LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

03/9/26   吉祥寺 Star-Pins Cafe

 〜変拍子で踊ろう! vol9〜
出演:是巨人・ルインズ・高円寺百景

 開演時間が19時。平日なのに間に合うかーい。
 仕事をとっとと終わらせ駆けつけたが、さすがに演奏は始まってた。
 告白すると開演は19時半だと勘違い。ちょっと余裕かませて駅から歩いてきました。

 途中からライブ観戦って好きじゃない。
 入り口で開演時間見て迷う。だけどここまできて帰るのも間抜けか。
 入場料を払ってると、演奏が漏れてくる。あれ?ギターが聴こえるぞ。
 最初はルインズと思って焦った。そこまで遅れたか・・・と。

 会場は椅子をずらっと並べたが、当然満席。
 二階や立ち見もびっしり並ぶ。観客としてホッピー神山の姿も見えた。

 しかし前売り状況でこの動員を読めなかったのか。せめてフルスタンディングにして欲しかった。
 椅子の配置でちょっと隙間のあるフロアが恨めしい。

 あちこち位置を変えたが、どうもステージ全景を見られる場所は残ってなさそう。
 結局確保したのは吉田達也はばっちり見えるが、ステージ上手はさっぱりな場所。
 ここはスタッフがそれこそ数分おきにばんばん通り、まるでステージに集中できなかった。

 なんかぶつくさ言ってばかりですみません。ライブの感想へ移りましょう。

 今夜は去年の第8回とは異なり、すべて吉田達也が叩くバンドが終結した、磨崖仏が仕切るイベントの第9回目。
 99年に行われた第7回と同じラインナップだ。

是巨人

 演奏中だった曲が終わり、
「次はx番(番号は忘れちゃった)という曲です。曲名は・・・なんだっけ?」
 吉田が鬼怒へ尋ねる。鬼怒は「わかんないよ」と苦笑してました。

 ひさしぶりに是巨人を聴いた。
 ナスノのベースががっちり支えて、ドラムはメロディを受け持ってるかのよう。歌うようなドラミングだった。
 鬼怒のソロはぐいぐい熱く弾く。

 どの曲だったか、途中で吉田のスティックがへし折れた。
 そのままかまわず叩き続けるのにびっくり。さすがに途中で持ち替えてたが。
 ハイハットなどは叩きそこないも時折な、相変わらずテンション高い叩きっぷり。
 自分のリーダー・バンドだと力がこもるのか。
 
 新曲や「旧新」(前にも演奏した新曲)も織り込まれる。今夜はしんどくてセットリストをメモってませんでした。ご容赦を。

 鬼怒のソロがくっきり挿入され、テーマとソロが分離したアレンジ。ジャズ寄りのアプローチだった。
 仮題「ベンソン」("Out Of Head")では、鬼怒がメロディを弾きながらスキャットでユニゾンする。
 面白がった吉田がマイクを引き寄せ、同じく歌いながらドラムを叩いた。

 MCで吉田は、ルインズの佐々木が不在(事情はよく聞き取れなかった)で、変則的なルインズになることを説明。
 ラストは"On Reflection"。骨太なメロディが生き生きしてた。

 ナスノや吉田のソロはほとんどなく、鬼怒のギターしだいでイメージが変わる。
 ソロの瞬間、音色をハードに変えて弾きまくるさまが極上だった。

ルインズ

 佐々木が欠席により、CDにあわせ演奏する変則ルインズ。
 音源はマルチから落としたそう。全部「Tzomborgha」からの曲かな。
 ドラムの回りこみあるかと聴いてたがよくわからない。実際、録音のときは別々に録ったんでしょうか。

 「テンポが今演奏するときと変わってるし、演奏中に振動で針(CD)が飛ぶ。あわせづらいです」
 吉田が苦笑する。ライブを重ねるうちに、ぐんぐんテンポが速まるルインズらしい。
 正直今夜は体感テンポがかなり遅め。
 
 3曲ほどカラオケ・ルインズを聴かせる。最初こそぎこちないが、しだいに馴染み、最後の"Tzomborgha"はばっちり。
 途中で「足がつった」とストレッチする、珍しいひとこまもあった。

 続いて高円寺百景のkeyが登場し、4曲披露。急遽コピーしたとか。
 ピアノ音源と野太いシンセの音が交錯する。
 最初にやった"クラシック・メドレー"は、メロディがくっきりしてるだけに原曲が透けて見えていまいち。
 ベースとドラムだけのほうがアレンジの突飛さが強調されて面白いのでは。

 keyとdsの組み合わせは、なまじメロディがわかりやすく物足りない。 
 即席アンサンブルなためか、普通に曲を演奏した感じ。いっそもっとkeyがはじけて欲しかった。
 keyの姿はさっぱり見えず、そのぶん面白さが減ったなぁ。
 ライブは30分くらいで終わった。

高円寺百景

 ライブ聴くの99年ぶり。メンバーががらりと変わってた。
 今夜は4人編成でkeyとchoの女性、あとはベースとds。全員がボーカルを取る。
 アンサンブルの薄さゆえにプログレっぽさが減じ、むしろ声が強調されて楽しめた。
 ハーモニーの奇妙な和音が心地よく響く。
 
 ほとんどフリーはなさそう。着々と曲が進行。
 ぼくの位置から見えたのはドラムとベースのみ。映像を撮ってるのが見えたので、ぜひ発売して欲しい。全貌が見たいよ。

 聴こえる女性陣は、かなり派手に演奏してたようす。
 キーボードががんがん鳴らされ、強烈なファルセットが響き渡った。
 コーラスの女性は今夜が2回目のライブ。
 一回目は9/6に沖縄で行われた「変拍子で踊ろう! vol.8.5」なもよう。

 一曲ごとに吉田が曲紹介した。が、立ちっぱなしでしんどくてメモはパス。セットリストはご容赦を。
 「ちょうど半分まで来ました」などと構成ほのめかしたり、長めにMC取ったり。なんだかまったり進行だった。

 今夜の吉田のセットは、ハイハットの左にフロアタムをもうひとつ置く、変則セット。
 これがもっとも活躍したのが、高円寺百景にて。
 吉田が歌いながらハイハットとフロアタムを、ごく自然に叩ける。
 ドラムとベースが客席へ向かい、ぴたりそろって歌う光景は痛快だ。

 だいたい一時間くらいのライブかな?
 アンコールに出てきた吉田が喋る。
「10時にここを引き渡さなきゃだめなんだよ。一曲・・・いや、半曲ならできるかな。あと、なにを練習したっけ。・・・"Ioss"をBパートから」

 口三味線でざっと入りをメンバーに説明し、ハイライトから曲が演奏された。
 あらためてこの曲の迫力を実感した。

 佐々木の欠席で思わぬ編成も聴け、ほかのバンドも力のこもった演奏ばかり。
 それだけに全景を見られなかったのが悔やまれる。
 次のライブでリベンジしたいが、高円寺百景はめったにライブやらないんだよね。さて、いつになるやら。

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