LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

03/11/16   吉祥寺 warszawa fouthfloor

出演:nyaaano
 (nyaaano:electronics)

 元speonic teroecaのリーダー、nyaaanoによる初ライブ。ソロでのステージは初めてだそう。
 開演時間ちょいすぎに顔を出したら、すでに演奏が始まっていた。うーん、残念。

 イベントは「soundleaf」と銘打たれ、彼のほかにライブが2組、DJ3人。
 どういう企画なのかは不明。そもそもこういうパーティって、進行表もないし、途中でミュージシャン紹介をしないからなあ。

 warszawa fouthfloorは文字通り、輸入レコード屋のwarszawaが入ったビルの4階にある店。
 しばらく前にバーに変わったのは知ってたが、入るの初めて。
 店内は薄暗く、いかにもクラブっぽいつくりだった。

 客層は若者ばかりで、ぼくは浮く浮く・・・。
 とりあえず椅子を引っ張り出して座ってたが、どうも居心地悪い。うーむ、歳だな。
 ここの椅子がすわり心地良かった。プラスティックの軽いつくりだが、あんがいしっくり尻に馴染む。

 店内はずどーんと広く、奥側へステージのスペースを作る。
 壁にはスクリーンが下がり、プロジェクターで映像を映してた。つまりVJとコラボも可能なつくり。
 スクリーンの前にDJスペース、そのさらに前へ機材を置き、nyaaanoがうつむいてもくもくと演奏していた。

 フロアに重たい連続パルスが流れる。
 最初しばらくは変化なし。淡々と電子パルスを注いだ。
 音はさほど大きくない。これ、轟音なら音圧が気持ちよさそう。

 機材はシンセサイザーを即興でいじってるのかと思ってた。
 でも後で聴くとハードディスク・レコーダーで素材を流しつつ、その場でエフェクト操作してたそう。
 あえてカテゴライズするなら・・・ダーク・アンビエント・テクノってとこか。

 ノーリズムのパルスが一定に流れる中、うっすらとビートが登場した。
 じわりフェイド・インしつつも、主役にはならない。
 フロア対応とはいえ、踊らせることが目的ではないのかな。

 観客は10人強くらい。演奏するnyaaanoを静かに見つめる。
 後ろのスクリーンでは、ちょっと暗めの映像がゆっくりと変化した。
 万華鏡を思い切り細かくしたような画面だった。

 ビートはしばし自己存在を主張したのち、いつの間にか消え去った。
 再びパルスがあたりを埋める。
 隙間はほとんど無い。ドローンみたいで効果的だった。
 
 今夜のサウンドはほとんど展開なし。 
 ひたすら淡々と電子音が連なる。
 
 そして。にぎやかな笑い声みたいな音がひしゃげた感じでかぶさった。・・・たぶん。
 はっきり聴き分けられたか自信はない。

 ここでパルスは後ろへ下がった。クロスフェイドで明るげな雰囲気へ変化した。
 しばし音像が明るくなるが、やはり全体のムードは一歩後ろへ下がった空気が漂う。

 後ろではDJが次の出番へ向けてスタンバイ。

 ゆっくり音を消し去り、静かにライブが終わった。
 DJへ向かって軽く合図。アヴァンギャルド・テクノらしき音がフロアに流れる。

 nyaaanoの出番はわずか30分足らず。あっけない〜。もっとじっくり長丁場で聴きたかった。
 優れた即興センスのミュージシャンなので、もっと活発な活動を期待したい。

 次のライブは1月のnatural giftだとか。
 もっともソロでやるか新バンドでやるかは未定だそう。
 派手な自己表現ではしゃいだりせず、自分の音と立ち向かうがごとくストイックなステージだった。
 今後の活動が楽しみ。

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