LIVE レビュー
見に行って、楽しかったLIVEの感想です。
01/5/15 吉祥寺 MANDALA-2
出演:ルインズ、ポチャカイテ・マルコ
ルインズのライブを見るのは、かなりひさびさ。あれま、半年振りだ。
強引に仕事を抜け出して、ライブハウスについたのが7時半前。
すでにぎっしり観客が入っていた。
最終的には立ち見もずらっと並ぶ大盛況だったな。
Ruins (19:40〜20:20)
(吉田達也:ds,Vo、佐々木恒b,Vo)
しょっぱなからいきなりルインズ。
「こんばんわ。ルインズです」と挨拶をしたあと、すぐに演奏へなだれ込んでいった。
この夜はほぼMCなし。最後の曲の前に告知をしたくらいか。
ほぼ1曲ごとに区切りをつけた構成だったが、曲紹介がないのでいまいち曲順がわからず。
全部で8曲ほどやったろうか。
1曲目から3曲目は新曲かな。
軽めなビートで始まって、中盤からキメのフレーズを多用したのが1曲目。
2曲目は吉田達也の歌声を前面に出した曲。大陸的なメロディで、かなりポップな雰囲気だった。
ベースとボーカルとリズムが、ユニゾンでなめらかに流れていったのは、この曲じゃなかったかなあ。
2曲目からメドレー形式でつないだ3曲目あたりから、びしばし手数が増えていき、ぐいぐいテンションが上がっていった。
今回もタムはかなりテンション高く張っている。
強打するとメロディアスに鳴るのが気持ちよかった。
次の曲は「WARRIDO」。アルバムとはアレンジをがらりと変え、濃密なテンションで突っ走る。
ボーカルを控えめにし、空間を二人の演奏で埋め尽した。
彼らの音厚が心地よい、緊張感あるプレイだった。
その他「FFILHIZABMN」、「プログレッシブ・メドレー」もやったかな。
「FFILHIZABMN」も、さらに迫力を増したアレンジに変更。
佐々木の五弦ベースが唸りをあげる。
楽しげに顔をくしゃくしゃにしながら、ギターのようにネックへ指を激しく躍らせ、次々に音をばら撒いていた。
オーラスは「VRRESTO」。もっちろん、これも新アレンジ。
曲の骨格こそ同一だが、吉田のドラミングが比較にならないほど激しくなっていた。
全般的に曲のサイズを長くして、曲に色々と展開をつけくわえていたように聴こえた。
ずばずば曲間にブレイクが決まっていたから、インプロじゃあないと思うけど・・・。
対バンのポチャに気を使ってサウンドの触感をあわせていたのかも。あとで考えたことだけど。
なにはともあれ。緩急を効かせた上に、多彩な要素をぎっしり混ぜ合わせたすばらしいライブだった。
Pochakaite Malko (20:35〜21:25)
(桑原重和:b、荻野和夫:key、立岩潤三:ds、上野朋洋:Key)
すぐにセッティングが始まり、メンバーの登場。
ステージ中央にスペースをぽっかり空けて、左右の袖にキーボードが二人。
さらにその奥にドラムとベースが陣取る。
なのにMCはベースが取るという・・・。なんとも地味な配置だった。
ベースがステージの中央に出てくればいいのに。
こちらも7〜8曲演奏したろうか。全てオリジナルだと思う。
MCで曲名の一部は紹介していた。「トロピカル・サンセット」「フィフス・エレメント」「不整脈」というタイトル群と記憶している。
曲調は、オーソドックスなチェンバー・プログレのスタイル。
1フレーズごとにキーボードが、主旋律を交代で弾いていく。
ベースはずっしり歪んだ低音で音像を支え、ドラムが涼しい顔で複雑なビートを叩き分けていた。
全般的に、めまぐるしく変拍子を繰り返して畳み込む構成が多い。
メロディがポップで、ブルガリアン・ボイスやクラシック、その他もろもろの要素がつまっている為、聴いていて退屈しなかった。
ソロもほとんど取らず、構築美を楽しむ音楽性のようだ。
ぼくは最近、即興に興味あるからなぁ。もっとフリーな要素を盛り込んでくれたほうが嬉しかった。
こちらも、アップテンポで雪崩て行く曲調の時はぐいぐい音の世界に引き込まれる演奏だった。
Poins (21:30〜21:50)
ルインズとポチャカイテ・マルコとの合体バンド。
メンバー全員が、馬鹿でかい音でセッティングやサウンドチェックを始める。
吉田がタムを叩きわけながら、丁寧にハイハットやシンバルの位置、タムの角度などを調整していたのが印象的だった。
佐々木はギターを手にする。ルインズのときも激しく弾きまくる印象だから、ギターを持ってても違和感なかった。
2バンド混成でドラムがかぶるため、ポチャの立岩はステージ隅でパーカッションを担当する。
床に座り込み、ボンゴのような太鼓を叩いていた。
「マグマ来日記念で、"DE FUTURA"をやります」と、吉田のMCで演奏開始。
お恥ずかしながら僕はマグマの原曲を聴いたことなくって、比較が出来ず。残念。
ただ、大音量で全員が駆けていくいかしたプレイだったのは間違いない。
演奏が進むにつれ、加速するように吉田の手数が多くなっていった。
もちろん、ボーカルも吉田は担当。
さまざまな声を使い分けて吠える。
重たく、暗いメロディを基調とした重戦車のような音楽に、声はまったく負けていなかった。
聴いている限りでは、即興部分はなかったようだ。
20分ほどの嵐が吹荒れ、ライブが終わった。
えらくあっさりしたエンディング。
ルインズとポチャのインプロ合戦でもあるのかな、と期待していた僕は拍子抜けしてしまった。
かなりしばらくして、彼らは客席のアンコールに応える。
アンコール曲を準備していなかったとか。
ステージ上で吉田と相談していた桑原が「"MEKANIK
ZAIN"はいかがでしょう?」と言って演奏が始まった。
荻野が歯切れのいいリフをキーボードで叩く。
吉田のドラムは今夜一番のスピードを記録し、超高速のタム連打をぶちかました。
結局、他には桑原と佐々木のみが演奏に参加。佐々木はギターを弾いていた。
豪音が吹荒れるので、ギターやベースの音はいまひとつ聞き分けられない。
とにかく僕は吉田の疾風怒濤のタム連打に圧倒されて聴いていた。
5分かそこらでアンコール終了。息を切らしながらステージを引き上げていく。
重低音と馬鹿でかい音と。なにより猛速度なリズムを堪能した、とびきりの演奏だった。