LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2007/5/12  西荻窪 w.jaz

出演:エリーニョ・ソロ
 (エリーニョ:vo,key)

 "FOOD OF LIFE 番外編"と銘打たれたイベントへ出演。獏の新ドラマーが主催者と過去にバンドを組んでたつながりかな?
 エリーニョは2番めに登場。セット・チェンジがあっというまに終わり、無造作に彼女がキーボードの前に座った。メガネをかけず、前髪がぱらりと顔の前へかかる。
 一節歌って、挨拶。そのまま、演奏が続いた。

<セットリスト>
1.?
2.猫になって
3.G
4.とまと
5.ひそか
6.胎児の夢

 一曲目はライブで聴き覚えあるが、タイトル不明。エリーニョは目を軽く閉じ、顎をくいっと上げて歌う。顔をくしゃくしゃにし、泣き出しそうな表情で声を張り上げた。
 キーボードの音使いは控えめ。時にコードのみ軽く押さえ、歌を続ける。テンポもいくぶんゆっくりめ。弾き語りを前面に出すアレンジだった。
 
 アップテンポの曲もバラードへアレンジ。キーボード一台でがんがん押すパターンも聴いてみたかったな。
 続く"猫になって"も聴き覚えあるような。前に彼女のソロ・ライブで聴いたかな?ステージが進むにつれ、次第に声へ張りが出る。

 「お客さんと距離が近いし、ソロだと緊張する〜」
 ひとことつぶやく。MCは結構あったが、基本的にさくさくと進行した。
 次の曲はCDで何度も聴いた曲のコード感が、ゆったりと奏でらる。
 "G"だ。ぐいぐいっとキーボードが押すアップなアレンジで、もっとも聴きたかったのがこれ。

 今夜はテンポはさほど落とさないが、雰囲気はバラード。左手のリズム感もぐっと抑ええ、音数少ないキーボードだった。
 幾度も顔をしかめるような表情で、喉を震わす。歌声は僅かにフェイク。インスト部分では、軽くスキャットも。
 
 けれども今夜はキーボードでのアドリブもぐっと控え、間奏というよりつなぎっぽい。さっくり奏でた。
「バンドメンバーの笑ってる顔が、浮かぶなぁ」
 なぜか苦笑するエリーニョ。そして演奏したのが、"とまと"。

 この曲はバラード・タッチでもぐっと映える。ビート感はほとんど塗りつぶされ、ぽろりぽろりと鍵盤が爪弾かれる。
 ふっくらと歌い声が響いた。サビの伸びやかな響きが良い。

 「ほんとは今日、"グレープ・フルーツ・ムーン"って曲をリクエストされましたが・・・また今度ねっ」
 一言断り、"ひそか"へ。弾き語りの"グレープ・フルーツ・ムーン"、アップテンポで軽快にやったら面白そう。
 "ひそか"は獏HPのmp3で聴いたか、ライブで聴いたか。覚えてない。しみじみと歌う。今夜のステージで良い出来だった。
 
「獏の曲ばっかりやってますね」
 ぱらりぱらり、譜面をめくりながらエリーニョが言う。曲順はその場で決めたのかな。
 最後の曲も獏のレパートリー。今夜ではベスト。"胎児の夢"も左手は、ほとんど目立たない。
 右手がいくつかの和音を押さえては、歌へつなげる。ときおりストレンジに響くのは、ミストーンだろうか。

 サビもあくまでしっとりと。シャウト気味に声を張っても、けっして炸裂しない。落ち着いたステージ進行だった。
 エンディングもしごくあっさり。曲の繰り返しをばっさり切り落とすかのごとく、短めにステージが終わった。25分くらいかな。

 30分くらいの持ち時間を想定してたとはいえ、予想よりもあっさりなライブだった。
 持ち時間たっぷりな彼女のソロ・ステージも聴いてみたい。

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