Merzbow Works
Melt(V.A.)(Work in
Progress:1992)
ひょこっとセコハンで見つけたコンピ盤で、詳細は不明。イギリスのレーベルだが、サンプラーかな?
インカ帝国の壁画風なイラストが白黒でかかれたジャケットには、タイトルも何もない。
およそそっけないデザインだ。
参加ミュージシャンも、ぼくの知識不足で詳細が書けません・・・。わかんないことばっかですな。
知ってるのはハナタラシ("2.000 Amplified
sunshine"を提供。すごく音質がこもったどしゃめしゃノイズ)とゲロゲリゲゲゲ("Anal
Beethoven"を収録。なんちゅうタイトルだ。ライブテイクかな?音質最悪だが、スピード感あり)のみ。
あとの参加はイギリスのノイジシャンかなぁ。名前だけ列記します。
Beequeen,Antonym,Another Headache,Master/Slave
Relationship,Lee Ranaldo,:Zoviet-France,Drome,Husk,Whiteslug,Earth
mother fucker,Hydra,Fat Hacker。
お詳しい方、詳細をご教示くださると幸いです。
全般的に重たいノイズが続く。ドローンあり、ループあり。ハーシュ系の曲も、展開よりは同一の雑音をえんえん繰り返すタイプ。
けっこう聴いてて気がめいってくる。
楽しめたのはキラキラきれいなBeequeen、パワフルなハナタラシなどか。
前半でひたすら重たくなった気分を、Earth
mother fuckerが吹き飛ばす曲順には笑ってしまった。
このバンドのみ、本盤では違和感あるコンボ形式のバンドサウンド。
スライドギターを多用して、がなるだけのへたくそなローファイ・バンドだが、ドローン・ノイズてんこもりの後だとポップに聴こえちゃった。
同じことは最後のデスメタルなFat Hackerにも言える。メルツバウの後に聴いたら、まるで歌謡曲みたい。
アルバムとしてはあまり聴くべきところのないコンピ盤かもしれない。個々に挙げたミュージシャンのファン向けか。
肝心のメルツバウは1曲を提供している。
14・Suzunne Erica is Sunohara Yuri(10:20)
この盤のために提供した新曲かは不明です。クレジットはなにもない。
タイトルにも深い意味があるの?うーん、わからない。すいません。
全長67分15曲入りのCDにしては、メルツバウの持ち時間は10分。たっぷり時間を取った別格扱いだ。
サウンドの中心はメタルパーカッションとカットアップか。
ノーリズムで叩きのめされた打音が轟音に塗りつぶされる。
音は加工され、余韻が切り落とされた。
左右のチャンネルを慌しく飛び、細切れに画面が変わるスピード感がよい。
前半は低音成分が少なめなのかな。ときおり不穏に、ぶおんっと鳴るが。
あんがいすんなりと聴いてしまった。
5分を過ぎたところで風景が変わる。
こんどは逆に低音がじわりと染みだしてきた。せわしなくパンで音が飛び交い、ハム音が鈍くうなった。
8分くらいで一面を覆いつくすスペイシーなノイズが好き。
ラストはフェイドアウトで姿を消す。
アイディアをひたすら羅列した感じ。めまぐるしく変わる風景にすがりついて聴くのが爽快だ。
(2003/2/1記)