Guided by Voices
"Strong Lion" Robert Pollard (2005:Must Destroy Music)
Producer:Todd Tobias
アルバム"From A Compound Eye"の先行シングル・カット。英Must Destroy Musicから、イギリスのみで発売された。7インチ・アナログは2曲入り、CDシングルでさらに(3)が追加された。(2)と(3)がCD未収録、本シングルのみで聴ける。
クレジットは無いが、"From A Compound
Eye"から類推するに、ボブとトッドで録音してる。
切なく甘酸っぱい曲が並ぶ、意外に聴き逃せない盤だ。
<全曲紹介>
1. I'm A Strong
Lion
バンド・アレンジでシンセのリフが印象的なバンド・サウンド。ちょっとドタバタ気味にリズム隊が畳み掛ける。メロディアスなベースが盛り上がる。
といいつつ、1分あまりの小品。コーラスを繰り返せば、もっと華やかに仕立てることは可能だが、敢えて一筆書きで整えた。
サビのフレーズが甘さを保ちつつ、軽やかにポオンとメロディを放り投げる。キャッチーな良い曲。背後でジェットマシーンみたいな加工音を置き、スピードを演出した。
2. Breadcrumbs For The Whales
アコギの弾き語り。いや、もう一本ギター足してるかな。デモっぽい仕上がりだが、4分弱のきっちり長い作品。
メドレー構成。最初にインストのアルペジオ風旋律が流れる。そしてぐっと沈んだ音質で、密やかなアコギ・ソロ。探るように和音をつなげる。
最後は二番目のパターンへエコーをうっすらかけた、ボブの歌が乗る。浮遊する酩酊ムードを誘った。なんか詰まった和音とメロディ使いだ。
さらにストロークが調子っぱずれに響き、穏やかなメロディを伴奏する。もっとシンプルにポップな仕上がりもいけそうだが、敢えて奇妙な空気を作った。
これはボブのソロ録音かもしれない。エンディングも妙に中途半端。面白いけどね。
3.
Inchworm Parade
これもアコギの弾き語り。良い曲だ。素朴なギターと対照的に、メロディは力を持つ。
甘酸っぱいボブ節を味わえる。ぐいぐいと曲をドライブさせた。ダイナミクスは曲構造をあまり考えず、気分でふらつく。デモさが否応にも増す。だが、良い曲だ。
最後にカズーっぽいリフレインが加わった。このフレーズ、イントロに置いたら曲が締まったろうに。あまり気にしないあたり、ボブだなあ。