今お気に入りのCD

最近買い込んで、気に入ったCDを中心に感想を書いてます。
したがって、特に新譜だけってわけじゃないですが、お許しを。

JAPANESE NEW MUSIC FESTIVAL(EUROP TOUR 1999)/RUINS他 (1999:摩崖仏)

 ちょうど今ごろ、ワールドツアー中かな?吉田達也氏率いるRUINSに、思いで波止場の津山篤氏が合流したツアーの紹介として作られたCDらしい。僕自身は吉田達也氏には去年のムックの「NU SENSATIONS」で興味を持った。んで、「ヴレスト」と買って聞いたとたん、夢中になった。初めてライブを見たのは、去年の12月のショーボートでの単独ライブ。演奏する姿がめちゃくちゃかっこよく、そのうえ体にびんびん響く音圧が最高だったっけ。

 以来、吉田氏の関連CDをそこらじゅうのレコード屋で買いまくり、聞きまくった。このCDもしばらく前に発売したけど、CDショップでなかなか見つけることができなくてもどかしかった。注文すれば手に入るんだろうけど、なんとなく「店で偶然見つけてみたいな・・・」と思って注文は先延ばし。まあ、先日無事に入手できて何より。

 このCDの収録バンドは吉田氏と津山氏のソロにズビズバX、赤天、RUINSの構成。データ類が一切ないので自信ないけど、多分全部新録音だろう。吉田氏のソロは録音感がちょっと違う気もするし、もしかしたらライブ収録なのかな?

 赤天とズビズバXはいつもどおり。CDで聞き込むより、一度ライブハウスでビールでも飲みながら聞いたら、とっても楽しめそうな気がするんだけどな。ズビズバは来年の1月にライブやる見たいだし、ぜひ生で見てみたい。
 津山氏のソロは、今回初めて聞いたけど静かなギターがとってもいい。だけど、やっぱり僕自身がうれしいのはRUINS!どこまでがインプロかわからないけど、めまぐるしく変わるリズムが、ベースとドラムだけなのにメロディアスに響くのがかっこいいなー。重戦車のようにつっぱしる曲にぴったりの荒っぽい録音もいい。次のフルアルバムが楽しみだ。

 今年末から来年頭にかけてはいろいろ吉田氏はライブやる見たいだし。こういうとき、自分が学生だったらなー。バイトしまくって、ライブを全部追っかけるのに・・・くうう・・・もどかしい。


RUN DEVIL RUN/Paul McCartoney(1999:EMI)

 前作「フレイミング・パイ」から2年ぶりかな?フラッと入ったCDショップで偶然発見!この新作が出るって宣伝とかの、なんの予備知識もなしに見つけたんで、僕的には、さりげなくてよかった。「いつ頃発表!」とか大々的に前宣伝されてるのを見て、あおられるのもいいけど、「あ、出てたんだ」って見つけるのも素直に手に取れるから気楽でいい。

 んで。内容だけど。リンダが他界して初のアルバム。も一度、自分の聞いてきた音楽的ルーツを見直す意味もこめてるのか、50年代から60年代のオールディーズを12曲に自作曲3曲って構成。
 一週間で集中的に録音したらしく、ごちゃっとした音像で、いきおい一発って感じ。いろいろいじくりまわしたくなかったのかな?ダビングや差し替えもしてるんだろうけど、バンドっぽい感じがする。

 こういうのって、別に発売しないで、デモテープで終わらせてもいいような企画なのに、ちゃんと正式に発表してくれてうれしい。こういうのって、どのくらい売れるんだろ? もっとも、考えすぎかな?ちゃんと魅力的な曲がそろってる。プレスリーの有名な曲をカバーしたり、今となっては埋もれた曲を演奏して。そのなかに、そっと自作曲がはいって。 
 それにしても、驚くべきはポールのヴォーカル。もうすぐ60歳になろうかって人の歌声じゃない。こんなとびっきりのロックンロールを歌える人は、もっともっとこういう歌を歌いつづけてほしいな。

 さあて。この項の冒頭にも書いたけど。現在の最先端を行ってる人と、一時期シーンをリードしまくり、今現在でも独自の音楽を作ってる人たちの新譜が立て続けにでる。そう。ベックとプリンス。60年代と80年代と90年代を動かした連中の新譜が立て続けに聞けるんだから。今年はいい年で終わるかな?


Roll Out the Barrel/Jad Fair&Kramer(1998? Simmy)

 シミーがニッティング・ファクトリー経由になってから、ちょっとは入手しやすくなったかと思ったのに、クレイマーのソロは確かによく見るけど、ほかのタイトルがぜんぜん見かけない。日本に入ってないのか、入ったとたん売れちゃってるのか。ま、後者は考えにくいけど。ああ!ボングウォーターのボックスが聞きたい!
 HPを見ても、積極的に活動してるみたいだし、どしどし輸入してほしいんだけどな。やっぱり、インターネット通販しなきゃだめかな・・・なんかこわいんだけどな。

 このCDは、最近でたこの二人のコラボ・アルバム「The Sound of Music」だとばっかり思い込んで、ろくに見もせず買ったもの。ま、いいけどね。もってなかったし。録音日がないんで、いつ頃録音されたかよくわからない。でも、場所はニューヨークだし、結構前の作品なのかな。
 参加ミュージシャンも、ドラムはおなじみデヴィッド・リットだし、ゲストもドン・フレミング、ジョン・ゾーン、サーストン・ムーアとキム・ゴードンと、その筋の人たちから見ると豪華・・・なんだろな。詳しくないからよくわからないけど。

 それで、演奏されてるのは、いかにもクレーマー印のもうもうの煙の中で演奏される、ほとんどアイディア一発っぽい曲がならぶ。なんと27曲も。オリジナルばっかりじゃなくて、カバーもけっこうあり。オリジナルの中では「カリフォルニア」がメロディきれいでいいなあ。作曲がクレイマーじゃないみたいだけど。
 ヴォーカルも調子っぱずれ感高し。気が抜けてヘロヘロで。好意的に言えば、朗読感高し、って言うのかな。対照的にアレンジが刺激的なんで、そのサンドイッチ感が一番の魅力かな。
 ビートルズのカバー「ヘルプ」も、はじめはアカペラっぽく始まるんで、思いっきり脱力するけど。でも、リズムが入り、テープが入り、ギターが入りで、見る見るうちに不思議なドライブ感がでてくるもん。

 でも、こういうアルバムって、僕としては家でしか聞けないんだよね。じっくり聞きたいのに、そんな時間ほとんど取れないってのに。この手の曲を携帯プレイヤーで聞いても、音をでかくしなきゃ、細かい部分が聞けないんで、はた迷惑ってのもあるけど、それだけじゃない。クレイマー印のいいアルバムは、これからの季節、夜遅い時間に部屋をちょっと暗くして、酒でも飲みながら一人で聞くと、良さが染み込んでくるんだよね。

 

 

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