LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

01/3/22   江古田 バディ

出演:C02
  (片山広明(TS)、林栄一(AS)、加藤崇之(G)、早川岳晴(B)、つの犬(Dr))


 食事に行ってたとおぼしきメンバーが、バディに戻ってきたのは8時前くらい。
 一休みした後、ぞろぞろと客席からステージに上っていった。
 
 ステージへ向かって左に加藤、右に早川。つの犬をバックに配し、中央に片山と林が寄り添って立つセッティング。
 林がぐるりとメンバーを見渡す。
 足踏みでテンポをニ、三拍。
 いっせいにハイテンポで「Unite」が始まった。
 
 そうとうどしゃめしゃの、ノリがぎゅっとつまった楽しいプレイだ。
 片山が指で合図を送って、リフになだれ込む瞬間がメチャメチャかっこいい。
 ところがあっさりと、10分くらいで一曲目は終了。

 「今のは林の曲です。曲名は・・・忘れました(苦笑)
  次は加藤が作曲の・・・なんて曲だっけ?(加藤に聞いている)
  あ、"Blade runner"という曲です」
 と、アバウトな片山のMCをはさんで、次の曲へ。
 加藤がイントロをギターで弾き始めた。

 ちなみにMCをやったのはここだけ。
 いちおうセットリストを書いてみましたが、帰ってCDを聴いて思い出しつつ書いたので、特に後半は自信ないです・・・。
 
<セットリスト>
1・Unite
2・Blade runner
3・Teginashi no rumba
(休憩)
4・tatatta
5・Monday night
6・ASIAN BLUES
7・hallelijah

(アンコール)
8・スカ(?)←林栄一:作曲

 さて、「Blade runner」は延々20分くらい。たっぷりした演奏を聞かせてくれた。
 ここでは加藤のギターが聴きもの。
 イントロでは、エフェクターのツマミを操作しながら、スペイシーに音を響かせる。
 フレーズよりも、変調された音の鳴りをメインにしたソロだった。

 全般的に雄大なプレイ。
 ベテラン同士で、気心が知れているせいだろうか。
 スリリングさよりも、安定を感じる瞬間が多い。
 なんとなく、ボンデージtルーツの「スキン」を連想しながら聴いていた。
 ま、あの曲はもっとダークだけど(笑)

 つづいての曲は、早川がまずイントロ。
 作曲者がイントロを取る、ってお約束でもあったのかな。
 エレキベースを無造作にぶら下げ、ぶっとい音色で弦をひっぱたく。
 テーマへ展開して、林のアルトと片山のテナーが揃ってメロディを奏でるところが、しみじみきれいだった。

 この曲では、林のソロをフィーチャー。ステージ隅からソプラノサックスを持ち出す。
 メカニカルな音色でしばしソロを吹いていく。
 フレーズの途中で、強引に演奏を止めてアルトに持ち替えてたのが面白かった。 
 そうそう、川下直広よろしくアルトと二本咥えで、ぷかぷか鳴らしたりもしてたっけ。

 今回の主役である片山は、かなりロマンティックな吹き方をしていた。
 もちろん、豪快にソロを吹き鳴らすときだってある。
 だけど聴いていて、フレーズの流れをしみじみ感じながら吹いてるように聴こえた。
 
 このバンドは、テーマの最中や他の人がソロを取っているときでも、管奏者が自由にカウンターソロを入れていく。
 そのスタイルが、リラックスして楽しい。

 「Teginashi no rumba」も、じっくりソロ回しをしたせいか、20分ほどのプレイ。
 ここで休憩、とちょっとものたりない第一部・・・かな。

 しばし休憩をはさんだ第二部。
 ステージにメンバーが上っていったはいいものの、つの犬がいない。
 いったん客電が落ちたのに再度つけて、早川が店の外へつの犬を探しに行く一幕があったっけ。

 第二部は、片山の「ワン・ツー・スリー」ってカウントで、タイトに始まった。
 後半は俄然スリリング。つの犬のドラムが、いきいきとバンドに絡んでいった。

 後半・・・いや、今夜一番の演奏が「ASIAN BLUES」。
 二曲めが終わったとたん、すぐさま加藤がソロを始めた。
 アップテンポ気味のテーマをはさんで、各人がたっぷりとソロを取る。
 どのソロもイキイキしてて、ぼくは身を乗り出しながら聴いていた。

 つの犬のドラミングが楽しい。
 長袖のシャツを着てたが、叩いていくうちにずり落ちてくるんだろうな。
 一瞬演奏を止めて、すかさず袖を捲り上げる。
 一回だけでなく、ニ、三回そんなしぐさをしてた。
 ところが腕まくりでリズムの空く瞬間が、見事なブレイクになっている。
 計算じゃないだろうけど・・・さすがだ。

 ちなみにつの犬はセッティングもおもしろい。
 セットはやけに低くセットされ、スネアをふたつも置いている。
 スネアの間にハイハットを置き、ルーズにパカパカ開かせながら刻む。
 バスドラはツインペダル。
 確か「ASIAN BLUES」でだと思ったけど。
 ロールっぽいフィルをバスドラとユニゾンで叩いたのが、めちゃくちゃかっこよかった。

 4曲目はぐっとロマンティック。しっとりとバラードでしめた。
 林はすっと背筋を伸ばしてアルトでテーマを吹く。
 そこへ片山が体をゆすりながら、アドリブでメロディを崩して絡んでいった。
 そんな二人の対比がおもしろい。

 メンバー紹介をしてあっさりステージを終わらせたが、まだものたりない。
 アンコールの拍手をしてると、すぐに戻ってきてくれた。
 片山が「曲がないんだよな〜」とつぶやく。
 ちょっと譜面をいじった後、
 「林の作曲で、”スカ(?)”をやります」と紹介。
 曲名は、はっきり聞き取れなかった。

 耳に聞こえた印象どおり、アップテンポで裏拍を効かせた軽快な曲。
 リズムがスカっぽい。
 メンバーそれぞれが譜面をちらちら見つつ、すささっと弾ききった。

 アンコールは、10分くらい演奏してたかな。
 エンディングを決め、メンバーがステージを去る。
 観客は結局20人って所か。充実したライブなのに、もったいない限り。

 プレイはもっと奔放に盛り上がるかと予想してたが、大違い。
 かなり安定感のある、オーソドックスな演奏だった。

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