LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

04/03/06   西荻窪 アケタの店

出演;明田川荘之ソロ
 (明田川荘之:p,オカリーナ)

 毎月恒例、アケタの店で深夜ライブ。今夜は0時20分くらいに、あっさりと始まった。
 すたすたとピアノに向かい、演奏前に横の床へ置かれたジュラルミンのアタッシュケースを探る。
 大小のケースを片端から開けるが、なかなか目当てのオカリーナが見つからないみたい。

 とりだしたオカリーナはピアノの上へ載せ、おもむろにピアノを引き出した。
 聴き慣れたメロディがしっかり響く。"I closed my eyes"だ。

<セットリスト>
1.I closed my eyes
2.侍一本ブルーズ
3.テイク・パスタン
4.  ?
5.アケタズ・ブルーズ
6.    ?
7.世界の恵まれぬ子供たちへ(?)
8.ポエム・イン・ラブリー

 今夜はMCがまったくなし。ひたすらピアノに向かい合った。
 曲が終わって、拍手をする間もないくらい。ほとんどメドレーで次へ進む。
 ひとつの曲はあんがい短め。矢継ぎ早にステージが進行した。

 一応セットリスト書いてますが、あまり自信ないです。特に(7)は間違ってるかも。
 (1)以外は、たぶん全て明田川のオリジナル。

 "I closed my eyes"はテーマが幾度も登場し、そのたびにフェイクされる。
 ペダルを使い分け、縦横にアドリブを展開した。そう、まさに縦横に。
 テンポも今夜はぐいぐい変わる。
 時には半分に落とし、次にまたテンポを上げる。ペダルを組み合わせ、多彩に聴かせた。

 もっとも時間は短め。これは次の"侍一本ブルーズ"も同じ。
 冒頭はオカリーナのソロ。すぐさま空調が、すっと切られた。
 日本情緒あふれるアドリブをしばらく吹いて、ピアノに切り替える。
 
 じっくり時間をとった演奏は続く"テイク・パスタン"でかな。
 あまり聴き覚えない長いイントロを付け加え、テーマへつなげた。
 たんまりセンチメンタルにも誘導できる、今夜はあんがいあっさりめ。
 フェルマータを短く取り、きびきびとテーマを弾いた。

 この曲でもテンポを多彩に変えた気がする。たっぷりと演奏してくれて嬉しかった。
 改めて思ったが、かなり構成が決まってるんだ。
 曲の後半部分で次のテーマが顔を出す。ひとつの流れを聴いてるかのよう。
 グランド・ピアノの中へ手を突っ込み、軽くピアノ線を爪弾いた。

 (4)はふたつのオカリーナを使い分け、長いソロを聴かせる。
 めまぐるしくメロディが飛び交い、音色は掠れる寸前。かなりのハイテンポだった。
 ピアノに移ってからも同様。即興部分で猛烈にテンポが速くなる。
 乱暴に走らず、テクニックひけらかしでもない。鈍く光る音符が、転げ落ちるようにめまぐるしくあふれた。

 "アケタズ・ブルーズ"でクラスターの登場。テンポはかなり速めだった。
 唸りを上げピアノが疾走、そのまま肘うちへ。あまり派手にやらず、あっさりめに留めた。
 次はあまり聴き覚えない。"アケタズ・ブルーズ"からメドレーでだっけ。

 そして(7)からじっくりと一曲を聴かせた。
 テンポはぐっと落ち、広がりあるメロディを存分に展開させる。

 クライマックスは"ポエム・イン・ラブリー"。
 果てしなくアドリブが展開し、テンポは加速され濃密な空気に。
 うねりがものすごい。やみくもに音へのめりこんだ。
 
 ラストはクラスターでなく、コミカルなコーダで締める。
 ピアノから立ち上がり、にっこり笑って明田川は軽く頭を下げた。

 時間は一時半くらい。"ポエム・イン・ラブリー"がとにかくすさまじかった。
 改めて曲の魅力に気づいたよ。しばらく頭がぼおっとしてた。

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