LIVE レビュー
見に行って、楽しかったLIVEの感想です。
01/9/16 吉祥寺 MANDALA-2
出演:ラブジョイ、さかな
ラブジョイとさかなの競演は、今日が初めてだという。
日曜のせいか動員は好調。椅子席は満員、後方にはびっしり立ち見が並ぶ。
椅子席をとっぱらい、フルスタンディングのほうがよかったのでは。
さかな(19:50~20:30)
(pocopen:vo,g、西脇一弘:g、pop鈴木:ds)
彼らのライブを聴くのは2月の「まぼろしの世界」イベント以来。勝井祐二が抜けて、3人体制のさかなになっている。
ステージにポコペンとpop鈴木が登場したのは19時半頃かな。
西脇はコンビニから戻らないとかで、ゆっくりチューニングや楽器の紹介(?)をする。
15分ほどして西脇が登場。そのまますうっと演奏が始まった。
<セットリスト>*注
1.Smile
2.Rosy Road
3.Locomotion
4.Mrs.Silverbelle
5.Sue
6.Adious
7.Rocky Mountains
8.Mr.Bojangle
9.Billy Sweet
*注:セットリストは惑星&衛星さんのHPから引用いたしました。
転載許可を頂き、ありがとうございます。
ステージからはのどかなな雰囲気が伝わってくる。
どこかとぼけたポコペンのMCをちょこちょこ織り込みつつ、淡々と演奏が進んだ。
ポコペンは口数の多いメロディを、ニュアンスたっぷりに喉を響かせ歌う。
彼女が爪弾くギターはほぼベースパートを担当し、西脇がオブリを入れていくアレンジが多かった。
もっとも前半はギターソロをほとんど入れず、ひたすら西脇はバッキングに専念する。
ライティングもポコペン中心で、さながら彼女のワンマンショー。
小柄な身体ながら、存在感たっぷりだ。
派手なアクションもないのに歌声に引き寄せられ、ステージがぐっと近くに感じた。
「ロコモーション」では、ツイン・ギターによるリフがかっこいい。ざくっとした感触がたまらない。
立て続けに言葉を吐き出すポコペンを見ながら、なんとなくディランを連想していた。
「アディオス」前後から、西脇のギターも存在感を主張し始める。
抑え気味ながらも、的確なオブリを入れていた。
「ミスター・ボージャングル」をカバー。
この曲はフォークのスタンダードってイメージあったから、さかながカバーするのは意外だった。
歌詞カードが見つからずポコペンがあたふたする一幕もあったが、けっきょく歌詞カード無しできっちり朗々と歌いきった。
サビのあたりになると、彼女は肩で数度揺らしてリズムを取り、ギターをかき鳴らす。
そんなさりげないしぐさが、とても効果的だった。
最後の9曲目ではポコペンがギターの2フレにカポをはめる。
使いづらいカポに悪戦苦闘した上、チューニングメーターはカポをはめたら使えないらしい。
そこで西脇に「ね、今のは何の音?・・・チューニングして♪」って甘えてて面白かった(笑)
最後までテンションはのんびりだったけど。
歌が始まると、さかなの音世界にひきつけられる。
わずか40分足らず。ああっというまのステージだった。
もっともっと彼らのライブを聴きたいな。
LOVE JOY(20:55~22:05)
(BIKKE;vo,g、近藤達郎:key、服部夏樹:g、松永孝義:b、植村昌弘:ds)
ラブジョイのライブ(というか、音)を聴くのは初めて。
てっきりビッケと近藤のデュオかと誤解してた。
ラブジョイは(結成前がビッケと近藤のデュオ)最初からバンド形態で活動し、かれこれキャリアは8年になる。
植村が参加から、アバンギャルドよりのポップスを予想してたけど。
ビッケが歌い始めてびっくり。
日本風のメロディの、暖かくきっちり構成されたポップスだった。
彼女の歌はすばらしく幅広く響く上に、伸びやかだ。
高音で喉を高らか張り上げるところは、とても魅力的。
耳に心地よく彼女の声が飛び込んできた。
<セットリスト>*注
1. 妙
2. オレンジ
3. enough for me
4. しあわせは自分で決める
5. 世界でいちばん好きな顔
6. 野の人の野のうた
7. ゼロ
8. 世界台所大事 [新曲]
9. バリのうた
(アンコール)
10. 月の誓い
*注:セットリストはきじまさんのHP"babooshka baba yaga "より
引用いたしました。転載許可を頂き、ありがとうございます。
バッキングの演奏はしごくオーソドックスなアレンジ。
近藤のキーボードが肝になっているようだ。
でもPAバランスのせいか、いまいち音が聴きづらい上に割れていたのが惜しい。
もうちょっとキーボードを強調したミックスにしてほしかった。
一曲だけ近藤はコーラスを披露。さりげないハーモニーで、ほんわかしたイメージを醸し出す。
それと、3曲目かな?アコーディオンを弾いたりもしていた。
植村のドラミングはとても着実。
シンバルワークを中心に、静かにリズムを刻む。
ここぞ、というところで効果的なフィルを手数多く叩き込むのはさすが。
今夜の聴きどころは「ゼロ」を演奏した時だ。
(山本精一が編集したコンピに収録されている。ライブでは数年前から演奏されてるみたい)
服部がひずませたギターで荒々しく音像をかき回すオブリを入れ、堂々とビッケが歌い上げる。
リズムはちょっと突っ込み気味。壮大な演奏だった。
さらにこの日は続けて新曲も披露してくれた。
ちなみにぼくの位置ではビッケの手元が見えず、彼女がギターを服部とどのように弾き分けてたかわからずじまい。ちぇっ。
エンディングはキーボードが和音をゆっくり連打し、ハイハットのリズムではじまるおごそかなアレンジの曲だ。
前曲からメドレーで続いていく。
ところがビッケがトチったのか、いきなりイントロで中断してたなぁ(苦笑)
気を取り直して最後の曲が終わったあと、メンバーはすぐさまアンコールに応えてくれた。
「月の誓い」はビッケがかれこれ16年間歌っているという。元気いっぱい歌い上げてステージが終了。
けっきょく彼らも1時間ちょいのライブだった。短いなぁ。
最近はフリー系のライブを多く聴いてたから、この手のポップスのライブはひさびさで新鮮だった。
さかなもラブジョイも素敵な演奏だったし。いい夜だ。