今お気に入りのCD

最近買い込んで、気に入ったCDを中心に感想を書いてます。
したがって、特に新譜だけってわけじゃないですが、お許しを。

my life and the beautiful game/brilliantine(1999:Deep Reverb)

たまには、ぜんぜん先入観なしでマイナーなミュージシャンを聞いてみたいと思って買った一枚。このHPを見ていただく方にとっては、ここで紹介している大半がマイナーかもしれないので、僕の思い入れの違いがわからないかもしれないのが玉にきずだけど・・・。
 で、このアルバムですが。バンド形態をとってはいても、実質デイブ・ダービーのソロプロジェクトの様子。すべての楽器を自分で演奏し、数曲でパーカッションとコーラスにゲストを招いているのみ。作詩曲とプロデュースをデイブ自身がやっているのはもちろん、ミックスすらも自分でやっている。中ジャケにはつるつる頭の男がパンツいっちょで踊る写真が4枚。もしかしたら、これがデイブかな?アート・パフォーマンス的なショーをやる人かもしれない。
 どっちかといえば、この手の全部自分でやるタイプのミュージシャンが僕の好みでもある。より個人的な趣味が音の中に現れてる気がするから。大勢の人の手を借りれば、確かにテクニック的な個々の音のクオリティがあがるかもしれないが、その分だけ個性が薄まっていくような感じがして。
 肝心のこのCDの音楽のほうは、ポップと非ポップの境目を微妙に狙った感触。ボーカルがぼそぼそと、けっしてシャウトすることなくつぶやくように歌ってる。バックの演奏は宅録風の、うまいとは言いがたい演奏だし。でも、そのわりに曲はメロディアス。2.4.6曲目なんかはボーカルをキビキビさせてダイナミックレンジを広げれば、とびきりのポップスになる可能性を秘めてるのに、ぶっきらぼうなボーカルがさわやかさを叩き潰してる。
 逆にそれがこのアルバムの魅力でもあるんだけど。パシャパシャしたドラムをとつとつとしたベースが支え、ギターが軽やかにカッティングして彩りをつけ、ボーカルが低くつぶやく。歌声がバックの演奏に埋没するかのような不思議な雰囲気をかもし出してる。
 真夏の爽やかさ、みたいな雰囲気にはまるで合わないけれど、日陰でこそこそっと流すにはいいんじゃないかな。

YOU MAKE US GO/HOLIDAY FLYER(1999:Darla)
 
 マイナーミュージシャン第二弾ということで。このバンドも先入観なしでジャケ買いしたもの。なかなかよかったんで紹介します。
 メンバー構成が個性的。John Conley(Gr,Vo)Katie Conley(Per,Vo)Verna Brock(p,Cello,fl,org)とベースがいないバンド。ネットでちょっと調べたところによると、このアルバムが3枚目らしい。素朴なメロディのバックでアコギが爽やかにコードをかき鳴らし、ぱしゃぱしゃしたリズムにピアノかチェロでベース音を乗っけて、フルートやストリングスを多重録音をして飾りをつけるって音楽だ。何曲かにはゲストが入ってベースやエレキギターを重ねてるけど。
 アレンジがなにげなく繊細になっている。歌声は基本的にツインボーカルでからむんだけど、あんまり突飛なハモり方はしない。キャティの澄んだ声とジョンの鼻声っぽい声のミックスの対比がちょっと耳を引くくらい。はじめは通勤のときにヘッドホンで聞いてたんだけど、ちゃちなイヤフォンで聞いてたんで高音が音割れして、それほどピンとくるバンドじゃなかった。
 だけど家に帰って、多少はましなスピーカーで聞くと印象が一気に変わる。澄んだ高音が魅力的。チェロが低音やオブリをやってるとはいえ、クラシックのような堅苦しさはない。ボーカルは残念ながらたいしてうまいとはいえない。ところがそのつたないボーカルをそっと包み込むように音像を膨らませる。開放感はないけれど、インドアでの少々屈折した爽快感がある。総収録時間35分とあっという間に終わるのが残念なCDだ。

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