   だけど、そんなジャズがとてつもなくいかしてる。


   このバンド、前から一度聞いてみたかった。
   アメリカのオルタナ・バンド。・・・説明は不要かな?
205・Sebadoh:bakesale:☆☆★
   疾走感が気持ちいロックだ。
   限られた編成で、さまざまにアレンジを変えるアイディアの豊富さもさすが。

   ソフトロック系の70年代シンガー・ソングライターらしい。
   ムックで誉めてるのはみたことあるけど、まさか再発されてたとは・・・。
204・Robert Lester Folsom:Music and Dreams:☆☆☆
   ソフト・ロックというより、SSW的な音。
   低予算の中、色々と音に気を配っているのはよくわかる。
   歌声にめっちゃくせがある人。もうちょっと、柔らかい声をしてたら
   ☆をひとつ増やしてたのにな。

   モロッコの民族音楽「グナワ」を録音したものらしい。
   「ジュウ・ジュ・カ」は聞いたことないし。はたしてどんなものやら。
   帯には「トランス&ヒーリング音楽の神髄」ってある。テクノみたいなのかな。
203・Maleem Mamoud Guinia and ensemble:The Black Mluks:☆★
   パーカッションが執拗に鳴り、ベースが静かに暴れる。
   大音響で聴くと、うっとりしてくる。
   この音楽にずぶずぶはまることができるか。はまりたくなるか?
   踏絵のような音楽だ。のめりこんだら帰れなくなりそう(笑)

00/7/12

    注文したCDが届いた。どうもばらばらっと届くなあ。

   カリフォルニアのFM局(KCRW)で流したライブを集めたコンピらしい。
   僕の目当てはGbV。だけど、それ以外にもけっこう豪華。
   ベン・フォールズ・ファイブ、フィオナ・アップル、ステレオラブ、ルナ、パティ・スミス、など・・・。
202・KCRW:Rare on Air Vol.3:☆☆★
   バラエティ豊かなライブが面白い。
   目当てのGbVは声が出てないのがちょっと残念。

   前にロフト・プラス・ワンへ行ったとき、幕間に「セラ・ハン・ジンジート」がかかっていた。
   それをじっくり聞いてみたいなあ、と思っていて。この機会に買い込んだ。
201・King Crimson:Disipline:☆☆★
   おっそろしいほどに無機質な演奏。だけど、その味気なさが妙に心地よい。
   エイドリアン・ブリューがいなかったら、さらにこの機械的なノリは
   加速されてたろうなぁ。しかし、この頃のクリムゾンって、
   フリップなりのテクノへの回答みたいに聞こえる。

00/7/11

   GbVの旧譜を手に入れた。ラッキー。1996年のライブ盤だ。リイシューされたらしい。
   CD盤はボーナスがないみたい。それがちょっと残念かな。
200・Guided by Voices:jellyfish reflector:☆☆☆
   ちょっと演奏が荒いところもあるけれど、ホットで楽しいライブ盤だ。音が悪いのが少々残念。

00/07/08

   たまにはあちこち、行ったことのないレコード屋を散策。
   やっぱり、店が違えば品揃えが違う・・・ってなことを、しみじみ感じた。

   まずは、今日一番の収穫。
   吉田達也(ルインズ)が参加した、イギリス(?)のアヴァンギャルド・インストバンド。
199・Gaupo:Death Seed:☆☆
   Gaupoは、クレジットから見るとgとdsの二人組ユニット。
   アルバムのそれぞれ半分づつに、ルインズとThe Shock Exchangeが加わって、インプロを繰り広げる。
   ルインズのパートは、すっかりルインズのペース。手数の多い吉田のドラムが跳ね回る。
   The Shock Exchangeのパートは、ちょっと退屈かな・・・。
   なんにせよ、今日買ったばっかりだ。もうすこし聞き込んでみよう。

   お次はインディのブラックものを何枚か。

   これはイギリスのインディらしい。4人組のコーラスグループ。
198・Smooth Approach:You Got It:☆☆☆
   メンバーのジェフ・ロバーソンが大活躍。作曲・プロデュース・録音(もしかしたら、演奏も)、数曲ではミックスすらしている。
   サンプリングを多用してるあたり、ヒップホップをくぐりぬけたソウルといえる。
   ただ、なんかアレンジが古臭い。サンプリングをストレートに使いすぎなのかな。
   とはいえ、音のヌケがいい、すかっとしたクールなソウルを奏でます。はまるとけっこういいです。

   おつぎはカリフォルニア出身かな。二人組のゴスペル・ユニット。
197・Rimixx:Dear Lord:
   何回も聞いてみたけど、あんまり心に響かない・・・。

   こちらは男2女2のゴスペル。クレジットがなんもない・・・。
   今年リリースされたみたいだけども。
196・His Own:Angels Along The Way:☆☆
   時々、瞬間的に「おおおっ」って耳を引くところはあるけれど。
全体的にはなぜかのめりこめない・・・ヴォーカルが淡白すぎるのかな。

   そして、ベテランコーラスグループの新譜。10年ぶりらしい。
195・The Dramatics:If You Come Back To Me☆☆☆★
   しっとりと暖かい演奏に、ふくよかで懐深い歌声。
   メロディは滑らかで演奏もやさしくつつみこむ。
   時代性はないけれど、飛び切りのソウル・ミュージックだ。

   ブラジル物で、面白そうなのを見つけた。
   現地の白人ドラマー(普段はスタジオミュージシャンらしい)による、
   ファースト・ソロ・アルバムらしい。
194・Ramon Montanhaur:Boyya:☆☆
   タイトなブラジル風味のインスト。ポンタ・ボックス風の音楽を期待して
   買ったけど、ほぼ予想通りかな。ただ、ポンタほど横のふくよかさはないけど。

   さて、アフリカ物も購入してきた。

   まずは、王道を2枚。最初は、セコハンで見つけたこのミュージシャンを。
193・Fela Kuti:V.I.P/Authority Stealing:☆★
   あんまり元気ない・・・他のフェラのアルバムと変わらないアレンジに聞こえるけどなぁ。

   こっちもセコハン。80年代初期の2on1だそうな。
192・Papa Wemba&Viva la Musica:same:
   少々録音が荒いが、一曲単位はいかしたリンガラ。
   なのになぜか耳へすっと飛び込んでこない。なぜだろう・・・。

   ダカールの「ンバラ」という音楽をやっているそうだ。
   今年の録音らしいけど、これもクレジットがなにもない・・・。
191・Omar Pene:Diamond Groove:☆☆☆
   切れ味鋭いギターにホーンをキーボードがふっこりとやさしく支える。
   歌も伸びやかで気持ちいい。アップテンポのいかしたファンクがいっぱいだ。

   これは何も予備知識なし。ジャケ買いしました。
190・Watikanya:Coup de Marteau;☆☆☆★
   関連情報が欲しい・・・。この音楽のどこまでがオリジナルで、どこまでが文化としての音楽なのか知りたい。
   リンガラ風のリズムで軽快に、アルバム一枚を駆け抜ける。アルバム全体の
   構成を考えるとスローな曲が一曲くらい欲しい。
   ヴォーカルも、なめらかさが欲しい。
   そんな注文はあるけど、このキラキラするギターと、柔らかく包み込む
   コーラスが産み出す音楽は、とびきりかっこいい。


00/07/01

   ぶらっと買い物に行っただけなのに。予想通り、買い込んで来ました(笑)
   まあ、これでも抑えたほうなんだけども。
   
   こっちが今年の新譜でした。ゲストが盛りだくさん。
189・フェダイン:Fedayien!☆☆★
   面白いんだけど、前作で感じたような疾走感がない・・・なぜだろう。どこか重たいんだよね。

   引き続き、最近凝ってる明田川の旧譜を一枚。
188・明田川荘之ユニット:三階節:☆☆☆
   ドローンのようなシンセかギターかのフレーズが、ほんのりアヴァンギャルドなジャズ。

   セコハンのところを探してたら、こんなものを見つけた。
   梅津和時のユニット。96年の盤だ。
187・ベツニ・ナンモ・クレズマー:アヒル:☆☆
   レパートリーはすべてトラディッショナルみたいだ。演奏はうまい。音楽への愛情も伝わってくる。
   ロシア民謡(マイムマイムみたいなやつ)を思わせる、のどかなフレーズが次々せまってくる。
   でも、なんでこのアレンジで、日本人が演奏しなきゃいけないんだろう、って疑問が常に離れなかった。

2000年6月

00/06/18

   BBSでいろんな方から推薦頂いたCDをあれこれ買いに行って来た。

   まずはコステロ。恥ずかしながら、この盤は持ってなかった。
186・Elvis Costello:Imperial Bedroom:☆☆☆★
   スティーブ・ナイーヴが大活躍。アレンジだけでなく、声にもいろいろ気を使って
   スタジオで練り上げた傑作だ。なのに、病んだ雰囲気がでないのがおもしろいところ。

   つづいて、今回の「おすすめCD」でも紹介したムーンライダーズを。
185・ムーンライダーズ:カメラ=万年筆:☆☆☆
   音選びに時代を感じてしまう個所もあるが、全般的によく練り上げられたアルバム。
   なにより、ひりひりした疾走感がいい。

   さらにイギリスの新人(?)バンドの2作目。
184・Gomez:Liquid Skin:☆☆☆
   新人バンドの割に、老成したセンスがおもしろい。
   「rththm&blues alibi」が気に入った。

   アフリカ物も見つかった。タジ・マハルとの共演盤。
183・Toumani Diabate&Taj Mahal:Kulanjan:☆☆☆
   ブルースとアフリカ音楽をミックス。タフなノリで、一筋縄ではいかない音楽になっている。
   「Ol` Georgie Back」って曲がかっこいいなあ。

   そのほかにアフリカ物を2枚購入した。

   まずはガーナから。コギリの名奏者カクラバ・ロビによる91年のライブ。
   こんなものが出てたとは。
182・Kakraba Lobi:KAKRABA LOBI Live☆☆☆★
   めくるめくリズムの奔流がとてつもなく快感。これはいい!
 
   これは事前知識なし。パーカッションのオーケストラだそう。
181・Doudou Ndiaye Rose Percussion Orchestra:Lac Rose:☆☆
   分厚い太鼓が怒涛のように迫ってくる。録音もいいし、この迫力は捨てがたい。
   ただ、2枚組だとちょっと飽きてくるかな。目の前で聞いてたら、どんなに長くても退屈しないだろうけど。
   ライブと録音物の限界をしみじみ感じたアルバム。


   レココレ最新号の影響か、ソフトロックがいろいろ店に置いてあった。
   もともとコーラスが好きだから、90年代頭頃にいろいろ追いかけてました。
   またいろいろこういう音楽を聞いてみようかな。
180・Eternity`s Children:same:☆☆☆
   曲の出来にムラがあるけど、はまったときのソフトな官職は最高!

00/06/11

   フェダインの新譜を買いに行っただけなのに。
   おもしろそうなアルバムを何枚か見つけて、つい買い込んでしまった。

   先日のライブで感動したフェダインの旧譜。新譜はまだ出てなかった・・・。
   これは、98年のドイツでのライブを収録したもの。
179・フェダイン:FEDAYIEN LIVE!☆☆☆★
   ちょっと音がこもってるところが残念だけど、手数の多い彼らのライブを
   臨場感豊かに捉えている。
   DATのオーディエンス取りだから、気分は海賊版だけど。
   歓声がものすごい・・・。でも、その歓声にふさわしい、熱っぽいステージだ。
   渋さのホーン隊3人とギターが一人飛び入りしてる。

   灰野敬二は、実はちゃんと聞いてない。前から興味はあるんだけども。
   これはニューヨークでマサダのリズム隊と録音したアコースディック・アヴァンギャルド。
178・灰野敬二:これ以上 という 不透明な訴訟:☆☆★
   ノイジーなところがないせいで、素直に聞ける。音がはっきり聞き取れて楽しい。
   間を生かしたスリリングな瞬間が何度も訪れる。探りあいと対決が交互に訪れる。

   ライノが出していた、タワー・オブ・パワーの未発表曲集。インターネットのみで販売されていた。
   ところがなぜかレコード屋に置いていた。ちょっと高かったけど、あとで見つからなくて
   悔やむのがいやなので、えいやっと購入。限定一万枚だそうな。
   これでタワー・オブ・パワーの欲しいアルバムは、ほぼ全部そろった。
   GbVの次の全曲紹介は、ToPにしようかな。
177・Tower of power:Dinosaur Tracks☆☆☆☆★
   これはすばらしい!80年代前半の未発表テイクだから、あんまり期待してなかったけど。
   ノリのいい曲がてんこもり。買ってよかった・・・。

   ひさびさにコーラスグループを何枚か手に入れた。
176・Le Jit:same:☆☆☆
   アルバム後半からが本領発揮。そつのないコーラスが心地よい。SEたっぷりのエロティックなスウィート・ソウル。
今の時代にも、こういうグループがリアルタイムで活動してくれてるなんて。うれしいぞ。

175・Serenade:The Serenade Experience☆☆☆☆
   ひさびさのコーラスグループのヒット作。メロディもハーモニーも、とてつもなく気持ちいい。
   インディらしく、バックの音はちょっと荒っぽいけれども。でも、こういう打ち込みのオケは大好き。

174・o`l Heads:Before You Go:☆☆☆★
   オーソドックスなスウィート・ソウル。おおっと驚きはしないけれど、しっかりした実力をびんびん感じる。

   レココレの6月号を読んでいて、聞きたくなった。
   「ペルシアン・ラブ」をはじめて聞いたのは15年くらい前だ。
   それ以来かな、ホルガー・シューカイを聞くのは。
173・Holger Czukay:good morning story:☆☆★
   今の時代に聞くと、まさにテクノって感じがする。
   昔はホルガーって、めっちゃ前衛チックに聞こえたけど。今聞くとポップだなあ。   

00/6/5

   すでに手に入れてたのに、アップするまで一週間もかかった・・・。
   もっとも、ろくに聞いてないから今アップしても、感想かけないのはいっしょだけど。

   この欄の〔45〕で購入した、ウータン総帥RZAのサントラ。
   こっちは、ラッパーが勢ぞろいしてるみたい。
172・THE RZA:Ghost Dog(OST):
   何回聞いても、胸に響いてこない・・・。
   ラップの聞き方を忘れたのかな。
   でも、いつものウータン印の影がないような気も・・・。

   アフリカものを3枚ほど。まずは、フェラ・クティ。
   2on1とはいえ、オリジナルアルバム形式で聞くのは初めて・・・かな?
171・Fela Kuti:Stalemate/Fear not For Man:☆☆
   どこか余裕がある音作りで、安心して聞ける。
   当時は緊張感にあふれた日常だったろうに・・・。

170・Fela Kuti:Shakara/London Scene:☆☆☆
   初期の2枚をカップリング。
   結果的に猥雑なエネルギーあふれる一枚と、タイトな演奏の一枚が対比する結果になってて面白い。

   以前、掲示板で紹介して頂いたアフリカもののコンピを一枚。
169・V.A:Africa Funk:☆☆☆
   アメリカのファンクっぽい曲もあるのが意外だった。
   しかし、どの曲もしこたまかっこいい。元気が出てくるよ。
   そのうえこのコンピは音がべらぼうに迫力あるのも二重丸。

    GbV関連らしい。でも、クレジットがないから、どこらへんが関係してるのか、さっぱりわからない(苦笑)  
168・Nightwalker:Professional Music By Nightwalker: ☆★
   ロバート・ポラードが参加してるらしい。アイディア一発のデモテープだね。
   録音の荒っぽさに隠れてわかりにくいけど、いい曲が何曲かあり。
   11分続く最終曲のノイジーでアヴァンギャルドな曲も、どこかポップなのが微笑ましい。


   前作のデュエット集は聞いてないけども、僕はこの人の歌声はけっこう好き。
167・Jules Shear:Allow Me:☆☆★
   とりたてて、目がさめるほどの斬新さはないけれども。ほっとできる一枚。

   クレイマー関連で、またもや一枚。
166・Blueberrie Spy:Sing Sing:
   女性二人組みのギターロック。どうもぴんとこない・・・。
    あと一歩、つきぬける魅力か個性が欲しかったなあ。

00/6/4

   献血のついでにCD屋に寄ったら、いろいろ見つけた。ラッキー!
   これらのCDのほかに、プリンスの最新ライブビデオも購入♪
   まだ何枚も注文してるCDもあるし・・・聞く時間が欲しい。くうっ(贅沢な悩みだ)

   「山賊版」と称した海賊版風のアルバム第二段。またもやお見事の3枚組で登場。
   今回は99年12/27に江古田バディでのライブを抄録。
   全4時間半にわたってのライブだから、完全版なら5枚組が必要な計算か。
165・渋さ知らズ:ケイハクウタガッセン☆☆☆★(山賊版)
   ちょっと音がこもる瞬間もあるけれど、おおむねいい音。収録曲もつぶぞろい。
   ある日のライブの実況中継みたいでいいな、これ。

   東京インディ・プログレ界の重要ギタリスト、鬼怒無月の初ソロEP。
   ゲストも豪華だ。多分2000年の発売。限定百枚のリリースらしい。
164・鬼怒無月:ディスコ・スペース・ベイビー!:☆☆(EP)
   混沌としたインプロ中心の演奏。面白いけど、録音がオフなので残念。

   カート・ベッチャーによるソフト・ロック・バンドのミレニアムによる、
   67/68年の未発表曲やレアテイクを集めたアルバム。
163・Millennium:The Second Millennium:☆☆★
   演奏はラフになるところもあるけれど。メロディの確かさと、曲に対するイメージが
   しっかりしてるから、安心して聴ける。完成形を聴いてみたかったなあ。

   「アップル・ビーナス」第二段。ポップ派のXTC登場だ。
162・XTC:Wasp Star☆☆☆
   デモテープを作りこんだ、アンディの執念が伝わってくる一枚。
   "you and the vlouds will still be beautiful"が気に入った。

   タワーでphishと同じ場所に陳列されてた。セカンド・ライン・ジャム・バンドらしい。
161・Galactic:Late For The Future☆☆☆
   R&B系のどっしりしていて柔軟なビートが心地よい。これが3枚目らしい。ほかのも聞いてみようかな。

00/6/1
      さあ、6月だ。何か面白い音楽はないかな・・・ってことで、何枚か購入。

   ひねくれポップデュオの新作。去年の2枚組ライブ盤にひきつづき、今度はスタジオアルバムの登場だ。
160・Ween:White Pepper☆☆☆★
   とってもポップなメロディを、二重にも三重にもかました寝技で覆い尽くした楽しいアルバム。
   アイディア満載で、聞くたびに違う魅力を見せる。

   これはジョン・ゾーンのペンによる曲を、NYのミュージシャンが演奏するって企画。
   もっともトリビュート盤とかではなく、あくまでゾーン自身の企画。
159・John Zorn:Taboo and Exile:☆☆★
   どんなにハードになっても、どこか上品な雰囲気が漂うアルバム。
   ゾーンのデカダン趣味が全開って感じだな。

2000年5月

00/5/24
 
   今週は忙しかった・・・。がんばった自分へのささやかなご褒美としてCDを購入。

   まずは、ここのところ一部で大盛り上がりのphishの新譜。日本盤を購入した。
158・Phish:Farmhouse☆☆☆☆
   ライブのエッセンスをスタジオで抽出した好盤。日本盤はボーナス2曲付きでお得。

   ウータン一派の新譜。ただ、ウータン関係者のクレジットも、ウーのロゴすらない。
   ウータン・クランから脱退したのかな?
157・Killah Priest:View from Masada:☆★
   ウー風の音作りだけど、微妙に重心が軽い気がする。
   ウーとはちょっと違った微妙なバックトラックの個性を楽しむのも一興。

00/5/23

   注文したら、ああっという間に届いた。仕事が速くて気持ちいい。
   日本のジャズ界屈指のメンバーによるユニットのアルバム。   
156・CO2:tokai:☆☆☆
   リズムでなく、スタンスがジャズ。荒っぽいところもあるが、互いに絡み合う瞬間がスリリング。

   こちらは、上のCDを注文した人だけに送られるCD-Rのおまけ
155・CO2:ASIAN BLUES:☆☆★
   10分少々の曲を一曲だけ収録。ドライブ感が気持ちいい。

00/5/21
   
   HPで薦めていただいたもろもろのCDを探しにレコード屋へ。
   探し物は結局一枚も見つからなかったのですが、手ぶらで帰るのはくやしいのであれこれと買ってきました。

   まずは明田川荘之の新作と、旧作を。旧作は廃盤だから入手できてうれしい。
154・明田川荘之&布団:PHOTONではなく布団です!?:☆☆☆
   収録曲の内2曲は、僕が1月に行ったライブより。そういう音源がCD化されるってうれしいな。
   音的には、落ち着いた雰囲気が漂って気持ちいい。

153・明田川荘之:わっぺ:☆☆☆
   予想してた以上にタイト。こういう演奏もしてたんだなあ。(ちなみに9年前の作品)

   なんか新しい音楽はないかな、とゾーンのTZADIKから二枚ほど。
152・dousidz:empties:

   ミクスチャーをやりたいんだと思う。熱意は伝わるし、追い込めば新しい音楽になると思う。
   だから、もう少し自分のサウンドを客観視して欲しい。

151・Wadala Leo Smith`s Golden Quartet:same:☆★
   もっとアバンギャルドなのかと思いきや、あんがい普通のジャズだった。
   ドラムのタイトさは聴いていてスッキリする。
   でもリードをはるべきトランペッターのフレーズがイマイチ。
   出来の悪いBGMを聴かされているようだ。

   ついでにインディものを何枚か。
   まずはGbV系のソロアルバム。だんだんぬかるみ状態になってきたなあ。
   どこまで買っていくことになることやら。
150・swearing at motorists:more songs from the mellow struggle:
   こいつはエレファント6系のポップスだそう。
149・the wee turtles:this land in your land:
   素朴な手作りのポップ。もう少し作りこみの余地がありそう。次作に期待したい。

   こちらはアダルト・ロックってなふれこみ。 
148・the bathers;PANDEMONIA;☆☆
   しっとりとした大人の雰囲気。ちょっとスリル感にかけるけど。
   夜に酒飲みながら聞くにはちょうどいいかな。

00/5/16
  
   前から注文してたCDがやっと届いた。
   ここで紹介してるGbV関連として、ぜひ聞いてみたくて。
   もっとも、GbVのメンバーはまったく参加してないみたいだけども。
147・Cobra Verde:Vintage Crime(EP)★
   かなり物足りない。きっちりしたプロデューサーがいたら
   だいぶ印象が変わったはず。

146・Cobra Verde:Egomania(Love Songs):☆★
   かなり曲のクオリティに差があるなあ。ヴォーカルの個性で、むりやり統一感を出してるみたい。

00/5/12

   連休明け一週間を無事終わらせた自分へのご褒美でレコード屋へ。
   (本音は、帰宅の電車でレココレ誌の最新号を読みたくなったからだけども)
 
   新生クリムゾン。雑誌ではあまりいい評価なかったけども、いちおうね。
145・King Crimson:The ConstruKction of light☆☆☆★
   そっけないメタリック・クリムゾン・サウンドが全開。けっこういいな、これ。
 
   ジャム&ルイスがプロデュース。日本のみの再発らしい。
144・Change:Change of heart:
   あんまりピンとこなかった。しかし、今聞くと古臭いアレンジだけど、逆に今の10代くらいの人には新鮮なのかな?こういう音は。

00/5/7

   ライブに行ったら、物販で超先行発売(正式発売は8月)していた。
   2年ぶりのルインズ単独アルバムだ。うれしいな。
143・Ruins:PALLASCHTOM☆☆☆☆★
   またルインズが進化した!クリアな録音に柔軟な演奏。いままでで一番いいかも。

00/5/6
    
   レココレ誌00/5月号で紹介していた、アラブ歌謡のコンピをやっとこさ入手。,

   副題は「Les Plus Grands Classiques De La Musique Arabe」です。
   レココレ誌で誉められたほうの最初の2枚組コンピレを買ってみました。
   ジャケットもしゃれてる。クレジットがあっさりなのがいまいち。
142・Arabian Masters:☆☆★
   音がいいのにびっくり。たいがいこの手の音楽って、カセットコピーみたいなブースト音だから。
   音のよさが、楽曲のふくよかさも歌のうまさも実感させる。もっと聞き込んでみよう。

00/5/1
    
   ぶらっと時間調整にCD屋へ寄っただけなのに・・・気づいたら何枚か買ってた。

   店のポップを参考に、最近の新譜(?)を何枚か。
   ちょっとかげりのあるアセンズ製ひねくれポップ。
141・Summer Hymms:Voice Brother and Sister:☆★
   多重録音を巧みに操り、小技のアレンジがそこかしこで光る。
   甘いポップスと、サイケな演奏を両立させた強引さが魅力だ。
   「Mr. Brewer」や「New-Underdressment」あたりが気に入った。

140・Sexy Death Soda:California Police State:☆★
   鼻にかかったポップなメロディ。悪くはないけど・・・なぜか心に引っかからないなあ。

139・The Doleful lions:Motel Swim:☆☆☆
   威勢のいいシンプルなポップス。さりげないコーラスもかっこいい。

   中古でそこそこの値段だったもので購入。ジム・ウエッブの息子たちのデビュー盤。
138・The Webb Brothers:Beyond The Biosphere:
☆★
   細かく気をつかってるのがよくわかる。だけど、あと一歩突き抜けて欲しいなあ。 

2000年4月

00/4/29
    
   ノイズ魔王メルツバウを一枚入手。
137・MERZBOW:HYBRID NOISEBLOOM:☆☆☆
   97年作。最近のハーシュノイズを前面に出さずに、シンセを使ってるからとってもポップ。

00/4/26

    注文してたCDがどどっと手に入った。らっきぃ。

   ヴァン・モリスン他による、スキッフルのとっても楽しいライブ盤
136・The Skiffle Sessions:Live in Belefast☆☆☆★
   暖かい演奏が気持ちいい。新しさはないけども、ホッとします。

   ゴングの最新形らしい。はてさて、どんなものやら・・。
135・Gong 2000:Zero to Infinity:☆☆★
   ほんのりテクノ風味。物語を語るコンセプトみたいだが、歌詞に興味ないしなあ。
   音楽的な統一性はばらばら。そこが面白いんだけども。

   こんなの出てるなんて知らなかった。限定品らしい。入手できてラッキー。
134・Tower of Power:Direct Plus!:☆☆
   インディレーベルの、一枚かぎりの契約らしい。音のよさが自慢みたいだけど、技術の進歩には勝てないなあ(^^;)

   4枚組ボックス。出たのは2年前になるけども。今更ながら聞いてみたくて。
133・Randy Newman:Guilty 30 Years:☆☆★
  ちょっと癖があるけども、あったかいメロディが満載。声に癖があるけど、よさを再発見しました。

   ジャム・バンドの要素てんこもりらしい。雑誌のレビュー見て買ってみました。
132・John Scofield:Bump:☆★
   あんがいポップ。柔軟なグルーヴが気持ちいい。ちょっと重心が高いかな。

   GbV関連ということで。しかし、あの新コーナー、さっぱり反響ない・・・(笑)
131・Cobra Verde:Night Life
   バンドのパワーは感じるが、ちと弱い。熱意が空回りしてるよう。
   盤の中で気にいったのは"Until it`s gone"。
130・Cobra Verde:viva la muerte☆★
   どっかで聞いたようなリフもあり。スピード感がある演奏は、そこそこ楽しい。

   前にここで紹介したバンドのミニアルバムです。
129・Holiday Flyer:blue harbest:☆★
   やさしいポップスが6曲つまったミニアルバム。
   耳障りはとてもいいのに、なぜか何度聞いても
   胸に響かない。なぜだろう・・・。いくら考えてもわからない。
   単に、僕の気分的なもんだと思うんだけど。

    クレイマー印。発表当時、けっこう評判よかった記憶あるけど。
128・Fly Ashtray:Tone Sensations Of The Wonder-men:☆★
   メロディが単調なのが玉に傷。でも、アイディアに満ち溢れたサイケな音楽だ。

00/4/22

  岡村靖幸の新曲が聞きたくて、レコード屋へ。

  てなわけで、さっそく購入。4/19発売だっけなあ。
127・岡村靖幸:真夜中のサイクリング(single):☆★
  カップリング曲がイルカ「なごり雪」のカバー。なにを考えているのやら・・・。
  タイトル曲は、相変わらずプリンス印全開。「COME」の頃の雰囲気かな。

  ニューシングルがでてた。輸入盤と見比べて、収録曲の多いこっちを購入。
126・BECK:Mixed Bizness(single):
  コーネリアス他がミックスした表題曲の別バージョンが4曲に、未発表曲が二曲。
  いまいちおもしろくないなあ。
 
  アカペラグループのパースエイジョンズが、ザッパの曲のカバー集を出してたとは。知らんかった。
125・The Persuasions:Frankly A Cappella☆☆★
  ザッパファンの僕はいろいろツッこみたくなる盤だ。
  音楽的には・・・ザッパとブラック・ミュージックを聞いたことない人には、ちょっと薦めにくいかな。

00/4/14

  ついに届きました。山下達郎の、非売品CDです。
124・山下達郎:ON THE STREET CORNER 0☆☆☆☆★
  アカペラのカラオケに、アカペラライブが三曲。”最高傑作!”とへんに持ち上げるべき
  ものじゃないですが、これはいいです。達郎のハミングを堪能できるし。

00/4/8

  ぶらっとCD屋へ。CDより渋さ知らズのビデオを買ったのが一番の収穫。
     
  このレーベルのテクノは好きです。
  最近新譜で見ないけど閉鎖されたのかなあ。
123・ROTTERDAM RECORDS:THE 1ST ANNIVERSARY MEGA-MIX:☆☆
  BPMは他のテクノと変わらないのに、このレーベルのやつは、なぜかしっくりくる。
  
  けっこう安かったんで買ってきました。
122・MAGMA:ATTAHK:☆☆
   ポップさがなかなか楽しい。もうちょいリズムが激しいほうがいいな。

  CD屋のカードで「20世紀最後のロックバンド!」とか紹介されてたんで、とりあえず買って見ました。
121・GODSPEED:YOU BLACK EMPEROR!:☆★
   サントラ的なメロディが現れては消えていくインスト中心の音楽。
   おもしろい瞬間も確かにあるけど、そんなにもてはやすような音楽なのかな。

  新譜が出ました。さっそく買ってきました。
120・LOU REED:ECSTASY☆☆★
  えらく地味なジャケットなんで心配したけど。軽快で、明るいアルバム。

  アフリカものを何枚か買ってきました。
119・WILLY NFOR:FLY AWAY:☆☆
   打ち込みを多用したアレンジ。ただ、ノリがクールで、ときに「アフリカ風ソウル」を思わせるほど。
   ベースを本人が弾いている。たぶん手弾き。はずむ素敵な響きだ。
   このアルバムの評価は、彼が作る音にのめりこめるかで、大きく変わると思う。

118・TOUMANI DIABATE WITH BAUAKE SISSOKO:NOUVELLES CORDES ANCIENNES:☆☆☆
   キラキラしたコラのデュエットが気持ちいい!エコーが深くて、泥臭さがないのがちょっと残念。

   ユッスー・ンドゥール・バンドのパーカッショニストらしい。
117・BABACRA FAYE:SING SING:☆★
   えっらいポップ。打ち込みと生を巧みに混ぜたリズムと、親しみやすいメロディは楽しいけども。

116・BORRINA MAPAKA:YULA:☆☆★
   弾むリズムと透き通ったリズムが心地よい好盤。ブラジル音楽にも
   影響を受けてるらしい。アコギの使い方がちょっとブラジル風かな。

2000年3月

00/3/26
 
   細野晴臣のboxを買いに行くのが目的だったんだけど。いろいろ入手できた。

    細野のデビュー30周年を機に総括した4枚組box。選曲がとてもいい。
115・細野晴臣:Hosono Box 1969-2000☆☆☆☆★
   これはいいです。マスタリングで音もいい。おすすめ。
   4枚組のヴォリュームなのに、入門編に最適なとこがすごい・・・

    サン・ラも果てしない・・・見るとつい、買ってしまう。
    全貌をつかめるのはいつのことやら。ギリシャでの二枚組ライブ盤。
    過去にLP3タイトルでリリースされた音源を、CD二枚組に再編集した。
114・The Sun Ra Arkestra:Live at Praxis `84: ☆★
   オリジナルの混沌さと、スタンダードのしゃっきりした演奏との対比が面白い。
   録音は若干編集あり。完全版でない可能性大。

    前から探してました。ブートくさいんだけど、この希少性と丁寧なつくりはいい。
113・Carole King:Brill Building Legends:☆☆☆
   素朴ながら、生き生きした演奏に見事なメロディ。寄せ集めっぽいところもあるが。

    デモテープ集らしいから、コーラスに期待を寄せるのは間違いかもしれないけど。
    ミレニアムやサジタリウスをどうしても期待してしまう。
112・Curt Boettcher:Misty Mirage:☆☆☆
   見事な演奏と歌声。確かにシンプルなアレンジだけども。これはいい。
   ただ、貴重なデモ音源の羅列は統一感がなくちと疲れる。
   "Tumblin tumbleweeds"のドリーミーさを筆頭に、どの曲も
   単体ではぐっと聴き応えあるんだけどね。
   完全にマニア向けの盤だろう。そこまでマメじゃない
   ぼくはちとトゥー・マッチかな。

    バーゲンで安かったんで買い込んできました。
    88年から98年まで、各2曲づつが選曲された二枚組です。
111・10 Years of Techno:☆★
   つまんないわけじゃないんだけども、なぜかノれない・・・不思議だ。

00/3/20  

   今日はけっこう収穫あり。特にクレイマー関係。

   まずはクレイマー関係5連発。
   これが2作目のはず。クレイマーによる3人組のギターバンド。
110・Tin Ear:Ballad of a Tin Band☆☆☆
   圧倒的な個性こそないけれど、細かいとこまで気を配った好盤。

109・Egomaniacs:Egomaniacs☆☆☆
   そっけない演奏でとっつき悪いけど、ひねくれポップが楽しい。

108・adult rodeo:The kissface:☆☆
  ひねくれC/W。アヴァンギャルドにぎりぎり傾いた、微妙なバランスが楽しい。

107・Walkingseeds:Bad Orb,Whirling Ball:☆★
   4人組のサイケ・ロック。アレンジは勢い一辺倒じゃないし、ところどころ
   おもわず耳をひくフレーズはある。だけどもうちょっと華が欲しいなあ。

106・The Ladytron:same:☆☆★
   ちょっとひねくれたメロディとアレンジ。軽く喉を絞って歌う声の切なさがいい。

   ファーストアルバム(未聴)がクレイマーのプロデュースだったはず。
105・Fly astray:sawgrass subligette:☆ごちゃごちゃっとした感じのアルバム。
   メロディよりも、サイケな音像の雰囲気で押していく。

   なんとなく買ってみました。ジョン・ゾーンの代表アルバムらしいので。
104・John Zone:Godard Spillane:☆
   カットアップを多用して、刺激的なんだけども。もうすこし、それぞれのピースが印象的ならなあ。

   一枚買ったらかっこよくて。で、もう一枚。
103・The Meters:Struttin:☆☆
   この3作目はかっちりしたつくりだ。悪くないけど、ぼくは2作目のほうがいいなあ。

   パラソルレーベルに最近、ちょびっと興味あり。
102・Wolfie:Where's Wolfie:
   全体的にいまいち。演奏は大雑把だし、曲も作りこみがたりない。歌も魅力ないし。
   一部で流行ってるらしいけど、どこが魅力なんだろう。ううむ。
   "you`re lucky I`m skinny"がベスト・トラックかな。

   U2が無性に聞きたくなりました。僕の趣味的には、ごく初期のU2が好き。
101・U2:The Best of 1980~1990::☆★
   う~ん、ぼくはU2を好みでないと再確認する結果になった。
   「サンデイ・ブラディ・サンディ」は大好きな一曲なんだけども。

00/3/12
    
   Guided by voicesのシングルを買うついでに、バーゲンやってたので何枚か買い込みました。

    アルバム"Do the collapse"からの第2弾シングル。全9曲入り。
    しかもその内6曲はアルバム未収録曲。やってくれるぜ、まったく。
100・Guided by voices:Hold on hope(EP):☆☆★
   荒っぽいながらの微妙なメロディ。なかなかいいな。

   この3枚はクレイマーがらみ。また興味が出てきたよ。
99・boogie man smash:同左:☆☆★
  4人組のパンク風味ロック。ちょっとぎこちないポップなメロディがいい。

   アメリカン・コミック風のジャケットで、クレジットがろくにない。
98・False front:Criminal kind:☆★
   へなちょこハードロック。いまいち魅力ない。"cake&beer"って曲はけっこういいけど。

   こいつもクレイマープロデュース。
97・Nothing painted blue:Power trips down lover's lake:☆☆
  アコギが妙に暖かく耳に残るパワーポップ。メロディがいかしてる。

   これは安かったんでなんとなく。予備知識まったくなし。
96・Horbour kings:the big Kahuna:☆☆
  おちついたサイケなギターがいかしてる。けっこう僕のツボかも。

00/3/7

   新譜その他であれこれと買いました。

   50枚組boxセットのサンプル版。限定版の声に引かれて買っちゃいました。
   この50枚組の値段は500ドル位らしい。目の前にあったら・・・買っちゃうだろうなあ。
95・Merzbow:Merzbox sampler:☆☆★
  メルツバウのこれまでの歴史が垣間見れる好盤。もう少し聞き込みたい。

   ひさかたぶりの新譜を出したお二方、ということで。

   ちなみにザ・ザのザッパのカバー集はどうなった。ずっと待ってるのに。
94・The The:Nakedself☆☆☆★
   安定したザザ節だけでなく、進化したステップが聞けるぞ。こりゃいい。

   再結成ライブは興味なかったけど、スタジオ盤はね。やはり聞いてみたい。
93・Steely Dan:two against nature:☆★
   タイトル曲の疾走感は素敵。ただ、全体的に大味。ソロ・フレーズも魅力ないし。

   サン・ラも最近果てしなく出る。こいつは90年のスタジオ録音。
   エリントンなみにスイングに傾倒してた時代ってイメージがあるけれども。
92・Sun Ra arkestra:mayan temples:☆★
   オリジナルが中心だけど、かなりポップな印象を受ける。
   混沌さをやわらげて、大人数でぶちかます迫力が暖かい。
   晩年の丸くなったサン・ラーの音だが、単なるスイング一辺倒ではない。
   その微妙なバランスを楽しむには、ちょうどいい盤。

   前にエディ・リーダーとシングル一枚出してた人。
   その関係で、ぜひ一度聞いてみたいと思ってました。
91・Boo Hewerdine:Thanksgiving:☆☆★
  派手さこそないが、ほのかな暖かさが心地よい、落ち着けるアルバム。

00/3/1

   マラ・フラインという女性とクレイマーのデュオらしい。2作目かな。
90・Milksop Holly;Time to Come in☆☆☆☆
  これはいいです!お勧め。しっとりとしたサイケ・フォーク・ポップがなごみます。

   これで市場で手に入れられるフィッシュのCDは全部そろったかな。
   あとはインターネットのみで売ってるやつか・・・どっか店に置いてないかなぁ。
89・Phish:Billy Breathers:☆☆☆☆
  シンプルながら、ライブでは聞けない繊細なphishの音楽が楽しめる。

   これも恥かしながら、今まで聞いたことありませんでした。
   ふっと聞きたくなり購入。
88・Paul McCartney:Red Rose Speedway:☆☆★
  きっちり作りこんだアルバムだけど、どこかにロックンロールのラフさが残る、かっこいいアルバム。

2000年2月

00/2/26

   「アケタの店」に明田川庄之のライブを聞きに行った時に、そこで買い込んだ。
   ちょっとおまけしてくれたのが嬉しい。
87・明田川庄之:アルプ:☆☆☆
   長尺の演奏が大迫力。これを退屈しないで聞かせる腕はさすが。

86・明田川庄之トリオ:室蘭・アサイ・センチメンタル:☆☆☆
   オーソドックスなピアノ・トリオが楽しめる好盤。

00/2/24

  仕事が早めに終わったんで、ちょいとレコード屋へ・・・。

   無性に「レディ・マドンナ」が聞きたくて買ってきました。
   よく考えるとタイミング悪い・・・これからビートルズのリマスターって市場に
   ぼろぼろ出てきそうだ。
85・The Beatles:PAST MASTERS vol.2:☆☆☆☆
  やっぱり、ほのぼのしますね。後期はバラード系が多くて、食傷気味のところもあるんだけども。
  今回はじめて聞く曲もあるからかな。

   こっちもベスト盤。「Can we still be friends」が聞きたくて買ってきた。
   トッドもアナログで学生時代にさんざん聞いちゃったから、CDではあんまり持ってない。
84・Todd Rundgren:Go ahead.Ignore me:☆☆☆☆
   このベスト盤で、トッドのメロウな面はほとんど聞けるから買いなおさなくてもいいかなあ。

   ドイツでの再発・・・というか、シングルCDによるレアテイクのコンピ。
   このCDに「I would die 4 U」のロングバージョンがあったんで、迷わず購入。
   この曲があったからこそ、ぼくはプリンスのファンになった。
83・Prince:Erotic City(single):☆☆☆
  「I would die 4 U」はロングバージョンなのにフェイドアウトなんて。
  しかも、別テイクだな、これ。

   ウータン・クラン一派は、2000年も着実に活動中。
   ラップは最近積極的に聞かないけども、ウータン一派だけは見つけたら買っちゃうなあ。
   RZAの引きずるビートがすきなんだよね。歌詞はさっぱり興味ないけども(^^;)
82・GhostFace Killar:Supreme Clintele:☆☆
  サンプリングが相変わらずかっこいい。そしてラップの個性は相変わらずわからない・・・(^^;)

   最近、洋楽ポップ好きの間でちょっと流行りかけてる、パラソル・レーベルのグループ。
   スウェーデン・ポップや、ベン・フォールズ・ファイブ辺りを好きな人が聞いてるのかな。
81・JUNE&THE EXIT Wounds:a little more Haven Hamilton,please:☆☆☆
  ポップできれいだけども、とても個人的な音楽。

00/2/22

 さて、もともとはバリー・マンとブルーベックのコンピを買いにいったんだけど。
 掘り出し物を見つけた。らっきぃ。
  
   ディスク・ユニオン吉祥寺店に摩崖仏レーベルの商品がふんだんにあった。なぜや。
   で、前から聞きたかったものを見つけてとっても嬉しい。
80・吉田達也:ピアノ作品集(CT):☆☆★
  シンセのピアノで演奏した小品。即興中心だけど、ときどき「おっ」と思う瞬間がいい。

   バリー・マンのソロ三作目。ついに世界初CD化!これ、ぜひ聞いてみたかった一枚。
79・BARRY MANN:SURVIVOR:☆☆☆☆
  メロディ・歌・演奏と三拍子そろった好アルバムです。

   「テイク・ファイブ」が名高いジャズ・ピアニスト、デイヴ・ブルーベックに捧げたコンピ。
   演奏者はジョン・ゾーン人脈。
   で、なぜか「テイク・ファイブ」がない。残念。ルインズあたりに演奏して欲しかったな。
78・In his own sweet way:☆☆★
  クールな演奏が気持ちいい好盤です。

   EMレコードから再発された、イギリスのコーラスグループの再発。
   前にトニー・リバースものを色々買って楽しめたので、今回も買ってみた。さあどうだ。
77・The SYMBOLS:THE BEST PART OF THE SYMBOLS:☆☆★
   音がちょい悪いのが減点ポイント。10年前ならのめりこんでたかも。
   聞いていて楽しいけども、あと一歩個性がないからバンドとして熱中できない。
   曲単位で聞けばかっこいいね。「the things you do to me」が好き。

   「オーストラリアでチャート初登場一位!全員が演奏とコーラスをやれる実力派!」の
   あおり文句に、なんとなく惹かれてみました。
   しかしジャケットがアイドルっぽくて、なんかイヤ。さて、どんな曲かな。
76・TAXIRIDE:imaginate:
   キャッチーなメロディはあるし、曲の切れもいい。ただ、うわっつら感がとてもする。
   今の僕自身にとっては、必要な音楽じゃないな。

00/2/15

   今のマイブーム。明田川荘之の旧譜を二枚買ってきました。
   こちらは4枚組の大ボリューム。
75・明田川荘之:☆☆☆☆
   いろいろな表情の明田川が楽しめる、ずっしり満足のアルバム。

   こちらは故武田和命(ts)とのコラボレーションアルバム。
74・アケタ・ミーツ・タケダ:アイ・ディデュント・ノウ・アバウト・ユー:☆☆☆
  ボリュームあふれる演奏が気持ちいです。詳細の感想はまた紹介します。

   ここのところ、アフリカ音楽をいろいろ聞きたくなってます。
   で、ロクア・カンザ以外の2枚はジャケ買い。
   72・にいたっては、どっちがタイトルなのかミュージシャン名なのかも
   区別つきやしない(^^;)
73・Lokua Kanza:③:☆☆★
  ソウルっぽい。しかしアフリカのビートはきっちりある。
  どっちに軸足置いて聞こうかな。もうちょい聞き込んでみよう。

72・Vamos A Darle:Huracan de Fuego☆☆☆
  人間味あふれる演奏と歌が聞いてて、わくわく。詳細の感想は近いうちに紹介します。

71・Orchestra Marrabenta Star De Mocambique:Marrabenta Piquenique:☆☆
  迫力ある演奏。詳しい情報がよくわからず。もうちょい聞き込んで、詳しい紹介するかも。

   雑誌「STUDIO VOICE」の三月号はノイズ特集。メルツバウのディスコグラフィーがあったから
   買ったんだけども。読んでるうちにノイズを聞きたくて、またもや一枚。92年のライブ盤だ。
70・Merzbow-Achim Wollscheid:Live:☆★
  パルス音をイントロに、分厚いノイズが迫ってくる。小さい音で聞いてるぶんには、音の厚みが心地よい。 

   リミックスとボーナス曲追加でリイシュー。でも廉価版なのが素敵。
69・The METERS:Look-ka Py Py:☆☆★
  しなやかなビートが心地よい。気持ちいいです。
 

00/2/5

   アフリカ音楽とジャズのCDを買いにいったついでに、何枚か購入してきました。

   今日のメインの目的だったアフリカ音楽。
   とはいえ、輸入盤も国内盤も高いなあと思いません?。セコハンあさるかなあ。

   レーベルに何にも書いてない。アバウトだ・・・(^^;)
   CD屋のチラシでは確か96年のアルバムだと思ったんだけどなあ。
68・Viva La Musica de Papa Wemba:Mokili Pitie:☆☆☆★
  力強いリンガラ・ポップ。ヴォーカルが迫力あり。

   ザイールの巨匠フランコの86~88年のコンピです。
67・Franco Et Le T.P.O.K. Jazz:Le Grand Maitre :☆☆
  ぶっとい音使い。とってもタイトでいい。

   セコハン屋で購入。予備知識なんもなし。はてさて、どんな感じかな。
66・Francis Bebey:Moon's Smile:☆★
  有名なギタリストらしいけど。打ち込みリズムがちょっと不安定かな。

   同じくセコハン屋。1991年の「イスマエル・ロー」は当時時々聞いてたっけ。
   こいつは1987年の盤らしい。
65・Ismael Lo:Natt:☆★
  なんか捉えどころがないなあ。強烈に訴えかけてくるインパクトにかけるような・・・。もうちょい聞き込みます。

   ブエナ・ビスタ関連として購入。
   あのアルバムでやってる曲のオリジナルを集めたCDらしい。
64・RAICES:☆★

   ジャズを何枚か。明田川に凝りそうな予感・・・。
63・明田川荘之:ニアネス・オブ・ユー:☆☆☆
  93年にアケタでやったソロピアノによるライブ盤。ストレートなジャズ。

   渋谷毅も、ふらっと立ち寄ったCD屋で見つけてきました。   
62・渋谷毅オーケストラ:ホームグラウンド・アケタ・ライブ:☆★
  メロディは刺激的で面白いです。あと一歩迫力が欲しいなあ。
61・渋谷毅オーケストラ:LIVE1989:☆★
  聞いてて楽しいんだけど・・ううむ。これも今しばらく聞き込みたい。

   ミニコミ雑誌「電子雑音」の付録CD。世界のノイズ・パフォーマーのコンピ。
60・FlektNoiz#4:
  さすがに、もうちょい聞いてみないと判断しにくい。ノイズのコンピだから聞きこむのも変かなあ。

   オーディブック盤を見つけた。廃盤なので迷わず購入。
   それにつけても、このレーベルのギリシャ音楽コンピを聴いてみたいなあ。
59・ルンバの神話:☆★
  解説読んでて勉強になる。歴史的演奏も聞いていて楽しいんだけどね。
  ちょっとが今の僕にはピンとこない。残念。

00/2/1
  
   先日見た「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に影響されて、あれこれ買い込みました。 
58・BUENA VISTA SOCIAL CLUB:☆☆☆
57・BUENA VISTA SOCIAL CLUB PRESENTS:IBRAHIM FERRER☆☆☆
  とても気持ちよくくつろげる音楽。これまでこういう音楽を聴かなかったのがくやしい。
  いっそライ・クーダーは完全に裏方に回ってくれてもいいのにな。

   上の2枚で演奏しているミュージシャンらの演奏をふくむ編集盤。
   録音のクレジットがないので、詳細はわからないけど。
56・PUTUMAYO PRESENTS CUBA:
  今の僕は、キューバからアフリカへ興味が移ってしまった(^^;)
  またいずれ、じっくり効き返す時がくるでしょう。評価はその時改めて・・・。


   これも同様にキューバ音楽のコンピ。とにかく安かった。4ドルしないもの。
55・CUBA:☆☆
  最近の演奏を集めたコンピみたい。なかなかよし。早くもキューバ音楽熱が冷めてきたかな(^^;)

2000年1月

00/1/28

   注文してたCDが到着。なんか、今年はすごい勢いでCD買ってるなあ(^^;)
  
   作曲家バリー・マンのソロアルバム。ひっさびさの新譜のはず。
   2月だかには以前のソロも出るらしいし。今年は去年のブライアン・ウィルソンみたいに
   バリー・マンが日本でブームに!!・・・・ならんだろうなあ。
54・Barry Mann:Soul&Inspiration:☆☆☆
  落ち着いたピアノと嗄れ声の歌がとても気持ちいいアルバム。

   いや、まだこれ聞いたことなくて。こういう去年話題になったアルバムを今ごろ買うって
   パターンが妙に照れくさいなあ。
53・The Folkimplosion:One Part Lullaby::☆☆
  面白いけど、なぜかピンと来ない。もうすこし聞き込もうかな。

   こいつはPhishがらみ。こないだ一枚聞いたらよかったんで、もう一枚。
52・Dude Of Life:Under The Sound Umbrella:☆☆☆
  シンプルなロックで楽しい。気に入ったんで、近日に詳細の感想をアップ予定。

   こないだジャケ買いしたバンド。気に入ったんで、他のアルバムを購入。
51・Drugstore:White Magic For Lovers:☆☆
   たどたどしいイザベル・モンテイロの声がほほえましい。
   本当なら、単なるそこらのロックとかわらないんだけど、イアン・バージのチェロが見事な個性になっている。

   またもやサン・ラ熱が自分の中で再燃。最近いろいろリリースされてるもんな。
50・Sun Ra:Janus:☆★
  あまりピンと来なかった。曲クレジットがちょっとへん。
   予備知識なし。何で買ったかすら忘れた・・・(^^;)

49・tinderstiks:curtains☆☆☆
  ストリングスを多用してるけど、プログレじゃない。落ち着いたロックです。

00/1/26

   前回買ったのも、ろくに聞いてないってのに・・・。

   やはり、これはファンとして買わなきゃね。
48・山下達郎:On The Street Corner 1:☆☆☆☆
47・山下達郎:On The Street Corner 2:☆☆☆☆★
  再発物。デジタルリマスターで、エコー感が抜群に向上してます。
  「2」のボーナス・トラックが気に入ったんで、★ひとつ追加。

   新曲が出たみたいですね。マキシシングルででるとは。   
46・川本真琴:微熱(single):☆☆
  川本が書くメロディは個性が強いから、アレンジやテンポをいじったくらいじゃ新境地にならない。
  アレンジャーをかえたらどうかな。デビュー以来、ずっと同じだし。

   またもやウータン物。今度は映画のサウンドトラック。日本先行発売だそうな。
45・The RZA:Ghost Dog☆☆☆★
  いつものヒップホップてんこもりかと思えば、サントラチックなインストも多数収録。
  ヒップホップ風テクノって感じで、とても楽しい。 

   オーストラリアのバンドでベスト物。16年間探したぜ。まったく。
44・Jo Jo Zep&The Falcons:Shape I'm in:☆☆☆
  面白いくらいに、時代ごとにばらばらの音楽性。しゃくりあげるギターがいいです。

   結成30周年記念だそうな。ブートじゃないみたいだが・・・あやしい。
43・Chicago:Rock in Tronto:
  最低。音はブート並、雑でブツ切れの編集では、ライブの臨場感もさっぱりなし。超マニア向け。
  演奏はまあまあ。デビュー当時のライブだが、けっこうタイトに聞かせる。
  ちなみに一曲目のクレジットは誤記。正しくは「Introductoin」。

   名盤探検隊シリーズ。どんなもんかなあ、とね。「タイトゥン・アップ」しか知らんし。
42・Archie Bell&the Drells:There`s Gonna Be A Showdown:☆☆
  もうちょい聞き込んでみたい。

00/1/22

   中古盤屋をのぞいたら安かったので、何となく目に付いたものを購入。
41・John Sebastian:The Best of John Sebastian:☆☆
  最近この手の音を積極的に聞いてないからな。評価しづらいや。

40・G Love Special Saucs:Baby`s Got Saucs!(single):☆★
39・Beck:Beercan(single):):☆☆★
  僕は「loser」よりこっちが好き。陰鬱さがなく軽やかに疾走する曲調がいい。
  タイトル曲のほかに、4曲のアルバム未収録曲あり。いいな、これ。

38・Beck:Strawberry Communion(boot):★
  めっちゃ音悪い。いかにも安っぽいブート風。オーディエンス物かな?

37・Van Morrison:Van the Man(boot):☆☆

00/1/15

   愛しのフランクの新譜(発掘盤)。アンサンブル・モデルンがザッパの曲を演奏してる。
  イエロー・シャークのアウトテイクかな。
36・Frank Zappa:Everything Is Healing Nicely:☆★
  ううむ。やはりクラシックのザッパはいまいち・・残念。

   プログレが聞きたくなって、ちょっと買ってきました。
35・Gentle Giant:The Power&The Glory:ッ☆☆
  おもしろいんだけど、なんかのめりこめない。ポップなせいかな。もっとハードでもいいのに。
34・Mellow Candle:Swaddling Songs:☆
  こいつもさっぱりのめりこめず。ううむ。もうちょい聞いてみよう。

   んで、ラップを一枚。いまさらこれかい、って人もいらっしゃるでしょうが。
33・NAS:it was written:☆★
  ラップの評価って難しいなあ。でもウータンを聞きなれると、軽く聞こえる。

   すべてサンデイズド盤。バーゲンしてたんで買ってきました。
32・The Knickerbockrs:The Fabulous Knickerbockrs:☆☆☆
  60年代半ばに活動してたバンドらしいです。不勉強にして知りませんでした。
  英語でびっしりとライナーがあるんですが、ちいとも読んでません(笑)
  でも、これはいい!荒削りなとこがありますけど、カッコいいポップスが詰まってます。
31・The Vejtables:Feel...The Vejtables:☆☆
  初期のポップスは好みだけど、後半のサイケがちょっと時代錯誤かなあ。
30・The Turtles:Happy Together:☆☆☆
  とびっきりのポップスが一杯。タートルズって、こんなかっこよかったのか。
29・Twentieth Century Zoo:Tunder on a Clear Day:☆
  いかにも60年代って感じのサイケ・ロック。ファズギターや、シュワシュワサウンドに時代を感じます。

00/1/10
   
   クレイマーによるシミー一派のラットルズ(ビートルズのパロディバンド)への
   トリビュート盤。前から探してたんだけど、やっと見つけました。
28・Rutles Highway Revisited(A tribute to The Rutles):☆★
  曲自体にオリジナリティとしての求心力が薄く感じる。ま、話の種かなあ。

   アセンズのエレファント6系ミュージシャン。山のようにCDが出てるから、
   追っかけるだけでも一苦労です。しかし、この連中はバンド名もかっこいい。
27・Masters of the Hemisphere:Masters of the Hemisphere:☆☆
  甘酸っぱいポップスの小品です。ああっというまに終わってしまうなあ。

   タワー・オブ・パワーのヴォーカルの74年ソロアルバム。名盤探検隊で復刻です。
26・Lenny Williams:Lenny Williams :☆☆★
  澄んだヴォーカルと、クールに跳ねる演奏がかっこいい。

   こちらは、ジャケ買いで見知らぬロックを何枚か。はずれも多いけど、あたったら
   うれしいんだよね。
25・The Comas:Wave to Make Friends;☆☆☆
  ちょっと小粒だけど、静かでいいロックです。この手の音が僕のツボなんだよね。
24・Bikeride:thiety-Seven Secrets I Only Told America;☆☆☆★
  ノスタルジックなポップスが、とってもいい感じ。
23・Drugstore:Drugstore:☆☆☆
  くうう・・・。このバンドも僕のツボにはまる音です。今回のジャケ買いは当たったなあ。
22・Galadriel:Galadriel:☆
  サイケロック。・・・あんまり個性が響いてこないです。

   またもやジャズを、あれこれ買ってきました。
   ジャケ買いしたんで、予備知識なんもなし。楽しめるといいな。
21・Charles Tolliver:Grand Max:☆☆☆
  これはいいです。とてもかっこいい。ただ、どんなに激しい演奏でも
  どこかに冷静な感触あり。マスタリングが堅いのかな?
20・Woody Shaw:The Moontrane
:☆
  可もなし不可もなしってとこかな。
19・Sun Ra& his Solar Myth Arkestra:Life is Splendid:☆☆☆★
  音質はブートなみ。でも呪術的な圧倒的ライブが快感です。
18・Klaus Wagenleiter Trio:Sweet Choice:☆☆
  落ち着いたピアノトリオ演奏がすてき。ハイハットの音が気持ちいいなあ。
17・Shorty Rogers and his Giants:Portrait of Shorty:☆☆
  懐かしくなるような音がいかしてます。

00/1/4

   ジャムバンドに、最近興味あります。  
16・Medeski,Martin and Wood:friday afternoon in the universe:☆☆☆
  ジャズっぽいけど、それだけではくくれない魅力がある。もうすこし聞き込もうっと。
15・Lake Trout:Volume For The Rest of it:☆☆☆
  人力ブレイクビーツ。おっそろしくタイト。ソロがちょっと単調かな。

   ジャムバンド関連で、なおかつphish一派を2枚ほど買ってきました。
   このバンドも、はまると怖そうだな・・・どおしよ。
14・surrender to the air:☆☆★
  演奏はタイト。もう少し聞き込まないと、魅力はわかんないなあ。
13・The Dude Of life and phish:crimes of the mind:☆☆☆★
  おおらかなアレンジにきれいなメロディとタイトな演奏がとてもよい。ただ、ジャムはないけど。

   ヌスラットの遺作。恥ずかしながら、まだ聞いてませんでした。
12・Nusurat Fateh Ali Khan:Swan Song:☆☆☆☆★
 最高!なぜ今まで聞かなかったんだ。くううっ・・・。しかし、これの紹介は、僕の手に余る・・・・
 まだまだ勉強不足を痛感する、偉大な音楽だ。
 しかし、ハイハットさん?あんたリズム感ちょっと違わない?

   前から探してました。音楽評論家中村とうよう氏によるコンピ。
   著作権法の改変に伴ってか、このレーベル自体が消滅して廃盤状態。   
   うまいこと手に入れられてラッキー。あと、このレーベルのギリシャ音楽のコンピが聞きたいんだよな。
11・オール・アバウト・クリスマス☆☆☆
 選曲がいいです。落ち着けます。しかし、クリスマスは一年先だなあ(笑)

   ガムランが最近気に入ってます。アナログのテクノとして聞いてるんだよね。
   デッドのミッキー・ハートによるコンピだそう。
10:The BALI Sessions:☆☆☆★
  3枚組みの大作。これも気に入ったので、詳しい感想を書きました。

   やっぱりジャズもないとね。
9・Sun RA:ST.LOUIS BLUES Solo Piano:☆☆☆
  きらびやかな演奏がかっこいい。

   テクノが聞きたくなったんだよね。しかも、飛び切りのハードコアを。
   ロッテルダムのコンピは、今では手にいらないのかな。  
8・Pilot Antenna:certificate eighteen::☆★
7・Happy 2b Hardcore:Chapte Three:
  ジャケ買いしたので、素性はさっぱりわからず。リズムは早いけど、キーボードの音が明るくて、重心は軽い。
  女性ボーカルが全面で歌ってるのが、じゃまだなあ。インストのほうがかっこいいのに。

   ソウルミュージックを何枚か。
6・Silk:tonight:☆☆★
  歌はうまいと思うけど・・・ちょっと暑苦しい(^^;)
5・The Manhattans:Live from South Africa:☆☆★
 なんか音悪いよ、このライブ盤・・・歓声も偽者くさい。
4・The Manhattans:One Life To Live:☆
3・The Manhattans:Wish That You Were Mine:☆
  この2枚、よくみたら両方ともベスト版だった。とほほ・・・。よくみて買わないとな。
  しかも、両方とも全10曲入りで、5曲ダブリ。JBじゃあるまいし・・・アコギなことを(泣)
  マンハッタンズはまだまだCD化が遅れてるし、僕も全部持ってるわけじゃないけど、
  多分それぞれ一曲づつくらい新曲が入ってるんだろうなあ。
  音楽的な評価は★で(じっくり聞いてないんで、聞いた後に書きます)。
  とりあえず自戒を込めて☆ひとつ。(ベスト版嫌いなんだよね、僕)

2・Blue Magic:My Magic is Real☆☆☆
 可もなく不可もなく。でも70年代頃のわくわくする音が感じられないなあ。
 ファルセットはきれいなのに。

   ガイディッド・バイ・ヴォイシズの中心メンバー。またもやのソロアルバム。 
1・Robert Pollard:Speak Kindly of your Volunteer Fire Department:☆☆☆☆
  感想の詳細はCD紹介の欄にて。よろしければ、クリックしてくださいな。


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