Guided
by Voices
"Camera Found The Ray Gun" Boston Spaceships
(2009:Guided By Voices
Inc.)
Bass,Guitar,Keyboards - Chris
Slusarenko
Drums And Percussion - John Moen
Vocals - Robert
Pollard
ボブのお家芸、EPの発表。GbVからボブは頻繁にEPを発表する。アルバム・リリースとは別の一里塚とEPを捉えてるかのよう。
本盤は２曲の新曲に２曲の自己カバーと中途半端な構成だが、サウンドそのものはバンド・サウンドを追求した。Bostonのキャリア的にはおまけの位置づけながら、スナップ・ショットのように瞬間を切り取った勢いがある。クリスが演奏、ボーカルだけトッドのエンジニアリングで録音という、Boston風の政策スタイルながら。
ボリューム的には同時に５００枚限定で切られた７"一枚に入るスペース。
二分半の曲で１分４５秒程度の２曲をはさんだサンドイッチでシンメトリーな構成をとった。
＜全曲感想＞
1. The Way Out
威勢のいいロック。この曲をリリースしたくて強引に製作した盤、かな。ギターが唸り、さらにオブリでギターを重ねてる。メロディは控えめながらベースもしっかり存在感有り。
シンプルなメロディで押していく。そしてするりとスペイシーにフェイド・アウト。
2. Rival GT
テイストは全曲の続きみたいな曲。フェイドイン気味に始まる。テンポ感も全曲の続き、いくぶんローファイな録音だ。中盤で急にテンポを落し混沌に向かうあたり、セッションめいてる。
実際の録音はクリスの多重録音であり、しっかり計算されてるが。
ボブの一筆書き作曲が全開。
3. Pluto Is Polluted [Different Version]
95年にマタドールが発表したプロモ用カセット"The Flying Party Is Here!"に収録曲（ぼくは未聴）の、別テイク。なお"Suitcase 3"（2009）には1994年録音という、GbV名義でのアコースティックver.も発表されている。
拍頭で上下するベースに、歌がまとわりついている。やっつけな楽曲だが奇妙にバンドとして成立してる。
4. Aquarian Hovercraft [Different Version]
これも同様に"Suitcase
3"（2009）の1994年GbV名義で録音のアコースティックver.で既発の曲。Bostonの名で直後に発売の"Suitcase
3"の宣伝も兼ねたって、うがった見方をしたくなる。ここで別テイクを使うあたり、ファンサービスなりマニア心なりをボブは心得ているが。
ざくざくしたロック。リフはベースとドラムが一体で疾走した。これも中盤で急にバラードに変わる、ボブらしいとっ散らかった楽曲だ。