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のんびりてきとー日記です。 ちなみに過去の日記はこっちです。

ふむむ。
ここんとこ立て続けに小説を読んでいる。主に通勤時間を使ってね。
今日読み終わったのが、鴻上尚史"ヘルメットをかぶった君に会いたい"(集英社)。

第三舞台を主宰し、数々の戯曲やエッセイを書いてきた彼の、初の小説になる。文芸誌を手に取らないので、「すばる」へ連載してたの、まったく知らなかった。連載時に読んでたら、もっとスリルが増したろうな。

内容は今、書かないでおく。頭の中が整理できていないや。もしご興味あったら、教えてください。

鴻上のファンなら、楽しみが倍増すると思う。エッセイというか、独白というか。リアルな現実を見せておき、するりと100ページ目あたりからフィクション(らしき)ものが滑り込む。最後まで、それはフィクションだと強く主張しない。事実なんだ、と思い込むことも可能だろう。

いや、ひょっとしたら全てが現実であり、最初から全てがフィクションなのかもしれない。
第三舞台の演劇で断片的に染み出すテーマが見え隠れし、舞台"リンダ リンダ"のストーリーが本作の物語と密接に連携している。面白かったよ。

・・・いかんな、長くなった。

鴻上尚史に話しかけられたことが、一度だけある。これ、前にも日記で書いたかな?
第三舞台「朝日のような夕日をつれて」を見に行ったとき。
ビデオでも戯曲でも幾度も体験し、ストーリーは頭に入ってた。しかし、舞台を見て、頭の中で「何かを言いたい」って気持ちが湧き上がった。

幕が下りたとたん、すぐさまロビーへすっ飛んでった。アンケートに書き殴りたいことが頭に充満してて。がらんとしたロビーに座って、思いつくまま書きまくっていたら、ぽつりと声が聴こえた。

「つまらなかったですか?」

顔を上げたら、鴻上尚史がいた。どんな表情だったか、ぼくはなんて答えたか、覚えてない。言葉もそこそこに、アンケート書きに没頭した気がする。考えるだに、もったいないことした。

そのときと同じように。"ヘルメットをかぶった君に会いたい"を読了した今、頭の中で色々な考えが渦巻いている。

・・・なんか、静かな音楽でも聴くか。

今夜のBGM:Lakeside"on air"(1999)
 レイクサイドは日本人の二人組。ギターの弾き語りで静かなインストをやる。
 ゴンチチあたりとはコンセプトが違う。環境音楽のように、静かな爪弾きを漂わす。数年前、OZが主宰したオールナイト・イベントでライブを見た。あまりの静謐さが心地よかったな。その場で速攻、CDを買った。

 本作もOZからのリリースで"Slow Anthology"に収録。ギター二本で紡がれる音楽は、ぽつぽつと語り合うようだ。即興じゃなく、ちゃんと譜面がありそう。
 互いのギターががっちり絡み、それでいて作為くささが無い。そっと音楽が広がる。
2006年05月09日 22時29分52秒
明日は月曜日。
仕事開始ですな。所要もあって、先ほど会社のPCを立ち上げる。あー。なんか明日からトラブル発生しそうなメールがいっぱい。GWが終らなきゃいいのになー、ってのは、連休終わりの時期にはいつも思うこと。
うっしゃ。とりあえず気持ちを静めましょうかね。音楽でも聴いて。

今のBGM:Elvis Costello & The Brodsky quartet"Who do you think you are?"(1993)
 ライノからボートラ出てた2枚組出てましたね。買いたいなー。まずはぐっとこらえてます。コステロ税は厳しいのう。

 本盤は最初聴いたときは戸惑ったけれど、聴き重ねるうちに良さが分かってきた。コステロが朗々と歌うの上手い、と実感したのも本盤を聴いてるうちだった気がする。
 いっぱい好きな曲ある本盤だが、これもその1曲。波打つように寄せては返す弦楽四重奏にのって、コステロは言葉を呟きのように切り取り、旋律へ乗せてゆく。

 サビのメロディがとても好きだ。そしてためらうような静寂しばし。
 一呼吸置いて・・・しずしずと歌は前へ踏み出す。
2006年05月07日 11時47分42秒
いわゆる。
『いわ‐ゆる〔いは‐〕【▽所×謂】
[連体]《動詞「い(言)う」の未然形+上代の受身の助動詞「ゆ」の連体形から》世間一般に言われる。俗に言う。』(ヤフー辞書より引用)

文章を書いてて、どこまで漢字を開くか悩みます。あんまり漢字多いと黒っぽくて読みづらいし、少なくても間が抜けて読みづらい。いわゆる小説書きハウツー本だと「とにかく、ひらけ」って論調が多い。とりあえず日記を書くときは、各位のブログを拝見しつつバランスを考えたりします。

そこで、気になるのが「いわゆる」。「所謂」と書く場合を良く見るんです。これってなぜ感じにするんでしょう。常用漢字でもないよねぇ・・・ひらがな文章に慣れた身には、未だに違和感あります。それぞれの方の語感だとわかってはいるのですが。

そしてもう一つ。漢字力がないもので、つい「所詮」(しょせん)と誤読してしまう。似てるようで意味はぜんぜん違う。しかしこの誤読は痛いのよ。意味がまったく違うから。

ということで、ぼくは「いわゆる」をひらがなで書き続けて行くと思います。読みづらい・・・かなあ?

今日のBGM:Devine Comedy"The Summerhouse"(1994)
 デヴァイン・コメディ。うーん、懐かしい。2ndと3rdアルバムを吉祥寺のレコファンでまとめて買ったよ。「おお、なんて英国マニアックな香りのミュージシャン!」と喜んだら、そのあとけっこう有名になって驚きました。オフィシャルHPはこちら。
http://www.thedivinecomedy.com/

 6月に新アルバム出すのね。まだまだ活動してるんだなー。一応6th"REGENERATION"までもってますが、最近はまったく熱心に聴いてませんでした。棚をかき回してて、なんとなく聴きたくなって引っ張り出した一枚。
いわゆるモーマスとの共通性を感じるが、デヴァイン・コメディのほうがもうちょい社交性あって、頑固な感触だ。

 この曲は3rd"Promenade"に収録。デヴァイン・コメディはニール・ハノンのワンマン・ユニットで、ほとんどの楽器をニールが弾いている。こういう多重録音ものって好み。
 
 さて、"The Summerhouse"。特に好きとかではなく、まさに今、流れてる曲です。メランコリーにしっとり歌う。
 
 オフィシャルHPに歌詞あったので、初めて今日、斜め読みしました。
 ひと夏の避暑で出会った子供同士の想い出を、甘酸っぱく語るかと思わせて。どんどん過激になって行きます。ませがきめ。
 普段ぼくは、歌詞ってまったく興味持ちません。特に洋楽。歌詞を聴かずに聴く癖がついちゃったからさ。

 だからヘタに歌詞知ると困っちゃう。イメージ変わっちゃうよお。ロマンティックでスローな曲って印象あったのに。
「もう一度〜!」って、朗々と歌い上げるなってばさ。歌詞読んで、ふと思った。
 もしライブでニール・ハノンが真面目くさってこの曲、歌い上げたら・・・笑っちまうだろうなあ。やっぱり、歌詞は知らんほうがいいのかも。

 なお。歌詞の一行だけ、うまくニュアンスが訳せない。歌世界の勘所な一行なのに。(*1)
 "It's kind of weird to be back here again"
 「ここに再び戻って来るなんて一種の不思議なこと」でいいの?

 つまり、歌世界の主人公はその世界へ戻ってきた、といいたいの?
 それとも、その場所とエピソードに思いをはせているの?
 もしくは、「不思議なこと」を体験したが、それはまるで「その場所へ戻っていくようなもの」といいたいの?
 "here"だから、戻ってきた、でいいのかなあ。訳に自信ない。英語力がほしい。

(*1)なお、全文は上記のHPの"ディスコグラフィー"で"Promenade"をクリックすると、右下から歌詞一覧に飛べます。そこで"The Summerhouse"の詩をご参照ください。
 直リンク貼ろうと思ったけど、上手く行かず。すみません。
2006年05月05日 16時03分39秒
またもや続き。
溢れたBGMコーナーの文章だけ、手短にアップします。
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今夜のBGM:Ismael Lo"M'Barawath"(1991)
 セネガルのSSW、イスマエル・ローのCD"Ismael Lo"より。現地では1981年頃からカセットをリリースしてた模様。これが世界進出を狙った初のCDなんだろうか?録音は一応、フランスで行われた。ぼくはほぼリアルタイムで聴いてた・・・はず。久しぶりに聴き返したら、分厚いコーラスの"Ale Lo"あたりが好きだったの、思い出したよ。

 しっとりしたのが聴きたかったんだけどね・・・根本的にアッパーなテンションで仕上げた。とりあえずCD終盤のこの曲を。イントロ直後、"あららら〜!”って、歌い上げるハイトーンがいかした響き。
 アフリカン・ファンクなアレンジだけど、どこか硬いのはなぜだろう。個々の楽器がくっきり聞こえすぎ、むしろ一体感が希薄になっている。

 シンセが少々古臭いものの、あとは良く練られたアレンジなのにな。じわじわと練り上げるグルーヴが心を動かす。
 それにしてもユッスー・ンドゥールと共通するハイトーンは、セネガルの基礎歌唱文化なのだろうか。

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今夜のBGM:Ana Silva(Inhana)"Guaruja"(1950's)
 中村とうようが主催してた再発レーベル"オーディブック"の最後を飾る"Toyo's Choice"(1997)に収録された。オリジナルはSP盤らしい。きれいに処理されているが、後ろにスクラッチノイズが薄く聴こえる。

 このミュージシャンはまったく知らない。中村とうようのライナー頼りです。ブラジルの女性シンガーで50年代に活躍してたという。ブラジル音楽やパラグアイ音楽が守備範囲らしく、この曲も"サンバ・カンソン"というアレンジだそう。
 しかしぼくの耳にはスライドする弦楽器の響きが、どうやらハワイアンに聞こえてしまう。歌い方はインドの映画音楽みたいだし。うーん、エキゾチック。
 歌声そのものは滑らかで心地よい。ハイトーンを転がすように使いこなす。妙な小細工は何も無く、まっすぐに声を伸ばした。

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今夜のBGM:Grenadine"Pinky Tuscadero"(1992)
 グレナディンは90年代初頭にアメリカはワシントンDCあたりで活動したトリオ・バンドらしい。ここに簡単なバンドの紹介あり。
http://www.simplemachines.net/grenadine.html

 活動のメインはSimple Machinesってレーベルだが、この1stアルバム"Goya"のみ、ぴょこっとシミーからリリースされた。クレジットを見るとティーンビート(レーベル?)とシミーが曲の権利を分け合う。
 メンバー参加もSimple Machinesなりティーンビートから"Courtecy of.."で許可を得てる。なんか不自然。プロデュースはクレイマーだが、名義だけ貸したんじゃって疑りたくなる。

 メンバー構成はギター二人にドラムという、いびつなかっこう。シミーではありがちだけど。ちなみに彼らはもう一枚、アルバム"Nopalitos"を出している。そのクレジットにクレイマーの名前はどこにもない。作曲クレジットもないんだよな。

 さて、話を"Pinky Tuscadero"に戻そう。この曲は前述の1st"Goya"に収録。たぶんアメリカの作曲家カバー集だと思う。1920〜40年代くらい?クレジットに有るのは、コール・ポーター、ロジャー=ハート、ホーギー・カーマイケル、ガーシュインあたり。
 ネット検索したけど曲についてのコメントは見当たらず。作曲のサム・ルイスについては見つけた。20年代あたりにハリウッドのミュージカルを書いた人らしい。
http://www.songwritershalloffame.org/exhibit_bio.asp?exhibitId=95

 ギターのシンプルなかき鳴らしと、冷徹なハイハット。途中でアップにはじけても、あくまで静かに見つめる雰囲気は崩さない。エコー成分は控えめで、クリアな空気が漂う。
 中盤にギター中心の淡々としたインストが続く。雑踏のざわめきらしきものがダビングされ。単音/単弦のギター・リフへベースやギターがまとわりついては去ってゆく。
 リバーブをどっぷりかけたらシミーっぽい。その点では、いかにもクレイマーが気に入りそうなサウンドだ。
2006年05月04日 13時24分21秒
再び、"Mercy,Mercy,Mercy"。
昨日の日記で書いた、バッキンガムスの"Mercy,Mercy,Mercy"の歌詞について、調べたことをもうちょい書いてみようか。

曲クレジットはこんな感じ。これに作詞も入っているんだろうか。
(Williams / Watson / Zawinul)

ザヴィヌルは分かった。あと二人が誰なのか想像つかなくって。ねちねちネットで、ためしに調べたらここに出てきました。どうやら以下の三人らしい。
Joe Zawinul
Johnny 'Guitar' Watson
Larry 'Bad Boy' Williams

な、なんでジョニー・ギター・ワトスンがいるの?ラリー・ウイリアムズは、どうやら50年代にR&Bで活躍したニューオリンズ出身のシンガーらしいです。レーベルはスペシャリティ。ビートルズがカバーした"Dizzy Miss Lizzy","Bad Boy"."Slow Down"のオリジナル・シンガーだそう。へぇ。

ちなみにザッパ・ファンなら。ジョニー・ギター・ワトスンの解説はいりませんよね。
残念ながらザッパ・ファンでない方のために説明すると、50年代以降に活躍したブルーズ・シンガーです。ちょっとコミカルなイメージあり。所属レーベルは渡り歩いてはいるものの、フェデラル、モダン、キング、RPMあたりらしい。

やたら長いコードをエレキギターにつけて弾いてる人じゃありませんでしたっけ?他界したとき、レココレ誌に追悼記事が乗った気がするものの、資料が見つかりませんでした。失礼。

三人クレジットに至った、ぼくの仮定はこんな感じ。

1.ザヴィヌルが作曲し、キャノンボール・グループ(以下、CG)で発表。
2.それを聴いたジョニー・ギター・ワトスンがカバーをさっそく演奏。音盤化したかは別として。
3.同じくラリー・ウイリアムズもカバーを演奏。音盤化したかは別にして。 
4.歌詞をちょろっと、ジョニーかラリー(クレジット順から言えば、ラリーくさい)が改変した。つまり、あとからカバーした人が変更したため、クレジットが三人名義なののではなかろうか。
5.最後に「これかっこいいじゃん」とガルシオがカバーをバッキンガムスに提案。録音にいたる。

以下の情報分かれば、謎が解けそう。面倒だから調べませんが。

1.CG盤での作曲クレジットがザヴィヌル一人か。(こういう簡単な情報が、ネットで出てこない・・・)
2.CG盤の発表時期(これも見つかってもおかしくない。探し方悪いのか)
3.ワトスンの所属レーベル。スペシャルティにいたんだっけ?二人のどちらかがシカゴで演奏してても、つじつまは合う。
4.あとはジョニーやラリーがシカゴにいたツアー・スケジュールが分かれば、裏づけ取れるかな。音盤化して、ヒットしてたら別ですが。

きりがないので、これ以上調べません。
ただし、どっちにしてもものすごい短期間でのカバー合戦になる。もし、ぼくの仮定が正しければ。

こういう疑問をきっちり調査/整理してHPにまとめたら、資料価値は若干あるんだよね。そういう緻密さの熱意に欠けてるんだよな、ぼくは。

さて、BGMコーナー。今朝、ちょろちょろ書いたのを、ついでにアップしちゃいます。
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今夜のBGM:Raspberries"If you change your mind"(1972)
 2ndアルバム"Fresh"に収録な、エリック・カルメンの作曲。ラズベリーズはパワー・ポップってイメージある。砂糖コーティングたっぷりなポップス。本盤でもっとも好きな曲は"Let's pretend"。ベストは全米チャート35位、ベイ・シティ・ローラーズもカバーしたとか(未聴)。でも、今日はこっちを。サビのメロディ聞いたら、イメージが似てるんだもん。

 これもアメリカのバンドなのに、なんかイギリス出身の誤ったイメージを持ち続けてる。アラン・パーソンズ・プロジェクトの"Don't answer me"を先に聴いたあと、ラズベリーズを聴いたせい?スペクター・サウンドなあの曲ですが、アレンジの甘甘っぷりがラズベリーズに影響あるもので。

 アコギのかき鳴らしから始まり、次第に楽器が増えていく。ストリングスもどっぷりかぶさった。訥々とメロディ置くベース・ラインが好きです。細野晴臣やジェイムズ・ジェマーソンを意識してから、ついメロディアスな低音へ耳が行ってしまう。

 エンディング間際の歌いっぷりで、声の潰し加減がポール・マッカートニーに酷似して面白かった。2:42〜2:51あたり。無理やりシャウトして、かすれさせるセンスが似てるなあ、と。
2006年05月04日 13時21分19秒
続き。
この日記欄は文字数制限あるんだよね。めんどくさいなー。

今夜のBGM(その3):John Zorn's Cobra"Goa Gajah"(2002)
 こないだコブラをライブで見て、なんとなくi-podへ取り込んで聴いていた。4種類ほどコブラのCDはあるが、一番好きなのがTZADIKから出た盤。音楽的に聴いてて楽しいんだよね。
 これはアルバム最後に収録された曲。タイトルは蛇の名前なの?検索したらバリにある洞窟遺跡の名前が見つかったが。

 冒頭はゴング(たぶん、シロ・バプティスタ)やマリンバらしき音(ジェイミー・シャフトのキーボードかな?)をバックに、たぶんジェニファー・ショイのバイオリンが切々としたアドリブを聴かす。
 次第に構成楽器が増えていき、サウンドが盛り上がる趣向。おごそかで美しいサウンドだ。どういうサインで作ってるんだろう。
 
 エリック・フェルドマンのチェロが加わり、タブラ(だれ?イクエ・モリのラップトップかな)の音がかぶさる。スージー・イバッラのドラムもランダムでシャープな音であおった。シルヴィ・クールヴォワ(でいいのかな?)のピアノも、べらぼうに美しい。

 あくまで音楽は静かにむせび泣くような切なさを秘めて、ぎしぎしと軋んでたゆたう。即興音楽がゆえに、メロディ云々は希薄。しかし全体像から広がる浮遊感が素晴らしい。7分あまりの酩酊するひととき。

今夜のBGM(その4):シュガー・ベイブ"パレード"(デモ)(1974)
 ナイアガラ・トライアングルで山下達郎のソロとして発表されたこの曲、ぼくと同世代なら"ひょうきん族"のエンディング・テーマでおなじみでしょう。
 これは74年にニッポン放送のスタジオで録音されたデモ音源。今までに何度かアウトテイクとして発表された。今はシュガー・ベイブの30周年記念盤"Songs"のボートラで容易に聴ける。

 デモとはいえ、録音はかなり凝っている。コーラスはこれ、あとかぶせだよね?演奏はシュガーベイブらしい。ちょっとロレるところがあるのはご愛嬌。
 ベースがランニングでメロディを弾くのがアレンジの芯。グルーヴはドラムが裏拍にスネア、ギターがリフをかぶせることでアンサンブル全体で揺らしてる。後ろで幽かにグロッケンらしき音も。叩いてるのは大貫妙子かな?ピアノも聴こえはするけど、ミックスはずいぶん奥に小さく置かれてる。

 曲としては「紙ふぶきは〜♪」の大サビが、公式発表と大きな違い。そのあとのギターソロも飾りっけ無くていいなあ。達郎の声も若いです。
 ドラムがエンディング間際にフィルを入れるのは、ハル・ブレインへのオマージュかな。

 アレンジは達郎の"土曜日の恋人"みたいに、スナッフ・ギャレットあたりの西海岸がテーマかと思ってた。でも達郎のインタビュー読むとジェリー・ロスあたりの東海岸。フィラデルフィアをイメージしてたらしい。ジェイ&テクニックスあたりかな。このバンドはCD持ってないんだよなあ。
 
 とにかく。一番の魅力は分厚いコーラス。ぶわっと深く厚く広がる瞬間の快感ったらない。荒削りだけど、迫力たっぷり。ヘッドホン使って、なるたけでかい音で聴きましょう。
 
今夜のBGM(その5):Red Nichols and his five pennies"Battle hymm of the republic"(?)
 先日買った廉価版10枚組"Dixi Land Jazz"に収録。解説が何にもなくて、詳しい経歴や録音時期は不明。レッド・ニコルスは1926年にこのバンドを結成、活動に入ったそう。戦時中に一時中断あるも、戦後も活動したとある。この音源はSP特有のノイズがないから、戦後の録音だろうか?

 邦題は"リパブリック賛歌"らしい。ちょっと調べたけど、いまいち肝な情報が見つからず。詳細は割愛させてください。"おたまじゃくしはカエルの子〜♪"(すなわち、ヨドバシカメラのCMソング"まあるい緑の山手線〜♪")のメロディの元ネタになった曲らしい。
 
 何の気なしに聴いてたら、いきなり朗々と耳馴染みあるメロディがビッグ・バンドのアレンジで流れたから、なにかと思ったよ。こうして聴くと、行進曲の色合いを備えた曲なんだね。
 あんがいソロ回しが多い。滑らかなクラリネットを筆頭に、様々な楽器ののどかなソロがテーマを挟み連なる。勇ましく駈けずに、のどかに演奏されるのがミソでしょうか。途中から、テンポアップするんだけどね。
2006年05月03日 20時33分04秒
GW音楽三昧。
i-podの中身を磨き上げようと、ふと思い立つ。
今まではアルバム単位で片端からぶち込んでいた。これからは聴いてぴんと来なかった曲は消してみようかと。達成の暁にシャッフルで聴いたら、どれもこれもが好みの曲が続き倒すDJ無しのラジオ番組になるはず。


今現在、約10ギガはいってる。2200曲収録で、通して聴くと7.1日かかるとある。さて、磨き上げるのはいつになることやら。気が向くと新たにアルバム単位で、ずぞぞぞと吸い込ませているし。

さて。何の脈絡も無く、BGMコーナーを連荘で書いてみます。長くなったので、とりあえずここまで。

今夜のBGM(その1):Masada String trio"Uriel"(2005)
 TZADIKからのアルバム"Azazel"に収録。本ユニットとしては初のアルバムになる。といっても、継続的に活動してるといえるのかな。
 ジョン・ゾーン率いるMasadaの別プロジェクト、"Masada Book 2"シリーズの一環として発表された。

 オビ裏によれば、ジョンは04年に300曲以上もの新曲をMASADA用に製作。その発表手段として関連ミュージシャンの別ユニットを作ることにしたそう。これまで4作まで発表され、シリーズは"天使の書〜The book of angels"と呼ぶ。ほんとたいした創作意欲だ。
 個々の曲はとても聴きわけられない。ユダヤ・ミュージックの色合いがどれも漂う。ぱっと聞いてタイトルを言える熱狂的なファンは、どのくらいいるんだろう。
 
 さて、これはストリング・トリオ。マサダからはグレッグ・コーエン(b)が参加し、マーク・フェルドマン(vln)、エリック・フリードランダー(でいいのかな?)(vc)の3人組。彼らのアレンジは実際には弦の二重奏+ウッドベースの趣きある。グレッグがかたくなに指弾きしてるため。
 エリックも指弾きを織り込むが、基本はアルコ。指で弾いてもピチカートの印象が強い。

 今、BGMで流れてる曲について触れよう。"Uriel"とは四大天使の天使、ウリエルかな?クリスチャンじゃないので知識が無く、ウリエルについて触れるのは割愛します。
 ピチカートから始まり、バイオリンがむせび泣く。強い意志を持ち駆け上がった。チェロとベースのピチカートの応酬が地面をぐらぐら揺らし、力強くバイオリンを押し上げる。

 チェロへソロが回ると、あくまで指弾きでエリックは硬く弦をはじく。まるでバンジョーのように聴こえる一瞬すらも。ベースにソロは周り、高音部を生かして素早く駈けた。バイオリンはすっと下がりピチカートで世界を照らす。
 かっこいい曲だなあ。MASADAの盤を聞き返したくなったよ。あまりに膨大すぎて、気軽に聴けないのが難だけど。スタジオ盤で10枚。ライブ盤で10枚弱。関連盤が・・・数えるのも大変。膨大な作品群は嬉しいけれど、こういうときにどれを聴こうか迷ってしまう。
 
今夜のBGM(その2):The Buckinghams"Mercy,Mercy,Mercy"(1967)
 今年になってジャズのライブでこの曲を聴く機会が幾度もあった。なんか珍しいな。オリジナルはキャノンボール・アダレイ・グループ。しかしオールディーズ小僧だったぼくは、どうしてもバッキンガムスのテイクが頭に浮かんでしまう。
 一応ヒット曲だったみたいですよ。チャートで67年の8月に5位まで上がったとライナーにある。アルバムは彼らの1st"Time & changes"に収録された。

 バンド名からなんとなくイギリス出身、ってイメージあった。実際はばりばりのアメリカ出身。プロデュースはシカゴとのかかわりで有名なジェイムズ・ガルシオだもの。バッキンガムスもシカゴ出身だから、その関係だろうか。もちろん歌詞つき。書いたの誰だろうな。

 日本盤のライナーによれば、この曲はキャノンボールがヒットさせた直後に録音したらしい。サンデイズド盤のクレジットによれば、3/9に録音とある。すさまじく初物食いなカバーだ。

 テーマのメロディをキッチリ生かし、ひしゃげ気味の声な歌声が好き。
 ほのぼのした演奏も寛げて楽しい。ホーン隊がばっちり入ってるけど、演奏は誰だろう。シカゴのメンバーが参加してたら面白いのにな。
 サビを変にくっつけず、淡々と畳み込むようにメロディを歌い継ぐ。
 最後の"ベイベ〜!"で盛り上がりのそぶり見せるけど、あっさりコーダへ行っちゃうんだよね。もっとジャムで押せばいいのに。ライブではやってたのかな。
2006年05月03日 20時31分10秒