LIVE レビュー
見に行って、楽しかったLIVEの感想です。
03/9/25 江古田 Buddy
出演:MUMU
(植村昌弘:ds、中根信博:tb、坂元一孝:key)
MUMU結成から2回目、先月に続くワンマンライブ。
マイクはドラムセットの上から2本あて、PAに通して聴かせた。
せっかくの広いステージなのに、いつものトライアングル・セッティングだった。左に植村、右に坂本。奥に中根が陣取る。
19時30分を回るとすぐ、メンバーが登場してさっさとスタンバイ。
何の前置きもなしに、ライブが始まった。
<セットリスト>
1.ワンピース #1
2.99/5/23
#1
3.亜 #3
4.苛 #1
5.亜
#5(新曲)
6.役人#7
(休憩)
7.02/2/25 #1
8.亜 #4
9.役人
#5
10.役人 #6
11.99/5/23 #2
12.亜
#1
(アンコール)
13.MC#1
いつものとおりMUMUのHPからセットリストを引用します。
1曲終わったところで中根による挨拶。
そのまま「続けて4曲やります」と曲名紹介し、演奏へ・・・なんともはやストイック極まりない進行だった。
植村の趣味かな。ライブというより発表会のような雰囲気だ。
MCはすべて中根に任せ、植村は声を出すのすら控えている様子。
カウントで「せーのぉ」ってしゃべる以外、手まねで意思疎通するシーンが多かった。
坂元は今夜もほとんどリアクションせず。もくもくと鍵盤へ向かう。
しかし演奏は刺激的だ。
中根や坂元の動きがシンプルな分、どうしても植村へ視線が行く。
両手をすばやく動かし、あらゆるタムやシンバルを存分に使ってリズムを組み立てる。
スタックが鈍く鳴り、いいアクセントに鳴っていた。
「亜
#3」だっけな。タムからフロアタムへ叩き落すシンプルなリフは、スティック捌き見てるだけでも楽しい。
音量は大きめでな分、迫力が増す。キーボードがちょっと埋もれ気味か。
トロンボーンは小音だと輪郭がぼけたが、太く吹くとぐっとメリハリ増した。
リズムが気持ちよくて今夜もつい、第一セットはうとうと・・・いかんな。
新曲「亜
#5」は聴きもの。トロンボーンが切ないメロディを奏でる、クラシカルな要素入りの曲だった。
植村のメロディ・メーカーぶりが発揮された一曲。
後半に演奏された「99/5/23
#2」をもっとロマンティックにした感じ。
そして第一部最後、「役人#7」が文字通り前半のクライマックス。
中盤で中根がふっと吹き止める。
向かい合った坂元と植村の視線がぴしりと結ばれた。
おそろしくタイトなリズムを植村が刻む。
坂元はシンプルなリフを弾くのみ。
植村がソロじゃなく、超高速のメカニカル・ビートを提示した。この瞬間だけはフロアが似合いそう。
休憩を挟んだ後半も、前半同様の"1曲、4曲続けて、1曲"の構成。喋りがほとんどないのも同じ。
前回ワンマンみたいなイレギュラー企画もなくて残念だった。
拍手のあとすぐさま3拍子のリズムを刻んだ「99/5/23
#2」が印象に残ってる。
いくつか好きなメロディの曲もあるが、いかんせん曲名を覚えてない・・・。すみません。
曲の間は中根が潤滑スプレー(?)をトロンボーンへ吹き付けたり、坂元が入念に手をぬぐったり。
せいぜいアクションはその程度。平然と演奏が続く。
植村はむちゃくちゃ複雑な曲構成をすべて覚えてるのか、ほとんど譜面も見ず涼しい顔だった。
きっちりスティックがコントロールされ、まるで舞いを見てる錯覚に襲われる。
第二部最後な「亜
#1」の前に、軽くMCが入った。
10/1の表参道FABにチャールズ・ヘイワードのフロント・アクトで出る事が急遽決まったそう。
「チラシに入れ忘れた」と苦笑する植村を受けて中根は、「今日来た人だけへの秘密」って紹介する。
後半は熱がこもった演奏多く、濃密な時間だった。
ついでに時間も凝縮され、第二部はわずか30分強。
あっさりステージを去る3人へすぐさまアンコールが飛ぶ。
そして再登場したMUMU。もしかして結成以来初のアンコールでは。
曲を決めてなかったのか、植村が抜き出した譜面をメンバーに示し、ふたりは自分の譜面を探す。
中根がちょっと不安そうに植村へなにやらしゃべりかける。
「まかせろ」と植村が仕草で示し、演奏が始まった。
曲は「MC#1」。以前に4部構成だかで弾かれた曲だ。
したがって一曲だけだとあっという間。ものの一分でおしまい。
あっけにとられてると、そのままメンバーはするっと袖に消える。
なんとも人を食ったアンコールだった。
ワンマンだろうと気負わない、マイペースさがMUMUらしい。
時間は物足りないが、それぞれの曲は聴き応え十分。
願わくばCDを出してほしい。家で追体験したいんだ。