今お気に入りのCD(番外編)

CDじゃないけれど、見に行ったライブの感想です。

2000/1/16 吉祥寺 曼荼羅

 出演:渋さ知らズ

 久方ぶりの渋さ知らズのライブだ。
 7:30に開演のはずが30分押してしまい、8:00に演奏がスタート。
 おかげでえんえん待たされて、演奏が始まってもいないのにくたびれました。観客はいつもの通りぎっしり。
 今回のライブでは、幕間(というか休憩時間)に、コントグループのショーがあり。これがまた、シュールな上に笑えない。リハーサル不足をひしひし感じさせ、学芸会並だった。
 僕は前のほうにいたんで座ってみてたけど。渋さの演奏であがってたテンションが切れてダレるわ、久方ぶりの体育すわりで足はしびれるわ。まいったまいった。
 でも、渋さの演奏はばっちり。11時まで、総勢25名近くのメンバーによる大迫力の演奏で、とびきりのステージを聞けた。しばらくは耳鳴り抜けない。
 そういえば、ちょうど一年前も渋さをみたなあ。あの時の僕は、風邪引いてしんどかったっけ。
 今回のステージは、メンバーによるユニゾンの演奏よりも、きっちりソロ回しの演奏を強調してた感あり。
 不破の指揮がますます細かくなってる。前回見たときは、「テーマ1」「テーマ2」「テーマ3」のきっかけを出す、指3本でコントロールしてたもんな。
 ダンドリストの不破は、骨折したのか右手にギプスが痛々しい。そのわりに、右手もしばしば使用してキッカケをメンバーに送ってたけど。
 今回残念なのは、乳房知らずがいなかったこと。ダンスも渋さ知らズの重要なポイントだけに、少々心残り。でも、演奏はとってもアグレッシブ。おなか一杯になるまで、渋さの演奏を聞けて満足の夜だった。

2000/1/29 西荻窪 アケタの店

 出演:明田川庄之

 初の明田川荘之のピアノソロライブ。結論はとても楽しめました。
 なんでも今日、階段を踏み外して右手を痛めたとのことだが、そんなことをまったく感じさせないライブだった。ピアノソロをメインにしつつ、ときおりオカリナを吹き鳴らす。
 明田川の演奏の魅力は、妙にがっこんと引っかかるアクセントをつけた奏法で、日本的なメロディを中心に暖かい演奏を奏でるところ。僕は東京生まれだから実感はないはずなのに。「田舎」をしみじみ感じさせる、架空の故郷への郷愁を味わえる。
 オカリナを吹きながら足でコンクリートの床を踏み鳴らす姿がいかしてる。 明田川は、ピアノを弾くときは興にのるまま「ウィー」って唸りをあげ、足を踏み鳴らす熱演状態。
 30分押しで深夜0時30分から始まったライブ。あっというまに時間がたち、終演時間は深夜2時過ぎでした。
観客は深夜ということもあり10人未満。そんな少人数で聞くのがまことにもったいない、飛び切りのライブでした。
 明田川は月一回、「アケタの店」で深夜ライブを敢行してるらしい。また行こうかな。

2000/2/27 西荻窪 アケタの店

 出演:明田川庄之

今夜は、二度目になる明田川庄之の深夜のソロピアノライブ。
 先月彼のステージを見て最高だったので、今月もカレンダー見て楽しみにしていた。
 この日、僕が引いてた風邪はますますひどくなって、家を出るのもうっとうしかったんたけども。
 来月は行けそうにないので、えいやっと勢いをつけて家をでる。
 ライブハウス「アケタの店」についたら、まだ開演まで十分に時間はあってほっとした。ここでビールを飲んだら眠り込むのが目に見えてるので、コーヒーを飲んで明田川が調律するのをぼんやり見たり、店の中を見回したり。
 今日はなんと最前列。妙にうれしい。

 0時半頃に演奏が開始。お客は全部で6人かな。
 店の中で雑談してた明田川が無造作にピアノに向かったかと思うと、そのまま弾き始めてライブが始まった。
 今日の演奏はアクセントをがしがしに効かせて、ゆったりとしたメロディを聞かせる。冒頭は明田川のオリジナルで、彼独特の日本情緒にあふれたジャズをふんだんに味わえた。
 彼のオカリナもかっこいいことこの上ない。狭いステージだから(失礼!)オカリナの反射音が耳に飛び込んでくる感じ。当然生音。鼓膜がぴりりっと震える感触が気持ちよかった。
 なにより、今日は新しい発見をした。それは彼の足踏み。ピアノの下でもって、スニーカーで「ぽんぽんっ」ってリズムを取るのが聞こえてくる。当然だろう。数メートル前で明田川が弾いてるんだから。
 だけど、この音はマイクじゃ拾えない。だからCDをいくら聞いても、あのビートは味わえない。たん、たん、たん、と足で床を柔らかく踏みながら、上体をゆらして「ウイー、ウウイ〜」と唸りつつピアノを弾くのを、夢中になって聞いていた。
 もっとも僕は無表情で聞いてたからなあ。演奏者から見たら「つまらん客〜」と思われていたんじゃないだろか(^^;)
 少ない観客のこじんまりとした環境で聞けるのはいいんだけども、すぐ目の前でピアノを弾いてるってことは、演奏者からも僕の表情がばっちり見えるんだから。なんか照れくさい(笑)
 プレイに熱中してるから、観客の顔なんていちいち見てないかもしれないけどね。
 さてさて。演奏は続き、ラストは延々フリーな演奏が続いた。明田川は最初は肘打ちで鍵盤を打ち鳴らしていたが、そのうち両手で鍵盤をぶったたく。なんどもなんども激しく鍵盤を叩く。
 聞こえる音は、単純な不協和音のノイズでしかないんだけども。腕を鍵盤に叩きつけるたびに、微妙に違う和音(というのかな?)が聞こえる気がして、かすかなメロディの変化を無理やり聞き取って喜んでいた。
 気がついたら、終演は深夜2時過ぎ。一時間半にわたって楽しんだ、とっても素敵なステージだった。
 で、タクシーで帰宅。よく考えたら、自転車でいける距離かも。ただ寒いからなぁ。暖かくなるまではタクシーかな。

2000/3/29 西荻窪 アケタの店

 出演:明田川庄之「邦楽化試戦」

「今日のライブは「邦楽化試戦」と銘打たれた、邦楽を取り込んだライブ。
 他のメンバーは上野茂都(三味線、唄)、榎本秀一(ts、尺八)、望月英明(b)のカルテット体制だ。
 ジャズの形をとりながら、邦楽の要素を織り込んだ音楽ってのが当日のコンセプトだそう。もともと明田川は、非常に日本的なメロディでジャズを弾くのがうまいから、刺激的なライブを予想してました。

 仕事を何とかケリつけて、いそいそと西荻へ。
 で、ライブハウスについたんだけど。開演7時半から30分押して、8時から演奏スタート。観客は僕を入れて6人。すごくこじんまりした雰囲気だった。もっとも、この店自体、20人も入れば満員になる小さなハコなんだけどね。
 
 演奏が始まって、真っ先に感じたのは。尺八のブレス音が気持ち悪い・・・。ヒューヒューもれる、リードミスみたいに聞こえるブレスノイズが気色悪くて鳥肌立ててました(^^;)。
 最初の曲は「ナウ・ザ・タイム」。 演奏者同士も探りあいって感じで、妙にぎこちない。いまいち音楽にのめりこめない。この夜の演奏がどうなることやらと、ちょっと不安になった。
 
 でも、時間がたつにつれて演奏は尻上がりによくなって。後半は4人がまとまった密度の濃い演奏を聞かせてくれた。
 とはいえ、もうちょっとリハーサルをしたほうがよくなるかも。
 三味線が、終始演奏に遠慮がちに参加していて、歯がゆくなることが何度もあり。榎本は結局tsをメインに吹いてるしね。途中でssと二本吹きで、ローランド・カークを思い出させるプレイがあった。
 ひとりでに本武器だから、同じブレスになって当然だけど、二本のサックスが鳴るタイミングがびったリ合っていて、一人二重奏状態。
 同時吹きって気持ちいい音になるなあ、と聞いてました。
 尺八は、最後までブレスノイズに慣れなくて気色悪かったけども、後半は多少、音が鳴り始めてホッとした。

 間に休憩を鋏むものの、8時から演奏が始まって、終わったのが10時半過ぎ。結構楽しめたライブでした。

 さ、次の明田川のライブもある。4/1(土)の深夜ライブに4/6(木)はまたカルテット。今度は純粋なジャズかな。立て続けにライブがあって、来週は楽しみだ。しかも4/29はこのアケタの店に吉田達也が出演する♪楽しみだ〜。

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