LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

2001/07/22  西荻窪 Bins Park

出演:MUMU,SoFkay

 Bins Parkに行くのはずいぶんひさしぶり。
 今夜の目当ては、ぼくは聴くのが2回目になるMUMUのライブだ。
 かなり動員はさみしいかと思ったら、かなりの盛況。
 30人くらい入ったかな。

 今夜は3バンド出演。
 このイベントを主宰したバンドが、一番最初に演奏したんだけど。
 いまいち音が好みじゃなかったので、感想は割愛させていただきます(苦笑)

SoFkay(20:20〜20:50)
(山道:G、北田:B、青柳:Ds)


 さて、二番手がこのバンド。ぼくは聴くの初めて。
 若手のバンドで、ドラムとギターが男性。ベースを女性が努める。
 マイクが二本立っていたから、ハーモニーをいっぱい聞かせてくれるのかと期待したけど、交互に歌うパターンが多かった。ちょっと残念。

 演奏が始まると、うつむき加減のギターが、いきなりフォークっぽいほんわかしたメロディを歌い始める。
 プログレ風の演奏を想像してたから、戸惑ってしまった。
 
 各曲は比較的短め。なかには一分くらいの曲すらあった。
 きっちり曲にコーダをつけず、投げ捨てるように終わる曲が多くて面白かった。
 MCはほとんどなしで、次々曲を演奏していた。
 曲目紹介とかしてくれたらいいのにな。
 
 演奏は荒削りながら、いろんな要素がごちゃごちゃに詰め込まれている。
 パワーポップ、フォーク、プログレ、アバンギャルド、スラッシュ・・・。
 やりたい音楽を脈絡なく、かたっぱしから曲へ詰め込んだ感じがした。

 山道が取るボーカルは、ころころ表情が変わった。
 穏やかにメロディをなぞってかと思えば、デスメタル風に吠える。
 それはギターも同じ。
 激しくギターを弾き殴っていた次の瞬間には、唐突にメロディアスなフレーズを奏でる。
 聴いてて、音の焦点が定まらないところが楽しいぞ。
 ステージ横では植村も、ときおりウケつつ楽しそうに聴いてたっけ。

 ステージが進行するにつれ、演奏がぐんぐんタイトになってきた。
 あまり即興要素はなかったかなぁ。
 もっと偶然性があると、さらにぼくの好みの音だ。
 
 ベストテイクは、一番最後の曲。
 激しく音が駆け抜け、盛り上がっていく。
 プログレ風のキメが多い曲だった。
 唐突に演奏がストップして、ギターとベースがぺこりと頭を下げる。
 あっというまの30分だった。

MUMU(21:00〜21:50)
(植村昌弘:ds、中根信博:tb、坂元一孝:Key)


 素早くセットチェンジを終え、植村がドラムセットに座る。
 静かに、バスドラを踏んだ。
 タイコ一発叩いただけで、ステージの雰囲気が締まる。さすがの貫禄だ。

 しばし植村が淡々と一人でリズムパターンを提示し、坂元がキーボードを載せる。
 MUMUのライブの始まりだ。

<セットリスト>
1.98/3/10 #2
2.99/5/23 #3
3.役人#7
4.役人#5
5.役人#6
6.役人#4

 セットリストは、MUMUのHPから引用させて頂きました。
 たしか7曲やった気がしたけど・・・記憶違いかな。
 このセットリストによれば、先日ウルガで聴いたライブと順番こそ違え、同じ曲目だ。

 曲名を紹介すると、またしても客席から失笑が漏れる。
 植村は別にギャグを狙って、タイトルつけてないんだろうが・・・。

 今回残念だったのは、トロンボーンの調子がよくなかったこと。
 マイキングなのか、PAバランスなのか演奏そのものなのかは不明だけど。
 妙に音がこもって、個々の分離が悪い。
 植村と中根は風邪っぴきだって言ってたから、そのせいかなぁ。

 「98/3/10#2」や「99/5/23#3」は、サビの開放的なメロディがかっこいいのに。
 こじんまりとトロンボーンの音色が固まってしまい、先日ウルガで聴いたときほど盛り上がらなかった。もったいなや。

 あいかわらずドラムはタイトそのもの。
 シャープなリズムがびしばし繰り出され、ステージとの距離が一気に縮まった。
 譜面を睨みながら、真剣な表情で叩く。

 MUMUのPA音量は控えめ。
 そのせいか、こまかなドラムの音まで店内によく響く。
 シンバルの音が、すごくきれいだったな。
 軽く刻む時の、さらっと響く音色が心地よかった。

 キーボードも速弾きをひけらかしたりはせず、着実にリフを決めていく。
 植村とユニゾンでびしばしタイミングあわせ、曲を膨らませていた。
 ほとんどキーボードの音色を変更していないのに。
 あれだけチャーミングに、曲の表情を変えるアレンジ力はさすが。

 そう、今夜のMUMUも、演奏が可愛らしい。
 踊れるような単純なリズムはかけらもないのに。
 ひたすら変拍子を振り撒くくつろげない曲構成なのに、ところどころでうきうきするメロディが耳に残る。
 冒頭で気になったトロンボーンも、次第に鳴りがよくなってきた。
 メロディに張りが出てくる。
 
 今回はまず一曲演奏。
 続いて「4曲続けて」ってことだったが、別にメドレー形式にもせず、一曲ごとに区切りをつけていた。

 このころになると、異様に店内へ熱気がこもる。暑いのなんの。
 MUMUはテンション上げて叩きまくるバンドじゃないから、この暑さは辛い・・・。
 植村は「空調効いてますよね〜?」と店員に尋ねるし、中根は「4曲続けてって言わなきゃよかった・・・」って、ぼそっとつぶやいていた。

 MUMUも途中で告知をしたくらいで、特にMCなし。
 難曲をさらりと弾きこなし、あっさりライブを終了した。
 アンコールしないかな、と拍手を送ってると植村が、
「暑いし、さらっと終わりましょ。ありがとうございました〜」と、にこやかにとっととステージを閉める。
 途中植村はかなり咳き込んでたし、体調いまいちだったのかも。

 たっぷりライブをやるかと思ったのに。しめて50分ほどの演奏。
 MUMUのワンマンってのを、一晩たっぷり聴いてみたいなぁ。

 終わってみれば、3バンドあわせて演奏時間は2時間弱。
 面白かったけど、あっけなく終わっちゃった夜だった。

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