LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

03/4/13   下北沢 Era

出演:〜Shining april & catune presents〜
 (25m floater/the under curret/sequence pulse/AS NEIAS/harogen lump/3cm tour)


 Eraは初めて。こじんまりしたビルの4階にあるライブハウス。壁際にちょっと椅子があり、100人強で満席ってとこか。けっこうな動員だった。
 元ナンバガの向井氏も客として来ていたそう。うーん、気付かなかった。

 ステージ前にスクリーンがあり、セッティング中は下りて幕がわりに。
 新宿LOFTと同じ演出だ。スクリーンが小さく完全にステージを覆わない。だがいったん幕が下りることで気分を切り替え、それぞれのバンドを新鮮に聴けた。
 
 なにしろこの日は6バンド出演。1バンド30分程度の持ち時間か。
 進行が多少押したかな。ずっと立ちっぱなしで夜の7時から11時まで。さすがに疲れた・・・。

3cm tour

 ステージの光源は小さなランプひとつだけ。それを囲むように4人が演奏。
 ベースはまったく客席に背を向けいた。
 光源がひとつなこともあいまって、閉鎖的ぽくっていまいち。
 まるでリハを覗いてるみたい。

 リフ作りはうまい。ギター2本を組み合わせ、シンプルながらゆったりしたフレーズを、タイトな演奏で構築する。
 パンキッシュに唸るボーカルはちょっと趣味じゃないが・・・。。

 余談だが、ベーシストが客席へ背を向けるって光景は、他のバンドでもしばしば見られた。最近の流行なの?それとも単にモニターが聴こえなかっただけ?
 「客席に尻を向けるなんて」って、マナー的なことを言うわけじゃありません。

 ただ、もったいなぁと。
 演出上意味があるならかまいませんが、観客はべつにメンバーの尻を眺めにライブへ行ってないと思うよ。
 どうせなら弾いてる表情や、演奏する指のほうを見たいですよ。

 客席に背中ばっか見せてるライブなら、次にわざわざ見に行きたいとは思いませんでしょ。
 いや、尻を売りにするなら別ですが。

harogen lump

 神戸出身の4人組ギャルバンド。
 ハードコア系か?基本はコードをザク弾き。
 ボーカルが吼え始めた時、まっさきに頭へ浮かんだのはYBO2でした。このジャンルへのぼくの知識って、せいぜいそんなもん。
 かといって変拍子系ではなく、ストレートなロックだった。
 
 とにかくPAがやかましい。音が完全に割れて、ボーカルが歌ってる声がほとんど聴き取れない。
 せっかくマイク三本立てで、コーラスもたまに入れてたのに。それもまったく判別できず。

 かろうじて断片的に聴こえたメロディは、ポップなとこもあるようだ。
 どうせなら大人しめにしたほうが映えるのでは。
 もっともそれだと、バンドコンセプトそのものが変わっちゃうか。
 ステージにスモークをカンカンに焚き、ドラマーが見えないほど。爽快な光景だった。

 ラスト2曲で、急にPAのヌケが良くなる。これだよ、このバランス。
 単に耳が音に慣れたのか、PAバランスを変えたのか。どっちだろう。

 「新曲です」って紹介した曲が、いちばん聴かせた。
 えらく元気いっぱいなステージでしたよ。・・・こう書くと、なんか俺がいかにも爺くさいなぁ。
 もっともこの日、ぼくが最年長っぽい客層でしたっけ。

AS NEIAS

 楽しめました。20分のステージで長めなやつを3曲。
 特に2曲目のインストがよかった。
 U2に影響を受けたんだろうか。ディレイっぽい効果を多用して、きらきらした音像だった。

 ステージングも面白い。ステージ右手にg&vo。中央のスペースをあえて空け、左手にもう一人のgとbが立つ。
 ボーカルをぽつんっと寂しげに見せる立ち位置の演出がうまい。

sequence pulse

 いいな、このバンド。CDを物販で買っちゃった。
 プログレ系・・・なんだろうか。静かなフレーズを積み重ね、じわじわっと盛り上げる。

 音の中心はベーシスト。
 ギターを二人左右に従え、のっそりと中央に立つ。
 基本的にギターはリフやコードを繰り返し、ベースがメロディを取る個性的なアレンジだった。

 ステージ隅でさりげなく音像に多彩さを出した、シンセ・プレイヤーも忘れちゃいけない。
 キーボードではなく、ミキサーのような機材をずっといじってた。
 ギタリストの出す音をリアルタイムで、エコー処理してたっぽいが気のせい?

 即興要素はほとんどなさそう。
 ここに即興要素あったら、もろに好みなのに。
 淡々と繰り返すフレーズは雄大に広がり、比較的小さめなボリュームで耳に鋭く優しく染み込む。
 だが単調じゃない。曲によってはブレイクを入れ、轟音で緩急も効かせた。

 たとえば1曲目。たぶん"Deep in my red eyes"だと思う。
 静と動を意識した構成がいいぞ。

 ライティングはぐっとシンプル。かなりステージを暗くする。
 またその絵面が音楽に似合ってるんだ。

 今夜はたぶん30分程度の演奏だが、1時間くらいかけてじっくり聴いたら気持ちよさそう。
 ・・・できれば、座って聴けるライブハウスで。
 いいかげんこのバンドのころには正直くたびれてました(苦笑) 

the under curret

 エモコアっていうの?かーなりぼくの趣味と違います。
 メンバーが演奏しながらぐいんぐいん身体をそらし、自分らの音楽へ陶酔する。

 しかしステージングがかなりぎこちないのでは。
 ギタリストが弦を切って交換してたが、その間はMCでつないで欲しかった。
 他のメンバーが即興的なリフでつなぐのもいいが、同一コードで展開ナシはものたりない。あのままさくっと次の曲へメドレーで行ったらたいしたもんだが。

 ラストに演奏した曲はあんがい耳に馴染んだ。

25m floater

 「今までのバンドとちょっと毛色違いますが、軽いロックを聴いてください」
 そんな挨拶でライブが始まった。

 さー、いよいよ目当てのバンドの登場です。
 とにかく音がでかかった。この効果はバンド側が狙ってたんでしょうか。

 せっかくなので前のほうで聴いてたが、音が割れまくり。スピーカーのほぼ前に立ってたからなぁ。ちょっと後ろで聴いてたら印象変わったかもしれない。

 ボーカルの歌は演奏に埋もれ聴き取りにくく、曲によってはメロディもわからない。
 harogen lumpのステージ前半と似たようなPAだった。

<セットリスト>
1.E (新曲)
2.Do You?/I know 
3.トルコライス ("The summary of an incident (Ballad of Turkey rice)")
4.Fable  ("Fable vs. astrophysics")
5.La La La (新曲)
6.速 (新曲)
7.シトラス("Citrus injection")
8.Pink eye
 *イッセキさんにご教示頂きました。ありがとうございます。

 バンド用のセットリストをそのまま写してみました。" "は、CDでの曲目表記です。
 1、5,6が未CD化の新曲だそう。セットリストは略称で記入されていた。

 ステージは中央に立ったボーカルを目立たせ、他のメンバーががっしり脇を支える感じ。
 遠慮してるわけではなさそう。曲によっては、ギタリストがぴょんと飛び跳ねてコーダを決めたりも。
 ただ、各メンバーの音の個性を、いまいち掴みづらいのが残念。
 前回見たライブからベーシストが変わった。が、音が割れまくりでほとんどベースの音を聴き分けられず・・・ごめんなさい。

 二人いるギタリストは、コード・ストロークが基本。
 30分あまりのステージに8曲も詰め込んだせいか、ソロはほとんど取らずさくさくステージを進めてた。

 ボーカルのイッセキは前回ライブのように、ぶんぶんマイクを振り回す豪快ステージかと思いきや。ほぼスタンドマイクで歌ってた。
 ギターをぶら下げ、無造作にかき鳴らす。
 細かな符割りの旋律を、軽々と歌いこなした。

 ときおりがんがん、ギターのボディをぶん殴っていたっけ。
 PA次第では、ギターの唸りが聴こえたはずなのに・・・ちぇ。

 唯一、ハンドマイクを持ったのは4曲めだったかな?
 瓶に入ったミネラルウォーター(?)をわしづかみにし、歌の合間にラッパ飲み。
 歌いながらぶいぶい腕を動かすもんだから、ちょろっと飲み物がこぼれてたっけ。

 まずは2曲をメドレーで。ぼくが好きな"Do You?/I know"を今夜も演奏され嬉しい。
 サビのフレーズはアカペラっぽくなる。
 轟音PAだったので、メリハリあるアレンジ曲はひときわ効果あった。

 ボーカル以外に2本のマイクは立ってたが、コーラスはほとんどなし。
 ハモリや掛け合いを入れたら、もっとかっこよくなるのでは。
 もっともやっぱりPA次第。くどくてすんません。
 だってラストの曲だかで3人のハーモニーあったが、ほっとんど聴き分けられなかったし。うぁんうぁん響いてた。

 ラストはイッセキともう一人のギタリストが、ツインソロで盛り立てる。
 基本はロックンロール。しかしメロディは一癖ある。
 もろに好みで、今夜も楽しめたライブだった。

 次のライブは6/20に下北沢シェルターで。
 MCでイッセキが「シィ〜モクィ〜タザワー」と西洋人風の発音で紹介し、ベーシストに「それじゃわからんって」とつっこまれてた。

 余談ですが、ステージのライティングもいかしてる。
 一曲目がはじまると、すぱっとミラーボールがまわった。
 パーティみたいな雰囲気で盛り立てる。ライティングも基本はかなり明るめ。
 これまで比較的暗いライティングが多かったので、最後の最後でハッピーに染まった。

 で、気分よくライブハウスを出たのに。外が大豪雨だったのは日記に書いたとおり。ずぶぬれだよ。ひええええ。

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