LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2006/4/9   あきる野市 秋川橋河川公園

出演:渋さ知らズ

 今日の渋さはイベントのゲスト。マラソン大会かな?ライブ目当てで行ったため、何のイベントだったのか、実は未だに知らない。
 表彰式が始まると、メンバーの何人かがステージへスタンバイし、順位発表のファンファーレをつとめた。

 小森や立花がサックスを軋ませ、やたらめったら不協和音な響きを出す、暗黒ファンファーレに笑った。ドラムロールみたいなお約束もあえてなく、とにかくパーカッションを連打する賑やかなもの。
 節目の順位で演奏するメロディは、"阿呆の王"なのが可笑しい。聴いてる人は、この曲の歌詞を知ってるかな。
 
 ステージ閉会式も終って、いよいよ渋さのライブ。50人弱くらいかな。思ったより観客が少なかった。日曜だからもっと混むかと思ったよ。
 あきるのでライブを聴くのは、昨年の秋ぶり。
 晴天でとても気持ちいいひとときだった。

 まずホーン隊が練り歩く。今日の渋さは人数が15人程度と、オーケストラにしては少なめ。川原にステージが設置され、練り歩きの音が飛んでしまう。もうちょいがっつり響いたほうが心地よかった。 

<セットリスト>
1.火男
2.股旅
3.ひこーき
4.ナーダム
5.本多工務店のテーマ
6.仙頭

 いきなり"火男"。ペロが腕をピッと横へ伸ばし、テーマにあわせて左右に練り歩く。東洋組がステージ前に置かれたドラム缶の上で踊り始めた。
 PAがいまいちで音がもこもこ。ソロ回しも今ひとつ聴こえづらい。演奏進むにつれて、だいぶ良くなったけれど。

 しょっぱなのソロは片山。すっくと立ち上がって、強い勢いで吹き鳴らす。
 辰巳らがソロを取り、高岡と太田のデュオに。早くもバイオリンの弓が幾本かほつれてた。
 不破が二人を抜き出し、キュー一閃。完全デュオで聴かせた。
 総じてこの日は、シンプルなアレンジが多い。観客層に配慮したか。
 太田と高岡デュオから、メドレーで"股旅"へ雪崩れた。

 東洋組はステージを降り、下手に垂れ下がった大きな布に描かれた絵の下へ行く。
 強風に吹かれて舞った垂れ幕の裾を、それぞれががっしりと掴む。風を含んで帆のように、へんぽんと大きく絵が翻った。

 ステージでは雄大にテーマが流れる。後ろの空を、一羽の鳶が大きく飛んだ。晴天をくるくると行き交う鳥の姿が、みごとだった。
 途中で客席の後方の空を飛んでたらしい。不破がふっと空を見上げる。
 すると観客もつぎつぎ、いったいなんだと後ろを振り返るさまが、愉快だった。かくいうぼくも、振り返ってしまいましたが。なんかの演出と思ったよ。

 小森がソプラノを響かせたのはここかな。鋭く強いソロだった。
 今日はヒゴと小野の2ベースだが、いまひとつ低音が届きにくかった。
 コロガシを指差し、不破がボリューム上げるように袖へ指示を飛ばす。

 さらに観客へ不破は歌をうながした。中心で分けて半分は手拍子、もう半分は歌を歌わせた。
 ああいう演出って、渋さとしては新鮮だった。

 すっとテンポが落ち、静かに"ひこーき"へ。
 関根がまず歌い、室舘が伸びやかに声をのせる。二人のハモりが晴れ渡った空へ溶けていった。
 ステージの後ろにハシゴがかけられる。スタッフらしき人がよじ登り、携帯のカメラで渋さを撮影してた。ありゃなんだ。

 "ナーダム"のイントロがスケール大きく広がった。
 テーマへ突入する寸前、ぶっつりと切れて静寂に。

「今日は投げ銭制です。われわれは紙が好きです〜!」
 渡部が不在だったため、不破が進行した。
 イントロがじわじわ続き、ポリバケツを担いだ東洋組や、毛糸の帽子を持ったペロが客席を練り歩いた。
 
 アイヌっぽい服装で、おなかを出した女性が幾人か登場。彼女たちがイヌイットか。おしゃもじ隊と同じメンバーなのかな?
 "ナーダム"のテーマが流れ、賑やかに踊り始めた。

 ここまでで一時間半弱。ついにギターのイントロが流れる。
 社長とファンテイルが幾度もストロークを決め、ホーン隊が腕をぐるり回す。観客の踊りがひときわ激しくなった。
 客席は川原なため、大きな石がごろごろ。ちょっと危なっかしかったためか、モッシュもない。自分のペースで身体を動かせるのが嬉しかった。
 この日はマナー良い客層で、ステージ前へ押し寄せることもなかった。

 社長がギター・ソロをたんまり。イヌイットの面々が足元へひざまずき、称えるような仕草をする。
 にんまり笑顔の社長は、ディストーションを効かせて弾きまくった。

 ファンテイルのギターもじっくり聴きたかったが、あまり目立ったソロは無し。
 ホーン隊が立ち上がり、小森に立花、片山が揃って自由にソロを交錯させた。

 観客の拍手が続く中、不破が指で"仙頭"へ合図。一気に駆け抜けた。
 全部で1時間半強ってとこか。あんがい短めであっさり。混沌さが控えめでシンプルなステージだった。
 とにかく天気がよくて良かった。逆光でステージが見えづらいのが難点。まぶしいんだもん。
 10月に渋さは、あきる野で一大イベントを企画してるそう。色々なミュージシャンが出る、大掛かりなものになるらしい。いまから楽しみ。

目次に戻る

表紙に戻る