LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

03/9/21  新宿RED CLOTH

出演:25M.Floater
 (一石:g,vo、カクセイクニアキ:g、竹本コウジ:g、キチジョウ:ds、キム:b)


 今夜も台風が吹き荒ぶ。・・・大げさか。
 それなりに風は強いが、雨は大騒ぎするほどじゃなかった。

 RED CLOTHは初めて行った。オフィスビルっぽい外観の地下だ。なんかこの店だけムードが違う。
 開場時間が押し、外までリハの音がばかでかく響いた。
 もし逆リハならこの音が、25M.のはず。何の曲だろ、と耳を澄ます。でも、わからないや。

 店内は椅子が数個あるだけ。フロア形式で100人くらいで満杯かな。
 ユニークなのはステージ前。幕の代わりがシャッターだった。重々しさに期待が高まる。

 結局ライブは約30分押し。
 軽く音を立て、じわじわとシャッターが開く。 
 明るく照らされたステージに、メンバー5人がぎっしりステージに乗っていた。

 イッセキはフリルのついたブラウスを指差し、「ニュー・シャ〜ツ」と微笑む。
 まずはイッセキも加えたギター3本で、重たいリフを響かせた。
 ギタリストの一人はマーシャルにメサ・ブギー。
 イッセキも前のライブでも使ってた、小ぶりのアンプを持ち込む。

 だが実際のステージは音量がさほどでもなかった。
 いや、音量はでかい。
 終ったらわずかに耳鳴りしてたもの。
 ただ、漏れ聴こえたリハの印象から、もっと轟音と思い込んでいた。

 いったんブレイクを挟み、ザクザク刻むヘヴィな構成な1曲目。
 続いて、"Pink eye"へ。
 3本ギターでリフに厚みを出す。
 ベースが軽くハモったのは一曲目だったかな?

 今夜のステージはグランジっぽいイメージが強かった。対バンのイメージにあわせたか。
 全体がシャープしてるように、なぜか聴こえた。音量のせいかな。

 7〜8曲くらい演奏。レコーディング中とあってか、新曲を連発する。
 どの曲もキーが低く、メロディはバックの演奏に埋もれた。
 強くパーマのかかった髪は顔へかぶさり、歌うイッセキの表情を覆った。

 「神戸から来たのに一番手。演奏したあとすぐに新幹線で帰ります」
 と笑わせ、あとはがんがんステージが進行した。

 ステージ上にスペースがなく、メンバーはほとんど動かない。
 動きを見せたのはボーカルのほかには、ベースくらいか。
 演奏中ネックの方向をあちこち変え、絵柄を変える。
 途中で「脚がつった〜」と伸ばすおまけつきだった。

 ライティングはシンプルなもの。やたらと暗くせず、普通にステージを照らす場面も多い。
 明るく見える照明だった。

 どの曲もずしんとメロディが流れた。
 アンサンブルよりもユニゾンでリフを連ねる光景が多い。音圧がかかる。
 ほとんどの曲で、イッセキはギターを弾きながら歌う。ときにはソロも取った。

 シャープなビートでどの曲でもあおられる。しかしダンゴに鳴るPAのせいか、細部を掴みづらい。もどかしい。
 それともややこしいこと考えずに楽しむべきか。

 「最後は1stアルバムから」
 軽快なリフが一瞬鳴る。"Citrus injection"だ。
 しかしすぐに、重たいギターのリフへすりかわった。

 明らかにこの曲だけキーが高め。
 急に世界が明るくなる。
 しかし唄いづらいのか、ボーカルは途中でキーを変えたふうに聴こえた。 

 ここでハンドマイクに変える。
 アンプに立てかけたギターがハウり、歌いながら手を伸ばしスイッチを切る。
 ベースのネックやスタンドへ絡まるコードに苦戦しつつ、ビール片手に歌った。

 間奏でギターを抱えなおし、弾き殴りつつ曲は続く。
 コーダでドラムがスティックを飛ばしてしまい、すばやくもう一本引き抜く。
 すかさずシンバルを連打。

 最後はシンセのようなアンプ・ノイズをまきちらしステージが終った。
 余談ながら。このノイズを「いい音だなぁ」とのんきに聴いてました。
 別にそこまで狙ってないとは思いますが。

 ギター3本による力技のアレンジが新鮮だった。前回聴いた時と、また印象が違う。
 重心を複数置き、不安定に揺らせたステージ。

 わずか30分ほど。あっというまだ。
 さて、次回の東京ライブはいつだろう。新譜完成前後にまた来て欲しい。

 この日は全部で5バンド出演したが、都合により途中で帰った。
 メモを取っておらずバンド名も覚えてないが、3バンド目が印象に残る。
 3ピースのグランジで、メロディも通るしギターソロも楽しめる。
 なによりバンドが一丸となったアンサンブルがよかった。

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