今お気に入りのCD(番外編)
CDじゃないけれど、見に行ったライブの感想です。
2000/7/12 吉祥寺 マンダラ2
出演:ルインズ+勝井裕二
仕事が終わってライブハウスにすっ飛んでいった。到着してみたら、開演前ぎりぎり。無事にまにあって何より。ほっとした。
朝から何も食べてないし、酔いがとっととまわりそうだったので、ドリンクではビールを控える。とりあえず、ジンジャーエールを飲んでひとごこち。
でも、時間ぎりぎりに到着しただけあって、椅子席はぎっちり満員。さすがに立ち見だった。
それにしても、若い客が多い。スーツ姿が浮く、浮く。
いったい、彼らはルインズをどこで知るんだろうなあ。不思議だ・・・。
しかし、あいかわらず録音してる観客が何人も目に付くなあ(笑)
さて、無造作に吉田と佐々木がステージに登場し、吉田が「ルインズです」とつぶやいたあとに演奏が始まる。
マイクスタンドにタオルを引っ掛けるところも、曲目表のメモをマイクスタンドに貼り付けているところも、いつもどおりだ。
第一部はオリジナルを一曲づつ区切った演奏で、じっくり聞かせる構成。「プログレ・メドレー」から始まって、ヴォーカルなしの曲を聞かせたあとに、「VRRESTO」「BLIMMGUASS」などをハイテンションで演奏する。
リズムがまったく取れなくなるほど、変幻自在の演奏はいつものとおり。
最近のルインズは、リズムの緩急とともに静けさと激しさによるヒキも取り入れているから、さらにサウンドにメリハリが利いている。
佐々木はシーケンサーかサンプラーのようなものでフレーズをループさせながら、その上にベースを乗っける演奏をしていた。
5月に聞いたときと同じ機材構成かな。
でも、あのときよりも効果的に聞こえる。だから、いつもにもまして分厚いサウンドに聞こえた。
機材といえば、今回は吉田のドラムもちょっと違う気がする。
タム部分に、いつもとは違って厚みが薄いタム(ロートタムっていうやつかな?)をセッティング。
フロアタムやスネアのチューニングも、いつもと比べてかろうじてゆるめみたいだ。カンカンに皮を張り巡らしたチューニングじゃないみたいに聞こえた。
それにしても今回のライブは、PAがいい。
一発目の音が出た瞬間に、それほど音量が大きくないなあと思ったもの。
おかげで、個々のフレーズが比較的取りやすくて楽しい。
僕は音圧を楽しむより、メロディの流れを聞いてノッてるから。
そのうえヴォーカルもはっきり聞こえる。これまでのライブで、佐々木のシャウトをあそこまでくっきり聞けたのは初めてじゃないかな。
逆に、吉田のマイクがオフ気味。もっと派手に聞かせて欲しかった。残念。
「BUPPHAIRODAZZ」の中で、佐々木がファルセットでなんども叫ぶ瞬間は、耳元に音が飛び込んで来てとっても気持ちよかった。
マイクのエコー処理も、出し入れを絶妙なタイミングでかませてくる。
かなり、事前にルインズとリハーサルをやってるのかな。
スタッフのセンス一発なら、かなりたいしたものだ。
ちょっと閉口したのは、ライティング。効果的に見える時がほとんどだけど、時に目がくらくらするほどライトチェンジをするのにはまいった。
音楽にめちゃくちゃパワーがあるんだから、じっくりステージを照らして欲しかったなあ。
新譜の曲を中心に第一部を40分ほどやったあと、しばらくの休憩をはさみ第二部がスタート。こんどは12曲のメドレーでつっぱしる。
「クラシック・メドレー」で始まり、「PALLASCHTOM」ほかを立て続けに演奏。緩急を混ぜてはいるものの、怒涛の演奏だった。
第二部は20分強位かな。リズムの奔流に身を任せてうっとりしていたら、あっという間に終わってしまった。
第三部は勝井裕二(e-vln)がゲストで参加。
「ロックンロール・メドレー」で派手なヴァイオリンを勝井が聞かせる。
それが終わったところで、吉田がニューアルバムの誤植(^^;)について触れた後、「第一部、第二部がキチキチだったんで、レイドバックの演奏を」って言ってインプロの演奏が始まった。
「ルインズでレイドバック・・・どんなんだろう」と、わくわくしたけども。やっぱりおなじみの高速変化の手数になっていた。
勝井はエフェクトを聞かせたヴァイオリンで、激しく音を奏でる。
演奏が終わった後、吉田が「ほんのちょっと、レイドバック・・・してたかな」と、ボソッと言った。ああ、やっぱり、あれがルインズ流のレイドバックとは思ってなかったんだ。よかったぁ(笑)
つづいて、さらに二曲インプロを演奏。勝井は足元のエフェクターをいじってノイズを出したり、ヴァイオリンを弾きなぐったり、ルインズ二人の音圧にまけない音を、次々繰り出していた。
三曲目のインプロが終わった段階で、腕がしびれたのか、しきりに吉田が左腕を振っていた。
水を店からもらって呑んでいたが、コップに氷があたる「からんっ」って音を、マイクからかなり離れていてもきれいに拾っていた。
「ああ、かなりマイクの感度上げてるんだなあ」って、新発見した気分で、なんとなく嬉しくなってしまった(笑)
そして、唐突に吉田から「これで最後の曲にします」と話があり、新譜から「YAWIQUO」を演奏、幕を下ろした。
かなり吉田のコンディションが悪そうだったけど、アンコールの拍手を送っていたら、あっさりルインズだけがステージに戻ってくれた。
「アンコールあります?・・・ありませんね」ってあっさり吉田がコメントした後、演奏した曲が「SCHVOSTESS」。最後までフルスピードでつっぱしる。
僕が大好きな曲だけに、「これだよ、これ!」って思いながら夢中で聞いていた。
てなわけで、正味のライブは一時間半位かな。
めくるめくリズムの展開を堪能できた、すてきなライブだった。