LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2004/11/28  西荻窪 Bins Park

   〜the narrow to allow 2004〜
出演:O-ne/RUK/Gallhammer

 今夜は何かイベントだったのかもしれない。でも、特にそれらしき演出はなし。バンド転換時にミラーボールが回ってたのは・・・たまたまかな?よくわかってないです。
 
Gallhammer

 Sleeping Beautyのエガワリサがdsで参加する、デスコアのバンド。初めてライブを聴く。
 
 開演時間の19時ちょうどに客電がいきなり落ち、ライブが始まった。
 女性3人組で、全員が目に隈取りのメイク。宙をうつろに見つめ、引き殴る。MCなしで演奏が始まった。

 かなりトリッキーなPAバランスに聴こえたが、意図的なのか。
 ドラムの音量をぐっと下げ、ディストーションのかかったベースがサウンドの芯となる。
 この手のバンドはギターが前面に出るかと予想してた。しかし、なによりもベースの音が目立ってた。

 曲はけっこう頻繁にテンポやリフが変わる。メドレーだったのかも
 単調にリフで押すと飽きるので、このアレンジは嬉しい。
 エガワリサは全身をぐらぐらゆらし、髪をおどろにしながら叩いてた。
 スタック・シンバルを取り入れ、後半部分では上手く鈍い音をアレンジに取り入れる。どうやらこのスタックは、植村のセットを流用してた様子。
 
 ボーカルはいわゆるうがい声スタイル。ベースとギターが交互にボーカルを取る。
 低音で唸るが、いかんせんPAのバランスが低い。いまいち聴こえづらかった。
 後半でファルセットを取り入れた曲が、なんだか印象に残った。
 いっそ裏声を中心にアレンジして欲しいな、とトンチンカンなことを考えつつ聴いていた。約40分のステージ。

RUK
(小出亮:g,vo、植村昌弘:ds、キタダ:b,vo)

 今日の目当てのバンド。セッティングはたちまち終わる。
 植村は準備が終わるとデジカメで日記用の写真を取っていた。手を伸ばして上から一枚と、覗き込んで接写を一枚。
 ドラム日記へアップされたのは上から撮ったほうの写真かな。

 ライブを聴くのは2度目。がらりとPAバランスが変わってた。
 ドラムが一番目立つ音量で、ベースがほとんど埋もれてしまう。Gallhammerと対照的なバランスだ。
 前に見たときはもっとボーカルにリバーブをかけてた気がする。今回はたぶんエフェクトなし。しかもぐっと音量を下げていた。

 デスメタル声で歌う小出のシャウトは何とか聴こえたが、キタダの声はほぼ全滅。さっぱり聴こえない。
 前に見たときは、キタダの声がきれいで楽しかったのに。惜しいなあ。

 ちなみにキタダは今回も、遠慮がちにベースを弾いてるなあ。ちょこんとスピーカーの後ろのほうで演奏してた。
 もう二歩前へ出て、小出を食うくらいガシガシアピールしたら、ステージに緊張感出るのでは。

 全編に渡り、タイトなドラムが容赦なく突っ走る。譜面台を用意してたが、冒頭の1曲以外はほとんど見てなさそう。
 植村はツインペダルでバスドラを力強く連打し、複雑なフィルと高速ロールを涼しい顔で叩きのめした。
 にこやかな顔で、ひっきりなしにベースとアイコンタクトしながら演奏。めずらしいな。
 ライド・シンバルの音がすごくきれい。後半部分で刻みに使うが、ぴいんと透き通った鳴りが心地よかった。

 一曲一曲、区切りをつける。MC役はコイデのようだが、ほとんど喋らなかった。
 ギターの演奏もアクシデント続き。しょっぱなからいきなりシールドが抜け、その場でアンプ直結にしてしのぐ。
 途中ではエフェクタの接触が悪いのか、調整するシーンも見られた。

 歌入りとインストは半々程度。キタダのボーカル曲がもうちょい聴きたかったぞ。
 ぼくのベストは中間部分。"20000"って曲かな?たんまりとギターソロを聴けた。
 早めのリフから一転、テンポを落としてソロへ流れる。その部分の構成や、フレーズ作りに往年のザッパを連想した。

 植村はリズムキープを前提として、あまり自在に走らない。
 即興部分はないのかな?フィルはその場で作ってるかもしれないな。
 最後の曲だったろうか。ギターソロの後ろで、バックビートを効かせたフィルを、次々叩き込むところがかっこよかった。

 あっというまにステージが終わってしまった。30分くらいかな。

O-ne

 サウンド・チェックから、いきなり客電が落ちる。そのまま音を止めずにライブへ雪崩れた。

 見るのは数年ぶりかな?女性ドラマーが脱退したあとは、初体験と思う。ドラムとベースのみという、ルインズ編成のバンド。
 ドラマーは男に代わってる。新しいO-neのHPをちょっとネットで探したが、メンバーチェンジ前のしか見つけられずじまい。。

 期待以上に、かっこよかった。ドラムは勢い良く突っ込み、手数多く叩きまくる。
 奇数拍子リフっぽくもあるが、あまりトリッキーな曲には聴こえなかった。がらがらテンポが変わったりしないから。
 以前見たときより、パンキッシュになってるような。

 若干ルーズなリズムをベースに、ディストーションを効かせたエレキベースが突っ込む。
 ハイトーンで伸びやかな声が、見事に曲調へはまってて驚いた。
 いわゆるポップスっぽい歌なのに、ハードコアに合うんだ。
 だけどPAバランスのため、すこし声は埋もれ気味。ドラムとベースの一騎打ちって感じだった。

 一曲づつ区切りながら、淡々と演奏は進む。
 凛とした声で疾走するサウンドは楽しめた。
 最後はルインズっぽく、シンプルなリフを連打するインスト。この曲があっというまに終わっちゃった。
 したがって、えらくそっけないイメージのライブだった。30分くらい。もうちょい長く聴きたい。ステージ進行にメリハリがないと、つらいかな。

 ほんとうはこのあとにもう一バンド出たが、趣味と違ったので感想は割愛します。
 どのバンドも、ぼくの趣味で言うとトリッキーなPAバランス。もったいない。ボーカルを生かす音量にするだけで、バンドの魅力はもっと変わるはず。
 今日演奏されたデス系の音楽はほとんど聴かないので、門外漢のたわごとかもしれません。
 だけどボーカルが添え物でなく、曲の主要素っぽい瞬間が幾度もあっただけに、なんとも惜しいと感じた。

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