LIVE レビュー

見に行って、楽しかったLIVEの感想です。

00/12/20   西荻窪 Bins Spark

出演:SOH-BAND
   (宗 修司:ds、田中邦和:sax、増田隆一:g、
    チェルノブイリ渡部:synth、清水玲:b)

 このライブハウスに行くのは始めて。思ったより広いライブハウスだった。
 とはいえ、キャパシティはせいぜい30人くらいかな。
 隙間なく無理やり詰め込めば50人は行くだろうか。

 今夜は観客がぎっしり40人くらいそろった大盛況ぶり。
 もっともすべてがSOH-BANDのファンじゃなさそうだ。
 見たところ対バンの関係者の観客もかなりいるみたい。

 店の間取りはなかなか面白い。
 入っていきなりカウンター。その右側がステージになる。
 つまり、店の入り口近くにステージがあるわけだ。
 演奏者は、プレイの途中にお客が出入りするのがわかるから、あんがい集中力をそがれるんじゃないかなぁ。

 観客は基本的に店の奥に陣取る。しかし、PA席がえっらい広い。
 観客ブースの1/4はPA席になっている。もうちょっとレイアウトを考えれば、キャパが増えるのに。
 
 本日の対バンは二種類のユニット。
 一応僕は両方とも聴いたけど・・・いまいち趣味じゃないので、コメントは割愛します(笑)
 意気揚揚と聴きに行ったのに、前座のニバンドの音楽にいまいち乗り切れなくって。すっかり僕自身のテンションが下がってしまった。うむぅ。

 さて。前置きが長くなった。
 僕がSOH−BANDのライブを見るのは、約一ヶ月ぶり。00/11にバディでのライブがしこたまかっこよくて。今日を楽しみにしていた。

 前のユニットがちょっと押して、メンバーがステージに現れたのが9時10分くらい。SOH-BANDは、ばばばっとあっというまに演奏の準備を整えてしまった。
 それにしても、このライブハウスはステージが小さい。
 キーボードのチェルノブイリ渡部は、ステージの本当に片隅に位置して、かなり狭そうだった。

 結局、演奏が始まったのは9時15分くらいかな。
 宗がトレードマークの血まみれ白衣を着て登場。
 いきなりドラムセットの上に仁王立ちして、ハンドスピーカーのボリュームを思い切り上げて、ライブ開始の挨拶をわめく。
 そして彼らは、演奏になだれ込んだ。

<セットリスト>
1・セクサロイド「私チャコちゃん」
2・夏はいいなあ
3・Beyond Beyond
4・ ?
5・Boys, be dangerous
6・暴れん坊内閣
7・死ネバ馬鹿モ治ル
 (アンコール)
8・Hunble Paranoia

 演奏のしょっぱなから、かなりバンドの雰囲気はリラックスしていた。
 清水玲がときおり楽しそうに笑いながら、ベースを弾いていたっけ。
 ハイテクニックにつっぱしり、立て続けにブレイクを繰り返す演奏のうまさは前回どおり。
 ただ、音量は控えめ。こまかい音の流れが読めるのはうれしい。
 だけどもっとボリューム上げて、力技でぶちかましてくれてもいいのに。

 すると期待にこたえるかのように、二曲目で、いきなりギターがハウリングの豪音を店内に響かせた。
 ボトルネックみたいな道具(サックスのマウスピースカバーかなあ)を持ち、ノイズをがんがん盛り込みながらソロを始める。
 ハウリングを巧みに活かしながらフレーズを見事に奏でていた。

 三曲目は、僕が大好きな「Beyond Beyond」。
 柔らかい雰囲気が、全体的に漂う。
 ソロからテーマに戻るとき、とびきりのタイミングでぴたっとメロディになだれこんで、しこたまかっこよかったなあ。

 今夜の演奏は、シンバル系の音がきれいに聴こえていた。
 4曲目(タイトルは聞き逃してしまいました)で、宗がドラムソロを始めた時、しゅわんっとシンバルが弾んだ。
 小さな3連のシンバルの音色もキュートに響く。
 しかも宗が金物中心に叩くソロを決めたせいで、たっぷり切れのいい音を楽しめた。

 「Boys, be dangerous」では、田中がテーマをぐりぐりフェイクさせて吹く。
 この頃には、僕はぐいぐい演奏にのめりこんでいた。
 ここではチェルノブイリがソロではじける。
 声を電子変調させながら、ノイズまみれの演奏をぶちかましていた。

 次になにが始まるのかとワクワクしていると、派手な清水と宗のコンビネーションが始まる。
 猛スピードで音が突っ走り、リズムが重なり合う。
 そう、もうエンディングが近づいたみたいだ。せっかく盛り上がってきたのにな。
 
 演奏そのものは文句なし。
 たっぷりとリズムセクションのコンビネーションを堪能できた。

 エンディングはロマンティックな「死ネバ馬鹿モ治ル」。
 ブレイクをはさんで、宗がすっくとドラムの上に立ち上がる。
 マイクでメンバー紹介をがなりたて、どかんとライブが終わった。

 アンコールに答えて演奏したのが「Hunble Paranoia」。
 これがまたリズムが生き生きして、色気さえ感じる名演だった。
 ふくよかな音がライブハウスの中にはじける瞬間が最高。

 とはいえ、たった一時間ちょいの演奏はあまりにも短すぎる。
 対バンじゃなく、ワンマンでのライブを堪能したい。
 なんとももどかしさが残る夜だった。
 次は2001年の1月に吉祥寺でワンマンライブをやるそうな。
 ぜひ聴きに行きたい。そのときに今回の欲求不満を解消するかな。

 

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