LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2008/6/29   新宿 Disc Unionプログレ館

出演:吉田達也(一日店長:時報ライブ)
 (吉田達也:Ds,vo)

 ディスク・ユニオンのプログレ館で吉田達也の一日店長、という大胆なイベントが開催された。開店から弊店まで店長を務め、自らの盤や推薦盤を購入したらレジ打ちも。さらに一時間毎に時報ライブの開催まで。大変そうだが、面白い企画。

 この日はあいにくの大雨。夕方6時前後に行ってきた。到着が17時40分ごろ。客は片手の数くらい、しごくのんびりした雰囲気。もっとぎっしりかと思った。天気のせいかも。
 入って右のスペース、レジ横へ強引にドラムセットを持ち込み。2タム1フロア、1スネアでシンバル2枚とハイハットのセット。ぎゅうぎゅう詰めにセッティングし、横へアンプとサンプラーを置いてあった。

 吉田達也は手持ち無沙汰げにレジ前をぶらついたり、ドラムセットに座ったりしてた。
 さっそく店長のお薦めCDコーナーを見てみる。本人関連盤は、当然ながら最近の盤が多い。けれど、さりげなく大陸男対山脈女"Viva young Florida"(1998)や"Drums,Voices,Keybords,&Guitar"(1994)なども。早い時間にきたら、他のレア盤もあったかも。
 予想より並んでる盤が少なかったのは、ほとんど売れたということか。
 お薦めCDコーナーにはイエスやキャメル、マグマにポポル・ヴーなどあり。ELPの頭脳改革が入ってて、ちょっと意外。

 さっそくCD購入。吉田自らがレジ打ちとおつりくれる。妙に緊張した。
 ちなみにレジ横には磨崖仏ポストカードが。「好きなだけ取っていいよ」といってくれた。
 一種類づつ全部取るのも欲張りかなあ、と迷った挙句に1枚だけ取る。

 さて、時報が近づいた。スタッフがイベントの紹介を始める。いつしか観客も増え、20人弱いたかな。

 時間になると無造作に吉田はドラム・セットへ座り、サンプラーのスイッチを入れて叩き始めた。
 最初の2曲は未CD化。シンセの太い音にあわせ、シャープなドラミングを炸裂させた。とうぜんPA無しだが、でかい音が店内に轟く。耳鳴りしそう。
 ルインズ・アローン形式で、2曲目からはボーカルも飛び出した。マイクは使わず聴こえづらいけれど。

 一曲毎に吉田はサンプラーのスイッチを入れ、MCなしで手早く叩き続ける。3曲目はルインズの曲だがタイトル失念。
 めまぐるしくシンバルやスネアをスティックが動き回り、ジャストのタイミングでスタート/ストップする。
 
 スティックの腹はささくれ立ち、強打の合間に細片が幾度か、ぷわっと飛んだ。
 3曲目はボイスもたっぷりあり。

「ありがとう」
 曲が終わるや否や、一言告げてライブは終わった。
 しめて7分くらい。短いけれど、とても満足。もっとシンプルに時報をテーマに短いインプロをやるだけかと思ってた。

 終わると吉田は黒いタオルを首に引っ掛けて、簡単に曲紹介する。
「最初の2曲はCDになってないよ。最後は、そこにある"TZOMBORGHA"に入ってます。
 このアルバムは・・・ええと、なんだっけ」
 記憶を探りながら、CDコーナーへ歩み寄って"TZOMBORGHA"の裏を見た。
「ああ、そう。マハヴィシュヌとかサバスのメドレーも入ってます」

 飄々と吉田はレジへ戻った。スタッフがいろいろとメドレーの演奏を提案に、吉田は「これ(サンプラー)に入ってないよ」と苦笑い。
「次の時報でやろうか」
 って言葉も、ちらと聴こえた。もしかしたら7時の時報でやったのかも。どうやら毎時報ライブ毎に、内容は違うようだ。
 長居するのも気が引けたので、店を出たけれど。

 それにしても、演奏はほんとに目の前。観客は遠慮深げに遠巻きに見守ったが、それでも一メートル以内の場所で聴けた。
 すごい贅沢。店内は明るいため、隅々まで手元が見えるのも嬉しい。
 いやはや、嬉しいイベントだった。

目次に戻る

表紙に戻る