Guided by Voices
"Music for Bubble" Robert Pollard (2005:In the Fading Captain Series)
All
songs written by Robert Pollard
Produced by Todd Tobias
Recorded at
Waterloo Sound Kent,Ohio
Robert Pollard : g & vo
Todd Tobias : ds,b,g &
key
同年発売のソロ"Zoom"に続き、立て続けにリリースされた。
2005年の米映画"Bubble"(監督:スティーヴン・ソダーバーグ)のサントラEP盤。監督がオハイオの出身らしく、その縁で起こったプロジェクトか。
トッド・トビアスをパートナーに、さくっと作成された。
内容は正直、いまいち。ファン向けだろう。重たい曲が多く、いまひとつ爽快感がない。もどかしさが残る。
映画を視ていないが、そのものがシリアスな内容なのかな。
音の抜けは今ひとつ。ボリューム上げると輪郭がくっきりする。特筆すべきはノイズの無さか。きちんと録音されててびっくり。
サントラのため、気を使ったってことか。
<全曲紹介>
1.All Men Are Freezing
薄くシンセを裏にかぶせた、沈み気味のロック。ハイハットのリズムがちょっとモタって聴こえる。
この曲に限らないが、リズムがとにかくたるい。もうちょいBPMを上げたら、爽快になったはず。
ボーカルの旋律は悪くない。コード進行がくるくる変わる展開もきれいだ。
コンボのアレンジもギターのストロークを中心に、ベースが押すアレンジも効いてる。
惜しむらくはリズム。うーむ。
2.747 Ego
これもリズムが遅い。シンバルにちょっとエフェクトかけてるみたい。
倍くらいテンポ上げたら、かっこいいロックンロールになってた曲。
こもり気味の音質で、ロバートは声を張り上げる。
ときおり入るハーモニーのラインもシャープで効果的。
曲そのものは、2分足らずであっけなく終ってしまう。
3.Boxing About
サントラらしい曲だね。急に風景が開け、爽やかなアコギのストロークがえんえん続く。
コード進行がきれいに移り、いつメロディが乗るだろう・・・と最初はワクワクしてしまった。
ベースが足元を固めるようにギターのラインをなぞり、後ろでキーボード(かな?)の低音が響き続ける。これで世界観が安定かつ広がった。
あくまでサントラとして聴くなら、爽やかで良い。
4.Searchlight Pick-Ups
やはりインスト曲。前曲よりもキーボードをくっきり配置し、明るい舞台を作った。
シンバルを拍頭で連打する賑やさと、タム+アコギの一歩引いた音像を混ぜる。
ボーカルが欲しい、と痛切に思う。でもウキウキする曲のムードは悪くない。一分半ほどの小品。
5.I'm No Child
本盤のベスト曲。ロバートのメロディ・センスが炸裂した。これもテンポを倍近くしてピッチを揃えたら、とびっきりのロックになってたはず。
前曲とは対照的に、ずるずる引きずるシンバルが惜しいな。
ロバートの歌は微妙に調子外れなのは故意だろうか。
前曲での爽やかアコギ路線をアレンジに織り込んだ。バスドラのさりげない響きが心地よい。
音楽作成そのものにソダーバーグ監督がどの程度関与したかは分からない。でも、作成そのものはロバートが好き勝手やったんじゃないかな。
アレンジは細かく詰めてるが、アイディア一発で作ったような曲。
6.747 Ego (Oh Yeah)
(2)のリプライズか。雰囲気はあまり変わらず、ルーズに続く。2曲入ったってことは、これがメインテーマなの?
ダブル・ボーカルをふんだんに使い、ディストーションを効かせたギターのオブリを横へ配す。
ヘヴィなロックとなってもおかしくないが、酔いどれ風味のほうが強い。
へろへろなリズムと、起伏の薄い平らなミックスのせいか。ベースの音はきれいで好き。