今お気に入りのCD(番外編)

CDじゃないけれど、見に行ったライブの感想です。

2000/4/1 西荻窪 アケタの店

 出演:明田川庄之

「アケタの店」での明田川荘之(p、オカリナ)のソロライブ。僕が聞くのは三度目になる。
 深夜にもかかわらず、お客は7人の大盛況。以前の同じライブで見かけた常連風の人が一人いるも、あとは毎回違う客の顔ぶれ。どういったルートでライブを知って、聞きに来るんだろうなあ。いつも通り、0時半からライブが始まった。
 今日のライブは、のっけから荒っぽいくらいの演奏。
 アクセントをぎくぎく効かせ、ひっぱたくような固いタッチだ。
 明田川のトレードマークである、日本的なメロディは控えめで、正統ジャズ的な音選び。ソロ演奏ということもあり、興の赴くままえんえんと演奏するのが常なのに、一曲目はアドリブも少なく、あっさりと終わってしまう。
 二曲目もオカリナの調子が悪いのか、いつもの滑らかさがない。
 時たまトーンが下がるし、フレーズも途切れる瞬間がある。
 「大丈夫かなあ」と心配するくらい。
 僕自身のテンションもあがらず、なんだか眠くて演奏にのめりこめなかったのも残念。
 とはいえ、さすが明田川。曲を重ねるにしたがって、ペースをつかんだみたいで、トレードマークの「うぃ〜」ってウナリ声が聞こえてきてからは独壇場。
 最後の曲「テツ」では、えんえん20分以上ピアノを弾きつづけていた。
 まるで何かを吐き出すように、がんがん鍵盤をひっぱたく。
 激しいフレーズは、前回(2ヶ月前)のソロライブを思い起こさせた。
 ロマンチックなメロディこそないものの、フリージャズの勢いある演奏でしめてくれた。
 どがしゃん、と演奏を終えた瞬間、観客の拍手も待たずに「終わります」とあっさり言ってライブは終了。今日も2時近くまでの熱演だった。
 このライブ、アンコールってあるのかなぁ。ぼくは演奏が終わるとすぐに、あっさりとライブハウスをでちゃったからわからない。
 今日のラストの曲はフリーのハードな演奏だったし、最後にきれいなメロディの小曲でしめたらおもしろいのに。まさに深夜を思い起こさせる、いい雰囲気で終わるかも。次の深夜ライブでは、アンコールしてみようかな。

2000/4/29 西荻窪 アケタの店

 出演:藤井郷子(p)カルテット

 4/29に西荻はアケタの店にライブへ行ってきた。演奏者は藤井郷子(p)カルテット。一応、分類はジャズになると思う。共演は早川岳晴(b)、田村夏樹(tp)、吉田達也(ds)。
 僕の目当てはもちろん、ドラムの吉田達也だった。前にピットインでも吉田がジャズを叩くライブを見たが、単純な4ビートにこだわらない演奏がとても面白かったしね。
 アケタの店に到着したら、そこそこ込み込み。最終的には30人近く入ったかな。20人もいれば「混んでるなあ」と思うキャパのライブハウスだから、動員としてはそれなりに充分なライブだった。
 
 さて、演奏は8時ちょい前にスタート。アイコンタクトを交わし、いきなり馬鹿でかい音で始まった。藤井のピアノはタッチが弱くて、共演3人の音に完全に負けてる。一人だけPAなしってのもあるだろうけども。
 演奏は多分、藤井の曲ばかり。クラシックの印象派に影響を受けたような浮遊感のある演奏で、小節や拍子を考えさせずに、ふわふわ流れていくような曲ばかり。ピアノをパーカッション的に弾いてるって感じに聞こえた。

 何曲かでピアノの弦を直接叩く奏法を披露。小さいマレットで弦を直接叩いたり、文鎮のようなもので弦をこすったり、押さえつけたり。弦を押さえつけたままで鍵盤を叩いて、プリペアード・ピアノ的な演奏もしていた。
 それらの演奏で音がつむがれる時のグランド・ピアノは、エコー感が豊かなのにびっくり。
 それにしてもこれらのトリッキーな演奏が面白い。単なるノイズになってしまわず、きれいな和音感を維持したプレイが続くには舌を巻いた。
 メロディアスでありつつ、部分的には発信音のようなノイズに聞こえるのもまたよし。このひとときは聞きものだった。

 ところが、構成がいまいち。第一部を50分ほど演奏したあとに、なぜか30分も休憩。これでかなり気分が醒めてしまってた。
 第二部がはじまっても、基本的に静かな演奏ばかり。
 静かな演奏でも曲が気に入れば、音楽に乗ることはできるんだけど。曲がどれもこれも単調で、とっつきにくくてどうもだめ。
 第二部は、曲の魅力を探しているうちに終わってしまうという、なんとも気分的にものたりないライブになってしまったのが残念。
 
 もっとも、基本的に僕はドラムばっかり聞いてたんだけど。チューニングはちょっと緩めの音だった。
 マレット・ブラシ・スティックをつかいわけ、叩きまくる吉田の演奏はとっても楽しかった。第一部の終わりで変拍子のリフを、メロディアスに叩く個所が圧巻かな。

 第二部のはじめでは、マイクを使って吉田節のヴォーカルもたっぷり聞けた。全て即興のヴォーカルだと思うが、多彩なフレーズを歌う引出しの多さは見事。
 とはいえ藤井の曲そのものに静かな曲が多いので、汗みどろになって叩く姿を見れなかったのは残念。
 5/6にやる、新宿の徹夜ライブに期待するかな。このときはルインズだから、レコーディングも完了した新生ルインズの爆発ライブになるだろうし。

2000/5/1 吉祥寺 マンダラ2

 出演:渋さ知らズ

今日は久しぶりの渋さのライブ。
 マンダラ2へちょっと早めに行ってみる。開場7時で、ライブハウスの前についたのが6時半過ぎだから、さすがに数人しか並んでない。
 さっそく店の階段に並んでみる。開場時間を5分くらい過ぎて、店の中に入れた。

 マンダラ2は曼荼羅に比べてステージが広いから、大人数の渋さのライブでも、それほど客席がせまっくるしく感じない。最も今日は、ドラムこそ3人もいたが、管は6人程度、総勢20人くらいと渋さにしては少ない人数だった。
 記憶をたどると、今日のメンバーはds(3人)b(1人)g(2人)ts(2人)as(2人)tp(1人)bs(1人)tb(1人)per(2人)key(2人)ev(1人)fl(1人)vo(2人)ってところかな。
 ええと・・・合計21人か。
 今日は不破もダンドリストではなくて、ステージの中に入り込みベースを持っていた。まあ、不破のほかにベーシストがいないからって理由もあったんだろうが。

 このほかに、今回はダンサーが4人。いつもの乳房知らずの2人にくわえ、白塗りの男女2人が加わっていた。この新たなダンサーがちょっと気持ち悪い(苦笑)曲に合ってるんだか合ってないんだか。昔のアングラ演劇みたいな痙攣ダンスを繰り返す。腕やら顔やらに唐松模様みたいなメイクを書き込んで踊るんだけど、一種不気味な雰囲気をかもし出していた。

 演奏のほうは、今日も快調。僕は最前列でスピーカーの前にいたもんで、またもや耳が死んじゃって。こうしてレビューを書きつつも、またもや耳鳴りがしてるんだけども。
 渋さの面々が、テーマではまとまって音の固まりをぶつけてくる。
 ソロになると音数は減るけども、いつしか他のメンバーたちも演奏に加わって。
 いつのまにか混沌として猥雑な雰囲気で音空間を埋め尽くす。
 曲名は覚えてないけども、おなじみのナンバーを立て続けにかませてくれた。
 不破が演奏に集中してる分、片山が音を引っ張ってってるのが印象に残ってる。

 しかし、今回は前列に座ってた客が踊り始めて。もうがっしゃめしゃの混乱した雰囲気でステージが終わった。盛り上がるのは別にいいけど、なんか酔っ払って騒いでるみたいだったのが、いまいち・・・なあ・・・。

 なにはともあれ、ライブは満足。間に休憩をはさんだものの、合計二時間半の演奏で満足した。終わったのは10時半過ぎ。渋さにしては短めだったかな。

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