LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2006/2/4   吉祥寺 Manda-la 2

   〜Conti Presents(5th & 2nd/Releaseparty!?)〜
出演:sim,Ruins alone

 シタールとドラムのユニット、Contiの5周年と2ndアルバムのレコ発イベント。開演前はHalfvideoがBGMを担当する。
 中へ入ると場内は客電がすでに落とされ、暗闇に近い。ステージは漆黒だった。
 立ち見いっぱいのな、開演を待つ。闇に目が慣れると、セットアップがうっすら見えた。ステージ中央にドラムセットが1台、下手にも1台。

 フロア下手の作りつけテーブルにHalfvideoとおぼしき男が、ノートPCをいじっていた。流す音楽はアンビエント・テクノと言えばいいのかな。
 その横で吉田達也が神妙な顔で、パワーマックを操作していた。やがてTシャツ一枚になり、袖へ消える。
 開演時間きっかりにステージへ現れた吉田は、中央のドラムセットに座った。

Ruins alone
 (吉田達也:ds,vo)

 いまだにメンバーが決まらぬ、ルインズ・アローン。聴くのはいつぞやのスタパ以来か。サンプラーとのデュオが、ずいぶんしっくり馴染んでた。とはいえテンポはCDと同じ。当たり前だが。
 怒涛のアップテンポ攻撃や即興の勢いが無くなって寂しい。早くルインズが再起動しないかな。

 横においているらしいスイッチでサンプラーを操作し、ひたすら吉田はドラムを叩きのめす。あんがいラフなドラミングだった。
 ハイハットの横にスネアをもう一台置く、すっかり馴染みなセッティング。さらに足元のスイッチでボーカルのエコーも操作した。
 最初は位置が決まらないのか、ひっきりなしにシンバルや足元のスイッチをいじる。猛烈なスピードで乱れ打ちした。

 曲は聴き覚えあるものが多い。"パラシュトム"など十数曲を一気に、まずメドレーで。フルサイズが基本だが、曲によってはイントロだけで次の曲にうつる。"Snare"はきっちりリズムのズレを表現するも、相手が機械では今ひとつ物足りぬ。
 ボーカルは線が細いイメージ。マイクのせいだと思うが。
 ファルセットを多用し、なんだか猛烈に駆け抜ける。尻上りにビートへ色気が増した。

 ベースはおそらく佐々木の弾いてたフレーズをサンプリング。曲によっては手数が多くなるも、基本はCDどおりの譜面のようなアレンジだった。
 ところどころ即興も織り込んでたのかな?聴きなれない曲も幾つか。・・・新曲だったら嬉しいなあ。
 "クラシック・メドレー"でいったん区切りをつけた。

「クリスチャン・ヴァンデのトリビュートに参加します。高円寺百景でマグマ・メドレーです。
 ついさっきまでドラム抜きのトラックを作ってました。初めて演奏するので、合うかはわかりませんが・・・」
 と、前置き。初公開のマグマ・メドレーを披露した。
 スマートにつぎつぎと曲が入れ替わる、かっこいいアレンジだったな。

 インターミッションのように"マグマ・メドレー"を挟み、後半は5曲ほど、またメドレー。高円寺百景・アローンも叩いてくれた。こちらのブロックではひっきりなしに、マイクにエコーをかぶせる。
 あきらかにキーボードの打込みベースでルインズ・アローンをやる部分も。新曲だといいなあ。

 およそ30分のステージ。メドレーで突き進むルインズのステージをひさびさに味わった。パフォーマンスとしてのルインズ・アローンはおもしろけれど、やはりベースも生演奏で聴きたい。本音はね。

sim
 (大島輝之:g.comp,大谷能生:key,electro、植村昌弘:ds)

 中央のドラム・セットを手早く片付け、真ん中がぽっかり開いたステージでsimのライブが始まった。全部で4曲を演奏。聴き覚えある曲が多い、simの曲名を覚えてなく、セットリストを書けない。ごめん。
 今回も植村や大谷はイヤホンを耳に入れて演奏してた。モニターかな。

 大島がハンドキューをメンバーへ送るシーンが目立つ。かなり大きめな音で、ノイズが耳へぐぐっと進入するひとときもあった。
 前に聴いたsimは、構築されたイメージが強かった。しかし今夜は大島のギターが即興で弾く場面も目立ち、即興要素の比重が高く感じた。
 どんな音楽であれ、生演奏ならアドリブが多いほうが好み。
 今夜は不確定要素がゆえの、トラブルにも見舞われたようだが・・・。

 中央に立った大谷がエレクトロ・ノイズ担当かな。上手に座った大島がいじる機材との音の分担が、今ひとつ分からず。
 次のブロックへ移るとおぼしきサインを大島が出す。切っ掛けはきっちりと、4拍を指で指揮してた。

 ステージ上手袖のスネアが、PAに反応してノイズを出したハプニングもあった。
 曲の合間に植村が手まねで、スネアをずらすように指示。ところがスタッフが良く分からず、あたふたする。すかさずイヤホンを投げ捨て、ステージを横切る植村。スネアの響き線を無造作に切り、ドラムセットへもどった。

 全体で約40分のステージ。最後の曲はかなりの部分、ギター・ソロに費やされた。
 しかしなんらかのトラブルがあった模様。目の前に置いたPCを睨みながら、大島はひっきりなしにハンドキューを植村へ送る。連打やフィルで切り替えながらも、キューを送る仕草はやまない。せわしなく場面転換が続く。なんだか苦笑するメンバー。

 とうとう大島はギターをステージへ投げ捨てた。
 びしっと植村を指差し、ドラム・ソロを指示。そのままステージを降りてしまう。
 植村は慌てず、快調にスピーディなソロをしばらく取った。

 大谷は戸惑い顔でステージを降りかけた。やがて植村もドラム・ソロを終え、耳からイヤホンを外す。
 植村はまだノイズを発したままな、大島のパワーマックへ向かう。キーボードを押し音を全て止めた後、すたすたとステージを去った。
 あっけない幕切れだったな。

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