LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2004/9/5  三軒茶屋 Heaven's Door

出演:MEAT EATERS,25m.FLOATER,REEFER,VELT PUNCH,BAND WAGON

 25m Floaterの2ndアルバム"Too Sweet For Rock and Roll"のレコ発が行われた。
 神戸を拠点の25mは、ひさびさの東京ライブ。Silkwormの来日ツアーのサポートの時以来か。

 三茶ヘヴンズドアは初めて行った。高円寺20000Vをちょっとこじんまりさせた感じか。

 本来は25mがヘッドライナーの予定ながら、メンバーの一人が当日中に帰阪となり、急遽順序が変更された。
 めあての25m以外はすべて見るの初めて。
 ジャンルで言えばメロコアだろうか?どうもこの手のオルタナ系は疎く、うまく説明できない。

 残念だったのはPA。徹底したドンシャリの轟音。
 後半へ行くにつれ耳鳴りもあいまって、音が聴きづらい。
 もっと中域をふくよかにしたPAで聴きたいなあ。

BAND WAGON

 男性4人組のパワフルなロックンロール。
 ニューヨークのパンクやNWに影響を受けた印象あり。

 ボーカルがまくし立てる格好だが、メロディはきっちりしてる。
 マイクを3本立て、フロント3人が全員で声を重ねた。
 アレンジもあちこち仕掛けがあって飽きない。
 歌詞は全て英語のようだが・・・いまいちボーカルが聴き取れず。

 ボーカルは激しくギターを弾き殴り、振り回す。
 勢いあまってギターの弦を2度も切ってしまった。
 
 そのたびに進行を中断して、弦交換。少々間が空いてしまう。
 時間も押して、予定セットリストから一曲カットしたようだ。
 場つなぎのときに一度、もう一人のギタリストが25mの曲を、イントロ一節弾き受けていた。
 あとは準備が出来る寸前、軽くジャムってたのが記憶に残る。
 
 新曲も一曲、披露する。
 全員がノーマイクのアカペラでシャウトし、曲へ突き進む構成だった。
 
 最後はボーカルがマイクにリバーブをたんまりかけ、大声で吠える。高らかに。
 噴出す演奏の低音と、増幅された声による分厚い音圧。
 それぞれが、ステージから振りまかれた。

VELT PUNCH

 気に入ったバンドと、書いておきたい。面白かった。
 女性ベーシストに男のドラムとギターの3人編成。ギターとベースが交互にボーカルを取る格好か。

 前のバンドから一転、からっと明るい雰囲気。西海岸あたりの空気を感じた。
 英詞で前のめりな、ハードなビートの曲で始まったと思う。

 中盤の日本語詞になると、とたんに両足をしっかり地面につけたイメージ。
 譜割もきっちりし、いくぶんサイケ風味がふりかけられた。

 ギターソロはそれなりに挿入される。
 しかし最終曲。エンディング間際での長いアドリブが、サイケでかっこよかった。

 ドンシャリなPAの影響で、ずいぶん音がとげとげしかったのが惜しい。
 バラエティに富んだ可能性を秘め、先が楽しみ。またライブ聴いてみたいな。
 
REEFER

 男3人組のエモコア。無理やりカテゴライズするなら・・・シカゴあたりのイメージかなあ。
 東海岸ほど切羽詰ってなく、西海岸ほどゆるくもない音ということで。

 マイクはギター兼ボーカルの前に1本立てたのみ。ごくシンプルなロックだ。
 激しくギターをかき鳴らし、MCでは息も絶え絶え。
 なのでベーシストがわざわざギターの立ち位置まで移動して、MCをつとめる構成が可笑しかった。

 歌詞は日本語かなあ?やっぱり上手く聴き取れない。
 とにかく激しくギターをかき鳴らし、駆け抜けた。

25mFLOATER
 (白井一石:vo,g、竹本孝治:g、木村榮作;b、吉篠壽記:ds、カクセー:g)

 さて、今夜の目当てのバンドが登場。
 セッティングが終わったあと、全員が一度ステージを降りる。

 客電が落とされ、無人のステージにスポットが当たった。
 カラフルに色が変わり、さまざまにステージを照らす。

 しばしのライト・ショーのあと。客席からメンバーがステージへ上がった。

<セットリスト>
1.Low-fi
2.Pink eye "Pink eye"
3,Piggy "Piggyback"
4.シトラス "Citrus injection"
5.G love  "Carp!"
6.コードリフ "My teen effect frauds"
7.ルート
8.E
9.速  "A day without you sucks(?)"

 バンドのセットリストをメモってきました。" "内が正式曲名ですが、曲名と一致させられなかったものあり。不完全ですみません。
 (1)、(2)、(4)以外が、2ndアルバムの曲になる。
 "Double life in the dim light"を演奏した気がするが、(7)と(8)のどっちだっけなあ。

 彼らのライブはずいぶん久しぶり。アンサンブルがさらに締まって聴こえた。ライブを重ねた成果だろうか。
 吉篠がパワフルにドラムを打ちのめし、木村は吉篠をつねにみながら低音を合わす。
 白井はトレードマークの"Orange"とロゴの入った、ころっと四角いアンプを今夜も使用していた。

 やはりPAはドラムと低音部分を強調する音域配分で、ボーカルは埋もれがち。うーむ。

 ともあれ威勢良くライブはスタートした。ミラーボールがすぱっと回る。 竹本が高く飛び上がり、ギターを鳴らした。

 3本ギター態勢でハードにかき鳴らしつつも、どこかパーティの楽しさを感じさせるのが、彼らの持ち味だろう。
 ギターフレーズの配分はいまいち分からず。
 たとえば白井と竹本が同じリズム・ストロークでも、押さえるポジションは違うみたい。
 かといって細かい部分を聞き分けられるPAじゃないんだよね。

 2曲弾いたところで「25m Floterでした。今日はありがとう〜」と終わるフリのギャグを飛ばす白井。
 竹本はシャツを脱ぎ捨て、上半身裸で演奏した。腹を押さえてみせるポーズが可笑しい。

 3本ギター態勢を生かした"Piggyback"をヘヴィに決め、おなじみ"Citrus injection"へ。イントロの爽快感が好き。
 冒頭のフレーズを弾いたのは白井。エフェクターで音は歪められてた。

 力押しだけでなく、"Carp!"でじっくりムードに空気を変える。竹本のアルペジオに、カクセーがフレーズをかさねた。
 サビではグランジに鳴る。
 ドラマティックな展開のこの曲は、ライブのテンポを変えるのにぴったり。
 エフェクタで歪ませた音で、カクセーがギターソロを入れたのってこの曲だったっけ?

 盛り上がってはスローへ。また轟音へ。"Carp!"が続く。
 繰り返しながらエンディングに。
 最後はCDと同じくベースとドラムのからみから、ハイハットのロールだった。

 あとはエンディングまで一本道。MCをいれずに次々と曲を重ねた。
 白井は珍しく、ずっとギターを弾きながら歌ってた。ロバート・ポラードよろしく、ときおりケリも飛び出す。

 げしゃげしゃに盛り上がったのが、最後の曲。たぶん"A day without you sucks"だと思う。
 初めてギターを置いた白井が、ハンドマイクで大暴れ。
 床に置いたペットボトルを蹴っ飛ばしてしまい、床はびしょびしょ。

 かまわずに歌いながら、白井は舞台せましと激しく身体を動かす。
 竹本の帽子をほおり投げ、木村や竹本へケリを飛ばす。
 マイクスタンドをぶっ倒し、もみくちゃでライブが終わった。
 
 なかなか東京でライブを聴けない彼らだが、2ndのレパートリーでだいぶステージの展開に幅が出たみたい。
 今後のライブが楽しみ。

 レパートリーは豊富で、次のアルバムの準備も進んでるとか。
 GbVよろしく、一年に三枚も四枚もアルバムリリースして欲しいなあ。
 
MEAT EATERS

 トリはハードコア色の強いロックンロール。
 このときはすでにぼくの耳はかなり鳴ってて、聴き取りづらい。
 高音がひしゃげて聞こえ、まるでボーカルは怪鳥のよう。
 キンキンと声が耳へ飛び込む。なにを歌ってるかはさっぱりだった。

 猛烈にギターがかき鳴らされ、ひとときも休まない。
 ほとんどMCもなく、アレンジに小細工も無い。
 ひたすらハードにステージが進行した。
 トリだけあって、けっこう時間は長めに演奏してたんじゃないかな。

 この手のライブ行くと、どうもぼくが最年長っぽくて気が引けてしまう。演奏始まると気にならないんだが。
 ふだんはこの方面の音楽まで手が回ってないから、新鮮にライブを味わえた。

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