LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

03/3/29  下北沢 CLUB CAVE-BE

   〜natural gift - vol.25〜
出演:Big Fun/Young Tongue/スクラフィー/Lure/Girls in my Pocket

 日本の若手ギターポップ・バンドを5バンドまとめて聴ける、ショーケース的なイベント"natural gift"。
 5バンドとはいえ冗長さはなく、1バンド30分程度。さくさくした進行がいつも好感持てる。

 25回な今夜は、場所をこれまでのLos Angeles Clubから移し、下北沢のハコで開催された。
 店内はこじんまりした雰囲気で、100人くらいがキャパだろうか。動員は盛況だった。

 今夜はあえてバンドの音を事前にHPで確認せずに行く。どんな音が聴けるか楽しみにしようと思って。
 仕事が忙しくて、事前チェックする暇が無かったとも言いますが。

Girls in my Pocket

 今回もバンドのHPへリンクを張っておきます。
 Girls in my Pocketはギター二本のカルテット。マイクが三本立ち、ギターもベースも全員が歌うみたい。

 ベーシストが女、あとの二人は男だから、声域やハーモニーはかなりバリエーションつけられるはず。
 サウンド・コンセプトはとても期待が持てる。

 だが演奏がかなりラフでつらかった。
 ボーカルも異様に弱い。これはマイキングのせいか。ほとんど前半は声が聴こえない。

 3曲目が楽しめた。
 ここから尻上りに演奏がまとまった。最初は緊張してたんだろか。
 クリーンなギターを強調したポップスは、こなれたら気持ちよさそうなのに。
 いまいちステージの押しが弱い。惜しいなぁ。

 アイディアは面白いから、もっと煮詰めてアグレッシブに突き進んで欲しい。
 テクニックを武器にしたら、好きになりそうな音だ。

Lure(a.k.a. Kilimanjaro)

 むー。これもぼくの趣味と、ちと違う路線だった。
 一曲目のインストがよかったから、期待して聴いていた。
 ところがVoのメロディが一本調子でいまいち。リフは気持ちいいのになぁ。
 
 白人のドラマーが引っかかりのあるフィルを立て続けにぶっ叩く、最後の曲が印象に残ってる。

スクラフィー

 今夜一番ステージ馴れしてた。演奏前に客席をあおって引っ込む。
 かれらもギター二本で、いちばんギターポップらしい音だった。
 しかしこの手の明るいサウンドは苦手なんですわ。ごめん。

 メドレー形式で立て続けに進行するわりに、MCで急に流れが止まるギャップがあった。

Young Tongue

 今夜のバンドでは、かれらがもっとも楽しめた。
 荒削りなパワーポップで、この手の音楽を普段聴かないのに。
 アンケートにあったセットリストを転載します。

<セットリスト>

1.ファラウェイ
2.Splush light year
3.OK
4.2-234+1
5.ロールプレイ(新曲)

 演奏は力強く、ステージが小さく見えた。
 ギターは上半身を大きく曲げて、かがみこむようにギターを弾き殴る。
 アレンジが小気味いい。
 ドラムの刻みをブレイクにするパターンを多用し、メリハリきかせてた。
 
 新曲だというラストの曲が面白い。
 ボーカルの歌声を、ギターがファルセットでなぞる。
 PAバランス的に埋もれてたのが惜しい。もうちょいじっくり聴きたかった。

Big Fun

 衣装を似たようなチェックのシャツで統一し、60年代っぽさがあるバンド。
 だがボーカルがぶら下げたギターは、絵柄的に浮いてだった。
 ZZTOPが使ってる菱形のギターなんだもの。ミスマッチを狙ったのかな。

 ボーカルは鼻に引っ掛け、ファルセットも織り込むソフトな歌い方。
 ハモリも所々で挿入し、アレンジを整理すればきれいなポップスになりそう。

 そう、なりそうなんだよ。
 なのにギターを歪ませ、でっかく響かせたのにすごく違和感あった。
 こういう音なら、クリアなギターのほうが似合うと思う。
 
 アレンジやメロディの端々に個性のひらめきを感じたが、ギターの音で塗りつぶしちゃってる気がしてならない。
 ステージ進行は爽快だった。あっというまで、終わったら物足りなかったもの。

 これまで聴いたngは音響系のバンドが多かったが、今夜はシンプルなギターポップで攻めた。
 よく考えたら、普段ぼくはシンプルなギターポップって聴いてないや。

 そのせいか、聴いてて違和感覚える瞬間もあった。
 今夜の感想がシンプルなのも、ぼくがうまく表現できないから。もうちょいこの手の音を聴かなきゃダメなんだろか。

目次に戻る

表紙に戻る