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のんびりてきとー日記です。 ちなみに過去の日記はこっちです。

Sun RA i-tunesプロジェクト(その4)
さらに文字数制限で切れた。これで終わり。


Atlantis (1969)
 i-tunesで"Yucatan II"がボートラとあるが、LPに未収なだけでEvidence再発時代の復刻音源と同一かもしれない。あとは別に新規の売りは無さそう。
 両面とも67〜9年のリハーサル音源をまとめた。A面が20分程度で5曲に分かれ、B面が1曲22分の大作。つまりアプローチは"The Magic City"と似てる。本盤は幾分リズミックで、アフリカっぽさやファンクネスをうっすら漂わす。ただし、うっすら。
 聴きとおすには、かなりの集中力が必要だ。むしろぼんやりと聴き流す盤かも。
 ぼくは本盤より"The Magic City"を押す。しかし本盤のほうが展開は派手で、むしろとっつきやすい。

Astro Black (1972)
 未聴。i-tunes再発は曲順がLPと変わってる。ボートラは・・・なしかな?

Universe in Blue (1972)
 未聴。i-tunes再発の売りは、23分のライブ音源"Calling planet earth"がボートラ。数曲がステレオ化のようだ。

後半で未聴盤が続いて蛇尾なわりに長くなったが、今回再発の各盤の概要はこんな感じ。新規再発と、ボートラ狙いで何枚か買うってパターンか。
2014年05月24日 18時48分12秒
Sun RA i-tunesプロジェクト(その3)
文字数制限で切れた。さらに続き。

We Travel the Spaceways (1967)
 i-tunes再発での差異点は見当たらず。
 56-60年までの各音源をまとめた。サターンには良く、このパターンがある。裏には膨大な未発表音源が眠ってたのでは。全てがラーのオリジナル曲。本盤では新味を出さずに、過去の集大成って色合いもありそう。
 不安を漂わすリズムやムードは、アーケストラ流の洗練を見せている。この盤も入門に良い。肝心の演奏に、もうちょいパンチが欲しい。とぼけた味わい、とも言えるが。
 ポリリズム的な展開はサン・ラの意図か、わからない。単にずれてるのかも。

Fate in a Pleasant Mood (1965)
 i-tunes化で"Lights on a Satellite"のシングル・テイクを収録。今回が初デジタル再発かな?本盤は未聴でコメントできず。
 
Holiday for Soul Dance (1970)
 i-tunes再発での差異点は見当たらず。
 前述の"Sound Sun Pleasure"同様にスタンダード集。スペイシーな独自路線にドップリな一方で、強烈ポピュラー路線を離さぬバランス感覚が、サン・ラーにはある。ただしあえてサン・ラーの耳ざわり良い盤を聴きたいかって点もあるけど。
 整った演奏で、破綻は全く無し。それこそ小粋なBGMにも使える。逆にエンターテイナー路線でも活躍できるのに、混沌フリーに突入の道を選ぶのがサン・ラーの業か。 

Bad and Beautiful (1972)
 発売は72年だが録音は61年。サターン原盤で2年後にインパルスから再発された。i-tunes化にあたりボートラ1曲あり。スタンダードと自作の混在だが、うまくサン・ラ色に染まってる。こういうほうが好み。
 顔ぶれは曲によって違うが、ほぼコンボの編成。アプローチは小細工やでたらめで色を変えない。音色やアレンジの風景で独自性を出す。論法がエリントンと似てるかも。全体でエコー成分を増し、浮遊感を演出した。
 小品だが悪くないアルバムだ。とはいえ時代面では、サウンドそのものは古臭い。既にサン・ラはトレンドと別路線を走っていた。

The Invisible Shield (1974)
 i-tunes再発で完全版1曲、ボートラ1曲、ステレオ化4曲と盛りだくさん。
 本盤は未聴で、コメントできず。A面が自作曲とスタンダードの混在で62年の録音。B面が70年のライブで自作曲と、バランス良くサン・ラ−の多様さを表現か。

When Sun Comes Out (1963)
 こちらもi-tunes再発には"完全版"が2曲、ボートラ1曲、ステレオ版4曲。アルバムとしては自作曲を並べている。
 本盤は未聴で、コメントできず。なんだ、このへん聴き洩らしてたのか。

Cosmic Tones for Mental Therapy (1967)
 i-tunes再発でボートラ1曲あり。
 どっぷりフリー寄り。63年の録音で全曲がサン・ラーの自作。エコー満載のパーカッションが延々続くあたり、いかにもなムードだ。サイケにも取れるアプローチだな。
 少々単調な場面もあるが、サン・ラの方向性が見事に昇華された一枚。一定ビートと夢幻を混ぜ、ひたすら続くソロが漆黒の闇に包まれた宇宙を表現する。
 じわじわと良さが伝わってくる、代表作ともう。

Monorails and Satellites, Vol. 1 (1968)
 ボートラ6曲と派手なi-tunes再発だ。
 本盤は未聴で、コメントできず。うわ、これも既聴と思ってた。けっこう聴き漏らしだな。

Other Planes of There (1966)
 i-tunes化の変化点は無さそう。フリー寄りでどちらの面も20分以上と長尺だ。管が9人にドラムが二人。クレジットは大編成なのに、最初は音数が少ない。
 フリーキーな木管のソロが幕開けと、ある意味まっとうにフリー。無造作に音を出し合ってるようで、いまいちハマれない。カタルシスの無い展開のアイディアは面白い。

The Magic City (1966)
 i-tunes化で4曲中3曲にステレオ表記が付いた。代表作だと思う。繰り返し聞きたくなる盤じゃないが。
 A面は65年のリハーサル音源で、27分半もの長尺。良く言えば混沌フリーで、サン・ラ独自世界と解釈したら楽しめる。とはいえ練習の垂れ流しでは無い。セッションじゃないかな。
 B面は65年NYのライブ音源。アーケストラのクレジットは10人、他に打楽器奏者がいたらしい。こちらは3曲、トータル18分。アプローチはA面と変わらない。ビート性が薄いため、とっつき悪い。しかし本作みたいに訳が分からないサウンドこそが、ぼくにはサン・ラなイメージだ。

Strange Strings (1967)
 i-tunes化で3曲のボートラと派手な再発だ。だがディスコグラフィに記載の、CD再発時ボートラ"Door Squeak"は、今回i-tunes再発だと収録無い。ややこしいな。
 本盤は未聴で、コメントできず。
2014年05月24日 18時47分27秒
Sun RA i-tunesプロジェクト(その2)
続き。サン・ラの今回i-tunes再発アルバムに、ボートラの有無などを整理した。なおi-tunesの音源はすべて未聴。デジタル配信はつい「いつでも買えるや。後でいいや」となってしまう。
 
しかし今回再発でステレオ化って何だろ。アナログ・マスターからリマスターとあるが、当時にモノとステレオの2テイク録ったの?タイム表記見る限り、今回ステレオ化音源は、モノと同テイクっぽい。4chなりのマルチがあって、左右に振ったってこと?

Supersonic Jazz (1957)
 i-tunes再発でレア音源は無い。
 スピーディでも、どこかまったり。混沌はうっすら、手探りっぽい。ただしフリーな場面も耳ざわり良いフレーズが多く、入門編に良いかも。
 コンボ編成だが妙に大編成で聴こえる。クレジットを信用すれば、既にエレべをアンサンブルに導入曲もあり。サン・ラのエレピ・ソロな1曲は、鍵盤と戯れてるかのよう。
 ロマンティックなバラード(6)を聴くたび"ムーンライト・セレナーデ"を連想する。バラエティに富む(ぶっちゃけ)ごった煮の盤。

Sun Ra Visits Planet Earth (1958)
 "Planet Earth"のステレオ音源、がi-tuens再発の売りかな。
 B面は本盤はのちに"Sound of Joy"(1968)へ再利用された。A面は5分程度が3曲とコンパクトな構成だ。Evidence再発CDでは曲順やA面B面順が改編された。
 サウンドは心地よい。テンポは緩め。ほんわかエキゾティックで胡散臭い金物Perに載ってソロが回る。ぼくは好き。いやはや、つかみどころ無い。何も考えてないのかも。 
 アンサンブルはテーマやリフを挿入、譜面とフリーの分岐点を想像し聴きいるのも楽しい。
 書き忘れたがMarshall AllenやJohn Gilmore、Pat Patrickといったアーケストラ重要メンバーは既に参加している。

Angels and Demons At Play (1965)
 i-tunes再発でレア音源は無い。
 50年代と60年代の録音を混ぜた編集盤。(1)から妙にズレた金物を打つ、ユルいビートに挫けるが、根本はグルーヴィ。へんてこな気分を楽しめる。
 A面はがっつりフリー寄り。生ヌルかっこいい。B面はスイング寄り。威勢は良いが、ちょい上滑り。

Interstellar Low Ways (1966)
 タイトル曲のステレオ音源、がi-tuens再発の売り?この盤もお薦め。
 "宇宙"志向でアッパーなスイングが楽しめる一枚。アレンジはオーソドックスなコンボ編成なのに、妙に飛んで聴こえるのは何故だろう。二拍子ノリのアンサンブルとドラムのスイング感が微妙に揺らぐ。
 曲によって参加メンバー違うので、複数セッションをまとめた盤かも。すべて自作曲、ラーのコンセプトは固まり、焦点は合ってきた。B面はがっつりハード・バップ。黒く粘っこく迫る。

Jazz in Silhouette (1959)
 数曲に記載された"ステレオ音源"、がi-tuens再発の売りみたい。
 管が7人の大編成で、58年末のスタジオ音源。ラーの自作がほとんどだが、Hours After (E.J. Turner) を取り上げた。E.J. Turnerって誰だろう。
 うっすらスペイシーで、すっきり制御されたアンサンブルはビッグバンド風の痛快さだ。見通し良くイキがいい。11分もの最終曲は、ハード・バップとスイングをつなぐようなジャズを聴かせた。それにしても"Saturn"は名曲。大好き。

Nubians of Plutonia (1966)
 i-tune再発で4曲のボートラを投入した。当時のアウトテイク?
 いわば暗黒面にスポットを当てた。最初に手を伸ばすアルバムではない。
 58-59年に各地のライブ音源から抽出して、薄暗く奇妙に胡散臭い世界が広がる。サン・ラはさほど目立たず、フロントのホーン隊がじっくりソロを取った。
 ときおりアンサンブルがとっ散らかっても構わず収録なあたり、選曲基準は不明だ。単調でテンポも粘っこいし。当時、どれくらい観客は盛り上がったのやら。
 サン・ラは"Nubia"で長いソロを取る。まるでドラムと対話のように。
 
Sound Sun Pleasure (1970)
 i-tunes再発での差異点は見当たらず。
 今までの独自路線と一転して、スタンダード集。洗練されたアンサンブルは、アーケストラの着実な実力を十二分にうかがわせる。サン・ラを聴くのに敢えて本盤を選ぶ必然性は無いが、スイング感あふれる演奏は悪くない。
 ときどきソロのフレーズに、妙なフリーっぷりが滲むのがアーケストラの真骨頂か。
2014年05月24日 18時46分14秒
Sun RA i-tunesプロジェクト
生誕100周年を寿いで、再発プロジェクトがi-tunesで始まった。http://www.waxpoetics.jp/online_exclusive/article/531/
専用リマスターでアナログ・マスターを24ビット変換と音質向上も売り。さらに初ステレオ音源や既発曲の未編集など、初回リリースもあるらしい。
膨大なリリースを誇るサン・ラだけに、かさばらないデジタルリリースは、ある意味良いかも。ただしジャケットの愉しみ無いのは否めないが。

サン・ラの名前知ったのは、たぶん88年頃。P-Funkの解説文で、じゃないかな。当時を知る人はお分かりのように、CD化の端境期でレコード屋でまともに音源を置いてない。
"Reflections in Blue"(1987)くらいかな、良く見かけたのは。だが本盤はフュージョン・スイングみたいな印象を受け、あまりピンとこなかった。
88年に初来日をしたが、当時はライブに行く習慣が無くて聴きそびれ。

もっと前衛のサン・ラを求めつつも音盤が手に入らぬ日々が続く。ようやく手軽に聴けたのが92年頃。Evidenceが2in1も混ぜて、サターン音源をどどっと再発した。
今度は盤が多すぎてイメージがつかめない。多すぎても少なすぎても難しい。

サン・ラのキーワードはスイングとフリー。大編成のアーケストラが最も目立つイメージだが、音だけでは祝祭空間的な開放感はあまり無い。聴き手の盛り上げより、もっと内省っぽい。ライブ会場では知らないが。
フリーだけじゃ、アメリカのクラブ・ツアー興行が成り立たぬ。そこでサン・ラにとって血肉なスイング。このフリーとスイングを行き来でライブを組み立てたのでは。

ライブ先で録音した音源をLP化しツアー中に販売、維持費を稼いだと伝えられる。さらに自らの音源をツアーの販促グッズと捉え、コレクション性を煽る。この販売戦略観点において、ビジネスの先鋭性をサン・ラは持っていた。大儲けかは知らんけど。

さて、今回i-tunes再発音源21枚をざっと整理してみた。サン・ラのデータには、こちらを参照した。http://www.the-temple.net/sunradisco/
今回はAstro Black (1972) と Universe in Blue (1972) が初のデジタル再発じゃなかろうか。アルファベットが当時のEvidence再発。それ以外の2枚は過去にCD再発あり、
レア音源含む盤が多数。マニアックに攻める再発だのう。

長くなったので今回はここまで。この項は次回へ続く(たぶん)。

<今回再発盤リスト>
(a) Supersonic Jazz (1957)
(b) Sun Ra Visits Planet Earth (1958)
(c) Angels and Demons At Play (1965)
(b) Interstellar Low Ways (1966)
(d) Jazz in Silhouette (1959)
(c) Nubians of Plutonia (1966)
(e) Sound Sun Pleasure (1970)
(f) We Travel the Spaceways (1967)
(g) Fate in a Pleasant Mood (1965)
(h) Holiday for Soul Dance (1970)
(g) Bad and Beautiful (1972)
  The Invisible Shield (1974) [99年,Music]
(h) When Sun Comes Out (1963)
(i) Cosmic Tones for Mental Therapy (1967)
(j) Monorails and Satellites, Vol. 1 (1968)
  Other Planes of There (1966)
(k) The Magic City (1966)
  Strange Strings (1967) [07年,Atavistc]
(l) Atlantis (1969)
  Astro Black (1972) 【初再発】
  Universe in Blue (1972) 【初再発】
2014年05月24日 11時41分50秒
【妄想Setlist】ポール公演
結局ポールの来日公演は全部、流れちゃいました。さすがにチケット代が高くて買う気になれず。だが前回から間をおかず来日なだけに、セットリストは凄く興味あり。

思えば前回来日の時「ドームは広い。もっと狭くていい。そのかわりセットリストを珍しくしてほしい。10万でも出すぞ」と、感想浮かんだ気がする。
実際の「チケット代10万」には、手が出せなかったチキンではありますが。

さて、ならばどんなセットリストなら・・・と妄想したのが以下のとおり。

ステージの様子としては、飾りっけのない舞台へ"Frozen Jap"を日本人サービスのつもりでBGMに流しながらステージへ登場したポール。

思い切り古い曲から初めて、あまりヒットしなかった数曲のあとでMCに曰く、「もう歳だからね。今日はのんびりやるよ」と。
アコースティック・セットに突入して、小品やバラードを並べ立てる。
「こんな曲を知ってるかい?」ってMCで(12)やったりも。

(17)からじわじわバンド編成で盛り上げはじめ、新譜から立て続けに演奏したりね。「今の一押しだよ。PV見たかい?」と、(21)をやったりしてさ。
「季節外れだけどね」と前置きして(22)、そして(23)は粋でハードなバンド・アレンジに変え、ダイナミックに(24)で歌い上げる。

「あと何回、日本に来れるかな」と呟き、クライマックスは(25)。バンドのソロ回しもがっつりと決めた。
そして最後にポールだけが残り、キーボードで静かに(26)で締める。

・・・そんなライブだったら、いいなあ。以上、妄想でした。

【妄想セットリスト】
1."Frozen Jap"    [McCartney II ]
2."Too Many People"    [Ram]
3."Looking For Changes"    [Off The Ground ]
4."Press"    [Press to Play]
5."Every Night"    [McCartney ]
6."One Of These Days"    [McCartney II ]
7."Waterfalls"    [McCartney II ]
8."Calico Skies"    [Flaming Pie ]
9."Jenny Wren"    [Chaos And Creation In The Backyard ]
10."Dear Boy"    [Ram]
11."I Do"    [Driving Rain ]
12."Same Love"    [Beautiful Night II ]
13."So Bad"    [Pipes of Peace]
14."When The Night"    [Red Rose Speedway]
15."Tug Of War"    [Tug Of War ]
16."Put It There"    [Flowers in the Dirt ]
17."Pipes of Peace"    [Pipes of Peace]
18."On My Way To Work"    [NEW ]
19."Young Boy"    [Flaming Pie ]
20."Queenie Eye"    [NEW ]
21."Appreciate"    [NEW ]
22."Wonderful Christmastime"    [Back To The Egg]
23."Take It Away"    [Tug Of War ]
24."This One"    [Flowers in the Dirt ]
25."No More Lonely Nights"    [All The Best! ]
26."Souvenir"    [Flaming Pie ]
2014年05月20日 22時48分36秒
復活の機会だー
朝食の時、何の気なしにテレビ見てたら仮面ライダー最新作をやっていた。今日のサブ・タイトルが「赤と青のキカイダー」とか、そんな感じ。「おいおい、どんなパチモンだ?。いくら石ノ森章太郎原作だからって、好き放題かよ」と、ツッコミ入れるつもりで何となく見ていた。

そしたらゲストキャラの名前はジロー。画面にちらり映る、赤と青のツートン。悪玉で出てきたハカイダー。リブートしたらキカイダー。悪役はダーク。
最後に爪弾くのは、やっぱり「ジローのテーマ」。エレキギター持つのが、時代の変遷か。

何でいまさらキカイダー?と思ったら。今月にリバイバル映画が封切られるのね。仮面ライダー顧客引き込みのストーリー・ミックスか。
人造人間キカイダーの本放送は72〜73年。ぼくは物心つく少々前で、リアルタイムじゃない。いま、50歳前後の人がリアルタイムかな。もし改めて見に行くならば、スパイダーマンやゴジラを見に行くのと、同じ発想かもしれないな。
2014年05月18日 08時46分57秒
2014達郎セットリスト(妄想)
達郎の14年ライブ概要が発表された。テーマは"マニアック"。ライブハウスをイメージして、普段のツアーで演奏されぬ曲へスポット当てたライブという。
よって本数もグッと減らし、わずか14都市29公演。ファンクラブ枠でもチケット取れるか危ういところ。

達郎はドラマーやサックスを世代交代させ、08年ごろからコンスタントに毎年ツアーしている。整理してみたが、定番曲以外は実に見事にガラガラと毎年に曲を入れ替えてきた。しかしそれでも、ずっとライブで演奏されてない曲がある。

ということで今回ツアーのセットリストを想像してみた。ちょっとぎこちない選曲の流れで、しばらく真剣に曲順を考える。
だけど、別にぼくは達郎じゃないし。細かく考えるのは止めた。

ポイントは1曲目と2曲目。(1)は80年代後半からライブでやってないはず。(2)はライブで一度もやってないはず。(2)は定番の"Sparkle"に変わって、ライブ冒頭を盛り上げる良い曲だと思うがな。

*印は、ここ6年位のライブで未演奏の曲。アカペラやカバーのコーナーは考えてもきりないので割愛。どっちみち達郎3時間ライブなら、もう3〜4曲は曲が多いはず。

さて、何曲くらい当たるかな。今年末には、答えが出る。

<妄想セットリスト>
*1.ポケット・ミュージック
*2.氷のマニキュア
*3.踊ろよ、フィッシュ
*4.あまく危険な香り
*5.RAINY WALK
*6.マーマレイド・グッドバイ
*7.風の回廊
*8.悲しみのJody
*9.Darlin'
10.The Theme From Big Wave
*11.Only With You
*12.I Love You . . . Part1
13.MUSIC BOOK
*14.MORNING GLORY
*15.雨の女王
*16.夏の陽
*17.ターナーの汽罐車-Turner's Steamroller-
18.LET'S DANCE BABY
19.LOVELAND, ISLAND
E1.Christmas Eve
E2.Ride on Time
E3.いつか晴れた日に
E4.Your Eyes
2014年05月14日 21時52分53秒
俳句の愉しみ
「これが名句だ!」小林恭二:著(2014:KADOKAWA)を読む。
03年から11年まで雑誌「俳句研究」に連載エッセイを単行本へまとめたもので、「この俳句がスゴい! 」(2012)に続く書籍化となる。

著者曰く「俳句は若い時にはじめないと"俳句勘"が培われない」。10代後半が望ましく、中村草田男のように27歳から句をひねり始めたのは「異様に遅い」という。
俳句って年寄りがひねるイメージあったから、この発想は新鮮だった。

本書で語られる俳人の中に寺山修司があって、手に取った。彼の展示で見た句は、どこか鮮烈だ・・・と印象深かったため。もっとも本書によると俳句業界にて、寺山は盗作で有名らしい。知らんかった。それはそれとして、の評価もあるらしいが。

俳句自身はさほど興味無いが、本書の著者な小林恭二の語り口は非常に面白い。
「ゼウスガーデン衰亡史」(1987)にて筒井康隆の文脈で絶大な評価を得たが、その後に小説はさほど発表されず残念。

だが俳句の本はちょこちょこと上梓してる。どれも面白いんだ。作家ならではの描写と、そこはかとなく漂うユーモアに惹かれて文字を追う。
文章の合間にさりげなく俳句の決まりや詠みどころの説明がまぶされて、気が付けば俳句の読み解きが、がぜん面白くなっている。学生時代に読みたかったよな。

Wikipediaより俳句関係の著者の書籍を以下に、抜粋してみた。
お薦めは「俳句という遊び」(1991)。句会をドキュメントタッチで描いた新書で、いわゆるプロの俳人らが、俳句でどんなふうに"遊ぶ"か伝わってくる。

<著者の俳句関連書>
実用青春俳句講座 福武書店、1988 
俳句という遊び 岩波新書、1991
春歌 小林恭二初期句集 リブロポート、1991(ぼくは未読)
俳句という愉しみ 岩波新書 1995
猿蓑倶楽部 激闘!ひとり句会 朝日新聞社 1995
短歌パラダイス 岩波新書、1997
この俳句がスゴい! 角川学芸出版、2012 (ぼくは未読)
2014年05月05日 20時35分19秒
ザ・ムーヴ 解散
地震で目が覚めてしまった。あれ以来、ある程度大きい地震はナーバスになる。今日はGW中だし何となく寝直す気になれず、そのままネットを見ていた。そう、地震速報見るのにテレビでなくPCをつけてしまう。情報を受けるより追うほうが、多くの情報入る気がして。

すると「ザ・ムーヴ 解散」のニュースがあり。http://amass.jp/39259
へえ、良く似たバンド名があるもんだ、と思えばあのバンド。まだ活動してたんかい、と思いきや、04年再活動を改めて休止という。

ザ・ムーヴはロイ・ウッド(ウィザード)やジェフ・リン(ELO)を擁したこのバンド、もう一人のキーマン、ベヴ・ベヴァン(ELO)を中心に再活動してたという。
オリジナル・アルバムはおそらく以下の4枚。やっぱ「04年に再活動」と言われてもピンとこないな。

[Discography]http://www.discogs.com/artist/21923-Move-The
The Move(1968)
Looking on(1970)
Shazam(1970)
Message From the Country(1971)
 
上で言う1stと3rdの2on1が、たしか80年代の末に再発。英ソフトロックの文脈でよく聴いた。ジャランと鳴るギターは時代を感じるが、カラッと爽やかな感じが良い。もっとも僕が印象に残ってる3曲は、どれも1st収録曲。

"(Here we go round) the lemon tree"
キャッチーなリフと平歌から瑞々しい旋律が魅力。キラキラするアルペジオのフレーズに誘われるサビのフレーズが強烈に脳裏に残る。

"Flowers in the Rain"
全英2位のシングル曲(上のLemon TreeがB面)。これもサビのフレーズが印象深い。
淡々と静謐に語りかけるさまが若々しさと哲学的な落ち着きの双方を持ち、とても好きな曲。
"I'm just sittin & watchin flowers in the rain"って歌詞がすごく好き。今でも時々、ふと脳裏をよぎる。

"Fire Brigade"
全英3位のシングル。これもサビのスピード感が良い。清涼感ある勇ましさで、消防隊というより科学特捜隊を連想してしまう。今の耳だと演奏が若干ドタバタだが、次々にギミックやキメを繰り出すアレンジのセンスが素晴らしい。ハーモニーも細かいね。

もう7時か。寝なおす時間じゃないなあ。
2014年05月05日 06時51分45秒
クラシックの闇と奥
"チャイコフスキー・コンクール"中村紘子(2012:新潮文庫)を読む。
原本は88年刊行、文庫化にあたり90年のエッセイを加えた。

原本の内容は著者が審査員として参加した、86年チャイコフスキー・コンクールの悲喜劇を描いたもの。中盤で参加者の演奏評価メモが続き少々めげるが、前半と後半のクラシック文化社会を分析した箇所は、非常に興味深い。

異文化を評することのむずかしさと、そもそも「良い表現とは何か」について色々と考えさせられる。ミス無しは前提のはず、なのに。本書では「コンピュータ・ピアニスト」と評され好奇心が先に立つ、審査員の様子が描かれる。
テクニカルは前提としても「美しく表現している」ことが重要だ。ならば、なにが"美しい"のか。本書では究極のところ、審査員の美学が基本となっている。

ふと、昨日見たMay J.とサラ・オレインの対決を思い出した。
ピッチが合って当然。そこへしゃくりやビブラートやこぶしをいかに入れるか、で祭典が行われていた。最近のカラオケ点数って、ああなのか。
ゲームとしてピッチ当て評価は愉快だが、"歌唱対決"なら審査員の主観バリバリで良いじゃん、と思ってた。

その一方で主観による美学は、部外者への排他感を否めない。
15年くらい前かな。小さなホールで日本人奏者のクラシック聴いたときのこと。ロビーでの観客たちが醸し出す空気感に、胸が締め付けられる居たたまれなさを感じた。
たぶん奏者の知り合いや身内同士の会話だろう。盛大に盛り上がってるが、楽しげに話している会話は、恐ろしくサロン的。気軽にふらっと行った身では、身の置き所が無い。
ロビーにいて寛げないって、なんなんだ。そそくさと逃げ帰った気がする。今のクラシックコンサート会場の雰囲気は、もうちょいオープンになってるかなあ。

話がそれた。日本人にとって異文化であるチャイコフスキーを聴く耳は、明らかにロシア人と異なるだろう。しかし本書を読む限りロシア人の美学が全て正しいとは到底思えない。
聴きたいように聴けばいい、とまとめたら身もふたもないけれど。

今のBGM:J.S Bach"Inventions & Sinfonias, BWV 772-801" Gustav Leonhardt(Cembalo)
 この音源は60枚組のバロック廉価版ボックスで手に入れた。クレジットのPDF入ったCD-Rがどこかへ行ってしまい、録音年は分からない。
 バッハの時代にピアノは当然ないが、最初にこの音源を聴いたときは自分の耳に違和感あった。ハープシコードの平板な響きなのに、なんでグッとくるのかサッパリで。ピアノよりハープシコードの演奏が良いかも、と思ったのはこのときが初めてだった。本来、逆だよ。
 奏者であるレオンハルトの名声も後追い、聴いた後にwikiで検索して知った。

 微妙なフレーズの揺らしが特徴、らしい。バッハの生演奏を聴くことはもちろんかなわない。この切なさが「当時、正しい」演奏なのかは知らん。今聴いて、心に響けばいい。
とはいえいまさらレオンハルトを聴くのは懐古趣味か。今の奏者の解釈を聴き、胸を震わせねばダメか。最新鋭のバッハ解釈が、もしかしたらあるのかもしれないし。
2014年05月04日 19時04分18秒
DENON(何て読みますか?)
「インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ」(2014:リットーミュージック)を読む。
ストラタ・イーストやトライブなどを中心に黒人フリージャズにスポットを当てたレビュー本。載ってるLP、約600枚のうち99%が知らない盤だ。

読んでてデノン、って表現が出てきて首をひねる。「デンオンだろ?」と。「70年代頃のLPレビューしながら、読み方も知らんのか」と一瞬、威張りたくなった。だが、どうも変だ。検索して、01年にデノンへ社名変更したと知る。恥ずかしい、知らんかった。

だがここで問題提起をしたい。紹介されてる盤は、明らかに01年より前だ。この場合、読み方はどちらを採用すべきだろう。

各盤のレビューは100文字強。読んでて情報の少なさに歯がゆい思いをする。とはいえ多くの盤を紹介するにはこの程度の文字数が適切なのかもしれない。

しかし聴いたことない盤は山のようだな。十代、いや二十代に本書を読んでたらシャカリキになって盤を追いかけてたろう。最近「人生であと何枚アルバムを聴けるかな」と諦念を感じることもある。この手のガイドブックに沿って盤を聴き進めるのは、人生後追いのようで虚しい。なんか残された時間を数えているみたいで・・・。

いかん、好奇心が摩耗している。ということで、久しぶりにユニオンへ行った。どのCD買うかジャケ見て選ぶときが一番楽しいかも。なまじ予備知識あるより、まったく不見転のほうがスリルある。5枚千円の見切りCDを20枚、ジャケ買いで鷲掴む。
あースッキリ。じわじわ聴いて行こう。好奇心を磨くために。

今のBGM:Keith Tippett solo piano performance 13th Dec 2013
リッピング中でCD聴けないため、BGMはYoutube。今度来日するキース・ティペットって聴いたことない。ライブ音源は、妙にびりびり響くピアノ・ソロだ。鍵盤の上に何か載せてるのかも。
やたらダイナミックでピアノ・ソロなのに、不思議な雄大感がある。クラシカルに指が回るあたり、ジャズ好きでもおっとりした演奏だな。欧州ピアノって感じ。
2014年05月03日 16時57分49秒
ハイ・ラマズ
M3で買った同人音楽の合間に、市販の音楽を聴いている。

今のBGMは、久しぶりに聴きたくなったハイ・ラマズ。活動停滞してたが、ひさしぶりにライブをやるようだ。http://www.highllamas.com/

改めてWiki見たら、数枚を聴いたことない。輸入盤屋へマメに行かないと、買い漏らす。
オリジナル・アルバムだと"Talahomi Way" (Drag City, 2011)だけ未聴。Amazonの「買いたいリスト」に放り込んだまま、何年もたっている。

ハイ・ラマズだとやっぱり"Gideon Gaye" (V2, 1994)が印象深い。たぶん、リアルタイムに吉祥寺B1の今は無きレコファンで買った。ジャケ買いした記憶ある。
聴いてブライアン・ウィルソンの病んだ部分のみ取り出した、変てこポップに驚いた。
繰り返し聞いたが、どうにもつかみどころがない。ふにゃっとした和音の響きが頭に残る。
和声的に何が特徴だろう。分析したいが知識が無い。
2014年04月30日 21時21分40秒
M3
今回も行ってきました、同人音楽の祭典M3。会場までモノレールで移動するが、案内声が観光仕様になってて驚いた。帰って検索したら指原莉乃がアナウンスとは。いろんなこと考えるな。
http://www.tokyo-monorail.co.jp/news/pdf/press_20140414.pdf

M3は前回に増して混んでいた。昼前に入ったのに、ブースによっては買い物列がずらっと並んでるところも。コミケ(行ったことないが)ほどじゃ、無いかもしれないが。
そしてぼくが買うところは、ほぼすべて列が全くないところばかり。なぜだ。

会場スペースの配置は毎回、いろいろ工夫を凝らしてるのを実感する。情報整理の観点で、妙に仕事の目線で見てしまい興味深い点もいくつか。とはいえ体力は無いので、ぐるっと回って帰ってきた。
家に着いたらちょうど、達郎ラジオの時間。珍盤奇盤の特集で、藤波辰巳の歌声聴きつつリッピングの作業を始めた。

今聴いてるのは、今日買ってきた"日常コンピ"。
http://on-sunday-recordings.com/nichijyo-compi/

いわゆる同人CDらしい2枚組コンピで、たるっとミニマルなアンビエントが詰まった。曲調の不統一で戸惑う流れもあるけれど、個々の曲は寛ぎエレクトロニカで楽しい。
こういうサウンドがごく限られた同人音楽シーンで存在するのが、すごい。
メジャーなレコード会社や、ライブ・シーンとは別個に動いてる。ニコニコやYoutubeとは連動かもしれないが。

発表に制限やフィルターが無い分、とんでもない大当たりの音楽に出会えるのが同人音楽の醍醐味だ。逆にあらゆる意味での淘汰が無い分、玉石混交がいわゆるインディーズ・シーン以上に存在するのも怖いところ。前にめちゃくちゃオンチで、大真面目に歌うCD聴いて、ひっくり返った。

しかしジャケットや売り場デザインの大事さも、この手のイベント行くと実感する。バルクのCD-Rを並べたのと、綺麗なイラスト・ジャケの帯付ジュエルケースのCD並んでたら、やっぱCD-Rに手は伸びづらいもん。もっとも今日買ったのは、過半数がCD-Rのほうだが。
2014年04月27日 20時43分48秒
ペンデレツキがスゲエ。
昭和な書き方だな。ペンデレツキがイカス。清々しいくらい昭和の表現だな。

BGMで静かめのクラシックを、とランダム再生してたら耳にガツンと来た。
"Partita For Harpsichord & Chamber Orchestra"(1972)で、ペンデレツキ自身が振ったポーランド国立ラジオ交響楽団の演奏だ。どうやら初演らしい。

ハープシコード協奏曲だが、別名は"Partita for Harpsichord, Electric Guitar, Bass Guitar, Harp, Double Bass, and Chamber Orchestra"。ロックと大して変わらんな。この時代なら、プログレか。

もっともロック的なダイナミズムは希薄だ。むしろ後年のミニマル・エレクトロニカな風情がある。サンプリング・コラージュかと思った。カットアップっぽくフレーズが積み重なり、スピーディに疾走する。

冒頭こそ重厚な現代音楽風の不協和音で始まるが、緻密な混沌はどんどんエスカレートし、6分辺りで飛び交うフレーズが頂点を迎える。かっこいいなー。今の電子音楽やノイズ好きもに聴いて欲しい。
2014年04月20日 17時02分05秒
前項日記の続き。
文字制限がめんどくさいな。

そして最初の話に戻る。ゾーンは誰に向けて音楽を作っているのか。これが今、ぼくが興味あるところ。ゾーンのコンセプトを一聴してわかる(気がしてる)音楽的エリート(気分の)人か。ゾーンの音楽なら何でも受け入れるファン・コミュニティか。
それとも聴衆の解釈は横に置いて、音楽コンセプトを体現した自分自身か。

ということで、今の一枚。"YANKEES"(1983)
このディスコグラフィでも14枚目と、ごく初期の作品にあたる。http://nyds-discographies.com/zorn.htm
ベテランのデレク・ベイリーへ30代前半のジョージ・ルイスとジョン・ゾーンが挑んだ即興音楽だ。
マウスピースやバードコールでのフレージング。"THE CLASSIC GUIDE TO STRATEGY"(1983)でコンセプト化したアプローチを、ゾーンは本盤で投入している。

何回聴いても、正直未だにピンとこない。前後のアルバムから見て、ゲーム性を取り入れてる可能性あるが、ベイリーが律儀にルール守るのだろうか。
音楽的フレーズを丁寧に外していくベイリーは、アンサンブル・ルールにはどの程度柔軟だったのか。これも興味があるところ。

三人はフラットな立ち位置にも聴こえる。間が多く、わずかな残響がきれいだ。
疾走はほぼ無く、ゆるやかなフレーズが行き交う。ルール性は読めない。寛いだ即興に聴こえるが、音楽の芯を探れそうで、ぬるっとずらされた。
テンポ感は希薄で、三人の緩やかなグルーヴが寄り添っては離れる。ポリリズム的だが、ベイリーのフレーズに残る二人がカウンターを当てるようにも聴こえる。

ぼんやり聴いてると、抽象的なフレーズがモンヤリと飛び交うのみ。凄くとっつき悪い。でも理解したい。だから繰り返し聴く。
すると「別に聴いて楽しくないのに、繰り返し聞く」という、ものすごく変な行為が現れてくる。これでいいのだろうか。
2014年04月20日 08時12分27秒
ジョン・ゾーン
音楽がすいっと耳へハマる瞬間がある。耳のピントが合うと言おう。この感動が醍醐味であり、常にピント合わせを試みている。ハマった瞬間、音楽はぐっと身近に感じられる。
でも音楽を「分かって」いるのか。単に解釈の視点が変わっただけかもしれない。

何らかの著作品を解釈とは、最終的にたった一人の共感を目指すことか。
読み手を唸らす斬新な評論も、多くの同意を呼ぶ解釈も、究極はたった一人の共感を得られねば「分かった」とは言えない。
その"一人"は二種類に分類できる。一人が自分自身。もう一人は著作者。
前者は「分かった」か証明の必要はない。後者はどんなに著作者と親しくとも、自分の解釈が正解か確信できない。

「自分自身が楽しめれば良い」の考えは魅力的だが、なにか寂しい。「この作品を分かった」と心底から確信しても、何か拠り所が欲しい。他の人の感想でも、著作者自身のインタビュー記事でも、自分自身が「これは自信ある」とネットに投稿した文章でも。
最近、そんなことをツラツラ考え続けている。

というわけで、ジョン・ゾーンの話につながる。
ジャズを聴き始めた、けっこう最初の頃から彼の音楽に触れており、その一方で彼の音楽について行けなかった。「あ、わかった」と思った瞬間、別の要素に吹き飛ばされ、置いて行かれ続けてきた。

たぶん親しみを感じたのはマサダとコブラのライブだ。ライブに行かなきゃわからない、の論法はあまり好みじゃないのだが。
CDなりの録音物は、それだけで鑑賞が完結すべきメディアであり、ライブという別メディア経由の解釈は違わないか、と。

ここ最近、ジョン・ゾーンに「ピントが合った」のは、本に載ってた譜例だった。瞬発的な即興じゃなく、コンセプトを探る聴き方を思いついた。
即興は解釈せず、そのまま聴くのが好みだ。だからほんとはライブが良い。
前項と180度言うこと違うが、音だけでなく雰囲気や奏者のしぐさも合わせ技が、即興はずっとグッとピントが合って聴こえる。

ジョン・ゾーンは抽象化とコラージュの人と、最初は思ってた。サックスの天才って側面は、この際横に置く。
いろんな要素を"ゲーム化"で抽象化し、めまぐるしく場面転換するコラージュのスピードで、価値観を並列化する。
オカルトや日本文化、ポルノの異物感を即興の鋭利さと混ぜ、無節操な美学を作る。

柔軟に咀嚼するが、寛ぎや土着性を排斥する冷徹さがゾーンの個性。そして頭でっかちな地盤に飽いて、マサダでルーツ回帰、と解釈してた。
しかし05年くらいからの膨大な自作名義の作品が、今一つ耳へピンとこない。ぐるっと回って、試行錯誤かなと解釈を迷っていた。
けれども譜例には小節単位のコラージュと即興を混ぜるスタイルと、がっちり全体構成があった。予想以上にゾーンはコントロールしたいみたい。

しかしこれ、譜面見ずに音楽だけ聴いて、わかるものだろうか。めちゃくちゃに聴こえる部分も明確に譜面とコンセプトがある。
だが一聴して解釈を試みた瞬間、次の場面へ向かってる。追いつけないよ。
それとも繰り返し聴くことをゾーンは想定か。だが良くわかんないぐしゃぐしゃなフレーズを、複数回聴くマゾヒスティックな聴衆が何人いるだろう。
2014年04月20日 08時11分16秒
ヴァン番付
ヴァン・モリソンの歴代アルバム32タイトルを米音楽サイトStereogumがランク付けした。着順は本日記の末尾に転記しておく。
http://www.stereogum.com/1674114/van-morrison-albums-from-worst-to-best/list/

彼の音楽は好きで、あらかたアルバムは聴いている。「ためしに自分でランキングしてみるか」と考えたが、ハタと困った。どれもほとんどおんなじイメージしかない・・・。

ヴァンはゼムから67年のソロデビュー以降、ほとんどブレていない。アルバムごとの出来不出来はごくわずか、常に一定のレベルをクリアしている。ワンパターンとも円熟とも言える。
"The Philosopher's Stone"(1998)で伺えるが、スタジオ録音も多くの良質なアウトテイクが埋もれてそう。
先日出た"Moondance"のセッション音源発掘も、一発録りで予想より楽しめた。まだ現役なヴァンだが過去作発掘も進めて欲しい。コステロやクリムゾンなみに。

ヴァンは独特の深みある歌声を武器に、アメリカ黒人音楽を自らのルーツなアイリッシュ音楽と上手いこと混ぜた。いろんなブート聴いても、ライブはどの時代もレベルが高い。今更来日はありえないが。

さて、オリジナルアルバムの着順だが。ぱっと思いついたのは以下3枚。
1.Astral Weeks (1968)
2.Moondance (1970)
3.No Guru, No Method, No Teacher (1986)

あと、初期作と80年代の作品で以下何枚かが、第二群となる。あとは特に順位が無いなあ。
His Band And Street Choir (1970)
Tupelo Honey (1971)
Saint Dominic's Preview (1972)
Veedon Fleece (1974)
Avalon Sunset (1989)
Too Long In Exile (1993)

【Stereogumでの順位】
01. Veedon Fleece (1974)
02. Astral Weeks (1968)
03. Saint Dominic's Preview (1972)
04. No Guru, No Method, No Teacher (1986)
05. His Band And Street Choir (1970)
06. Live At The Grand Opera House Belfast (1984)
07. Moondance (1970)
08. Inarticulate Speech Of The Heart (1983)
09. Tupelo Honey (1971)
10. Beautiful Vision (1982)
11. Avalon Sunset (1989)
12. Into The Music (1979)
13. It's Too Late To Stop Now (1974)
14. Poetic Champions Compose (1987)
15. Irish Heartbeat (1988)
16. Common One (1980)
17. Down The Road (2002)
18. Enlightenment (1990)
19. Hard Nose The Highway (1973)
20. Wavelength (1978)
21. Magic Time (2005)
22. Born To Sing: No Plan B (2012)
23. Keep It Simple (2008)
24. The Healing Game (1997)
25. Too Long In Exile (1993)
26. What's Wrong With This Picture? (2003)
27. Hymns To The Silence (1991)
28. A Period Of Transition (1977)
29. Back On Top (1999)
30. Days Like This (1995)
31. A Sense Of Wonder (1985)
32. Blowin' Your Mind! (1967)
2014年04月15日 20時31分07秒
思想の本
「ニッポンの思想」佐々木敦:著(2009:講談社)がとても面白かった。

80年代のニューアカからポストモダンまで手早く解説のあと、ゼロ年代を東浩紀の「動物化」が鍵として、超近代における日本"思想"の流れを、分かり易く解説した好著だ。

著者は10年単位で登場人物を分けた。80年代がニューアカの旗手な浅田彰や中沢新一、同時代に存在感を増した蓮實重彦や柄谷行人とした。90年代は福田和也、大塚英志、宮台真司。
00年代は東浩紀の一人勝ち、とする。それぞれの論旨や主張を多くの引用とともに整理する著者の筆致は、今だからこそ刺激的だ。

「私は思想家である」
こう述べることが、ギャグでしかないのはいつからだろう。
ぼくは世代的にニューアカとポストモダンの間くらい。思想家なんて存在せず、評論家かコメンテイターしかいなかった印象がある。
つまり90年代の世代。福田和也、大塚英志、宮台真司、いずれもせいぜい「論客」の位置づけ。思想家と定義されてもピンとこない。しかし本書を読むと、思想家だったのか・・・と初めてわかる。

著者は浅田彰や中沢新一を"解釈"の人と定義した。最新の難解な思想を整理し、カタログ化して、読者へ「分かった気にさせる」と。遅れてきた世代なぼくとして、この解釈は非常にピンときた。
「構造主義を脱構築してリゾームがスキゾってる」を新思想、と語られても、さっぱりだった。ガタリだレヴィ=ストロースだフーコーだ、と原典を読んでも衒学に埋もれ眠くなるだけ。蓮實読んでも論旨がさっぱり頭に入らない。
だが何か「カッコよさそうだな」ってあこがれをニューアカは作った。でもそれは知識であって、論者への私淑まで至らない。

そしてなんか小難しい筆致でSPAで政治やオタクやブルセラを語る人、ってイメージしかなかった福田和也、大塚英志、宮台真司。
本書を通読すると「思想家」とした著者の考えが、興味深く伝わってきた。海外思想の輸入だったニューアカから、日本流に咀嚼が90年代かな。
東浩紀はまだ、自分の中でピンとこない。東浩紀の、著者の考えにまだ頭が追いついていないんだろう。

読んでてニューアカの大きな転回を感じた。それまでの"思想"は「難しいけど、真剣に読んだらわかるかもしれない」ものだった。
だがニューアカから「難しくて読んでもわからん」に変わった。だからキーワードだけ、エッセンスだけ知りたくなった。

さらに過去の思想とニューアカの決定的な違いは「オルグや連帯の無意味性だ」としみじみ思った。連合赤軍の敗北でマルクス主義が地に落ち、現れたニューアカは"思想"に留まる。
高所から啓蒙の要素すら薄れ、「読者が分かればいい」で立ち止まる。教育もオルグも無いし、連帯も期待しない。「構造と力」がどれだけ売れても、浅田シンパは政治グループまで行かない。ぼくの世代で「思想的につるむ」ことに、違和感持つ人が多数派ではないだろうか。だが本来、思想は共鳴であり実現化だろう。

オウムで新宗教の熱狂が忌避され、9/11以降は既存三大宗教の二つによる対立が浮き彫りとなり、日本独自の思想的立ち判断を迫られた。
一方で思想の主軸たる、ポストモダンはどんどん説得力を失う。論者はマスコミの大量露出が必須となり、必然的に論者は視聴者と同目線に引き摺り下ろされる。

テン年代の今、日常に"思想"はいらない。だが"思想"に触れることは、とても刺激的だ。最近の本も、読みたくなった。
Amazon見てたら著者は今度「4分33秒論」ってのを、出版する。これも面白そうだな。
2014年04月14日 21時12分50秒
月のバンドキャンプ
前の日記は懐古趣味すぎたので、新しいほうへ行こう。まだまだ音楽の好奇心と趣味で枯れるわけにはいかないぜ。
たまたま見つけたサイトが、すごく刺激的だった。ネット発表音源に着目したブログのようだ。この記事は「毎月のバンドキャンプ」
http://hihiwhoopee.tumblr.com/post/82084206845/monthly-bandcamp-3-2014

特にニューメキシコの女性フォーク・シンガーyvette youngが凄い気に入った。
http://yvetteyoung.bandcamp.com/album/acoustics-ep

他の記事で、大阪の高校一年生Shin Rizumuのセンスにも呆れた。歌こそ拙いが、アレンジのセンスや和音感は、洗練っぷりが突き抜けてる。ほんとに16歳かよ。48歳くらいじゃないのか。
http://anotraks.bandcamp.com/album/superfine

こういう、まとめページの音源をつまみ聴きしてると「世界は広くて深いなー」と思う。
2014年04月11日 22時12分35秒
元春について。
今日は出張、移動中は何となく佐野元春をつまみ聴きしていた。

ぼくにとって元春はロックンロールの魅力を分かり易く教えてくれた存在であり、歳を経てあまり聴かなくなったミュージシャン。たぶん"若さ"を、体現したイメージを持ってたからだろう。青春、と言っても良い。
だが今日、あれこれ聴いてて改めて「良い歳の取り方してるな」と思った。

実際、同世代や上の世代、下の世代にとって元春ってどういう存在だろね。
ぼくが好きなアルバムは"Cafe Bohemia"。一枚選ぶなら"VISITORS"。
思い入れあるのが"ナポレオンフィッシュと泳ぐ日"と"Sweet16"。
"FRUITS"あたりから聴かなくなり、"Stones and Eggs"から完全に後追い。"COYOTE"と "ZOOEY"はまだ、聴いてない。

いきなり書いてもピンとこないかな。ディスコグラフィーをWikiから引用する。

オリジナル・アルバム
1st BACK TO THE STREET 1980年4月21日
2nd Heart Beat 1981年2月25日
3rd SOMEDAY 1982年5月21日
4th VISITORS 1984年5月21日
5th Cafe Bohemia 1986年12月1日
6th ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 1989年6月1日
7th Time Out! 1990年11月9日
8th Sweet16 1992年7月22日
9th The Circle 1993年11月10日
10th FRUITS 1996年7月1日
11th THE BARN 1997年12月1日
12th Stones and Eggs 1999年8月25日
13th THE SUN 2004年7月21日
14th COYOTE 2007年6月13日
15th ZOOEY 2013年3月13日

リアルタイムで聴き始めたのは"VISITORS"(1984)のちょっと前。初期三部作を貪るように聴き、ハイカラさに強烈な影響を受けた。そもそも元春はロックンロールへの立ち位置が二種類、混在してる。緻密な分析をする一方で、肉感的に体現できる双方を持ち合わせた。

サウンドはパクりと叩かれるのをマイナス要素としたら、強烈なビートニクの影響と無造作な頭韻のセンスと、J-POPの礎を作ったクールさは絶対に評価できるプラスの要素だ。
そして途中からシーンから意識的に足を外し、自分の趣味に走った元春の強さが、今の綺麗な歳の取り方に繋がった。
尾崎豊が潰れ、サザンがブランド化して、同時期のミュージシャンがビジネス的に総崩れしても元春だけは飄々と立ち位置を築いてる。

初期の歌詞は若いとき、強烈に刺さるカッコ良さがあった。あれを30代、40代にリアルな歌で作るのはさすがにしんどかろう。バックのバンドを変え、アプローチを変えて佐野は模索した。どんどんカントリーやサザンロックへ雪崩れていく。このあたりから音楽的に南部っぽさはもともと好みじゃない僕は、元春から距離を置いてしまったが。

久しぶりに聴く元春は、とても気恥ずかしい。10代、20代の事を思い出す。ああ、歳をとった。だが僕が聴いたなかで、もっとも最近のアルバム"THE SUN"で、元春はのびのびと歌ってた。メッセージ性を等身大に据えて、わずかに気取りを滲ませて。

歌詞の端々に躍る心をねじ伏せて、アレンジに耳を澄ます。いやはや丁寧に作ってる。
元春は"VISITORS"でいったん、ぼろくそにやられた。同時代のファンなら、誰でも知ってること。メロウでポップさが、無機質で単調なヒップホップに崩れた、と。だが改めて聴く"VISITORS"は、努めて日本的なポップスに咀嚼されていた。
30年もの時代を経て、当時の元春の視点とセンスに改めて唸る。
2014年04月11日 21時39分11秒
初音ミクとパーカーと。
腰はじわじわっと調子が良くなってきた気がする。

さて。「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」柴那典:著(2014:太田出版)を読み始めた。初めの数十ページしか読んでおらず、内容には言及できない。
ニコニコ動画を中心に、"***P"と名乗る人たちが、独特のヒットチャートを作るに至った分析や文化論を読めたらいいな、と期待して手に取った。

数年前から、いわゆる同人音楽にも興味が出てきた。サンクラやYoutubeにもエレクトロニカを筆頭に、膨大な人たちがさまざまな音楽を上げている。ヒップホップはミックステープが花盛り。年寄りめいたことを言いたくはないが、なぜ年々とインプットが膨大になっていくのだろう。

最近、消費とは何かをツラツラと考えている。ライブの現場へ行く機会はひところに比べ、減ってしまった。だが興味ある作品の量は増えこそすれ減りはしない。
記憶が鮮やかに蘇り、空気感が血肉になるのは、ライブ現場だと思う。だが、それだけでいいのか。効率追っても仕方がないが、この膨大な音源群を少しでも齧るべきじゃないか。頭がまとまらないまま、最近はツラツラと考えている。歳をとったということか。

気が付くとガイドブック本を何冊も買っている。聴くどころかまともに読めてもいないのに。中学生の頃は小遣い横目に、雑誌やラジオを参考にしながら何のLP買うか迷いまくってた。今の中学生のメンタリティは明らかに違うはず。Youtubeあるし。
今の10代が5年後10年後、どんな音楽を作るのか。それにすごく興味がある。

で、今は何を聴いてるかというとSupersax。72年の1st"Supersax Plays Bird"を、初めて聴いた。この「いつ聴いたことがあるか」も、今の時代は妙にこだわる必要ありそうだ。
それはさておきSupersax。パーカーのソロを採譜し5人のサックス・アンサンブルでハモるという突飛なコンセプトのバンドだ。曲芸めいたコンセプトだが、分厚くテクニカルながら、エッジの柔らかなアンサンブルは強烈な魅力がある。
ビッグバンドの豪華さと、スモール・コンボのスピード感をいいとこどりした感じ。

Supersaxのコンセプトも宅録と通じるものがある。譜面を元にアンサンブルを作った、の意味において。すなわちアイディアそのものは打ち込みでも作れないことはない。
だが間違いなく、本盤で聴けるグルーヴィさはない。なにが違うのか。それが、ロジカルに聞き取れず歯がゆい。
微妙な縦横のズレか。一小節の分解能をとことん広げたら、打ち込みでも再現可能なのか。違うと思うが、なにが違うのかが分からない。
2014年04月10日 21時20分12秒
腰の痛み。
今日の午後から猛烈に腰が痛くなってきた。立ってられないし座っても痛い。いったん座ると、二度と立ち上がりたくない。そそくさと家に帰る。右腰に強烈な湿布、左腰には液体湿布をべたくたと塗りたくった。
左右に分けたのは特に意味が無い。右のほうが比較的、痛みが強いかなと。明日に治ってるといいな。
塗りたくった液体湿布が、つたーっと尻に滴ってきた。非常に、冷たい。
2014年04月08日 19時57分51秒
石灰沈着性腱板炎
注射打ったの、何年振りだろう。
半年くらいに枕を変えた直後、左腕のあたりに痛みが走った。今に至るまで、治癒の兆しはあっても治ってない。マッサージから整形外科、接骨院と渡り歩いてた。
この接骨院が相当に効き目あり、ここ数か月チョコチョコ通ってる。
「四十肩かな」と思い、ネットで症状見ても四十肩臭い。しかしどこ行っても「違いますね」としか、言われない。なぜだ。

ところが家の近くに10年以上スポーツ系の理学療法含む整形外科があると知り、初めて行ってみる。レントゲンばしばし撮られ、「肩に石灰の沈着がありますね」と言われ、注射を打たれた。
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/calcific_tendinitis.html

ネットで見ると石灰沈着性腱板炎、というらしい。「水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射」を打たれたのか。最初こそ麻酔の影響で何ともないが、あとからじわっと痛みが来る。吉祥寺で花見した後、家で寝てました。ああ、せっかくの土曜日が。

しかし、四十肩じゃないのかなあ。ネットで見た、この四十肩体操の(1)をこの一週間やってたが、ちょっと効いてる・・・気がする。
http://www.cure-shoulder-pain.net/selfcare/post-13.html

今日は理学療法のリハビリも提案され、いくつか筋肉ストレッチ方法も教わった。運動なんてしたことないのに、すっごく気がひける。周りはスポーツマンか年配の二極分化で、なおさらオイラは居場所が無い。男ばっかでホモの巣窟みたいなムードだったら二度と行かないが、どちらかと言えば年配のリハビリが主軸かな。
とりあえず痛みが減れば、何でもいいや。半年前に比べてだいぶ体は良くなった。だがまだ、左肩が痛くて万歳ができない。特に近々、万歳する予定はないのだが。
2014年04月05日 21時16分39秒
自然音のマッシュ・アップ
マッシュ・アップ作家Wax Audioが09年に発表した作品が興味深かった。

まずWax Audioについて。Webはこちら。http://www.waxaudio.com.au/
豪シドニーのソロ・プロジェクトで、本業はビデオ・プロデューサーという。あまりごちゃごちゃと混ぜず、二曲をとっぷりマッシュ・アップが得意らしい。実際のところビート感を併せるだけでなく、違和感ある2曲を混ぜるセンスが良い。

例えば"Stayin’ Alive in The Wall"(http://www.official.fm/tracks/2uw7)。
ビージーズの歌声がフロイドときれいに溶ける。かつディスコの持つ進行性ダンスの空虚さが、ピンク・フロイドが本盤で提示する全体主義の単調な無常さの皮肉と、見事に調和した。ギルモアのギター・ソロもこのトラックだと、よけいポップに聴こえる。

で、本稿の本題。"9 Countries (2009)"が彼のオリジナル作。ここで試聴や無料DLもできる。
http://www.waxaudio.com.au/audio/special-projects/9-countries

世界各国の自然音を混ぜ合わせがコンセプトだ。Wax Audio自らが05〜07年に録音を重ね、他のサンプルは一切使っていない。オリジナル名義作だと、既存楽曲を一切使わぬスタンスがおもしろい。

録音場所はインドネシアやラオス、エジプトやギリシャなどエキゾティックな場所を選んでる。複雑な日常音が奔出しては錯綜し、幻想的な音世界を産んだ。
陰あるテクノっぽい味わいが聴きやすい。無秩序アンビエントでなく、ループを使用しビート感を作ってポップな雰囲気をかもしてる。中期YMOを連想した。

サンプリング例を一曲、引用してみる。この曲が最も極端で、九ヵ国すべての日常音を詰め込んだ。ごちゃっとしつつ、奇妙なうねりが心地よい。

01. Nine Dawns
- Streets at dawn (with goat bell) in Gyantse, Tibet.
- Mosque at dawn (muezzin) in Yangon, Myanmar.
- Traffic in Probolinggo, Java, Indonesia.
- Sermon/speech (loudspeaker above vegetable stand) at the Siwa Oasis, Egypt.
- Kings birthday celebrations in Bangkok, Thailand.
- Evening ambiance in Alleppey, Kerala, India.
- Evening ambiance in Kampot, Cambodia.
- Monk chanting in monastery in Luang Prabang, Laos.
- Student demonstrations in downtown Athens, Greece.
2014年03月30日 07時56分51秒
持続とノイズと
昨日、出張がえりに飛行機の機内放送プログラムで大滝詠一を聴いていた。ぼろぼろのヘッドフォンとひっどい音質の機材から聞こえてくる音は、AMラジオそのもの。ガツンとくるのは、クリアな音質で聴く点と全く違う。
やけに明確に響くドラムの音と、すっかり中域がモヤけて団子の音圧のみ、ベースはほとんど聞き取れない。ストリングスが心地よく耳をくすぐる。

いわゆるスペクター的なアプローチが、実感できた。特に"Each Time"が顕著だった。"ロンバケ"はむしろドライ。"トライアングル2"がいわゆるスペクター的なアレンジを自分のものにしたアルバムだ。
唄い方もアルバムごとに違う。ビートを頭できっちり叩く"ロンバケ"と、拍頭をわずかズラして「っもぁわっ」と溜めを開放する"トライアングル2"。対比が面白かった。
モッコモコの音質な"Each time"はPCオーディオでエフェクタかけたら体験できるか。それも違うような気がする。一期一会、な気分を味わったひと時だった。

この前起きの主眼は「発音された作品は、どこまでが音楽か」。
長くなるので、本題は省く。要するに派生するノイズも味わいの一つと定義していいか、どうか。

そのまま次の話題へ。来月発売予定の本が、面白そうだ。
「ノイズ/ミュージック: 歴史・方法・思想:ルッソロからゼロ年代まで [単行本]
ポール・ヘガティ (著)」
Amazonへのリンク先はこちら。http://alturl.com/k8k2x

出版はみすず書房、硬い本っぽい。424頁と、重たそうだ。だがアカデミック一辺倒ではなさそう。あおり文句から抜粋する。
「本書では先鋭的な実験音楽や実験的ポップ(ロック、ジャズ領域など)について、そのスタイル・方法・思想・歴史を、芸術論、音楽学、現代思想より考察する。J・ケージ、K・シュトックハウゼン、V・アンダーグラウンド、ジャーマン・プログレ、T・グリッスル、O・コールマン、D・ベイリー、J・ゾーンから灰野敬二、秋田昌美、非常階段、大友良英まで。」
とりあえず出たら、読みたい。

さて。ノイズの一方向とし、持続性もノイズたりえると考えている。これも本題は省く。
要するに「延々と続く退屈はノイズだろう」ということ。

一例をあげてみよう。Go-Goのライブ。延々と前のめりが続くダンス・ミュージックだ。現場で聴いてたら楽しいと思う。だがこれを集中力もって味わい続けることが、はたして可能か。特に。追体験として。
88年のトラブル・ファンク日本公演のライブ映像をYoutubeで見つけた。ある一時の瞬間は、素晴らしく強靭で柔軟なグルーヴだ。だが2時間近い延々と同じノリが続く映像を見続けるのは、いがいにキツい。おかしいな。この音源は、ぜひ見たかったのに。
2014年03月29日 21時25分55秒
38スペシャル
体調崩してヘロヘロ。わけもなく健康的なバンドが聴きたいぞ、というわけで。
今夜は唐突に38スペシャルの話。ふと思い出して検索してみた。
80年代のあたま、なんとなく気にかかるバンドだった。サザン・ロックは苦手だったのに。「ZZ TOPはなぜ、ひげが長いんだ。わけわかんねえ」と思ってたし。

レーナード・スキナードのロニー・ヴァン・ザントの弟ドニー・ヴァン・ザントと、隣人のドン・バーンズが主要人物で結成したバンドと、当時は話題だった。そのわりに妙な色物っぽさもあった。
そもそもA&Mでデビュー。ジェリー・モスとハーブ・アルパートのレーベルだ。ぶっちゃけバカラックやカーペンターズの香りが強いポップス寄りのレーベルがなぜ、こんな埃臭いバンドと契約したのか、分からなかった。
(今検索したら、A&Mは60年代後半からスワンプ系へも手を出して、カーペンターズと並行してフライング・ブリトー・ブラザーズやジョー・コッカーとも契約してた。知らなかった。

当時からコアな聴き手からは38スペシャルって、評価は今一つだった。産業ロックに堕した、へなちょこサザン・ロックって位置づけ。だけどぼくはモカモカなサザン・ロックは暑苦しく苦手で、このくらいマイルドさが馴染みやすかった。

今検索すると、けっこう波瀾万丈な編成流転が行われてる。主要メンバーの一人、ドンは87年にバンドを離れ、ドニーがバンドを引っ張っていた。
ドンは92年にバンドへ復帰。ところがドニーは耳を傷めて引退する。
まわりのメンバーも時を経てすべて入れ替わり、オリジナル・メンバーは今やドンしか残ってない。

ドラムも一人。そう、そもそも38スペシャルはツインドラムが売りだった。当時のぼくは中学生。わけもわからずドラム二人って大げさなとこに惹かれたが、今聴いてもドラムが二人いる必然性はあんまりない。バンド的にはアンサンブルの厚みが狙いか。
特に複雑なリズム・アプローチも無い。逆にサザン・ロックでスリップビートやポリリズムってのは、今の時代でも斬新ではないか。

彼らの最大ヒット曲は"Second Chance"(1989)で全米6位。聴いたことないや。

ぼくの世代だとヒット曲は"Caught Up in You"(1982)。全米10位。ちょうどこれ、世代的にリアルタイムでMTV関連番組で見てた。
"If I'd Been the One"(1983)も全米19位。ぼくはこっちの方が好きだった。ラジオでエアチェックしたっけ。

でも、一番好きだったのは"Teacher Teacher"(1984)。映画"Teachers"のサントラで、全米25位。ブレイクで楽器が消え、コーラスからガツンとバンドが戻ってくるアレンジが好みだった。
この後に"Like No Other Night"(1986)が全米14位だが、もう知らないな。

根本的には徹頭徹尾アメリカン。ビール飲みながら大騒ぎするサウンドと思う。当時は豪快さが汗臭いなーと思って、惹かれつつも共感は出来なかった。まあ、今でもそう。アメリカの片田舎で酒飲みたいとは思わんもんな。むさ苦しいし、怖いし。
2014年03月25日 22時42分00秒
ロック推理小説
「演奏しない軽音部と4枚のCD」高木敦史:著(早川書房:2014)

アームチェア探偵とロックが混ざった推理小説を読んでみたいな、と思ってた。レコード棚から一枚引っ張り出したLPのエピソードが、きれいに謎を解くって面白いじゃないか。

この小説は高校生が主人公。ほんのり恋愛風味を漂わせつつ、ちょっとした謎をロックに絡めて解いていく。オムニバス4曲にボートラ1曲、の風味で。
軽妙な会話も加わってすいすい読める。お薦め。

さらに登場するCDも付け焼刃で、適当な名盤を並べたってわけじゃない。こだわりっぷりが愛おしい。
登場するのは、フレーミング・リップス「ザイリーカ」、マグマ「コンタルコス」、ルー・リード「メタル・マシーン・ミュージック」、ドアーズ「ハートに火をつけて」、そしてベック「ザ・インフォメーション」。

後半に従いメジャーになるが、特にドアーズの短編で、この曲を選んだ理由が秀逸で面白かった。必然性は無茶だと思うけど、もろにトリックに関係する。
本書は文庫の書き下ろし、続刊あるか不明だ。この手の小説はシリーズ化すると「なぜ、この登場人物はトラブルに巻き込まれるのか」の矛盾がぞろぞろ湧いてくる。
だが、続刊を読んでみたい。今度は日本人篇で、宜しく。
2014年03月22日 15時55分14秒
新宿迷宮
山手線の巨大駅で、一番分かんないのが池袋。次いで、渋谷。最近は東京駅の地下もややこしくなってきた。だが新宿は、まだわかる・・・はず。東口方面は。西口と小田急と京王は良くわからない。

そんな知識量でトライした無料アプリ「新宿ダンジョン」。ようやくクリアした・・・のべ10時間くらいかかった。
http://matome.naver.jp/odai/2139451971658091901

単純迷宮だけじゃなく、RPG形式で行き止まりあったりパズルを解いたり。一通り迷宮を一本道で回らせるため、けっこうややこしい。JR小田急京王だけでなく、丸の内に西武新宿に大江戸線、範囲は西新宿や新宿三丁目まで拡大される。
ゲームのクリア条件は、都庁まで到達。いやはや広い。

ただでさえ迷いやすいうえに、途中で「どこに行ったのか」を忘れてしまう。むやみに右往左往して、よけいな時間もかかる。新宿駅に慣れてる人なら1時間程度でクリアは出来るはず。

とにかく途中の障害物が悩みどころ。JRの二階コンコースから1階へストレートに行けない。ホームの途中に障害物があるから。迂回路は・・・忘れた。小田急経由でいったん下へ降りたんだっけ? 
しかもクリアした後で、新宿駅の到達率が5%余ってる。どこに行ってないんだろう? 
2014年03月18日 22時02分48秒
inudge.net
ブラウザ・ベースのリズム・ボックス。たぶん、有名なサイトなんだろう。
7chのパターン+ドラムキットの構成となる。

この手で遊んでると、ついつい音を増やして滅茶苦茶にドタバタしちゃう。
なるべく減らして、テンポを落して。 俳句でもひねる気分か。

試しに作ってみたのが、これ。まだまだ、音が多い。
http://inudge.net/#c9v1
2014年03月14日 22時19分52秒
GbV新譜情報
GbVの新譜"Motivational Jumpsuit"が届いた。

2012年に再結成し同年に3枚のアルバムをリリース、昨年4月の"English Little League"ぶり。
昨年は他にソロアルバム2枚と、別ユニットで4枚発表してたからな。こんなもんだ。

で、最新インタビューを検索すると、既に次アルバムの宣伝に余念がない。先月、新譜が出たばかりなのに。いかにもGbVらしい。こんなもんだ。

今年のGbV関連リリース情報をメモしておく。
GbVの次アルバム"Cool Planet"は18曲入りで5/19北米発売、他に一枚を録音可能性あり。
Teenage Guitar名義は"Mirrored Aztec"、Circus Devils名義は"Flat Sky"をそれぞれ予定。

いまんとこ、こんなとこか。たしか去年9月に、活動停止と読んだ気がする(http://blurtonline.com/news/robert-pollard-releases-his-last-record/)が、勘違いみたいだ。
まあGbVは、こんなもんだ。

上のリリース情報ソースはこちら。
http://www.rollingstone.com/music/news/robert-pollard-on-the-future-of-guided-by-voices-20131205
http://www.tinymixtapes.com/news/guided-by-voices-announce-new-album-cool-planet
2014年03月13日 20時33分15秒
スマホゲーム
通勤中、本読むほどのまとまった時間が無ければスマホを弄ってしまう。目が悪くなる元だというのに。

今までいくつもソシャゲを遊んでは止め、を繰り返してきた。続いてるのはパズドラとメガポリ。
メガポリはなんか惰性でやってるが、パズドラは興味の波こそあれ、いまだに飽きない。そして課金なしだと、とうとう勝てなくなってきた。無料で勝てるようにしろよなー。課金する気は、さらさらない。

パズドラは運任せとパズル攻略の双方要素を足した、とても面白いゲームと思う。さらにマメなアップデートで、けっこう軽い通信料で遊べるのも好評価。別のメーカーのソシャゲは、やたらロードが多くて重たくて。途中で投げ出したことがある。

他にパズル系で面白いのないか、と検索して「サモンズゲート」を見つけた。同じガンホー製。冒頭部分を帰りの電車でプレイしてた。システムに少々癖あり、ゲーム性はまだピンときていない。面白いといいな。

ちなみにあと、ときどきやってるのが「1万2千語すばやく英単」。これね。https://itunes.apple.com/jp/app/1wan2qian-yu-ying-dan-yu-eitan/id493895845?mt=8

4択のため消去法で当ててしまうケースもあるが、何個かだけでも記憶に残ればいいかと割り切っている。一万二千語あり、なかなか終わらない。かれこれ半年以上は遊んでるはずだが、ようやく八千語越えまで正解数が到達した。先はまだまだ長い。
今日も、ちょっと遊んでた。で、今日覚えた単語は・・・なんだっけ。思い出せない・・。
2014年03月11日 20時56分52秒
文学への導き
「創作の極意と掟」筒井康隆(講談社:2014)を読み進めるうち、言及対象はエンタメでもラノベでもなく文学と分かって、疑問が浮かぶ。

・80歳でキャリア60年な著者の発言は、そもそも権威なのか。
・文学とは何か。そもそも影響力を持つのか。

そして本書は良質の"読書ガイド"たりうると確信した。

筒井康隆は膨大な影響力をもち、各種の実験で日本の読書界で「表現の許される幅」を広げたことは同意頂けるはずだ。エンタメ(著者のいう中間小説)にも足を踏み入れつつ、書いてる手法は突拍子もない。前衛を親しませた実力は賞賛しかない。

ぼくの筒井体験は中学生の頃。70年代を後追いし「虚構船団」がリアルタイムかな。
中学時代に同級生が、ぼくの読んでた本書を手に取り「まずコンパスが登場する。彼は気がくるっていた」の記述だけで延々と笑い転げてた光景が脳裏に残っている。

筒井の作品群からは、大きな影響を受けた。70年代の作品に笑い転げつつ、発想の多彩さを実感した。たぶん、毒もあびた。
70年後半から文学界へ接近した筒井の作品は、"文学界"への憧れ覚えた。
そして何より、筒井の日記やエッセイでラテンアメリカに象徴する「実験文学」へ親しみを感じた。

冒頭の疑問に戻る。80歳/60年のキャリアは重みをもつ。権威か否かは読み手が考えればいい。ぼくはわざと権威を本書で回避してると読んだ。"文学"への筒井の拘りは、いまだにわからない。クローズドな文学界はあると思うが、いわゆる"一般的な読者"への影響度は皆無じゃないのか。
選民嗜好で"文学"へこだわりじゃなさそうだ。"読んで楽しむ"以外の文章実験を行える場所として、"文学"を主張し続けるのか。かつてのSFが、その場所だったように。

さて。読書ガイドの鮮烈な文章力で本書を見てみよう。80年代半ば、ラテン・アメリカ文学のわけわからない赤表紙は、筒井を読まなきゃ絶対に手に取らなかった。
文章実験を面白く感じさせ、無味乾燥な文学に興味を持たせる筒井の筆致は、全く衰えない。
本書を読み終えたとき、漱石やヘミングウェイを読みたくなっているはずだ。
2014年03月09日 16時48分42秒
「幻魔大戦」シリーズ
なんかドタバタして、すっかり日記が空いていた。さて、取り留めのない日記で、今日も始まる。

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全体像が見えない・・・電子書籍好きの平井和正ならば、一気通貫ですべて読めるメディアを準備して欲しい。Wikiのシリーズのページはこちら。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BB%E9%AD%94%E5%A4%A7%E6%88%A6%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

ざっとまとめてみた。だが全貌はこれでOKか自信ない。平井和正は極初期から電子書籍に参入のため、書誌の観点だとややこしい。

1978 新幻魔大戦(徳間書店、単行本)
1979 幻魔大戦 小説決定版(角川文庫、文庫全20冊)
1979-1984 真幻魔大戦(徳間書店、ノベルズ15巻)
1983-1984 ハルマゲドンの少女(徳間書店、ノベルズ3巻)
1987?  ハルマゲドン ―第二次幻魔大戦(徳間書店、ノベルズ3巻)
2004   その日の午後、砲台山で(e文庫,CD-ROM『地球樹の女神-最終版-』に収録)
2005 幻魔大戦deep(e文庫より携帯電話用向け電子書籍)
2008 幻魔大戦deep トルテック(e文庫,電子書籍,全3巻書籍版もあり)

角川文庫の最初の幻魔は数回、通読した。"新幻魔"は時代劇でパラレルワールドという、ぼくが苦手な設定で未読かも。真幻魔も3回くらい通読したはず。
以降、ハルマゲドンの少女から読んだかあいまいだ。86年くらいの改竄騒ぎでウンザリし、距離を取った気がする。以降の著作だと「ボヘミアン・ガラスストリート」だけ何度も読んだ。

他の著作は、どれが新しいのかさっぱりわかっていない。e-文庫が一番まとまってるのかな?未刊行で止まってるようにも見えるが。http://www.ebunko.ne.jp/
最終巻のトルテックではウルフガイも世界統合されたらしい。どうせなら読んでみたいが、"月光魔術團"や"地球樹の女神"シリーズも絡んでるらしく、なおさら全体像が分からない。
平井和正が他界し著作がパブリックドメイン化されたとき、初めて単一メディアでまとめて読めるのかも。実現は22世紀でないと無理だ。老後の楽しみにとっておこう。

なんで唐突に平井和正かというと、今、筒井康隆の新刊「創作の極意と掟」(講談社:2014)を読んでいる。同世代の存命で多作作家から平井和正を連想し、そういえば電子書籍で色々新作発表してたが、今はどうだっけ、と思ったしだい。
「創作の極意と掟」の感想は、またいずれ。やっぱ筒井は凄いわー。
2014年03月09日 11時10分32秒
JAZZ DJ mix
朝はジャズ・ヒップホップもしくは、どジャズでもいいや。
なんとなくジャズのDJmixを聴きたくてmixcloudを散策してみた。今聴いてるのがこれ。
http://www.mixcloud.com/payback/payback-soul-funk-jazz-winter-2014-selection/

選曲DJはPAYBACK。予備知識無し。
PAYBACKはイギリスのキングストン・アポン・ハルにあるクラブ、ROOMのレジデンスDJ集団で99年から活動。今も毎木曜に同名のパーティを開いてるらしい。サイトはこちら。
http://www.paybacksoulfunkjazz.com/index.html

選曲はモダンジャズを小細工なしに、ロング・ミックスのようだ。
もともとこの日記の趣旨は「気持ちよく音楽だけ楽しめばいい。何の曲かを知りたくなるのは、俺の悪い癖だ。反省して素直に音楽を楽しもう」と書くつもりだった。
でも、サイトをよく見たら選曲リスト上がってるじゃん。やったあ。

[選曲リスト]
1."Better Git It In Your Soul" Charles Mingus
2."School Days" Dizzy Gillespie
3."The Spirit Feel" Milt Jackson
4."Lets Wail" Terry Gibbs
5."Blueport" The Gerry Mulligan Quartet
6."'My Favourite Things'" Johnny Smith
7."Just for now" Jackie Mc Lean
8."Cobbweb" Cannonball Adderley
9."We See" Thelonious Monk
10."Spirit of Foo Foo" Monty alexander
11."Joe's Blues" John Hodges and Wild Bill Davis
12."Sakeena" Art Blakey & His Jazz Messengers
2014年03月01日 08時47分24秒
罪深き、聴き比べ
クラシックを聴いて「あの盤がいい、この盤がいい」とは、誰しもやるもの。考えたら不遜な話だ。その罰当たりを追求した本を読んでいる。
『クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学』許光俊;著、(講談社:2014)
著者は中堅どころのクラシック系評論家で、うるさ型ってイメージある。佐村河内守を過去に称える文章書いて、最近は株を下げてるけれど。

で、本書。取り上げたのはヴィヴァルディ"四季"、スメタナ"わが祖国"、ベルリオーズ"幻想交響曲"、ムソルグスキー"展覧会の絵"。
過去のさまざまなCDを聴き比べ、敢えて音楽的分析でなく印象論だけで優劣を述べよう、と突飛なコンセプトの本だ。必然的に流麗な文章でなければ読めたもんじゃない。本書の表現は、音が聞こえてはこず好みじゃない。でもまあ、空想をふくらますには良い。

聴き比べの優劣は頭の中に"理想"を浮かべた上で、比較対象をすることになる。著者はばっさばっさと色んな録音を切り倒していくが、はたして頭の中でどんな音楽が鳴ってるのか。
著者の事はいい。我が身を振り返り、弾けもしないクラシックを聴きながら「これはいい、あれはいい」とホザく自分の、なんと罪深きことよ。しかし聴いてて「うーん、このところ、どうして表現が耳に馴染まないのか」と思うことは多々ある。
音楽だけで評価は完結すべきものだけれど、奏者自身の解釈をじっくり自己アナライズしながら聴きたいな、とも思ってしまう。叶うことならば。

上記の4曲で思い入れあるのは"四季"と"展覧会の絵"。"四季"は小学生の頃、初めて馴染んだ曲。ベートーヴェンの"運命"も長く感じた。だが"四季"だけは、なぜか通して聴けた。
当時単発スペシャルで放映した、夏目漱石のアニメで"四季"が全編、BGMに流れた。小学生か中学生のころ。楽曲が奔出する、異様な緊張感とスピード感に胸をときめかせた記憶がある。

最初に聴いたLPは誰の録音かな。既に手元に無く、確認できない。たぶん、定番のイ・ムジチだろう。59年の録音は既にパブリック・ドメイン。今、聴きかえしてるが・・・これよ、これ。低音がガシガシ突き進み、揺らぎながら滴る旋律の匂うセンチメンタリズムとの対比が勇ましくも切ない。

"展覧会の絵"はもちろん、ELPが最初。高校の頃かな、全音の譜面を買ってみた。もちろん、弾けやしねえ。プロムナード9小節目でまず、つまづく。ミを押さえながら和音が動くとこシロートが弾けるわけもない。
この譜面は、今も手元にある。プロムナード冒頭の荘厳なムードは5/4、6/4拍子が交互にでる。そして6/4拍子の連発に。もしかしたら"変拍子の楽譜"を見たのは、この時が初めてかもしれない。変拍子なのに違和感なくプロムナードを聴ける。ショックだった。たしかに冷静に考えるとあのフレーズは、4で割れないけどさ。
こっちは51年ホロヴィッツがパブリック・ドメインだった。こっちも次に聴こう。

今の日本は著作権が権利者の死後50年で切れ、演奏者の著作隣接権は音が固定され50年で切れる。ちなみにTPP交渉だとアメリカの要求は、著作権が70年で隣接権は95年らしい。パブリック・ドメインは全滅だぁな。
2014年02月24日 20時40分04秒
M-base;無料配布
80年代後半にジャズで一世を風靡したM-BASE。一派の代表格なスティーヴ・コールマンがWebで自作を無料配布してると聴き、行ってみた。
http://www.m-base.com/download.html
驚いた。アルバム全曲配布がほとんどで20枚の作品を無料で聴ける。もちろん合法。

旧譜をばらまく太っ腹さもさることながら、権利関係をクリアできてるのが凄い。原盤権をスティーヴが持ってるのか。

M-baseはぼくが音楽に興味持ち始めた高校生の頃が全盛期で、"World Expansion"(1987)や"Sine Die"(1988)がレココレ誌のレビューで好評価だった気がする。

変拍子と打ち込みっぽい硬いビートで、ヒップホップを咀嚼した肌合いがM-baseの特徴だ。揺らがずに跳ねる、80年代打ち込みファンクの影響を受けている。
"macro-basic array of structured extemporization"の略という。当時の訳は不明だが、「即興構造の巨大な基礎配列」ってとこか。

今はもうM-baseは廃れて、語られない。検索したら、関連人物一覧の頁がヒットした。
http://www.m-base.com/m-base_collective.html

スティーヴ・コールマンは数枚しか聴いたことない。ちょうどいい、改めて聴いてみよう。
2014年02月23日 20時17分53秒
現代ジャズのムック
久しぶりに読み応えあり、好奇心をくすぐる音楽ムックを読んだ。
Jazz The New Chapter~ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平 (シンコー・ミュージックMOOK)

本ムックではグラスパーを軸に、ヒップホップを咀嚼や親和したジャズを紹介する。
300枚ほどディスク紹介あるらしいが、ほぼ100%聴いたことない。知らないジャングルに潜り込む刺激的な本だ。聴きたい盤がいっぱいあるなあ。
後半はディスク・ガイドの羅列でちょっとメゲる。でも前半のインタビュー集は、文句なく面白い。

なおグラスパーの元ドラマー、クリス・デイヴのバンドDrumheazの1st無料mixtapeはここで落とせる。http://chris-dave.com/download-drumhedz-mixtape/
メアド他を登録し、"submit"ボタン押せば画面下にDL用URLが現れ、クリックすると自動DLが開始する。個人情報とか心配な人は、フリーメアドで大丈夫。

グラスパーは聴いたことなし。この辺が、20世紀生まれなオッサンの感覚だろう。
気になったら即検索、試聴が21世紀の姿だ。ちょっと検索したら、アルバムのフル音源までYoutubeに出てきた。この辺が、色々と中途半端な現代っぽい。
ちなみに聴いたら、ぼくが想像してた音楽とちょっと違う・・・。これはこれで、かっこいいけど。
2014年02月22日 13時21分12秒
最も素晴らしいドラマー TOP50
米ドラム専門誌Modern Drummerが発表したそうだ。ロック/ジャズ構わず乱れ打ち。結構知らないドラマーもいるなあ。日本語紹介記事はこちら。http://amass.jp/35495

ドラマーの良さを、きちんと言葉に出来ない。超ジャストのリズムは打ち込みで刻めばわかるが、生演奏の"上手いドラム"は全然違う。
メカニカルなジャストと、人力のタイトは違う。
細かくプログラムされた揺らぎと、いわゆる"グルーヴィ"は全く違う。

打ち込みドラムの良さも、もちろんある。佐藤博のアルバム聴いて、打ち込みの繊細さにしびれた。とはいえ人間のドラミングから感じる"気持ちいい"は、なにが違うのか。区別できるようになりたいな。

人力ドラマーのショーケースなら、外盤だとスティーリー・ダンの"ガウチョ"が手っ取り早い。ガッド、リック・マロッタ、ポーカロ、パーディが一枚で聴ける。
邦盤だと何だろ。ぱっと思いつくのは大滝のロンバケだが、あれは大人数アンサンブルのアレンジ曲もありドラマーのショーケースとはちと違う。
達郎の"MOONGLOW"はどうだ。ポンタ、幸宏、ユカリが一枚で聴ける。ボートラありの最新リマスター版なら、青純もついてくる。

ちなみにベスト50の一位がバディ・リッチなあたり、けっこうオッサンが選定した気もするぞ。ベスト10はある意味定番ぞろいで、新鮮味はない。
細かな順位はともかくも、過去50年見渡して異論は出にくい顔ぶれだ。

この辺の保守性がつまらん。顔ぶれの素敵な音楽性は全く別として、「おおっ」と惹かれる意外性あったほうがベストTopのラインナップとしては面白いのに。
2014年02月18日 22時35分46秒
数センチ移動が、所有。
昨日の日記の続きで、Bandcampから一枚紹介する。
WHITE RAINBOWのアルバムで"THRU​.​U"。Bandcampへ今年の2/11に発表された。
http://whiterainbowpizza.bandcamp.com/album/thru-u

WHITE RAINBOWはカリフォルニアのモンタレー出身、アダム・フォークナーのユニット。近年はバンドキャンプで2010年から13年までに17枚のデジタル・アルバムを発表、旺盛な創作力を魅せていた。(といっても全てぼくは未聴。本盤もたまたまバンドキャンプでクリックしたため)

本盤は09年の"New Clouds"以来となるフィジカル・リリースになった。
打ち込みテクノが基調だが、ダンサブルさに加えボーカルを交えてメロディアスな展開も聴けるのが特徴か。ほんのりセンチメンタルな旋律がサイケ・ポップとしても聴ける。アレンジ・センスがカッコいい。

デジタル・アルバムは10ドル。だがバンドキャンプの不思議な所は、PC上だと全曲をそのままストリーミング聴取できる。したがってPCで音楽聴く人は普通にCD買ったのと同じ感覚を味わえる。ぼくはもう数年前からステレオを捨ててPCのみで音楽聴いてるため、このバンドキャンプの仕様はどっかがモゾモゾする。

ミュージシャンへ応援への寄付は除いて。バンドキャンプ上でデジタル音源を買う、とはすぐ横にあるi-podへ転送することしか意味しない。あとはミュージシャン自身がバンドキャンプからデータ消すことへのバックアップ行為か。
だから"所有"なんだよな。執着を捨てて膨大なネット・マーケットへ飛び込めるか。ここ数年、デジタル音楽マーケットの展開はコペルニクス的転回を迫られてる気がしてならない。
2014年02月16日 12時16分03秒
HEYLAS
電子本アプリ「音専誌」の最新刊、「ジーニアス・プレイリスト2013」を読む。サンクラやバンドキャンプを中心に無料配信で気に入った楽曲/アルバムを並べたものだ。読んでてあまりにも膨大な世界が無料音源で配信されてると、改めて思う。

「ジーニアス・プレイリスト2013」を読んでると、サンクラやバンドキャンプが宝の山に見えてくる。だがちょっと聴いてみるとわかる。玉石混交、少なくとも自分の趣味を見つけるには、相当苦労するってことに。だが現場感は自分で探してこそ、だよな。とはいえ時間ないよ。

現場、とは何か。一番分かり易い現場はライブ会場だろう。レコード屋と見る人もいるだろうし、テレビやラジオのリアルタイムさも振り返ると"現場"たりえる場合もある。その一方で現在では、ネット上でも現場たりうる。だが一方で、ものすごい違和感も覚える。能動的にリンク先を辿るとはいえ、選択行為だけで現場と言っていいものか。
特に後からもリンク先さえ生きてれば、改めて聴けるネット環境においての話で。

しかし情報の古びっぷりではネットこそが最も新陳代謝が激しい。昨日付の情報は既に古びている。だからこそ、あえて上のような"現場感覚"について考えてみた。
たとえば、一例。"HEYLAS"を知っているか。まとめページを2種類、貼っておこう。
http://matome.naver.jp/odai/2139168607225507901
http://groovinrb.blog32.fc2.com/blog-entry-1878.html

KEN THE 390,GASHIMA,ISH-ONE,SHIROSEがきっかけでYoutubeにさまざまなリミックスが上がってる。わずか2カ月前。なのにこの「今更"HEYLAS"?けっ」って、遅まきながら感は何なんだ。よっぽどアンテナ高くしてないと、こんな"現場感"について行けない。どうすりゃいいのよ。
2014年02月15日 22時39分17秒
隅の老人
SFやミステリに興味持ち始めた中学生のころ、いくつか読んでみたいが「大人っぽいかな」と敬遠してたシリーズがいくつかあった。その一冊が「隅の老人」シリーズ。その後、一冊くらい読んだかもしれない。もう内容忘れてるけれど。

当時の創元ミステリはあらかた絶版。ブックオフ系ではまず見当たらず、古本屋で美本は高そう。マケプレだとそれなりの値段で買える。

ところが今回、一冊にまとまって作品社から再刊される。『隅の老人【完全版】』全600頁。辞書だな、まるで。

内容はThe Old Man in the Corner(1909年),The Case of Miss Elliott (1905年),Unravelled Knots(1925年)に加え、原書に未収録の作品も収録した。
翻訳の観点では初訳が4篇、戦後初改訳7篇。あと、初出誌の挿絵90点収録という。
昔読んだ人にも購買意欲をそそる、にくい演出だ。

・・・しかし初版は100年以上前か・・・時が流れに呆然とする。
とっくにPDかな。とりあえずグーテンベルクで読めるテキストもあるようだ。
http://www.gutenberg.org/files/10556/10556-h/10556-h.htm
2014年02月12日 21時06分01秒
Boxセットは収録曲だ。
思いのほか大雪で、週末の予定がすべて崩れた。なんてこった。・・・さて。

Boxセットは憧れである。パッケージ・デザインと一括した音源の所有欲の双方を満たせる。アレコレ買ううち、いつしか再び憧れに戻る。思いのほか収納スペースを圧迫する大きさと、全て聴かない自らの無力さに失望して。だが、憧れは続く。いつしか全てを飾り付け、聴きこめる時を夢見て。

Boxセットの購買欲は収録曲による。"コンプリート"が最もそそるが、発掘繰り返され追加音源のプアさにだんだん萎えてくる。こないだヴァン・モリスンの4枚組を買った。たしかに"Moondance"のセッションは興味深い。だが別に研究者でもないぼくは、アウトテイク聴くのは一回で良い。あとは完成アルバムを繰り返し聴いたほうがいいかな。身もふたもないが。

レアテイクも惹かれる。だがパッケージの"選曲コンセプト"も侮れない。コンピ盤と同じ発想だ。歳をとったということか。20代はコンピってバカにしてた。「良いとこどりなんて人生を舐めてる、酸いも甘いも聴き分けろ」と。だがもはや、この歳になると甘いものだけでもいいかな、とひよってきた。

たまたまAmazonで見かけたBoxコンピが"Jazz on Film"シリーズ。英Moochin'Aboutの編纂で昔のジャズを使った映画音楽に着目したBoxらしい。
収録曲が何か気になる。しかしAmazonに無い。仕方ないからレーベルのサイト行ったが、ぱっと見つからない。イライラする。30秒以上検索に時間かけたくない。

ある程度まとまったページがこちら。http://www.moochinabout.com/store.html
レア曲無いのかな。無いんだろうな。あったら嫌だ。こんな分かりにくい内容紹介だけで、実はレア曲満載なんて悲しすぎる。

とりあえず今、3種類のBoxが出てる。
Jazz on Film: Film Noir(2011)(5枚組)
Jazz on Film: Beat, Square and Cool(2012)(5枚組)
Jazz on Film: The New Wave(2013)(6枚組)

Web宣伝だから、1ページ詳細を追加するだけじゃん。手間を惜しむなよう。その細かい情報見た上で、ポチる人が極東に一人くらいいるかもしれないから。
2014年02月11日 11時05分16秒
交響曲とフクイチと
佐村河内の曲はニュース後に聴いたため、先入観無しでコメントできない。交響曲第一番、第三楽章を聴いた限りだと、ずいぶん古典ロマン的な楽想だと思った。賑やかでキャッチーだね。もっと前衛かと思い込んでいた。

今回のニュース、楽曲に罪はない。Amazonでさっそくプレミアつき始めてるけど、これまで多くの評論家や聴き手が「良い曲だ」と褒めてたようだし、このまま聴きつがれるといいな。まさか作曲者のハンディキャップが楽曲の価値を増したとか思ってた人はいないだろ。音楽に罪はない。
単純に今回はゴーストとのお金の配分の話であって、それ以上でも以下でもないと思う。

ということで、今読んでるのは「福島原発収束日記」ハッピー:著(2013/河出書房)。
Twitterを羅列した安易な編集だと嫌だな、と思ったら。予想以上にいっぱい字があって、通勤中に読み終わらなかった。まだ読みかけ。
著者のプロフィールは「原発作業員」とあるが、実際は現場監督か管理職に近い人って印象だ。単なる作業に留まらず知識や全体像を見てるっぽい。

本書で繰り返されるのは「報道にバイアスをかけるな」「政治が悪い」。国家事業で廃炉に金かけないと作業員が集まらないよ、とたびたび警告している。
そして「オイラの呟きをうのみにするな」とも。

けっきょくニュースや情報をどこまで自分が分析/咀嚼/判断できるか。良いものだよ、と鵜呑みにするか。嘘ついてたよ、悪いものだよ、とけなすか。論点は真実か否かで、それをどう扱うかが問題だろう。今回の作曲家問題も福島の情報報道も本質は似ている。
2014年02月06日 20時46分39秒
3分の謎。
出張で新大阪から帰るのに、ふと思い立って新幹線の始発に乗ってみた。朝6時発。
乗り遅れちゃまずいと5時前に起きて、眠い目こすりながらホームへ。どうせ寒い中、しばらく待つだろなあと思ったら、朝5時半くらいで東京行き新幹線が二両並び、しかもドアが開いている。やった、座って出発待てるぞ。

土曜日の朝なせいか、すいている。二人掛け、三人掛けの横一列に各3人くらい座ってるくらい。しかし京都でほぼ満席、名古屋で結構降りた。新大阪から乗ってきて、品川で降りる人もいたな。太っ腹だ。あ、ちなみに自由席の話。指定席の状況は知らない。グリーン車のことなんか、もっと知らん。

さて、不思議なことが一つ。新大阪発の始発は6時。次が6時3分。だが、5時45分くらいでふと隣のホームに停まった6時3分自由席の車両を見ると、何人かが座ってる。
こっちの電車もガラガラだぞ。なぜわずか3分遅れなのに、わざわざあっちに乗るんだろう・・・謎だ。自由席だから、どの電車乗ったっていいけども。

つらつら考えるに「みんな始発に乗って混むから、この3分遅れの次発だと空く」とかかな。一分でも早く目的地に着きたい、とか、ちょっとダイヤ遅れでバタバタするの嫌だ、とかの理由で電車乗ることが多いので、朝っぱらから向かいの車両に座ったオッサン行動パターンが分からず首をひねっていた。

しかし始発だと普段と行動パターンが違う。車中で寝ても、どうも頭がすっきりしないなあ。

ちなみに車内ではi-podで最初、吉田達也灰野敬二を聴いていた。でも、寛げない・・・。テレマンのターフェルムジークに変えたら、あっというまにグースカ寝てしまった。BGMの意味がない。
2014年02月01日 10時55分10秒
"Sign "O" The Times"
プリンスの"Sign "O" The Times"を見てきた。25年ぶりにHDニューマスター、5.1ch化という。当時見たことないので比較できないが。

上り調子のプリンスを記録した映画だが、スタジオ撮影多用のおかげで、ありえないショットでの生々しい様子が伺えて楽しい。かっこいいなー。このあと、飽きたのか同様趣向の映画をプリンスは残してない。ラブセクシー・ツアーで同様の撮影は見てみたかった。

リアルタイムだとはるか年上だったが、いまや撮影当時のプリンスよりずっと歳をとってしまってる。かっこよさに惹かれる以前に"若いなー"と感じてしまうあたり、どうにも情けない。しかし構築性がとても高い構成だ。どういうリハを重ねて、こんなすごいライブができるのやら。

映画は後述セットリストのように、当時のライブ構成をほぼ忠実になぞってる。短いようだが、当時のツアー前座はMadhouse。ブートで何公演か聴けるが、"Mutany","Two","Three","Six"が構成のようだ。

同様のステージを以下のごとく過酷な日程で繰り広げ、さらに数か所ではアフターショーまで行った。どんなリハかも興味ある。どこまでがプリンスの口伝だろう。

観客はしきりにライターでライトアップする。消防法とかあるかもしれないが、単純にきれいだよ。サイリウムつけっぱと違う、風情を感じた。

ちなみに5.1効果は良くわからず。低音効いてるな、とは思った。立体的に感じたのは、最後の"The Cross"でのギター・ソロがもっとも顕著だった。

[Set list例]
1.Sign O' The Times
2.Play In The Sunshine 
3.Little Red Corvette 
4.Housequake
5.Girls & Boys
6.Slow Love
7.I Could Never Take The Place Of Your Man (intro) 
8.I Could Never Take The Place Of Your Man
9.Hot Thing
10.Now's The Time
11.If I Was Your Girlfriend 
12.Let's Go Crazy 
13.When Doves Cry
14.Purple Rain 
15.1999
16(encore 1)
16.Forever In My Life
17.Kiss
18.The Cross
(encore 2)
19.It's Gonna Be A Beautiful Night

【ツアー日程】*がアフターショー
(tryout gig) 3/21    USA
* 4/28    Sweden
* 5/2    Sweden
5/8    Sweden
5/9    Sweden
5/10    Sweden
5/12    Sweden
* 5/13    Sweden
5/14    (West) Germany
5/15    (West) Germany
* 5/15    (West) Germany
5/18    Switzerland
5/19    Switzerland
5/20    Switzerland
* 5/21    (West) Germany
5/22    (West) Germany
5/23    (West) Germany
5/25    (West) Germany
5/26    (West) Germany
5/29    Austria
* 5/29    Austria
5/30    Austria
6/1    (West) Germany
6/2    (West) Germany
6/4    (West) Germany
6/7    Italy
6/8    Italy
6/9    Italy
6/11    Italy
6/13    France
6/14    France
* 6/15    France
6/15    France
* 6/16    France
6/17    France
6/19    The Netherlands
6/20    The Netherlands
6/21    The Netherlands
6/22    The Netherlands
6/26    The Netherlands
6/27    The Netherlands
6/28    The Netherlands
6/29    Belgium
2014年01月26日 23時55分01秒
高尚と低俗のアンビエント
"Ambient Definitive 1958-2013"三田格:監修(2013:Ele-king books)を読んだ。

"アンビエント・ミュージック:1969-2009"(2009)、裏アンビエント・ミュージック1960-2010(2010)に続く著作で、前2作から332枚のレビューを再録、407枚を加筆した改訂版、の位置づけ。
独特の審美眼は変わらず。このシリーズ本でぼくはStars of the lidを教えてもらった。
今回の著書で取り上げられるミュージシャンを見たが、やはり独特だと思う。いわゆるオフサイト系やヴァンデルヴァイザー楽派は取り上げられてない。
アンビエントとは何か。ミニマルかエレクトロかドローンか。フリージャズの一部も、聴き方によってはアンビエントたりうる。聴いて寛げるかは別にして。

著者は多分アンビエントを「非日常の連続」でなく「日常の彩り、かつ意識の一部をしめる音楽」とカテゴライズしている。別に、間違ってはいない。広義のチルはアンビエントと同義だ。
アンビエントとは何か。電子音が必要か。日常の自然音はそもそもランダムなノイズの連続であり、それを打ち消すものがアンビエントたりうる、と考えてみる。

こんなことを考えてるのも、最近ドトールいくたびにBGMが邪魔くさいからだ。聴きようによっては、ソフト・ロックを連発した渋いところついてくる。だけど情報量が多すぎる。考えをまとめるのに向かない。つい、聴いてしまうから。

まったく無機質で意味のない音楽をBGMにしてくれまいか。いや、いっそ音楽をかけずにいてくれまいか。音楽が必要なら、イヤフォンを自分の耳へ突っ込むから。

今のBGM:Eddie Prevost / Sachiko M (2010)
 7枚組"Ftarri Collection"(2013)のDisc2に収録の六本木SuperDeluxeで、2010/9/19ライブ音源になる。エディはパーカッションを演奏するが、弓かなにかで金物をひっかく音を多用する。
 主役はSachiko Mのサイン波。一本が淡々と響き続け、そこへエディがそっと絡む構造をとった。時々、他に音が増えるのでSachiko Mがサイン波を増やしてるのかもしれない。

 Sachiko Mのライブは、in-Fで09年4月に聴いたライブが、強烈な印象で残ってる。密やかに息を潜めてサイン波へ耳を傾ける。Sachiko Mは物理的にボタンを押し続けてサイン波を出して無さそうだったため、たとえ身じろぎしても、咳払いすらも、実際の出音そのものは変わらない。
 だが、ぼくはそっと聴き続けていた。そぎ落とされた電子音が響く音空間へ浸るために。

 アンビエントへの印象は、こういう体験から変わったと思う。寛ぎは受動的に音楽へ浸らず、能動的に脳裏で作ることもできる、と。宗教やセラピー的な意味ではなく、あくまで娯楽の観点ながら。
 そう、アンビエントは宗教的な熱狂に近しい。その意味では、子供の頃の記憶も微かにこびりついている。たぶん小学校低学年のころ。遠い親戚かなにかに連れられて、どこかの聖堂へ行った。あれって新興宗教かな。もう確かめるすべはない。
 とにかく天井の高い白い建物の中で、延々とシンセの抽象的な音楽を聴かされた。えらく退屈して、とっとと帰りたいと思ってた。

 あれ以来、子供心にアンビエント的な音楽は嫌いになった。ジャズでもクラシックでもポップスでもいい、分かり易い音楽が聴きたくなった。いつのまにかノイズやアンビエントへ再び惹かれるようになったけど。

 と、こんな雑文を書いてる背後で、淡々とサイン波は鳴りつづける。しとやかにエディの音が加わる。サウンドの構造は驚くほど変わらない。時間は流れ続ける。
2014年01月25日 12時18分51秒
R6034 Runtime Error
はー、あせった。I-tunesのVer.up連絡が来たため、無造作にインストールしようとしたら、途中で止まってしまう。ポップアップする「R6034 Runtime Error」の表記。なんじゃこりゃ。

あれこれ検索して、ベストのブログを見つけた。
http://funto-ki.com/archives/52006000.html
まさに、この症状。3の「apple mobile device support」がアンインストールできないのも同じで、マイクロソフトのツールでアンインストした。こんなツール、使ったの初めてだ。

とりあえずi-tunesを再インストールして事なきを得た。とはいえ聴いてるのはfoober2000で、だが。
リッピングをI-tunesでやってるのと、i-pod使う関係上で、どうしてもi-tunesから抜けられない。

ver.upでトラブルは勘弁してほしいなー。あんまり考えずにインストールするため、トラブると精神衛生上、良く無い。

今のBGM:John Zorn"Carny"(1989)
 "Angelus Novus"収録版で聴いて、"Cartoon S&M"版で聴いている。13分ほどのソロ・ピアノ曲で、個々の音楽を猛烈なスピードでコラージュした曲。分析した文章がここで読める。英語だけど、翻訳ソフト掛ければ大意はつかめると思う。http://www.bpmonline.org.uk/bpm5-playing.html

 作曲家としてのジョン・ゾーンは完全即興と並行して、さまざまな数学的/論理的/コラージュ的な楽曲を多数発表してきた。この"Carny"もそんな一曲。譜面見ながら細かく理解しないと、ある意味楽しめない曲だろう。流して聴いてると、ほんと適当に鍵盤を叩いてるように聴こえてしまう。
 ジョン・ゾーンはスピーディにコラージュが持ち味の一つだが、観客にどこまで理解を求めてるのか。このスピードで譜面なし/説明なしで演奏されたら、よっぽど音楽知識が無いと、完全即興だと思ってしまう。てか、ぼくはそう思ってた。
2014年01月24日 20時37分19秒
肉単(ニクタン)
腕の筋がどうも痛い。四十肩かと思い、接骨医へ時々行っている。実際には四十肩でなく、どっかの筋肉だか筋だかが、どうにかなっているらしい。何度説明聴いても、良くわからない。上腕二頭筋は知ってるが、他にもいろいろ名前言われても頭に入らない。

医学部向けの筋肉参考書が無いかな、とググってみた。どうせ硬い内容だけだろな、と思ったら。「肉単」なる関連参考書が出てきた。骨も筋も、内臓も生薬もある。
出版社のウエブはこちら。http://www.nts-book.co.jp/tan.html

しかめつらで解剖図を眺めてると思った医学部の勉強も、こういうチャラ寄り参考書があるんだな。もっともページ例の画像見ると、多少カラフルなくらい。別に"萌える筋肉図"みたく妙なアニメ絵が無くてほっとした。
とはいえこれは買えないなあ。読んでも頭に入らない。
2014年01月22日 20時29分01秒
マンガ:2種
マンガを読んでいる。両方とも女性作家だな、そういえば。

●「月刊少女野崎くん」椿いずみ(Square Enix)現在3巻まで。今月4巻が出るらしい。

女子高生(ベタ担当)を狂言回しに、マンガ家の男子高生をめぐるギャグ漫画。1ページ1本の4コマ形式と薄い編集ながら、内容が面白い。久々に声出して笑ったマンガだ。ギャグセンスは新井理恵を連想した。

●「おとりよせ王子飯田好美」高瀬志帆(徳間書店)現在4巻まで。

通販食材を軸のグルメ漫画。微妙にコッテリ嗜好で、この歳だと少々キツいメニューばかり。4巻は最後のオマケが妙に面白かった。ラテアートって感情移入して飲まないが、たしかにねえ。
しかし深夜に読む漫画じゃない。ああ、ピザ喰いたい。肉まん喰いたい。・・・コンビニ、行こうかな。

今のBGM:Mahavishnu Orchestra"The Way of the Pilgrim"(1976)
 6thでアルバム"Inner Worlds"より。チャートはJazzで24位、Popで118位まで上がったという。本盤の後、84年まで活動停止に至る。
 Jean-Luc Ponty(vln)とGayle Moran(key)が脱退、4人編成のマハヴィシュヌ。マクラフリンが気を吐くギター・ソロ・・・のはずだが、妙にこの曲はトロく感じた。
 Stu Goldbergの甘さを持った鍵盤へ、最初はギターが寄り添う。だが、しだいに離れギター・ソロが硬度増す感じ。曲の間でがらがらとマクラフリンの印象が変わる。
 たとえディストーション効かせても、どっか甘さ残るのが時代だな。Narada Michael Waldenのドラムはバタバタしつつも着実に鳴らした。このへん、フィル・コリンズみたいな手数王と違う。
2014年01月21日 22時34分07秒
ジャズ喫茶論と聴き方の模索
最近ジャズ喫茶がらみの本を数冊、読んでいる。
読みかけが「ジャズ喫茶論」マイク・モラスキー(筑摩書房:2010)。読み散らかしたのは、こんなとこ。

「ジャズ喫茶リアル・ヒストリー」後藤雅洋(河出書房新社:2008)
「ジャズ選曲指南―秘伝「アルバム4枚セット」聴き」後藤雅洋(彩流社:2004)
「B級ジャズ名盤迷盤101―60年代のジャズ喫茶で輝いた101枚」相倉久人、他(音楽出版社;2005)

今の興味に一番近かったのが「ジャズ選曲指南」かな。どうも、読んでみたい本が見当たらない。過去に読んだ本で、一番近かったのが「植草甚一ジャズエッセイ 1」(河出書房新社:1989)の前半。後半は植草節が滲み過ぎて、いまいちだった。
植草の著作は酩酊気分で読むと楽しいが、知識としては混乱する。情報を地に埋めこんで混沌を演出するから。スクラップ・ブックシリーズだと顕著だが、この過去に出た文庫本は上手いこと上積を掬い取ってたと思う。

話しがそれた。ジャズ喫茶。
当時の空気感を知りたい。ジャズ喫茶の雰囲気ではなく、かかってた"新譜"がどう受け止められていたか、にとても興味がある。
願わくば50年代から60年代中の頃。次々にリリースされる新譜を、当時の聞き手はどんな風に判別してたのか。例えばリー・モーガンは57年に5枚のアルバムを発表とある。当時に個々のアルバムをどう位置づけ、どう聴き分けていたか。

ホント言えばアメリカの空気感に興味ある。アメリカの出版物の方がいい。ヨーロッパでもいいや。しかし洋書はなおさら思い当たる本を探せない。読めないし。

ここ最近"新譜"はともかく"発売時期"がどんどん希薄になってきた。膨大過ぎる上に的確な情報元が見つけられず、特にジャズは「あ、新譜が出てたんだ」もしばしば。
時代の空気とコミで味わうのが新譜の醍醐味なのに。
てなわけで、過去のジャズを聴こうと思う中、当時の空気感が知りたいなと思う今日この頃。・・・書いてて気が付いた。当時の雑誌レビューを読めばいいのか。
2014年01月19日 09時16分02秒
次世代のオンガク活動
新年あけてようやく仕事の日々に慣れてきた今日この頃。i-phoneの音声入力が有能だと噂を聴く一方で、とりあえず手入力で日記を書いている。

次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック 知恵とノウハウ、みんなでシェア!
」永田純:著(リットーミュージック:2013)を読んでるが、非常に興味深い。

いわゆるメジャー・レーベルからのCD発表にこだわらず、インターネットを駆使した活動する個人/メディアの双方にスポットを当てた。書籍としてはカタログ的な編集で、一人あたり数ページ。食い足りなさはあるが、好奇心をくすぐる足掛かりには十分だ。
この手の本だといわゆる先鋭的な人が並ぶが、ベテランの一人で森山威男が上がってて面白い。地方を拠点に活動するジャズメン、の一例らしい。

まがりなりにもインターネットの進歩と同世代に歩んできた身として、今のネット普及は隔世の感がある。ぼくが中学生の頃はまず情報が無く、実際の音を聴くのも限られていた。
だが今はアクセスの容易さゆえに咀嚼しきれぬ事態が訪れている。一銭もかけずに一生涯聴き切れぬ音楽をHDDにため込むことすら、たやすい。しかも自分の興味ある音楽だけでも。サンクラとyoutubeとBandcampあればたいがいのジャンルは豪放かつ無料で聴ける。7Youtubeが合法化はさておいて。

J-RAPで最近知ったTwitterアカウント「日本語ラップ フリーダウンロード」も、まとめブログがあった。
http://blog.goo.ne.jp/wildbounce
聴いてみようと思いつつ、まだ一個もDLしていない。このジャンルはここ(http://blog.livedoor.jp/colvics/)も参考になる。

インディーズとネットレーベルと同人と個人。言葉から受ける印象も活動スタイルも違うが、自らの力で自分の音楽を普及図る意味では近しい。となると次なる選別は宣伝力になる。これは音楽表現と別センスだから、ちょっと納得いかない。
あくまで音楽勝負ならば。音楽評論家なりラジオ番組なり。いかに趣味の合う媒体を見つけるか、がポイントだ。しかし最近はYoutube筆頭に「自分で探せ」か「タグで辿れ」が主流になっている。ラジオ配信もなまじ世界中の局へアクセスできるから、膨大過ぎて手におえない。

偶然耳にするしか、方法無いのかな。良い音楽を聴き逃してはいまいか。気にかかる。

今のBGM:Blue Willow Trio"Tree"(2008)
清野拓巳(g),浜村昌子(p),Jeremy Stratton(b)のジャズ・トリオで、和歌山のぶどう園/喫茶店、ジャラン・ジャランが主宰するレーベルから発売された。
http://www.grapesmusic.com/Grapes_Music/cds.html
リーダーは清野のようだ。彼は大阪中心に活動しており本盤で初めて名前を知った。
http://www.takumiseino.com/

ロマンティックなジャズで、派手な斬り合いは無い。流麗で滑らかなギターが丁寧なピアノと絡みながらソロを紡いでゆく。ベースも着実、スムースジャズ的なアプローチも。
しかしどこか、耳に引っかかる刺激が有る。三人とも拍頭か裏でジャストに刻むだけ、ってバッキングじゃなく、ヨーロッパ的に揺れながらリズムを取るせいか。

いわゆるスインギーな感覚とは違う。野暮ったさも見事に無い。前衛さを狙わぬオーソドックスな仕上がりだが、何かが違う。その何かが、まだわからない。でも考えるのは、楽しい。
2014年01月11日 09時47分25秒
『Junk Head 1』とクラファン
日本人のモーション・アニメ作品『Junk Head 1』が公開、第二作政策に向けクラウド・ファンディングを募っている。作者のオフィシャルWEBはこちら。http://yamiken.jp/index.html
『Junk Head 1』は、この日記書きながら見ている。緻密な設定と構成に、ユーモラスで生き生きした動きが面白い。

第二作のクラ・ファン特典も見たが、「上映まで毎週30分のメイキング映像の配信」ってのが凄い。どれだけ手間かけるんだ。しかもこの特典条件が 2.000円。安いなあ。

本作品のクラ・ファンはindiegogoとMotionGalleryでやるそうだ。しかしクラ・ファンって、なんでこんなに一杯サイトがあるんだろう。
NAVERにまとめページがあるくらい。
  
「クラウドファンディングサービスまとめ ※12/29更新」
http://matome.naver.jp/odai/2132853336158390101

共産主義的発想は好みじゃないが、もし純粋に大衆善意の集合体を狙うなら新しいサイト立ち上げず、既存のサイトに誘導すりゃいいじゃんと思う。もう少ししたら淘汰されて「強いファンディングサイト」が残るんだろか。
2014年01月06日 22時21分47秒
一夜で2億:アイアン・メイデン
さて、正月休みもそろそろ終わり。グータラ・モードから仕事モードに頭を切り替えねば。なんか景気良い話は無いか、と探して見つけた記事を紹介します。

「アイアン・メイデンがビッグデータを活用し違法ダウンロードに対処」
http://www.musicman-net.com/business/32086.html
メイデンが違法DL対策に"もっとも多く違法DLされる場所でライブを敢行、金をかっぱくぞ"企画をやったそうな。とりあえず南米が市場と設定しツアーを行った。
サンパウロでのライブは完売、その日だけで258万ドルの収益を上げたという。すごいビジネス規模だな。

具体的にはBTの口コミ分析する会社、英Musicmetricの分析によれば2013年10月ツアー終了後に500万人以上のファン獲得したそうだ。どういう換算のファンだろ。

この企画が音楽業界に普及したら、誰の違法DLしよう。とりあえず、ヴァン・モリスンだな。

メイデンのサンパウロ公演、どの日の事か分からないが13/9/20のことか。ならば、セットリストはこちら。http://www.setlist.fm/setlist/iron-maiden/2013/arena-anhembi-sao-paulo-brazil-43c7a3f3.html

当日のライブも観客撮影版ながらフルセットがYoutubeで見られる。(検索ワードは「Iron Maiden - Maiden England Tour 2013 - São Paulo, Brasil, 20 Set.」
2014年01月04日 20時18分09秒