LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

02/12/15   吉祥寺 MANDA-LA2

出演:さかな
 (pocopen;vo,g、西脇一弘:g、pop鈴木:ds
  ゲスト:青山陽一:g,cho)


 さかなはあんがいワンマンライブってやらない。
 この日は数年ぶりのワンマンかな?初体験なので、とても待ち遠しかった。
 しっかし混むこと混むこと。対バンいないのに、ふだんのライブより混むとはどういうことよ。

 開場時間ちょい過ぎに到着したら、入り口まえに長蛇の列。店内はかなり椅子を前詰なのに、後ろはぎゅうづめの立ち見群。ドリンク取りにもいけやしない。
 結局人ごみにまみれながら聴く事になり、なかなかしんどかった。最近ここまで混むライブって行ってないからなぁ。

 開演時間を15分ほど過ぎ、メンバー三人が登場。
 黙々とチューニングなどをはじめる。

<セットリスト>
1.レピア
2.スー
3.ロンリーメロディ
4.ロコモーション
5.惑星
6.ファン
7.ロッキーマウンテン
8.ホームレスフィービー
9.サブウェイ
10.パナマニアンハット
(休憩)
11.Heart with no companion
12.リトルスワロウ
13.Don't no why
14.ブラインドムーン
15.ブルー
16.ミス マホガニーブラウン(with 青山陽一)
17.ロッキンチェア
(encore)
18.スカイ(with 青山陽一)
19.サンバディ(with 青山陽一)
  *惑星&衛星さんのサイトから転載しました。
    ありがとうございます。

 後半最初の"Heart with no companion"はレナード・コーエンのカバー。ロン・セクスミスも演奏してる曲。
 "Don't no why"はノラ・ジョーンズのカバーで、今年リリースされたアルバム"Come away with me"に収録(作曲はジェシ・ハリス)。
 こんな最近の曲をカバーするなんて。よっぽど気にいったんだな。
 ほぼドラムレスで演奏された、美しいメロディの静かな曲。ライブ直後にノラのオリジナル・テイクを聴いたが、雰囲気を生かした好カバーだったと思う。記憶頼りであやふやですが。

 今夜は比較的静かなさかなの世界が広がった。
 MCはほとんどなく、次々に曲を披露する。 
 一曲目の「レピア」が始まった瞬間、歌声はふわりと穏やかな雰囲気をかもしだした。

 前半で特にいいな、と思った演奏は"ロコモーション"や「何年ぶりかわかんないけど、ひさびさにやります」と前置きした"惑星"、"ロッキーマウンテン"など。
 
 popは上体を揺らす独特の姿勢でふわりとドラムを叩く。
 歌声が優しく響く中、西脇が細身の身体で無造作にリズムを取りつつ、暖かいギターを弾き続けた。
 
 "ロンリーメロディ"や"ファン"ではpocopenがハーモニカ・ホルダーをつけて、西脇のソロの時に裏でそっと吹いていた。
 最初にホルダーをつけたとき「いや、そんなにたいしたことやりませんよ」とおどけてみせる。
 実際の演奏も、味付け程度にちょっと吹くくらい。
 フォーク風に吹きまくると思ったので、ちょっと拍子抜け。

 途中のMCでpocopenはちょっと切れぎみ。
 先日nestでやったライブに客が少ない!と憤り、03年はライブの本数を減らしてしまうそう。そんなぁ。
 ステージから客席の混み具合はよく見えないのか、「寝転んでのんびり聴いてくださいねっ」という発言も。
 この混み具合では無理ですってば、pocopenさん・・・。

 比較的明るい曲が続いた第一セットは、3人によるアンサンブルが聴きもの。
 エコーを効かせたドラムが気持ちよかった。
 "サブウェイ"ではブラシを使い、鋭く8ビートを叩く。
 だが、ブラシであるがゆえに音色は決して激しくない。そんな奏法が効果的だった。
 
 淡々とステージが進行し、あっというまに10曲が演奏される。約一時間。
 ここでしばらく休憩が取られた。

 トイレ休憩とはいえ、超満員でトイレへたどり着くのも至難の業。
 いったいどうなるんだろう・・・と思っていたが、15分くらいの短めな休憩で、すぐに第2セットが始まった。

 前半のMCで「後半は暗いよ」と予告したとおり、ぐっと渋い曲が続く。
 pocopenも椅子に座り、じっくり歌っていた。むう。後ろからだと姿が見えないや。

 体力的には立ちっぱなしでへろへろだったが、歌声でじわっと癒される。
 しかしこういう演奏、ちゃんとしたホールでゆったり聴いたら、さらに心地いいだろなぁ。

 後半は前半にもまして素晴らしい。どれもこれも好演ぞろい。特に印象に残ったのは"ブラインドムーン"かな。
 演奏も歌もめちゃくちゃ素晴らしく耳に染みた。

 本日のゲスト、青山陽一は"ミス マホガニーブラウン"で登場。
 ステージ中央に座り、ギターとコーラスでさかなを盛り立てた。
 西脇がリズムに回り、青山はブルージーなフレーズでオブリを入れまくる。
 ハーモニーは裏声で入れ、キーの低いpocopenの声と見事に溶けていた。

 このまま演奏を続けるかな、と思いきや。
 青山は一曲だけでステージを去ってしまう。
 
 ステージはさかなだけで"ロッキンチェア"を決め、あっさりと本編が終了してしまった。
 去り際にpocopenがふかぶかと客へ向かって礼をする。なんだか元気なさげで心配だ。

 もちろんアンコールの盛大な拍手。
 まずは青山も参加して"スカイ"を演奏。ここまではリハをしてたみたい。

 そのあとステージ上で、青山とpocopenがなにやら相談してる。
 もう一曲やろうとしてるが、どの曲にするか迷ってるようす。
 青山は「サンバディ」をやりたがり、pocopenは「構成を忘れた~」と困ってる。
 だが結局、譜面を見ながらぶっつけ本番でやることになった。
 
 これが面白かったな~。たしかにちょっとラフなところもあったけど、楽しげなセッションだった。
 pocopenはギターを弾かず、ボーカルへ専念してた。

 途中で彼女がマイクを掴んで立ち上がった。観客から声援が上がる。
 あわてて「ちがうよっ」と手を振ってみせる。どうやらpopに掛け声を入れさせたいみたい。

 最初のきっかけは失敗したが、2度目にはpopの掛け声が見事に決まり、にんまり微笑む。
 いつのまにか青山もマイクスタンドをわしづかみにし、立ち上がってギターを弾きながら歌っていた。

 スキャットをばしばしpocopenが入れ、ラストはギターの振り下ろしでエンディング。
 後半も1時間弱演奏したが、あっというまだった。

 入り口で手作りTシャツを販売してたせいか、出口へ行くのも一苦労。
 このキャパだとそろそろしんどいのでは・・・。
 個人的には、もうちょい広々したホールでゆったり聴きたい。

 とはいえボリュームたっぷり。ずっとさかなの演奏にひたれて、素敵な気分を過ごせたひとときだった。

今後のライブスケジュール
2/8  渋谷 on air nest (with Sunnys)
2/16 京都 磔磔 (with 渕上純子+bikkeデュオ)
           ↑これ、聴きたいんだよな~。京都だし無理かなぁ。
3/? 吉祥寺 manda-la2

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