LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

02/6/30  吉祥寺 MANDA-LA2

出演:SOH-BAND

(増田隆一:g、田中邦和:ts、チェルノブイリ渡部:Syn、清水玲:b、佐藤潤一:ds & 宗修司/Compose)

 
 2001年9月1日にリーダーの宗修司が永眠し、存続が危ぶまれたSOH-BANDだが、新ドラマーを加えて見事に復活した。
 新生SOH-BANDはこれまで数度ライブを行っているが、ぼくは今夜が聴くの初めて。

 SOH-BANDは二年前に、二回だけライブを聴くことが出来た。
 すばらしく刺激的なステージだっただけに、そのサウンドをこれからも体験できるのは素直に嬉しい。
 さて、彼らの登場は20時50分頃。今夜の対バンは趣味じゃなかったので感想は割愛します。

 ドラムセットにつけられた二連スプラッシュ・シンバルが宗のドラム・セットを思い出す。
 これは別にノスタルジーでつけてるんじゃなく、アレンジ上必要なためだけど。「セクサロイド"私チャコちゃん"」のイントロとか。

 あっというまにセッティングが完了し、そのままメンバーがステージにそろう。
「そろそろやりますか?」と田中がメンバーに確認。スタッフに一声かけてライブが始まった。
 無造作な始まり方がいいなー。
 
 彼らの演奏は約1時間。セットリストはこんな感じかな。

(セットリスト)
1.Beyound Beyond
2.Boys,Be dangerous
3.Let`s 強姦魔
4.セクシャルハラスメントNO.1
5.セクサロイド"私チャコちゃん"
6.とても恥かしい
7.暴れん坊内閣
8.死ネバ馬鹿モ治ル
(アンコール)
9.Where is myself?

 しょっぱなから響くベースのリフ。大好きな「Beyound Beyond」を弾いてくれた。
 ただ、PAのバランスがいまいち。サックスの音がほとんど聴こえない。
 この曲はサックスの入り方がかっこいいのに。
 後半は多少まともになったものの、最後まで楽器のバランスが気になった。

 ステージは宗の存命時代を継承していた。ラスト二曲は固定なんだろうな。
 ちなみにドラムスは普通の服装でした。
 (宗は丸いサングラスに、血まみれの白衣と裸足がトレードマークだった)

 演奏はタイトそのもの。新ドラマーの佐藤による、猛烈な手数に圧倒される。
 前のめりに叩きまくった。
 アレンジはちょっといじってるかな?前に聴いた時より、若干複雑になってるかも。

 全体的にいくぶんリラックスしたムードを感じた。
 緊張感より、それぞれが奔放に楽しんでるといえばいいんだろうか。
 良くも悪くも、リーダー不在なバンドではないか。

 一曲目は嬉しがってたら、あっというまに終わり。
 続く二曲目でソロ回し。増田がギターを弾き始めたとたん、ザッパっぽい音像になって面白かった。

 MCは特になし。数曲おきに田中が曲紹介をするくらいかな。
 初めて聴いた3曲目は、ユニゾンで叩き込むリフがすばらしくスリリングな曲だ。

 好演続きだったけど、印象に残ってるのは・・・そうだなぁ。「セクサロイド"私チャコちゃん"」かな。がらがら変わる画面展開が楽しい。
 どの曲も猛烈なテンションで突き進む。
 ソロは織り込まれるものの、きちんと構成されたアンサンブルの凄みがやはり聞きものだ。

 音量は馬鹿でかく、耳鳴りがするくらい。増田のノイジーなギターが、耳に心地よく突き刺さる。
 チェルノブイリのキーボードは、少々おとなしめだったな。

 ただ「暴れん坊内閣」が始まったときが違和感あり。
 ドラムのがしがしなリズムに乗ってベースが弾き倒すけど、どこかゆとりが漂う。前はもっと危険な雰囲気があったと思うけどなぁ。
 帰ってライブ盤を聴きなおしてみたが、やはり緊張感が薄れてるのでは。

 ステージ最後の曲は、やはり定番の「死ネバ馬鹿モ治ル」。
 以前見たライブの記憶が蘇り、胸が熱くなった。
 甘く優しく、メロディがたゆたう。
 
 そしてガシガシに騒ぎ、音が溢れ出す。
「メンバーを、紹介、します!」って宗の絶叫の幻聴が・・・。
 結局、田中による同様のメンバー紹介でエンディング。
 
 コーダはじらさず、突き刺すような一音で締めるのがいさぎよい。
 アンコールの拍手にはすぐ応え、一曲さくっと演奏してライブは終わった。
 
 今後の楽しみは、いかにバンドの個性を確立するかでしょう。
 演奏は言うことなし。SOH-BANDのイメージは、もともときっちり存在してる。
 その上で、新生SOH-BANDがどこへ向かうのか。間違っても、ノスタルジーだけのバンドになって欲しくない。

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