LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

04/6/12   吉祥寺 Disk Unionジャズ&クラシック館

出演:Warehouse(インストア・ライブ)
 (鬼怒無月:eg、大坪寛彦:b,etc.、高良久美子:vib,etc.)

 2ndアルバム"Patrol Girl"のレコ発インストアライブ。

 てっきり1Fのオーディオ館が会場かと思った。あの狭い階段で、ジャズのフロアに上がる。よくヴィブラフォンが上がったな。
 吉祥寺店で新譜を買うと、優先入場整理券がもらえる仕組み。だけどほとんどの観客は整理券無し。コアなファンほど事前の物販で買ってるのかも。

 ライブは閉店の20時半から行われる予定だった。入り口の什器を二つ片付け、無理やりスペースを作る。
 開場して中へ入ると、レジ前の場所を背負ってミュージシャンがスタンバイ。
 中央に据え付けたヴィブラフォンの後ろに高良が、向かって左に大坪がウッドベースを抱えて待っていた。

 「予想以上に観客はいったため、スタンディングにします」とスタッフの説明あり。だけどあそこに椅子を置くほうが無理じゃない?
 30〜40人くらい入ったか。前方の観客は床に座り、後ろは立ってライブを聴く格好。
 「きっちり床を掃除したから座ってもあんまり汚れませんよ」と大坪が喋ってた。
 最前列はミュージシャンにかぶりつき状態。観客との間は50センチくらいまで迫る。

 どうやら鬼怒待ちらしい。しばらくして謝りながら鬼怒が、クラシック館へ繋がる階段から下りてくる。
 手に持った譜面を高良へ渡し、軽く挨拶。20時45分にライブが始まった。
 ライティングは覚えてない・・・ちょっと薄暗い感じだったかも。

<セットリスト>
1.Tomboy and Me
2.Ring Ring Ring
3.4ノットの悪夢
4.こんな生活
5.Dead Man's Shoe
6.Good night honey
7.Do Do

 レコ発インストアらしく(6)以外は2nd収録曲。
 しばらくWearhouseのライブをサボってたが、(1)や(3)、(4)はライブで聴いた気がする。(7)は1stリリース前のライブで聴いたな。

 椅子に腰掛けた鬼怒が、足でエフェクターをかます様子が良く見えた。
 ディストーションをキビキビ挿入し、音色を使い分ける。

 2nd収録曲の基本コンセプトは、1stと変化ない。アレンジをより濃密にした格好か。
 だがライブだと、より即興性が増していた。

 1stリリース後のライブは、アドリブ要素を排除した室内楽ってイメージだった。
 だけど今のWarheouseはソロもたっぷり挿入するアレンジになっていた。
 (1)で最初にソロを取ったのは高良だった。あとの曲も、鬼怒や高良をメインに、ソロがびしばし入って嬉しい。

 ちなみに(2)は、高良がピアニカを取り出しフレーズを吹いた。
 メンバーとも打ち合わせなかったようで、リズム・ギターを刻む鬼怒がふっと背後を見る。興味深そうに。
 そのフレーズをピアニカで吹くアレンジは、今夜初公開だったそう。

 前半はウッドベースの音がかなり小さい。アンプを通しても、ほとんど聴こえなかった。
 途中で鬼怒から合図あり、アンプのボリュームをあげる。

 ちなみ曲の途中でベースのボリュームをいじるシーンも。
 急にハムノイズが大きくなる。それがアレンジの一環みたいで面白かった。

 2曲やったとこで、少し鬼怒によるMC。
 「(3)はブラジル風、(4)はフランス風。そして(5)はオランダ風で」と
  演奏しながら大坪が、低く鼻歌を歌ってたのは(3)だっけ。
 (7)あたりでアレンジとしてスキャットしたのと違い、ほんとに大坪の鼻歌みたいな感じだった。
 
 ほんわかムードの(4)は、高良の歌がかぶさる。ちょっとマイクがオフ気味だった。
 穏やかな雰囲気にくつろいだ。ピアニカをもう一度使ったのはここだっけ?うーむ、記憶があいまい。

 一曲終わるたびに大坪は楽譜を床へ落とす。
 不穏な香りがする(5)の譜面は、黒い靴の絵がペンで描かれてた。

 この(5)の前でかな。大坪が「いったんMCしよう」と提案する。
 さっそく鬼怒が"Dead Man's Shoe"のストーリーを口から思いつくまま延々喋り倒し、観客は大笑い。

 さらに鬼怒は決め付ける。
「世界には3種類の物語があって・・・日本風、ドイツ風、オランダ風」
「フランス風はないの?」
 高良が突っ込みいれても平然と受け流してた。
 とっちらかったMCが続き、呆れ顔で大坪は(5)のイントロを弾きはじめた。

 どの曲もアドリブは入るが、完全インプロなシーンはない。
 さくさくステージは進行する。

 1st収録曲"Good night honey"の紹介は、
「『おやすみハチミツ』という曲。英題がついてます」
 鬼怒はすっかりこの邦題(?)が気に入ってるなぁ。
 アレンジがすっかり変わって、新鮮だった。

 ドリーミーな雰囲気は影を潜め、ダークな空気があたりを包む。
 フリーで混沌としたイントロは違う曲みたい。
 だけど根本の流れはいっしょ。大坪はリコーダーの二本吹きを披露する。
 演奏前に高良はスタッフから、弓を受け取っていた。使ったのかな?ぼくが座ってた位置は、ほとんど大坪や高良が見えない位置だったもんで。
 
 最後は"Do Do"。
 ギターソロが、なんだかチェンバー・プログレっぽく展開した。軽く足踏みする鬼怒の足を眺める。
 ソロだと拍の頭と違う位置でリズムを取る。あれ、面白かった。どういうリズムを頭で鳴らしてるんだろ。

 途中のMCで鬼怒が「第一部終了です」なんていうもんだから、二部があるかとびっくり。
 実際には"Do Do"が終わったとこで、ライブが終わる。約45分だった。

 さすがに普段に比べりゃ時間は短め。
 だけどコンパクトなWarehouseの魅力は充分伝わったと思う。
 ライブ後にはCDの販売もあり。レジを閉めてなかったんだ。さて、何枚売れたかなあ。

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