LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

02/11/02   西荻窪 Turning

   〜"Skippiy`s Weekend vol.5"〜
出演:Stool,So far so good,かじやあい,
   golf,Air Drop Hunt,The Locomotones


 ぼくが普段聴きに行くライブは、ほとんどがベテラン・ミュージシャンばかり。
 たまには若い人の(この表現には抵抗あるが(笑))演奏が聴きたいな、と思ってたとこに、面白そうなイベントを知った。

 "Natural Gift"がそれ。
 月一でギターポップ系の若手バンドを集め、ライブを開いてる。
 HPにはこれまで出演したバンドへのリンクがぎっしり。
 さすがインターネット時代。たいがいのHPで2〜3曲試聴できるのが嬉しい。

 あれこれ見てる中で気になったのが、Stool。
 ギャラクシー500を連想する、静かな熱狂のサウンドだった。
 まさに今日ライブやると知って、さっそく行ってみた。

 会場のTurningはフルスタンディング形式。
 観客は50人くらいいたかな。キャパは100人くらいありそうだから、比較的ゆとりがあった。
 しかしもうこの手のライブへ行ける歳じゃないのかなぁ。
 客層は20代前半ばっか。すげえ場違いなとこへ来た気分。

 本日のイベント主旨は不明。別にどれかのバンドが企画したわけでもなさそう。
 開演は18時30過ぎから。各バンド30分程度の持ち時間で、さくさく進んだ。
 めあてのStoolはトリの出演みたい。シーンでは評価されてるのかな?
 
 各バンド30分とはいえ、6バンド出演したから終演は10時を軽く回った。
 さすがにしんどい〜。次にこの手のバンド聴く時は、もっとネットで情報集めて、ピンポイント出かけようかな。

 さて、各バンドのライブはこんな感じ。

The Locomotones
 
 このバンドはユニオンで1stCD−Rを手に入れ、音を聴いていた。
 ビーチ・ボーイズの"All Summer Long"を模したジャケットに惹かれ手に取ったが、内容もハーモニーをちょっと盛り込んだ60`s サウンドだったっけ。

 CDでは男女3人編成だったが、今夜はヘルプにベース(男)を入れた4人体制。
 ベースの女性はキーボードに回る。

 最初に演奏されたのは"ひとりぼっちの僕"かな?
 うーん、マージービートというか、GSというか・・・。
 あからさまに60年代オマージュなサウンドだった。

 演奏もハーモニーも荒いため、いまいちパワーに欠ける。覇気が無く聴こえちゃうのが惜しい。
 やりたい音楽は面白そうなのに。

 男性ボーカルの声が異様に高い。変声期前の声みたいだった。
 アレンジもところどころアイディア盛り込んでるようだし、もっと煮詰めたサウンドを聴きたい。

 いかにもほのぼのとしたライブ。
 後半で演奏した「古いくつ」はメロディが耳に残った。いいじゃん、この曲。
 
 7〜8曲を演奏したのかな。最後は「月と太陽」でしめた。

Air Drop Hunt
 
 男性4人組のギター中心なパワー・ポップ。
 すいません、この手の音は趣味とずれてて・・・感想うまく書けません。

 よく声が通るvoの存在感で引っ張ってるのかな。
 サウンドからは、バンドの個性を掴みづらい。
 メロディは日本で売れそうなラインだった。

 リードギターの演奏がうまいなぁ。
 ツボを心得たプレイで、リフを的確に打ち込んでた。
 バンド自体もきっちり演奏してた。
 
Golf
(セキネタクジ:vo,g、あんどうゆうじ:b、みぎたえみ:key,g、ジャスミンまゆ:ds)


 このバンド、初めて聴いたが面白かった。
 演奏はかなり荒いが、トリッキーな編曲が楽しい。
 ライティングで暗転をうまく使ってたのは演出かな?

 最初の曲はインストっぽい。
 まずドラムがリズムを刻む中、セキネがハーモニカをブルージーに吹いた。
 おもむろにギターを手に取り、サイケに噴かす。
 アンプにギターが押し付けられ、もこもこと唸った。
 このままタイトに盛り上がったら、ROVOっぽくて刺激的だったのに。

 基本は歌ものみたい。ポップなメロディを織り込み、ステージは進んだ。
 演出なのかな?ただしボーカルはぼそぼそ声で、ほとんど聞き取れなかった。
 アレンジもキメが多く、30分のステージがあっというま。

 ラストの曲はみぎたとセキネのvoをブロックごとに使い分ける。
 静と動が交互に登場し、ダイナミックな構成の曲。
 歌いながらみぎたが使うトライアングルが、素朴に鳴っていた。

 CDでじっくり聴きたいバンドだ。
 
かじやあい
 
 いきなりステージは、アイドルショーっぽく様変わり。
 かじやあいは男4人のバックバンドを引き連れ登場した。
 初手から客を煽って飛ばす飛ばす。観客に追っかけはいないようだったが・・・。

 ハンドマイクを鷲掴みにし、ステージをがしがし動き回る元気なライブ。
 歌いながら腕をぶんすか振り回し、歌も喋りもけたたましい。
 でも、コミカルな雰囲気は楽しめた。全部で4曲、20分ほどのステージだ。

 印象に残ったのでセットリスト書いておきます。
<セットリスト>
1.ブーギー
2.ご愁傷さま
3.オレンジロード
4.しゃかりきナイフ

(1)と(4)はむさしのFMで持つ番組のテーマソングだそう。
 ぼくは(3)がポップで面白かったな。

 (2)のサビで、ドラム以外のメンバーがいっせいにポーズを決めてたとこも印象に残ってる。
 思いっきりボーカルを浮き出させた、PAバランスもさすが。
 色んな意味で、今夜もっともプロっぽいライブだった。

So far so good


 こんどは4人組のバンド。リードボーカルのみが女性で、ほんのりコケティッシュなガール・ポップだった。いまいちぼくの趣味とずれるので、詳細な感想は割愛します。

 ボーカルの女性シンガーが、ギターをかき鳴らすのがアレンジの肝みたい。
 ステージ後半にアクシデントでギターの音が出なくなったため、くっきりわかる。
 ギター一本のみの伴奏だと、とたんに響きがスカスカになっていた。

 歌の音域が気になる。ハイトーンを辛そうに歌ってるんだもん。中域がのびのび響いてたから、そっちをメインにすればいいのに。

 今回は2ギター編成のアレンジだったが、key募集中とのこと。あー、似合いそう。生ピアノ入れたら、サウンドが膨らむだろうな。

Stool
 (高橋英生:ds、柳裕樹:vo,g、早川 礼:g,cho)

 さて、いよいよめあてのバンドが登場。メンバーはそれぞれ足元にずらっとエフェクターを並べる。
 心なしか灯りのトーンが一色になる。
 一言挨拶し、無造作にライブが始まった。

<セットリスト>

1.someday
2.風無し
3.夜明け前
4.終電
5.過ち
6.にわか雨

 きっちり個性をもったバンドサウンドにまずしびれた。
 歌声は穏やかながら、凛とした雰囲気を漂わせる。

 ヘヴィなギターもところどころ織り交ぜるが、基調はミディアム・テンポのゆったりした流れ。
 ドラムの音にはリバーヴがかかり、どっしりサウンドを支えた。

 メンバー二人がギターを持つが、低音の不足さはない。むしろ今のアレンジのほうが浮遊感が強調されていい。
 しかしギター二本のバランスはあんがい難しいようだ。
 MCは特にない進行ながら、PAにはちょくちょくバランスの注文をつけていた。

 歌のメロディも気にいったが、ギターソロもかっこいいぞ。
 ギターからきんっと張りつめた高音が溢れた。
 もっともっと、えんえんソロを聴いていたい。
 ハモりも見事。(5)曲目は二人のコーラスから始まるが、きれいに聴かせた。
 
 柳はあまり身体を動かさず、淡々と歌に専念
 いっぽうで早川は身をかがめて鋭く弦へピックを振り下ろし、ソロではネックを鷲掴みにして激しく震わせた。
 対照的なふたりだった。

 しだいに音が大きくなるギターソロとともに、ステージから青白い風を冷やりと感じた。

 6曲演奏して30分強ってとこか。
 かっこいいな〜。このバンド。またライブを聴きたい。

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