| さあて。 |
たまにでかい本屋へ行くと、ほんと目移りします。面白そうな本ばっかり。 これが古本屋や図書館と違うところですな。棚が生きてるもの。 買いたい。読みたい。でも、置く場所も時間もお金もない。おおお。
けっこう面白かった本を一冊、紹介します。
「風都市伝説」(責任編集/北村正和:ムック:音楽出版社:2004年)を読む。 1971年から1973年にわたって、プロダクション(でいいのかな?)「風都市」にかかわった人々にインタビューし、その声を短いコメント形式で淡々と並べた。
「風都市」に、どのくらいの人がピンと来るだろう。所属ミュージシャンの名前を、引用してみようか。 『はっぴぃえんど、乱魔堂、小坂忠とフォー・ジョー・ハーフ、あがた森魚、はちみつぱい、ごまのはえ、南佳孝、吉田美奈子、ダッチャ、菅節和、シュガー・ベイブ、山下洋輔トリオ』 あるひとはひざを打ち、あるひとはセンチメンタルな気分になる。そんなプロダクションじゃないかな。
本書が画期的なのは、地の文章を限りなく削ったこと。ほとんどない。時間軸を区切り、関係者のコメントをひたすら並べる。 感想や分析は読者に委ねた。唯一つ、コメントの取捨選択や並べる順番に編集者の「意思」を、強烈に感じた。
ミュージシャンの意思を第一優先に考え、ソロバン勘定をあいまいにしたがゆえに崩壊したらしい。 芸術家体質に共感を覚える人もいるだろう。個人的には、強烈に反発するが。 ミュージシャンとしてじゃなく、どっぷり金勘定に浸かった日常を過ごしてるからだろうね。金勘定が成立した上での自由、が身にしみるから。 こういうことを書く辺り、歳を取った気がしてイヤですな。とっほっほ。
さて。とにかくこのレーベルに、所属ミュージシャンに、当時の音楽シーンの様相に、興味あるひとは必読の一冊。 コメントを寄せている人らが凄い。当時のスタッフは当然ながら(一人だけ、消息不明という)、さらにそうそうたるミュージシャンがインタビューに答えた。 はっぴぃえんどの全員(大滝詠一がコメントを寄せてるのに、ひっくり返った。この手のコメントは拒否するかと思ったよ)のみならず、乱魔堂のリーダー、さらに山下洋輔や鈴木慶一、松任谷由美まで。 大貫妙子がコメントを寄せてるのに、なぜか達郎は不参加。これが残念。なぜだろう。ビジネス的な理由じゃないといいな。
内容は堅苦しくない。一気に読める。お正月、コタツを囲んでお雑煮を食べながら歌留多をする合間に、読書はいかがでしょう。
今夜のBGM:"Ines"(2002) 1stアルバム"Canciones de temporada"に収録。 NIZAはスペインはマドリッド出身の男女デュオで、メンバーはRoberto(g,program)、Silvia(vo,program)だ。 このときまでに“Niza”(1999)、Topolino" (2000)と2枚のシングルをリリースしてきた。
"Canciones de temporada"のプロデューサーはイアン・カット。セント・エティエンヌなどを担当した人らしい。 結局この一枚を残して、彼らは2004年の10月に解散したばかり。ネットで調べてたら、情報載ってました。
音楽性は打ち込み60'sポップ。欧州らしい上品さを備えており、BGMにいいんじゃないかな。ボサノヴァやフレンチ・ポップの要素も混ざってるみたい。
滑らかなメロディを舌足らずな歌い方でなぞる。おしゃれなポップってやつですな。昔、レコード屋のポップに惹かれて買い、そのまま棚の隅に転がってた。棚卸して聴いてます。処分するには惜しいか。
いかにも元気良い1曲目もいいけどね。今日はこれを選びましょ。 打ち込みの軽いビートにアコギのバック。歌はへただけど、自分の魅力を分かってるよ。うーん、爽やか。
ちなみにこのアルバムは04年の頭にRambling Recordsから邦盤も出たらしい。オリジナル盤が出たイタリアのレーベルには"好評で一千枚を売った"とある。リアルな数字だなあ・・・。 また"日本で普通のリリースにならい、ボートラ入りだ"と書かれたのも、なんか悲しい。 オリジナル・シーケンスで楽しまない国民性みたいじゃないの。とほほ。 |
2005年01月02日 23時24分03秒
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