出張日記です。

某月某日

またしても出張はエコノミー。きついなー。ぜんぜん眠れず往生した。今回の勝因および敗因は文庫本を持っていったこと。過去2回出張したときは、あまりに時間持て余したので、今度は事前に時間を有効活用できるよう準備したんです。
I-podを持っていくことも考えたけど、あれは電池が6時間しか持たないし・・・しかもアメリカだと電圧違うから、充電のときにぶち壊れる可能性もあって諦めた。

今回持ち込んだのは文庫本5冊。重たいの何の。手荷物で持ち込んだからね。かばんの中にはPCも入ってるし・・・なんで引きずる鞄より、手荷物のほうが重たいんだああ。かといってPCを機内預けにする勇気は無いのでした。
今回の飛行は約10時間・・だっけな?時差があるから、正味で何時間乗ったかよくわからない。

で、結論。文庫本はせいぜい3冊で十分ですね。成田へ着くまで1冊、機内で2冊。そのくらいでちょうどいいや。荷物を減らしたいから、睡眠時間削ってなんとか機内で2冊半読んだけど・・・なんで俺はこんな精一杯、無理して読んでないとあかんのや。
機内の映画も音楽もまったく聞かずにすごしましたとさ。読んでた一冊の小説は、500ページくらいあったしなあ。
これは次への課題ですね。軽いエッセイだと1時間で読んじゃうし。かといって重厚な小説は頭に入らないし。さて、どおしよお。

LAに到着したら真昼間。日本時間は深夜。眠てえ。
日曜到着だから、があがあ寝てもよかったんだけど。同道の人に「寝ると時差ぼけ直らん」とアドバイスいただき、サンタモニカまでバスで移動してみました。

安いねー。LAXからサンタモニカまでだいたい45分くらいかかるのに。基本料金が75c。距離にして10〜15キロくらいあるのかな?とにかく40分くらい乗ったよ。
しかし今どこを走ってるかさっぱり。日本のやかましい「次はXXXにつきます」ってのもいいかげんうっとうしいが、ここでは放送皆無。よそ者はまったく搭乗対象外みたい。

ガイドブック片手に道を眺めてたけど・・・道路標識もろくにないなあ。同道の人がいなかったら、たぶん思いきり迷子になってたよ。
面白かったのが降りるとき。窓に紐がめぐらせてあって、それを引っ張る。安っぽいっちゃ、安っぽいんだが。くいっと引くと「Stop Requested」とか一声、電子音が流れて次の停留所に止まります。

ちなみにバスの背にラジオ局の宣伝あり。「Oldies 1260」。期待してホテル帰ってラジオつけたのに・・・入らない。ちぇ。
部屋では適当なジャズっぽい局をBGMに。なぜかスティーリー・ダンの"Peg"が流れる。あれってジャズなのか?コード進行はブルーズだって、なんかで読んだことある。そもそもポップスじゃないの?複雑なコード進行は全部ジャズなんだろか。

とりあえずサンタモニカのデパートらしきとこに向かう・・・もちろん行きましたがな、レコード屋に。
ただし新譜ばかりでまったく面白くない。品揃え悪いし。全部で1万枚くらいしか置いてなさそう。
売れ線は販売促進か安めに設定。14$くらいだっけ。ただし新譜に面白そうなの無いんだよね。Gラブを売ってたのにがっかり。ここで買えばよかった。
しかしほとんどは19.99$。アマゾンで買ったほうが安いよ、へたしたら。日本で買うより200円くらい安そうだが・・・。いや、レコファンで買ったら、日本が安いかも。

その店に粘って、1時間くらいかけて棚を一通り見る。ゴスペルとかラテンで知らないのが一杯あったが、19.99$の値段に引いちゃって、買うのを控えました。ジャズはえらい品揃え悪かった.。
メイズのリマスターのベスト盤に惹かれたが・・・わざわざ買うほどでもない。

ホテルの宣伝コーナーでライブハウスの情報無いか探してみる。実際には仕事あるから、聴きには行けませんが。
唯一見つけたのがThe Hollywood Roosevelt Hotelのスケジュール表。演奏開始は8:30とあった。ナイトクラブみたいなもん?
目を引いたのはポール・ウイリアムズの単独ライブ。カーペンターズの曲を書いた人・・・と書けば、判りやすいんだろうか。ソフト・ロックのファンには説明不要でしょうね。
10/6−9で公演やってたんじゃん。聴きてえ。チケットは30$−40$でした。

あとは・・・知らない人ばっか。メリサ・マンチェスターくらいかな、名前聞いたことあるの。一応目立ったとこを名前列挙すると、ジョニー・ロジャーズ、キーリー・スミス、デイヴィッド・ポメラン(かな?)("Try'in to get that feeling again"のヒット曲あり、と宣伝文にあった)、マーシー&ジナ、グリーニー&クリコヴィッツなど。
「うおおっ」と一瞬だけ喜んだのはStephanie Kramer。クレイマー、って文字に反応したんです。シミーのクレイマーとは、まったく関係ない人。もちろん。

某月某日

何で昨日の日記が異様に長いかというと・・・時差ぼけで早く目がさめたからです、はい。そのまま寝直してもいいが、なんかもったいない。気分的にね。うだうだ起きてた。当然、その分昼間は眠くてうとうと・・・なにをやっているのやら。

音楽ねた・・・なんかあるかなあ。あ、そうだ。朝につけたFMで、なにげなくプリンスの"Call my name"を流れる。それが異様にかっこよかった。すぐさま家に帰って聴きたくなったよ。

今日は昼飯に寿司をご馳走になる。アメリカ人のアレンジした寿司ばっかだから、ちょっと戸惑うことも多い。何せ味噌汁が最初にちょこんといきなり出てくるんだもん。完全にスープ感覚なんでしょうね。

大笑いしたのが"ペンシルベニア・ロール"。太巻きの中にカニとアボカドとクリームチーズが入ってる。どのへんがペンシルベニアなんだ。その州出身の人に聞いても「知らん」の一言。
味?・・・まあ、メニューに出すくらいだから、まずくは無い。でも、食べてもクリームチーズの味しかしないよ。2個目を薦められたけど、さすがに箸が伸びませんでした。

ちなみに感嘆したのが同席した人の研究熱心なとこ。ぼくら日本人が皿に乗ったわさびを逆さ箸で取ってたんだ。サビ入りって概念が無く、からしみたいに皿の横にちょこんとのっかってるだけなので。そしたら同席してたアメリカ人が、すかさずそれを真似したんだよ。
別にその人、親日家ってわけじゃない。さほど日本に興味持ってなさそうなのに。マナーの厳しさが身についてるんでしょうか。ずいぶんべらんめえな人だったのに。あれにはびっくりした。

音楽ねたといえば・・・今日の移動中、飛行機の中でちょっと面白かった。
まず、客室乗務員の掛け声。飲み物のお変わりを聴いてきたんだ。"Any other drink?"って。その響きがなんだかキュートで、思わず顔を上げました。

しかし。上げなきゃよかった・・・。だいぶ遅い時間だったので、機内の電気は消されてたんだけど。ふっと見上げた顔は思い切り営業スマイル・・・暗がりで笑顔が張り付いた表情は、かなり不気味だったぞぅ。

あと、降りるとき。今日はせいぜい300人くらい収容の小さい飛行機だった。
着陸してドアがあくの待ってると、床下でなんだかリズミカルな音がする。どうやら貨物を取る係が「まだかー」とドアを叩いて遊んでるみたい。それが妙にファンキーなリズムでね。
同乗の人たちも顔を見合わせて笑ってました。だれかが「返事してやったらどうだ?」ってにやりと笑う。いっそそこで足踏みを誰かがはじめて、セッションになったら最高なのに。さすがにそれはありませんでした。

某月某日

今夜泊まるのは南部にある田舎の小さな空港。空港に降り立って、とりあえず外でタバコを一服。流れてるBGMはオールディーズ。最初にかかったのがリトル・リチャーズ、次がミラクルズ。でも次にかかったのが判らない。聞き覚えあるんだけどな。こういうの、なんか悔しいぞ。
あ、それと大滝詠一の"楽しい夜更かし"の元ネタがかかってました。あれってアメリカではヒットしたのかな?

ホテルの目覚ましにラジオがついている。前回泊まったときと違うのは、目覚ましにラジオ局がプリセットされてること。ソフトロック、ジャズ、ニュース、オールディーズ、などなど。とりあえずオールディーズを選ぶ。流れる曲のセンスがかっこよかった。こういうラジオ局を聴きたかったんだよ。
途中でスペクターっぽいサウンドが流れた。ふっと耳に残ったんだけど、知らない曲。だけど仕事しながらのBGMだったので、DJの曲紹介を聞きそびれちゃった。残念。

泊まるホテルでは、たいがいテレビのチャンネルが山ほどある。ケーブルテレビ契約をしてるんだろうね。しかし前半泊まったホテルはどこもMTVがない・・・なんでだぁ。
まあ、ホテルに入る時間はどれも遅かったから、あんまり見る時間も無いんだけどさ。
時差ぼけは数日立つと直ってくる。だけどそのまま寝るのが悔しい。せっかくだから徹夜でテレビ見ていたいなー。

今回の出張はタバコを特に我慢しないで過ごそうと思ってた。泊まるホテルも全部喫煙部屋が空いてないか、聞いてみる。
ところが今夜に限って禁煙部屋・・・。喫煙部屋が売り切れ。いつからアメリカ人はそんなにタバコ吸うようになったんだ。

成田で行きしなに買った1カートンを、この一週間で吸いきる勢いで吸ってたから、なんか落ち着かない。夕べは部屋で仕事しながらバカバカすってたから。数時間でほとんど一箱あけたもの。灰皿が小さいと使いづらいね。

某月某日

飛行記の時間待ちのとき、空港の本屋を覗いてみる。棚に平然とハードコアのポルノ小説を売ってて驚いた。こういうの、アメリカではもっとこそっとしてるかと思ってたよ。
英語の勉強に買うかなあ、としばし悩む。・・・言い訳として、いまいち薄弱なのは自分でもわかってますってば。でもまあ、読んでて英語の勉強にも、ちょっとくらいなりますよね。たぶん。なって欲しいなあ。

前回の出張時に買ったジュブナイル小説を、飛行機の時間つぶしに読んでいる。だけど内容がいかんせんつまらない。英語力がたいしたことないのに加わって、内容の唐突さについていけない・・・。

今回は荷物になるのがいやで買うのを控えた。最終日に買おうかな。しかしアメリカの機内じゃ、幾ら小説とはいえハードコアポルノは読めないだろうな。周りの視線がすさまじく痛そう。デザインが黒表紙で統一されてたから、あっさりばれるはず。白夜書房の文庫本みたいなもんだね。

今夜とまったところも南部の田舎にあるホテル。そのせいか、ローカルの電話代が只で嬉しい。仕事のネットを遠慮会釈無く、繋ぎっぱなしにできるから。
ヒーターがぼろっちかった。たまにテクノイズっぽくうなるんだよ。妙に和音ぽく、微妙な倍音を響かせる。他にもガラガラ鳴って、静かめのインダストリアル・テクノを聞いてるみたい。ただし。面白いけど、真夜中にいきなり鳴るからびっくりしたぞ。

某月某日

今夜のホテルは参った・・・。ローカルの電話代は只なのに、なぜかそこからネットにつなげない。なんでだろう。しかたないので長距離扱いで、別のサーバーに繋ぐ。いちおうネットへつなげたのはいいものの、速度がたったの24Kbps。勘弁してくれよー。

移動はやっぱり飛行機だったけど、初めてクッションつきの箱が出てきた。X線検査をするときに、荷物を載せる箱のことね。PCを置くときに使うってやつです。いままで、そのままのプラケースにどかっと入れられて、乱暴な扱いにはらはらしてたから嬉しかった。この程度で喜ぶなよ、おれ。

だけど検査はけっこう厳しい。鞄開けてかき回されるのは、何度やられても心が安らがないなあ。なるべく心を揺らさないよう、ぼおっとすることにしてるんだが。同行してた人はすさまじく憤慨してたっけ。

良くも悪くも検査は同じ手順。今回は毎日飛行機で移動してるから、いいかげん慣れた。
もう椅子に座るなり片足をぴょこんっと上げる。いっつも足の検査からされてたもんで。
そしたら係員が面白そうに「前に同じ検査を受けたことあるの?」って尋ねやがった。余計なお世話じゃ。いやってほど繰り返されてるわい。
しかしきっちり検査してるようで、大雑把。隠しポケットみたいなのは一切チェックしないんだもん。何の意味があるんだろうねえ。たんなる係員の自己満足じゃないのかな。

ホテルで仕事のメールをぱこぱこ。一段落ついたとこで、テレビをつけてみた。おー、ルパン3世をやってるじゃない。もちろん吹き替え版です。いわゆる「第二シリーズ」ってやつ。
笑ったのはこっちの声優がきっちり口調を真似てたとこ。次元は低音で渋く喋り、不二子はセクシーに。そしてルパンはあの独特のイントネーションを真似て、ひょうきんに喋ってた。あんなとこまで真似してるんだ。
残念ながら五右衛門は喋らず。いったいどういう吹き替えしてたんだろ。

某月某日

今夜も寝る前にテレビを見る。ずっとつけてたのが「E!」ってテレビ局。バラエティ局みたいだね。なんだか延々とセクシーなトーク番組をやっていた。早口で何を言ってるかはさっぱり。ホストはHoward Sternだったかな。長髪の胡散臭そうな男でした。

登場する女性が、たまに上を全部脱ぐとこまで行く。その上で、セクシャルなトークをするって企画らしい。ところがそこはアメリカ、バストに盛大なモザイクがはいる。あの感覚がよくわからん・・・モザイク見て嬉しいのか?いっそマイクロビキニを着たままのほうが、絵柄としてセクシーじゃないの?

今回、出張中はヤフーのメールだけをチェックしてました。なぜかHPにアクセスしても掲示板を開けない。
とにかくいたずらメールが次々くる。ほっといたら70通くらい、一週間で来てたよ。ほんと通信資源の無駄遣いだ。

某月某日

明日はいよいよ帰るだけ。空港近くのホテルに泊まって、最後の仕事をしてました。延々PCに向かってると、どんどん時間と空間の感覚が日常へ戻る。
ここはアメリカだ、って実感が無くなって愕然とした。一息ついて窓の外を見たとき、「あー、アメリカ出張中だっけ」って改めて思い出したよ。

あ、そうそう。今週はアメリカで皆既月食があったらしい。向こうの人に言われて、初めて知った。まったく情報無かった。せっかくだから見たかった。
もっとも日食じゃないと絵柄としてはシンプルなんだろか。

昼飯は空港の喫茶店で済ませる。選択の自由を与えるってことなのか、こっちは異様に選択肢が多い。サンドイッチひとつとっても、トッピングがいろいろある。
だけど選ぶのは、英語わからないとつらい。なに言ってるかさっぱり。決り文句だから喋るほうはどんどん早口になるんだもん。
とりあえず適当に頼んで、水で流し込みました。うー、まずうぃ。

今日泊まったホテルは、異様にホテルのチャンネルが少ない。30チャンネルくらいかな。昨日まで60チャンネルくらいあったから、なんだかもどかしい。どのチャンネルもぜんぜん見やしないのに。
この出張で気に入ったE!局をじっくり見ようと思ったのに、このホテルは契約してないようだ。無念。
てなわけでこの出張も明日で終わり。無事に帰れますように。

某月某日

いきなり今朝は飛び起きた。ふっと目が覚めたら、窓の外はまっくら。「ああ、まだ夜中だなー。寝なおすか」と携帯目覚まし時計見たら・・・止まってるじゃないかああ!慌てて飛び起きました。
今日はシカゴにいるんだが、朝の7時くらいまでまだまだ外は暗いんだもの。時間感覚ありゃしない。

なお時間は朝の6時でした。ふう、寝過ごさなくてよかった。携帯時計は迷わずゴミ箱へぶち込みました。100円ショップで買ったのになあ。もう少し言いの探そうか。

ちょっと早めに空港へ行く。どうも心配性なもので、時間ぎりぎりに駆け込むってのが出来ない。しかし失敗した。シカゴの5番ゲートって、金属探知機くぐったら、何も店がないじゃないかー。
こんなことならもうちょい時間ギリギリまで、空港の中で買い物してればよかった。ああ、タバコ吸いてえ。
前回、ダラスの空港では乗り場のすぐ後ろに喫煙所があったし。もしかして・・・とちょっと5番ゲートの中をうろつく。やっぱなにもないや。

手持ちの文庫本を一冊読みきり、やっとこさ搭乗へ。今回もエコノミー。しかしラッキーなことに、たまたま隣が空いてくれたよ。ちょっと足を伸ばせて、多少は楽な帰り旅でした。
もうなんにも本を読む気しない。酒飲んで、うとうとして。あとは映画を見てました。
"I Robot"をやってたが、いまいちのめり込めず。オマケに機械の調子悪いのか、しょっちゅう途切れてしまう。
タイトルは忘れたが、韓国の殺伐とした映画に引き込まれたな。

機内で軽食が出たとき、ふっと気が向いてチキン・スープを頼んでみた。そしたらとたんにめまいと軽い吐き気がして焦る。
どう考えても旨味調味料酔いだよ、これ。アメリカ出張の帰りのたび、同様の症状が出てくる。なんでだろう。

成田に着いたのは日曜の昼、2時半ぐらい。機内預けの荷物や入国手続きに1時間くらいかかるから、めんどくさいったらありゃしない。
日本について、入国審査の前。まっさきにしたことはゲート横にある喫煙所へすっ飛んでいくことでした。

シカゴでもすいそびれたから、15時間ぶりのタバコかな。もう、頭がくらくら来ましたよっ。はー・・・日本だ日本だ。

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