今お気に入りのCD(番外編)
CDじゃないけれど、見に行ったライブの感想です。
2000/8/15 吉祥寺 曼荼羅
出演:渋さ知らズ
すさまじい熱気だった。
先日見た渋さは、観客の悪乗りダンスでゆっくり音楽を楽しめなかったし、今夜の渋さで口直しをしたかった。
期待は見事に達成された。
あまりの人の多さに観客は、身動き取れなかったっていうのが正解だけどね。
曼荼羅に入った人ならわかるとおり、あのスペースはフルに使って50人くらいが普通のキャパだろう。
そこに演奏者だけで20人くらい。しかもスペースの半分以上を使っている。
観客は全スペースの1/3を使えるくらい。だけどそこに70人くらいの人間が、ぎっしり詰まった。
僕は30分くらいライブハウス前に並んで、四人目くらいに店に入れたから、隅っこのベンチ席に陣取って楽に聴けたけど。
スタンディングで押し合いへし合いの長丁場を強いられた、多くのお客さんはかなりしんどかったと思う。
客入れは当然のごとく押していた。曼荼羅入り口に並んでいたら、いつものように中からリハの音がうっすら聞こえてくる。
曼荼羅前の井の頭通りで、注禁の取り締まりにパトカーが来ていた。
ずらっと並んでいた渋さの関係者の車が、片っ端からナンバーを控えられていたっけ。リハが終わると現れた関係者が、どやどやと車を動かしてたけど。無事に済んだのかなあ。
曼荼羅の中に次々切れ目無しに観客が入って、すでにうかつにトイレにもいけない状態だったのが7時半頃。
いいかげんしんどくなった8時頃に、どこからともなく渋さのめんめんが現れて、演奏が始まった。
とにかく音がでかい!総勢20名の生音だけでもでかいのに、さらにアンプを通しているせいもある。
とはいえ耳に優しい大音量だ。「でかい音を出す」ことが目的じゃないので、どんなにばかでかい音でも、優しく身体を包み込む。
ただ、個々の楽器のこまかい音使いを聞き分けられないのがなあ・・・ちょっと残念。
今回の渋さの編成はこのとおり。ステージの下手隅から見てたので、見落としがあるかもしれない。
dsx2、bx2、gx2、keyx1、percx2、tsx3、asx1、bsx1、tpx1、tubax1、tbx2、b−clx1、e−vlnx1、アコーディオンx1、vox2の総勢23人かな。
おっと、それにダンドリストの不破を加えなきゃ。
まずはゆっくりとめいめいが音を出していく。その音がかさなり、絡まって高まっていく。
演奏が進むにつれ、目を閉じた不破が曲に乗って、風に乗った鳥のように両手を広げて体をゆらしていたのが印象に残ってる。
曲順はうろ覚えだけど、「バルタザール」「DADADA」「大沼ブルーズ」「反町鬼郎」「サリー」「すてきち」などをやったはず。「ライオン」もやったかな。
「DADADA」は2回演奏された。最初の演奏では佐々木彩子が、2回目は室舘綾がヴォーカルを取った。
次から次へとおなじみのメロディが溢れ出す。
前回に新宿ピットインで聴いたときよりも、ポップで壮大なな印象があった。
リズム隊が多くて、重層的な印象だ。
植村のドラムはタイトでかっこいい。大村のドラムあいまって、すっきりしたリズムを繰り出していた。
次々にソロを回して、曲がうねっていく。
それでも片山のブローになると、雰囲気が締まる。
あふれる音の奔流に負けず、片山のテナーが突き進んでいた。
演奏が進むにつれて、温度がどんどん上がっていく。
身体が汗ばみ、クーラーがほとんど効いてなかったな。
この夜は休憩なし。もっとも、休憩しようにも観客は身動き取れないし。
中盤で楽屋側のドアを開けて、空気の入れ替えをしてたくらいかな。
演奏者も「外の方が涼しい・・・」ってぼやいてた。
オーラスは「本田工務店」。それまで腰掛けて演奏していたミュージシャンも、全員立って高らかにテーマを吹き鳴らす。
僕ら観客も、限られたスペースながら身体をゆらせて、全身で渋さを楽しんでいた。
堂々たる演奏が終わっても、拍手はやまない。
不破は冗談で「全員にビールおごったらアンコールするぞ!」って言ってたが、観客の熱意に根負けしたのか、演奏が始まった。
今夜最後の曲は「Pーchan」。音が一つになって、ダンゴでステージから転がってくる。
わくわくしながら演奏を聞いてた。
ソロ回しをしばししたあと、片山のソロに。
ひとしきり片山がワイルドなソロを聴かせたあとに、最近よくやる60年代のソウル・レビュー風のリフになだれ込み、大団円を迎えた。
演奏終了は10:45頃。たっぷり二時間半以上にわたって渋さを堪能できた、すばらしい夜だった。
しかし、ライブハウスから外に出たときには・・・涼しかったなぁ(笑)。