Merzbow Works
Ikebana (2003:Important)
同レーベルから出たメルツバウの"Amlux"関連盤。さまざまなミュージシャンを呼び、本盤を音素材にした各種作品を詰め込んだ２枚組。
「リミックス盤じゃない。新たな作曲作品なんだ」との宣伝文句が、ＣＤのビニールに貼ってあった。
見開きの紙ジャケで、アナログ盤を思い出すジャケット・デザインを採用した。
招かれたミュージシャンは、多種多様。テクノとノイズ系が多いかな。たとえばアレック・エンパイアやキム・カスコーンといった、メルツバウとコンビを組んだミュージシャン。ATOMやマウス・オブ・マーズといったテクノ・音響系なひととたち。知らない名前も多いや。
日本からはKK
Null、コーネリアスらが参加した。
大雑把に分けて、一枚目がテクノ寄り。二枚目がノイズ寄りの作品を集めたように感じる。
ぼくの好みは、Disc
2。
しょっぱなのNegativelandによる"Actual
Attack"。スネークマン・ショーみたいなアプローチが面白かった。英語が分かったら、面白さが増すだろうな。
秋田昌美も"Looping
Jane"を提供した。"Amlux"ではなく、"Merzbeat"に収録されたテイクみたい。
厳密に聴き比べてはいないが・・・たぶん、同じテイク。ただし音圧は"Ikebana"のほうがある。収録に当たって、レーベルのほうでリマスターしたnのかな。
音圧の違いを楽しむにはいい。Disc２の２曲目なんて、音圧の太さにびっくりしたもの。
ただ、盤としての意外性はあまりない。メルツバウの音響はまったくの素材だから。再構築なゆえに、メルツバウの必然性が薄れてしまう。皮肉なことに。いっそリミックス集のほうが面白いか。
単なる音響ノイズ・コンピとして楽しむべきか。もっともそれぞれのミュージシャンの個性が、本盤から分かるとは言いがたい。好き勝手に作ってるからこそ、センスが見えにくい。 （2005.10記）