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LIVE レビュー
見に行って、楽しかったLIVEの感想です。
02/9/20 吉祥寺 Star-pins Cafe
~続・大吉~
出演:Date Course Pentagon
Royal Garden
(菊地成孔:Key,CD-J、大友良英:g、芳垣安洋:ds、藤井信夫:ds、栗原正己:b、
坪井昌恭:key、高井康生:g、津上研太:ss、後関好宏ss,ts,bs)
スタパ企画のオールナイト・イベント「大吉」2daysの初日。この日は4バンドが出演。
最もこの日は出張帰りで、実際にぼくが聴けたのはDCPRGだけだった。
会場に入ったのは11時を軽く回った頃で、ちょうどPHOTOのライブ真っ最中。
客席後方からだと人の頭に埋もれ、ステージはよく見えない。
オルガン中心にインスト・ジャムをやっていたようだ。ちょっと軽めの演奏だったかな。
DJタイムの間に観客はどんどん膨れ上がる。セッティング終了頃には一階・二階とも満席だった。
芳垣、坪口、大友らがセッティングを終えバックステージへ戻ってゆく。
その中、菊地だけはヘッドホンをかぶり、えんえんキーボードに向かい音決め(?)をしていた。
菊地もやがてバックステージへ消え、しばしのDJタイム。
改めてメンバーがステージに現れたのは、深夜1時が近づいた頃か。
菊地は白いパーカーを着て登場した。トレードマークの赤シャツはクリーニング中らしい。
<セットリスト>
1.Catch 22
2.Hey Joe
3.Play mate at Hanoi
4.Circle/Line~Hard core peace
(アンコール)
5.Mirror balls
全曲が1stアルバムから選曲。
ダンスフロア対応のお馴染みセットになった。
気持ちいいのは間違いないが、そろそろ選曲は新曲群にシフトしてほしいぞ。
冒頭は恒例「Catch 22」から。
イントロは津上のソプラノのソロを中心に、菊地のオルガンや他のミュージシャンの音が断片的に挿入される。
CD-Jはドローン的な音を出し、スクラッチ・ノイズをときおりかぶせる。
今夜はパーカッション2人が欠席。心なしか音像が太い。
ただ、ほぼ最前列で聴いたのは失敗した。PAを通した音像が耳へ届かない。
モニタと生音がごっちゃになった、えらくバランス悪い音で聴くはめになった。
具体的には藤井のドラムがほぼ全滅。ホーン隊もよく聴こえない。坪口のキーボードもいまいち。菊地のオルガンも断片的だった。
ベースとギター、芳垣のドラムが中心のサウンドが耳に入る。
もっともこれはあくまで比較論。ボリュームはそれなりに大きく、ライブが終わったときは少々耳鳴り気味だった。
演奏の話に戻ろう。
「Catch 22」は簡素なメロディで、そっけなさ倍増。違う曲みたい。
この曲はライブで聴くたびに印象が変わる。今夜はシンプルながらも凄みがあってよかった。
菊地は積極的に演奏者を抜き出し、個々のビートを強調する。
でもキューにいまいち精彩ないのが気になった。
テーマを切り替える際のハンド・サインに切れがない。
「Catch 22」ですでにがしがし踊る客もいる。10分くらい演奏してたかな。
菊地のサインが一閃、「Hey Joe」へメドレーで切り替わった。
いや、次なる「Play mate at Hanoi」もメドレーでなだれこむ。
実に30分以上、DCPRGはファンクをぶちまけた。
菊地は積極的にビートにあわせステップを踏み、ハンドキューで演奏者を抜き出す。
ソロを強調するより、抜き出した数人のフレーズと全体のグルーヴを対比させ、フロアに熱狂を促すアレンジが主体だった。
もっとも音像はかなりダークで混沌としている。
バンド全体で勝負をかけ、曲の展開はほとんどない。ひたすらリフの応酬でダンスを迫る。
ソロを積極的に弾いていたのは大友や津上。
大友が弦をチョーキングさせ、パワフルなソロを弾くさまはむちゃくちゃかっこいい。
ときおりビートに乗って飛び跳ねつつ、リズムギターを弾いたりもしてたっけ。
後関や藤井の音はほとんど聴こえなかったため、いまいち印象が薄い。
高井のギターも思ったよりソロがない。
とにかく大友のギターが大活躍したライブ。
ソロでさんざんギターを歪ませたあと、アンサンブルの中でこまめにチューニング(?)しなおす姿が印象に残った。
しかし今夜はビートが耳へ素直に飛び込まず、音に馴染みづらい。
それにピッチが低かった気がする。開放感が物足りなかった。
いったんMCを挟んで雪崩れ込んだ「Circle/Line」。
テンポを加速させせわしないビートの、新鮮なアレンジだった。
大友が弦を切ったのはこのときか。ブレイクのとき、かがみこんで弦をむしりとっていた。
今夜の菊地は妙にノリがいい。基本的に今夜も客席へ背を向け指揮していたが。
カットインやブレイクでバンドが炸裂する瞬間、くるりとこちらへ身体を向けて指でカウントしてフロアを煽る。
白いシャツはいつのまにか汗みどろ。腰くらいまでびっしょり汗で濡れていた。
菊地はキーボードも積極的に弾き、アンサンブルに厚みを出す。
たしか「Hey Joe」あたりでは、キーボードのリフを坪口とユニゾンさせたりも。
テーマが切り替わる寸前、ずららっとグリサンドする何気ないプレイが見事にはまる。
「Circle/Line」から「Hard core peace」へ切り替わるまで、さんざん焦らされた。
自らのオルガンでしっとりしたフレーズを弾き、津上を引き連れて一度は音像を落ち着かせる。
芳垣・藤井のドラムのみを抜き出し、ハイハット中心の切れのいいリズムをバックにオルガンを鳴らした。
そしてフロアを煽りつつ「Hard core peace」のテーマへ。やはりピッチが低く聴こえて気色悪い。身体は動いてたけどね。
ここまでですでに1時間くらい経過。
アンコールにもきっちり応えてくれた。
ひとしきりMCした菊地が「それじゃ、"Mirror
balls"」とつぶやく。
客席にくるりと背を向けバンドへサイン。音がフロアへ溢れた。
栗原のベースが、じっくりリフを刻む。
ギターがテーマを歪ませながら弾き、メロディにあわせ菊地はコミカルにポーズを取っていた。
コーダは菊地へ集中する。
他の楽器が音を止めてる中、菊地はオルガンをゆっくり鳴らし、静かにライブを終わらせた。
アンコールの拍手はまだまだやまないが、さすがに菊地の挨拶のみだった。
ここでしんどくなってきたので、あとのライブはパスして帰ることにする。
個々のミュージシャンの組み合わせで面白いとこがいくつかあったが、どの曲だったか細かい部分は覚えてない。
ズタズタなDCPRGのグルーヴに問答無用で打ち抜かれた夜だった。
ライブが終わって一気に飲んだビールの美味しかったこと。
11/10に2枚組アルバム(リミックス&ライブ)をリリースしたあと、来年3月にはアメリカ・ツアーが控えてるとか。
スタジオ盤の新譜はその後かな?
次のステップへ進むはずのDCPRGが楽しみだ。